第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項に記載した将来や想定に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、社是、経営理念及び社訓から構成される経営基本方針のもと、お客様のニーズを的確に捉え、開発先行型企業であり続け、お客様から高い評価を頂けるよう社員一人ひとりが取り組んでおります。

また、これからもこれらの活動を通しお客様から信頼され永続的に発展し続ける企業を目指すとともに、社会への貢献を果たしていきたいと考えております。

具体的な経営基本方針は以下のとおりです。

 

(社是)

技術・品質・創意・挑戦

(経営理念)

1.絶えずお客様から信頼される企業

2.常に挑戦を続ける企業

3.社員が楽しく働ける企業

4.環境にやさしく、地域社会に役立つ企業


(社訓)

一.私達は責任を自覚し互に協力して職務に励みましょう。

一.私達は技能の向上に勉め良い製品を作りましょう。

一.私達は規律を守り礼儀正しく明るい社風を作りましょう。

一.私達は健康を第一とし人格の昂揚に勉めましょう。

一.私達は社会の恩恵に感謝し誠実を以って世の為に尽くしましょう。

 

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、2026年3月期に連結売上高500億円以上、連結経常利益35億円以上を目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

グローバルでの競争が加速する中、当社グループは、様々に変化する事業環境の中においても安定して継続的に事業展開できる体制の強化を目指し、「国内収益基盤の強化」、「海外収益基盤の強化」、「事業運営基盤の強化」の3つの方針を柱とする、以下の具体的な施策について取り組んでおります。
 ① 国内収益基盤の強化

 ・生産品目の選択と集中

 ・差別化技術の開発

 ・新規分野・お客様の開拓

 ・効率生産体制の確立
 ② 海外収益基盤の強化

 ・海外市場の見極めと投資検討

 ・効率生産体制の確立
 ③ 事業運営基盤の強化

 ・人材の育成

 ・組織運営体制の更なる強化

 ・財務体質の強化

 ・内部統制システムの充実

 ・環境にやさしい企業活動

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

国内経済の緩やかな回復が期待される一方、原材料価格やエネルギー価格の高騰、急激な為替の変動、物価の上昇等により先行き不透明な状況が予想されます。

このような状況の中、当社グループは、様々に変化する事業環境の中においても安定して継続的に事業展開できる体制の強化を目指し、「国内収益基盤の強化」、「海外収益基盤の強化」、「事業運営基盤の強化」の3つの方針を柱とする、以下の具体的な施策について取り組んでおります。

 

① 国内収益基盤の強化

自動車の電動化や脱炭素の流れが加速する中で、当社固有の技術を活かしたパワートレイン部品及び炭素繊維やガラス繊維等と樹脂による複合材料を用いた軽量化・省エネルギー化につながる部品等の開発と拡販に取り組んでまいります。

② 海外収益基盤の強化

各国の市場動向を注視するとともに、市場の拡大等にともない増加する受注に対応するための生産体制の整備を推進してまいります。

③ 事業運営基盤の強化

企業成長の根幹を成す人材育成のため、ものづくり面での研修内容の充実や中堅・若手社員が将来へ向けた経営感覚をやしなうことを目的としたワーキングチームを編成した活動を推進してまいります。また、事業に伴う環境負荷の低減に向け、エネルギー効率の良い設備の導入や、リサイクル業者との連携による廃棄物ゼロの取り組みに加え、再生可能エネルギーの利用についても積極的に検討を進める等、環境にやさしい企業活動を推進してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、地球環境、地域社会、社員の視点に立った企業の社会的責任(CSR)活動を通じて、自社の「持続可能な事業運営」と「持続可能な社会に対する貢献」を両立し、誰からも信頼される会社であり続けることを目指すとともに、CSRガイドラインに基づいてCSRに取り組むことで、ESGの観点でステークホルダーの満足度を高め、SDGs目標の達成に貢献してまいります。

 


 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

 

(1) ガバナンス

当社は、事業環境の変化に迅速に対応し、経営全般にわたって透明性と効率性を追求しつつ、「持続可能な事業運営」と「持続可能な社会に対する貢献」を両立する上で、コーポレート・ガバナンス体制の強化及びコンプライアンス・リスクマネジメント体制の充実が重要な経営課題の1つであると認識しております。

