第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年5月31日現在)において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、くらしに寄り添う技術とアイデアで人と社会にやさしい空間を世界中へ提供することを使命とし、常に技術力の向上を図り、徹底した品質管理のもと、より良い製品づくりを追求しております。その時代によって求められる「快適さ」や「くらし」の姿は変わりますが、それらを追求し、これからの100年も人と社会にやさしい空間を世界中へ提供し、よろこび広がる未来のくらしをつくる存在となるため、独自の挑戦を続けてまいります。

 

(SUMINOE GROUP グループ理念)

 


 

(中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」)

当社は、2021年7月、これまで当社グループが取り組んできたESG経営のもと、社会のニーズに応える商材の拡販とグローバル経営を推進し、グループ社員全員の力を合わせてこの先の未来も成長していくために、中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」を策定いたしました。

 


(中長期経営目標後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」)

2022年5月期から2024年5月期を対象とした前半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024 STEPⅠ」では、未来を見据えた着実な種まきを進め、2025年5月期から2027年5月期を対象とする後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」は、実力の底上げを確実に進める期間として位置づけております。

 


 

    (中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」の定量目標)

 (単位:百万円)

 

2024年5月

 

 

2025年5月

2026年5月

2027年5月

STEPⅠとSTEPⅡ

最終年の比較

実績

計画

計画

計画

(率)

(額)

売上高

103,478

105,300

106,000

109,000

+5.3%

+5,521

営業利益

営業利益率

3,300

3.2%

3,300

3.1%

4,200

4.0%

5,000

4.6%

+51.5%

+1,699

経常利益

3,668

3,400

4,200

5,000

+36.3%

+1,331

親会社株主に帰属する当期純利益

874

1,500

2,100

2,600

+197.3%

+1,725

 

 

為替レート

1ドル(円)

145.31

 

144.00

131.00

125.00

 

 

      (中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」のセグメント別内訳)

     (単位:百万円)

 

2024年

5月

 

2025年

5月

2026年

5月

2027年

5月

STEPⅠとSTEPⅡ

最終年の比較

実績

計画

計画

計画

(率)

(額)

インテリア

事業

売上高

37,142

38,040

38,790

40,030

+7.8%

+2,887

セグメント利益

946

1,000

1,130

1,360

+43.7%

+413

自動車・車両内装事業

売上高

62,800

64,180

63,620

65,080

+3.6%

+2,279

セグメント利益

4,427

4,610

5,130

5,540

+25.1%

+1,112

機能資材

事業

売上高

3,127

2,650

3,090

3,390

+8.4%

+262

セグメント利益

△66

△180

90

170

+236

その他

売上高

407

430

500

500

+22.7%

+92

セグメント利益

76

   90

130

170

+123.3%

+93

調整額

セグメント利益

△2,083

△2,220

△2,280

△2,240

△156

合計

売上高

103,478

105,300

106,000

109,000

+5.3%

+5,521

営業利益

3,300

3,300

4,200

5,000

+51.5%

+1,699

 

 

 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 

 ①「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」における取り組み

 VISION[わたしたちの目指す未来]である「時代や地球と調和する『新しい快適のスタンダード』を織りあげよろこび広がる未来のくらしをつくる。」を実現するため、これまで培ってきたコア技術をベースに、そして空間の理想像を柔軟に描く創造力で、社会を変える新たな価値を創造していきます。

「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」では、以下五つの重点テーマを追求するとともに実力の底上げを確実に進めていくことで、2027年5月期までに目標の収益率である営業利益率5%、資本コストを上回るROE8%、PBR1.0倍を目指してまいります。

 

・収益性の向上

・グローバル展開のさらなる強化

・非繊維領域の強化

・経営基盤の強化

・ブランディング

 


 

 

各事業セグメントの取り組みは、以下のとおりです。

 

(インテリア事業)

 業界の先駆者としての誇りを胸に、既存事業の収益力強化と新たな価値創造に取り組む方針のもと、以下施策に取り組みます。

・新たな需要の掘り起こしと他社との差別化

・中高級ゾーンへの積極的な市場展開

・市場変化に対応した物流効率化による販売強化

・スペース デザイン ビジネスとのシナジー創出

 

(自動車・車両内装事業)

 自動車内装事業では、グローバル戦略をアップデートすることで収益力向上の道筋をつけるとともに、北中米拠点における本格成長に向けた投資を進め、海外市場でのプレゼンスを高める方針のもと、以下施策に取り組みます。

・合成皮革の提案体制の整備とさらなる受注拡大

・シートの加飾材などオンリーワン製品の新規受注と拡販

・技術プレゼンとデザインプレゼンによる新規顧客の発掘

 

 車両内装事業では、一世紀以上にわたりトップシェアを誇るマーケットリーダーとして、伝統的な日本の文化や技術を守るとともに、技術革新にも取り組む方針のもと、以下施策に取り組みます。

・効率的かつ安定的な生産体制の確保

・技術とノウハウの安全かつ適切な管理体制の構築

・他事業との連携による新市場の創出

 

(機能資材事業)

 全社に展開する技術の源泉として、スマートテキスタイルなど新機能開発に取り組み、新たな成長事業の醸成を図る方針のもと、以下施策に取り組みます。

・社会課題や市場ニーズに即した製品開発の推進

・スマートテキスタイルなど次世代に向けた新領域への開発強化

・他事業との連携によるベトナム拠点の運営の最適化

・独自の素材や加工技術を応用した用途開発と他分野への進出

 

