文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営指針等
当社グループの経営指針及び行動基準は以下のとおりです。
(経営指針)
(行動基準)
・ 事実を確認せよ(情報に惑わされるな 現物・現場・現実主義)
・ 決め打ちするな、選択肢を示せ
・ すぐに断らず、諦めず、できる方法を考え抜け
・ 間違ってもよい、すぐに報告し改善せよ
・ 問題は起きる、原因を究明し再発を防げ
・ 情報を閉じ込めるな、早く広く共有せよ
・ 人とは違う発想で、新しい目標にチャレンジせよ
(2)経営環境
当連結会計年度における世界経済は、世界的な金融引き締めや中国経済の成長鈍化に加え、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や不安定な中東情勢による地政学的緊張の高まり等、依然として景気停滞局面が続きました。今後の景気持ち直しが期待されますが、地政学的リスクに起因する情勢不安に加え金融引き締めや為替変動等の不確定要素を背景に引き続き予断を許さない状況にあります。
わが国経済においても、インバウンド需要の増加や賃金上昇等に伴う雇用・所得環境の改善等が期待される一方で、世界経済の不確実性や資源・エネルギー価格の高騰、物価上昇等が懸念材料となり、本格的な景気回復は見通せない状況にあります。
アパレル市場における流通在庫の解消につきましては、暖冬の影響から足踏みした時期もあり、一服するのは2025年3月期後半と見込んでおります。アパレル製品の需要は引き続き回復傾向にあるものの、消費者の選別消費が一層加速したことにより、当社グループの顧客においては、品切れと在庫リスクを最小限に抑え状況を見ながら発注する動きが高まっています。加えて、コロナ禍を経てサプライチェーンの在り方が大きく変容し、生産地において縫製工場(つくり場)が減少したことを背景として、リスク回避のために生産地を見直す顧客が増えました。
(3)経営戦略等
当社グループは、2022年3月期から2026年3月期を計画期間とする中期経営計画「ビジョン2025」(2021年5月14日及び2022年5月24日開示)を策定し、その基本戦略や重点取り組み事項を着実に推進しております。
(ビジョン)
「あらゆる服づくりの舞台裏に私たちがいる」
当社グループの縫製メーカーとしての経験、ネットワーク、強みを活かし、目まぐるしく変化し不確実性の高い外部環境のなかでも、積極的な投資とさまざまな変革を推進し、お客さまの全てのニーズにお応えしてまいります。
(時期区分及び基本方針)
第1期(2年):2022年3月期~2023年3月期
新工場建設によるASEAN地域等への生産地シフトと生産能力拡大により、アフターコロナへの準備を進める
第2期(3年):2024年3月期~2026年3月期
回復するアパレル需要と拡大した生産能力とをマッチングさせ、新たな成長を実現する
(基本戦略と重点取り組み)
・サプライチェーンの更なる多元化推進と、「良質なものづくり」の一層の強化
顧客が欲しいときに欲しいものを欲しい量お届けするための柔軟で強靭なサプライチェーンを整備する。また、ASEAN諸国等を中心とした多拠点展開で、コスト競争力の強化と地政学的リスクの低減を両立させる。データ経営の実践及び新人事制度とグローバル人事データベースを軸にしたグローバルに活躍できる人材の採用と育成を進める。
・新素材開発及び新たな製品開発への取組推進
新素材開発
透湿・防水・撥水加工技術を活かした機能性素材を顧客に積極提案すると共にアウトドア素材、医療品向け、自動車関連素材等、新たな領域を含めた開発を進める。また、これらの素材と縫製事業のシナジー効果を生むビジネスモデルの構築をめざす。
新たな製品開発
顧客のニーズに対して積極的に協働し、新たな商品企画に取り組む。
・主力OEM事業における営業力の強化
既存顧客との取り組み深耕
各工場の特徴を踏まえた得意アイテムと生産能力を整理し、顧客に対して見える化を図り、既存顧客と中長期の協働体制を確立する。
新規顧客開拓
成長の見込める新セグメントへの進出、ミドル~ハイエンド顧客への中長期の協働体制の提案、米国・欧州の顧客の開拓を行う。
(定量目標)
2026年3月期 売上高700億円、経常利益42億円
2024年5月14日の取締役会において、経常利益目標を当初の35億円から42億円へ変更することを決議しました。
(4)優先的に対処すべき事業上の課題
当社グループは、中期経営計画「ビジョン2025」の基本戦略である「サプライチェーンの更なる多元化推進と、「良質なものづくり」の一層の強化」、「新素材開発及び新たな製品開発への取組推進」、「主力OEM事業における営業力の強化」を優先的に対処すべき課題と認識し、これを着実に推進してまいります。
・サプライチェーンの更なる多元化推進と、「良質なものづくり」の一層の強化
さまざまな環境変化へ適応し、顧客ニーズに対応できるグローバルな生産体制を強化し、回復するアパレル製品需要と顧客の求める品質に応えるため、サプライチェーンの多元化、強靭化を推進します。
・新素材開発及び新たな製品開発への取組推進
主に生地加工の事業において、顧客と連携し、より環境負荷の少ない新素材の開発を推進します。
・主力OEM事業における営業力の強化