詳細につきましては、「第一部(企業情報) 第4(提出会社の状況) 4(コーポレート・ガバナンスの状況等)」及び当社のHPをご参照ください。

当社HP : https://www.takagi-seiko.co.jp/csr/

 

(2) 戦略

人材の育成、社内環境整備及びカーボンニュートラルに関する方針、戦略は、次のとおりであります。

① 人事基本方針

基本的な考え方

当社は、「誰からも信頼される100年企業」、「皆様から『タカギセイコーという会社があってよかった』と言っていただける会社」を目指しており、このビジョンを実現する過程において、社員1人ひとりがその力を最大限に発揮できるよう「人事基本方針」を定めています。

この基本方針は、会社が求める人物像、なってほしい社員像を示す「求める人材像」と、会社の社員に対する姿勢のあり方を示す「人事ポリシー」の2点から構成されています。

 

求める人材像

1.自ら考え行動する人

2.常に改善意欲のある人

3.何事もチャンスと捉え挑戦する人

4.自らの成長を望む人

5.誰からも信頼される人

 

 

人事ポリシー

1.多様な価値観・人格を認め合う職場環境を形成します

2.全ての社員に自ら成長できる機会を提供します

3.能力や資質と意欲に基づいた適材適所の配置を行います

4.新たな価値の創造に挑戦する人を大切にします

5.公正な評価と適正な処遇を実現します

 

② 女性活躍推進法に基づく行動計画

基本的な考え方

当社では、女性が個性と能力を十分に発揮して職業生活において活躍することが一層重要となっていることに鑑み、女性が働きやすくかつ長期的にキャリアを形成していけるよう「行動計画」を策定し、各種取組みを進めています。現行の「行動計画」の内容は以下のとおりです。

 

女性活躍推進法に基づく行動計画

女性の職業生活における活躍の推進に取り組むため、次のように行動計画を策定する。

 

a.計画期間

2022年4月1日 ~ 2025年3月31日

 

b.目標

イ.管理職(課長級以上)に占める女性比率を5%以上とする。

ロ.管理職候補(係長・主任級)登用者に占める女性比率を33%以上とする。

 

c.取組内容・実施時期

 取組内容 女性管理職を登用する環境の整備と運用を行う。

2022年4月~

女性社員がより働き甲斐を感じられる制度の構築

2023年10月~

女性社員がより働き甲斐を感じられる制度の運用開始

2024年10月~

運用開始後の確認・改善整備

 

 

 取組内容 女性社員の管理職候補者の育成を推進する。

2022年7月~

女性社員に対するマインド変革に向けた女性役職者へのヒアリング実施

2022年9月~

女性社員に対するマインド変革に向けた部署長へのヒアリング実施

2023年1月~

女性社員のキャリア形成・リーダーシップ開発を目的とした若手・中堅女性社員と

上司への研修会開催

2023年3月~

女性社員のキャリア形成・リーダーシップ開発に向けた社員交流研修会を開催

 

 

 

 

③ 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画

基本的な考え方

当社では、次世代育成支援対策推進法が定める基本理念のもと、次代の社会を担う子どもたちが健やかに育成されるよう、社員の職業生活と家庭生活との両立を図るうえで必要な雇用環境の整備を推進しています。現行の「行動計画」の内容は以下のとおりです。

 

次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画

従業員がその能力を発揮し、仕事と生活の調和を図り、働きやすい職場環境をつくるため、次のように行動計画を策定する。

 

a.計画期間

2024年4月1日 ~ 2027年3月31日

 

b.目標

イ.男性従業員の子育て(育児)目的の休暇制度等の周知及び啓蒙を図り、

 育児休暇取得50%以上の取得を目指す。

ロ.2027年3月31日までに1人あたり年次有給休暇取得日数を平均12日から15日以上とする。

ハ.地域の学生の会社(工場)見学、中学校ものづくり事業への参加及び高校生・大学生の

 インターンシップの受入を継続して行う。

 

