下記「第3 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
下記「第5 3 コーポレート・ガバナンスの状況等」「サステナビリティ・ガバナンス」を参照のこと。
当年度中、当社の取締役会(以下「取締役会」という。)は、ブルサ・セキュリティーズのメイン・マーケット上場規則(「上場規則」)及びコーポレート・ガバナンスに関するマレーシアン・コード(「本規範」)の方針及び実施規定を確実に遵守するため、当社及びその子会社(総称して「当グループ」)の内部統制とリスク管理のシステムの見直しを行った。
取締役会は、取締役会が株主の投資及び当グループの資産の保護を目的とした安定したリスク管理及び内部統制システムの維持につき全責任を有していること、並びにかかる統制が重大な過失、詐欺又は損失が発生するリスクに対して合理的ではあるが完全ではない保証を提供するに止まるものであることを認識している。
ここに記載されているのは、2024年6月30日に終了した会計年度における、当社による本規範の該当条項の遵守の概要である。
取締役会の責任
取締役会は、株主の投資及び当社及びその子会社(以下「当グループ」)の資産を保護するための適切な統制環境フレームワークの確立を含む、健全なリスク管理及び内部統制システムを維持する責任があることを認識している。取締役会は、財務管理のみならず、業務管理、コンプライアンス管理、リスク管理を含む内部統制システムの適切性と完全性を検討する。内部統制及びリスク管理システムには本質的な制約があるため、取締役会は、内部統制及びリスク管理システムは、当グループの事業目標の達成を妨げる可能性のあるリスクをすべて排除するのではなく、むしろ管理するために設計されていることを認識しており、そのため、重大な誤表示、損失及び詐欺に対する、合理的ではあるものの、絶対的ではない保証を提供するに止まる。
取締役会は、当年度について、当グループのリスク管理及び内部統制(財務その他も含めて)が当グループの効率的かつ効果的な事業活動、財務情報の信頼性及び透明性、並びに法令及び規則の遵守を合理的に保証するものであると考えている。
当グループの内部統制の主な特徴
取締役会は、継続的な監視及び統制活動の効率性の審査の手続を含む、安定した内部統制構造の維持、並びに当グループ及びその従業員の行動の統治に専心している。当グループの内部統制システムの主な内容の概略は、以下のとおりである。
・承認手続
当グループは、承認手続を明確に定義し、説明責任を明確に定め、取締役会及び上席経営陣内で承認、許可及び管理に関する厳格な手続を有している。承認レベル、職務分掌及びその他の統制手続などの責任のレベルは、株主の最善の利益に鑑みた効率的かつ独立した管理を促すために当グループ内に通知されている。
・権限レベル
当グループは入札、設備投資プロジェクト、買収及び事業の処分並びにその他の大規模な取引に関して、会長、取締役社長及び常勤取締役に対して権限レベルを委任している。企業への融資及び投資資金の拠出の要件を含む、一定の限度額を超える資本及び収益に関する承認は、取締役会がこれを決定する。その他の投資に関する判断は、権限の範囲に従って承認される。総合的な評価及び監視手続は、すべての大規模な投資に関する決定に適用される。
・財務成績
中間財務成績は、ブルサ・セキュリティーズに開示する前に、監査委員会が審査し、監査委員会の提言に基づき取締役会が承認する。監査済みの年次財務実績及び当グループの財務分析は、株主に開示される。
・内部の法令遵守
当グループは、内部で審査する経営陣のレビューを通じて内部の財務管理の遵守を監視している。財務報告書は、年間目標の達成度を測ることができるよう、主要担当者が審査している。内部の方針や手続の更新は、経営上の欠陥部分の是正及びリスクの変化を反映するため、並びに当グループに関連する法令及び規則の遵守要件の変化を反映するために行われる。内部監査は、手続の遵守の監視及び精査を行い、提供された財務情報の整合性を評価するため、体系的に取り決められる。
当グループの内部統制の主な手続
内部統制のシステムの適切性と整合性を審査するために取締役会が定めた主な手続は、以下のとおりである。
・内部監査機能及び監査委員会による監視
当グループの内部監査機能は、その内部監査部門(「YTLIA」)により提供される。YTLIAは、経営陣が導入した内部統制システムの効率性及び有効性につき評価を行う。
YTLIA は、下記の会社から構成される当グループの内部監査機能を担っている:
- YTLパワー・インターナショナル・バーハッド及びその子会社(以下「YTLパワー・グループ」という。)
- マラヤン・セメント・バーハッド及びその子会社(以下「マラヤン・セメント・グループ」という。)
- YTLホスピタリティREIT及びその子会社、並びにYTLホスピタリティREIT のマネージャーであるピンタール・プロジェック・センドリアン・バーハッド(以下「YTL REITグループ」という。)及び
- 当社及び上記サブグループ以外の当グループの子会社(以下に定義)
ただし、YTLパワー・グループの一部の子会社、すなわち内部監査機能を外部に委託しているYTLパワーセラヤ・プライベート・リミテッド・グループ会社、内部監査機能を社内の内部監査チームが担っているウェセックス・ウォーター・リミテッド・グループ、及びブルサ・セキュリティーズに上場し、当連結会計年度末に子会社となったランヒル・ユーティリティーズ・バーハッド(同社グループと合わせて「ランヒル・グループ」という。)を除く。
YTLパワー・グループ、ランヒル・グループ、マラヤン・セメント・グループ及びYTL REITグループを総称して「上場サブグループ」という。
YTLパワー・インターナショナル・バーハッド、ランヒル・ユーティリティーズ・バーハッド、マラヤン・セメント・バーハッド及びYTLホスピタリティREIT(以下、総称して「上場子会社」という。)は、ブルサ・セキュリティーズに上場しているため、コーポレート・ガバナンスの枠組みの一部として、それぞれの取締役会に監査委員会が設置されている。
従って、YTLIAは、上場サブグループに対する内部監査の責任を報告する際、各上場子会社の監査委員会に直接報告する。
上記の観点から、監査委員会による内部監査機能の監視は、当社及び上場サブグループに属さない当社子会社を対象としている。
内部監査機能の説明は、監査委員会報告書に記載されており、YTLIAの人員とリソースに関する詳細は、本報告書に記載されているコーポレート・ガバナンスの概要説明に記載されている。この情報は、当社ウェブサイト(www.ytl.com)の「ガバナンス」のページでも閲覧可能である。
YTLIAは、監査対象とする事業部門及びサービス部門から独立して運営されており、内部統制システムの効率性と有効性と重大なリスクに重点を置いて実施された監査の結果につき、監査委員会に対して報告を行う。監査委員会は、YTLIAが提起した重大な課題及び事項につき審査及び評価を行い、経営陣によって適切かつ迅速な是正策が講じられることを保証する。
当年度のレビューにおいて、アニュアル・レポートでの開示が必要となるような重大な脆弱性又は問題は確認されなかった。
内部統制のシステムは、事業環境の変化に伴い、随時審査、改善又は更新されていく。取締役会は、現在の内部統制システムが当グループの利益を守るために有効なシステムであると考えている。
・執行理事会及び上席経営陣会議
当グループは、会長、取締役社長、常勤取締役、部門長及びシニア・マネージャーから構成される執行理事会及び上席経営陣会議を定期的に開催している。この会議は、緊急を要する事項について審議・決定し、財政及び財務に関する重要事項を特定、検討、協議及び解決し、当グループの財務状況を監視するために招集される。また、新しい金融情勢や懸念される事項が早期に明らかにされ、迅速に対処することを確保する役割も果たしている。ここでの決定事項は、すべての関係する従業員レベルに直ちに効率的に伝えることができる。これらの会議を通じて、執行理事会及び経営陣は関係する事業部門における業務上又は財務上の重大なリスクを特定することができる。
・現場の視察
取締役社長及び常勤取締役は、生産現場や事業部門、不動産開発の現場へ赴き、様々なレベルの従業員と対話し、協議し、実行された戦略の有効性を直接評価する。現場の視察は、効率的な運営のために、透明性が高く、開かれたコミュニケーション経路が経営陣、各取締役社長及び常勤取締役によって維持されることを保証する目的で行われている。
当グループのリスク管理体制の主な特徴及び手続
当グループの事業活動のすべての分野は何らかのリスクを伴うことを取締役会は認識している。当グループは、株主価値を保護し向上させるため、これらのリスクを効果的に管理することに全力を注いでいる。
取締役会は当グループのリスク管理実務について全責任を負っている。当グループが直面する重大なリスクの特定、分析及び管理は上席経営陣が各事業レベルで行われる継続的なプロセスである。当年度中、取締役会のリスク管理体制における機能は、内部統制システムの適切性と全体性を保証するために経営会議に取締役社長、常勤取締役が参加することにより実行された。当グループの事業に影響を与える重大なリスクの特定及び分析のプロセスの検討と更新、並びにこれらのリスクを管理するための方針及び手続に重点が置かれている。
当グループの事業活動は、市場リスク(為替リスク、金利リスク及び価格リスク)、信用リスク、流動性リスク及びキャピタル・リスクなど、様々な金融リスクを伴う。当グループ全体の金融リスクの管理の目的は、当グループが株主価値を創造することを保証することである。当グループは金融市場の予測不可能性に焦点を合わせ、財務業績に与える悪影響の可能性を最小限に抑えることを目標としている。金融リスク管理はリスク評価及び内部統制システムを通じて行われる。取締役会はこれらのリスクを評価し、適切な管理環境慣行について承認を行う。当グループのリスク管理の詳細については、「第3 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載する。
経営陣は、当グループ内でのリスク意識を高め、各自の担当事業に該当する重大なリスクの特定及び分析を行い、適切な内部統制手続の設定と運営の義務がある。これらのリスクは、継続的に評価され、リスク管理の不備、情報システムの故障、競争、自然災害及び規制など社内外のリスクに関するものが含まれる。重大なリスクを生じさせる可能性をある事業の変化及び外部環境の変化は、適切なリスク軽減策を策定するために、経営陣から取締役社長/常勤取締役に報告される。
