第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営理念

 当社グループは、「お客様・従業員・株主・業務関係者そして社会の、みんなに喜ばれる親切で的確な仕事をしよう」を社是に掲げ、技術をもってお客さまの「ものづくり」への貢献を通じ、社会の発展に貢献することを経営理念として事業を展開しております。

 

(2)経営方針

 当社グループは時代に即応した顧客が求める製造設備、インフラ設備の企画・製作・建設、メンテナンスまで一貫して幅広く対応し、長年培った技術の蓄積とエンジニアリングをコアに、お客様が満足する製造設備を提供してまいります。また、現場、現実、現物の三現主義の徹底をベースに技術、施工レベルを絶え間なく向上させ、ニーズを的確に捉えた設備を提供することで、「ものづくり」に貢献してまいります。

 当社グループは、技術力、総合力の強化により、企業価値を高めることを経営の基本方針としております。

 

(3)当社グループを取り巻く経営環境と中期的な経営戦略

 国内外経済に影響を与える不確定な要素が多いなか、物価高や金融引き締めに伴う景気減速懸念に加え、地政学リスクによる経済への影響など、依然として不透明な状況が想定され、先行きは予断を許さない厳しい状況が続くものと思われます。当社グループの主要セグメントである設備工事事業におきましては、不透明感が強まる国内外の景気動向により、お客様の設備投資の抑制や受注競争の激化による受注価格の下落が懸念されます。

 また、タイ国で事業展開しております、表面処理事業も同様、景気の変動によりHDD部品・自動車部品の需要減が懸念され、予断を許さない状況が当面続くものと思われます。

 このような厳しい経営環境ではありますが、当社グループは次の基本戦略のもと、環境変化に対応し、「常に世の中から必要とされ、存続する企業」として、ものづくりを通じてサステナブル社会の実現に貢献する企業を目指してまいります。

 〈基本戦略〉

①安定収益基盤の確保(コア事業を強化する)

②海外事業の強化

③成長基盤の確立

④人材基盤の強化

⑤コンプライアンス体制のさらなる強化

⑥重要課題(マテリアリティ)の解決に向けたESG経営の推進

〈中期経営計画〉

 2020年度から推進中でありました中期経営計画における目標のうち、連結売上高(500億円以上)については、大型EPC案件の受注拡大や当社グループの技術力と機動力を活かした設備改修・修繕工事等の安定的な受注確保、自動化・省力化機器・システムの業績拡大等が寄与し、その目標を達成したものの、連結営業利益率(8%以上)、ROE(10%以上)、海外比率(15%以上)の目標は未達成であり、課題を残す結果となりました。残された課題については、現在策定中であります新中期経営計画において解決を図ってまいります。なお、次なる「進化」に向けた新中期経営計画は、確定次第、開示する予定です。

 

(4)目標とする経営指標

 売上高及び営業利益率は、企業経営の基本的な指標であり、会社の本来の業務における収益性の判断材料として重要な指標としております。また、資本効率の観点からROEも重要な指標としております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の景気動向は、物価高や金融引き締めに伴う景気減速懸念に加え、地政学リスクによる経済への影響など、依然として不透明な状況が想定され、先行きは予断を許さない厳しい状況が続くものと思われます。

 一方、このような状況のなかでも、各製造業・メーカーでは社会構造の変化(環境・カーボンニュートラル・EV・通信技術・デジタル化等)に対応した設備投資が加速すると考えられます。

 当社グループとしましては、常に前向きに新製品・新ビジネスに挑戦している成長分野のお客さまのニーズを的確に捉え、お客様の事業計画段階から参入し、お客様のエンジニアリングパートナーとしての関係構築を図る等、中期的な目標達成を目指し、基本戦略に沿って次の諸施策の取り組みを優先的に加速させてまいります。

 

①安定収益基盤の確保(コア事業を強化する)

◆大型・高レベルのEPC案件の拡大

  当社グループの主要セグメントである設備工事部門が当社グループの安定収益基盤です。同部門の事業拡大・発展を目指しており、大型・高レベルのEPC案件(産業プラント・電気計装、建築・土木・設計一括型)の受注拡大を目指しております。具体的な施策として建築部門の人材補強、社内プロジェクト体制の確立を進めており、機械・電気計装部門の設計、積算部門を集約した機能をもつ幕張エンジセンターを設置し(2020年4月設置)、大型EPC案件の受注確保に取り組んでまいりました。その成果としてEPC案件を取り込む等の効果が現れております。その他、エンジニアリング力・技能向上、技術・技能者及びプロジェクトマネージャーの計画的な教育を図っております。また、採用、購買部門の強化等の諸施策を着実に実施することにより、今後も更に大型・高レベルのEPC案件の受注拡大を図り、安定収益基盤を確立してまいります。

  同部門のコア・コンピタンスの一つである「総合力」を遺憾無く発揮し、企画から設計、開発、調達、施工からメンテナンスまで一貫したお客様が満足する製造設備を提供し、安定収益基盤の確保を図ります。

 

