第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当中間連結会計期間の世界経済は、金融引き締めが続くとともに地政学リスクも高止まる状況だったものの、インフレは鈍化傾向にあり、全体として底堅い動きとなりました。

米国では個人消費や設備投資が堅調に推移するとともにインフレの動きも緩和しつつあり、景気は底堅く推移した一方、欧州では景気の停滞が続きました。アジアでは景気回復の動きが続いているものの、中国では個人消費や不動産市場の停滞による景気への影響が懸念される状況で推移しました。日本では物価の上昇が続くなか、実質賃金のマイナスの影響もあり個人消費は低迷が続く状況で推移しました。

このような状況のなかで、当社グループは2030年を見据えた長期ビジョン『SAKATA INX VISION 2030』を実現させるため、その事業拡大・収益力強化フェーズである『中期経営計画2026 (CCC-Ⅱ)』の初年度として、パッケージ分野を中心にボタニカルインキシリーズなど環境配慮型製品を軸としたサステナブルな製品の積極展開をグループ全体で推進しました。機能性材料事業では、従来製品の拡販に加え、インクジェットインキにおいては衣食住をターゲットとした新市場への拡大や、画像表示材料においても新分野への展開などに取り組みました。

売上高は、海外において販売価格が下落した影響はあるものの、アジアを中心に販売が好調に推移したことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、1,210億8千4百万円(前年同期比9.9%増加)となりました。

利益面では、経費の増加による影響があったものの、海外における販売数量の増加による増収効果に加え、原材料価格が前年同期を下回る水準で推移するなかでインキコストの削減により収益性が改善したことなどから、営業利益は72億5千3百万円(前年同期比42.9%増加)となりました。経常利益はブラジルレアルなどの為替変動の影響を大きく受けたことなどから71億4千6百万円(前年同期比11.2%増加)、親会社株主に帰属する中間純利益は中国における連結子会社の持分譲渡に伴い特別利益を計上したことなどから53億1千8百万円(前年同期比39.5%増加)となりました。

なお、2024年12月期中間連結会計期間より、連結損益計算書の「営業外収益 その他」に計上していた「受取ロイヤリティー」を「売上高」に含めて計上することに変更したため、「売上高」及び「営業利益」の前年同期比(%)は当該会計方針の変更を反映した遡及適用後の数値との比較となっております。(以下、各セグメントにおいても同様。)

 

(参考)USドルの期中平均為替レート

 

第1四半期

連結会計期間

第2四半期

連結会計期間

中間連結会計期間

2024年12月期

148.61円

155.88円

152.25円

2023年12月期

132.34円

137.37円

134.85円

(注)中間連結会計期間の期中平均為替レートは、1月~6月の単純平均レートを記載しております。

 

セグメントの業績を示すと、次の通りであります。

(単位:百万円)

 

 

売上高

営業利益又は営業損失(△)

前期

当期

増減額

増減率

(※)実質

前期

当期

増減額

増減率

印刷インキ・

機材(日本)

26,129

25,448

△681

△2.6%

△2.6%

520

527

6

1.3%

印刷インキ

(アジア)

24,113

29,114

5,000

20.7%

9.1%

1,589

2,892

1,303

82.0%

印刷インキ

(米州)

38,325

42,860

4,534

11.8%

△0.8%

2,494

2,718

223

9.0%

印刷インキ

(欧州)

9,537

11,130

1,593

16.7%

2.9%

△383

210

593

機能性材料

8,170

9,618

1,447

17.7%

11.8%

976

1,195

219

22.5%

報告セグメント計

106,276

118,172

11,896

11.2%

2.3%

5,198

7,544

2,346

45.1%

その他

7,419

5,993

△1,426

△19.2%

△19.2%

238

30

△207

△87.1%

調整額

△3,514

△3,081

433

△361

△321

39

合計

110,181

121,084

10,903

9.9%

1.4%

5,075

7,253

2,178

42.9%

(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率

 

印刷インキ・機材(日本)

外国人観光客の増加が続いているものの、コロナ禍以前のようなモノ消費への需要が高まらないことに加え、日用品、食品、飲料など多くのアイテムで値上げが続き、個人消費の低迷が続いたことなどから、パッケージ関連ではグラビアインキ、フレキソインキともにやや低調に推移しました。印刷情報関連では、デジタル化の影響により市場の構造的な縮小が続いていることなどから、新聞インキ、オフセットインキともに低調に推移しました。このような状況のなか、販売価格の改定効果はあったものの、販売が低調に推移したことにより印刷インキ全体では前年同期を下回りました。機材につきましては、販売が低調に推移したことにより印刷製版用材料、機械販売ともに前年同期を下回りました。これらの結果、売上高は254億4千8百万円(前年同期比2.6%減少)となりました。

利益面では、印刷インキ、機材ともに販売が低調に推移したことに加え、人件費や新基幹システムの本格稼働に伴う経費の増加があったものの、販売価格の改定効果が寄与し、営業利益は5億2千7百万円(前年同期比1.3%増加)となりました。

 

印刷インキ(アジア)

主力であるパッケージ関連のグラビアインキは、インドネシア、インド、ベトナムなど各地で販売が好調に推移しました。印刷情報関連では、インドで販売が堅調に推移しました。売上高は、販売価格が下落した影響があるものの、販売が好調に推移したことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから291億1千4百万円(前年同期比20.7%増加)となりました。