執行理事会は今後も(i)各事業分野において直面する事業、営業及び財務リスクの特定、評価及び管理を行い、(ii)また定期的に戦略を見直して、リスクが軽減され、管理されているかを確認し、当局が発行するガイドラインを遵守する。これは、当グループが株主持分及び株主価値を保護し、向上させるために常に変化し続ける事業環境に効率的に反応できることを確実にするためである。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績等の概要
① 事業実績
2024年度及び2023年度の当グループの主な事業部門別の売上高及び税引前利益は以下のとおりである。
(監査済)
|
|
2023年度 |
2024年度 |
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|
売上高 |
百万マレーシア・リンギット(百万円) |
百万マレーシア・リンギット(百万円) |
||
|
建設部門 |
1,203.5 (40,690) |
4.06% |
787.0 (26,608) |
2.58% |
|
ホテル経営部門 |
1,313.8 (44,420) |
4.44% |
1,603.3 (54,208) |
5.26% |
|
セメント・建材事業部門 |
4,821.2 (163,005) |
16.28% |
5,387.0 (182,134) |
17.67% |
|
運用サービス部門及びその他 |
803.1 (27,153) |
2.71% |
1,140.3 (38,554) |
3.74% |
|
不動産投資開発部門 |
407.1 (13,764) |
1.38% |
397.0 (13,423) |
1.30% |
|
公共事業部門 |
21,067.4 (712,289) |
71.13% |
21,176.1 (715,964) |
69.45% |
|
合計 |
29,616.1 (1,001,320) |
100.00% |
30,490.7 (1,030,891) |
100.00% |
|
税引前利益 |
百万マレーシア・リンギット(百万円) |
百万マレーシア・リンギット(百万円) |
||
|
建設部門 |
10.0 (338) |
0.36% |
15.3 (517) |
0.32% |
|
ホテル経営部門 |
160.2 (5,416) |
5.87% |
286.7 (9,693) |
5.93% |
|
セメント・建材事業部門 |
383.2 (12,956) |
14.04% |
783.5 (26,490) |
16.21% |
|
運用サービス部門及びその他 |
114.8 (3,881) |
4.21% |
352.7 (11,925) |
7.30% |
|
不動産投資開発部門 |
-71.8 (-2,428) |
-2.63% |
83.1 (2,810) |
1.72% |
|
公共事業部門 |
2,132.7 (72,107) |
78.15% |
3,311.7 (111,969) |
68.52% |
|
合計 |
2,729.1 (92,271) |
100.00% |
4,833.0 (163,404) |
100.00% |
② 概況
当グループは、2024年度に過去最高の収益305億マレーシア・リンギット及び税抜後利益39億マレーシア・リンギットを計上し、素晴らしい業績を達成した。この好業績は、公益事業部門及びセメント・建材産業部門を中心に、建設部門、不動産投資開発部門、ホテル経営部門、運用サービス部門等、すべての事業部門が好調だったことによるものである。
当社の取締役会は、普通株式1株あたり4.5セン(前年比で12.5%増)の中間配当を宣言し、1985年にブルサ・セキュリティーズに上場して以来、40期連続の配当実績を誇る。
2024年度もまた飛躍の年となり、当グループの組織的拡大及び新規買収を通じて順調な進展を遂げた。
公益事業については、当グループは、当期末にランヒル・ユーティリティーズ・バーハッド(「ランヒル・ユーティリティーズ」)の株式53.19%を取得した。ランヒル・ユーティリティーズは、マレーシアの水道・電力部門で事業を展開しており、当グループのコア・コンピタンスと強く関連している。
シンガポールでは、600メガワットの水素対応ガスタービン・コンバインドサイクル発電所を建設する予定であり、これにより排出削減目標の実現を支援し、より広範なネットゼロ目標の実現に貢献していく。
国内における有望な取組みとして、当グループは、今年YTL AIクラウドの設立を発表した。これは、加速されたスーパーコンピューティング能力の開発及び展開を中心とした当グループのデジタル変革事業の重要な構成要素であり、マレーシアにおけるAI技術の進展及び開発を加速させる大きな可能性を秘めている。
当グループの各事業部門は、運営面において、良好な経営環境、効率性及び費用対効果の継続的な改善により、再び優れた業績を達成した。これらの成果は、卓越した事業運営への揺るぎないコミットメント及び戦略的イニシアティブの結果であり、引き続き市場での地位強化及び財務業績の向上につながっている。
建設業は、マレーシアにおいて依然として国内経済成長の中心的な役割を果たしており、主要なインフラプロジェクト、都市開発イニシアティブ及び非住宅関連プロジェクト(製造業、物流施設、データセンター、半導体工場等)が同業界の成長を牽引している。
特筆すべきは、全体として、製造業、物流、そして現在では技術等、ますます多くの分野で外国直接投資(FDI)先としてマレーシアの魅力が増しており、これにより経済成長、開発、拡大を一層促進することが期待されることである。
当グループは、このような機会を十分に活用できる立場にある。公益事業、建設、セメント及び不動産の各部門にわたる事業を統合し、強力な運転・保守(O&M)能力と組み合わせることより、包括的なエンド・ツー・エンドのソリューションを提供し、厳格な品質管理及びプロジェクトの迅速な遂行・完了を確保している。この統合は、当グループの豊富な業界経験及び専門知識と相まって、当グループのリーダーシップを支えている。
マレーシアの国際的地位は今後向上する見込みであり、技術の進歩、多角的な成長、そして強化された世界とのつながりによって、将来有望でダイナミックかつ回復力のある経済の形成を示している。
マレーシアがグローバル・ビジネス、テクノロジー・ベンチャー、データセンターの重要な拠点としての地位を確立する中、当グループは、コア・コンピタンスに関連する戦略的機会を追求し続けるとともに、当グループを支えてきた長期的なビジョンにコミットし、株主及び利害関係者に持続的な価値を提供していく。
当社及び当グループの当年度の収益は、前年度の29,616.1百万マレーシア・リンギットと比較して3%増加し、30,490.7百万マレーシア・リンギットに達した。当年度の税引前利益は、4,833.0百万マレーシア・リンギットに達し、前年度の2,729.1百万マレーシア・リンギットと比較して77%増加した。一方、当期の税引後利益は、3,884.7百万マレーシア・リンギットに達し、前年度の2,122.3百万マレーシア・リンギットと比較して83%増加した。
このように業績が改善したのは、主に当グループの各事業部門の業績向上によるものであり、中でも公益事業、セメント事業及びホテル事業の伸び率が最も高かった。
当グループの海外事業は継続して重要な役割を担っており、2024年度の収益に占める海外事業の割合は約77%で、前年度と同水準を維持している。
当社の取締役会は、基準日を2024年11月13日、支払日を2024年11月29日として、普通株式1株あたり4.5センの中間配当を宣言した。
公益事業部門の当年度の収益は、21,176.1百万マレーシア・リンギットに達し、前年度の21,067.4百万マレーシア・リンギットと比較して増加した。また、当年度の税引前利益も、3,311.7百万マレーシア・リンギットに達し、前年度の2,132.7百万マレーシア・リンギットと比較して増加した。
収益の増加は、主に非家庭向け小売市場の成長、上下水道事業部門における規制当局による価格の引上げ及び通信事業部門におけるプロジェクト収益の増加によるものである。一方、発電事業部門はプール価格の下落により減収となったが、利益率の改善及びローンの早期返済に伴う支払利息の減少により、税引前利益は増加となった。
セメント・建材事業部門の当年度の収益は、5,387.0百万マレーシア・リンギットに達し、前年度の4,821.2百万マレーシア・リンギットと比較して増加した。当年度の税引前利益は、783.5百万マレーシア・リンギットに達し、前年度の383.2百万マレーシア・リンギットと比較して増加した。これは、国内セメント及び生コンクリートの販売価格が安定したことに加え、業務効率の継続的な改善によるものである。
建設部門の当年度の収益は、787.0百万マレーシア・リンギットであり、前年度の1,203.5百万マレーシア・リンギットと比較して減少した。これは主に、連結上消去されるグループ間の収益が増加したにもかかわらず、グループ外部から受注した建設工事について完了した工事の件数が減少したことによるものである。一方、当年度の税引前利益は、前年度の10.0百万マレーシア・リンギットを上回る15.3百万マレーシア・リンギットとなった。これは、当年度に認識された建設契約変動に伴う受注のマージンが改善された結果である。
不動産投資開発部門における当年度の収益は、前年度の407.1百万マレーシア・リンギットに対し、397.0百万マレーシア・リンギットを計上した。また、当年度の税引前利益は83.1百万マレーシア・リンギットに達し、前年度の71.8百万マレーシア・リンギットの税引前損失と比較して増加した。
一方、進行中のプロジェクト及び土地の売却により計上された売上高は、プロジェクト収益の不足を一部補う形となったが、進行中のプロジェクト及び土地売却による利益認識に加え、関連会社及びジョイントベンチャーからの利益の増加が相まって、当年度の税引前利益の増加を牽引した。