当社グループの強みである多元的なサプライチェーンとグローバルな生産体制を活かし、既存顧客への企画提案の更なる強化と、新規顧客の開拓を推進します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、サステナビリティ指針「服を着る人も作る人も幸せになる社会をつくる」を掲げ、持続的な企業価値の向上と社会課題の解決の両立を実現すべく、サステナビリティ推進体制を強化しております。
当社グループの生産地が日本を離れ、中国、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナム、インドネシアへと展開し、『ものづくり』を続けた30年超の歴史と、各地で雇用を生み、地域経済を動かし、暮らしを支えることで得られた地域コミュニティや現地従業員との絆が、当社グループのサステナビリティ活動の基礎となり、従業員が働きやすい労働環境を整備し、企業間交流を行うなど人材育成体制を強化しております。
当社グループは、取締役会の諮問機関として代表取締役社長執行役員の松岡典之を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティに係る当社グループの取り組みについて、活動方針の策定および実行に対する評価、提言を行います。また、重要と認識した事項については、戦略・計画に反映し、取締役会へ報告・監督します。

当社では、経営戦略の一環として、サステナビリティ活動のなかで3つのマテリアリティを定めております。特定にあたっては、国連が提唱する持続可能な開発目標SDGsなどを参考に課題項目を洗い出し、自社における重要度やお客様などステークホルダーへの影響と期待を踏まえて重要度の高い要素を抽出、サステナビリティ委員会での議論を経ました。3つのマテリアリティと主な取り組みは以下のとおりです。
当社グループにおいて、当社グループにおいて、リスク管理における重要事項の審議と方針の決定は、取締役会に付随する「コンプライアンス・リスク管理委員会」が行います。その下で、サステナビリティに関する、優先的に対応すべきリスクについては、サステナビリティ委員会においてモニタリング・評価を行い、重要と認識された事項については、コンプライアンス・リスク管理委員会および取締役会へ報告します。
(4) 指標及び目標
当社グループは、人的資本に関する指標及び目標として、女性管理職比率の向上を掲げております。出産・育児と仕事の両立支援や適正な労働時間管理等から、女性のキャリア形成支援を推進し、2024年3月時点で44%の当社グループでの女性管理職比率を、2026年3月までに49%に引き上げることを目指します。
当社では、社内環境整備の一環で、社員が各々のライフステージに応じた柔軟な働き方を選択できるよう、フレックスタイム制やテレワークを導入しております。また、多様な人財の育成のため、管理職研修・階層別研修を実施し、外国人社員を幹部登用するなど、取り組みに注力しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の概要
当連結会計年度における世界経済は、世界的な金融引き締めや中国経済の成長鈍化に加え、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や不安定な中東情勢による地政学的緊張の高まり等、依然として景気停滞局面が続きました。
わが国経済においては、社会経済活動の正常化が進む中で、企業収益の改善とともに雇用・所得情勢は底堅く推移し、緩やかな景気回復基調にある一方で、物価上昇や世界経済に起因する下振れ懸念が継続する等、引き続き先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況の中、受注においては、アパレル製品の需要は引き続き回復傾向にあり、顧客ニーズに柔軟に対応できる生産体制を整備することで受注獲得に努めましたが、流通在庫の解消が途上にあるなかで、暖冬等の季節要因も影響し、受注面では苦戦しました。
生産においては、かねてより注力してきた中国からASEAN諸国等への生産地シフトを推進したことに加え、自社工場ならではの強みを活かし、生産ロスの削減やオーダー量に合わせた適正な生産ラインおよび人員配置等の実施によって生産効率を高め、利益率アップに貢献しました。
当社グループが展開する国ごとの生産状況は以下のとおりであります。
(中国)
かねてより進めているASEAN諸国等への生産地シフトを推進し、最適地での生産体制を整備しながら、中国では、熟練したオペレーターの高い縫製技術を活かしたサンプル作成や短納期を要望する顧客のニーズに対応しました。
(ベトナム)
2023年3月期に新設したAN NAM MATSUOKA GARMENT CO., LTD第3期・第4期工場、THANH CHUONG MATSUOKA GARMENT CO., LTD工場では、受注状況に合わせた生産ラインの整備を推進しました。既存工場においては、オペレーターの習熟度が向上し、生産量と生産効率アップに寄与しました。
(バングラデシュ)
