第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

① 企業理念

当社は、「社会課題に挑戦し新しい価値を創造する」を使命に定めるとともに、この使命を果たす原動力となる大切な価値観として「“なぜ誰も思いつかなかったのか”をカタチに」を掲げ、ユーザーや社会の新しい課題と真剣に向き合う社員の情熱を表現しております。

② 経営方針

上記の理念に基づき、次に掲げる経営方針をもとに事業展開を行います。

一、位置情報その他各種機器から収集・分析されるデータと関連づけた各種情報システムの分野において最先端の技術と信頼性のある製品、サービスを提供します。

一、技術力・販売力を有する企業との提携、共同展開により新事業の開拓を積極的に進めます。

一、規模の拡大よりも経営資本を有効に活用した効率の高い経営を追求します。

一、法令を遵守し、公正かつ透明性の高い企業経営に努めます。

③ ビジョン

当社は、上記の使命の遂行を通じて目指す姿(ビジョン)として“エッセンシャル カンパニー”を宣言しております。未来の人々が安心して暮らせる社会の実現に向け、新世代のクラウドアプリケーションを多角的に提供することで、時代を変える新しい価値を創造し、“社会に必要不可欠な存在”となる決意を込めております。

 

(2) 目標とする経営指標

新たな成長軌道に繋げる創造的進化のスタートの3年間と位置づけた、2023年5月期を初年度とする中期経営計画に基づき、以下の数値目標を掲げるとともに、新サービスまたはM&A等による更なる成長を目指しております。

 

2022年5月期

(実績)

2023年5月期

(実績)

2024年5月期

(実績)

2025年5月期

(計画)

 

売上高

百万円

1,222

百万円

1,368

百万円

1,500

百万円

1,580

営業利益

400

443

533

560

ROE(自己資本当期純利益率)

14.1

14.7

16.5

10以上

 

なお、2024年5月期において主に SI 事業に関する初期開発およびクラウドサービスに関する初期構築、ならびにクラウドサービスに関する利用料が当初の想定を上回り、売上高・営業利益ともに初年度の目標(更新後の目標を含む)を達成したことを受け、2025年5月期の売上高および営業利益の目標値を更新いたしました。

2025年5月期におきましては、当初中期経営計画数値より一定の業績向上を見込むものの、エッジ AI技術、特許を活用したサービスの開発、マーケティング活動、人材採用活動に重点を置き、次回中期経営計画(2026年5月期~2028年5月期)に向けた準備期間としての位置付けとしております。

 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社の属する情報サービス産業界においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の需要が拡大するとともに、テレワークといった働き方の変化に伴うオンラインのコミュニケーションツールの活用が浸透しております。また、当社の主な事業分野である官公庁向けシステムは、従来のオンプレミス環境からクラウド環境への移行が加速するなか、特に防災・防犯に係る行政の高度化の要請は高く、重点施策として予算が確保されております。

当社は、このようなシステムの利用構造や市場環境の変化を捉え、これまでの地理情報システム(GIS事業)で培った独自技術・ノウハウや知見を最大限に活用しつつ、中核となる領域を、地理情報に関連づけた各種クラウドサービス(SaaS)にシフトし、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全の分野を中心に、サービス利用料や保守料等のストック型収入を増やすという事業構造改革に取り組んでまいりました。

その結果、収益の増大・季節変動の軽減や収益基盤の安定化が一定程度進んだことから、更なる企業価値の向上と持続的な成長の実現を目指し、2022年7月、新たに中期経営計画をスタートしました。当該中期経営計画では、既存事業の安定的な拡大を図りつつ新たな成長軌道に繋げることを基本方針とし、事業を通じて持続的な社会の実現に貢献することを意識した施策を示しており、最重点施策である「Gov-tech市場の深耕」を推進する一方で、ストレッチ目標の達成に向けて「社会課題解決サービスの創出」や「M&A・事業提携によるシナジー創出」に取り組むとともに、これらの達成を支える人材基盤の強化に注力しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