ホテル経営部門における当年度の収益は、前年度の1,313.8百万マレーシア・リンギットから1,603.3百万マレーシア・リンギットに増加し、当年度の税引前利益は、前年度の160.2百万マレーシア・リンギットから286.7百万マレーシア・リンギットに増加した。この業績改善は、市場シェアの拡大に加え、ホテル資産全体での客室稼働率及び宿泊料金の上昇によるものである。
運用サービス部門及びその他は、当年度において、前年度の803.1百万マレーシア・リンギットから1,140.3百万マレーシア・リンギットに増加し、当年度の税引前利益は、前年度の114.8百万マレーシア・リンギットから352.7百万マレーシア・リンギットに増加した。この業績改善は、主としてランヒル・ユーティリティーズの株式取得から生じた受取利息及び公正価値の増加によるものであり、投資利益の減少により一部相殺された。
サステナビリティ
当社は2017年からブルサ・セキュリティーズのFTSE4Goodインデックスの構成銘柄であり、当年度は当社の上場子会社であるYTLパワーも同インデックスに加わった。さらに、当年度末に当グループに加わったランヒル・ユーティリティーズも同インデックスの構成銘柄である。
サステナビリティに関する新たな展開として、当グループの子会社であるYTLパワーセラヤは、シンガポールにおいて600メガワットの水素対応ガスタービン・コンバインドサイクル発電所を建設、所有、運用する権利を取得した。当該新設備では、初期段階で少なくとも30%の水素に対応できる設計であり、将来的には100%の水素に対応できるよう改造可能である。
YTLパワーセラヤは、低炭素エネルギーソリューションの追求を継続的かつ重要な取組みとして進める中、5.0百万シンガポール・ドル以上を投資し、プラウ・セラヤ発電所での太陽光発電量を現在の最大1メガワットから最大5メガワットに拡大する。発電容量の増加により、最適な条件下で月平均417メガワット時の発電が可能となり、毎月1,000戸以上の公営住宅(4室の間取り)に電力を供給できるようになる。
当グループのセメント事業部門は、持続可能な建設活動の推進に向けて順調に進展した。ECO製品ラインの導入は、環境保全及び革新への取組みを象徴している。さらに、利害関係者との積極的な協力は、業界内の前向きな変化を促進するための継続的な努力を示している。
これらの取組みの一例には、2023年に発足したセメント・コンクリート協会(C&CA)との提携による進行中のシメン・ラフマ(Simen Rahmah)プロジェクトがある。このプロジェクトでは、2024年4月にシメン・ラフマの第1期が開始された。また、承認された低価格住宅プロジェクトに向けて、C&CAの参加メンバーが共同で100万トンのセメントを特別価格で供給することで、国家の住宅政策目標を支援している。詳細については、当社の年次報告書と併せて発行する「サステナビリティ・レポート2023」を参照のこと。
見通し
インフレの動向、地政学的な出来事、広範な金融市場の状況、そしてこれらの展開がマレーシア経済及び世界経済全体に及ぼす影響は依然として不明であるが、当グループは、長年にわたり実績のある戦略を引き続き追求し、事業部門全体の財務及び業務面での回復力を維持していく。
③ 2024年度と2023年度との比較
1 売上高
当グループの当年度の売上高は、前年度の29,616.0百万マレーシア・リンギットに対して、874.7百万マレーシア・リンギット、すなわち3.0%増加し、30,490.7百万マレーシア・リンギットとなった。建設部門及び不動産投資開発部門を除き、すべての報告部門において増収となった。
2 税引前利益
当年度の当グループの税引前利益は、前年度の2,729.1百万マレーシア・リンギットから4,833.0百万マレーシア・リンギットに増加した。これは77.1%の増加に相当し、全事業部門における増益によるものである。
3 当グループへの課税
当年度の当グループへの課税は、前年度の606.8百万マレーシア・リンギットに対して948.2百万マレーシア・リンギットに増加した。課税額が増加した主な要因は、YTLパワー及びYTLセメントグループにおける税引前利益の増加によるものである。
4 少数株主持分
少数株主持分は、前年度の1,026.6百万マレーシア・リンギットから当年度の1,744.2百万マレーシア・リンギットヘと69.9%増加した。これは主にYTLパワー及びYTLセメントグループからの増益によるものである。
5 税引後利益及び少数株主持分
上記の結果、当グループの税引後利益及び少数株主持分は、前年度の1,095.7百万マレーシア・リンギットに対し、当年度において1,044.8百万マレーシア・リンギット、すなわち95.4%増加し、2,140.5百万マレーシア・リンギットを計上した。純利益が増加した主な要因は、当グループの全事業部門における好調な業績によるものである。
(2) 生産、受注及び販売の状況
(1)「業績等の概要」を参照のこと。
(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
本項には、将来予想に関する記述が含まれているが、これは当事業年度末現在において判断したものである。
目標及び戦略
当グループは、価値を最大限にし、長期的に実行可能かつ持続可能な堅固な事業を構築及び運営し、すべての株主に利益をもたらすことを目標に、規制されたその他公益事業資産及びセメント、建設、不動産開発及びホテル経営のコア・コンピテンシーに関連する事業に注力しながら、国内外における未開発地域の開発及び戦略的買収を通じて自らの収益基盤の地理的多様化及び拡大を追求している。
また、当グループは、その収益の大部分を利権・認可に基づく規制されたその他さまざまな公益事業資産の運営から得ており、これにより、当グループは、マレーシア国内外において、安定した利益をあげ、不安定な経済及び変化する事業状況から生じる下方リスクを軽減することができている。
当グループの戦略の主な要素は、以下で構成されている。
・ 特に、規制された公益事業の分野における未開発地域の開発及びマレーシア国内外における戦略的買収を通じた当グループの収益基盤の多様化及び拡大 当グループは、長期の利権に基づき運営している規制された資産及びそのコア・コンピテンシーに関連するその他の事業を取得する戦略を追求している。当グループの規制された公益事業は、継続的な成長を示しており、その資産のうち規制された資産の価値は時間の経過とともに増大している。かかる分野における当グループの既存の海外事業は、引き続き安定した利益を生んでおり、海外での買収は、所得の流れを多様化し、当グループが各国及び各業界に固有のリスクを回避できるようにしている。
・ 再生可能及び持続可能エネルギーソリューションを中心とした当グループの中核事業の成長及び強化 事業を成長させるための当グループの戦略は、当グループのコア・コンピテンシーである専門性を活用することである。特に、発電事業、上下水道事業、商業向けインフラ事業、通信事業、建設請負事業、不動産開発及び投資事業、セメントその他の工業製品及び必需品の製造事業、ホテル開発及び経営事業(レストランの経営を含む。)の分野において専門知識を活用することを試みている。
これには、排出削減及び低炭素代替手段を追求するため、より持続可能な再生可能エネルギーソリューションの開発、投資及び研究開発努力の優先付けが含まれる。
当該戦略を実行するにあたり、当グループは、事業の長期的な持続可能性及び実行可能性を確保するために、ガバナンス、コンプライアンス及び事業の経済的・環境的・社会的影響の管理に重点を置いている。
・ 当グループの資本構造の継続的な最適化 当グループは、デット・ファイナンス及びエクイティ・ファイナンスの組み合わせを最適化し、買収の機会に投資するための内部資金及び外部金融の利用可能性を確保することにより、バランスの取れた財政構造を維持している。当グループの成長戦略の重要な要素は、その買収及び未開発地域事業の負債要素を、ノンリコースの融資で賄う慣行である。これにより、当グループが、会社から独立した単体の有効な事業にのみ投資を行うことが保証されている。
・ 当グループの事業収益を最大化し、顧客基盤を拡大するための運営効率の向上 当グループは、その公益事業及びセメント工場が、平均して、それぞれの業界の最高効率水準の範囲内で運営されていると確信しており、新しい技術、生産技術及び情報技術の適用を通じて、可能な限り運営効率を一層高めている。
財務業績の評価
当グループの財務業績
当グループは、前年度の29,616.1百万マレーシア・リンギットの収益に対して、当年度は30,490.7百万マレーシア・リンギットの収益を計上した。当年度の税引前利益は、前年度の2,729.1百万マレーシア・リンギットから4,833.0百万マレーシア・リンギットに増加した。
当グループの海外事業は、当グループの収益及び非流動資産のそれぞれについて、前年度の79%及び76%に対して、当年度は約77%及び74%を占めており、引き続き当グループの収益及び非流動資産の最大の割合を占めている。
部門別の財務業績


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部門別収益 |
部門別税引前利益/(損失) |
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2024年度 |
2023年度 (修正再表示済み) |
2024年度 |
2023年度 (修正再表示済み) |
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百万マレーシア・リンギット |
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公益事業部門 |
21,176.1 |
21,067.4 |
3,311.7 |
2,132.7 |
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セメント・建材産業部門 |
5,387.0 |
4,821.2 |
783.5 |
383.2 |
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建設部門 |
787.0 |
1,203.5 |
15.3 |
10.0 |
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不動産投資開発部門 |