②情報セキュリティインシデント

 当社グループの米国及びメキシコの各子会社において、サイバー攻撃の被害(以下、「本件被害」)に遭ったことが判明しております。当社グループはこれまでも情報セキュリティ対策に取り組んできましたが、当社グループの機密情報、顧客及び従業員の情報をより一層保護するために、外部の専門機関の助言のもと、さらなるセキュリティ強化策を推進してまいります。本件被害に関しまして、当社グループは引き続き、事件の解決に向けて子会社所在国の関係当局と緊密な連携を取りながら、早期解決に向けて、最善を尽くしてまいります。

 

 

 (3) 資本政策の基本的な方針

 (基本的な考え方) 

  当社グループは、持続的な成長と中長期的に市場の期待を上回る企業価値の実現に向けて、「収益率の向上」  「資産の有効活用」「財務レバレッジの利用」の三つのバランスを取りながら、ROEの向上に取り組みます。

  当社グループの株主資本コストは、CAPM(資本資産価格モデル)で算出して5~7%と分析しております。それに対し2024年5月期実績のROEは2.9%、PBRは0.5倍であり、2027年5月期に向けた主な経営指標(KPI)として、ROE、PBR、ROIC、WACCを設定し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた企業価値向上のための取り組みを積極的に進めていきます。

 

    (2027年5月期に向けた主な経営指標(KPI))

ROE

8%

PBR

1.0倍

ROIC

8%

WACC

4%

 

 

 (株主還元方針)

 株主の皆さまへの利益還元を重要な経営課題と考えており、安定した株主還元と継続的な還元拡充の二つを方針として掲げております。2025年5月期から配当性向を38%とし、2027年5月期には営業利益計画50億円の達成により年間配当金140円を目指しております。また、急激な経営環境の悪化により著しく業績が低迷するような場合を除き、年間配当金70円を下限といたします。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年5月31日現在)において当社グループが判断したものであります。

 

(サステナビリティ基本方針)

 当社グループは、経営理念に基づいた「企業行動規範」「企業行動基準」を遵守し、健全で透明性の高い経営と社会・環境に調和した事業活動を通じて、継続的に成長することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(サステナビリティ基本方針と関連方針に関する基本的な考え方)

 当社グループは、ESG経営を推進するなかで、中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」に取り組んでおります。なかでも、CSRやサステナビリティ領域においては、国際規格・国際基準から注力すべきサステナビリティ課題を特定し、事業活動を通じた課題解決に取り組むことが重要であると考えております。この考えのもと、当社グループが持続可能な成長をしていくための指針として、サステナビリティ基本方針と関連方針を定めております。

 

サステナビリティ基本方針と関連方針の体系

 サステナビリティ基本方針

 

                    |

 サステナビリティ関連方針

E(環境)

〇第二次環境対策宣言

S(社会)

〇人権方針

〇健康経営宣言

〇安全衛生方針

〇ワーク・ライフ・バランス基本方針

〇人材育成基本方針

〇サステナブル調達基本方針(注)

〇ダイバーシティ&

  インクルージョン基本方針

〇製品の安全・品質に関する基本方針(注)

 

(注)2024年6月策定

 

(1)ガバナンス

 サステナビリティ全般に関して

 当社グループは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制のもと企業活動を行っております。サステナビリティに係る諸事項の決定は、各本部・部門の推進委員で構成されるCSR推進委員会にて審議を行い、CSR・内部統制審議会(経営会議)に報告、その後、取締役会にて監査役会による監査・監督のもと、承認を得る体制を取っております。なお、サステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任は代表取締役社長が有しております。

サステナビリティに係る当社グループの協議内容としては、以下のような内容の協議を行ってまいりました。

 ①SUMINOE GROUPグループ理念の浸透について

 ②マテリアリティ特定について

 ③サステナブル調達について

 ④ハラスメント等通報・相談対応実績について

 

 ガバナンス体制については、後述の「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制」をご参照ください。

 

(2)リスク管理

当社グループ及びステークホルダーにとっての財務的影響、並びに環境・社会に与える影響の大きさの程度、発生の可能性をもとに、CSR推進委員会配下の各部会でリスク及び機会を識別・評価し、リスクの最小化と機会の活用に向けた各種方針・戦略について審議・決定し、取り組みのモニタリングを行っております。CSR推進委員会での審議・決定事項は、CSR・内部統制審議会に報告し、承認を得る体制を取っております。取締役会は、サステナビリティ課題の報告を受け、監督を行います。

 

 以下、(3)戦略と(4)指標と目標につきましては、(3-①、4-①)気候変動への対応に関して、(3-②、4- ②)人材育成及び社内環境整備等に関してに記載しております。

 

(3-①)気候変動への対応に関する戦略

(気候変動問題に関わる当社グループ方針)

 当社グループは、気候変動問題を重要な経営課題の一つに位置付けており、1988年に「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」を発表して以降、室内環境改善やリサイクル材の活用、環境負荷の低減など、環境保全に積極的に取り組んでまいりました。2022年4月に策定した第二次環境対策宣言においては、グローバル戦略を推進し、当社の製品が多くの人々に使用していただくこと、KKR+Aを世界各地に広げていくことを目指し、その実現に向けて当社グループ一丸となってチャレンジしてまいります。

 

 (気候変動問題への取り組み)

 2022年7月、気候変動問題に関わる対応を一層推進していくために、TCFD提言への賛同を表明いたしました。TCFD提言が推奨する開示項目に沿って適切に情報を開示してまいります。

 取り組みとしては、中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」に合わせ、環境問題全般に関わる行動目標「エコチャレンジ2024」(2021~2023年度)を設定し、事業活動における環境負荷低減に取り組んでおります。