④ カーボンニュートラルの実現

基本的な考え方

当社は、「環境にやさしく、地域社会に役立つ企業」を経営理念の一つに掲げ、これまでも二酸化炭素排出量の削減に取り組んでまいりました。当社では、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、二酸化炭素排出量削減に積極的に取り組んでまいります。当社におけるカーボンニュートラル実現に向けた対策は以下のとおりです。

 

(エネルギー転換)~ 使用するエネルギーを電気に転換

化石燃料(重油、LPG)を使用する設備の電化を推進

 

(省エネ)~ 電気使用量を抑制する

生産効率向上および節電対策、省エネ設備への更新を推進

 

(再エネ発電)~ カーボンフリー電力比率を増やす

太陽光発電(PPA)を導入

 

以上の3つの対策を組み合わせて二酸化炭素排出量削減を目指し、またカーボンフリー電力やカーボンクレジットの活用も検討いたします。

 

 

(3) リスク管理

当社は、これらの事業を取り巻く様々なリスクや不確定要因等に対して、その予防や分散、リスクヘッジ等を実施することにより、企業活動への影響の軽減に努めております。リスク管理に係る重要な事項は、内部統制委員会の下部組織である「リスク管理委員会」が中心となり、想定されるリスクに対処するべく「リスク管理規程」に基づき、迅速かつ適切に行動できる体制を構築しております。定期的に委員会が開催され、その内容については内部統制委員会の委員である取締役、オブザーバーである監査役に報告する体制を構築しております。

近年は、気候変動による自然災害等の緊急事態の発生頻度が高くなっておりますが、そのような場合においても、事業を継続し、又は復旧を迅速に行うことを「社会的責任」と位置付けております。

詳細につきましては、当社のHPをご参照ください。

当社HP : https://www.takagi-seiko.co.jp/csr/sustainability/

 

(4) 指標及び目標

人的資本・多様性

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に基づく目標及び実績は、「第一部(企業情報) 第1(企業の概況) 5(従業員の状況)」及び「第一部(企業情報) 第2(事業の状況) 2(サステナビリティに関する考え方及び取組)」をご参照ください。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項といたしましては、主として以下のとおりであります。当社グループは、これらの事業を取り巻く様々なリスクや不確定要因等に対して、その予防や分散、リスクヘッジ等を実施することにより、企業活動への影響の軽減に努めております。本項に記載した将来や想定に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。将来や想定に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。

 

(1) 法的規制について

当社グループは、日本国内のみならず、事業展開する各国において、様々な法的規制を受けており、日本国内においては、製造物責任法、消防法、高圧ガス保安法、廃棄物処理及び清掃に関する法律、水質汚濁防止法並びに大気汚染防止法等の各種法規制に服しております。本書提出日現在、当社グループにおいてこれら法的規制の違反はありません。
 当社グループは、これらの法的規制の順守に努めておりますが、将来、当社グループの事業に関連する新たな法的規制の成立、又は既存の法的規制の改正・強化等が行われた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料価格の変動について

当社グループが使用する石油化学原料(プラスチック、塗料等)は、価格が大きく変動することがあり、今後、何らかの理由によりこれら原材料等の価格上昇分の製品価格への転嫁に遅れが生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外事業展開について

① 法的規制、社会情勢の変化等について

当社グループは、生産及び販売活動の一部をアジアを中心とした海外において展開しており、当連結会計年度の海外拠点における生産高及び売上高の比率は、それぞれ48.6%、54.4%となっております。当社が事業展開を行う各国において、今後、予期しない法律又は規制・税制の変更、政治又は社会経済状況の変化、伝染病や大規模災害等の発生、テロ・戦争等の政情不安等により、原材料の購入、生産、製品の販売等に遅延や停止が生じる可能性があります。このような場合、当社グループの事業活動に支障が生じることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 為替レートの変動について

海外子会社の売上、費用、資産及び負債等の現地通貨建て項目は、当社の連結財務諸表において円換算されております。これらの項目は現地通貨の価値が変わらなかったとしても、換算時の為替レートによって円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 取引先について