397.0 |
407.1 |
83.1 |
(71.8) |
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ホテル経営部門 |
1,603.3 |
1,313.8 |
286.7 |
160.2 |
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運用サービス部門及びその他 |
1,140.3 |
803.1 |
352.7 |
114.8 |
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30,490.7 |
29,616.1 |
4,833.0 |
2,729.1 |
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(a)公益事業部門
公益事業部門の収益は、前年度の21,067.4百万マレーシア・リンギットに対して、当年度は21,176.1百万マレーシア・リンギットを計上した。これは、非家庭向け小売市場において新規契約を確保したことによる上下水道部門の収益の増加、規制当局が許可した価格の引上げ及びポンドの上昇によるものである。また、電気通信事業部門は、プロジェクト収益が増加したが、プール価格の下落による発電事業部門の収益の減少により相殺された。
公益事業部門における当年度の税引前利益は3,311.7百万マレーシア・リンギットとなり、前年度の2,132.7百万マレーシア・リンギットから増加した。これは主に、利益率の改善、ローンの早期返済に伴う支払利息の減少、シンガポール・ドルの上昇によるものである。一方、上下水道事業及び電気通信事業は、それぞれ支払利息の増加及び営業費用の増加により税引前損失が増加した。
公益事業部門は、引き続き当グループ最大の事業部門であり、当年度の売上高及び税引前利益は、前年度のそれぞれ71%及び78%に対して、それぞれ69%を占めている。
(b)セメント及び建材産業部門
セメント及び建材産業部門の収益は、前年度の4,821.2百万マレーシア・リンギットに対して、当年度は5,387.0百万マレーシア・リンギットを、当年度の税引前利益は、前年度の383.2百万マレーシア・リンギットに対して783.5百万マレーシア・リンギットをそれぞれ計上した。税引前利益の増加は、国内セメント及び生コンクリートともに販売価格が安定したことに加え、運営効率の改善が続いたことによるものである。税引前利益は、ラワンの工場及び機械の減損損失にもかかわらず増益となった。
当年度について、セメント及び建材産業部門は、収益について当グループで第二位の事業部門であり、収益及び税引前利益は、前年度のそれぞれ16%及び14%に対して、当年度はそれぞれ18%及び16%を占めている。
(c)建設部門
建設部門の収益は、前年度の1,203.5百万マレーシア・リンギットに対して当年度は787.0百万マレーシア・リンギットをそれぞれ計上し減収となった。これは、連結上消去されるグループ間の収益が増加したにもかかわらず、外部から受注した第三者建設工事について完了した工事の件数が減少したこと等が主因である。
一方、当年度の税引前利益は、前年度の10.0百万マレーシア・リンギットに対して15.3百万マレーシア・リンギットとなった。これは、当年度中に認識された建設契約の変更注文により、利益率が改善したためである。
(d)不動産投資開発部門
不動産投資開発部門の収益は、前年度の407.1百万マレーシア・リンギットに対して、当年度は397.0百万マレーシア・リンギットをそれぞれ計上した。収益の減少は、進行中のプロジェクトからの売上計上及び土地の売却により一部相殺されたものの、プロジェクトの収益がなかったためである。
当年度の同部門は、前年度の71.8百万マレーシア・リンギットの税引前損失に対して、83.1百万マレーシア・リンギットの税引前利益を計上した。これは、主に進行中のプロジェクト及び土地売却による利益認識に加え、関連会社及びジョイントベンチャーからの利益の増加によるものである。
(e)ホテル経営部門
ホテル経営部門の収益は、前年度の1,313.8百万マレーシア・リンギットに対して、当年度は1,603.3百万マレーシア・リンギットに増加した。また、税引前利益は、前年度の160.2百万マレーシア・リンギットに対して、当年度は286.7百万マレーシア・リンギットに増加した。これは、主に市場シェアが拡大したこと、ホテル資産の客室稼働率及び客室料が全体的に上昇したことによるものである。
(f)運用サービス部門及びその他
運用サービス部門及びその他の収益は、利息収益の増加及びランヒル・ユーティリティーズの株式取得による公正価値の増加により、前年度の803.1百万マレーシア・リンギットに対して当年度は1,140.3百万マレーシア・リンギットをそれぞれ計上した。
当年度の税引前利益は、受取利息及び公正価値利益の増加により、前年度の114.8百万マレーシア・リンギットから352.7百万マレーシア・リンギットに増加したが、YTLパワーが計上した持分法適用投資からの利益分配の減少により一部相殺された。
各部門の状況
公益事業部門
発電事業
当年度において、当グループは、10,644ギガワット時の電力を販売し、前年同期比で6%増加した。前年度において計画発電量に基づく市場シェアは19.9%であった。電力市場は安定しており、シンガポール卸電力市場では、電力供給が急増した暑い月を除き、価格変動が小さくなった。
当グループの電力小売事業者であるジェネコは、家庭用・商業用・工業用の消費者で構成される電力小売市場において、当年度は13.4%の小売電力市場シェア(システム総需要に対する小売量の割合で算出。)を占めた。また、当年度の販売量は7,530ギガワット時であった。
住宅部門では、ジェネコは、シンガポールのオープン電力市場において、EMAから大手電力小売業者として正式に発表されており、2024年6月30日現在、市場シェア28.5%を占め、170,355人のアクティブな住宅顧客にサービスを提供している。
商業及び産業部門では、スモール・アンド・ミディアム・ビジネス・オンラインというプラットフォームをリリースし、1拠点かつ月間負荷が20メガワット時未満の中小企業の顧客がオンラインで契約できるようにした。ジェネコは、デジタル化の一環として、1拠点につき月間消費電力が最大100メガワット時の顧客を対象にスモール・アンド・ミディアム・ビジネス・オンラインのサービスの拡充を目指しており、同部門のニーズに応えるため、リーチの強化に取り組んでいる。
ジェネコは、パワー・エコ・アドオン(シンガポール初のカスタマイズ可能な電気料金プランの環境に配慮したアドオン)を通じて、再生可能エネルギー証明書又は炭素クレジットといった環境配慮型アドオンを提供し、エコ活動を継続的に推進しており、今年6周年を迎えた。2024年6月30日現在、ジェネコでは3,711人の顧客がパワー・エコ・アドオンを選択しており、この1年間で303人増加し、2030年までに6,800人の顧客を獲得するという全体目標に向けて前進した。
当グループの燃料管理部門は、スマート石油貯蔵ターミナルへの移行に向けた戦略的な取組みを継続し、当年度の業績に貢献した。この取組みにより、当年度の燃料石油及びディーゼル燃料の管理が効率的に行われ、当年度の取扱量は10.31百万トンとなり、前年度の8.24百万トンから大幅に増加した。また、燃料船及び貨物船の停泊量も増加し、前年度の837隻に対して当年度は969隻に増加した。また、停泊所の平均利用率は52.97%を維持しており、最適な資源利用への取組みが反映されている。
上下水道事業
当グループの英国事業では、2023年を通じて物価が高止まりし、多くの顧客が引き続き経済的困難に直面した。この状況に対し、ウェセックス・ウォーターは、脆弱な顧客及び請求書の支払いに苦労している顧客向けの支援プログラムをより目立たせアクセスしやすくする取組みを行った。その一環として、英国政府とのデータ共有を通じて、5,000人余りの適格な顧客を自動的に当該支援プログラムに登録した。
ウェセックス・ウォーターは、経済状況が厳しさを増す中、2030年までに水の貧困をなくすという誓約を引き続き堅持している。同社は、年間を通じて、より多くの顧客が必要な支援を受けられるようにするため、個別支援プログラムの下で提供される幅広い経済的支援へのアクセス強化に注力した。
優れた顧客サービスを提供することに継続的に注力した結果、ウェセックス・ウォーターは、水道事業管理庁(Ofwat)の顧客体験評価指標であるC-MeXにおいて、上下水道部門のトップ企業として評価される等、関連する顧客サービス指標の多くでトップの実績を維持している。
水質は、既に高い水準にあったが、規制年度のすべての関連指標において改善が見られ、特にコンプライアンス・リスク指数(CRI)(英国飲料水検査局(DWI)が飲料水の品質遵守を測定するために使用する2つの指標のうちの1つ。)では、上下水道会社の中で業界トップとなる見込みである。
同部門の18の水処理センター及び290の水リサイクルセンターからの排水遵守率は、99%という非常に高い水準を維持した。
昨年よりも異常気象が増え、今後もこのような気象が続くと予想されるため、ウェセックス・ウォーターは現在、AI技術を活用して、何マイルにも及ぶ下水道網の多くの区間でウェットティッシュによる詰まり等の欠陥を検出し、対応時間の短縮及びシステムの耐久性向上を目指している。
この1年で、国民・メディア・政治家からより健康的な水域を求める声が一層強まる中、異常な降雨が同部門のオーバーフロー排出実績に影響を及ぼし、その結果、軽度の汚染が増加した。現在、すべての雨水オーバーフローは監視されており、そのデータは排水の流出の削減に向けた取組みに活用され、特に頻繁に排水の流出が発生する箇所の対応が当面の優先事項となっている。
ウェセックス・ウォーターは、環境保護及び漏水削減で引き続き高い評価を得ており、当年度の環境庁による環境パフォーマンス評価では最高評価の4つ星を獲得した。これは、すべての潜在的な汚染事故に迅速に対応し、深刻化する前に防ぐ最大限の努力を行った結果である。年間平均漏水量は、1.4百万リットル/日削減された。