中期経営計画の実現に向けた主な重点施策は以下のとおりであります。

① Gov-tech市場の深耕

主力の「NET119緊急通報システム」は、全国普及に向けた残りの地域への導入を引き続き推進し、今後数年間の成長を牽引するサービスと位置付ける「Live119(映像通報システム)」は、2025年5月期に200か所の消防本部を目標として導入を進めるとともに、映像通報の技術を応用した「Live-X(映像通話システム)」や災害対策本部での情報収集を支援する「DMaCS(災害情報共有サービス)」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリ等は、防災やライフラインの安定供給といった分野の課題の解決に有用なサービスとして案件開拓に引き続き注力いたします。

② 社会課題解決サービスの創出・課題解決へのシナジー創出

当社が、既存事業の安定的成長を継続しつつ、公共システム分野における市場創出の流れを受けて新たな成長軌道の第一歩を踏み出すため、当社のクラウドソリューションに次世代のテクノロジーを融合させる試み(たとえば、映像機器から得られる情報にエッジAI技術を活用した社会課題解決サービスの創出に向けた研究や実証実験)を通じて新規事業を開拓することや、AI領域の知見を有する企業等を対象としたM&Aや事業提携を通じて社会課題解決に向けたグループシナジーを実現していくことに注力いたします。

あわせて、これらの施策を実現していくための共通の課題が人材基盤の強化であります。IT人材の獲得競争は激化する一方であり、採用数は足踏み傾向となっておりますが、社員が性別を問わず働き甲斐や仕事の創造性を実感し会社とともに成長し合うことができる職場環境や社内制度(教育・処遇等)を充実させることで、高度専門職の人員確保を進めて参ります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております当社のコーポレート・ガバナンス体制の枠組みのなかで取締役会が中心となり、サステナビリティ関連のリスク・機会の監視及び管理並びに当該リスク・機会の識別・評価に基づく課題への対処に取り組んでおります。

 

(2)人的資本にかかる戦略・指標及び目標

社員が性別を問わず働き甲斐や仕事の創造性を実感し会社とともに成長し合うことができる職場環境や社内制度(教育・処遇等)を充実させることで、高度専門職の人員確保を進め、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針」に記載しております当社の企業理念やビジョンを実践するための重要ポジションの充足・組織強化を図っております。また、このような考え方とあわせ、後述のように当社の事業活動そのものがサステナビリティに対するポジティブなインパクトにつながることへの社員の共感を高め、組織文化として浸透させていくためのフラットなコミュニケーションを推進しております。

当該戦略に対する指標及び実績は次のとおりでありますが、今後は各指標にかかる目標の設定を検討してまいります(このうち「従業員に占める女性の割合」については、2022年度中期経営計画において2025年5月期の目標値として33%を掲げております)。

指標

実績(当事業年度)

従業員に占める女性の割合

31.7(2024年5月31日現在)

従業員の一月あたりの平均残業時間

18.2時間

年次有給休暇取得率

70.2

従業員の育児休業取得率

(うち、男性による取得率)

0

(0%)

 

 

(3)その他

当社においては、課題解決型企業としての事業活動そのものが、サステナビリティを巡る課題のいくつかに対し、ポジティブインパクトにつながるものと認識しており、特に、Gov-tech・防災-tech分野の新サービスの提供を通じ「災害リスク低減・交通事故削減」に貢献できるものと考えております。一方で、関連サービスの提供におけるリスクとしては、「サービス利用者のプライバシーの保護体制」「自然災害等への危機管理(サービスの継続性の堅持)」「取引先との公正・適正な取引(独禁法遵守等)」等への対応を継続してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても投資家の投資判断上、重要なものであると考えられる事項につきましては、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 官公庁等に係る市場動向及びその依存度について

当社のクラウドサービス及びシステム開発の主要顧客は、地方自治体等の官公庁であり、民間は電力会社等のインフラ系事業者等に限られていることから、公共市場への依存度が高い状況となっております。