① 取引先の業界動向について

当社グループは自動車業界、OA機器業界等に属する顧客に対しプラスチック成形品を受注生産し販売しているため、当該各業界の市場動向が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 取引先の事業戦略の転換等について

当社グループの取引先が、自社の事業戦略を見直すことにより、事業から撤退したり、自社生産への移行や、生産拠点の海外移転あるいは海外生産拠点からの撤退等を選択する可能性があります。その場合、当社グループの受注数量が減少する等の要因により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 取引先の操業について

当社グループの取引先において、想定を超える規模の災害、事件及び事故等において、一時的に生産活動が低下する可能性があります。その場合、当社グループの受注数量が減少する等の要因により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 競合等について

当社グループが属するプラスチック製品製造業界では、取引先である国内製造業の海外進出の進行により、それに対応できない企業の淘汰と集約が進んでおります。また、業界内での競争激化が進んでいることから、多様な顧客のニーズへの対応ができるように絶え間のない技術革新及びコスト削減が求められます。
 当社グループでは、長年の事業活動における顧客との信頼関係をベースに技術革新、コスト削減に努めておりますが、今後、急速に技術革新が行われたり、顧客のニーズが変化した場合、又は業界内部での価格競争が激化する等の事態が発生した場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 技術水準について

当社グループは、設立以来60年以上にわたり、プラスチック製品及びその製作に使用する金型の製造・販売の業務を展開しております。当社グループとしては常に新技術の開発に取り組んでおりますが、顧客の要求を満たす新しい技術を常に提示できる保証はないため、今後、当社グループが同業他社と比較して優位性のある提案等ができず、受注を逸した場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 製造物責任について

当社グループは日本国内及び事業展開する各国において認められている品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、将来にわたって全ての製品に欠陥がなく、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。当社の事業所及び連結子会社で国際品質規格「ISO」の認定を受ける等、品質には慎重を期しておりますが、万一、当社グループの製品に不良があり、それが原因で事故等が発生した場合、当社グループが製造物責任を問われ、その結果として財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 生産拠点について

当社グループは最適地生産の考え方に基づき、国内及びアジアの各地域内に生産拠点を持っており、特定の生産拠点に過度に依存しない体制になっております。しかしながら、地震等の自然災害の被害を受けること等により、特定の生産拠点において一定期間生産が停止した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループの工場では、原油より生産するプラスチック及び塗料等を用いて生産活動を行っており、火災や爆発事故が発生する可能性があります。当社グループでは安全衛生委員会を中心として、定期的な設備点検、社員に対する注意喚起等を行っており、事故防止に努めておりますが、これらの事故が発生した場合、生産ラインの停止、製品の顧客への納入の遅延や、設備の復旧に多額の投資がかかることが想定されます。このような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 知的財産権について

当社グループでは、製品開発にあたり、各種データベースや文献調査を行うことにより、当社製品に係わる特許権、商標権等の知的財産権の調査を行い、又特許事務所とも必要に応じて連絡をとりあい、当社製品が、他社の特許権その他の知的財産権を侵害しないようリスク管理に努めております。
 しかしながら、当社グループが従来から販売している製品や、今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性はあり、また、当社の認識していない特許等が成立することにより、当該第三者により損害賠償等の訴訟を起こされる可能性もあります。このような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループの知的財産権が、第三者によって侵害される可能性もあります。このような場合には、当社グループ製品のブランド力が侵害されたり、かかる侵害者に対する訴訟及びその他防衛策を講じるため、経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 固定資産の減損について

当社グループが保有する固定資産に減損の兆候が発生した場合は、将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失を計上する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 感染症について

当社グループは、感染症拡大を防止するため、徹底した衛生管理を実施しておりますが、感染症がパンデミック発生により当社グループの想定を超える規模で拡大し、事業運営が困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 情報セキュリティについて

当社グループは、事業活動を通じて取引先等の機密情報を入手することがあります。これらに加え、技術、契約、人事等に関する当社グループの機密情報について、サイバー攻撃等による不正アクセスや保存情報の破壊、漏洩等が発生した場合には、当社グループの事業継続に支障を生じさせること等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 原材料及び部品等の調達について