2023年3月期に新設したISHWARDI MATSUOKA BANGLADESH. LTD.第2期工場では、本格的な稼働に向けて生産体制の整備に取り組みました。生産性向上や生産効率のデータ化・見える化に寄与する設備を取り入れ、効率的な生産ラインの構築に活用しました。
(インドネシア)
PT. MATSUOKA INDUSTRIES INDONESIAにおいては、生産コスト低減や生産管理の精度向上に対する取り組みを継続することで稼働率の維持に努め、さらなる収益改善に注力しました。
(ミャンマー)
工場独自の新規顧客開拓を継続し、受注獲得につなげたほか、稼働率も安定的な水準で推移し、生産性向上に寄与する設備導入を積極的に実施することで生産能力の拡大を図りました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は601億76百万円(前期比4.1%減)、営業利益は7億92百万円(同1,076.4%増)となりました。また、経常利益は為替差益等の計上により44億93百万円(同40.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は24億57百万円(同46.6%増)となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べて64億1百万円増加し、656億97百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて26億45百万円増加し、296億36百万円となり、純資産は前連結会計年度末に比べて37億56百万円増加し、360億61百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー54億6百万円の獲得、投資活動によるキャッシュ・フロー25億75百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フロー7億53百万円の支出となった結果、前連結会計年度末に比べて26億98百万円増加し、171億78百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは54億6百万円の獲得(前期は5億6百万円の支出)となりました。主な要因としては、法人税等の支払額15億35百万円、売上債権の増加14億15百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益の計上43億15百万円、減価償却費の計上21億29百万円、仕入債務の増加10億34百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは25億75百万円の支出(前期は61億97百万円の支出)となりました。主な要因としては、有形固定資産の取得による支出20億59百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは7億53百万円の支出(前期は49億9百万円の獲得)となりました。主な要因としては、長期借入れによる収入9億58百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出5億73百万円、短期借入金の純減額6億31百万円、配当金の支払額3億99百万円等があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループは、アパレルOEM事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
当社グループは、アパレルOEM事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。
生産国別の販売実績は次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、物価上昇や世界経済に起因する下振れ懸念が継続しつつも、社会経済活動の正常化が進み、緩やかな景気回復基調にありました。アパレル製品の需要も引き続き回復傾向にあり、顧客ニーズに柔軟に対応できる生産体制を整備することで受注獲得に努めましたが、流通在庫の解消が途上にあるなかで、暖冬等の季節要因も影響し、受注面では苦戦しました。
売上高につきましては、流通在庫、暖冬等の季節要因の影響により、前連結会計年度に比べて26億2百万円減少の601億76百万円(前期比4.1%減)となりました。中期経営計画「ビジョン2025」では、当連結会計年度の売上高は620億円を計画しておりましたが、計画比3.0%減と計画未達となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、中国からASEAN諸国等への生産地シフトを推進したことに加え、生産ロスの削減やオーダー量に合わせた適正な生産ラインおよび人員配置等の実施によって生産効率を高めたことにより、前連結会計年度に比べて32億89百万円減少の536億97百万円(同5.8%減)となりました。