ウェセックス・ウォーター・マーケットプレイスは、課題及びデータをオープンマーケットと共有し、他社が競合してソリューションを提供できるプラットフォームであり、今年で5周年を迎えた。このプラットフォームにより、AIを活用したCCTVソリューションが今年導入され、いつでも調査可能な下水管の長さが2倍になった。
ウェセックス・ウォーターは、過去最高水準の投資を実施し、河川がより健全になり、定期的な暴風雨によるオーバーフロー及び過剰な栄養素による汚染が発生しない、誰もが水供給が安全かつ清潔で持続可能であると確信できるような未来の実現を目指している。
電気通信事業
YTLコミュニケーションズは、すべてのマレーシア国民に手頃な価格で信頼性の高いインターネット接続を提供するという使命を堅持している。全国の消費者及び企業に力を与えることを目的とした一連の戦略的イニシアティブ及び各種導入により、同社は製品ラインアップを拡充し、新たなパートナーシップを構築し、革新的なソリューションを提供することで、マレーシアにおける5Gの主導的地位をさらに強固なものにした。
Yesは、1月に業界をリードする後払いプランの「Yes Power 35」を発表した。このプランは、国内の同価格帯で最大のデータ容量を誇り、月額35マレーシア・リンギットで150ギガバイトのフルスピード5G及び4Gデータ利用できるため、手頃な価格で最も経済的な選択肢として、市場に新たな基準を打ち立てた。
さらに、「Yes Network Test Drive」の導入により、潜在的な顧客は、無料かつ契約なしで、Yes 5Gの優れた通信速度及びカバレッジを30日間体験することができる。この取組みは、Yes 5Gのネットワーク機能に対する信頼を築くことを目的としており、トライアルユーザーを長期契約者に転換することを目的とした革新的なアクティベーションプロセスを特徴としている。
旧正月に合わせて、Yesは特別なiPhoneプロモーションを実施し、通信量無制限の5Gデータを含む最も手頃なiPhoneプランを月額129マレーシア・リンギットで提供した。さらに、Yesは2024年5月に新たなiPhoneプロモーションを開始し、顧客が契約なしでiPhone 15を購入する際に750マレーシア・リンギットの割引を提供した。
Yesは、事業分野において、ネット・エクスペリエンス・インク(「ネット・エクスペリエンス」)及びアクションテック・エレクトロニクス・インク(「アクションテック」)と戦略的パートナーシップを結び、マレーシア初のOpenWiFi導入を実現した。この提携により、中小企業及び法人顧客向けに、先進的なエンタープライズグレードのWiFiアーキテクチャーが提供された。アクションテックの業界トップクラスのハードウェア及びネット・エクスペリエンスの先進的なクラウドベースのプラットフォームを活用し、ゼロタッチプロビジョニング及びクラウドベースの管理機能を備えた、高性能かつコスト効率の高いWiFiソリューションを提供した。
Yesは、3月に革新的なNothing Phone(2a)を導入し、マレーシアの消費者の多様なニーズに合わせたさまざまな後払いプランを提供した。Yes Infinite+Premiumプランでは、Nothing Phone(2a)を追加料金なしで提供し、月額118マレーシア・リンギットのサブスクリプションを提供した。一方、Yes Infinite+Standardプランでは、無制限の5Gデータ、通話無制限、そして十分なホットスポットデータ容量を月額わずか10マレーシア・リンギットで提供した。
YTLコミュニケーションズは、マレーシア・デジタル・エコノミー・コーポレーション(MDEC)によりマレーシア・デジタル・ステータス企業として認定され、デジタル変革及び刷新への取組みが評価された。
Yesは、クラリオン・マレーシアでYes 5Gプライベート・ネットワークを活用したマレーシア初のAI及びロボット工学をベースとした高度な製造展開を発表した。ネルゲンツ・バーハッドとの協業によるオーダーメイドのソリューションは、ロボット工学及びAIを活用して生産効率及び品質を向上させ、製造業及びオートメーション分野におけるオペレーショナル・エクセレンスの新たな基準を打ち立てた。この革新的な取組みは、マレーシアのデジタル大臣であるゴビンド・シンギー・ディオをはじめとする政府及び業界の指導者から強い支持を受けた。
Yesは、2024年7月、ゲラン・デジタルPMKSマダニ(Geran Digital PMKS Madani)イニシアティブのデジタルパートナーとしての役割を正式に確立した。このイニシアティブでは、中小企業(MSME及びSME)のデジタル変革を支援することを目的としており、5Gを活用した先進的なデジタルソリューション及び接続オプションを提供する。
Yesは、SamsungのGalaxy Z Fold6及びFlip6デバイス向けに手頃な価格の5Gプランの提供を開始し、消費者向け製品のポートフォリオをさらに充実させた。さらに、Sookaとのプロモーションも開始し、顧客にパリ2024オリンピック、プレミアリーグ等のストリーミングアクセスを低価格で提供し、シームレスな5G接続を通じて、途切れないHD視聴体験を実現した。
セメント及び建材産業部門
マレーシア事業
YTLセメントのマレーシアにおけるセメント事業及び生コンクリート事業は、子会社のMCBが行っており、MCBはブルサ・セキュリティーズのメイン・マーケットに上場している。MCBは、マレーシアの大手建材グループである。
MCBは、5つの統合セメント工場に加え、4か所の研磨基地、3か所のセメント・ターミナル及び2棟のセメント倉庫からなる施設網により、2,200万トンのセメント生産能力を誇る。戦略的に配置された各施設は、半島全域における顧客に包括的なサービスを提供している。MCBは、国内最大の生コンクリート供給業者として、60工場以上の生コンクリートバッチ工場を運営し、700台以上のトラックで市場に供給している。
当該インフラに加えて、当グループは、最大の骨材及び採石業者であり、ECOSand(YTLセメントの環境配慮型の砂代替材)、単粒度及び粒度調整済みの骨材、バラスト、ストーンコラム、クラッシャーラン及び各種盛土材等の幅広い採石製品を提供する。また、当グループは、マレーシアで最初に登場したドライミックスのブランドとして知られるQuickmixにより、ドライミックス製品分野でも業界をリードしている。
これらの各種施設は、道路、鉄道及び海路でシームレスに結ばれており、包括的なネットワークを効果的に活用することで開発の可能性を最大限に広げ、全国の顧客をサポートしている。当グループは、技術的に高度で要求の厳しいプロジェクトにおいて優先サプライヤーとして選ばれている。当グループが携わった代表的なプロジェクトには、ペトロナスツインタワー、ムルデカ118、シグネチャータワー106、KLタワー、SMARTトンネル、国内の主要空港及び橋等がある。
YTLセメントの環境・再生可能エネルギー事業は、子会社のジオ・アラム・エンバイロメンタル・センドリアン・バーハッド(「ジオ・アラム」)及びグリーン・イネーブル・テクノロジー・センドリアン・バーハッド(「GET」)が行っている。ジオ・アラムは共同処理及び廃棄物管理の大手事業者であり、GETは再生可能エネルギーのソリューションのプロバイダーである。
当グループのコンストラクション・デベロップメント・ラボラトリー(CDL)は、独自のセメント及びコンクリートの開発に特化した研究開発施設である。CDLは、複数の国家機関及び大学と協力し、業界の主要課題に取り組み、脱炭素及び持続可能な建設に関する研究を推進している。
シンガポールにおける事業
YTLセメントは、子会社のYTLセメント・ターミナル・サービス・プライベート・リミテッド及び南洋セメント・プライベート・リミテッドを通じて、シンガポールの大手セメント供給業者である。当グループは、ジュロン港のプラウ・ダマール・ラウトに4か所のセメント・ターミナルを保有しており、国内最大の貯蔵、混合及び出荷能力を誇る。また、大規模な市場シェアを有する生コンクリート業界にも多額の投資を行っている。その定評あるドライミックスのブランドであるJurcemは、複数のプロジェクトに指定されている。
ベトナムにおける事業
フィコ・タイ・ニン・セメント・ジョイント・ストック・カンパニー(「Fico-YTL」)は、ベトナム南部に3か所ある一体型セメント工場のうちの1つであり、ホーチミン及びメコンデルタ地域への主要なセメント供給業者である。Fico-YTLは、優れた製品範囲及びコスト管理の取組みにより、好調な業績を達成し、当年度においても安定した収益性を維持した。1か所の一体型セメント工場及び2か所の研磨基地は、年間2.5百万トンのセメント生産能力を有する。
建設部門
今年8月、YTLコンストラクションは、デロイト・マレーシアが授与する「マレーシア・ベスト・マネージド・カンパニーズ・アワード2024(Malaysia Best Managed Companies Award 2024)」の建設部門を受賞した。同賞では、戦略、能力及び刷新、文化及びコミットメント、ガバナンス及び財務の4つの中核的な柱に基づいて評価される。
インフラ事業
当年度においては、クアラルンプール国際空港(KLIA)及びクアラルンプール市内を結ぶ高速鉄道の線路・土木工事の総合整備を完了した。また、ジョホールバルのケンパス・デポを横断するペルバダナン・アセット・ケレタピ(Perbadanan Aset Keretapi)(鉄道資産公社)の高架橋の設計・建設・完成に向けた作業が行われた。
ゲマス-ジョホールバル間の電化鉄道線の建設は最終段階にあり、当年度も予定どおり進捗した。SPYTLは、合弁事業のパートナーであるSIPPレイル・センドリアン・バーハッドと共に、ゲマスからジョホールバルまでの電化複線化プロジェクトの設計、建設、供給、設置、完成、検査、試運転及び保守管理を行う現地の下請業者に任命された。
ゲマスとジョホールバルを結ぶ鉄道は、世界水準の鉄道インフラを整備するためのマレーシアの構想の新たな重要な要素となることが予想される。約197キロメートルの複線路線、駅、電気車両、車庫、陸橋、橋、電化システム及び信号システムで構成される新しい鉄道は、完成時には、ゲマスとジョホールバル間の移動時間をわずか90分に短縮する。
同プロジェクトは2,800万時間の安全工数を達成し、マレーシアにおける鉄道建設の安全性において新たな基準を打ち立てた。2020年9月から2024年5月までの期間において、ゲマス-ジョホールバル間の電化鉄道線プロジェクトが無事故で成功し、プロジェクトに設定された安全目標を完全に達成したことを示している。
