文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「わたしたちは、長年培ってきた「はかる」技術を社会に提供することを通じて、科学技術の発展、産業の高度化、人々の健康な生活に寄与し、豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献する企業グループを目指します。」をグループ企業理念として掲げております。
当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示するA(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術を原点としております。この原点を軸に、お客様による新しい価値の創出を支援するツールを提供してゆくことで、産業と社会の発展や人々の健康な生活に貢献していきたいと考えております。
中期経営計画(連結)の基本方針
2022年4月1日付の株式会社エー・アンド・デイと株式会社ホロンとの経営統合により、商号を「株式会社A&Dホロンホールディングス」に変更し、持株会社体制に移行いたしました。多様化する社会変化に対応するために事業ポートフォリオ経営を強化し成長スピードを加速させ、グループ全体の企業価値を向上させることを目指してまいります。
当社グループは、現中期経営計画(2022年度〜2024年度)の最終年度となる2024年度において、売上高66,000百万円、営業利益9,200百万円、営業利益率13.9%の目標を掲げております。
今後の当社グループにおける経営環境は、世界各地での国際関係の緊張により複雑化する地政学リスクや、世界的なインフレ継続による景気の低迷および不安定な為替相場など、先行きは依然として不透明な状況が続くものと見込んでおります。このような状況の下、現中期経営計画(2022年度〜2024年度)の最終年度となる2024年度は、外部環境の変化に柔軟に対応するための各事業の取り組み推進やグループシナジーをより発揮できる態勢の強化によって計画達成を目指してまいります。
半導体関連事業においては、引き続き中長期的な半導体関連市場の拡大により新たな需要が高まってくるものと考えております。次世代装置等の新製品開発推進、既存顧客とのリレーション強化や新工場建設の推進など今後の需要増に対応しさらなる成長のための準備を着実に行ってまいります。
医療・健康機器事業においては、医療・健康分野でのデジタル化進展やインフラ整備、個人での健康管理などの需要増継続が見込まれる一方、地政学リスクや為替の影響など、引き続き厳しい事業環境が想定されます。今後は各国での販売エリアや流通の拡大、新たな事業展開の推進などに加え、部材調達の更なる見直しおよび生産性向上の取り組み推進により原価低減を図り、業績の維持・拡大を目指してまいります。
計測・計量機器事業においては、引き続き世界的なカーボンニュートラル社会やデジタル化社会へのシフトが加速する中、新規技術や生産設備への投資は続くものと考えております。米州での流通ルート見直しや販売チャネル強化など販売戦略見直しによる事業再構築および中国などのアジア地域における事業拡大に加え、電動化への対応強化により業績の拡大を目指してまいります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「はかる」技術を通じて豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献していくことをグループ企業理念としており、気候変動をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応について、収益機会にも繋がる重要な経営課題であるという認識のもと取り組みを進めてまいります。
(1) ガバナンス
持続可能な社会・環境の実現に向けた取り組みを通して、社内外のステークホルダーに貢献し、当社グループの存続及び中長期的な企業価値向上を図ることを目的とし、2023年4月に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。総務部担当取締役を委員長とし、社内取締役と主管部門長等で構成される同委員会はサステナビリティ経営を実践する上での基本方針の決定、並びに課題への対策を審議し、活動の管理・監督を行います。また、サステナビリティ委員会は下部組織として「社会・環境部会」、「リスク管理部会」、「ガバナンス部会」という3つの部会を管轄しており、気候変動関連の対策実行部隊である部会活動の管理・監督も行っております。サステナビリティ委員会において審議された内容は取締役会に都度報告されるほか、委員会がとりまとめたサステナビリティに関する基本方針、活動などの情報を社内外のステークホルダーへ定期的に開示しております。
なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制図は
〔サステナビリティ方針〕
当社グループは、最先端かつ多種多様な「はかる」技術を通じて、「計測・計量」「医療・健康」「半導体」分野での事業活動により社会課題の解決に貢献するとともに、環境保全や環境負荷低減の取り組みを積極的に推進することで、豊かで持続的な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を目指します。
〔マテリアリティ(重要課題)〕
サステナビリティ方針の実現に向けて、下記の4つのマテリアリティを特定いたしました。
ESGの観点やSDGsの17ゴールを軸として自社の課題を広範囲に抽出し、社会・環境問題の解決に向け、当社グループの取るべき行動を整理しました。抽出した課題を「社内重要度」および「社外発信優先度」の両軸で評価し、さらに「経営理念との整合性」、「環境」、「社会」、「経済」、「教育/現場改善」への寄与度を点数評価し、高評価のものに絞り込みました。絞り込んだ課題に対し、行動項目も含めたマテリアリティ候補としてグループ化し、サステナビリティ委員会での審議を経て、取締役会での最終承認によりマテリアリティを決定いたしました。
①社会課題解決と経済の両輪を実現できる経営の高度化
