当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」につき、変更および追加すべき事項が生じております。以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「事業等のリスク」の項目番号に対応したものであり、当該変更および追加箇所は下線で示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本半期報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
(7) 戦略的提携および企業買収
当社グループは、事業拡大や競争力の強化などを目的として、重要な技術や製品の研究開発、生産などの分野において、第三者との間で、共同出資関係を含む戦略的提携や企業買収を実施することがあり、例えば、2024年8月には、米国のソフトウェア企業で、豪州証券取引所に上場していたAltium社を買収しております。しかしながら、今後も当社グループにとって適切な提携先・買収先候補が見つかるとは限らず、また、適切な提携先・買収先があった場合にも、当社にとって受入れ可能な条件で合意に至ることができない可能性があります。また、提携先・買収先との合意に至った場合であっても、買収資金を調達できない可能性、提携先・買収先の株主承認等が得られない可能性、必要な許認可が取得できない可能性、法令その他の理由による制約が存在する可能性があり、買収を実行できる保証はありません。
さらに、当社グループでは、これらの提携や買収にあたって、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討していますが、事業遂行、技術、製品、人事、システム、関連当局の独占禁止法(競争法)への対応などの面で統合に時間と費用を要することに加え、資金調達、技術管理、製品開発などの経営戦略について提携先・買収先と不一致が生じたり、提携先・買収先において財務上その他の事業上の問題が生じた場合などに、提携関係・資本関係を維持できない、または買収時に想定していた投資回収や収益性を実現できなくなる可能性があります。また、提携先・買収先の主要顧客や主要人員を維持・確保できないことなどにより、想定していたシナジーやメリットが実現できない可能性があるなど、提携や買収が当初の期待どおりの目的を達成できる保証はありません。
(8) 資金調達
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入や社債の発行などにより調達しておりますが、新製品を発売し、事業・投資計画を実行し、生産能力を拡張し、技術もしくはサービスを取得し、または負債を返済するため、将来、追加的に資金を調達しなければならない可能性があります。半導体業界の事業環境の悪化、金融・証券市場の環境の悪化、貸手側の融資方針の変更などにより、当社グループが必要な資金を適時に調達できない、または資金調達コストが増加する可能性があることなどにより、当社グループの資金調達が制約される可能性があります。また、当社は、企業買収を実施する際の買収資金についても金融機関からの借入などにより調達する可能性があります。例えば、当社は、2024年7月に、Altium社の買収資金に充当するため、金融機関との間で締結したシンジケートローン契約に基づき総額約9,380億円の借入を実行しました。これらの金融機関からの借入などの実施により、当社は有利子債務を負担することになるところ、実施した借入について想定していた長期資金への切り替えができない場合や当初想定したキャッシュ・フローの創出が実現しない場合には、当社グループの財務内容が悪化し、信用格付けが引き下げられる可能性があり、その場合にも、資金調達コストの増加や、当社グループの資金調達が制約される可能性があります。なお、当社グループが金融機関と締結している借入に係る契約の一部には財務制限条項が定められております。万一、当社グループの財務内容などの悪化により同条項に抵触し、上記借入について期限の利益を喪失する場合、当社グループの事業、業績および財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(16) 固定資産の減損
当社グループは、工場設備などの有形固定資産に加えて、過去の企業買収に伴う多額ののれんなどの無形資産を含む多くの固定資産を保有しております。また、2024年8月にAltium社の買収を完了しましたが、現時点において取得原価の配分が完了しておらず、その結果によっては多くののれんなどを含む固定資産が計上される見込みです。これらの固定資産については、減損の兆候がある場合、固定資産から得られる将来のキャッシュ・フローによる資産の帳簿価額の回収可能性を検討しております。その結果、当該資産が十分なキャッシュ・フローを生み出さない場合には、減損を認識しなければならない可能性があります。
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP」)およびIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。
Non-GAAP売上収益、Non-GAAP売上総利益およびNon-GAAP営業利益は、IFRSに基づく売上収益、売上総利益および営業利益(以下それぞれ「IFRS売上収益」、「IFRS売上総利益」および「IFRS営業利益」)から、非経常的な項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものであります。当社グループの恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しております。具体的には、企業買収に伴い、認識した無形資産の償却額およびその他のPPA(取得原価の配分)影響額、株式報酬費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などを控除もしくは調整しております。
