当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、1923年12月に印刷用インキの製造・販売からスタートし、各種プラスチック着色剤や機能性製品、特殊な成形加工技術を駆使した樹脂加工品へと事業範囲を拡大しながら、暮らしの中でなくてはならない製品を提供し続けております。パーパス(存在意義)として『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』、ビジョン(企業理念)として「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する。」、ミッション(目指すべき企業像)として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業。」を掲げ、日々活動しております。また、従業員のバリュー(行動指針)として、「挑戦し続ける」、「イノベーションで価値を創造する」、「共に成長する」を掲げております。
当社グループのパーパス(存在意義)には、印刷物やプラスチック容器等を通して、人と人との間をつなぎ、「伝える」ことで暮らしに貢献する、多種多様な色材の提供により、身の回りを「彩る」ことで生活を豊かにする、バイオマス製品や様々な機能性製品および防災・減災用途に使用される土木資材等の提供により、地球や生活を「守る」ことで社会に貢献するという想いを込めております。
パーパス(存在意義)とバリュー(行動指針)の浸透を推し進めることで、新たな価値を創造できる人材を創出し、マインドの醸成を図り、高効率で安定した企業基盤構築を目指してまいります。また、製品・サービスを通じて持続可能な価値を提供し、環境・社会と共存共栄できる企業経営を推進してまいります。
(2)経営環境
2024年度のわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、米国の政権交代による政策動向の変化が各国の政治、経済に及ぼす影響は現時点では不透明であり、為替相場の変動や不安定な国際情勢の継続等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
また、近年のデジタル技術の急速な進化により行動様式に変化が見られることで、商業・出版印刷のデジタル化へのシフトが加速していることや、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れが加速していることにより、当社グループ製品の需要動向全体に影響が及んでおり、環境規制等による原材料の供給面等にも影響が生じております。
現在の地球環境やライフスタイルの変化に対応し、これからも人々の生活の質の向上・充実のための「伝える」製品、「彩る」製品および地球環境保全や気候変動、食品ロスなどの社会課題を解決するための「守る」製品を提供し続けることで、2030年に目指す姿である「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」の実現を目指してまいります。
(3)経営戦略および優先的に対処すべき課題
①長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」
当社グループは、2023年12月に創立100周年を迎えたタイミングに、2030年に目指す姿として「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」を掲げた長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定いたしました。その際、当社グループは、これからの持続可能な社会のために何ができるのかを問い直し、パーパス(存在意義)を明文化いたしました。
パーパス(存在意義)『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』
長期ビジョンの実現に向け、当社グループは、優先的に対処すべき課題として、マテリアリティ(重要課題)を決定し、その達成のためのアプローチを下記のとおり設定しております。
詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。
https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/
具体的な施策や指標については、期間中の中期経営計画の中で決定し推進してまいります。
②営業利益とROE推移
中期経営計画「TOKYOink 2020」(2016年度から2021年度の6カ年計画)および中期経営計画「TOKYOink2024」(2022年度から2024年度の3カ年計画)の期間において、加工品事業における防災・減災用途は堅調に推移するも、インキ事業におけるオフセット印刷市場の縮小、化成品事業における着色用途の減少、新型コロナウイルス感染症の影響や原材料価格上昇の影響等により、2019年度から2022年度の間、営業利益は低調に推移いたしましたが、2023年度以降は製品販売価格改定の進捗と高付加価値製品の伸長により回復してきております。
(単位:百万円)
棒グラフ:営業利益 折線グラフ:自己資本利益率(ROE)
③中期経営計画「TOKYOink 2027」策定
前中期経営計画「TOKYOink 2024」の結果を踏まえ、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」実現に向け、「変革の実践」と位置付けた、2025年度を初年度とする3カ年計画である中期経営計画「TOKYOink 2027」を策定いたしました。高付加価値品への製品ポートフォリオのシフト、高効率化による収益性の向上により、目標達成を目指してまいります。
|
経営目標 |
単位 |
2024年度実績 |
2027年度目標 |
2030年度目標 |
|
売上高 |
百万円 |
46,806 |
48,000 |
50,000 |
|
営業利益 |
百万円 |
1,309 |
2,000 |
2,800 |
|
当期純利益 |
百万円 |
1,180 |
1,500 |
2,000 |
|
自己資本利益率(ROE) |
% |
4.0 |
5.5 |
8.0 |
|
総資産 |
百万円 |
50,832 |
50,000 |
50,000 |
|
自己資本 |
百万円 |
29,630 |
27,000 |
25,000 |
|
自己資本比率 |
% |
58.3 |
54.0 |
50.0 |
インキ事業 化成品事業 加工品事業(単位:百万円)
|
収益計画 |
・製品絞り込み(収益の見込めない製品の見直し) ⇒各事業内製品の収益性を見極めながら整理を実施 ・市場ニーズに合わせた付加価値の高い製品開発(サステナブル対応製品など) ・既存事業内の成長分野への投資拡大 ⇒成長の見込める加工品事業への積極投資の実施 ・原材料、エネルギー等のコスト上昇分の価格転嫁の推進 ・省力化、自動化による業務効率化促進 |
|
資本政策 財務戦略 |
・株主資本の活用を最大化 資産効率を重視したキャッシュの創出 政策保有株式の縮減 債権流動化、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の改善 ・強固な財務基盤の確保 成長戦略に基づく投資資金計画立案(創出したキャッシュ及び有利子負債の活用) ⇒R&D・M&A等の大型投資に対する機動的な資金調達 ・株主還元の充実 配当性向40%以上またはDOE1.0%以上 株主還元総額30億円(2025年3月期から2028年3月期までの期間において、 配当25億円、自己株式取得5億円) ※2025年3月期実績 配当4.9億円(予定)、自己株式取得2.1億円 株式分割の検討(流動性向上) |
イ.事業ポートフォリオ変革
既存事業内での高付加価値製品、サステナブル対応製品の構成比アップ、周辺領域探索による事業領域拡大、生産体制の再構築、効率化・自動化の推進による高収益化、新規事業探索から新たな事業の創出等の取り組みを進めてまいります。
ロ.主要3事業の戦略と目標
インキ事業
オフセットインキでの選択と集中による利益の最大化、グラビアインキ、インクジェットインクでの機能性製品の伸長により事業内のポートフォリオを変革し、利益拡大を目指してまいります。
|
オフセットインキ オフセット輪転インキ その他 |
選択と集中による利益の最大化 |
|
グラビアインキ 機能性製品・汎用製品・ 医薬包装製品 |
機能性製品を軸とした事業規模の拡大 |
|
インクジェットインク 受託製品・自社製品 |
受託・自社製品両輪での利益拡大 |
(単位:百万円)
|
|
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2027年度 イメージ |
|
売上高 |
13,197 |
14,026 |
14,529 |
16,341 |
16,600 |
|
セグメント利益又は損失(△) |
△186 |
△673 |
288 |
563 |
870 |
化成品事業
機能性包材用途を中心とした自社製品の販売強化とASEAN地域での販売促進により収益力改善を目指してまいります。
|
自社製品 マスターバッチ コンパウンド |
自社製品比率の拡大と注力分野への取り組み強化 (モビリティ、情報通信、デジタルデバイス他) |
|
受託製品 マスターバッチ コンパウンド |
製品構成の見直しと生産効率化 |
|
海外(タイ) |
ASEAN地域における販売推進 |
(単位:百万円)
|
|
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2027年度 イメージ |
|
売上高 |
20,243 |
21,283 |
21,350 |
22,549 |
22,800 |
|
セグメント利益 |
712 |
419 |
190 |
605 |
650 |
加工品事業
市場成長が期待される土木資材の事業規模の拡大を軸に、ネトロン®、一軸延伸フィルム、農業資材における高機能製品開発・拡販により収益拡大を目指してまいります。
|
ネトロン®工材・包材 |
既存製品の収益向上と新規市場開拓 |
|
一軸延伸フィルム |
食品包装および産業用途展開による収益拡大 |
|
土木資材 |
ジオセル販売の加速 |
|
農業資材 |
エナジーシリーズ販売拡大(エナジーキーパー®、エナジークロス®) |
(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。
(単位:百万円)
|
|
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2027年度 イメージ |
|
売上高 |
7,871 |
8,014 |
7,953 |
7,825 |
8,500 |
|
セグメント利益 |
352 |
524 |
516 |
335 |
670 |
サステナブル対応製品
環境負荷低減、社会課題解決に寄与できる高付加価値製品であるサステナブル対応製品の伸長により収益拡大を目指してまいります。
|
|
2024年度実績 |
2027年度イメージ |
2030年度目標 |
|
サステナブル対応製品売上高比率 |
23.8% |
30~40% |
50% |
※対象組織:当社
サステナブル対応製品定義
・バイオマス素材の積極的な採用や、生分解、リサイクルに対応した設計を盛り込んだ、環境に配慮した製品
・従来型の工法ではなく、環境に配慮した工法に向けた製品
・人々の生活や財産を守り、社会課題の積極的な解決に貢献する製品
ハ.資本政策・財務戦略
ニ.サステナビリティへの取り組み
E(環境)
気候変動対応を重要な社会的責任と捉え、温室効果ガス排出量の削減を実施いたします。
|
|
2024年度実績 |
2027年度イメージ |
2030年度目標 |
|
温室効果ガス排出量削減率 (対2013年度 Scope1、2)※ |
△24.1% |
△40.0% |
△50.0% |
※対象組織:当社国内グループ
S(社会)
人権と人的資本
パーパスの浸透と多様性の確保により、人的資本を高めるよう努めてまいります。
|
|
2024年度実績 |
2027年度目標 |
2030年度目標 |
|
パーパス理解度 |
46.1% |
70% |
80% |
|
バリュー評価達成率 |
65.6% |
80% |
90% |
|
エンゲージメントスコア(満足度) |
5.9(10点中) |
7.0(同) |
8.0(同) |
|
女性管理職比率 |
2.1% |
10% |
20% |
|
中途採用管理職比率 |
18.6% |
25% |
30% |
|
教育研修費(年/人) |
31,920円 |
40,000円 |
40,000円以上 |
※対象組織:当社
健康経営
活気ある職場作りに向け、従業員の健康への取り組みを実施いたします。
|
|
2024年度実績 |
目標 |
|
定期健康診断受診率 |
100.0% |
100% |
|
喫煙率 |
27.8% |
20% |
|
適正体重者比率 |
63.0% |
70% |
|
高ストレス者比率 |
16.7% |
12% |
|
平均年次有給休暇取得率 |
71.2% |
80% |
※対象組織:当社
労働安全衛生
従業員を守るための安全・安心な職場の実現を目指してまいります。
|
|
2024年度実績 |
目標 |
|
強度率 |
0.02 |
0 |
|
度数率 |
0.67 |
0 |
※対象組織:連結
強度率:延べ実労働時間1,000時間当たりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表す指標。
度数率:延べ実労働時間100万時間当たりの労働災害による死傷者数で災害発生の頻度を表す指標。
社会貢献活動
社会貢献活動を通じて、地域社会との関係構築や従業員育成を図ってまいります。
|
|
2024年度実績 |
目標(年) |
|
活動参加延べ人数 |
2,210人 |
2,500人 |
※対象組織:連結
G(ガバナンス)
ガバナンス体制の強化
企業価値の向上、競争力の強化に向けて、ガバナンス体制を強化してまいります。
ホ.モニタリング体制とKPIマネジメント
詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。
中期経営計画「TOKYOink 2027」掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/ir/management/mid-termplan/
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社グループは持続可能な社会(サステナビリティ)実現に向けて、社会課題解決を通じた貢献を念頭に、事業活動を進めております。また、当社グループの企業活動を持続可能なものとするためには、社会からの信頼の獲得・向上が不可欠であります。社会と当社グループの持続可能性の実現に向けて、サステナブル対応製品やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示、地域社会への貢献、多様な働き方の実現に向けた活動等に取り組んでおります。