環境負荷低減などに代表される社会課題解決の推進を当社グループの成長・発展の源泉とすることによって、社会性と経済性の両輪企業を目指します。
②地域・ステークホルダーとの連携強化により未来を豊かにするサステナビリティ企業への挑戦
連携の力による新たな価値の創造によって、地球・国・地域・ステークホルダーの未来に貢献するサステナビリティ企業を目指します。
③多様性・持続性のある人的資本経営の強化
当社グループの多様性溢れる社員一人ひとりの自己変革を促進する人的投資を加速化させることによって、社員から選ばれる高エンゲージメント企業を目指します。
④強固な企業基盤構築により顧客・企業価値の最大化
IT技術を当社グループのマネジメントシステムに組み入れることで顧客価値の最適化・最大化を図ると共に、透明性高い企業経営の更なる強化によって、顧客と社会から選ばれるグローバル企業を目指します。
(2)戦略
〔気候変動への取組〕
当社グループはTCFDが提唱するフレームワークに基づき、2つのシナリオを用いてシナリオ分析を行いました。国際エネルギー機関(IEA: International Energy Association)が作成した世界エネルギー展望(WEO: World Energy Outlook)および、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が作成した代表的濃度経路(RCP: Representative Concentration Pathways)を参考に、1.5℃/2℃シナリオと4℃シナリオを対象として定性的および定量的にリスク分析を行いました。1.5℃/2℃シナリオとは、脱炭素社会への移行が進んでいく想定、4℃シナリオとは、現状の排出規制などが維持される想定のシナリオを指しております。これらのシナリオ分析を行うことで、気候関連事項が、当社グループの事業、戦略、財務計画にどのように影響するかを分析いたしました。
シナリオ群をもとに、気候変動を起因とする影響のうち、当社グループの事業にとってリスクおよび機会である事象を定性的に分析いたしました。そのうち、大きな影響を及ぼす事象を次頁の表に示しております。分析の結果、1.5℃/2℃シナリオにおける移行リスクとしては炭素税やプラスチック規制などの政策による財務的影響や、顧客や投資家の意識変化による評判への影響が大きいと考えられるのに対し、4℃シナリオにおける物理リスクとしては自然災害への対応や気温上昇への対応による影響が大きいと考えられます。これらに対する当社グループの対応は、「社会・環境部会」と「リスク管理部会」において実施及び検討しております。
気候変動に関する主なリスク
気候変動に関する事業上の機会
〔人材の育成及び社内環境整備に関する方針〕
<人材に対する基本的な考え方>
当社グループは、「はかる」を通じて社会に貢献していくことを経営の基本方針としており、日々変わり続ける社会から必要とされ、お客様より選ばれる「はかる」ツールを提供していくため、人材こそが競争力の源泉であり、最も重要な財産であると考えております。
<人材育成方針>
当社グループは、人材の多様化とそれら人材の育成が中長期的な企業価値向上に繋がるものと考え、女性・外国人・中途社員の採用について積極的に取り組み、体系的かつ効果的な教育訓練を実施します。また企業の持続的な成長には、環境変化に素早く柔軟に対応していくことが求められることから「変化に柔軟に対応できる人材」「自ら考え行動できる人材」の育成を目指しております。
<社内環境整備方針>
当社グループは、人権の尊重を基本理念とする企業文化の下、安全衛生および健康増進活動を推進し、安心して働くことができる職場環境を整備するとともに、高い意欲で仕事に取り組むための施策を講じ、一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮し、働きがいを実感できる職場環境づくりを行います。
上記方針の実現に向けて、主要子会社にて下記の施策に取り組んでおります。
①ダイバーシティ&インクルージョン
女性・外国人・シニア社員等の活躍を推進するため、多様な人材が能力を最大限発揮できる職場環境づくりに取り組んでおります。
・シニア社員の活躍推進(マイスター制度)
60歳定年以降は嘱託再雇用制度を採用しております。技術分野における会社への貢献が著しい者を「マイスター」、マネジメント分野における貢献が著しい者を「エグゼクティブ」に認定し、貢献度を処遇に反映しております。
・女性社員の活躍推進
新規学卒者および中途採用における女性採用を強化し、女性社員の比率を高めることで将来的な女性管理職比率の増加につなげていきます。
②人事・教育制度
・公正な評価と人材育成
社員の行動と成果を適切に評価・処遇するため、目標管理制度を主体とした成績およびプロセスについて評価を行っております。プロセス評価では、社員の成長を段階的に促すため、評価要素として職務遂行能力を基準とした等級毎にコンピテンシー(安定して発揮される成果に結びつく行動)を設定しております。目標設定・成果評価に際しては、その理解を深めるため、上司・部下がその内容を相互に確認しております。また、管理職向けに評価制度の理解と評価エラー防止についての評価者研修も定期的に実施しております。
・自主性の尊重
社内公募制度の導入や自己申告制度の実施により、適材適所の観点から自主性を尊重し、社員の能力発揮を実現する人事制度の整備・運用を行っております。
・教育訓練体系の整備
社員の能力向上を図るため、階層別教育、職務別教育、自己啓発教育等、教育訓練の体系を整備し、効果的な運用を行っております。
③働き方改革
社員が能力を最大限発揮するために働きやすい職場環境の整備と安全・健康に向けた取り組みを推進しております。
・育児休業の取得率向上
女性活躍推進法に基づく行動計画の目標に男性社員の育児休業取得率向上を設定し、対象者への制度説明・取得環境の整備を実施しております。
・時間外労働時間の短縮
水曜・金曜日をノー残業デーとし、定時退社を促しております。また、一定時間を超過した社員の上長に注意喚起し面談を実施しております。
・年次有給休暇の取得推進