民間市場の開拓にも努めておりますが、当面は官公庁市場への高い依存度が継続するものと想定されます。そのため、地方自治体の財政状態が新型コロナウイルス感染症対策等により急激に悪化し予算が減額されたり、政府の重点施策の変更により予算配分が変更された場合等は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 特定の製品やサービスへの依存度が高いことについて

地理情報システム構築用ソフトウエア(「GeoBase」及び「GeoBase.NET」)のライセンス販売が当事業年度の売上高に占める割合は5%程度まで低下しておりますが、利益面におけるライセンス販売への依存度は未だ高い状態にあります。したがって、当社ライセンスの主要顧客が競合製品に切り換えたり、設備投資の大幅な減額等により受注が急激に減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当事業年度において売上高の50.7%を占めるクラウド利用料のうち、当社の主力サービスである「NET119緊急通報システム」の利用料の割合が大きい状態にあります。当社は、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全等の業務に係る各種クラウドサービスの開発を進めておりますが、当面は特定のサービスへの依存度が高い状態が続くものと思われます。したがって、他社の同様のシステムに切り換えられたり、緊急時における聴覚障害者支援において他の方式のシステムが採用されることとなった場合には、契約数が減少し当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品の不具合の発生による影響について

当社は、ISO9001に基づく品質管理基準に従って製品開発や受託開発を行っており、不具合等の発生防止に最大限の注意を払っております。

しかしながら、当社製品の不具合により顧客が損害を被った場合、損害賠償請求を受けたり、当社に対する信頼の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) システム障害について

当社のクラウドサービスは、通信ネットワークを通じてサービスを提供しておりますが、災害や事故により通信ネットワークが切断された場合、サーバー機能が停止した場合、コンピュータウイルスによる被害にあった場合、ソフトウエアに不具合が生じた場合等によりサービスが提供できなくなる可能性があります。

当社は、サーバーを冗長化したり、地理的に複数箇所に分散して配置する等の対策を行っておりますが、これらの障害が発生した場合には、回復のためのコスト負担や当社に対する信頼の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 受託開発業務に係る仕様拡大の影響について

当社の受託開発については、業務仕様に関し、事後的に発注元との認識の違い等が発生する可能性があります。当社は、受注までに発注元と入念に仕様等について打ち合わせを行い、認識の齟齬が発生しないように努めておりますが、万一、齟齬が発生した場合は、発注元との協議の結果、納入後に当社の責任において再開発や補修するための費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 競合他社による影響について

当社のクラウドサービスは、防災・防犯関連にターゲットを絞り、先行者メリットを活かしつつ顧客ニーズに合ったサービスを開発することにより優位性を高めております。

また、特許の取得にも積極的に取り組んでいるものの、新規参入の障壁は必ずしも高いものとはいえず、類似したサービスが開発され、価格競争が激化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 小規模組織における管理体制について

当社は、当事業年度末現在、取締役(監査等委員を含む。)6名及び従業員63名と組織としての規模は小さく、内部管理体制もこのような組織の規模に応じたものとなっております。

また、小規模な組織であることから、業務遂行を特定の個人に依存している場合があります。今後、さらなる権限委譲や業務の定型化、代替人員の確保・育成等を進める予定でありますが、特定の役職員の社外流出等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 人材の確保について

デジタル化推進の流れを受け、現在、情報サービス業界においてはIT人材の確保が厳しい状況であります。当社は、採用市場や求職者の動向の変化に対応し、オンラインでのインターンシップや会社説明会、直接求職者にアプローチするダイレクトリクルーティング等の多様な募集方法を活用することにより、新卒及び中途採用の応募者の裾野を広げ、優秀な人材の獲得に努めております。

しかしながら、当社が必要な人材の獲得ができなかった場合や優秀な従業員の退職が発生した場合には、製品・サービスの開発や受託開発に遅れが生じることによる売上の未達、人員の採用や教育等に伴う経費の増加等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 知的財産権について