(2)マテリアリティ(重要課題)
長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」では、パーパス(存在意義)と共に地球環境や人権尊重など持続可能な社会(サステナビリティ)のメガトレンドとリスク・機会を踏まえ、「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」という2030年に目指す姿(長期ビジョン)からのバックキャストにより、マテリアリティ(重要課題)を4つに集約いたしました。気候変動に関連するものはマテリアリティ1および2、人的資本に関連するものはマテリアリティ4になっております。
(3)ガバナンス
当社グループは、持続可能な社会(サステナビリティ)実現に向け、実行力を高める目的で、代表取締役社長を最高責任者とし、サステナビリティ経営推進委員会において、サステナビリティ関連のリスク・機会への対応に関する審議や、関連取り組みの進捗状況の確認を行い、取締役会へ報告しております。
取締役会は代表取締役社長を通じ、サステナビリティ経営推進委員会の監督や意思決定を行っております。また、経営会議へ同委員会の審議内容を連携することで、サステナビリティ関連のリスク・機会を踏まえた全社的な経営計画・事業戦略の検討や、社内各部門・子会社等の計画策定・取り組み推進を実行いたします。
リスク・コンプライアンス委員会につきましては、下記「(4)リスク管理」に記載のとおりであります。環境・安全委員会はサステナビリティ経営推進委員会との連携の下、温室効果ガス排出量削減や安全衛生に関する取り組みの審議や、関連取り組みの進捗状況の確認を担当いたします。
体制図
関連会議体と役割
|
実施事項 |
会議体 |
サステナビリティに関する主な役割 |
|
サステナビリティ関連の監督・審議 |
取締役会 (議長:代表取締役社長 / 月1回以上開催) |
・サステナビリティ経営推進委員会の監督・指示 ・サステナビリティ関連の審議・進捗状況の確認 |
|
サステナビリティ経営推進委員会 (委員長:代表取締役社長 /年4回開催) |
・サステナビリティ関連のリスク・機会への対応に関する審議 ・下記の具体的対応・取り組みに関する審議、進捗確認 □サステナブル対応製品検討 □TCFD対応(気候変動リスク対応含む) □地域・社会貢献活動 □サプライチェーンマネジメント □人的資本 ・取締役会への報告 |
|
|
連携先 |
経営会議 (議長:代表取締役社長 / 月2回開催) |
・サステナビリティ関連のリスク・機会を踏まえた全社的な経営計画・事業戦略の検討 ・社内各部門・子会社等の計画策定・取り組み推進の指示 |
|
連絡先 |
リスク・コンプライアン ス委員会※ (委員長:取締役管理部門長 /年5回開催) |
※下記「(4)リスク管理」および「 |
|
環境・安全委員会 (委員長:取締役生産・技術部門管掌 / 年4回開催) |
・下記の具体的取り組みに関する審議、進捗確認 □安全衛生活動 □省エネ活動推進 □温室効果ガス排出量算定 □再生可能エネルギー導入検討 ・サステナビリティ経営推進委員会との連携 |
※当委員会は、2024年4月1日にリスク管理委員会およびコンプライアンス委員会が統合・新設されたものであり、統合前の両委員会を各1回開催しております。また、当連結会計年度末日翌日以降有価証券報告書提出日以前に、2024年度の委員会活動総括として当委員会を1回開催しております。
(4)リスク管理
サステナビリティ経営推進委員会が審議・検討したサステナビリティ関連のリスク・機会に関する内容は、当社グループの全社的リスク管理体制を推進するリスク・コンプライアンス委員会へ連携いたします。サステナビリティに関するリスク・機会のうち、経営に影響を与える可能性のあるリスクについては、リスク・コンプライアンス委員会においてアセスメントの候補とし、重要度を評価いたします。また、各リスクオーナーがリスク低減に向けた活動を推進した結果のモニタリング等を行います。
リスク・コンプライアンス委員会の管理対象のうち、サステナビリティに関するリスク・機会と関連するリスクの状況については、取締役会に報告後、サステナビリティ経営推進委員会へ連携いたします。
リスク・コンプライアンス委員会を中心とした全社的リスク管理の詳細は、「
(5)戦略
①気候変動への対応
気候変動への対応は、長期ビジョンのマテリアリティ(重要課題)「2.環境・社会と共存共栄する企業経営の推進」における取り組みのひとつとして位置付けており、2050年のカーボンニュートラル実現を目標に、再生可能エネルギーの有効活用、生産エネルギーの低減、省エネ設備の積極的導入を通じ、脱炭素社会・循環型社会への貢献を進めております。
イ.気候変動に関するリスク・機会
当社グループの事業に及ぼす1.5℃シナリオおよび4℃シナリオ下の気候変動に関連するリスク・機会について、前年度に特定しました財務的影響に関する定性分析および対応策の検討結果は、下記のとおりであります。
(前提)
|
主な使用 シナリオ |
1.5℃:IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario、IPCC 第6次報告書 SSP1-1.9(※) 4℃ : IEA Stated Policy Scenario (STEPS)、IPCC 第5次報告書 RCP8.5、IPCC 第6次報告書 SSP1-2.6、同・SSP5-8.5 |
|
分析対象期間 |
短期(2025年)、中期(2030年)、長期(2050年) |
※該当するシナリオが無い場合は、2℃未満シナリオ(IEA Sustainable Development Scenario、 IPCC 第5次報告書 RCP2.6、IPCC 第6次報告書 SSP1-2.6)等で代替
|
リスク/機会 |
概要 |
影響する事業 |
シナリオ |
財務的影響 |
対応策 |
||
|
中期 |
長期 |
||||||
|
移行リスク |
政策・法的 |
温室効果ガス排出削減の強化 |
全般 |
1.5℃ |
大 |
大 |
・再生可能エネルギーの有効活用 ・生産エネルギーの低減 ・省エネ設備の積極的導入 ・製品販売価格への転嫁 |
|
炭素税導入に伴う操業コスト増加 |
全般 |
1.5℃ |
大 |
大 |
|||
|
技術 |
工場エネルギー源の低炭素化、および設備投資 |
全般 |
1.5℃ |
中 |
中 |
・再生可能エネルギーの有効活用 ・生産エネルギーの低減 ・省エネ設備の積極的導入 |
|
|
技術 |
原料・製品の輸送手段(トラック・船舶・航空など)の低炭素化 |
全般 |
1.5℃ |
中 |
大 |
・物流業界の低炭素化動向のモニタリング ・モニタリング結果に沿った低炭素化に繋がる輸送手段検討 |
|
|
デジタル社会への移行による印刷需要の低下 |
インキ |
1.5℃ |
中 |
大 |
・関連情報・市場のモニタリング ・事業内ポートフォリオ見直し |
||
|
市場 |
原油価格の上昇 |
全般 |
4℃ |
大 |
大 |
・原材料としての原油へ依存度の低下(バイオマス原料の活用等) |
|
|
電力価格の上昇 |
全般 |
1.5℃ |
大 |
中 |
・自社発電割合の増加(太陽光発電設備導入等) ・自社工場・施設における節電意識の醸成 ・電化設備の高効率化による消費電力の低減(照明、空調設備の高効率タイプへの更新等) |
||
|
取引先からの環境負荷低減の要請 |
全般 |
1.5℃ |
中 |
大 |
・取引先の調達ポリシーの調査 ・環境負荷の低い製品の開発 |
||
|
リスク/機会 |
概要 |
影響する事業 |
シナリオ |
財務的影響 |
対応策 |
||
|
移行リスク |
評判 |
気候変動対策の遅れに伴うステークホルダーの信頼失墜、ブランド力低下 |
全般 |
1.5℃ |
小 |
小 |
・気候変動関連の法令改正や業界団体の方針等のモニタリング ・積極的な気候変動推進と情報開示 |
|
若い世代の気候変動への危機感の上昇による人材獲得競争での遅れ、およびGX人材の不足 |
全般 |
1.5℃ |
中 |
中 |
・若い世代の意識に関するモニタリング ・環境取り組みに関する広報活動の強化 ・採用活動を通じて、環境取り組みをアピール |
||
|
物理的リスク |
急性 |
風水害による工場・営業所への影響 |
全般 |
4℃ |
大 |
大 |
・主要拠点の水災リスク評価 ・代替生産可能な体制構築に向けた拠点の分散、特定の製品製造拠点の分散およびグループ全体のBCP(事業継続計画)の継続・推進 ・建物および重要設備の止水対策 |
|
風水害によるサプライチェーン(上流)途絶 |
全般 |
4℃ |
中 |
中 |
・サプライチェーンを通じたBCPの構築 ・リスクの高いサプライヤーの代替調達方法の検討 |
||
|
水使用制限による事業活動の制限 |
全般 |
4℃ |
小 |
中 |
・水ストレスの状況調査の実施・継続 ・各工場における水リスク評価の実施 ・製品製造過程での水の循環使用 |
||
|
リスク/機会 |
概要 |
影響する事業 |
シナリオ |
財務的影響 |
対応策 |
||
|
物理的リスク |
慢性 |
海面上昇による沿岸部工場・営業所への影響 |
全般 |
4℃ |
中 |
中 |
・主要拠点の水災リスク評価 ・代替生産可能な体制構築に向けた拠点の分散、特定の製品製造拠点の分散およびグループ全体のBCP(事業継続計画)の継続・推進 ・建物および重要設備の止水対策 |
|
気温上昇による空調や温度管理の費用の増加 |
全般 |
4℃ |
小 |
中 |
・高効率な空調設備への入れ替え |
||
|
機会 |
市場 |
紙製包装容器の普及によるインキ需要の増加 |
インキ |
1.5℃ |
中 |
中 |
・関連情報・市場のモニタリング ・市場要求を満たす製品開発 |
|
自動車(EV車)需要増加に伴う製品需要増加 |
化成品 |
1.5℃ |
小 |
大 |
・製品需要のモニタリング ・市場要求を満たす製品開発 |
||
|
食品包装容器への機能性付与 |
化成品 |
1.5℃ |
中 |
中 |
・製品需要のモニタリング ・市場要求を満たす製品開発 |
||
|
市場 |
災害復旧・防災用途の土木資材の需要増加 |
加工品 |
4℃ |
中 |
大 |
・A-PLAT等によるデータ、動向をモニタリング ・現工法のNETIS登録推進、市場要求を満たす新工法開発
A-PLAT:気候変動適応情報プラッ トフォーム NETIS:国土交通省新技術情報提 供システム |
|
|
慢性 |
気候変動への適応機能を付与する技術の需要増加 |
加工品 |
4℃ |
小 |
中 |
・気候変動による災害被害や、適応機能の需要をモニタリング ・モニタリング結果に対応する製品開発 |
|
ロ.財務的影響に関する定量分析対象の選定
気候変動に関連するリスク・機会の内、当社国内グループとして重要度が高いと評価しました下記について、財務的影響の定量分析を実施いたしました。
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リスク/機会
|
シナリオ分析 |
|
移行リスク (政策・法的)
|
温室効果ガス排出削減・炭素税導入に伴う操業コストの増加による財務影響 |
|
物理的リスク (急性)
|
風水害による工場・営業所への財務影響 |
ハ.財務的影響に関する定量分析結果
a.移行リスク:温室効果ガス排出削減・炭素税導入に伴う操業コストの増加による財務影響
中期:2030年、長期:2050年
|
分析内容
|
当社グループにおいて、1.5℃シナリオにおける温室効果ガス排出量の将来の変化および将来炭素税が導入された場合の財務影響を分析 |
|
分析対象
|
当社国内グループにおける電力・化石燃料使用量を対象 |
|
分析の前提条件
|
*算定の考え方 当社グループにおいて、将来の排出削減目標(中期:温室効果ガス排出量2013年度比50%削減(Scope1・2)、長期:カーボンニュートラル実現)を踏まえ、省エネルギーや再生可能エネルギー対策を講じた場合、外部専門家からの提供資料やIEA(国際エネルギー機関)の公開資料等に基づき算定
*参照データ ・分析に使用したシナリオ:IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario ・炭素税等のデータ:IEA World Energy Outlook 2024
*炭素税 日本における温室効果ガス排出量1トン当たりの炭素税を、中期19,669円、長期で35,123円と仮定 |
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分析結果
|
・2024年3月期と比べ、温室効果ガス排出量の将来の変化については、通常電力の排出係数低下と電力単価の低下による影響により、中長期とも約1~2億円コスト削減見込み
・シナリオでの炭素税導入の影響については、Scope3・カテゴリー1の原材料調達が大部分を占めるため、販売先への価格転嫁等を考慮しないとすると、最大値として中期で約38億円、長期で約65億円コスト増加見込み |
|
対応策
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*省エネ活動の継続、再生可能エネルギー電力の段階的導入 ・当社グループの温室効果ガス排出量の削減目標の達成に向けて、中長期 的な省エネ活動の継続や再生可能エネルギーの導入が必要 ・使用電力については、2022年度に大阪工場の使用電力全量を再生可能 エネルギー由来の電力への切り替えを実施済みであり、今後他工場に おいても使用電力の段階的な切り替えを検討
*炭素税負担額の価格転嫁 炭素税が導入された場合、中長期に想定される課税負担額について、サプライチェーンマネジメントの観点から販売先への価格転嫁等も視野に対応
*調達原材料に係る排出量の削減 ・当社の調達原材料は化石燃料由来樹脂が多く、当社グループの温室効果 ガス排出量の中でもScope3・カテゴリー1の原材料調達が大部分を占める ・今後の社会全体における温室効果ガス排出量の少ない調達原材料(バイ オマス由来樹脂等)への転換の進展度合を注視の上対応 |
b.物理的リスク:風水害による工場・営業所への財務影響
中期:2030年、長期:2050年
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分析内容
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当社グループの4℃シナリオにおける洪水が発生した際の財務影響を分析 |
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分析対象
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当社国内グループの工場・営業所における洪水浸水による影響が大きいことが予想される5拠点を対象 |
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分析の前提条件