年次有給休暇の一斉・計画的付与や半日単位での取得を可能とすることにより、取得を促進しております。
④健康経営
主要連結子会社である㈱エー・アンド・デイは、経営理念実現のため、「こころ」「からだ」「職場環境づくり」に重点を置いた健康経営宣言を制定し、「健康経営優良法人2024」に認定されました。
当社グループではサステナビリティ委員会が「リスク管理規程」に基づき全社的なリスクの総括管理を行っております。その下部組織として「リスク管理部会」を設置し、リスク管理に係る課題・対応策の協議を実施しております。気候変動関連リスクについては「社会・環境部会」が主体となって洗い出しを行い、リスク管理部会を経てサステナビリティ委員会に共有されます。サステナビリティ委員会において審議された内容は取締役会に都度報告され、取締役会の審議を踏まえ、当社グループの戦略に反映されております。
〔気候変動への取組〕
当社グループは経営戦略に気候変動関連リスクを考慮するため、気候変動をもたらす原因とされる温室効果ガス(GHG)、特に二酸化炭素(CO₂)の排出量を指標として、気候変動関連リスクを特定・評価・管理しております。当社グループでは、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目標としながらも、定量的目標として、2032年度までに36%削減(2022年度比)という目標を新たに設定いたしました。具体的には、再生可能エネルギーの活用を進めながらも省エネに取り組むことで、排出量を差し引き0にすることを想定しております。なお、Scope3の排出量に関しては、今後算定を進めてまいります。
※TCFDに基づく情報開示に関する詳細は、当社ホームページの
https://andholon.com/ir/library/sustainability/
〔人材の育成及び社内環境整備に関する指標〕
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針にかかる指標及び目標については、サスティナビリティ委員会にて検討を行ってまいります。
(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、
当社グループでは、「リスク管理規程」に基づきサステナビリティ委員会がリスクの総括管理を行っております。また、リスク管理に関わる課題・対応策を協議するためサステナビリティ委員会の下部組織としてリスク管理部会を設置し、リスクマネジメントを推進しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、中国経済の停滞、欧米を中心とした金融引き締めおよび為替変動による影響など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは、中期経営計画(2022年度〜2024年度)のもと、当連結会計年度において、外部環境の変化に柔軟に対応するための各事業の取り組み強化やグループシナジー強化のための施策を実行してまいりました。
特に成長ドライバーと位置付けている半導体関連事業においては、半導体市況の弱含みによる在庫調整や設備投資の抑制が続いていたものの、当社製品への需要は年間を通して堅調に推移し、全社一丸となって需要に対応した結果、前期比大幅増収増益となりました。
一方、医療・健康機器事業においては、顧客・地域ごとの需要は全体的に上向き傾向になってきているものの、特に欧州での為替の影響が大きく前期比減収減益となりました。
計測・計量機器事業においては、コロナ禍で先送りされていた国内の設備投資再開に伴う需要増加が牽引したものの、特に米国や中国など海外における設備投資需要停滞の影響が大きく、前期比増収減益となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は61,955百万円(前連結会計年度比5.0%増)、営業利益は7,955百万円(前連結会計年度比6.4%増)、経常利益は8,240百万円(前連結会計年度比7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,299百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが7,201百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,007百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△5,674百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が182百万円発生した結果、14,016百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.実績には商品仕入を含んでおります。
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部には受注生産を行っているものがあります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ5.0%増収の61,955百万円となりました。