◆地域エリア及び事業領域の拡大

  設備工事部門のコア・コンピタンスの一つに「機動力」があります。同部門は特徴として、他社にはあまり例を見ない、当社従業員から構成される直営部隊(高度な技能を有した技能者集団)を有しており、お客さまへ迅速できめ細かな対応が可能であります。その強みを活かし、多店舗化による地域エリアの拡大を進めてまいりました。今後につきましては中京地区(名古屋・豊橋)、関西地区、九州地区(大牟田)において社内ジョイント及び協力会社を含めた施工体制の強化を図るとともに、「ものづくり」に関するあらゆる産業分野を網羅する広範囲な事業フィールドの拡大を図ってまいります。

 

②海外事業の強化

  現状、当社グループは国内中心に事業展開しておりますが、一部に工場設備の国内回帰の動きもみられるものの、長期的視点においては、海外市場を「成長市場」と位置付け、タイ、シンガポール、中国(上海)、マレーシアにて子会社を設立し、高い経済成長や人口増加傾向の見られるアセアン域内中心に事業を展開しております。

  海外事業は当社グループ全体の将来の成長に大きく貢献するものと期待し、積極的に経営資源を投入するも、ここ数年は各社とも海外経済の減速により、業績は低迷しております。この状況を打破すべく、具体的には次の諸施策の取り組みを加速し、海外事業の強化を目指します。

  タイ国で事業展開している表面処理事業はHDD部品・自動車部品の表面処理需要の減少に備えて、自動車のEV化に伴う、電子部品をターゲットとした新ラインを設置し、新部品の表面処理需要を取り込んでおります。

  また、タイ及びアセアン周辺諸国の市場開拓を目的に、タイ国の首都バンコクに開設したバンコクビジネスセンターを拠点とし、営業、市場調査、新規事業開発を行っております。

  シンガポール、マレーシアで展開している設備工事事業においては、現地におけるEPC案件等の需要の取り込みを図っております。また、タイにおいても新たな子会社を設立し、現地における設備工事事業の需要取り込みの拡大を図っております。

  なお、中国の子会社については、コロナ禍による事業活動の停滞や中国経済の先行きの不透明感から、当社グループの成長に資する業容の拡大は困難と判断し、その他の成長市場への経営資源の集中を図るため2024年度中の清算を予定しております。

  当社グループ全体としては海外子会社との連携を強化し、グループシナジーを早期に創出してまいります。

 

 

③成長基盤の確立

◆オリジナル製品の確立

  現状、当社グループの収益基盤の中心である設備工事事業は、基本的に「請負ビジネス」であり、需要の予測をある程度機械的に見込むことが困難である事等の課題を有しております。その課題解決に向け、「成長が見込まれる事業領域における当社のオリジナル製品の確立」を重点項目と定め、新製品の開発に取り組んでおります。例えば、工場や施設で自動走行させることができるAGV(無人搬送車)や双腕ロボットを用いた薬液充填ロボットセル等は、人手不足や重労働、危険作業等解消を目的とした当社の製品です。

  人手不足、少子高齢化などを背景に、社会システムの無人化・非接触化、生産・サービスの無人化(ロボット化)、自動化・省力化が更に推し進められると思われます。当社グループは、その需要を取り込むべく、更にオリジナルの技術・装置・システムの拡充を加速し、また、各メーカーとの技術融合による高付加価値の装置・システムの確立を図ります。

 

◆新ビジネスモデル構築に向けた取り組みへの加速

  当社グループは新たなビジネスモデルとして、ICT(情報通信技術)を活用した映像コミュニケーションサービスの提供に取り組んでおります。同サービスは東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と業務提携を行い、遠隔地から現場と映像・音声をリアルタイムに繋ぎ活用する仕組みを提供するものです。

  同サービスの販売と通信系ビジネスへの連携を拡げるため、社内に専門部署(デジタルイノベーションセンター)を設け、同センターにおいては、市場開拓、顧客ニーズの調査等を重ねており、ニーズに応じた機種ラインナップの拡充、販売代理店との連携強化などの販売網の拡充を通して、販売拡大に向けた取り組みを行っております。今後も、同ソリューションの他、環境関連や通信関連分野の新しいビジネスモデル構築に向けた取り組みや、EV材、カーボンニュートラル等ものづくりの最先端技術への積極的なアプローチを図り、また、社会課題(ESG、SDGs対応)へ向けた取り組みを推進します。

 

④人材基盤の強化

  当社グループの経営において、大切な経営資源は「人」です。優秀な人材確保のための求人対策として、採用プロジェクトにより、新人・中途社員の採用を積極的に取り組んでおります。また、人材育成と専門技術の伝承を目的とした教育訓練センター(2016年に設置)を活用し、「見て触って体験できる」を基本コンセプトとし、教育・実務訓練に取り組んでおります。今後も、主要な拠点に同センターを設置するなどし(大牟田に新たな教育訓練センターを建設中。千葉においても教育訓練センターの建設を着手。)、少子高齢化により若手層の就業者の確保が困難になりつつある状況下、当社グループは自社の人的資源を充実しつつ、併せて協力企業との連携を強化し、更に人材の確保・早期育成、戦力化に取り組んでまいります。

 