 また、2022年4月には、「住江織物グループの温室効果ガス排出量削減目標」を策定し、温室効果ガス(CO2)排出量の長期的な削減目標を設定いたしました。

 物流改善、生産拠点の一元化、エネルギー効率向上と使用燃料の変更ほか、事業活動によるCO2排出量削減に対する具体的な取り組みを実施するとともに、環境対応型商材の拡販の両軸で、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

 

 

(4-①)気候変動への対応に関する指標及び目標

「エコチャレンジ2024」

2021~2023年度の3ヵ年を行動期間とし、事業活動によるCO2排出量(Scope1,2)を2020年度比3%削減(売上高原単位)

 

CO2排出量削減の目標及び実績

 

目標

実績(当連結会計年度)

CO2排出量削減(Scope1,2)

(売上高原単位、2020年度比)

3.0%

38.4%

 

 

「住江織物グループの温室効果ガス排出量削減目標」

2030年度(2031年5月期) までに、事業活動によるCO2排出量(Scope1,2)を2013年度比35%削減(売上高原単位)

 


 

Scope3の温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みについては、2023年度より第一段階として、国内主要六事業会社の算出をスタートしております。まずは現状を把握し、具体的施策を検討してまいります。また、2024年度からは、国内主要二事業会社を加え、当社グループの現状を把握し、のちに具体的施策を検討してまいります。

 

3-②)人材育成及び社内環境整備等に関する戦略

当社グループは、中長期的な「ありたい姿」を見据えて中長期経営目標に取り組んでおります。

 非財務目標として「社員の幸せにつながる職場づくり」を目標に掲げ、「健康に働ける職場づくり・人材育成・多様な人材の活用」を優先的な課題と考えており、これらを解決すべく諸施策を実行してまいります。

 また、従業員が最高のパフォーマンスを発揮し成果を出し続けるには、従業員のウェルビーイング(精神的・身体的・社会的に満たされている状態を指す)が欠かせません。そのため、従業員のウェルビーイングを阻む要因を特定し、改善に向けて取り組むことは必要不可欠であり、人的資本の活用の観点からも重要施策となり取り組んでまいります。

 

(a) 人材育成について

(人材育成基本方針)

当社グループは、企業の持続的成長の源泉は人材であり、最も大切な資産と考えております。従業員一人ひとりの人格や個性を尊重し、専門性と創造性に富む個性豊かな人材を育成してまいります。

 

当社グループは、SUMINOE GROUP全社員の成長を促進するため、グループ全体で教育研修を行っております。研修内容も、前事業年度定めた「求める人物像」に基づく内容を見直しながら、階層や役割に応じた研修を行い、またスキルアップ研修では、各テーマを設定して自発的に参加する研修を行っております。また、自己啓発として、約3,000本以上の多種多様な動画を視聴できるe-ラーニングのメニューを新たに設けました。

当社では前事業年度に「キャリア申告制度」を導入しました。従業員が今後のキャリアについて考えることで、主体的に仕事に取り組む自律的な人材を育成すること等を目的としております。

 

 (求める人物像)

 わたしたちが大切にしている価値観(和協・誠実・不屈の精神)を原点に、未来の「SUMINOE」を紡ぎだせる人材

 

自律

自ら考え主体的に行動できる人

挑戦

変わることを恐れず、多様な視点で一歩上を目指せる人

共創

対話を重ね、協働の中で新しい価値を生み出せる人

 

 

(b) 多様性について

(ダイバーシティ&インクルージョン基本方針)

当社グループは、国籍、人種、宗教、性別、年齢、身体的特徴などの属性や個人の価値観といった多様性を受容・尊重することで、能力と意欲ある従業員が活躍できる組織風土を醸成し、新しい価値やイノベーションを創出してまいります。

 

 (女性活躍の推進)

当社グループでは、女性活躍をキャリアアップ(育成、登用)×継続就業(仕事と家庭の両立など)と位置づけ、男女ともに活躍できる環境づくりを進めております。

当事業年度は、社外取締役による「女性活躍についてSUMINOE GROUPの皆に伝えたいこと、期待すること」をテーマに講演会を実施し、自身の経験を踏まえての考えや聴講者からの質疑等も行い、経営層から若手社員まで女性活躍についての意識向上を図りました。

女性活躍への指標及び目標については、グループ会社で課題が異なります。女性活躍推進法に基づき、ルノン㈱、住江テクノ㈱、住江物流㈱、尾張整染㈱の四社において、各社での課題分析のもと、行動計画を策定し、取り組みを進めております。

 

 

(c) 健康経営について

(健康経営宣言)

当社グループは、従業員一人ひとりの心身の健康が企業成長の基盤であると考えております。健康でいきいきと働くことが「社員の幸せ」に、さらには「良い会社」として成長することにもつながります。また、当社グループの開発の基本理念である「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」においても健康を掲げております。健康に関する様々な事業活動と同様に、健康づくりを積極的に推進し健康経営に取り組んでまいります。

 

 (健康経営の取り組み)

 健康に働ける職場作りとして「健康経営」に取り組んでおります。

 当社は健康経営推進体制のもと、健康増進の意識向上等に取り組み、「健康経営優良法人2024」に認定されました。

 


 

 (働き方改革アクションプラン2023)

2023年6月より当社及び全国内グループ会社計17社にてSUMINOE GROUP「働き方改革アクションプラン2023」を策定し実行しました。随時実績と進捗確認を行い、施策の深化と継続を図り推進してまいります。

 