半導体関連事業につきましては、受注は年間通して堅調に推移、顧客要求に対応すべく製造・出荷体制を強化したことで前期比大幅な増収となりました。この結果、半導体関連事業の売上高は10,329百万円(前連結会計年度比49.3%増)となりました。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、医科向けおよび家庭向け製品の需要が第4四半期で回復基調となりました。米州においては、米国での家庭用血圧計の好調な需要が継続し、大口案件を中心に売上が増加しました。欧州においては、現地でのシェアを維持できたことで現地通貨ベースでの売上は増加しましたが、為替変動の影響が大きく、円換算後の売上は減少しました。この結果、医療・健康機器事業の売上高は23,563百万円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、設備投資需要の高まりにより、特に第4四半期での計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)の出荷が好調に推移したことから売上が増加しました。 一方、米州では主力の計量機器における前年度特需からの反動減が最後まで重荷となり、また、設備投資抑制の状況継続によって計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)も低調に推移したことで、売上が減少しました。 アジア・オセアニアにおいては、韓国やインドなどでの需要が増加基調となり売上が増加しました。この結果、計測・計量機器事業の売上高は28,062百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率については、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格の高騰、エネルギー価格が尾を引き、材料費が増加した一方、継続的な生産工場の効率化及び材料費のコストダウン等の原価低減活動が原価率低減に寄与しました。この結果、前連結会計年度と同じ、55.4%となりました。
販売費及び一般管理費は、ウクライナ情勢の長期化による輸送コスト高騰の終息に加え、輸送経路及び手段の見直しの推進により、物流関連費用が減少した一方、賃上げ等による人件費の増加や、半導体関連事業における次世代製品開発に係る開発費の増加等により、前連結会計年度と比べ4.4%増加の19,664百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、7,955百万円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。半導体関連事業の営業利益は、旺盛な市場需要による受注好調及び生産性の向上とグループ調達による原価低減で、前連結会計年度比61.8%増益の3,785百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、米国での家庭用血圧計の好調な需要継続の一方、欧州におけるコスト増や為替変動の影響が大きく、前連結会計年度比9.1%減益の4,249百万円となりました。計測・計量機器事業の営業利益は、日本における需要の改善により売上高が増加した一方、米州の売上の低調や、アジア・オセアニアでの利益の減少等により前連結会計年度比30.6%減益の1,762百万円となりました。また、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として1,842百万円が発生しております。
売上高営業利益率は12.8%となり、前連結会計年度より0.1%上昇しました。引き続き新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
営業外収益は、金利の上昇による受取利息の増加及び為替差益の増加を主要因とし、前連結会計年度比269百万円増加の768百万円となりました。営業外費用は、主に金利上昇により支払利息が増加した結果、前連結会計年度比152百万円増加の483百万円となりました。これらの結果、経常利益は8,240百万円(前連結会計年度比7.8%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、多額の特別利益の発生はない一方、当社の連結子会社である株式会社サム電子機械で計上した減損損失を中心に、特別損失が前連結会計年度比215百万円増加の289百万円となり、税金等調整前当期純利益は7,952百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税を2,572百万円、過年度法人税等を196百万円、法人税等調整額を△136百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を20百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は5,299百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。
(包括利益)
当期純利益は5,320百万円となった他、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益が833百万円となったことにより、包括利益は6,153百万円(前連結会計年度比2.9%減)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、54,368百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,707百万円増加いたしました。これは、主に受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は17,618百万円となり、前連結会計年度末に比べ860百万円増加いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
有形固定資産については、株式会社ホロンの新工場建設のための土地の取得を中心に、前連結会計年度末に比べ650百万円増加いたしました。
無形固定資産についてはソフトウエアへの新規投資による増加があった一方、減価償却費が新規投資を上回ったため、前連結会計年度末に比べ123百万円減少いたしました。