売上総利益率は、売上原価の減少により、前連結会計年度9.2%から当連結会計年度では10.8%へと1.6ポイント増加しました。この結果、売上総利益は64億78百万円(同11.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、生産ロスの削減や人員の適正配置の実施等により、前連結会計年度に比べて38百万円減少の56億85百万円(同0.7%減)となりました。この結果、営業利益は7億92百万円(同1,076.4%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、為替レートがドル高現地通貨安に推移したことにより為替差益34億4百万円を計上し、前連結会計年度に比べて6億15百万円増加の40億40百万円(同18.0%増)となりました。連結会計年度の営業外費用は、借入金の増加に伴う支払利息の増加等により前連結会計年度に比べて50百万円増加の3億39百万円(同17.3%増)となりました。この結果、経常利益は44億93百万円(同40.3%増)となりました。中期経営計画「ビジョン2025」では、当連結会計年度の経常利益は23億円を計画しておりましたが、計画比195.3%増と計画達成しております。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券売却益及び関係会社清算益の計上により、前連結会計年度に比べて3億23百万円増加しております。当連結会計年度の特別損失は、PT.MATSUOKA INDUSTRIES INDONESIAの固定資産減損により、前連結会計年度に比べて2億2百万円増加しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は24億57百万円(同46.6%増)となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて64億1百万円増加し、656億97百万円となりました。主な要因としては、現金及び預金の増加29億32百万円、受取手形及び売掛金の増加13億95百万円、有形固定資産の増加9億63百万円、棚卸資産の増加2億89百万円等があったことによるものです。
棚卸資産の増減については、商品及び製品の納期に連動しております。仕掛品や原材料及び貯蔵品の期末金額は毎年変動いたします。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて26億45百万円増加し、296億36百万円となりました。主な要因としては、支払手形及び買掛金の増加8億58百万円、資産除去債務の増加4億56百万円、長期借入金の増加3億84百万円等があったことによるものです。
長期借入金の増加については、主に子会社への投資を行うために金融機関より調達をしたものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて37億56百万円増加し、360億61百万円となりました。主な要因としては、配当金の支払3億99百万円等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加24億57百万円、為替換算調整勘定の増加17億36百万円等があったことによるものです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
内容につきましては本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資本需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末において借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は148億46百万円、現金及び現金同等物の残高は171億78百万円となっております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業活動に支障が生じるような資金繰りの悪化は発生しておりません。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
・固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として会社別にグルーピングを行い、収益性が低下した資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。
収益性の低下の評価において用いる将来キャッシュ・フローについては、各社及び各工場の事業計画等に基づき見積っていますが、経営環境の変化等により当初見込んでいた利益が得られなかった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
原材料や輸送費等の生産コストの上昇が続くなか、コスト競争力の高いベトナム・バングラデシュを中心としたASEAN諸国等での生産を一層強化し、さらなる生産効率と利益率の向上に取り組むことで、収益性の高い経営を目指します。そのために、中期経営計画第1期で設立したベトナムとバングラデシュの新工場3拠点における従業員の習熟度を上げ、当社グループの目指す品質の維持・管理能力の向上に注力してまいります。さまざまな環境変化へ適応して、顧客ニーズに対応できるグローバルな生産体制を強化し、回復するアパレル製品需要と顧客の求める品質に応えるため、サプライチェーンの多元化、強靭化を目指してまいります。