当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。なお、2024年12月期第1四半期連結会計期間における組織変更に伴い、報告セグメントの集計方法について、従来の製品軸による集計方法から、売上収益を実際の用途に基づき集計する方法に変更しております。これにより、前中間連結会計期間のセグメント情報については、変更後の集計方法に基づき作成したものを開示しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。
(注) Non-GAAPの開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
① 当中間連結会計期間 (2024年1月1日~2024年6月30日) の業績(Non-GAAPベース)
(注)1 上記表の詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。
当中間連結会計期間における業績は以下のとおりであります。
(Non-GAAP売上収益)
当中間連結会計期間のNon-GAAP売上収益は7,106億円となり、前中間連結会計期間と比べ178億円(2.4%)の減少となりました。これは、主に円安効果で自動車向け事業の売上収益が増加した一方で、市場の軟化、流通在庫の調整があったことにより、産業・インフラ・IoT向け事業の売上収益が減少したことによるものであります。
(Non-GAAP売上総利益 (率))
当中間連結会計期間のNon-GAAP売上総利益は4,029億円となり、前中間連結会計期間と比べ106億円(2.6%)の減少となりました。これは、上記のとおり産業・インフラ・IoT向け事業の売上収益の減少とそれに伴う製品ミックスの悪化、製造費用等の増加などによるものであります。その結果、当中間連結会計期間のNon-GAAP売上総利益率は56.7%となり、前中間連結会計期間と比べ0.1ポイントの減少となりました。
(Non-GAAP営業利益 (率))
当中間連結会計期間のNon-GAAP営業利益は2,241億円となり、前中間連結会計期間と比べ298億円(11.7%)の減少となりました。これは上記の売上総利益の減少および研究開発費の増加などによるものであります。その結果、当中間連結会計期間のNon-GAAP営業利益率は31.5%となり、前中間連結会計期間と比べ3.3ポイントの減少となりました。
当中間連結会計期間における各セグメントの業績は以下のとおりであります。
<自動車向け事業>
自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」と、車内外の環境を検知するセンサリングシステムや様々な情報を運転者などに伝えるIVI(In-Vehicle Infotainment)・インストルメントパネルなどの車載情報機器に半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC(System-on-Chip)、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。
当中間連結会計期間における自動車向け事業のNon-GAAP売上収益は3,686億円となり、前中間連結会計期間と比べ483億円(15.1%)の増加となりました。これは上記のとおり、主に円安効果により、売上収益が増加したことによるものであります。
当中間連結会計期間における自動車向け事業のNon-GAAP売上総利益は1,958億円となり、前中間連結会計期間と比べ272億円(16.1%)の増加となりました。これは、売上収益の増加によるものであります。
当中間連結会計期間における自動車向け事業のNon-GAAP営業利益は1,200億円となり、前中間連結会計期間と比べ57億円(5.0%)の増加となりました。これは研究開発費の増加の一方、上記の売上総利益が増加したことによるものであります。
<産業・インフラ・IoT向け事業>
産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。
当中間連結会計期間における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP売上収益は3,378億円となり、前中間連結会計期間と比べ649億円(16.1%)の減少となりました。これは、円安効果およびデータセンター向け市場が堅調であった一方、上記のとおり産業向け市場の軟化、流通在庫の調整に伴う減収などによるものであります。
当中間連結会計期間における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP売上総利益は2,058億円となり、前中間連結会計期間と比べ368億円(15.2%)の減少となりました。これは、売上収益の減少および製造費用などの増加などによるものであります。
当中間連結会計期間における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP営業利益は1,028億円となり、前中間連結会計期間と比べ354億円(25.6%)の減少となりました。これは、主に売上総利益の減少によるものであります。
② Non-GAAP売上総利益からIFRS売上総利益、およびNon-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
(注)1 PPA(取得原価の配分)実施に伴う調整であります。
2 その他非経常的な項目および調整項目には企業買収関連費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などが含まれております。
③ 当中間連結会計期間 (2024年1月1日~2024年6月30日) の業績(IFRS)