投資その他の資産については退職給付に係る資産及び未実現利益の消去等に係る繰延税金資産の増加を主要因として、前連結会計年度末に比べ333百万円増加いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は29,896百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,306百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金及び1年以内長期借入金が減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は4,327百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,313百万円減少いたしました。これは、主に長期借入金が減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は37,762百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,187百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が4,329百万円増加したこと、為替換算調整勘定の増加によりその他の包括利益累計額が831百万円増加したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は7,201百万円(前連結会計年度比75.8%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が7,952百万円、減価償却費が1,746百万円、棚卸資産の減少額が1,125百万円あった一方で、法人税等の支払額が2,470百万円、売上債権の増加額が2,119百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,007百万円(前連結会計年度比47.2%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が1,674百万円、無形固定資産の取得による支出が425百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は5,193百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5,674百万円(前連結会計年度に得られた資金は452百万円)となりました。これは主に短期借入金の純減額1,787百万円、長期借入金の返済による支出が2,231百万円、配当金の支払額が967百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、長期借入金3,356百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金13,433百万円の構成となっており、合わせて16,789百万円を計上しております。当連結会計年度末借入金残高の売上高に対する比率は27.1%(前連結会計年度末は35.0%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。
研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約16.2%の401名、当連結会計年度における研究開発費の総額は
当事業における研究開発費は
株式会社ホロンでは、半導体の回路原版(フォトマスク)が、設計通りに正しく作られているかを寸法測定するCD-SEMを開発しております。株式会社エー・アンド・デイでは、電子ビームを発生させる電子銃の開発にいち早く取り組んでおり、電子ビーム露光装置に組み込む基幹ユニットを提供しております。両社の世界最高水準の技術力を活かし、世界ニーズに応えるよう次世代機等の新製品開発に注力いたしました。
当事業における研究開発費は
正確で信頼性の高い医療用血圧計や、車イスに座ったままやベッドに寝たままでも測定ができる体重計などを中心とした機器、ソリューションを開発しております。医療環境やテクノロジーの変化を捉えながら、常に進化した製品やサービスをお届けし、医療効率や患者の生活の質向上をサポートし続けております。
当連結会計年度の成果としては、以下になります。
・生体情報モニタ「TM-2591」での血圧測定に患者の負担を軽減する昇圧測定機能を追加開発
・全自動血圧計 TM-2657Wシリーズにおいて各国の規制要求に対応した製品を開発
血圧計をはじめとした家庭向け健康機器、ソリューションを開発しております。血圧、体重、体温などご家庭で計測したデータは、ネットワークにつなげることで継続的な記録と管理が可能です。さらに遠隔医療の高度化に向けて、先進のICT機器を開発しております。世界中の人々の健康寿命の延伸、健康長寿社会の実現に貢献しております。
当連結会計年度の成果としては、以下になります。
・健康データを管理できるスマートフォン専用の新アプリ「A&D Connect ヘルスケア」を開発
・NFC通信機能を搭載した上腕式ホースレス血圧計「UA-1100NFC」を開発
当事業における研究開発費は
音、振動、変位、強度などの物理量を高精度に計測し、分析する機器を開発しております。また計測と制御、そしてシミュレーションを一体化した独自のテクノロジーで、開発期間の短縮やコスト削減に貢献するソフトとハードを開発しております。近年ではカーボンニュートラルに対応した新しい産業に挑戦しております。
当連結会計年度の成果としては、以下になります。
・実機・シミュレーションの同時・個別試験が実施可能な電動車のECU開発向けバッテリーシミュレーション試験装置を開発
・カーボンニュートラルの取り組みの中で重要なプロセスである排出ガス分析向けに、低濃度H2ガス連続測定に適した質量分析計を開発
質量(重さ)をはかる機器を開発しており、電子天びんや台はかり、そのセンサ部分であるロードセルなど幅広いラインナップにより、さまざまなニーズにお応えしております。 また、当社グループの機器は研究・試験施設だけでなく、自動化された生産ラインへ組み込まれることで、省エネ技術の一環として活用されており、世界中の幅広い分野でのエネルギー効率化に貢献しております。
当連結会計年度の成果としては、以下になります。
・計量法施行令改正に対応した型式承認機のウェイトチェッカ「AD-4963シリーズ」を開発
・防塵・防水等級IP65の重量級天びん「GX-L/GF-Lシリーズ(A&D Apollo)」を開発
・ひょう量22 kgまでの生産ライン組込み用大ひょう量計量センサ「AD-4212Fシリーズ」を開発