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*算定の考え方 当社グループにおいて、仮に100年に一度の未曾有の洪水(周期的な発生 でなく確率的に低頻度な現象)が発生した場合、外部専門家からの提供資料や国土地理院のハザードマップに基づいた公開資料等に基づき算定
*参照データ 分析に使用したシナリオ:4℃シナリオ SSP5-8.5 |
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分析結果
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・5拠点同時に被災した場合の保有固定資産や棚卸資産の直接被害額は、最大値として約17億円の見込み
・被災後考えられる暫くの営業停止や営業停滞が招く間接被害額は、発生確率を考慮した場合、5拠点の最大値として中長期とも約0.4億円の見込み |
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対応策
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代替生産可能な体制構築、特定製品の製造拠点の分散等、当社グループ全体のBCP(事業継続計画)の推進を継続 |
ニ.サステナブル対応製品
長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」で特定したマテリアリティ1「製品・サービスを通じた持続可能な社会に対する価値の提供」において、当社グループの主要3事業で作り上げる「伝える」「彩る」「守る」製品群について、当社グループのサステナブル対応製品を定義付けいたしました。
<定義>
・バイオマス素材の積極的な採用や、生分解、リサイクルに対応した設計を盛り込んだ、環境に配慮した製品
・従来型の工法ではなく、環境に配慮した工法に向けた製品
・人々の生活や財産を守り、社会課題の積極的な解決に貢献する製品
当定義を設定した上で、サステナブル対応製品売上高比率の目標を設定いたしました。目標値については、「(6) 指標及び目標 ② サステナブル対応製品に関する指標及び目標」に記載のとおりであります。
ホ.「省エネ法定期報告情報の開示制度」への参加宣言
当制度への参加により、当社のエネルギー使用量、原単位等について、2024年6月に資源エネルギー庁のホームページへ掲載し、投資家に対して省エネに関する取り組みの情報発信を行っております。
へ.「サステナブル・プラスチックス・イニシアチブ(サスプラ)」への加入
民間任意団体「サステナブル・プラスチックス・イニシアチブ(サスプラ)」は、再生プラスチックの利用拡大を目指し、需給双方の対話を活発化させ、健全な市場発展を促すことを目的として設立されました。本会への参画により、バリューチェーンの一員として持続可能なサステナビリティ社会の実現に向けて貢献してまいります。
②人的資本への対応
人的資本への対応は、長期ビジョンのマテリアリティ(重要課題)「4.新たな価値を創造できる人材の創出とマインドの醸成」のひとつとして位置付けており、行動指針を体現できる人材の育成と企業文化の醸成を図るべく、2023年4月に導入した新人事制度の安定運用を重要課題として取り組んでおります。
人事戦略については、中期経営計画における経営方針、基本戦略、事業戦略と連動した4つの柱を軸とし、「多様な人材の育成・確保」、「リーダーシップ」、「変化に応じた再配置」、「キャリア構築」を掲げております。
経営方針を達成すべく、人材の多様性や健康経営等に関する取り組みを進め、従業員の労働意欲の向上と個人の成長を図ってまいります。
イ.社内環境整備方針
多様な働き方や適材適所での働きがい、それに応じた的確な処遇を実施するため、新人事制度では主に「等級制度」「給与制度」「評価制度」の3点において従来の制度から大幅な変更を行っております。今回、より一層の安定運用を図るべく、評価制度を一部改定いたしました。また、引き続き管理職に評価者研修を実施することで、評価者のレベルアップと評価基準の統一を図っており、目標設定会議や評価者会議の実施と併せ、公平で透明性の高い制度運用を進めてまいりました。今後は、個人の自立的なキャリア構築の支援として、専用の研修プログラムを実施する他、自らのライフプランを相談できる窓口の設置を整備してまいります。その他、心身の健康を守る健康経営、多様な人材の活躍へ向けてのダイバーシティ推進にも引き続き力を入れてまいります。
ロ.人材育成方針
成長戦略を描ける人材を獲得・育成するために、個々人の活躍・成長を促進することを人事制度の基本方針に掲げ、自己成長や自己実現の機会を提供しております。
新入社員から管理職までの階層別研修、人材ポートフォリオに基づいた人材配置、社員の異動希望を考慮した社内公募制度、実務を通じて成長を感じられる目標の設定を進め、市場の変化に柔軟に対応していくために、今後も従業員の成長・活躍を後押しすべく、人材育成施策に力を入れてまいります。
具体的な取り組みとして、2024年度には、下記の具体的取り組みを実施いたしました。
a.多様な人材の育成と確保
企業として成長するためには、多様性のある意見や考え方が重要であると考えており、中途社員の採用を積極的に行いました。2024年度は、幅広い業種で11名を採用いたしました。また、将来管理職を担うアシスタントマネジメント職の部署間ローテーションを実施し、幅広い視野の獲得と広範な人間関係の構築を図りました。また、管理職に対してはマネジメント能力アセスメントを実施し、自らの強み・弱みを把握した上で、今後の成長を促す機会の提供に努めました。
また、女性社員に向けた選抜型研修として「東京インキ Women’s Empowerment」をスタートさせました。障がい者雇用に関しても引き続き注力し、より多様性のある組織の構築を目指してまいります。
b.シニア人材の活用
労働人口が減少し労働力不足が懸念される中、シニア社員がよりモチベーション高く活躍できる環境を整備することは重要な課題の一つとして捉えております。新人事制度と連動するシニア制度を導入いたしました。具体的には定年退職後も専門性を有する人材を処遇する他、個人のライフスタイルに合わせ柔軟な働き方が可能となります。制度開始後の従業員の声を聞きながら、よりシニア社員が活躍できる環境の整備を進めてまいります。
c.健康経営の推進
従業員の健康維持に向けた取り組みとして、時間外労働の削減や有給休暇取得率の向上に加え、禁煙・睡眠・食事・花粉症等のセミナーを開催いたしました。また、病気や怪我に備えて有給休暇を残存させる必要が無いように、特別休暇制度の拡充を図ることで、従業員が安心して働ける環境に向けて取り組みを行いました。
詳細は、「(6) 指標及び目標 ③人的資本に関する指標及び目標」に記載のとおりであります。
d.その他の取り組み
従業員の成長機会の提供として、従来管理職層に提供していたeラーニングシステムの利用範囲を全社員へと拡大いたしました。
また、従業員が働きやすい職場づくりを進めたことが評価され、埼玉県所在の当社2工場、吉野原工場及び羽生工場が、埼玉県が推進する「多様な働き方実践企業認定制度」においてそれぞれ「プラチナ」「ゴールド」に認定されました。今後も多様なニーズにこたえ、柔軟な働き方を実現するための環境整備を進めてまいります。
その他、社会貢献活動として、本社所在地である王子地区の職業体験イベントや、チャリティ活動へ参加いたしました。
(6)指標及び目標
①気候変動に関する指標及び目標
温室効果ガス排出量の削減目標達成に向けた取り組み状況は下記のとおりになります。なお、当社グループに属する全ての会社では指標及び目標の設定が行われていないため、当社グループにおける記載が困難です。このため、指標に関する目標および実績は、当社国内グループのものを記載しております。
(削減目標)
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2030年 |
温室効果ガス排出量50%削減(2013年度対比 / Scope1、2) |
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2050年 |
カーボンニュートラル実現 |
(取り組み状況) 単位:t-CO2
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2013 年度 |
2019 年度 |
2020 年度 |
2021 年度 |
2022 年度 |
2023 年度 |
2024 年度 |
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温室効果ガス排出量 ※ |
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(Scope1、2計) |
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(Scope3計) |
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Scope1、2削減率 ※ (2013年度比) |
- |
△10.0% |
△19.6% |
△18.0% |
△21.2% |
△26.4% |
△24.1% |
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※対象組織:当社国内グループ
当社国内グループの2024年度Scope1、2の温室効果ガス排出量は、2013年度比で24.1%減となりました。
また、「(5)戦略 ①気候変動への対応 イ.気候変動に関するリスク・機会」に記載した対応策のうち、温室効果ガス排出量の削減に係る取り組みについて、下記のとおり進めております。
イ.再生可能エネルギーの有効活用
太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー設備の導入について、検討を開始しております。今後もカーボンニュートラル実現に向けて、使用電力については、再生可能エネルギー電力への段階的な切り替え等を検討してまいります。
ロ.省エネ設備の積極的導入
前年比エネルギー消費原単位1%削減を目標として、成形機シリンダー等の断熱化、空調機の省エネタイプへの更新、生産設備モーター、変圧器およびコンプレッサーの高効率タイプへの更新等を実施いたしました。その結果、2024年度は前年比1%削減目標を達成する見込みであります。
②サステナブル対応製品に関する指標及び目標
当社のサステナブル対応製品売上高比率については、2023年度23.5%、2024年度現在23.8%になります。今後、当比率を製品の新規開発、新事業の立ち上げにより2倍以上に増やし、2030年度に50%を超えることを目標としております。
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2023年度 |
2024年度 |
2030年度目標 |
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サステナブル対応製品売上高比率 ※ |
23.5% |
23.8% |
50% |
※対象組織:当社
③人的資本に関する指標及び目標
社内環境整備における人事施策の浸透度を定量的に図るため、以下の重要業績評価指標(KPI)を設定しております。なお、当社グループに属する全ての会社では指標及び目標の設定が行われていないため、当社グループにおける記載が困難です。このため、指標に関する目標および実績は、提出会社のものを記載しております。
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INPUT/OUTPUT |
OUTCOME |
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カテゴリ |
KPI |
2024年度実績 |
目標値 |
前年との 評価比較 |
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行動指針 |
バリュー評価 達成率 |
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経営方針の達成 ↑ 社員個人の成長 労働意欲の向上 |
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育成 |
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成長実感 |
エンゲージメント スコア |
6.0(10点中) |
7.0(同) |
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満足度 |
5.9(10点中) |
7.0(同) |
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健康経営 |
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労働環境 |
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労働災害 ※3 |
強度率※1 |
0.02 |
0 |
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度数率※2 |
0.67 |
0 |
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※1 強度率:延べ実労働時間1,000時間当たりの労働損失日数で、災害の重さの程度を
表す指標。
※2 度数率:延べ実労働時間100万時間当たりの労働災害による死傷者数で災害発生の頻度を
表す指標。
※3 労働災害に関する指標は、安全管理の重要性からグループ全社で管理しており、連結ベー
スの数値です。
2024年度の人的資本に関する結果は上記のとおりとなりました。
従業員が行動指針に共感し、日々の業務において行動として実行できているかを人事評価のバリュー評価として実施し、2024年度の結果は65.6%となりました。バリュー評価は、経営方針を実現するための重要な定義と位置付け、人事制度における昇格・降格の指標として進めております。
今後は、バリュー評価の他、従業員のパーパスに対する理解度や共感度を人的資本に関する重要な指標と設定し、目標達成に向けて取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社のリスクマネジメント体制
当社グループは、2024年4月1日よりコーポレート・ガバナンス体制を見直し、取締役会監督のもと、代表取締役社長の下にリスク・コンプライアンス委員会、サステナビリティ経営推進委員会、環境・安全委員会を設置しております。リスク・コンプライアンス委員会は、各委員会と連携し、様々なリスクを網羅的に把握し、定期的に報告がなされる体制の整備と運用にあたっております。