  取り組み内容

1.長時間労働の是正

2.年次有給休暇の取得促進

3.男性の育児休業取得促進

 

(d) ワーク・ライフ・バランスについて

(ワーク・ライフ・バランス基本方針)

当社グループは、仕事と生活の充実は、従業員が意欲的に働き続けるために重要であると考えており、多様なライフイベントに対応した柔軟な働き方への取り組みを行っております。

 

 (男性の育児休業取得促進)

男性の育児休業取得促進として、当社と㈱スミノエでは、2019年より「育児休業期間のうち復職前の3労働日までを出勤したものとみなす」ことを規程化しておりましたが、当社では、2023年6月よりその日数を14日間へ拡大いたしました。女性、男性、上司関係なく、育児休業への理解と今後の備えとして広く周知することで、企業風土が醸成され、取得につながるものと考えております。

 

 (在宅勤務制度)

 多様化する社員の働き方として、当社と㈱スミノエでは、コロナ禍での暫定的な対応であった在宅勤務と時差出勤を制度化いたしました。在宅勤務は育児・介護の事由及びやむを得ない理由のある従業員を、時差出勤は全従業員を対象にしております。

 

(e) コミュニケーションの強化について

中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」(非財務目標)の「社員の幸せにつながる職場環境づくり」「会社と社員のビジョンの共有」の実現を目指す施策の一つに、全方向コミュニケーションを掲げております。

 

  2023年度は、「ツナグ」をキーワードに、以下二つのコミュニケーションの取り組みを行いました。

 

 「ツナグ輪ーケーション」

当社グループならではの製品・サービスを通じ、最終的に社会的価値及び経済的価値を創出するためには、事業部門間やグループ会社間で技術やアイデアを共有・連携することで発揮されるシナジー効果の最大化が不可欠であると考えております。それを達成するためには、従来の「タテ割り組織」から「ヨコのつながり」を意識した組織への移行が重要であると考え、その手段として、「部署間コミュニケーション」の取り組みを推進しております。

当事業年度は、営業職、調達職、技術・開発職及び開発営業職のそれぞれ職種同士の交流会を開催し、合計50名が参加し情報交換等を行いました。

 

 「ツナグ講演会(後援会)」

豊富な経験と実績を持ち合わせた方を社内講師として、事業部門・世代を超えた技術・ノウハウ、マインドなどの継承を行う「ツナグ講演会(後援会)」を開始しました。第1回は、産業資材事業部門前開発センター長より、「仕事(開発)の心得」というテーマで講演を実施し、まだ経験の浅い開発担当にも様々な気づきを得る機会になりました。

 

(f) SUMINOE GROUPグループ理念の浸透に向けて

2023年6月に「SUMINOE GROUP グループ理念」を制定しました。全従業員がグループの提供価値や強みを理解し、「SUMINOE GROUP グループ理念」を自分の中に落とし込み、個々にやるべきことが明確になった上で、グループ理念が浸透するという考えのもと、まずはインナーブランディングとして、グループ理念研修の実施、そののちに部門MISSIONの策定を行いました。

 

(SUMINOE GROUPグループ理念研修の実施)

 2023年10月から2024年2月にかけて、「SUMINOE GROUPグループ理念」の理解と浸透を目的に、国内グループ 会社全従業員を対象とし、各拠点対面で、延べ約1,100名に研修を実施しました。

 

  研修内容

1.社長メッセージ

2.ブランディングを進めた背景

3.SUMINOE GROUPの軌跡

4.SUMINOE GROUPグループ理念の説明

5.今後のインナーブランディングの進め方

 

(部門MISSIONの策定)

 「SUMINOE GROUPグループ理念」の実現のために部門として何ができるのか、その行動づくりにつなげる部門 MISSIONを策定し、2024年6月に社内周知をいたしました。今後は、この部門MISSIONを部署・個人のMISSIONへと落とし込んでまいります。

 

 

(g) 人権尊重への取り組みについて

(人権方針における基本的な考え方)

私たちは、「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、経済協力開発機構(OECD)の「多国籍企業行動指針」をはじめとする国際規範にて表明された人権を尊重いたします。

また、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持し、人権尊重の取り組みを推進いたします。事業活動を行うそれぞれの国・地域における法令と規則を遵守する際、当該法令及び規則が国際規範と矛盾する場合には、国際的に認められた人権を最大限に尊重する方法を追求してまいります。

 

  「SUMINOE GROUP人権方針」の項目

1.基本的な考え方

2.適用範囲

3.人権デュー・ディリジェンス

4.是正・救済

5.ガバナンス体制及び社内体制

6.教育

7.ステークホルダーとの対話

8.情報開示

 

(h) サステナブル調達への取り組みについて

(サステナブル調達基本方針)

  当社グループは、持続可能な社会の実現に向け、調達活動においては品質、価格、納期、サービス、技術開発力のみならず、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)等社会的責任への配慮も含めたサステナブル調達を推進しております。

1.パートナーシップを心がけます

2.公平・公正な取引を行います

3.人権・労働・安全衛生・コンプライアンス

4.環境

 

 責任ある調達活動を通じて、当社グループとサプライヤーの皆さまで持続可能な社会の構築と発展という地球規模の難題に挑戦し、解決に向け貢献することで、共に企業としての価値を向上させていきたいと考えております。この考えのもと、2024年6月に「サステナブル調達基本方針」と「SUMINOE GROUPサステナブル調達ガイドライン」(第一版)を制定いたしました。

 2025年5月期は、「サステナブル調達ガイドライン」の社内説明会、社外発表、仕入先説明会を行い、浸透を図ってまいります。

 