⑤コンプライアンス体制のさらなる強化

  コンプライアンス委員会の設置や経営課題・戦略等をテーマとする経営会議を社外取締役・社外監査役の有効な活動を通じ、更なる取締役会の実効性向上、及び適切かつ透明性のある情報開示に努めてまいります。

  また、当社グループの成長と成功には優秀な従業員の確保が必要であり、従業員がさらに高いパフォーマンスを発揮できるよう、「働き方改革」に向けた諸施策の実施による効率的・効果的な働き方を追求するため、改善提案活動や社内のDX化に取り組んでおります。2021年4月より新基幹系システムを稼働しており、更なるシステムの有効利用を図り、また、設計・施工・購買管理等の全社的なデジタル化に取り組み、効率的な働き方を追求してまいります。DX化の基盤となる情報インフラについては、社内ネットワークの整備、情報機器管理体制の整備を進行しており、セキュリティ対策の更なる強化に努めてまいります。

 

⑥重要課題(マテリアリティ)の解決に向けたESG経営の推進

  持続可能な社会の実現と当社の持続的成長の両立を図るため、社会・自社が抱える様々な重要課題(マテリアリティ)を特定しました。その解決に向けての取組を今後積極的に推進してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ全般に対する項目

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものであります。

 また、連結グループの主要な事業を営む会社において、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、必ずしも連結グループに属する全ての会社では行われていないことから、提出会社単体の記載としております。

 

(サステナビリティ基本方針)

 当社は、「お客様・従業員・株主・業務関係者そして社会の皆んなに喜ばれる親切で的確な仕事をしよう」の社

是のもと、各ステークホルダーと連携しながら50年以上にわたって企業価値の向上に努めてまいりました。

 持続可能な社会の実現と、当社の持続的成長の両立を図るため、社会・自社が抱える様々な重要課題(マテリアリティ)を特定し、その解決に向けての取組みを今後も積極的に推進してまいります。

 

①ガバナンス

 当社の事業活動において、サステナビリティは重要な位置づけであることから、当社のサステナビリティの取り組みを主導する組織である「サステナビリティ委員会」を設置し、代表取締役社長執行役員を委員長に任命しました。サステナビリティ委員会は原則として年に2回取締役会に対して報告を行います。今後は、当社にとって重要な課題への取り組みや、GHG排出量の算定へ向けた検討をすすめてまいります。

 取締役会は、サステナビリティ委員会からの報告に対して、重要な経営戦略として議論、方針決定することに加え、サステナビリティに対する取り組みのモニタリングを行います。また、サステナビリティ委員会の下にサステナビリティの取り組みを推進する「サステナビリティ協議会」を設置し、各現場から情報を収集してサステナビリティ委員会に報告するほか、サステナビリティ委員会で決定された取組の実行を行います。

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②戦略

 弊社ではマテリアリティ(重要課題)として以下を特定し、その解決に向けて様々な取り組みを行っております。

環境

マテリアリティ

施策

貢献可能なSDGs

カーボンニュートラル社会への貢献

・カーボンニュートラル分科会を通じた省エネ・再エネ活動の推進

・環境配慮型製品を使用した設計

・各事業所への太陽光発電設備設置

・省エネルギー化(LED化・グリーンカーテン)の推進

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・社有車のCEV化(EV/PHEV/HEV)

・再生可能エネルギーの活用

・3MWの自社太陽光発電所の運営

・事業所への太陽光発電設備設置

環境負荷に配慮した事業活動の推進

・ペーパーレス化の推進

 

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・エコキャップ運動を通じたワクチン提供

 

社会

マテリアリティ

施策

貢献可能なSDGs

高品質で安心・安全なサービスの提供

・年4回の安全巡視の実施

・災害速報、ヒヤリハット速報の水平展開

・協力会社への安全サーベイの実施

・安全通達/安全作業の定めの周知

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・顧客向けに年2回顧客満足度調査を実施

・関連部署と連携し、満足度の低い項目へのサポート対応、改善事例の開示

購買・協力会社との共存共栄

・協力会社社員に対する技術・技能・安全教育の実施

・協力会社における力量向上の仕組み作り

・業務災害保険の補償対象範囲の拡大

 

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新事業創出による産業社会の発展への貢献

・部門横断的な新規テーマへの取り組み

・学術機関との産学連携による研究開発・事業化

・研究開発の自動化(ラボオートメーション・ラボDX)

・製品品質試験の自動化

・AIを活用した装置開発

・様々な現場で省人化に向けたデジタル化の推進

・スマートファクトリーへの対応

・カメラ・AI/IoT・クラウド等活用したソリューションの開発・販売

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人材の確保と育成

・教育計画に沿った資格取得の推奨、最終合格者数の分析・サポート

・技術・技能の力量向上の仕組み構築

・模擬プラントを活用した体験型教育の実施

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多種多様な人材が働きやすい職場環境の構築

・女性役職者増加に向けた取り組み

・外国人材の採用

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・産業医とのweb面談の仕組み構築、実施

・健康診断実施事務従事者による二次検診の受診フォロー

・休暇を取得しやすい環境づくり

・仕事と介護の両立支援

 