(2) 財政状態
<資産、負債及び資本>
(単位:億円)
当中間連結会計期間の資産合計は36,616億円で、前連結会計年度と比べ4,946億円の増加となりました。これは、主に為替相場の変動によりのれんなどが増加したことによるものであります。資本合計は24,678億円で、前連結会計年度と比べ4,622億円の増加となりました。これは、為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額などのその他の資本の構成要素が増加したこと、および中間利益により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。
親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度と比べ4,616億円増加し、親会社所有者帰属持分比率は67.3%となりました。有利子負債は、社債の評価替えにより増加したものの、主に借入金の返済による減少などにより、前連結会計年度と比べ483億円の減少となりました。これらの結果、D/Eレシオは0.25倍となりました。
(単位:億円)
(注)フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,019億円の収入となりました。これは主として、税引前中間利益を1,660億円計上したこと、および減価償却費などの非資金項目を調整したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,871億円の支出となりました。これは主として、有形固定資産や無形資産の取得による支出、Wolfspeed, Inc.への貸付による支出、Transphorm社の株式を取得したことなどによるものであります。
この結果、当中間連結会計期間におけるフリー・キャッシュ・フローは、852億円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,362億円の支出となりました。これは主として、主要取引銀行などへの借入金の返済を行ったことや、配当金の支払などによるものであります。
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は1,261億円であります。
なお、研究開発活動の金額については、当社グループの自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業に厳密に配賦することが困難なため、セグメントごとの記載は省略しております。
また、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間の末日現在(2024年6月30日)における当社グループの従業員数は21,585人となり、前連結会計年度の末日現在(2023年12月31日)と比べ、381人増加しました。
なお、当社グループでは自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方に係る従業員が大半のため、セグメントごとの記載は省略しております。
また、従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含みます。)であります。
(6) 主要な設備
当連結会計年度における当社グループの設備の新設、除却などの具体的な計画については、前事業年度の有価証券報告書提出日時点においては確定しておりませんでしたが、第3四半期連結累計期間における投資額について、次のとおりその計画が確定しました。
第3四半期連結累計期間における投資額は、合計約760億円を計画しております。設備投資額は、当社グループにおける有形固定資産(生産設備)および無形資産の当該期間中の投資決定ベースの金額を表しております。主な投資内容は、生産能力向上と設計開発の強化に係るものになります。
また、当該設備投資については自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方にて使用しており、各セグメントに厳密に配賦することが困難なため、セグメントごとの記載は省略しております。
なお、当中間連結会計期間において、主要な設備に重要な異動はありません。
当中間連結会計期間において、当社は、2024年2月に合意し、同年8月に買収を完了したAltium Limitedの買収資金への充当を目的として、2024年5月30日付で、主要取引銀行である㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱などとの間で新たにシンジケートローン契約(総借入限度額1兆円)を締結し、総額約9,380億円の借入を実行しました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 21.追加情報」に記載のとおりであります。
また、当社は、2024年6月25日付で、既存借入金の借り換えおよび運転資金の確保を目的として、主要取引銀行である㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱との間で新たにシンジケートローン契約(タームローン借入額2,500億円およびコミットメントライン極度額1,500億円)を締結し、2,500億円のタームローンの借入を実行しました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 10.社債及び借入金」に記載のとおりであります。
なお、買収資金の調達や既存借入金の借り換えを目的として、主要取引銀行である㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱などとの間で締結した2019年1月15日付のシンジケートローン契約は、2024年6月28日付で、契約期間満了に伴い終了しました。