(4-②)人材育成、社内環境整備等に関する指標及び目標

 当社グループでは、上記「(3-②)人材育成及び社内環境整備等に関する戦略」について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

(a) 人材育成について

研修受講者(国内グループ会社)(名)

 

研修体系

前事業年度(2023年5月期)

当事業年度(2024年5月期)

男性

女性

男性

女性

集合研修(階層別、役割別)

213

99

312

240

94

334

通信教育・語学研修

84

46

130

65

57

122

 

  グループ会社各社と連携して人的資本の課題に取り組んでおりますが、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、具体的な数値に関しては、国内グループ会社の数値を記載しております。

 

(b) 多様性について

  女性活躍推進法における一般事業主行動計画に定める数値目標及び実績(2024年5月31日現在)

会社

策定期間

項目

目標値

実績値

 

 

住江織物㈱

 

自 2022年6月1日
至 2024年5月31日

 

女性新卒採用比率

 

35以上

 

46.2

 

男女別育児休業取得率

男性25以上

88.9

 

女性100

100

 

 

㈱スミノエ

 

自 2022年6月1日

至 2024年5月31日

 

 

女性新卒採用比率(%)

40以上

60.0

 

男女別育児休業取得率(%)

男性25以上

66.7

 

女性100

100

 

ルノン㈱

 

自 2022年4月1日

至 2024年3月31日

女性管理職者数の増加(名)

1以上増

0

 

 

月平均残業時間(h)

40以内

9.1

 

住江テクノ㈱

 

自 2022年4月1日

至 2024年3月31日

継続勤務年数の男女差異

2年以内

2年1ヵ月

 

 

住江物流㈱

 

自 2022年4月1日

至 2024年3月31日

女性管理職比率(%)

30以上

33.3

 

尾張整染㈱

 

自 2021年4月1日

至 2026年3月31日

月平均残業時間(h)

20以内

1.4

 

 

 

 

(c) 健康経営について

SUMINOE GROUP「働き方改革アクションプラン2023」における数値目標及び実績(2024年5月31日現在)

指標

目標値

実績値

月次所定労働時間外(残業時間)70h超過者

0

31

年次有給休暇取得率

70

63.6

男性の育児休業取得率

100

68.4

 

 グループ会社各社と連携して人的資本の課題に取り組んでおりますが、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、具体的な数値に関しては、国内グループ会社の数値を記載しております。

 

(5)当事業年度で行った戦略の考え方について

(マテリアリティの特定)

 当社グループは、中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」において、五つのサステナビリティ重要課題を特定いたしました。企業活動において、サステナビリティの重要性が高まる中、「サステナビリティ基本方針・関連方針(2022年制定)」、「SUMINOE GROUP グループ理念(2023年制定)」といった理念・方針のもと、ステークホルダー及び自社の中長期的な価値創造を実現していくため、2024年6月に六つのマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。

 次年度からのサステナビリティ報告の開示項目として、マテリアリティを活用いたします。「指標と目標」は策定中となります。

 

 

 

(SUMINOE GROUPマテリアリティ)


 

3 【事業等のリスク】

当社グループでは、会社が直面する不確実性について、CSR推進委員会コンプライアンス・リスクマネジメント部会が、当社及びグループ会社より提出されたリスク評価シートに基づき、財務諸表の重要な虚偽表示のリスクを中心として把握を進め、そのリスク評価を財務統制委員会にて検討し、経営会議においても認識しております。

各部門の長として業務執行にあたる当社の取締役は、それぞれが自部門に整備するリスクマネジメント体制の下、財務統制委員会の検討結果も踏まえながら、内在するリスクを把握、分析、評価して適切な対策を実施しております。

 

当社グループの事業、財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクについての主な事項は以下のとおりであります。

なお、記載内容について将来に関する事項については当連結会計年度末(2024年5月31日現在)において判断したものであります。

 

(1) 経済情勢に関するリスク

当社グループは、カーペットや壁紙、自動車や鉄道等の内装材、消臭関連商材といった製品を、国内外の各地で生産し、様々な市場で販売しております。このため、当社グループの生産拠点や主要市場において政治的混乱や深刻な景気後退が生じた場合には、消費低迷による在庫の増加、販売数量の減少や固定資産の減損等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 株価の下落に関するリスク

当社グループは、市場性のある株式を相当量保有しており、国内外を含めた情勢の変化等により株価が大幅に下落した場合には、有価証券の評価や売却における損失の発生等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。保有する株式については、定量・定性の両面から保有する合理性を定期的に検証し、保有数を見直しております。

 

(3) 製品の品質に関わるリスク

当社グループは「第二次環境対策宣言~KKR+Aのテーマのもとに~」をキーワードに掲げ、より快適で環境に優しい製品とサービスの提供を行うために、常に徹底した安全性と品質の確認を実施しております。しかしながら、予測できない原因により製品に重大な欠陥や品質トラブルが発生した場合、その欠陥や品質トラブルに起因した損害に対して多大な補償費用や賠償費用等の発生だけではなく、社会的信用や当社グループの事業に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 原材料価格の高騰によるリスク

当社グループは、カーペットや壁紙、自動車や鉄道などの内装材、消臭関連商材といった製品を生産するために様々な取引先から原材料を仕入れており、その原材料価格は常に市況により変動しております。取引先とは、取引基本契約を結び、安定的な取引を前提とし、適正な価格での仕入れに努めておりますが、原材料価格の高騰が原価高につながり、製品価格に転嫁できない、又は転嫁できる時期が遅延した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(5) 海外での事業活動に関わるリスク