当社は、当社製品の名称について商標登録を行っているほか、独自に開発したシステムについても特許の登録を行っております。

また、当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、調査を行っておりますが、万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より使用差止及び損害賠償請求等を提起される可能性並びに当該特許使用にかかる対価等の支払い等が発生する可能性があります。このような場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 個人情報等の取り扱いについて

当社が保有する利用者等の個人情報、特定個人情報及び顧客企業に関する情報の取り扱いについては、2006年12月にプライバシーマーク(Pマーク)を取得、2013年10月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC27001)を取得し、厳重に社内管理並びに委託先管理を行っております。
 しかしながら、不正アクセス者等からの侵入や委託先管理不備により、個人情報等が外部に漏洩し、不正使用される可能性が完全に排除されているとはいえません。また、不正使用等に備え、当社は個人情報漏洩に対応する保険に加入しておりますが、全ての損失が完全に補てんされるとは限りません。
 したがって、このような事態が起こった場合には、当社への損害賠償請求や信用の失墜により、当社の経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善するもとで、景気は緩やかに回復しております。しかしながら、全般的な物価上昇の長期化に加え、地政学的リスクの長期化及び欧米各国での政策金利の引き上げに伴う大幅な為替変動等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
 当社の属する情報サービス産業界においては、生成AI等の大規模言語モデルの登場により新たな産業変革の兆しがみられるなか、当社の事業領域である公共システムの分野、とりわけ防災や市民の安全にかかわる社会課題を解決するテクノロジーの分野においても、革新的技術を活用した官民の共創の取り組みが推進され、新たな市場形成の動きが広がっております。 

このような環境において、当社は、2022年度中期経営計画の最重点施策である「Gov-tech(注1)市場の深耕」を推進する一方で、ストレッチ目標の達成に向けて「社会課題解決サービスの創出」や「M&A・事業提携によるシナジー創出」に取り組むとともに、これらの達成を支える人材基盤の強化に注力しております。

当事業年度においては、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全の課題解決を実現するシステムの導入拡大が進みました。なかでも、主力の「NET119緊急通報システム」は引き続き、導入消防の管轄人口カバー率(導入消防の管轄人口の合計が日本の総人口に占める割合)が7割を超えて推移し、「Live119(映像通報システム)」についても同カバー率が3割を超え順調に導入拡大が進んでおり、映像通報の技術を応用した「Live-X(映像通話システム)」についても民間企業の多様な業種に導入が拡大しております。また、痴漢の逮捕の報道を通じて「防犯アプリ」の認知度が高まり、各都道府県警察への導入拡大が進んだほか、自治体が防災情報を配信する「防災アプリ」、災害対策本部での情報収集を支援する「DMaCS(災害情報共有サービス)」、地方自治体の業務等に関連する適時の情報伝達を支援する「Mailio(メッセージ配信サービス)」等、各種システムの積極的な提案に注力いたしました。

以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、ストック型収入であるクラウド利用料において順調に契約数が積み上がり、クラウドサービスの初期構築やオンプレミス(注2)環境でのシステム開発等に係る受託開発も順調に推移したことにより、1,500,658千円(前事業年度比9.7%増)となりました。

利益面では、売上高の増加が人件費等の売上原価・販売費及び一般管理費の増加を上回ったことにより、営業利益533,114千円(前事業年度比20.3%増)、経常利益547,184千円(前事業年度比21.3%増)、当期純利益388,116千円(前事業年度比20.9%増)となりました。

(注1) Gov-tech(ガブテック):既存の産業とテクノロジーを組み合わせることでイノベーションを起こす動きをさすxTech

  (クロステック)のひとつであり、政府(Government)が積極的に新しい技術(Technology)をとりいれ、公的サービスを

   テクノロジーの力でより良いものにする取り組み

(注2) オンプレミス:情報システムの利用に必要となるサーバー等の機器をユーザーの管理下に設置する運用形態

 