民間事業
当グループは、ジョホール州クーライにおいてYTLグリーン・データセンター・パークについて、最終的には500メガワットの容量を目指して段階的に建設を進めており、当年度も順調に進捗している。同パークは、データセンター開発に275エーカーを提供し、持続可能かつコスト効率の高いデータセンターに対する地域の需要の高まりに応えることが期待されている。第1フェーズは無事に完成し、当年度中に運用が開始された。
また、当年度において、クランのブキット・ラジャにあるエー・エル・ピー・ビー・アール(マレーシア)センドリアン・バーハッド向けの3階建ての倉庫の工事が予定どおり進捗した。
今年6月には、ペナン、クアンタン及びクアラルンプールのACホテルの改修工事を完了したほか、イポー・ホテル及びクアラルンプールの新たなホテルの改修工事を行っている。
住宅事業
SPYTLは、2021年4月、従業員積立基金(EPF)の完全子会社であるクワサ・ランド・センドリアン・バーハッド(「クワサ・ランド」)との間で、クワサ・ダマンサラに予定総額が2億マレーシア・リンギットの住宅プロジェクトを開発する契約を締結した。
クワサ・ダマンサラは、クワサ・ランドがマスターデベロッパーを務め、将来的に住宅・商業・複合用途プロジェクトで構成される、緑豊かで包括的かつ一体感のある居住地区である。その戦略的立地は、スバン空港、クワサ・セントラル駅及びクワサ・ダマンサラ駅、4つの高速道路網等の主要交通インフラによって支えられている。
12.7エーカー(デダウン・リンバ)の開発は、2024年に開始され、68戸の3階建てリンクハウス及び196戸の1.5階建てタウンハウスからなる264戸の住宅ユニットが建設される。同開発では、当グループの美的感覚及び開発プロジェクトの環境に配慮した、モダンかつミニマルなデザインが特徴である。
プチョンのレイク・エッジ近辺のサービス付きアパートメント「ダナウ・プチョン」も開発中のプロジェクトである。低密度かつゲート・警備付きのエンクレーブでは、広さが3エーカーの敷地に428戸が建設される予定である。
当グループは、当年度において、イポーのベルチャムにおけるオリーブ・グローブ開発(2階建てリンクハウス132戸)及びプチョンのチューリップ開発(2階建てリンクハウス98戸)の第1フェーズを完了した。
不動産投資開発部門
不動産開発-マレーシア
当グループは、クアラルンプール市街地からわずか5キロメートルに位置し、現在土地銀行のある250エーカーの自由保有地を有するスントゥルの継続的な変革に取り組んでいる。長期的な成長及び価値創造に重点を置き、住宅、商業施設、複合施設を含む持続可能な環境の多様なポートフォリオを特徴とする。同開発は、4つの鉄道路線及び都市高速道路網によって直接結ばれた戦略的な都市立地によって一層強化されている。
スントゥルの鉄道資産の収益化は、その多様性を活用し、現代社会の新たなトレンド及び変化する需要に応えることで、継続的な収益源を生み出し続けている。歴史的に重要な遺産建築物の改造は、質の高い場所づくり及びコミュニティの豊かさを促進している。クアラルンプールの文化的・商業的イベントの中心地として人気が高まっているスントゥル・デポがその好例である。歴史的建造物を再利用したスントゥル・デポは、イベント及び来場者の大幅な増加により、全国的な関心を集め続けている。
スントゥル・ワークスは、100年以上の歴史を持つ廃墟となった建物から公園内の4階建ての近代的な遺産オフィスとして見事に生まれ変わり、バイオフィリックデザインの手法が取り入れられ、スントゥルにおける持続可能な保全活動の象徴的なランドマークとなっている。現在全階が満室である。
スントゥル・パビリオンは、スントゥル・パークス内にある美しいガラス張りの建物で、スントゥルを永続的な価値を持つ魅力的なライフスタイル目的地に押し上げている。マレーシアで唯一のプライベートパーク内にあるイベントスペースとして、同パビリオンは、最先端のエンターテイメント、ダイニング、ライフスタイル、レジャーのコンセプトを取り入れたユニークなホスピタリティ・企業・プライベートイベントを絶えず惹きつけている。ますます競争が激化する中、当グループは、市場の需要に応じて競争力を高めるために、優れたデザイン及び品質を兼ね備えた革新的な製品の発売を段階的に進める。
d2、d5及びd8の商業施設開発等のスントゥル東部で今後予定されているプロジェクトは、革新的な都市建築システムを取り入れることで、都市生態系の改善及びライフスタイルの多様性向上を図り、スントゥル東部の都市再生をさらに促進する。
ジャラン・スントゥル沿いの一等地に位置する「スントゥル東部のd2」は、338戸の小規模オフィス/ホームオフィス(SOHO)及び13戸の店舗が配置される低密度の開発である。SOHOコンセプトは、都市における革新的な住居兼職場環境という新しいパラダイムに基づいた若い世代のライフスタイルのニーズに応えるものである。当該プロジェクトは、2025年半ばに開始される予定である。
低価格住宅部門では、プチョンの「チューリップス」が2023年10月に竣工した。セランゴール州政府による「ルマー・セランゴルク(Rumah Selangorku)」住宅スキームで構想された2階建てリンクハウス全98戸は完売し、住宅購入者に無事引き渡された。
現在開発中のタマン・パカタン・ジャヤにおける「オリーブ・グローブ」は、ベルチャム初の門のある警備付きの団地であり、緑豊かな環境の中に近代的な2階建てのリンクハウスを提供し、クラブハウス及びライフスタイル施設を完備している。同プロジェクトは3期に分けて販売され、総開発値(GDV)は、180百万マレーシア・リンギットである。第1期全132戸は既に完売し、2024年第3四半期に完成する予定である。第2期全119戸のうち、70%が販売済みである。第3期は2025年に開始する予定である。
クワサ・ダマンサラのデダウン・リンバは、住宅購入者からの圧倒的な反響を受け、2024年2月に販売された。同プロジェクトは、5ベッドルームの3階建てリンクハウスが68戸、3ベッドルームの1.5階建てタウンハウスが196戸からなる全264戸の住宅ユニットとなっている。すべてのリンクハウスは完売し、タウンハウスは1日で80%の契約率を達成した。
デダウン・リンバは、クアラルンプール中心業務地区の北西に位置する先進的なタウンシップ、クワサ・ダマンサラにあるゲート・警備付きの団地である。12.7エーカーの開発敷地内は、自然の静けさに恵まれ、クラブハウス及び数々のライフスタイル施設が完備される。戦略的な立地により、複数の高速道路が相互接続し、MRT2路線が利用可能である。GDVは200百万マレーシア・リンギットと見込まれており、2027年の完成予定である。
ダナウ・プチョンは、レイク・エッジ付近のサービス付きのアパートメントである。同プロジェクトは、2000年初頭に当グループが開発したレイク・エッジの成功事例に基づいており、正式な販売開始を2024年第4四半期に予定している中、プレビュー段階で40%という好調な契約率を達成した。
ダナウ・プチョンは、ゲート・警備付きのエンクレーブで、建築面積が566平方フィートから999平方フィートの範囲で、1ベッドルーム、2ベッドルーム、3ベッドルームの間取りで428戸ある。風光明媚な湖を見下ろす3エーカーの低密度開発であり、2つのLRT駅に近く、LDPハイウェイに直接アクセスできる交通至便な立地である。同プロジェクトのGDVは、200百万マレーシア・リンギットを見込んでいる。
不動産開発-英国
当グループは、旧フィルトン飛行場において、英国最大級の開発基本計画を進めている。ブラバゾン・ブリストルは380エーカーの複合都市開発であり、当グループの英国初の不動産開発プロジェクトである。
今回受賞した賞には、ブリティッシュ・ホーム・アワーズ2023(再生計画)(British Home Awards 2023 (Regeneration Scheme))、サウス・ウェスト・ビジネス・マスターズ2023(不動産事業)(South West Business Masters 2023 (Property Business))等がある。
当該開発の更新された基本計画は、今年サウス・グロスターシャー州議会の承認を得て、開発の大幅な高度利用が可能となった。当該承認により、新たな基本計画では、最大6,500戸の住宅、学生寮、400万平方フィートの商業施設及び約100万平方フィートの教育・コミュニティ施設が建設されることになる。
当グループは、「ハンガー地区」として知られるブラバゾンで第1フェーズの工事を進めており、この地区には302戸の住宅がある。当該住宅のうち半数以上は現在引渡し及び入居が完了しており、残りは2024年末までに完成する予定である。すべてのオープンマーケット用住宅は、時期をずらして販売され、空室が発生することなくオフプランですべて完売した。
さらに、ブラバゾンにおける100戸の新しい戸建て住宅を建設する次段階が始動し、オープンマーケット用住宅に対しても同様の段階的な販売戦略が採用される予定である。最初の住宅は2024年後半に完成する予定である。
当グループは、今年、「リタイアメント・ビレッジ」229戸の承認も取得した。同開発では、最小限の介護を必要とし、公園及び市街地まで徒歩圏内に位置しており、都市コミュニティの一員として活動的に暮らしたい高齢退職者を対象としている。
1,514床の目的別学生寮(「PBSA」)計画の申請は、今年中に設計・提出され、同意を得た。ブラバゾンの既存の交通インフラを通じて英国の主要な大学キャンパスへのアクセスが良好であるため、PBSAは、高い需要が見込まれる市場に対応している。同開発は現在建設中で、第1フェーズは2026年の第3四半期、最終フェーズはその翌年の完成を目指している。
また、当グループは、グレードIIに指定された航空機格納庫である「ハンガー16U」の建設及び改修を開始し、ブラバゾンで人々が集い、活動的で持続可能な生活を推進するための新しい地域社会の中心地となるよう設計される。
主要なインフラの建設は順調に進行中で、ハンガー地区の最終フェーズへの接続を引渡時期に間に合うよう完了させることに注力している。関係当局は、YTLアリーナ・ブリストルに合わせてアップグレードされた「ブラバゾン駅」の入札を進めており、イベント開催日の夜には最大2,000人が電車でアリーナに移動できるようになる。