全社重要リスク決定プロセスは、リスク・コンプライアンス委員会にて、経営に影響を与えるリスクを幅広く検討したリスクアセスメント項目について、各部長職者が回答し、そのデータを分析後、全社重要リスク候補案を取締役会に報告し、取締役会が決定しております。
選定しました全社重要リスクにつきましては、各リスクオーナーが、中期経営計画に沿った3カ年計画および単年計画を推進しております。
中期経営計画「TOKYOink 2027」における全社重要リスクにつきましては、リスク・コンプライアンス委員会から取締役会に報告し、2024年12月26日開催の取締役会にて決議され、各リスクオーナーの選定につきましては、2025年2月27日開催の取締役会にて決議されました。
また、2020年度より設置されました全社BCM(事業継続マネジメント)事務局を中心に、2020年度は本社、2021年度は吉野原工場および各支店・営業所、2022年度は羽生工場・土岐工場・大阪工場、2023年度は国内連結子会社にBCPを構築いたしました。
2024年度は、IT-BCP構築に着手し、更なるBCP対応力の向上を図っております。また、災害時備蓄品の再整備、生産拠点の操業停止を想定した拠点間連携による代替生産検証を実施し、課題を抽出いたしました。
引き続き、継続的に課題解決に取り組み、全社BCP構築の実行推進を行ってまいります。
(2)当社のリスクマネジメント体制の運用状況
リスク・コンプライアンス委員会では、全社的リスクマネジメント(ERM)を推進するにあたり、中期経営計画策定年度に当社リスクの見直しを伴うリスクアセスメントを行い、全社重要リスクを特定し、中期経営計画策定年度以降においては全社重要リスクについて変更するべきリスクが無いか、社内外の環境変化等を踏まえた精査を行っております。
2021年度においては、リスクアセスメントにより97項目について精査し、リスクの重要度(影響度×発生可能性から決定)上位30項目を中心に、内容を鑑みて全社重要リスク4項目を選定いたしました。2022年度および2023年度においては、年度毎に中期経営計画策定年度以外としてリスクアセスメントを行い、全社重要リスクの状況確認、全社重要リスクへの追加項目の検討およびその他重要リスクの状況確認を行いました。その結果、2021年度と同様に新たな全社重要リスクの追加はありませんでした。
当年度は、全社重要リスクの進捗確認の最終年度であるとともに、中期経営計画の策定年度にもあたることから、新たに精査した107項目のリスクについて、大規模なリスクアセスメントを実施いたしました。その結果、全社重要リスクおよびその他重要リスクの状況を確認し、2021年度と同様に、リスクの重要度(影響度と発生可能性に基づく評価)を踏まえて上位30項目を抽出いたしました。
次期中期経営計画期間におきましては、この30項目の評価結果およびリスクアセスメント対象者から寄せられた意見・認識を踏まえ、内容の近いリスクを取りまとめた上で、全社として注力すべき下記5項目を全社重要リスクとして選定、取締役会に報告し、2024年12月26日開催の取締役会にて決議されました。各リスクオーナーの選定につきましては、2025年2月27日開催の取締役会にて決議されました。これら5項目について現中期経営計画期間と同様に対応策の評価・検証を行い、リスク低減活動の推進を図るとともに、その対応策の効果のモニタリングを行ってまいります。
なお、次期中期経営計画の全社重要リスクは、「事業ポートフォリオに関するリスク」を新たに選定し、経営資源の配分の最適化を図り、企業価値を高めてまいります。現在の「労働災害リスク」につきましては、全社重要リスクとして活動した結果、リスク低減の効果が図れましたので、その他リスク事項へ移行し、今後も永続的な全社取り組みを行ってまいります。
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次期中期経営計画 全社重要リスク名 |
リスクオーナー |
現中期経営計画全社重要リスク名からの継続・移設・新規 |
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事業継続に関するリスク |
取締役・常務執行役員 管理部門長 |
「事業継続リスク」を継続 |
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人的資本に関するリスク |
取締役・常務執行役員 管理部門長 |
「人材戦略リスク」を継続 |
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ITに関するリスク |
取締役・常務執行役員 管理部門長 |
「事業継続リスク」のIT-BCPを移設 |
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気候変動に関するリスク |
執行役員 生産・技術部門長 |
「サステナビリティ課題考慮不足リスク」を継続 |
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事業ポートフォリオに関する リスク |
取締役・常務執行役員 事業ポートフォリオ戦略推進室長 |
新規 |
(3)事業等のリスク
当社グループの経営環境における事業等のリスクとしては、全社重要リスクのほか、その他重要リスク等多岐にわたるものがあり、記載事項以外に予測し難いリスクも存在するため、当社グループの想定を超えた予測不能な事態が発生した場合、十分な対応がとれない可能性があります。
当該リスクの顕在化する可能性の程度(発生可能性)を鑑みた上で、顕在化した場合の経営成績等に与える影響度を考慮し、当該リスクの発生回避および発生時の対応に努める所存であります。
◆全社重要リスク
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全社重要リスク ① 事業継続リスク |
前年との 評価比較 |
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全社重要リスク選定理由 |
中長期取り組みの必要性 |
自然災害の頻発・激甚化に伴い、永続的な全社取り組みが必要と捉えております |
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経営戦略への影響 |
操業停止による収益圧迫、人材の確保など、適切な備えが無いと甚大な影響を及ぼす可能性があります |
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企業理念・目指すべき企業像との関係性 |
会社存続には、事業継続力の向上は不可欠であると認識しております |
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体制構築・リソース投入の 必要性 |
事業継続には全社的・組織横断的な取り組みを展開する必要があると認識しております |
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リスク認識 |
災害発生時の従業員の安全確保、近隣への漏出事故等の回避、早期復旧による顧客・取引先・株主の信頼維持は、企業にとって生命線であり、全社的な取り組みを継続する必要性があります |
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リスクへの対策 |
目指すべきリスクへの 対応状態 |
災害発生時、人命保護を目的とした緊急時対応計画(ERP)が実施され、危機管理計画 (CMP)に基づく指揮命令系統を確立し、事業継続計画活動の発動実施ができるようにいたします |
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具体策 |
2020年度は本社、2021年度は吉野原工場および各支店・営業所、2022年度は羽生工場・土岐工場・大阪工場、2023年度は国内連結子会社へ展開し、2024年度は吉野原・土岐・大阪の工場間連携訓練およびIT-BCPに着手いたしました。 ・安否訓練での早期回答の意識付け ・全社での備蓄品装備(3日間)の整備 ・電源、通信等のインフラ(IT-BCP)整備 ・教育、訓練推進 |
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総括 |
当社グループでは、事業継続リスクに対し、2020年度から2024年度において、大規模な地震や自然災害、事故、感染症蔓延等のリスクに対し、国内全事業所および国内連結子会社にBCPを策定いたしました。2024年度には、当社グループでは初めて吉野原、土岐、大阪の3工場間の連携訓練を実施し、生産拠点の操業停止を想定した拠点間連携による代替生産検証を行い、今後の課題を抽出いたしました。 IT-BCPに関しては、情報管理・セキュリティの観点を踏まえ、2024年度から着手しております。また、中期経営計画期間中の大規模リスクアセスメントの結果より、更なるITリスクへの対応強化が必要と判断し、今後は次期中期経営計画の全社重要リスク「ITに関するリスク」として管理することになりました。 当社グループでは、事業継続に関しまして永続的な全社取り組みが必要と判断しており、次期中期経営計画におきましても全社重要リスク「事業継続に関するリスク」として管理してまいります。 |
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事業継続リスクに関連する 個別リスク |
前年との 評価比較 |
リスクへの対策 |
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原材料の供給途絶 |
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・仕入先の複数化 ・調達先の変更 ・フォーキャスト精度の向上および在庫量の調整 |
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コンピュータシステムダウン /ネットワークのダウン |
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・IT-BCP構築 ・システム構成の最適化を実現 ・検証環境を用いたシステム復旧訓練の実施 ・バックアップ回線の高速化 |
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台風、豪雨、高潮、洪水、 豪雪、地震、噴火 |
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・BCP策定による対応強化 ・生産機能の相互補完 ・防災訓練の実施、従業員安否確認システムの活用、長期休暇中の安否確認システム範囲外移動への対応 |
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感染症(パンデミック) |
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・在宅勤務(テレワーク)の推進、Web会議システム、社内ネットワークへのアクセスツール等インフラの整備、活用促進 ・電子契約システムの整備および更なる推進、受注FAXのメール転送機能の整備等の推進 |
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第三者による盗取、不正アクセス・ウィルス感染等 |
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・脱PPAP※対応の実現 ・既知・未知の脅威侵入への対応強化の実現 ・セキュリティプラットフォームの整備 |
※PPAP:メールでパスワード付きZIPファイルを送り、その後別のメールでファイルを開くためのパスワードを送ること
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全社重要リスク ② 人材戦略リスク |
前年との 評価比較 |
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全社重要リスク選定理由 |
中長期取り組みの必要性 |
・企業の持続可能性および価値創造のための主要因子と捉え中長期的な取り組みを要すると捉えております ・2022年度に人材戦略構築プロジェクトチームを発足させ、3カ年計画にて仕組みを整えます |
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経営戦略への影響 |
経営戦略と人材戦略の連動が不可欠と考えております |
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企業理念・目指すべき企業像との関係性 |
企業理念に掲げている社会への貢献には、それを体現するための人材が不可欠と認識しております |
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体制構築・リソース投入の 必要性 |
従来の枠に捕らわれない人材発掘・育成のため、複合的な取り組みを展開する必要があると認識しております |
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リスク認識 |
・前中期経営計画「TOKYOink 2020」において、人事戦略・整備すべき基盤・行動の原則等を掲げ対応してきましたが、人材価値向上の成果が不足していると認識しております ・「採用・能力開発・適材適所」の実現等、競争力向上のための人事機能強化は、全社的な取り組みを継続する必要性があります |
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リスクへの対策 |
目指すべきリスクへの 対応状態 |
人事機能を強化し、経営層において経営戦略と連動した人材戦略を検討できる体制を構築することで、必要な人材像を設定し、創出・確保するための各種制度の導入および見直しを行います |
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具体策 |
・人事制度の定着 ・ハイパフォーマー育成制度の実施 ・コンサルティング会社活用による人事機能の補完 ・シニア人事制度の導入 |
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総括 |
当社グループでは、2022年度に人事機能強化の観点から人事戦略構築プロジェクトチームを発足させ、経営戦略に連動した人事戦略を策定いたしました。 求める人物像を具体化した人材マネジメントポリシーを定め、2023年4月より複線型キャリアパスを導入した新人事制度を開始し、評価や異動の最終決定を担う人事委員会も併せて設置いたしました。新人事制度に併せて管理職への評価者研修の実施により、公平で透明性の高い制度運用を進めております。また、中途社員の採用を積極的に行い、教育プログラムを充実させました。 また、シニア人事制度については、2025年4月からの導入に向けて人事制度に連動した制度として検討いたしました。 今後も引き続き、人事制度の安定運用と、より良い人財育成を踏まえた人事制度のための改定に取り組んでまいります。 当社グループでは、今後の変化する市場へ対応できる人財育成や確保には引き続き全社的な取り組みが必要と判断しており、次期中期経営計画におきましても全社重要リスク「人的資本に関するリスク」として管理してまいります。 |