なお、当社は情報サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、品目別の売上構成比は、クラウド利用料が50.7%(前事業年度は52.2%)、受託開発が42.5%(前事業年度は41.3%)、ライセンス販売が5.2%(前事業年度は5.0%)、商品売上が1.6%(前事業年度は1.5%)となっており、品目別の実績は次のとおりであります。

 

(クラウド利用料)

「NET119緊急通報システム」・「Live119(映像通報システム)」・「Live-X(映像通話システム)」・「DMaCS(災害情報共有サービス)」のほか、行政・警察向けスマートフォンアプリ等の顧客獲得が順調に進み、既存契約の継続に加えて、新規顧客の獲得により契約数が積み上がったため、760,316千円(前事業年度比6.5%増)となりました。

(受託開発)

地理情報関連システムの受託開発の売上及びクラウドサービスの初期構築や機能追加に係る売上がともに増加したため、売上高は638,274千円(前事業年度比12.9%増)となりました。

(ライセンス販売)

既存顧客から防災関連等のシステム用のライセンスの受注が継続するとともに、消防防災を中心に新規受注が増加した結果、売上高は77,370千円(前事業年度比13.1%増)となりました。

(商品売上)

受託開発に伴うデジタル地図等の納品を行うとともに、新規自治体案件の販売があったため、24,697千円(前事業年度比18.3%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末の総資産は2,815,510千円となり、前事業年度末と比較して319,947千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が135,973千円、売掛金が19,390千円、仕掛品が30,454千円、有形固定資産合計が13,038千円、投資有価証券が96,379千円、それぞれ増加したことによるものであります。

(負債)

当事業年度末の負債は334,944千円となり、前事業年度末と比較して65,628千円増加いたしました。これは主に、買掛金が25,556千円、未払金が17,159千円、未払法人税等が24,810千円それぞれ増加した一方で、長期前受収益が25,355千円減少したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末の純資産は2,480,566千円となり、前事業年度末と比較して254,319千円増加いたしました。これは主に、譲渡制限付株式の付与等により資本剰余金が8,049千円、当期純利益の計上により利益剰余金が388,116千円それぞれ増加した一方で、配当金の支払いにより利益剰余金が49,779千円減少し、自己株式の取得等により自己株式が89,478千円増加したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、投資活動によるキャッシュ・フローが129,512千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが149,177千円の支出となったものの、営業活動によるキャッシュ・フローが414,663千円の獲得となったため、前事業年度に比べ135,973千円増加し、当事業年度末には928,985千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、414,663千円(前事業年度比48,969千円増)となりました。これは主に、税引前当期純利益が547,184千円、仕入債務の増加額が25,556千円あった一方で、棚卸資産の増加額が31,684千円、法人税等の支払額が135,825千円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果支出した資金は、129,512千円(前事業年度比70,680千円増)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入が10,904千円あった一方で、投資有価証券の取得による支出が100,000千円、敷金及び保証金の差入による支出が29,752千円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果支出した資金は、149,177千円(前事業年度比95,319千円減)となりました。これは、自己株式の取得による支出が99,617千円、配当金の支払による支出が49,559千円あったことによるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

当社は、情報サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。

 

(生産実績)

当事業年度の生産実績は次のとおりであります。

 

品目

当事業年度

(自 2023年6月1日

至 2024年5月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

受託開発

709,254

129.3

合計

709,254

129.3

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

(受注状況)

当事業年度の受注状況は次のとおりであります。

 

品目

当事業年度

(自 2023年6月1日

至 2024年5月31日)

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

受託開発

644,411

106.2

239,995

102.6

合計

644,411

106.2

239,995

102.6

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

(販売実績)

当事業年度の販売実績を品目別に示すと次のとおりであります。

 

品目

当事業年度

(自 2023年6月1日

至 2024年5月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

クラウド利用料

760,316

106.5

受託開発

638,274

112.9

ライセンス販売

77,370

113.1

商品売上

24,697

118.3

合計

1,500,658

109.7

 

(注) 前事業年度及び当事業年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。当社経営陣は、財務諸表の作成に際して、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績の分析
(売上高)