当社グループは、海外市場における事業拡大を重要な戦略の一つとしております。現在、米国をはじめ中国、タイ、インドネシア、インド、メキシコ、ベトナムの7ヵ国に関係会社があり、今後、著しく経済成長の見込まれる海外市場には積極的に投資を行い進出していく可能性があります。海外における投資や事業展開は、各国における諸規制のほか、経済的、社会的及び政治的リスク等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

当社グループでは、海外子会社の責任者との情報共有を密にし、現地の経済・社会情勢に関する情報を収集して事業展開への影響を把握しております。

 

(6) 為替変動によるリスク

当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、為替レートの変動の影響を大きく受ける状況にあります。また、当社グループの取引先には外貨による輸出・輸入が含まれております。そのため、為替予約等により為替相場の変動リスクを軽減する措置を講じておりますが、そのリスクをすべて排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 災害及び事故等に係るリスク

当社グループは、国内外に生産拠点を配置しておりますが、大規模な地震、台風、洪水等の自然災害や火災等の突発的な事故の発生により、当社グループの生産設備等が多大な被害を受けた場合は、操業が一時的に中断され、生産及び出荷が遅れる可能性があります。また、災害及び事故等の発生による破損した建物や設備の復旧に多額の費用が発生する恐れがあり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、災害発生時の速やかな情報収集が重要と考えており、災害発生初期段階の行動指針となるBCP行動計画を策定し、緊急時の体制整備に努めております。

 

(8) 貸倒れリスク

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金を計上しておりますが、景気後退等により重要な取引先が破綻した場合や取引先の信用不安によって予期せぬ貸倒れが発生した場合には、貸倒引当金を大幅に超える貸倒損失が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループでは与信管理規定に則った取引先別の与信限度額を設定し、契約履行の過程で常に細心の注意を払い取引を行っております。

 

(9) 情報管理に関するリスク

当社グループは、様々な事業活動を通じ、個人情報をはじめとする多数の重要な機密情報を管理しております。これらの情報については、社内体制の整備や情報システム等に対する徹底した従業員教育により対策を講じておりますが、不測の事態により情報漏えい等が発生した場合、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすだけではなく、損害賠償責任の発生等により経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

当社グループでは、昨今のサイバー攻撃増大の情勢を受け、標的型メール訓練の実施や端末へのハッキング検知防御機能、外部業者による常時監視の導入などの取り組みを行っております。また、外部によるリスクアセスメント結果に基づき、セキュリティ対策の強化とインシデント発生時の対応体制の整備に向けて、全社的な取り組みを進めております。

 

(10) 知的財産に関するリスク

当社グループは、他社製品との差別化を図るために独自の技術とノウハウを蓄積し、常にその保護に努めております。しかしながら情報技術の急激な進展やグローバル化等により、当社グループ独自で開発した技術やノウハウが外部へ流失する可能性や類似製品の製造を完全に防止できない可能性があります。

さらに、当社グループでは、他社の知的財産権を侵害しないよう配慮しながら、製品や技術の開発を行っておりますが、これらの開発成果が他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性もあります。このように、当社グループの知的財産権が侵害され、あるいは当社グループが他社の知的財産権を侵害しているとされた場合には、当社グループで売上減少や損害賠償支払いが生じる等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、グループ内での教育・啓蒙活動を定期的に実施し、当社グループの保護・活用、第三者の知的財産権侵害防止に努めております。

 

(11) 訴訟によるリスク

当社グループは日々、事業活動を展開する中で、法令遵守によるコンプライアンス経営に努めております。知的財産権、製造物責任、環境、労務といった様々な法規制の適用を受けており、それらによる訴訟の対象となる可能性があります。その結果、経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

(12) 新たなウイルス感染症・疫病発生に関するリスク

当社グループは、グローバルに事業を展開しており、新たなウイルス感染症・疫病発生などにより一時的に事業活動を停止又は制限せざるを得ない状況となった場合に、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) その他のリスク

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度末(2024年5月31日現在)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進展したことに加え、雇用・所得環境の緩やかな改善に伴う個人消費の持ち直しやインバウンド需要の増加などにより、景気は底堅く推移しました。一方で、緊迫した世界情勢や、原材料・エネルギー価格の高騰、金融資本市場の変動の影響などに注視が必要な状況が続きました。

当社グループ事業に関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前期比5.7%減、非住宅分野では着工床面積が同10.7%減となりました。また、自動車業界において、国内の日系自動車メーカーの生産台数は前期比3.2%増となりました。海外においても生産台数は増加し、前期を上回りました。

 

このような状況のもと当連結会計年度における連結業績は、以下のとおりとなりました。

 


 売上高は、自動車・車両内装事業において、コロナ禍で落ち込んでいた鉄道・バス向け内装材需要の回復に着実に対応し売上が伸長したことや為替も寄与したことなどから、前期比9.1%増の1,034億78百万円となりました。利益面では、増収に加え、北中米拠点での事業再編が奏功するなどし、営業利益は同154.9%増の33億円、経常利益は同132.9%増の36億68百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として持分法適用関連会社の株式譲渡による関係会社株式売却損失引当金繰入額を計上しましたが、売上・利益ともにそれを上回る増加となり、同172.9%増の8億74百万円となりました。

 

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

セグメント

売上高

セグメント利益又は損失(△)

金額(百万円)

前期比(%)

金額(百万円)

前期比(%)