利益面では、販売が好調なことや原材料価格も前年同期を下回る水準で推移したことなどから、営業利益は28億9千2百万円(前年同期比82.0%増加)となりました。

 

印刷インキ(米州)

主力のパッケージ関連では、顧客での在庫調整などによる需要の落ち込みから持ち直しの動きが続いたことに加え、ブラジルなど南米でも拡販が進んだこともあり、フレキソインキ及びグラビアインキ全体として販売は回復基調で推移しました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要が高まっているという背景のもと、販売は堅調に推移しました。また印刷情報関連であるオフセットインキは、市場の構造的な縮小もありやや低調に推移しました。売上高は、販売価格が下落した影響があるものの、販売数量が増加したことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、428億6千万円(前年同期比11.8%増加)となりました。

利益面では、人件費を中心に経費の増加は続いているものの、販売数量が増加したことや原材料価格が前年同期を下回る水準で推移したことなどから、営業利益は27億1千8百万円(前年同期比9.0%増加)となりました。

 

印刷インキ(欧州)

パッケージ関連を中心として拡販が進み、需要の落ち込みなどから持ち直しの動きもあったことに加え、メタルインキの販売が回復基調であったことやドイツからの販売も前年同期を上回るなど、販売は堅調に推移しました。売上高は、販売価格が下落した影響があるものの、販売数量が増加したことなどから、111億3千万円(前年同期比16.7%増加)となりました。

利益面では、販売数量が増加したことに加え、原材料価格が前年同期を下回る水準で推移したことなどから、営業利益は2億1千万円(前年同期は3億8千3百万円の営業損失)となりました。

 

機能性材料

インクジェットインキは拡販が進んだこともあり前年同期を上回りました。カラーフィルター用顔料分散液はパネルディスプレイ市況の改善が続くなか販売も好調に推移し前年同期を上回りました。トナーは市況の低迷による顧客での在庫調整の動きから回復基調にあるものの前年同期を下回りました。これらの結果に加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、売上高は96億1千8百万円(前年同期比17.7%増加)となりました。

利益面では、デジタル印刷材料の販売が増加したことなどから、営業利益は11億9千5百万円(前年同期比22.5%増加)となりました。

 

(2)財政状態

当中間連結会計期間末の総資産は、有形固定資産の増加や、株価の上昇に伴う時価評価や持分法により投資有価証券が増加したことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことにより売上債権や棚卸資産が増加したことなどから、前連結会計年度末比171億8千8百万円(8.9%)増加の2,112億7千6百万円となりました。

負債は、借入金の残高が減少したものの、円安による為替換算の影響を受けたことにより仕入債務が増加したことに加え、リース債務などにより固定負債のその他が増加したことなどから、前連結会計年度末比39億6千8百万円(4.5%)増加の924億4百万円となりました。

純資産は、利益剰余金の増加に加え、その他の包括利益累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末比132億2千万円(12.5%)増加の1,188億7千1百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加や法人税等の支払などがあったものの、税金等調整前中間純利益、減価償却費などにより、46億6千1百万円の資金の増加となりました。前年同期に比べ9億1千2百万円の増加となりましたが、主な要因は、税金等調整前中間純利益が増加したことであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や投資有価証券の取得による支出などがあったことにより、25億8千万円の資金の減少となりました。前年同期に比べ14億4千5百万円の増加となりましたが、主な要因は、無形固定資産の取得による支出が減少したことであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払に加え、借入金の減少などにより、26億4千3百万円の資金の減少となりました。前年同期に比べ37億9千8百万円の減少となりましたが、主な要因は、借入金の残高が減少したことや自己株式の取得による支出が増加したことであります。

以上の結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は164億1千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億9千8百万円の増加となりました。

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

1)当面の対処すべき課題の内容

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

2)株式会社の支配に関する基本方針

当中間連結会計期間において、当社の株式会社の支配に関する基本方針について、重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当中間連結会計期間における研究開発費の総額は25億1千3百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)従業員数

当中間連結会計期間より、MAOMING SAKATA INX CO.,LTD.(茂名阪田油墨有限公司)を連結の範囲から除外したことから、前連結会計年度末に比べ、「印刷インキ(アジア)」セグメントの従業員数が169名減少しております。なお、従業員数は就業人員数であります。

 

(7)主要な設備の計画

前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当中間連結会計期間に重要な変更があったものは、次の通りであります。

2024年6月30日現在

 

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

投資予定額

資金調達

方法

着手及び完了予定

総額

既支払額

着手

完了

CDI SAKATA INX CORP.

フィリピン工場

(MANILA,PHILIPPINES)

印刷インキ(アジア)

製造設備

百万PHP

 

290

百万PHP

 

260

自己資金

2021年

12月

(変更前)

2024年6月

(変更後)

2024年9月

(注)1.完成後の生産能力については合理的な算出が困難なため、記載を省略しております。

2.CDI SAKATA INX CORP.における計画は、一部見直しに伴い、完了予定年月を2024年6月から2024年9月に変更しております。

 

3【経営上の重要な契約等】

当社は、2024年2月28日開催の取締役会において、当社子会社のMAOMING SAKATA INX CO.,LTD.(茂名阪田油墨有限公司)の全出資持分をMAOMING HUACAI INK CO.,LTD.(茂名華彩油墨有限公司)に譲渡することを決議し、2024年3月12日付にて持分譲渡契約を締結いたしました。

その内容につきましては、前連結会計年度の有価証券報告書「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載の通りであります。