ガバナンス

マテリアリティ

施策

貢献可能なSDGs

コーポレートガバナンス体制の整備

・内部通報の仕組み設置

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・コンプライアンス研修内容の拡充及び基盤整備

・情報セキュリティ委員会の定期開催

・情報セキュリティ教育の定期実施

 

③リスク管理

 当社のサステナビリティ委員会は、サステナビリティに関する審議過程において、個別事業のリスクの確認を行うことで、サステナビリティ関連のリスク管理の統括機関の役割も担います。リスクの対応方針や課題について優先度を評価・選別し、重要なリスク要因については継続的にモニタリング・対応します。個別の事業に対応を求める事項に関しては、当委員会から展開し対応を監督します。また、リスクに関する重要事項については、当委員会での審議を経て、取締役会に付議・報告します(年1回以上)。取締役会は、報告されたリスクが当社事業に与える影響を踏まえて経営判断を行います。

 

(2)人的資本に関する項目

    当社は優秀な人材確保のため、リファラル採用等の様々な施策を通じて人材採用を積極的に取り組んでおります。また、人材育成と専門技術の伝承を目的とした教育訓練センター(2016年に青海支店内、2024年に大牟田支店内に設置)を活用した教育・実務訓練に取り組み、中途や専門外から入社する人材であってもスキルを身に着け、活躍出来る仕組み・環境を整えております。今後も、主要な拠点に同センターを設置するなどし、少子高齢化により若手層の就業者の確保が困難になりつつある状況下、当社は自社の人的資源を充実しつつ、更に人材の確保・早期育成、戦力化に取り組んでまいります。

  加えて、従業員がさらに高いパフォーマンスを発揮できるよう、「働き方改革」に向けた諸施策の実施による効率的・効果的な働き方を追求するため、改善提案活動や社内のDX化に取り組んでおります。今後も従業員が働きやすい環境の整備に努めてまいります。

 

 また、人材育成・採用の促進に関する方針及び社内環境整備に関する目標値と、今年度の実績は下記の通りです。

 

2024年3月末実績

目標(2026年3月末

管理職における中途社員比率

36%

35%以上

1級施工管理技士資格保有者数

166

175

平均残業時間

23.2時間

20時間以内

平均年休取得日数

13

15日以上

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経済の変化に伴うリスク

 設備工事業界におきましては、国内外の経済変動や国際情勢に影響を受けやすく、国内外の景気が低迷し、国や企業の設備投資の抑制や受注競争激化に伴う、受注価格の下落等が続きますと、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2)表面処理事業の市場環境について

  タイ国において表面処理事業を中心に行っておりますタナベタイランド社の売上高は、HDD部品表面処理の依存度が高く、当該部品の売上高が減少した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)信用リスク

  当社グループの主体である設備工事業界においては、国内の受注環境は厳しい状況が続くものと予想されます。
 当社は、受注の拡大をはかるため、市場動向を見極め設備投資の好調な業種や、今後、有望分野に営業の拡大を図る所存です。そのため、新規顧客が増加することが予想され、当社では債権管理をより一層強化して行く方針でありますが、その顧客に予測不能な事態が発生した場合には、売上債権の回収に支障を来たす可能性があり、その回収不能額により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)製品及び施工の欠陥リスク

 当社は、施工管理及び製品製作には万全を期しておりますが、重大なかし担保責任及び製造物責任賠償につながるような欠陥が発生した場合には、損害賠償が生じる可能性があります。また、工事施工段階での想定外の追加原価発生により不採算工事が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)労働災害発生時のリスク

  当社は、工事施工、製品製作にあたり安全管理を徹底して行っておりますが、万が一、労働災害、事故が発生した場合、補償等に要する費用面での負担は各種保険により軽減されるものの、重大な労働災害、事故は信用の失墜につながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(6)資材の市況リスクについて

  当社は、鋼材、管材、電材等の資材を調達しており、価格動向に関する情報収集・発信に努め、資材の早期発注、多様な調達先の開拓、工事価格への転嫁等の対策を行っておりますが、品不足や原材料価格の高騰等により資材価格が急速かつ大幅に上昇した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(7)法的規制等に関連するリスクについて

  当社は、建設業法に基づき、特定建設業許可(8業種、国土交通大臣許可(特-1)第3902号)及び特定建設業許可(1業種、国土交通大臣許可(特-2)第3902号)並びに一般建設業許可(6業種、国土交通大臣許可(般-1)第3902号)を受けております。なお、建設業法に規定される許可要件を満たさなくなった場合、または欠格要件に該当することとなった場合には、建設業法第29条により許可の取り消しとなります。

 当社グループでは、当該許可の要件の維持ならびに各法令の遵守に努めており、現時点において、これらの免許の取消事由に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、万一法令違反等によって許可が取り消された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(8)人材確保に関するリスク

 当社グループの主体である設備工事業界においては、人材が大きな経営資源となっています。採用プロジェクトにより、新人・中途社員の採用を積極的に進め、人材育成と専門技術の伝承を目的とした教育訓練センターを活用し人的資源の充実に取り組んでおりますが、少子高齢化による人口減少や同業界就労者の減少や高齢化等により、新たな人材の確保が困難になり、施工体制の確立が出来ない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(9)カントリーリスクについて