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人材戦略リスクに関連する 個別リスク |
前年との 評価比較 |
リスクへの対策 |
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人材の過不足・人件費の上昇 |
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・多様な労働力に対応可能な仕組みの強化 ・社員教育制度の拡充、ダイバーシティへの対応 ・DXの強化による高効率化 |
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過労、ストレス、メンタルヘルス |
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・時間外労働の管理の徹底による過重労働の抑止 ・ストレスチェックを実施し、ストレス、メンタルヘルスを管理、および必要に応じ産業医の面談を実施 ・メンタルヘルスの教育研修の実施 |
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技術等の伝承の失敗・途絶 |
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・評価方法の拡充 ・工程変更時の適切な試験の実施 ・顧客要求事項の確認 ・人材育成の教育プログラム導入 |
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従業員の士気・モラール低下 |
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・働きやすい職場環境整備 ・パーパスの従業員への浸透強化 ・従業員サーベイを実施し、個人と組織の課題対策強化 |
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人材の流出・喪失 |
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・働きやすい職場環境整備 ・人事制度改革の定着 ・中途採用の強化 |
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全社重要リスク ③ サステナビリティ課題考慮不足リスク |
前年との 評価比較 |
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全社重要リスク選定理由 |
中長期取り組みの必要性 |
・2030年、2050年に向けた取り組みが求められると認識しております ・長期に渡る取り組みとなるため、温室効果ガス排出量削減に向けた検討を継続し、統合報告書等の定期的な情報開示体制を構築いたします |
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経営戦略への影響 |
サステナビリティが今後の経営戦略の中核的な要素になることは、世界情勢から認識しております |
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企業理念・目指すべき企業像との関係性 |
「豊かな暮らしと社会の発展に広く貢献する企業であり続ける」ことを目指します |
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体制構築・リソース投入の 必要性 |
幅広い知識・対応・人材が必要なため、組織横断的な取り組みを展開する必要があると認識しております |
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リスク認識 |
持続可能な社会を支え、環境と共生する企業となることが求められる中で、石化由来原材料を多く取り扱う当社としては、環境負荷低減対策は重要なリスクとなっており、全社的な取り組みの継続が必要と認識しております |
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リスクへの対策 |
目指すべきリスクへの 対応状態 |
・当社グループの成長発展に寄与する環境課題・環境負荷低減に対する取り組み方法や実行体制の確立を図ります ・ステークホルダーに対して定性・定量情報を開示できる体制・方法の整備を行います |
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具体策 |
・サステナブル対応製品比率の向上 ・マテリアリティ(重要課題)の実行 ・環境負荷低減方策立案・整理 ・温室効果ガス排出量の定期的なウォッチング ・情報開示体制、方法の整備(TCFD・統合報告書等) ・統合報告書の24年度より開示実施 |
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総括 |
当社グループでは、2022年度から2024年度の3ヵ年において、サステナビリティに関連する取り組みとして、マテリアリティ(重要課題)の設定、サステナブル対応製品の定義付けと売上高比率目標の設定、温室効果ガス排出量削減目標の設定等を実施し、それぞれの目標達成に向けた取り組みに推進してまいりました。 また、2023年度にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同を表明し、TCFDに沿った情報開示を進め、2024年度より統合報告書に開示しております。 今後も製品の新規開発や改良によるサステナブル対応製品売上高比率の向上、また再生可能エネルギーの有効活用や省エネ設備の積極的導入による温室効果ガス排出量削減を目指すことで、社会と当社グループの持続可能性の実現に向けた活動に取り組んでまいります。 当社グループでは、サステナビリティ関連は中長期的な観点に立った全社的な取り組みが必要と判断しております。サステナビリティ課題考慮不足リスクに関しまして、とりわけ気候変動に関する環境負荷低減への取り組みは引き続き全社取り組みが必要と判断しており、次期中期経営計画におきましては全社重要リスク「気候変動に関するリスク」として管理してまいります。 |
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サステナビリティ課題 考慮不足リスクに関連する 個別リスク |
前年との 評価比較 |
リスクへの対策 |
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原材料市況の変化 |
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・複数の仕入先からの原材料購入による安定調達 ・原材料仕入先の新規探索 ・価格高騰への対応 ・代替品の検討 |
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顧客ニーズの変化 |
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・顧客との継続的なコミュニケ―ションによる顧客要求のタイムリーな把握および継続的な技術改善 |
|
技術革新、陳腐化 |
|
・外部からの技術導入 ・新規技術への投資 ・産学連携、同業種、異業種企業との協業 |
|
研究開発の失敗 |
|
・研究人材の育成 ・産学連携の推進 |
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規制強化・法令改正 |
|
・法令の監視体制強化 ・法規制遵守意識の向上 |
|
温室効果ガスの排出量削減の失敗 |
|
・温室効果ガス排出量の監視 ・環境対応製品の拡充 |
|
全社重要リスク ④ 労働災害リスク |
前年との 評価比較 |
|
||
|
全社重要リスク選定理由 |
中長期取り組みの必要性 |
・安全は、企業活動の全てにおいて優先されるべきものと考えております ・安定的な事業継続の観点から中長期的な取り組みを継続いたします |
||
|
経営戦略への影響 |
直接・間接的なマイナスの影響が甚大であります |
|||
|
企業理念・目指すべき企業像との関係性 |
従業員の安全確保は最重要と認識しております |
|||
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体制構築・リソース投入の 必要性 |
工場部門だけの問題とせず、全社一丸となる取り組みが必要と認識しております |
|||
|
リスク認識 |
当社が取り扱う化学品の危険性や有害性が多様化し、重要なリスクとなっており、全社的な取り組みを継続する必要性を認識しております |
|||
|
リスクへの対策 |
目指すべきリスクへの 対応状態 |
労働災害を防止するための基本事項を定め、従業員の職場における安全と健康を確保し、快適な作業環境の形成を促進することを目的といたします 1)5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)ができていること 2)TIC安全基準の策定 |
||
|
具体策 |
・安全教育の強化 ・手順書整備、見直しによる安全性確保 ・健康管理 |
|||
|
総括 |
当社グループでは、2022年度から2024年度の3ヵ年において、全社的な労働災害リスク低減に向けた取り組みとして、KYT活動※・5S活動の強化等を実施し、各職場に安全への意識が浸透・定着してきております。 特に、生産・技術部門においては、「生産力強化活動」として、専門家による教育を半年間受けた5S強化委員を中心に、生産性や安全性の観点における気付き力の向上に努めてまいりました。 その結果、各施策による意識の変化が生まれ、生産活動の効率を上げるとともに、労働災害の発生件数は年々減少いたしました。一方で、労働災害の発生件数がゼロになったわけではなく、単純なミスによる労働災害が継続して発生していることから、ハード面の対策のみではなく、作業者の不注意やルールからの逸脱による労働災害を起さないよう、引き続き気付き力の向上に努めてまいります。 当社グループでは、労働災害リスクに関してリスク低減の一定の効果が得られたと判断しており、次期中期経営計画におきましては全社重要リスクからその他リスク事項へ移行し、今後も永続的な全社取り組みが必要と判断しております。 |
|||
※KYT活動:作業現場や職場に潜む危険を事前に見付け出し、事故や災害を未然に防ぐための危険予知訓練
|
労働災害リスクに関連する 個別リスク |
前年との 評価比較 |
リスクへの対策 |
|
技術等の伝承の失敗・途絶 |
|
・評価方法の拡充 ・工程変更時の適切な試験の実施 ・顧客要求事項の確認 ・人材育成の教育プログラム導入 |
|
火災、爆発・破裂リスク |
|
・危険物の取扱いに関する教育の徹底 ・危険物管理の徹底 |
|
職業性疾病 |
|
・自律的な化学物質管理 ・適切な保護具の着用 ・化学物質の管理と取扱い手順の教育 ・職場環境の把握と改善 |
◆その他重要と認識しているリスク
|
リスク項目 |
影響度 |
発生 可能性 |
前年との 評価比較 |
リスク内容 |
リスクへの対応策 |
|
① 景気変動、 市況変化 |
中 |
中 |
|
・景気変動に伴う需要減退に対応できない利益減少リスクまたは需要増加に生産対応できない機会損失リスク |
・事業環境の変化に対し、市場動向に迅速かつ的確に対応できる企業体質の構築 |
|
② 特定顧客・市場への依存 |
中 |
中 |
|
・特定顧客・市場への依存度の高さにより、関係悪化・取引停止等にて事業継続への影響に発展するリスク |
・取引先の経営状況の把握 ・新規顧客の開拓 ・周辺領域の探索 |
|
③ 製品検査・試験のミス(製品事故要因) |
中 |
中 |
|
・品質不良品の流出により得意先からの信頼を失うリスク ・品質異常による顧客からの訴訟や損害賠償が発生するリスク |
・手順書の整備と見直し ・品質管理体制の維持と改善 |
|
④ 製造プロセスの欠陥・瑕疵(製品事故要因) |
中 |
中 |
|
・製造過程における異物混入による品質低下リスク ・製造前に設備チェックがされていないリスク |
・5Sの徹底 ・製造前の設備チェック |
|
⑤ 為替等の変動 |
中 |
中 |
|
・為替市場、金利等の変動等により外貨建取引(債権・債務)への為替変動が生じ、業績に影響を及ぼすリスク |
・外貨変動リスクの事前回避、金融機関や専門機関等からの情報把握、分析(国際金融・社会情勢・地政学) ・外貨建債権・債務残高の適正管理、バランス ・先物為替予約等実施によるヘッジ |
|
⑥ 貿易ルールの変更 |
中 |
中 |
|
・原材料を入手できなくなるリスク ・製品の輸出ができなくなるリスク |
・仕入先の複数化 ・原材料調達国および製品納入国の法令監視 |
|
⑦ 設備・機器・情報システム等の不稼動 |
中 |
中 |
|
・メンテナンス不備による故障・不稼働のリスク ・生産活動が停止するリスク |
・生産設備の日常点検とメンテナンス ・障害発生時の対応マニュアル整備 |
|
⑧ 顧客・協力会社の倒産・支払遅延 |
中 |
中 |
|
・取引先倒産による債権回収不能リスク ・製造協力会社倒産により、代替先が見つからず一部製品の生産中断となるリスク |
・債権保証契約による債権保全 ・与信債権管理運用基準による取引先状況の定期的なモニタリング ・製造協力会社の新規検討および自社内での生産対応強化 |
|
⑨ 設計の欠陥・瑕疵(製品事故要因) |
中 |
低 |
|
・評価方法の不備による性能を満たさないリスク ・工程変更による品質低下のリスク |
・評価方法の拡充 ・工程変更時の適切な試験の実施 ・顧客要求事項の確認 |
|
⑩ 生産・在庫管理の失敗 |
低 |
中 |
|
・在庫管理の失敗による、製品の過不足が発生するリスク ・在庫管理不足による保管料、在庫処分費用増大のリスク |
・適正在庫量の把握と監視 |
|
⑪ 製品回収、クレーム対応の失敗 |
中 |
中 |
|
・初動の遅れにより不具合製品による事故が発生するリスク ・顧客クレームへの対応失敗により、顧客の信用を失い取引停止となるリスク |
・不具合発生時の初動対応手順の整備 ・原因の特定と再発防止対策の実施・効果の確認 |
|
⑫ 納期・性能未達 |
低 |
中 |
|
・約束した期日までに納品できないリスク ・顧客要求を満たさない製品の流出により、顧客からクレームを受けるリスク |
・工程進捗管理 ・品質の傾向管理 |
|
⑬ 政情不安(戦争・テロ・政治体制や政策の変更等) |
中 |
低 |
|