YTLアリーナ・ブリストルの開発は順調に進んでいる。同開発は最終段階にあり、同時に調達及び建設手法の検討も進められている。新しい電力供給施設の工事は完了し、新しい道路接続をはじめとする主要インフラ整備も進行中である。
不動産投資
当社は、シンガポール証券取引所のメインボードに上場しているスターヒル・グローバルREITに対して37.29%(2024年6月30日現在)の実効持分を保有している。
スターヒル・グローバルREITは、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、日本及び中国で小売店舗及びオフィス不動産を所有している。スターヒル・グローバルREITの運用会社であるYTLスターヒル・グローバルREITマネジメント・リミテッドは、当グループの完全子会社である。スターヒル・グローバルREITの不動産ポートフォリオには、シンガポールのニー・アン・シティ及びウィスマ・アトリアの株式、オーストラリアのデービット・ジョーンズ・ビルディング、プラザ・アーケード及びマイヤー・センター、マレーシアのスターヒル・ギャラリー及びロット10ショッピング・センター内の区画、東京のブティック型の商業施設並びに中国の商業施設が含まれる。
スターヒル・グローバルREITの不動産ポートフォリオは、2024年6月30日現在、27.6億シンガポール・ドルと査定され、昨年以降、比較的安定している。当該REITの1口あたりの配当は、前年度から4.5%低下し、当年度は0.0363シンガポール・ドルであった。
ホテル経営部門
YTLホテルズ・グループ
YTLホテルズは、ホスピタリティ業界のリーダーとしての地位をより強固なものとするため、飛躍的な前進及び卓越性に向けて継続的に取り組み、当期もYTLホテルズにとって重要な年になった。
YTLホテルズは、中国のビザなし渡航政策及びマレーシアへの航空便の増加によりレジャー及びビジネス旅行の回復が大きく後押しされ、ポートフォリオ全体の客室稼働率及び平均客室単価が一貫して増加し、堅調な収益を達成した。
YTLホテルズ・グループは、日本のニセコビレッジのモクシーホテル、クアラルンプール・チャイナタウンのモクシーホテル、イポーの既存ホテル(現在改装中で、ACホテルとしてリニューアルオープンする予定。)等、主要物件の買収及び開発といった戦略的投資を通じて成長を推進しており、これらはすべて、市場機会及び目の肥えた旅行者の進化するニーズを捉えることを目的としている。
クアラルンプールのホテルはすべて非常に好調に推移したが、特にJWマリオット・クアラルンプール、ザ・リッツ・カールトン・クアラルンプール、ザ・マジェスティック・ホテル・クアラルンプール及びホテル・ストライプス・クアラルンプールは平均客室単価が改善し、高い客室稼働率を記録した。MICE(企業等の会議、企業等の行う報奨・研修旅行、国際機関・団体、学会等が行う国際会議、展示会・見本市、イベント)部門は強い成長を示しており、複数の国際会議が決定したほか、多様な社交イベント及び結婚式も行われた。
クアラルンプール、クアンタン及びペナンのACホテルは、客室の全面改装を完了した。この改装は、優れたホスピタリティを提供し、市場での競争力を維持するという当グループの継続的な取組みの一環であり、ビジネス及びレジャー旅行者の双方に対して、より多くの市場シェアを獲得するための強固な基盤を築いている。
マレーシアのリゾートの中心地では、ステイケーションが依然として重要な収益源(SOB)となっており、英国、欧州、アジアからの旅行需要が増加している。YTLホテルズは、戦略的なホテルのアップグレードを通じて、ゲスト体験の向上に尽力している。パンコール・ラウト・リゾートでは、現在、世界有数のリゾートとしての評価にふさわしい、静かでプライベートな空間をヴィラ内に創出することを目標に改良が進められている。同プロジェクトは順調に進んでおり、2025年までに完成する予定である。
YTLホテルズ・グループのモットーである「大切な場所、大切な瞬間(Treasured Places, Treasured Moments)」は、忘れられない体験を創造することへのコミットメントを表している。YTLホテルズは、地域に根ざした文化体験、アドベンチャー・エコツーリズム、そして地元の伝統を活かした食体験を提供することで、宿泊客の満足度を高め、客室稼働率を向上させ、ブランドへの忠誠心を強化し、株主に大きな価値をもたらしている。
YTLホテルズの欧州のホテルは、ラグジュアリーホスピタリティ市場において引き続き優れた実績を上げており、卓越したゲスト体験を提供することで株主価値を高めるとともに、同市場におけるリーダーとして当グループの地位を強化し、高い客室稼働率を通じて永続的な価値を創出している。
ザ・ゲインズボロー・バース・スパは、コンデナストトラベラー誌の「2023リーダーズ・チョイス・アワード(Readers' Choice Awards)」及びミシュラン2024ガイドで高く評価され、伝統的な魅力及び現代的なエレガンスを兼ね備え、レジャー及びビジネス双方の旅行者を魅了している。
モンキーアイランド・エステートは、ラグジュアリー・ライフスタイル誌の「2023リーダーズ・アワード(2023 Readers’Awards)」で「ベスト・ブティック・ホテル(Best Boutique Hotel)」に選出され、さらに、2023年米国エリート・トラベラー誌の「ワールド・ファイネスト・スイート(World's Finest Suites)」特集でも紹介された。ロンドンのブルームズベリー地区にあるザ・アカデミー・ホテルは、歴史的な魅力及び現代的な高級感を融合させ、各宿泊客に合わせたサービスに加え、まるで我が家で過ごすような快適な雰囲気により、常に宿泊客から高い評価を得ている。
スレッドニードルズ・ホテルは、印象的なステンドグラスのドーム及びロンドンの大手金融機関に近接する戦略的な立地を誇り、法人客及びレジャー客の両方にユニークで記憶に残る滞在を提供している。一流のラグジュアリーホテルであるザ・グラスハウス・エディンバラは、エディンバラの活況な観光市場を活用して、優れた業績及び高い財務収益を達成した。ザ・ハーグ・マリオットは、ゲスト体験の向上、持続可能性及びデジタル変革に注力し、顕著な成長を遂げ、力強い財務パフォーマンスを示した。
YTLホテルズのニセコビレッジは、東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ、ヒルトン・ニセコビレッジ、ザ・グリーンリーフ・ニセコビレッジ、ヒノデヒルズ・ニセコビレッジ、カサラニセコビレッジ・タウンハウス等の一連のホテルで知られ、目覚ましい業績及び成長を続けている。当グループは、革新的な利便性及び世界クラスのサービスを通じてゲスト体験を向上させることに取り組んでおり、多様な常連客を魅了している。
新たにオープン予定のスキーイン/スキーアウトが可能なモクシーホテルは、シックかつモダン、そしてエッジの効いた個性を持ち、ニセコビレッジに新鮮でエネルギッシュな雰囲気をもたらし、新しい世代のゲストを惹きつけることが期待される。さらに、ニセコ世は、洗練されたエレガンスを体現し、上質なショッピング、世界各国のレストラン、活気に満ちたナイトライフを特徴とすることで、ハイエンド旅行者への魅力を高め、YTLホテルズの戦略的ビジョンであるポートフォリオの多様化及びより幅広い市場への対応を反映している。
最近の受賞歴には、ワールド・スキー・アワード2023の「ワールド・ベスト・スキーリゾート(World’s Best Ski Resort)」、トラベル+レジャー誌、ラグジュアリー・ライフスタイル・アワードからの評価等があり、YTLホテルズの卓越性へのコミットメントを裏付けている。これらの受賞は、革新的なプロジェクトとともに、持続的な成長及び高い客室稼働率を促進し、強固な財務収益につながっている。
タイのザ・スリン・プーケットは、卓越したサービス及び環境への取組みが際立っており、市場での魅力を高めている。同リゾートの高いブランド評価、高い客室稼働率、そしてゲストの満足度を重視する姿勢が、その大きな成長ポテンシャルにつながっている。
タイのザ・リッツ・カールトン、コ・サムイは、豪華さと卓越したサービスを象徴している。コンデナスト・トラベラー誌の「2023リーダーズ・チョイス・アワード(Traveller Readers' Choice Award)」及びフォーブス誌の「2024トラベル・ガイド・ファイブ-スター・アワード(Travel Guide Five-Star Award)」等の受賞は、同リゾートの素晴らしさ及び魅力を際立たせている。その強力なブランドプレゼンス及び高い客室稼働率により、ラグジュアリートラベル部門の大きな収益及び継続的な成長が確保されている。
2024年6月30日に終了した会計年度において、YTLホテルズは、世界的な困難にもかかわらず、卓越した回復力及び革新性を発揮し、顕著な成長及び成功を達成した。ゲスト中心の体験を優先することで、当グループは、唯一無二の文化探訪、冒険的なアクティビティ、美食体験を通じて、ゲストのロイヤルティを高め、卓越性の評価をさらに強化した。物件の買収、開発及びデジタル変革への戦略的投資により、YTLホテルズはホスピタリティ業界での主導的地位を維持している。当グループは、比類のないゲストの体験に注力し、革新性及び持続可能性への取組みを活用することで、投資家に長期的な価値を提供する態勢を整えている。
YTL REIT
当年度のYTL REITの投資ポートフォリオは、5,281.9百万マレーシア・リンギットであり、前年度の4,953.0百万マレーシア・リンギットと比較して328.9百万マレーシア・リンギット(6.6%)増加した。これは、ポートフォリオ内のその他の資産の微増に加え、2023年10月31日にホテル・ストライプス・クアラルンプール、2024年4月8日にイポー・ホテルを取得したこと、そしてシドニー・ハーバー・マリオットの評価額が増加したことによるものである。YTL REITの1口あたりの純資産価値は、前年度の1.706マレーシア・リンギットに対し、当年度は1.746マレーシア・リンギットに増加した。
マレーシアのポートフォリオ