当社グループ及び取引先において、原材料及び部品等の一部に調達先の代替が困難なものがあります。貿易摩擦、特定の国又は地域における紛争及びパンデミックによるロックダウン等により、当該国又は地域からの原材料及び部品等の調達が困難になった場合、供給不足に伴う生産活動の低下又は受注数量の減少等の要因により、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策の緩和に伴い、経済活動は正常化してまいりましたが、原材料価格やエネルギー価格の高騰、急激な為替の変動、物価の上昇等により、先行き不透明な状況が続きました。中国におきましても、コロナ対策の緩和によって経済活動の回復がみられたものの、輸出低迷や不動産不況など景気回復が遅れました。一方、東南アジアにおきましては、国内における行動制限が完全撤廃され、民間消費が堅調に推移したことにより、市場環境は回復傾向となりました。

このような状況の中、当社グループは「国内収益基盤の強化」、「海外収益基盤の強化」、「事業運営基盤の強化」の3つの方針を柱とする事業施策を推進し、様々に変化する事業環境の中においても安定して継続的に事業展開できる企業を目指し事業活動を進めてまいりました。

 

当連結会計年度の経営成績については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照ください。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(日本)

売上高につきましては、車両分野の受注の増加により、23,288百万円(前期比17.5%増)となりました。損益につきましては、増収効果等により、営業利益は639百万円(前期は営業損失461百万円)となりました。

 

(中国)

売上高につきましては、OA(その他)分野におけるノートパソコン用筐体部品及び車両分野の受注の減少等により、12,282百万円(前期比19.4%減)となりました。損益につきましては、減収影響等により、営業損失は310百万円(前期は営業利益531百万円)となりました。

 

(東南アジア)

売上高につきましては、車両分野の受注の増加及び邦貨換算の効果等により、15,495百万円(前期比18.4%増)となりました。損益につきましては、増収及び邦貨換算の効果等により、営業利益は2,067百万円(前期比7.0%増)となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照ください。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照ください。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

20,185

114.7

中国

10,705

79.8

東南アジア

8,356

120.0

合計

39,248

103.4

 

      (注) 金額は、実際原価に基づき計算しております。

 

b.受注実績

日本・中国・東南アジアでの成形品事業における受注から売上計上までの期間が1ヶ月以内であるため、記載を省略しております。

また、日本でのその他の事業では受注生産を行っておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

23,288

117.5

中国

12,282

80.6

東南アジア

15,495

118.4

合計

51,066

106.0

 

 

      (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

本田技研工業㈱

6,264

13.0

8,566

16.8

東レ㈱

5,805

12.1

3,781

7.4

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローについては以下のとおり分析しております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
a.売上高及び売上総利益

当連結会計年度の売上高は、車両分野を中心に世界的な半導体不足の状況と新型コロナウイルス感染症対策の緩和に加え、円安にともなう邦貨換算の効果により、51,066百万円(前期比2,904百万円増6.0%増)となりました。

売上原価は、原料・資材及び電力他調達コストの増加等により、42,868百万円(前期比1,838百万円増4.5%増)となりました。その結果、売上総利益は8,198百万円(前期比1,065百万円増14.9%増)となりました。

b.販売費及び一般管理費、並びに営業利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に運賃をはじめとした各種費用の増加等により、5,797百万円(前期比683百万円増13.4%増)となりました。その結果、営業利益は2,400百万円(前期比382百万円増19.0%増)となりました。

c.営業外収益及び営業外費用、並びに経常利益

当連結会計年度の営業外収益は404百万円(前期比193百万円減32.4%減)を計上しております。主なものは、助成金収入144百万円作業屑売却収入90百万円受取利息79百万円等であります。

営業外費用は、383百万円(前期比163百万円増74.1%増)を計上しております。主なものは、支払利息134百万円持分法による投資損失100百万円為替差損79百万円であります。

その結果、経常利益は2,421百万円(前期比25百万円増1.1%増)となりました。

d.特別利益及び特別損失、並びに親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の特別利益は69百万円(前期比57百万円増470.3%増)を計上しております。主なものは、受取保険金66百万円であります。