また、主に生地加工の事業において、顧客である国内外のアウトドアウェアメーカーやアパレルメーカー等と連携し、共同で消費者が求める高品質な素材の開発を進めております。環境負荷低減の観点から、化学品使用に関する世界各国の環境規制を遵守した素材開発及び生産手法の研究を推進し、製品の優位性を高めるとともに顧客信頼度の向上を図ってまいります。引き続き、強みである高い生産技術や素材開発力を磨き、将来の事業拡大、利益貢献に資する取り組みを続けてまいります。
新工場設立により、自社工場での生産比率が高まるなかで、生産拠点と顧客を連携し、生産管理の要となるグループ本社のマネジメント機能の強化が、より一層重要になると認識しております。グループ本社において企画・貿易・物流といった商社機能の精度を向上させることで、顧客への対応力をさらに高め、営業力強化につなげてまいります。加えて、当社グループのグローバルな生産拠点と安定的な生産能力という優位性を活かし、既存顧客への企画提案や新規顧客の開拓に邁進してまいります。
(資本業務提携契約)
当社は、2022年9月9日開催の取締役会において、株式会社日本政策投資銀行(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 地下 誠二)と資本業務提携契約の締結及び第三者割当の方法により発行される転換社債型新株予約権付社債の募集について決議し、同日付で資本業務提携契約を締結いたしました。
(1)資本業務提携の理由
当社は、株式会社日本政策投資銀行から中期経営計画「ビジョン2025」に掲げる施策の実現と企業価値向上に向けたサポートを受けるとともに、中期経営計画第1期の施策の一つであるASEAN諸国等における生産能力の拡大を目的としたベトナムにおける新規工場建設及び設備導入のための設備投資資金の一部に充当することを目的として、株式会社日本政策投資銀行を割当先として転換社債型新株予約権付社債を発行することといたしました。
(2)資本業務提携の内容
① 業務提携の内容
株式会社日本政策投資銀行は、当社グループに対し、以下の分野を中心に、当社グループの企業価値向上に向けた支援を行う。
a グループ経営の高度化
データに基づく経営判断の礎となる経営指標の見える化に向けた全体設計・導入等の支援(将来的なROIC 経営(注)の導入検討等を含む)
b 事業拡大・付加価値向上
新規顧客・新規領域の開拓を見据えた M&A・アライアンスに関する情報提供・戦略立案・案件遂行等の支援及び資金提供の検討
c サステナビリティ経営に関連する取組みの強化
中長期的な企業価値向上に向け、また、プライム市場上場会社として目指すべきコーポレート・ガバナンスの在り方も踏まえた、サステナビリティ経営等における各種施策の戦略策定・実行支援
(注) 「ROIC 経営」とは、ROIC(投下資本利益率:Return on Invested Capital)を経営指標として導入し、資本効率と収益性の向上を意識した経営を行うことによって、企業価値向上を企図する経営手法です。
② 資本提携の内容
第三者割当の方法により第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行し、株式会社日本政策投資銀行に割当する。
第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の概要
(資本提携契約)
当社は、2022年12月16日開催の取締役会において、SAHA PATHANA INTER-HOLDING PUBLIC COMPANY LIMITED(以下「SPI」とする。)との間で資本提携に関する「CAPITAL ALLIANCE AGREEMENT」を決議し、同日付で契約を締結いたしました。
(1)資本提携の理由
SPIは、タイ国内外において各種消費財を製造・流通・販売する同国最大手の企業グループの持株会社であり、日本企業とも数多くの合弁事業を行っております。SPI及び同グループ各社と当社及び同グループ各社が協力して、相互のもつ技術・ノウハウ・顧客網等の経営資源を活用していくことでアパレル・テキスタイル分野における新たなサプライチェーンを構築することを目指して協議を進めてまいりました。
この度、SPI及び当社は、価値観を共有し、社会の発展を目指すパートナーとして、長期的かつ継続的な協業関係を構築し、合弁会社の設立・運営を通じてアパレル・テキスタイル分野における新たなサプライチェーンの構築を共同推進するための資金を調達していくことが重要であると判断したことから、世界景気の変化や為替リスクの動向等も慎重に考慮しつつ、資本提携を実施することにいたしました。
(2)資本提携の内容
当社が第三者割当による自己株式の処分により、SPIに普通株式185,000株(第三者割当後の持株比率1.85%)の割り当てを2023年1月12日に完了し、Thanulux PCL (注)の保有するSPIの普通株式760,000株(発行済株式の約0.13%、総額約2億円)を相対取引により取得することを予定しております。
(注) Thanulux PCL は、SPIが24.9%出資するグループ会社であります。
該当事項はありません。