当事業年度の売上高につきましては、ストック型収入であるクラウド利用料において順調に契約数が積み上がり、クラウドサービスの初期構築やオンプレミス環境でのシステム開発等に係る受託開発も順調に推移したことにより、1,500,658千円(前事業年度比9.7%増)となりました。

各品目の実績は次のとおりであります。

a.クラウド利用料

「NET119緊急通報システム」・「Live119(映像通報システム)」・「Live-X(映像通話システム)」・「DMaCS(災害情報共有サービス)」のほか、行政・警察向けスマートフォンアプリ等の顧客獲得が順調に進み、既存契約の継続に加えて、新規顧客の獲得により契約数が積み上がったため、760,316千円(前事業年度比6.5%増)となりました。

b.受託開発

地理情報関連システムの受託開発の売上及びクラウドサービスの初期構築や機能追加に係る売上がともに増加したため、売上高は638,274千円(前事業年度比12.9%増)となりました。

c.ライセンス販売

既存顧客から継続して防災関連等のシステム用のライセンスの受注が継続するとともに、消防防災を中心に新規受注が増加した結果、売上高は77,370千円(前事業年度比13.1%増)となりました。

d.商品売上

受託開発に伴うデジタル地図等の納品を行うとともに、新規自治体案件の販売があったため、24,697千円(前事業年度比18.3%増)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価は、地図等の仕入や外注費、人件費等の増加により、482,975千円(前事業年度比3,221千円増)となりました。

売上総利益は、売上高の増加分が売上原価の増加分を上回ったことに伴い、売上高総利益率が2.9ポイント増加し、1,017,683千円(前事業年度比129,047千円増)となりました。

販売費及び一般管理費は、主に人件費や研究開発費等の増加、「令和6年能登半島地震」への義援金として1,000万円の寄付による増加により、484,568千円(前事業年度比39,190千円増)となりました。 

(営業利益)

営業利益は、売上高の増加が人件費等の売上原価・販売費及び一般管理費の増加を上回ったことに伴い、営業利益率が3.1ポイント増加し、533,114千円(前事業年度比89,856千円増)となりました。 

(営業外収益)

営業外収益は、有価証券利息、助成金収入及び移転補償金等により15,769千円(前事業年度比7,978千円増)となりました。 

(経常利益)

経常利益は547,184千円(前事業年度比96,135千円増)となりました。

 

(当期純利益)

当期純利益は、388,116千円(前事業年度比67,057千円増)となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向による影響等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しており、これらのリスクの発生を抑え、影響を最小限に抑えるよう適切に対応する所存であります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(流動性と資金の源泉)

当社の所要資金は、主にソフトウエアの製造・販売を行うための投資及び経常の運転資金であり、これらについてはすべて自己資金により対応しております。

当社の当事業年度末の自己資本比率は88.1%であり、充分な流動性を確保しております。翌事業年度においては、特記すべき設備投資計画は無く、経常の運転資金及び株式会社tiwakiとの資本業務提携に伴う株式等の取得費用については自己資金で賄う予定であります。

(財政状態の分析)

当事業年度における財政状態の状況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。 

(キャッシュ・フローの分析)

資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としております。

なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 

 

⑤ 経営者の経営状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。

当社が属する情報サービス産業においては、デジタル庁創設が後押しとなり、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む自治体や企業が増加し、需要が拡大するものと思われます。また、技術面では、AI、5G等の技術革新により既存の事業環境が激変する可能性があり、ビジネスチャンスが生じる一方で、収益構造の変化や顧客要望の多様化・高度化への対応が求められております。また、デジタル化推進の高まりを受け、IT技術者は慢性的に不足しており、人材の確保と育成が課題となっております。

このような環境下において、当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載した各課題への対応を実施することにより、さらなる売上の増大と収益力の向上を目指します。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当事業年度は、地方自治体の業務に対応したクラウドサービスのシステムの開発を行いました。

当事業年度における研究開発費は、5,905千円であります。