特別損失は178百万円(前期比307百万円減63.3%減)を計上しております。主なものは、固定資産除却損99百万円固定資産売却損53百万円であります。

その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,189百万円(前期比489百万円増69.9%増)となりました。

 

(財政状態)

当連結会計年度末における総資産は39,901百万円と、前連結会計年度に比べ503百万円増加しました。

a.流動資産

当連結会計年度末における流動資産合計は21,661百万円となり、前連結会計年度末と比べ640百万円増加しました。これは主に、売上債権の増加1,307百万円、棚卸資産の減少414百万円未収入金の減少327百万円によります。

b.固定資産

当連結会計年度末における固定資産合計は18,239百万円となり、前連結会計年度末と比べ136百万円減少しました。これは主に、投資有価証券の増加347百万円リース資産の減少359百万円出資金の減少85百万円によります。

c.流動負債

当連結会計年度末における流動負債合計は17,007百万円となり、前連結会計年度末と比べ460百万円減少しました。これは主に、未払金の増加197百万円1年内返済予定の長期借入金の減少637百万円契約負債の減少309百万円によります。

 

d.固定負債

当連結会計年度末における固定負債合計は4,719百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,630百万円減少しました。これは主に、長期借入金の減少958百万円退職給付に係る負債の減少421百万円繰延税金負債の減少183百万円によります。

e.純資産

当連結会計年度末における純資産合計は18,173百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,595百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加1,098百万円、為替換算調整勘定の増加527百万円退職給付に係る調整累計額の増加311百万円によります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末と比較して519百万円増加し、5,271百万円(前期比10.9%増)となりました。

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られた資金は4,315百万円(前年同期は得られた資金4,679百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,312百万円減価償却費2,486百万円等によります。

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動により使用した資金は1,628百万円(前年同期は使用した資金2,242百万円)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出1,699百万円等によります。

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動により使用した資金は2,370百万円(前年同期は使用した資金1,653百万円)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,835百万円等によります。

 

キャッシュ・フロー関連指標

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

2.5

4.2

2.1

1.8

1.5

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

16.6

10.5

24.1

29.7

32.2

 

 

(財務政策)

当連結会計年度における当社グループ全体の設備投資額(有形固定資産のほか、無形固定資産への投資を含む)は1,773百万円となり、これらの設備資金及び運転資金につきましては、自己資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、短期運転資金は金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及びリースを基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は6,614百万円となっております。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2〔事業の状況〕3〔事業等のリスク〕」をご参照ください。
 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。詳細につきましては、第5「経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額に変更が生じた場合は、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。詳細につきましては、第5「経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

④ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2〔事業の状況〕1〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕」をご参照ください。

 

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
a.具体的な取組み
 中期目標達成のため、中長期対応方針の中で掲げる3つの方針に沿った種々の取組みをしております。当連結会計年度における活動は以下のとおりであります。

方針

取組施策

具体的実施事項

国内収益基盤の強化

生産品目の選択と集中

・ハイブリッド車向け新機種ミッション部品の受注に対応するため、超微細発泡成形機を増設中

・増加する大型尿素水タンク、燃料タンク等の受注に対応するため、大型回転成形機を導入中

・当社の固有技術・製品の営業を強力に推進するため、専門部署を新設

差別化技術の開発

・回転成形技術の高度化開発(燃料電池用水素タンクライナーや水素燃料貯蔵用タンクライナー開発)