・政情変化に伴う原材料調達対応の遅れによる事業活動停滞のリスク |
・地政学情報の共有 ・原材料調達状況の早期把握、在庫の見直し ・代替原材料の検討 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の概況
当連結会計年度の業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
|
区 分 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
43,922 |
46,806 |
2,884 |
6.6% |
|
営業利益 |
768 |
1,309 |
540 |
70.3% |
|
経常利益 |
986 |
705 |
△281 |
△28.5% |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
881 |
1,180 |
298 |
33.9% |
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、米国の政権交代による政策動向の変化が各国の政治、経済に及ぼす影響は現時点では不透明であり、為替相場の変動や不安定な国際情勢の継続等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
このような状況の中、当社グループは、競争力強化と顧客満足の向上および製品の販売価格改定に取り組んでまいりました。
この結果、下記の表に記載のとおり、当連結会計年度の業績は、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことおよび販売活動を強化したこと等により、売上高が468億6百万円で前年度比28億8千4百万円の増収(6.6%増)、営業利益は13億9百万円で、前年度比5億4千万円の増益(70.3%増)となりました。経常利益は7億5百万円で、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.における出資金運用損8億円の計上および外貨建資産の為替評価等の影響により、前年度比2億8千1百万円の減益(28.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は11億8千万円で、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益8億3千3百万円の計上および2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社で発生した火災に伴う受取保険金1億8千5百万円の計上等により、前年度比2億9千8百万円の増益(33.9%増)となりました。
今後のわが国の経済については、緩やかな回復基調が継続すると見込んでおります。一方で、米国の政策動向による経済への下振れリスクに対する警戒感が強まっており、また、物価高の長期化による消費マインド自体の低下や、不安定な国際情勢等の継続による当社グループの業績への影響が不透明であるため、引き続き市況を注視しつつ、持続的成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。
「売上高年度別推移」 (百万円) 「営業利益(損失△)年度別推移」 (百万円)
「経営成績の四半期推移」 (百万円)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当連結会計年度の売上高とセグメント利益の構成は以下のとおりであります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
なお、2023年3月期の期首より全社費用の区分を見直しております。それに伴い、各事業のセグメント利益または損失(△)については2022年3月期からの数値を記載しております。
(インキ事業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
14,529 |
16,341 |
1,811 |
12.5% |
|
セグメント利益 |
288 |
563 |
274 |
95.3% |
インキ事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
オフセットインキおよび印刷用材料は、産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、選択と集中を進めることで利益確保に努めてまいりました。前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、引き続き、重要顧客への販売強化を行った結果、売上高・利益ともに前年度に比べ増加いたしました。
グラビアインキは、安定した食品パッケージ市場において、印刷物に各種機能を付与する機能性製品の拡販を中心に、利益改善に努めてまいりました。前年度に実施した製品販売価格改定効果および機能性製品が伸長したことに加え、第3四半期より株式会社T&K TOKAから承継した製品の販売が本格化した結果、前年度に比べ売上高は増加し、利益は改善いたしました。なお、株式会社T&K TOKAからのグラビアインキ関連事業の承継は計画通り、2025年3月31日付にて完了いたしました。
インクジェットインクは、産業用途市場が堅調に推移する中、受託製品と自社製品の両輪により利益拡大に努めてまいりました。海外向けの受託製品および建材用途等の自社製品が堅調に推移した結果、売上高・利益ともに前年度に比べ増加いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、インキ事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収増益になりました。
今後のインキ事業につきまして、オフセットインキ市場の縮小が継続することが考えられますので、より一層の選択と集中により、事業構造の改革を進めてまいります。グラビアインキおよびインクジェットインク市場は堅調に推移することが見込まれますので、利益拡大に向けた製品開発および販売活動強化に努めてまいります。事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向け、環境負荷低減もしくは社会貢献に寄与する製品(以下、サステナブル対応製品)の開発・拡販を進めてまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
(化成品事業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
21,350 |
22,549 |
1,199 |
5.6% |
|
セグメント利益 |
190 |
605 |
415 |
217.7% |
化成品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
化成品事業は、プラスチック用着色剤・機能性付与剤であるマスターバッチおよび樹脂コンパウンドを中心に事業を展開し、利益改善に努めてまいりました。
自社製品は、国内自動車生産台数の減少影響が継続する中、自動車用途向け製品の販売活動を強化した結果、前年度に比べ増加いたしました。また、プラスチック製消耗材市場の縮小が継続する中、市況が大きく落ち込んだ前年度に比べ、フィルムおよび容器用途製品等が増加した結果、売上高は増加いたしました。
受託製品は、前年度に比べ、受注数量が増加したことに加え、引き続き光学用途製品が好調に推移した結果、売上高は増加いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、化成品事業の当連結会計年度の業績は、前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、海外事業におけるタイ国の業績が堅調に推移したこともあり、前年度に比べ増収増益になりました。
今後の化成品事業につきまして、国内におけるプラスチック製消耗材市場縮小の継続が考えられます。そのため、国内の事業領域を周辺領域まで拡げることに加え、ASEAN地域の成長に合わせた海外事業拡大により、利益改善に努めてまいります。また持続可能な社会の実現に向け、プラスチックリサイクルに貢献できるサステナブル対応製品の開発・拡販を進めてまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
(加工品事業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
7,953 |
7,825 |
△127 |
△1.6% |
|
セグメント利益 |
516 |
335 |
△181 |
△35.1% |
加工品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
幅広い分野にプラスチック製品を提供している加工品事業は、回転異形成形技術を駆使したネトロン®、一軸延伸フィルム、土木資材、農業資材を中心に利益拡大に努めてまいりました。
ネトロン®の売上高は、製品販売価格改定効果があったものの、第2四半期に発生した原材料メーカーのプラント事故の影響に加え、顧客におけるBCP対策による受注減等の影響により、前年度に比べ減少いたしました。また、利益は売上高の減少に加え、生産体制の再構築に伴う一時的な経費増加も影響し、減少いたしました。
一軸延伸フィルムの売上高は、産業用途フィルムの増加および製品販売価格改定効果等により、前年度に比べ増加いたしました。一方、利益は在庫の受払調整の影響等により減少いたしました。
土木資材の売上高は、引き続き、当社主軸製品であるジオセル各工法が防災・減災用途および基礎地盤用途等で需要が高まり、前年度に比べ増加したものの、一般土木資材が低調であった影響が大きく、減少いたしました。一方、利益は高付加価値品が伸長した影響等により、増加いたしました。
農業資材の売上高は、燃油使用量削減に寄与する保温資材等の高機能製品が減少したものの、一般農業資材が増加したことにより、前年度に比べ増加いたしました。一方、利益は前年度並みとなりました。
この結果、上記の表に記載のとおり、加工品事業の当連結会計年度の業績は、ネトロン®の影響が大きく、前年度に比べ減収減益になりました。
今後の加工品事業につきまして、ネトロン®は、市場成長が期待できる水処理用資材を中心に業績の改善に努めてまいります。一軸延伸フィルムは、食品包装用途と産業用途を中心に利益の向上を目指してまいります。土木資材は、引き続き国が推進している「国土強靭化計画」に貢献できる防災・減災用途製品を中心に更なる成長を目指してまいります。農業資材は、保温資材等の高機能製品の製品開発・拡販により、利益の向上を目指してまいります。また、事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向けたサステナブル対応製品の開発・拡販を進めてまいります。
(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
(不動産賃貸事業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
88 |
89 |
1 |
1.2% |
|
セグメント利益 |
55 |
56 |
0 |
1.6% |
不動産賃貸事業は、賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、前年度並みとなりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
②財政状態の状況
(単位:百万円)
|
区 分 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
資産 |
52,466 |
50,832 |
△1,634 |
△3.1% |
|
負債 |
23,067 |
21,000 |
△2,066 |
△9.0% |
|
純資産 |
29,398 |
29,831 |
432 |
1.5% |
当連結会計年度末の総資産は508億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億3千4百万円減少いたしました。主な要因は、受取手形の減少3億6千万円、売掛金の増加1億6千9百万円、債権流動化実施に伴う影響等による電子記録債権の減少11億6千4百万円、棚卸資産の減少3億2千1百万円、有形固定資産の増加7億1千7百万円および政策保有株式縮減に伴う影響等による投資有価証券の減少5億円等によるものです。
負債合計は210億円となり、前連結会計年度末に比べ20億6千6百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少13億2千7百万円、債権流動化実施に伴う資金調達等による短期借入金の減少9億3千万円、1年内返済長期借入金の増加2億5千4百万円、未払法人税等の増加2億1千9百万円および繰延税金負債の減少1億8千万円等によるものです。
純資産の部は298億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加8億6千1百万円、自己株式の取得による自己株式の増加2億1千8百万円、政策保有株式縮減に伴うその他有価証券評価差額金の減少等によるその他の包括利益累計額の減少2億1千9百万円等によるものです。
なお、当社は、資本効率の向上を意識した機動的な株主還元策の一環として、株主利益の向上を図るため、2025年2月7日開催の取締役会において、自己株式の取得を決議いたしました。本決議に基づき、取得する株式の総数を15万株(上限)、取得価額の総額を5億円(上限)とし、2025年2月10日より株式会社東京証券取引所における市場買付けにより自己株式の取得を開始しております。当連結会計年度末時点における、当該決議に基づき取得した自己株式の取得価額の総額累計は、2億1千7百万円となります。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
|
区 分 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,989 |
2,280 |
290 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,281 |
△1,178 |
102 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
708 |
1,102 |
393 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△398 |
△1,254 |
△855 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
3,734 |
3,695 |
△39 |