インテリア事業

37,142

+1.5

946

△3.2

自動車・車両内装事業

62,800

+15.6

4,427

+98.5

機能資材事業

3,127

△11.9

△66

その他

407

+11.5

76

+25.6

小計

103,478

+9.1

5,383

+60.2

調整額

△2,083

合計

103,478

+9.1

3,300

+154.9

 

 

 

 

(インテリア事業)


 業務用カーペットの納入物件数が増加し、「空間」全体をデザインするスペース デザイン ビジネスの売上も寄与したことなどから、売上高は前期比1.5%増の371億42百万円となりました。セグメント利益は、家庭用カーペットの減収や急激な円安による原材料価格高騰の影響を受けたことから、同3.2%減の9億46百万円となりました。

 業務用カーペットでは、㈱スミノエが販売する水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」の環境性能が高く評価されたことにより納入物件数が増加し、ロールカーペットも積み重ねた技術力と信用力によりホテルやハイブランドショップの受注が好調となったことなどから、売上高は前期比2.7%増となりました。
 家庭用カーペットでは、SUMINOEブランドの認知向上を図るため、自社インテリア通販サイト「cucan」を中心とした各種デジタルサイトの有効活用などを推進したものの、外出機会が増加したことによる市場停滞は継続しており、売上高は、同14.9%減となりました。
 カーテンでは、病院をはじめとする納入物件が増加したことなどから、医療・福祉・教育施設向け「コントラクトFace(フェイス)Vol. 20.1」の販売が伸長した一方、その他一般家庭向けカーテンが伸び悩んだことから、売上高は同0.7%減となりました。

 壁装関連では、ルノン㈱が2024年3月に発売した襖紙見本帳「山水 第25集」の堅調な販売に加え、一部商材の原材料価格高騰による適正な価格改定が奏功したことなどから、売上高は同2.2%増となりました。
 スペース デザイン ビジネスでは、ショップ内装やタワーマンションへのオプション販売などの受注物件数が増加し、売上高は同9.4%増となりました。

 

 

 

 

(自動車・車両内装事業)


 国内外における日系自動車メーカーの生産台数増加に伴い自動車関連売上が堅調に推移するとともに、車両関連でもコロナ禍で落ち込んでいた鉄道・バス向け内装材需要の回復へ着実に対応したことから、自動車・車両内装事業全体の売上高は前期比15.6%増の628億円となりました。セグメント利益は、増収に加え、事業再編を進めてまいりました北中米拠点の黒字化などから、同98.5%増の44億27百万円となりました。
 自動車関連では、半導体や部品供給不足の緩和により日系自動車メーカーの生産台数が回復したことなどから、国内の売上高は前期比12.9%増となりました。海外では、北中米拠点において長らく進めてまいりました事業再編が奏功いたしました。中国拠点においては、EV需要の拡大に対する日系自動車メーカーの苦戦が影響したものの、日本での完成車組み立て生産分の売上が伸長いたしました。また、東南アジア拠点においては、自動車販売台数の低調な推移が見られた一方、為替効果に加え、カーマットの販売及び独自商材の細幅織物「GRACE CORD(グレースコード)」など注力している加飾事業の売上が堅調に推移し、海外の売上高は同15.8%増となりました。
 車両関連では、インバウンドを含む人流の活発化を受けた公共交通機関の利用客数増加に伴い、鉄道リニューアル工事の受注が回復したことから、鉄道向けの売上高は前期を上回りました。バス向け内装材においても、先駆けて需要が回復傾向となった路線バスに続き、復調の兆しが見える観光バスも着実に取り込んだことから堅調に推移し、車両関連全体での売上高は前期を上回りました。

 

 

(機能資材事業)


 主力製品であるホットカーペットなどの繊維系暖房商材は、市況低迷の影響を受け新規受注数が減少し、売上は前期を下回りました。消臭・フィルター関連は、自動開閉式ゴミ箱向け消臭フィルターの新規採用が寄与した一方で、空気清浄機向け消臭フィルターはコロナ禍における需要反動減からの低迷が続き、売上は前期を下回りました。浴室床材は、外出機会の増加による消費行動の変化から新規受注数が減少し、売上は前期を下回りました。以上のことから、機能資材事業全体の売上高は前期比11.9%減の31億27百万円、 セグメント損失は66百万円(前期 セグメント利益90百万円)となりました。

 

 

 

② 財政状態の状況
 当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ40億48百万円増加し、921億99百万円となりました。

 負債につきましては、仕入債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ4億73百万円増加し、545億11百万円となりました。

 純資産につきましては、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ35億74百万円増加し、376億87百万円となりました。

  以上の結果、自己資本比率は34.7%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ12億23百万円増加し、81億53百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び仕入債務の増加により、74億50百万円の収入(前期18億3百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、23億23百万円の支出(前期28億34百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の売却による収入等があったものの借入金の返済による支出等により、42億4百万円の支出(前期52百万円の支出)となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年6月1日

至  2024年5月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

インテリア事業

4,149

△10.5

自動車・車両内装事業

45,397

+33.2

機能資材事業

2,861

△15.0

その他

合計

52,407

+24.5

 

(注) 1  セグメント間取引については相殺消去しております。

2  金額は、製造原価によっております。

 

(b) 受注実績

当社グループは販売形態が多岐にわたっており、受注の把握が困難でありますので記載を省略しております。

 

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年6月1日

至  2024年5月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

インテリア事業

37,142

+1.5

自動車・車両内装事業

62,800

+15.6

機能資材事業

3,127

△11.9

その他

407

+11.5

合計

103,478

+9.1

 

(注) 1  セグメント間取引については相殺消去しております。

2  総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年5月31日現在)において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