  当社グループは、中国、アセアン諸国に海外連結子会社を有しており、その国における政治や経済・社会情勢の変化、法的規制の変更等により、事業継続が困難になるリスクを負っております。

  当社グループは、こうした事業遂行上の環境変化に関して各種専門家、取引先等から最新の情報収集を行うとともに、関連部署との連携を密に行う等リスクの管理・ヘッジに努めておりますが、政治・経済情勢の予期せぬ変化や予想を超える天災害等の事業環境に大幅な変化をもたらすような事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(10)感染症のリスクについて

 当社グループの拠点の周辺地域において、新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に事業活動が阻害されるなど、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。

(11)情報セキュリティのリスク

 当社グループは、事業活動の展開上、多くの客先情報(設備情報、機密情報等)を入手し事業展開しております。当社は、情報セキュリティに関する規定を定め、情報機器管理体制の整備等による情報セキュリティ対策を行っておりますが、これらの客先情報等が、サイバー攻撃等により社外に漏洩した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、各種政策の効果などもあり、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、地政学リスクによる経済への影響、エネルギー価格・原材料価格の上昇など、先行きは不透明な状況が続いております。

 設備工事業界においては、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資は持ち直しの動きがみられましたが、物価上昇や国際情勢により先行きが不透明な状況等があり、受注・価格競争は厳しい状況で推移しております。

 このような状況下で、当社グループはお客様のニーズに合った設備の提案を積極的に行い、受注の確保・拡大に努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,665百万円増加し、46,239百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,999百万円増加し、23,605百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,665百万円増加し、22,633百万円となりました。

 

b.経営成績

 設備工事事業におきまして、当社グループの主要顧客である化学業界において半導体関連の大型プラント建設工事、EV材関連設備工事、設備改修工事、脱炭素対応に向けた設備工事、また、定期修繕工事等を中心とした受注があり、前期を上回る受注高となりました。タイ国の表面処理事業は、HDD向け表面処理は新規顧客の獲得などがあり、持ち直しの動きがありました。また、自動車部品向けの表面処理は総じて横ばいの状況のなか、EV用の需要は堅調であり、表面処理事業全体では前期を上回りました。売上高は、懸念されていた工事資材の納期長期化や物資不足などの影響は想定より少なく、大型案件をはじめとした工事の進捗は想定以上に順調に推移し、前期を上回る結果となりました。

 この結果、受注高54,725百万円(前連結会計年度比13.1%増)、売上高51,842百万円(同20.7%増)となりました。

 利益面につきましては、売上高は増加しましたが、設備工事事業における複数件の工事において、市場環境の変化による資材費、労務費などの上昇を吸収できず低収益化したこと、大型工事案件の一部に工事損失及び工事損失引当金を計上したことなどから、売上総利益率は低下しました。また、ESGへの取組などの諸施策による販売費及び一般管理費の増加がありましたが、増収効果などにより、営業利益2,677百万円(同2.0%減)、経常利益2,726百万円(同2.1%減)と前期を若干下回りました。また、当連結会計年度及び今後の業績動向等を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、法人税等調整額を計上しました。これにより親会社株主に帰属する当期純利益1,895百万円(同14.5%増)と前期を上回る結果となりました。

 

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

(設備工事事業)

 民間プラント・機械装置を主体としております産業プラント設備工事は、半導体関連の大型プラント建設工事、EV材関連設備工事、設備改修工事、脱炭素対応に向けた設備工事を中心とした受注があり、受注高26,579百万円(前期比20.6%増)と前期を上回りました。売上高は、大型案件をはじめとした工事の進捗は想定以上に順調に推移し、24,484百万円(同34.8%増)と前期を上回りました。

 民間プラント保全工事を主体としております設備保全工事は、工場設備の定期修繕工事を中心とした受注が堅調であり、受注高10,332百万円(同6.1%増)、売上高10,446百万円(同4.5%増)ともに前期を上回りました。
 電気計装工事は、産業プラント設備工事部門とのジョイントによる、プラント建設工事を中心とした受注があり、受注高9,095百万円(同3.4%増)と前期を上回りました。売上高は前期からの繰越工事の完成や進行基準による売上などにより、9,194百万円(同17.9%増)と前期を上回りました。

 メカトロニクスは、電子材料メーカー向け充填ラインの大型受注が寄与し、受注高3,412百万円(同6.8%増)、売上高2,782百万円(同24.3%増)ともに前期を上回りました。

 送電工事は、電力会社の設備保守等の受注が堅調でありましたが、受注高2,290百万円(同5.9%減)、売上高2,168百万円(同8.3%減)ともに前期を下回りました。

 管工事は、官公庁設備の改修等の受注があり、受注高1,663百万円(同60.0%増)、売上高1,437百万円(同19.1%増)ともに前期を上回りました。

 設備工事事業合計では、受注高53,373百万円(同13.0%増)、売上高50,514百万円(同20.9%増)、セグメント利益3,731百万円(同2.0%減)となりました。

(表面処理事業)