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億9千5百万円で、前連結会計年度末に比べ3千9百万円の減少(1.1%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、22億8千万円の収入となりました(前連結会計年度は19億8千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益15億7千9百万円、減価償却費14億8千3百万円が計上され、売上債権の減少13億4千9百万円、棚卸資産の減少3億4千7百万円、仕入債務の減少13億3千5百万円、退職給付に係る資産の増加5億4千4百万円、投資有価証券売却益8億3千3百万円、出資金運用損8億円、役員退職慰労引当金の減少2億6百万円、法人税等の支払額の増加1億8千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11億7千8百万円の支出となりました(前連結会計年度は12億8千1百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出19億4千3百万円、無形固定資産の取得による支出2億1千1百万円、投資有価証券の売却による収入9億8千9百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12億5千4百万円の支出となりました(前連結会計年度は3億9千8百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億3千万円、長期借入による純増額2億8千4百万円、自己株式の取得による支出2億1千8百万円、配当金の支払額3億1千7百万円等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産数量合計(トン) |
前年同期比(%) |
|
インキ事業 |
28,214 (5,302) 〔1,486〕 |
104.9 (99.8) 〔98.6〕 |
|
化成品事業 |
39,618 (126) 〔17,069〕 |
97.2 (78.3) 〔98.8〕 |
|
加工品事業 |
3,898 (-) 〔1,051〕 |
86.5 (-) 〔58.5〕 |
|
不動産賃貸事業 |
- (-) 〔-〕 |
- (-) 〔-〕 |
|
合計 |
71,732 (5,428) 〔19,606〕 |
99.4 (99.1) 〔95.3〕 |
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 〔 〕内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
インキ事業 |
1,561 |
117.7 |
|
化成品事業 |
264 |
137.0 |
|
加工品事業 |
2,894 |
97.9 |
|
不動産賃貸事業 |
- |
- |
|
合計 |
4,720 |
105.5 |
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
インキ事業 |
16,341 |
112.5 |
|
化成品事業 |
22,549 |
105.6 |
|
加工品事業 |
7,825 |
98.4 |
|
不動産賃貸事業 |
89 |
101.2 |
|
合計 |
46,806 |
106.6 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末の総資産は508億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億3千4百万円減少いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆資産の部
(単位:百万円)
|
摘要 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
|
流動資産 |
現預金 |
3,736 |
3,697 |
△39 |
|
|
売上債権 |
17,141 |
15,785 |
△1,335 |
前年度末休日の影響・債権流動化実施による減少 |
|
|
棚卸資産 |
9,863 |
9,542 |
△321 |
商品及び製品△206、仕掛品△145、原材料及び貯蔵品+30 |
|
|
その他 |
370 |
704 |
333 |
自己株式信託金他 |
|
|
計 |
31,111 |
29,729 |
△1,382 |
売上債権、棚卸資産の減少 |
|
|
固定資産 |
有・無形 固定資産 |
12,943 |
13,717 |
773 |
化成品設備の維持・増強+867 |
|
投資 その他 |
8,410 |
7,385 |
△1,025 |
・保有株式評価減△307、同株式売却による減△156 ・その他の投資△686 |
|
|
計 |
21,354 |
21,102 |
△252 |
|
|
|
資産合計 |
52,466 |
50,832 |
△1,634 |
|
|
セグメント資産の状況
(単位:百万円)
|
|
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
インキ事業 |
17,027 |
18,460 |
1,432 |
売上債権、棚卸資産の増加 |
|
化成品事業 |
23,547 |
21,495 |
△2,052 |
売上債権、棚卸資産の減少 |
|
加工品事業 |
7,517 |
6,944 |
△573 |
売上債権、棚卸資産の減少 |
|
不動産賃貸事業 |
626 |
604 |
△21 |
|
|
報告セグメント合計 |
48,719 |
47,504 |
△1,214 |
|
当連結会計年度末の負債合計は210億円となり、前連結会計年度末に比べ20億6千6百万円減少いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆負債の部
(単位:百万円)
|
摘要 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
|
流動負債 |
仕入債務 |
11,128 |
9,800 |
△1,327 |
前年度末休日の影響による債務減 |
|
短期借入金 (1年内含) |
4,495 |
3,819 |
△676 |
債権流動化による減 |
|
|
その他 |
2,481 |
2,737 |
256 |
未払法人税等増+219他 |
|
|
計 |
18,105 |
16,357 |
△1,747 |
|
|
|
固定負債 |
長期借入金 |
2,881 |
2,912 |
30 |
約定返済減、新規借入 |
|
その他 |
2,081 |
1,731 |
△350 |
繰延税金負債減△180他 |
|
|
計 |
4,962 |
4,643 |
△319 |
|
|
|
負債合計 |
23,067 |
21,000 |
△2,066 |
|
|
純資産の部は298億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円増加いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆純資産の部
(単位:百万円)
|
摘要 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
株主資本 |
26,705 |
27,348 |
642 |
利益剰余金増+861、自己株式買付等による増加△218 |
|
その他の 包括利益累計額 |
2,501 |
2,282 |
△219 |
保有株式売却等による減△238、為替換算調整勘定増+300、退職給付に係る調整累計額減△281 |
|
非支配株主持分 |
191 |
200 |
9 |
|
|
純資産合計 |
29,398 |
29,831 |
432 |
|
ロ.当社グループの当連結会計年度の経営成績
当連結会計年度の業績は、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことおよび販売活動を強化したこと等により、売上高が468億6百万円で前年度比28億8千4百万円の増収(6.6%増)、営業利益は13億9百万円で、前年度比5億4千万円の増益(70.3%増)となりました。経常利益は7億5百万円で、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.における出資金運用損8億円計上および外貨建資産の為替評価等の影響により、前年度比2億8千1百万円の減益(28.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は11億8千万円で、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益8億3千3百万円計上および2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社で発生した火災に伴う受取保険金1億8千5百万円計上等により、前年度比2億9千8百万円の増益(33.9%増)となりました。
各事業セグメント別につきまして、インキ事業では、オフセットインキが産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、選択と集中を進めたことによる一定の売上確保、グラビアインキが機能性製品の拡販と株式会社T&K TOKAから承継した製品販売の本格化、インクジェットインクが海外向けの受託製品および建材用途等の自社製品の需要増、製品販売価格改定が一定程度進捗したこと等により増収増益となっております。
化成品事業では、物価高に伴う消費意欲低下および環境対応の影響が継続する中、自社製品が自動車用途向け製品の販売活動の強化、フィルムおよび容器用途製品の売上回復、受託製品が光学用途製品の需要増、製品販売価格改定が一定程度進捗したことに加え、海外事業におけるタイ国の業績が堅調に推移したこと等により、増収増益となっております。
加工品事業では、各製品セグメントにおける製品販売価格改定の一定程度進捗、土木資材の防災・減災用途に使用されるジオセル工法の需要増加があったものの、ネトロン®の工業材料である水処理用資材が第2四半期に発生した原材料メーカーのプラント事故および顧客におけるBCP対策による受注減等の影響等により、減収減益となっております。
原材料価格とエネルギーコストは不安定な国際情勢の影響により先行きが不透明でありますので、それらの動向を注視し、適宜製品販売価格への反映を継続することが課題であると認識しております。
また、中長期の市場環境として、デジタル技術の急速な進展によるライフスタイルの変化、商業・出版印刷市場のデジタル化へのシフト、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れ等、当社グループ製品の需要動向全体に影響を及ぼす市場環境変化が加速していることも当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす要因と認識しております。
ハ.中期経営計画「TOKYOink 2024」総括
中期経営計画「TOKYOink 2024」は2つの経営方針、5つの基本戦略を基に取り組みを進め、2025年3月期に最終年度を迎えました。
a.経営方針
・市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供
・低成長時代にも耐えうる高効率な運営体制の実現
b.5つの基本戦略と実施内容
・ESG経営の推進
環境(E):
・TCFD提言対応や使用済プラスチック再資源化の取り組みへの参画を実施
・温室効果ガス排出量削減目標設定:2030年度△50%(2013年度比 Scope1、2)
・サステナブル対応製品の定義付けと売上高比率目標設定:2030年度売上高比率50%
社会(S):
[社内]人事制度の整備やBCP計画策定等の社内的な取り組み
[地域貢献]本社地区での小学生を対象とした職業体験等
ガバナンス(G):
・より実効性を高める目的でのコーポレート・ガバナンス体制の刷新
・新製品開発・新規事業探索
・材料のバイオマス度向上により環境負荷低減につながる製品や最終製品に機能を付与することで食品ロス低減等社会に貢献できる製品であるサステナブル対応製品の開発への取り組みを継続
・高効率運営の実現
・RPA活用による自動化、労務・勤怠管理システム導入等による業務効率化を推進
・生産ラインの自動化に向けたモデルライン構築の推進
・成長投資
・成長事業として位置付けている加工品事業での生産性向上・開発投資(ネトロン®・土木資材)
・各事業での生産性向上投資(化成品・自動化モデルライン等)
・資本効率・株主還元
・資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、2024年5月に新たな目標を策定
2031年3月期ROE8.0%以上
配当性向40%以上またはDOE1.0%以上
c.経営目標達成状況および事業別概況
中期経営計画「TOKYOink 2024」策定当初の2025年3月期経営目標は連結営業利益20億円、ROE5.0%以上に設定しておりました。目標達成に向け、様々な取り組みを実施してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の流行により人々の生活様式が変化し、プラスチック製消耗材の需要が低迷したことにより、当社グループの主要市場である包装資材の業績が悪化した等、計画策定当初に比べ、当社グループを取り巻く環境は想定以上に変化したことが影響し、目標達成は困難となったことから、2024年3月期の決算発表時に2025年3月期経営目標を連結営業利益12億円に修正いたしました。直近では製品販売価格改定の進捗や高付加価値製品の伸長等により、業績は回復傾向にあり、営業利益に関して、当初計画は達成できなかったものの、修正計画は達成いたしました。
|
経営目標 |
単位 |
2024年度当初計画 |
2024年度実績 |
|
売上高 |
百万円 |
45,000 |
46,806 |
|
営業利益 |
百万円 |
2,000 |
1,309 |
|
自己資本利益率(ROE) |
% |
5.0以上 |
4.0 |
事業別セグメント利益の当初計画、実績および概況は以下のとおりとなります
(単位:百万円)
|
2024年度 |
当初計画 |
実績 |
概況 |
|
インキ事業 |
350 |
563 |
オフセットインキの減損損失計上(22年度)、インクジェットインク欧米向け受託製品の需要回復で黒字化し、計画達成 |
|
化成品事業 |
1,150 |
605 |
環境対応による着色需要減、受託製品の収益性悪化により徐々に利益率が低下、24年度は計画未達も価格改定効果により回復基調 |
|
加工品事業 |
750 |
335 |
ネトロン®の生産体制再構築による経費増により減益となり、計画未達、防災・減災需要により土木資材は好調に推移 |
インキ事業 化成品事業 加工品事業 (単位:百万円)