・スーパーエンジニアリングプラスチック複合材を用いた革新的量産化技術の開発推進

新規分野・お客様の開拓

・当社の固有技術を横展開し、新規顧客の開拓を推進

・新たな分野での事業展開を視野に、新技術の開発を推進

効率生産体制の確立

画像処理システムを用いた外観検査の自動化を推進

・車両分野の増加する大型部品の効率生産のため、大型射出成形機を導入

海外収益基盤の強化

海外市場の見極めと投資検討

・インドのJRG オートモーティブ インダストリーと技術支援契約を締結し、支援を開始。加えて同社からの連携強化要請についても検討中

・インドネシアでの競争力強化策及び新たな部品の生産展開の可能性について検討中

効率生産体制の確立

・省人化・効率化生産を目的としたロボットの導入を推進

事業運営基盤の強化

人材の育成

・ものづくり面での研修の推進

・中堅、若手社員の経営感覚を身に着けることを目的としたワーキンググループ等での活動を推進

組織運営体制の更なる強化

・事業環境の変化に対応するための組織運営体制の見直し検討

財務体質の強化

・継続した利益の確保

内部統制システムの充実

・内部統制委員会(J-SOX法、コンプライアンス、リスク管理の各委員会)の活動推進

環境にやさしい企業活動

・環境に配慮した設備の導入

・廃棄物減量の取り組み推進

・再生可能エネルギーの活用を検討

 

 

b.目標とする経営指標に対する今期の達成度合い、今後の対応について

指標

2024年3月期(実績)

2025年3月期(予想)

2026年3月期(目標)

売上高(百万円)

51,066

49,500

50,000

経常利益(百万円)

2,421

2,520

3,500

経常利益率(%)

4.7

5.1

7.0

 

 当社グループでは、2026年3月期に連結売上高500億円以上、連結経常利益35億円以上を目指しております。当社固有の技術による製品の拡販と原価低減活動により、この目標の達成に向けて取り組んでまいります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

技術援助契約

会社名

相手方
の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

㈱タカギセイコー

マグナエクステリアス

アメリカ

日系自動車メーカーからの受注拡大

共同マーケティング及び技術開発契約

2013年1月1日より1年間
(以降1年毎の自動更新)

㈱タカギセイコー

ダイワプラスチックタンロン

ベトナム

日系自動車メーカー向け製品の製造委託及び販売委託

業務提携基本契約及び技術支援契約

2013年6月1日より1年間
(以降1年毎の自動更新)

㈱タカギセイコー

JRG AUTOMOTIVE

INDUSTRIES INDIA

PRIVATE LIMITED

インド

生産準備、製造全般、品質管理、性能評価にかかる技術支援

技術支援契約

2023年8月1日より10年間

(以降1年毎の自動更新)

 

(注) 対価として一定料率のロイヤリティーを受け取っております。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、お客様満足度及び社会のQOL(生活の質)の向上を図るべく、当社ならではの独創的な成形・加工技術や差別化技術を強みとして、次世代自動車分野はもとより航空機分野及び医療分野への進出に向け、より付加価値の高い製品の研究開発を推進しております。

また、脱炭素やカーボンニュートラル貢献に向けて当社ソリューションの提案により、持続可能な社会の実現に向けた環境貢献型の研究開発を推進しております。

当連結会計年度において支出した研究開発費の総額は461百万円であります。

なお、当社グループは、研究開発活動の多くを日本で行っておりますので、セグメント情報に関連付けての金額記載は省略いたします。

 

研究開発活動の概要は、以下のとおりであります。

車両分野の開発につきましては、カーボンニュートラル貢献に向け、次世代自動車用のモーター、パワーコントロールユニット及びバッテリー等に必要とされる電動パワートレイン製品の拡販に向けた技術開発や植物由来のプラスチックを活用した燃料電池車に搭載する高圧水素タンク用ライナーの研究開発を進めており、お客様ニーズに合致した製品実現に向けて対応しています。

また、再生医療分野では産学連携による研究開発を推進しております。

2021年度より研究開発を進めておりました、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の戦略的省エネルギー技術革新プログラムの助成事業である「熱可塑性スーパーエンプラ複合材による航空機構造部品の革新的量産化技術の開発」は旭金属工業株式会社様と共同研究に取り組んでおりましたが、プロジェクトは2023年度に満了し、結果として世界に先駆けた航空機用CFRTP成形加工技術により、実用化・事業化の優位性を得ることができました。今後航空機のみならず、軽量化を求められる広い範囲での産業分野に対応できるよう研究開発を継続してまいります。

その他、環境負荷低減を配慮し、バイオマスプラスチックを活用した複合材の研究開発を推進しております。