 タイ国で事業展開しております表面処理事業について、HDD向け表面処理は新規顧客の獲得などがあり持ち直しの動きがあり、また、自動車部品向けの表面処理はEV用の需要が堅調であったことなどから、受注高1,235百万円(前期比18.2%増)、売上高1,235百万円(同18.2%増)と前期を上回りました。また、原材料価格や燃料価格は落ち着いてきているものの原価率の低減は限られ、セグメント損失59百万円(前期は85百万円の損失)となりました。

(その他)

 鋳造用工業炉は、受注高116百万円(前期比4.7%減)、売上高92百万円(同27.1%減)、セグメント損失11百万円(前期は2百万円の損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,883百万円減少し、3,290百万円(前連結会計年度末比46.7%減)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が2,616百万円、減価償却費727百万円、仕入債務の増加3,997百万円などの収入がありましたが、売上債権の増加11,185百万円等の支出があり、営業活動によるキャッシュ・フローは4,740百万円の支出(前連結会計年度末は1,829百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に建設仮勘定等の有形固定資産の取得による支出等により、1,089百万円の支出(前連結会計年度末比68.3%増)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加、長期借入れによる収入等により、2,899百万円の収入(前連結会計年度末は196百万円の支出)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事事業(産業プラント設備工事、設備保全工事、電気計装工事、メカトロニクス、送電工事、管工事)では生産実績を定義することが困難であり、設備工事事業においては請負形態を取っているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

 従って、生産、受注及び販売の実績については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における各セグメントの状況に関連付けて記載しております。

 なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。

 

(1)受注工事高、完成工事高、繰越工事高

第55期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

工事別

前期繰越工事高

(千円)

当期受注工事高

(千円)

計(千円)

当期完成工事高

(千円)

次期繰越工事高(千円)

産業プラント設備工事

10,113,379

21,176,542

31,289,921

17,109,839

14,180,082

設備保全工事

1,774,016

9,736,317

11,510,334

9,996,959

1,513,374

電気計装工事

5,999,248

8,795,486

14,794,735

7,796,443

6,998,292

メカトロニクス

1,244,006

3,071,800

4,315,806

2,138,180

2,177,626

送電工事

197,984

2,434,337

2,632,322

2,364,210

268,111

管工事

533,954

1,039,886

1,573,840

1,207,438

366,402

鋳造用工業炉

14,592

121,789

136,381

126,574

9,807

19,877,182

46,376,160

66,253,343

40,739,645

25,513,697

 

第56期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

工事別

前期繰越工事高

(千円)

当期受注工事高

(千円)

計(千円)

当期完成工事高

(千円)

次期繰越工事高(千円)

産業プラント設備工事

14,180,082

26,135,284

40,315,367

23,988,765

16,326,601

設備保全工事

1,513,374

10,332,297

11,845,672

10,446,382

1,399,290

電気計装工事

6,998,292

9,095,693

16,093,985

9,194,609

6,899,375

メカトロニクス

2,177,626

3,311,252

5,488,879

2,674,457

2,814,422

送電工事

268,111

2,290,230

2,558,342

2,168,451

389,891

管工事

366,402

1,663,312

2,029,714

1,437,853

591,861

鋳造用工業炉

9,807

116,038

125,846

92,332

33,513

25,513,697

52,944,110

78,457,807

50,002,852

28,454,955

 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれています。

    2.第55期まで産業プラント設備工事に含めていたメカトロニクスを第56期から独立して表記しております。

      このため、第55期の受注工事高、完成工事高、繰越工事高の数値は変更後の区分に組み替えております。

 

(2)受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第55期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

産業プラント設備工事

17.6

82.4

100

設備保全工事

45.8

54.2

100

電気計装工事

38.7

61.3

100

メカトロニクス

61.6

38.4

100

送電工事

30.1

69.9

100

管工事

15.4

84.6

100

鋳造用工業炉

100.0

0.0

100

第56期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

産業プラント設備工事

33.8

66.2

100

設備保全工事

48.9

51.1

100

電気計装工事

40.1

59.9

100

メカトロニクス

86.6

13.4

100

送電工事

23.1

76.9

100

管工事

4.3

95.7

100

鋳造用工業炉

100.0

0.0

100

 (注)1.百分比は請負金額比であります。

    2.第55期まで産業プラント設備工事に含めていたメカトロニクスを第56期から独立して表記しております。

      このため、第55期の受注方法別比率の数値は、変更後の区分に組み替えております。

 

(3)完成工事高

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

第55期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

産業プラント設備工事

199,988

16,909,850

17,109,839

設備保全工事

32,826

9,964,133

9,996,959

電気計装工事

583,176

7,213,266

7,796,443

メカトロニクス

2,138,180

2,138,180

送電工事

3,500

2,360,710

2,364,210

管工事

229,590

977,847

1,207,438

鋳造用工業炉

126,574

126,574

 

1,049,082

39,690,563

40,739,645

第56期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

産業プラント設備工事

136,545

23,852,220

23,988,765

設備保全工事

36,338

10,410,044

10,446,382

電気計装工事

459,687

8,734,922

9,194,609

メカトロニクス

2,674,457

2,674,457

送電工事

2,500

2,165,951

2,168,451

管工事

513,002

924,851

1,437,853

鋳造用工業炉

92,332

92,332

 