(b) 経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進展したことに加え、雇用・所得環境の緩やかな改善に伴う個人消費の持ち直しやインバウンド需要の増加などにより、景気は底堅く推移しました。一方で、緊迫した世界情勢や、原材料・エネルギー価格の高騰、金融資本市場の変動の影響などに注視が必要な状況が続きました。

当社グループ事業に関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前期比5.7%減、非住宅分野では着工床面積が同10.7%減となりました。また、自動車業界において、国内の日系自動車メーカーの生産台数は前期比3.2%増となりました。海外においても生産台数は増加し、前期を上回りました。

当連結会計年度の売上高は、インテリア事業及び自動車・車両内装事業において増収となったため、前連結会計年度に比べ86億49百万円増加し、1,034億78百万円となりました。その結果、売上総利益は222億75百万円となりました。

利益面では、増収に加え、北中米拠点での事業再編が奏功するなどし、営業利益は前連結会計年度に比べ20億5百万円増加33億円、経常利益は前連結会計年度に比べ20億93百万円増加36億68百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として持分法適用関連会社の株式譲渡による関係会社株式売却損失引当金繰入額9億3百万円を計上しましたが、売上・利益ともにそれを上回る増加となり、前連結会計年度に比べ5億53百万円増加8億74百万円となりました。

その結果、ROE(自己資本当期純利益率)は2.9%となりました。今後も資本効率を高め、ROE向上に向けて尽力してまいります。

 

 

(c) セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析

当連結会計年度の事業セグメント別の経営成績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a) キャッシュ・フローの分析

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(b) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」を開発の基本理念とし、よい製品を生産し、販売することで社会の向上に貢献すべく、多角的な事業活動を行っております。

当社グループは、事業活動に必要な資金の安定的な確保について、重要な経営課題の一つと認識しており、営業活動による現金収入、内部資金の活用のほか、取引先金融機関と良好な関係を維持しながら借入及び社債の発行等によって資金を調達しております。

事業活動における資金需要の主なものは、運転資金需要と投資資金需要であります。

運転資金需要のうち主なものは、生産・販売活動における原材料及び商品仕入れ、製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要の主なものは、製品の品質改善、製造現場の安全性確保、生産効率性の向上、環境負荷の改善等のために必要な設備投資、また海外展開を強化するために必要な投資、その他事業戦略遂行に必要な投資があります。

今後は営業活動による現金収入の拡大とともに、適正在庫の維持に取り組む事でDEレシオを0.5倍程度に改善して財務健全性を保ちつつ、期間や国内外の金利動向等を鑑みながら取引先金融機関からの機動的な資金調達を実施し資金の流動性を確保してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、経営者による会計基準の選択及び適用、資産及び負債並びに収益及び費用の見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これらの見積りと差異が生じる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発部門では、「資源を未来へ」「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」をキーワードとし、社会問題解決に貢献する価値を創造することで持続的成長を図る新たなビジネスモデルの構築を目指しております。そのためには、強みである繊維・樹脂製品の「高機能化技術」と「評価技術」を両輪として、シーズとなる新規・独自技術を生み出すことが重要であると考えております。

技術・生産本部に属する技術開発センター並びに産業資材事業部門に属する開発センターを中心とし、関係各部署との密接な連携を取りながら研究開発を進めております。また生産部門である住江テクノ㈱が保有するオンリーワンの設備を活用し、生産技術にも磨きをかけてまいります。

当連結会計年度においては、次に述べるものがあげられます。

 

(インテリア事業)

新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後も抗菌・抗ウイルス加工商品への注目が引き続き集まっております。当社は各事業部門において、抗菌・抗ウイルス商品の強化を行っており、自社技術としての抗ウイルス加工技術「Vgaurd」(ブイガード)を確立いたしました。タイルカーペットを皮切りにカーテンなど他の内装材に対しても商品化を拡大しております。そして技術開発センター内に導入した抗菌試験装置及び評価技術も磨きをかけ、抗ウイルス性能評価も自社で可能となりました。

 

(自動車・車両内装事業)

自動車内装材における環境対応のニーズは益々高まっております。当社グループはインテリア事業でカーペット用の再生糸を製造していますが、それを自動車シート用に改良を加え昨年より採用されております。更に幅広いニーズに応える為に再生糸のバリエーションを開発しております。またシート材の再生利用を図る為に、ワディング材と一体化するモノマテリアル化をあらゆる品種で開発しております。

新規商材としては細幅織物の新意匠の開発、不織布と編物の複合構造生地の開発など新しい意匠表現にチャレンジしております。

自動車シート表皮材としての合成皮革につきまして、新たなサステナブルの開発として、従来からの材料にバイオ素材を入れるだけでなく、より訴求力の高い商材に取り組んでおります。具体的には、「サステナブルの見える化」に重点を置いており、デザインと融合する商材を幅広く開発しております。

 

(機能資材事業)

 次世代型商品開発のひとつであるスマートテキスタイル開発の中で、水濡れ検知システムの高機能化及び商品化に力を入れております。従来取り組んでいた座席などの布製品の濡れ検知、あるいは介護施設で使用するオムツ内での排尿検知以外にも、ムレ検知や水分率検知、油検知、人とモノの違いの検知など、さまざまなニーズが市場から挙がってきており、それらの検知ができるようなシステムのカスタマイズに取り組んでおります。また実際の市場、例えば介護施設などでの実証実験も進めてまいります。

 

また、当社グループの研究開発については、各セグメントに共通する基礎的研究であり特定のセグメントに関連付けができないため総額を記載することとし、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,060百万円(前連結会計年度比1.2%減)となっております。