YTL REITは、マレーシアのポートフォリオについて定期建物賃貸借契約を維持しており、この収益構造から生み出される安定した収益を享受している。YTL REITの国内ポートフォリオは、JWマリオット・ホテル・クアラルンプール、ザ・リッツ・カールトン・ホテル&スイートウィングス、ザ・マジェスティック・ホテル・クアラルンプール、パンコール・ラウト・リゾート、タンジョン・ジャラ・リゾート、キャメロン・ハイランズ・リゾート、ホテル・ストライプス・クアラルンプール、イポー・ホテル並びにクアラルンプール、クアンタン及びペナンのACホテルで構成されている。
当年度は、消費者信頼感の改善に伴い、マレーシアへの観光客数が大幅に増加し、同国の観光部門の力強い回復が反映された。この成長は、主に中国の海外旅行制限の緩和によって後押しされた。その結果、観光活動の回復により、YTL REITのマレーシア国内の全ホテルで宿泊者数が顕著に増加した。
国際ポートフォリオ-日本
YTL REITの日本におけるポートフォリオは、北海道のヒルトンニセコビレッジ及びザ・グリーン・リーフで構成され、当該ホテルは、定期建物賃貸借契約に基づき運営されているため、YTL REITには安定した収益が確保されている。また、当グループは、北海道に新設するホテル、モクシー・ニセコの開発にも取り組んでいる。
ニセコ地域を含む日本の観光産業は、訪日客の増加及び有利な為替相場により、大幅な改善を続けている。北米及び東南アジアを中心に、海外からのゲスト数が増加している。外国人観光客の急増により、YTL REITの日本国内の全ホテルにおいて客室稼働率が上昇している。
国際ポートフォリオ-オーストラリア
YTL REITのオーストラリアにおけるポートフォリオは、シドニー・ハーバー・マリオット、ブリスベン・マリオット及びメルボルン・マリオットで構成される。YTL REITは、当該ホテルの運営により様々な収入源から利益を得ている。
オーストラリアの観光産業は、当年度において国内外からの観光客が一貫して増加し、著しい成長を遂げた。オーストラリアへの海外渡航者は、中国の国境再開に伴い、オーストラリアが中国の承認目的地ステータス制度に再び含まれたことで大幅に回復した。さらに、パンデミック後に最初に回復した国内旅行需要は、物価上昇圧力にもかかわらず、回復力を維持している。
シドニー・ハーバー・マリオットは、年間を通して多くの人が集まる娯楽・スポーツイベントが開催され、海外からの入国者数が増加したことにより、当年度の客室稼働率が大幅に上昇した。
同様に、メルボルン・マリオットも、主に好調なイベントカレンダーに起因する需要の増加により客室稼働率が上昇した。
ブリスベン・マリオットは、当年度において、国内外の訪問者が一貫して増加したことに後押しされ、客室稼働率が上昇した。
運用サービス部門及びその他
ERL
ERLは、乗客の旅行体験を向上させ、スムーズな旅行を実現するためにサービスの改善を続けることにより、旅行のあらゆる側面が合理性及び利便性を確保し、乗客に一貫して快適かつ効率的な体験を提供している。
マレーシア政府及びERLは、2024年1月23日に補足コンセッション契約を締結した。ERLは、2029年から2059年までの30年間の延長を認められ、施設及びサービスを改善するための投資を計画し実施することができる。
当該補足コンセッション契約に基づき、ERLは、国民、政府及びERLに有益となる市場主導型の運賃体系を導入する。2024年1月23日に調印式が開催され、YBトゥアン・アンソニー・ローク運輸大臣が立会人として出席した。
ERLは、継続的なサービス向上に留まらず、デジタルマーケティングを活用して、より幅広くかつターゲットを絞ったオーディエンスにリーチすることで、適切なサービスを提供している。このアプローチにより、測定可能な結果及びコスト効率が得られるだけでなく、ERLのブランド認知度を高め、最終的には顧客関係も強化される。
ERLは、市場開発、戦術的プロモーション、企業間電子商取引(B2B)切符販売のパートナーと引き続き協力し、販売チャンネルの拡大に取り組んでいる。また、顧客がERLの周辺にいる際の体験をさらに充実させるための付随的な活動にも注力している。さらに、ERLは、政府のカーボンゼロを達成するという目標に沿って、持続可能性への取組みを開始している。
KLセントラル駅のインタウンチェックイン及び手荷物預入施設は、パンデミックの影響で一時閉鎖されていたが、2023年9月に再開された。再開の目的は、航空旅客に利便性、時間短縮のメリット、空港に荷物なしで到着できる快適さを提供することである。マレーシア航空が最初にカウンターを開設し、その後、バティック・エア及びキャセイパシフィック航空も続いた。ERLはセルフサービスのチェックイン機も設置しており、現在はKLMオランダ航空、エチオピア航空、バティック・エア、マレーシア航空の4つの航空会社が利用できる。
ERLは、KLIAエクスプレス及びKLIAトランジットの切符の販売チャンネルを、世界中の航空会社、オンライン旅行代理店、電子ウォレットプロバイダー、旅行アグリゲーター、電子商取引、卸売プラットフォーム等、さまざまなセグメントで引き続き拡大している。これらのパートナーシップにより、ERLはパートナーのプラットフォーム及びコミュニケーションチャンネルを通じて、より効果的に幅広いオーディエンスにリーチすることが可能になり、B2Bパートナーシップによる乗客数は、前年と比較して100%以上増加し、現在さまざまなセグメントにおいて40のアクティブパートナーと連携している。
サウジアラビア政府からメッカ・メトロ(Al Mashaaer Al Mugaddassah Metro)の運営を委託されている鉄道運営会社、中国鉄建股份有限公司(CRCC)サウジアラビアは、2024年までの3年間、メッカ・メトロの運営をサポートするため、熟練した経験豊富な運営スタッフを提供するよう、再びERLに要請した。2024年のハッジ・シーズン[訳注:イスラム教徒がサウジアラビアの聖地メッカに集う大巡礼]は、ERLがメッカ・メトロに運営支援を提供して11年目となった。
YTLデータセンター
YTLグリーン・データセンター・パーク
当グループは、ジョホール州クーライに最大500メガワットの容量を持つYTLグリーン・データセンター・パークの開発に着手した。これは再生可能な太陽光エネルギーを利用して電力を供給する、マレーシア初のデータセンター・キャンパスである。これまで当グループは、コロケーターとしてシー・リミテッドと提携し、世界有数のグリーン施設を確立する。その第1フェーズは、当年度中に稼働を開始した。別のフェーズはハイパースケーラーである顧客と契約しており、同パークのその後のフェーズは段階的に展開される予定である。
YTLグリーン・データセンター・パークのその後のフェーズは順調に進んでおり、計画されたスケジュール従い完成する予定である。
YTL AIクラウド
2023年12月8日、YTLパワーはエヌビディア・コーポレーション(「NVIDIA」)のジェンス・フアン創業者兼最高経営責任者とマレーシアのYABダト・スリ・アンワル・ビン・イブラヒム首相との会談において、AIインフラの構築のためのNVIDIAとの提携を発表した。
2024年3月18日、YTLパワーは、大規模GPUベースの加速コンピューティングの専門プロバイダーであるYTL AIクラウドの設立を発表し、NVIDIAのグレース・ブラックウェル(Grace Blackwell)搭載DGXクラウド(生成AI開発を加速するAIスーパーコンピューター)上に、世界最先端のスーパーコンピューターの1つを展開し、管理することも明らかにした。
YTL AIスーパーコンピューターはYTLグリーン・データセンター・パークに設置され、AI/MLワークロード向けの拡張性が高く高性能のクラウドベースのソリューションに対する需要に対応する。また、同パークはジョホール州に位置することで、隣国シンガポールにある世界で最も高密度なネットワーク相互接続ポイントから50キロメートル圏内になる。
デジタルバンキング
2022年4月、当グループは、シー・リミテッドとコンソーシアムを組み、マレーシア銀行からデジタルバンキングのライセンスを取得し、業務開始に向けた準備を進めている。デジタルバンクは、2024年第4四半期に運用を開始する予定である。
当該新事業は、当グループとシー・リミテッドとの複合的なシナジーを活用するものであり、当該事業により当グループはマレーシアのデジタル変革の成長にさらに貢献するとともに、国民(特に銀行サービスへのアクセスが不十分な人々及び銀行口座を持たない人々並びに中小企業・小規模事業者)の金融サービスへのアクセス拡大が可能となる。
APCO
YTLパワーが45%の株式を保有するAPCOは、ヨルダンにおいて、554メガワットの山元シェールオイル火力発電プロジェクトを展開している。APCOは、ヨルダンの国有公共事業会社である国営電力会社(「NEPCO」)との間で、発電所の電気容量及びエネルギー全体について、NEPCOが契約期間を(プロジェクトの第2基の設備の商用運転開始日から)40年に延長する選択権付きの30年間の電力売買契約を締結した。前年度にプロジェクトが無事商業運転を開始した後、APCOは当年度も引き続き好調な業績を維持した。
ジャワ・パワー
当グループは、インドネシアのジャワ島に1,220メガワットの石炭火力発電所を保有するPTジャワ・パワーに、20%の実質的な持分を有している。PTジャワ・パワーは、30年間の電力売買契約に基づき、インドネシアの国有公共事業会社であるPLNに対して電力を供給している。YTLパワーの子会社であるPTワイ・ティー・エル・ジャワ・ティムールは、30年契約に基づき、同発電所の運営管理を行っている。PTジャワ・パワーの業績は、当年度も安定して推移した。
資金の流動性及び資本の財源については、「(1)業績等の概要」及び「第6 1 財務書類 (7)財務書類に対する注記」を参照のこと。
(1) 当年度当初から本報告書の日付までの間に当社と他企業との合併又は合併の契約はなかった。
(2) 当年度当初から本報告書の日付までの間に、当社の事業に重大な影響を与えるような、当社による事業の全部又は重要な部分の譲渡、又は他企業の事業の全部又は大部分の取得はなく、また、当該期間中、当社は上記に関連する契約は一切締結しなかった。
(3) 当社の事業の全部又は重要な一部分を賃貸若しくは預託する契約、別の当事者と当社の営業利益及び損失を共有する契約、若しくは当社の事業に重大な影響を与える技術協力若しくはこれに類する契約の締結はなかった。
該当なし。