1,148,072

48,854,779

50,002,852

 (注) 第55期まで産業プラント設備工事に含めていたメカトロニクスを第56期から独立して表記しております。

     このため、第55期の完成工事高の数値は変更後の区分に組み替えております。

 

 第55期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。

亀田製菓㈱

白根工場 糯第1工場2階、第2工場3階天井不燃化工事

デンカ㈱

SN粉第Ⅴ期増強工事

ソーダニッカ㈱

広島大野ケミカルセンター能力増強工事 1期工事

セントラル硝子㈱

1233Z増能工事(二期)

 

 第56期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。

㈱カネカ

コンパウンドプラント設置工事

AGC㈱

上中工場E系増設工事

㈱クラレ

MMB増産対応(KST新設)工事

 

 

 

 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

第55期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

第56期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(千円)

完成工事高に対する割合(%)

金額(千円)

完成工事高に対する割合(%)

デンカ㈱

7,673,508

18.8

8,790,420

17.6

7,673,508

18.8

8,790,420

17.6

 

(4)手持工事高(2024年3月31日現在)

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

産業プラント設備工事

54,171

16,272,429

16,326,601

設備保全工事

103,600

1,295,690

1,399,290

電気計装工事

405,610

6,493,765

6,899,375

メカトロニクス

2,814,422

2,814,422

送電工事

389,891

389,891

管工事

823

591,037

591,861

鋳造用工業炉

33,513

33,513

564,205

27,890,750

28,454,955

 手持工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。

旭化成㈱

D6Z P1-7、8建設工事 機電計一括工事

2024年 5月 完成予定

デンカ㈱

先端球状フィラー工場新設工事

2024年 8月 完成予定

東日本高速道路㈱

北陸自動車道 子不知トンネルラジオ再放送設備更新工事

2025年 1月 完成予定

コニシ㈱

新水性工場 設備工事

2025年 3月 完成予定

 

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は35,915百万円(前連結会計年度末27,608百万円)となり、8,306百万円増加しました。これは、主に受取手形・完成工事未収入金等が10,882百万円増加したことによるものと分析しております。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は10,324百万円(同9,965百万円)となり、359百万円増加しました。これは、主に機械、運搬具及び工具器具備品が376百万円、建設仮勘定が357百万円増加したことによるものと分析しております。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は22,205百万円(同15,051百万円)となり、7,153百万円増加しました。これは主に電子記録債務が4,511百万円、短期借入金が3,500百万円増加したことによるものと分析しております。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は1,400百万円(同1,554百万円)となり、154百万円減少しました。これは、主に長期借入金が175百万円増加した一方で退職給付に係る負債が376百万円減少したことによるものと分析しております。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は22,633百万円(同20,967百万円)となり、1,665百万円増加しました。これは、主に利益剰余金が1,467百万円増加したことによるものと分析しております。

 

2)経営成績

 (売上高)

 売上高は、半導体関連の大型プラント建設工事、EV材関連設備工事、設備改修工事、脱炭素対応に向けた設備工事、また、定期修繕工事等を中心とした受注があり、懸念されていた工事資材の納期長期化や物資不足などの影響は想定より少なく、大型案件をはじめとした工事の進捗は想定以上に順調に推移し、前連結会計年度の42,944百万円に対し8,898百万円増(前連結会計年度比20.7%増)の51,842百万円となりました。なお、セグメント別の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。

 (売上総利益)

 売上総利益は、前連結会計年度の7,227百万円に対し、101百万円増(同1.4%増)の7,328百万円となりました。また、売上総利益率は14.1%となりました。競争が厳しさを増し、資材費の高騰等もあるなか、売上高は増加しましたが、設備工事事業における複数件の工事において市場環境の変化による資材費、労務費などの上昇を吸収できず低収益化したこと、大型工事案件の一部に工事損失及び工事損失引当金を計上したことなどから、前連結会計年度に比べ2.7ポイント低下したものと分析しております。

 (販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の4,494百万円に対し、156百万円増(同3.5%増)の4,651百万円となりました。ESGへの取組、業務のDX推進などの諸施策等が56百万円、従業員給料手当が60百万円増加したこと等によるものと分析しております。

 (営業利益)

 以上により、営業利益は前連結会計年度の2,732百万円に対し、55百万円減(同2.0%減)の2,677百万円となりました。

 (営業外損益)

 営業外損益(純額)は、前連結会計年度の52百万円の収入に対し、3百万円減(同6.7%減)の48百万円となりました。

 (経常利益)

 経常利益は、前連結会計年度の2,785百万円に対し、58百万円減(同2.1%減)の2,726百万円となりました。

これは、主に営業利益の減少によるものと分析しております。

 (特別損益)

 特別損益(純額)は、前連結会計年度の149百万円の損失に対し、109百万円の損失となりました。

これは、主に特別損失が前連結会計年度より37百万円減少したことによるものと分析しております。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,656百万円に対し、239百万円増(同14.5%増)の1,895百万円となりました。

 1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の154円78銭に対し、24円93銭増加し179円71銭となりました。

 

 当社グループの経営に影響を与える要因として、当社グループの属する設備工事業界は受注産業であり、国内外の経済動向や国際情勢の影響を受けやすく、景気の変動により公共投資や民間設備投資の大幅な抑制が続くと、当社グループの業績に与える影響が大きいと認識しております。

 現状の見通しとして、国内外経済に影響を与える不確定な要素が多いなか、物価高や金融引き締めに伴う景気減速懸念に加え、地政学リスクによる経済への影響など、依然として不透明な状況が想定され、先行きは予断を許さない厳しい状況が続くものと思われます。

 当社グループにおきましては、お客様のニーズを的確に捉え、当社グループの特色である、「技術力」、「機動力」、「総合力」を活かし、独立系エンジニアリングメーカーとしての柔軟な対応力を強みに、同業他社との差別化を図り「ものづくり」に関するあらゆる産業分野を網羅すべく、広範囲な事業フィールドで事業を推進する所存です。

 このような状況のもと、当社グループは2020年度から中期経営計画(ローリング方式により定め)により、「成長促進」の時期として位置付け、事業活動を推進してまいりました。同計画における目標のうち、連結売上高50,000百万円以上については、大型EPC案件の受注拡大や当社グループの技術力と機動力を活かした設備改修・修繕工事等の安定的な受注確保、自動化・省力化機器・システムの業績拡大等が寄与し、その目標を達成したものの、連結営業利益率(8%以上)、ROE(10%以上)、海外比率(15%以上)の目標は未達成であり、課題を残す結果となりました。残された課題については、現在策定中であります新中期経営計画において解決を図ってまいります。なお、2025年3月期の連結業績見通しは、連結売上高は前期からの繰越工事が多いこともあり52,000百万円(前連結会計年度比0.3%増)と予想しております。利益面では、連結営業利益3,000百万円(同12.0%増)、連結経常利益3,050百万円(同11.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(同5.5%増)と予想しております。

 経営者の問題意識と今後の方針について、現在の事業環境及び入手可能な情報を基に環境変化にスピード感を持って柔軟に対応すべく、最善の経営方針を立案し、諸対策を実着に実行してまいります。

 今後は不透明な市場環境ではありますが、優先的に対処すべき事業上の課題に記載のとおり、まずは、安定収益を確保すべく、足下の受注案件の獲得及び業績見通し達成に全力を挙げていくとともに、中長期的な成長に向け、確実に「手を打つ」、両面での経営が重要であると認識し、最適な経営資源の配分を行いつつ「世の中から必要とされ、存続する企業」として、次世代の社会・産業に貢献する会社を目指します。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、安定的な外部資金調達能力の維持及び向上が重要であると認識しており、主要な取引先金融機関との良好な取引関係の維持に努めております。加えて、健全な財務状態の維持も重要であると認識しており、自己資本比率を50%以上に維持することを、経営目標の一つとして掲げております。

 この様な基本的な考え方に沿って諸施策を進めることにより、当社グループの成長を維持するために必要とされる運転資金及び設備資金の調達に、何らの支障も生じないものと認識しております。

 

 次に経営資源の配分に関する考え方として、営業活動により得た収益を事業活動の財源と捉え、その効率的な運用を最重点課題としております。運用先として、運転資金、更なる経営基盤の充実に備えるための人材育成・教育、設備及び研究開発への投資、財務基盤強化に繋がる有利子負債削減を企図した借入金返済がございます。

 株主に対する利益還元につきましては、株主還元の安定的拡大を目指し、配当性向の目安を将来的に30%以上とすることを目指しております。

 

 上記の考え方に基づき、次のとおり、資金需要に応じた資金調達を行っております。

 まず当社グループの資金需要について、運転資金需要の主なものは、工事施工に係る材料費及び外注費の他、人件費であります。また、設備資金需要の主なものは、事業領域拡大に向けた拠点の設立や、生産性向上に向けた機械の購入であります。

 上記の運転資金及び設備資金の調達に当たっては、内部資金及び国内金融機関からの借入を活用しております。

 運転資金の調達につきましては、当社において取引先金融機関3行とコミットメントライン契約(60億円)を締結し、機動的な資金調達を行っております。設備資金の調達につきましては、取引先金融機関からの長期借入金により賄うことを基本的な方針としております。また、緊急時の資金需要への備えとして、当社において複数の取引先金融機関と当座貸越契約を締結しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、締結している経営上の重要な契約等はありません。

 

6【研究開発活動】

   当社グループは社会ならびに顧客の多様化するニーズに対応するため、新技術の研究から工法・工具の改善等の
 研究開発を行っております。

  当連結会計年度における研究開発費は87,512千円であり、各セグメント別の主な研究開発の内容は次のとおりであります。なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行っておりません。

 (設備工事事業)

  各種自動化の技術開発、通信関連技術の構築、カメラ・AI/IoT・クラウド等を活用したソリューションの研究を行っております。

  当事業に係る研究開発費は87,512千円であります。

 (表面処理事業)

  研究開発活動は特段行っておりません。

  (その他)

  研究開発活動は特段行っておりません。