ニ.長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」の実現に向けた中期経営計画「TOKYOink 2027」始動
当社グループは2030年に目指す姿として、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定・公表しております。また、東京証券取引所の要請に基づき、「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応について」も策定・公表しております。この度、長期ビジョンの実現に向けた、2028年3月期までの中期経営計画「TOKYOink 2027」を策定し、下記の経営目標達成に向け、2025年4月より始動しております。
・2028年3月期目標:営業利益20億円、ROE5.5%以上
・2031年3月期目標:営業利益28億円、ROE8.0%以上
各資料の詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLより、ご覧ください。
長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」 掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/
「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応について」 掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/ir/ir_library/management_plan/
中期経営計画「TOKYOink 2027」 掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/ir/management/mid-termplan/
中期経営計画「TOKYOink 2027」の概要につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針 および (3)経営戦略および優先的に対処すべき課題」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億9千5百万円で、前連結会計年度末に比べ3千9百万円の減少(1.1%減)となりました。
この資金の減少の要因は、政策保有株式の縮減や債権流動化の実施により創出した資金の有効活用により、親会社の有利子負債圧縮を行った結果によるものであると考えます。
なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、基本的な考え方は、事業活動により獲得したキャッシュの創出額をベースに、投資の意思決定を経営判断していることから、当社の事業運営にとって有用な指標と認識しております。
また、キャッシュアロケーション方針として、事業活動により獲得したキャッシュおよびBSマネジメントの各種施策により創出したキャッシュを基本原資とし、成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の事業ポートフォリオ変革を実施するのに必要な投資や株主還元に振り向けることで、更なる企業価値の向上を目指します。
フリー・キャッシュ・フローの概況(5期分)
(単位:百万円)
|
区分 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
2025年 3月期 |
|
営業活動による キャッシュ・フロー |
1,942 |
1,428 |
△893 |
1,989 |
2,280 |
|
投資活動による キャッシュ・フロー |
△1,668 |
△1,040 |
2,461 |
△1,281 |
△1,178 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
273 |
387 |
1,568 |
708 |
1,102 |
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、売上債権の減少、棚卸資産の減少および仕入債務の減少等により、22億8千万円の収入となりました。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、11億7千8百万円の支出になったため、フリー・キャッシュ・フローは、11億2百万円の収入となりました(前連結会計年度は7億8百万円の収入)。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、分析や検討内容は以下のとおりであります。
連結キャッシュ・フローの主な分析
(単位:百万円)
|
項目 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
|
営業活動CF |
税金等調整前当期純利益 |
1,139 |
1,579 |
440 |
政策保有株式売却による利益増 |
|
減価償却費 |
1,328 |
1,483 |
154 |
|
|
|
投資有価証券売却損益(△益) |
△277 |
△833 |
△556 |
政策保有株式売却 |
|
|
災害損失 |
99 |
43 |
△56 |
荒川塗料工業火災発生による損失 |
|
|
売上債権の増減額(△増加) |
△1,420 |
1,349 |
2,770 |
前年度末休日による売上債権の減少 |
|
|
棚卸資産の増減額(△増加) |
△357 |
347 |
705 |
|
|
|
仕入債務の増減額(△減少) |
1,408 |
△1,335 |
△2,744 |
前年度末休日による仕入債務減少 |
|
|
法人税等の支払額 |
30 |
△188 |
△218 |
課税所得増による増加 |
|
|
その他 |
39 |
△165 |
△204 |
|
|
|
小計 |
1,989 |
2,280 |
290 |
交易条件改善に伴う営業利益獲得 |
|
|
投資活動CF |
有形固定資産の取得 |
△1,261 |
△1,943 |
△681 |
新規設備投資実施 |
|
投資有価証券の売却 |
404 |
989 |
584 |
CGCに基づく政策保有株式売却継続 |
|
|
その他 |
△424 |
△224 |
199 |
無形固定資産の取得他 |
|
|
小計 |
△1,281 |
△1,178 |
102 |
|
|
(単位:百万円)
|
項目 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
|
財務活動CF |
短期借入金の純増減額 |
△130 |
△930 |
△800 |
債権流動化による借入返済 |
|
長期借入金による収入 |
1,370 |
1,350 |
△20 |
長期資金調達実施 |
|
|
長期借入金の返済 |
△1,247 |
△1,065 |
182 |
約定弁済による返済 |
|
|
自己株式の取得による支出 |
△0 |
△218 |
△218 |
自己株式取得 |
|
|
その他 |
△390 |
△390 |
0 |
配当金支払、ファイナンスリース債務返済 |
|
|
小計 |
△398 |
△1,254 |
△855 |
|
|
b.資本政策の基本的な方針
当社グループは、株主価値を中長期的に高めるために、持続的な成長が必要と考え、「資本効率の向上」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元」の3つのバランスを取ることを資本政策の基本としており、安定的かつ継続的な配当実施を基本方針としております。この基本方針を前提とし、配当性向40%以上またはDOE1.0%以上とする配当方針を策定しております。
当社は、2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「剰余金の処分の件」を提案しており、これらが承認可決された場合の当連結会計年度の配当性向は42.7%となり前連結会計年度と比較し、12.9ポイント上昇しております。
|
決算年月 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
2025年 3月期 |
|
自己資本利益率 (ROE) |
2.5% |
2.9% |
6.3% |
3.1% |
4.0% |
|
総資産経常利益率 (ROA) |
1.4% |
1.9% |
10.1% |
2.0% |
1.4% |
|
売上高営業利益率 (ROS) |
0.7% |
1.6% |
△0.1% |
1.8% |
2.8% |
|
配当性向(連結) |
34.9% |
28.9% |
25.5% |
29.8% |
42.7% |
自己資本利益率 (ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産-非支配株主持分)
総資産経常利益率 (ROA):経常利益/総資産
売上高営業利益率 (ROS):営業利益/売上高
配当性向(連結):1株当たり配当金/1株当たり当期純利益
c.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは資本政策に基づき、「株主資本の活用を最大化」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元の充実」を財務戦略として掲げております。従来までの健全性を重視した方針から前進し、最適資本構成の見直しを図り、持続的な企業価値向上を目指します。
当連結会計年度における財務戦略の主な取り組み、成果は以下のとおりです。
・株主資本の活用を最大化 …… 政策保有株式の縮減、債権流動化の実施
・強固な財務基盤の確保 ……… 借入金融資枠の増枠、調達余力の確保
・株主還元の充実 ……………… 普通配当の増配、自己株式取得
d.資金調達の基本的な方針
当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の成長戦略に向けた投資および株主還元としての自己株式取得や配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの固定金利による長期借入金により資金調達を行っております。
当連結会計年度は、引き続き現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持しつつ、事業展開に伴う資金調達、また急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。
また、当社グループは、財務戦略の一環として親会社、子会社間においての資金効率を高める目的で、グループ内キャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、外部からの調達は親会社主導による一元化、資金需要のある子会社へ最適配分する一方、余剰資金のある子会社から資金調達を行うことで資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。
さらに、資金需要に柔軟に対応したバックアップラインの強化を図るため、コミットメントライン(短期借入金)形態によるシンジケートローンの取り組み(極度設定額20億円)を引き続き実施し、手許流動性の確保に努めました。
なお、当連結会計年度末のコミットメントライン設定額は50億円であり、内訳は相対契約30億円、シンジケートローン契約20億円であります。
同年度末の借入実行残高は15億5千万円、借入未実行残高は34億5千万円であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
2025年 3月期 |
|
自己資本比率(%) |
54.7 |
54.0 |
56.7 |
55.7 |
58.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
12.4 |
12.6 |
14.7 |
17.6 |
21.1 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
4.6 |
6.4 |
- |
3.8 |
3.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
54.7 |
43.1 |
- |
67.3 |
58.0 |
|
D/Eレシオ(倍) |
0.35 |
0.36 |
0.28 |
0.26 |
0.23 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)2023年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載を省略しております。
2025年3月31日現在の自己資本比率は58.3%と前連結会計年度末と比較し、2.6ポイント上昇しております。製品販売価格改定の進捗による営業利益の増加等に伴う利益剰余金の増加によるものであります。
2025年3月31日現在のD/Eレシオは0.23倍、ネットD/Eレシオは0.11倍であります。借入額の減少および純資産増加に伴い、前連結会計年度より低下いたしました。
なお、中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、目標とする経営指標として、D/Eレシオ0.3倍以下を現時点で達成いたしました。今後は有利子負債の水準を適正にコントロールしつつ、成長戦略に基づく投資計画実行のため、資本構成の最適化を進めてまいります。
2025年3月31日現在、短期借入金、長期借入金およびリース債務の内訳は以下のとおりであり、有利子負債の合計は69億2千2百万円となっております。
(契約債務)
2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(百万円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
2,500 |
2,500 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
4,231 |
1,319 |
1,920 |
991 |
- |
|
リース債務 |
190 |
66 |
87 |
36 |
0 |
(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは、「顔料分散技術」、「材料配合技術」、「混練技術」、「成形加工技術」、「分析評価技術」を基盤技術とし、これまで永年にわたり印刷インキおよびプラスチック用着色剤とその関連製品の生産に携わってまいりました。
これらの基盤技術に新規技術の調査・探求、研究成果を融合させて改良を加え、暮らしに役立つより良い製品の創出に努力を重ねております。近年、情報通信伝達技術の目覚ましい発達により、新たなサービスの利用が可能となってきており、更に踏み込んだ製品の評価・解析技術力の向上と知的財産権の保全強化に注力した研究開発活動を継続しております。
生産・技術部門では、原材料から製品に至る過程での化学物質管理を一層強固にするため、設計・生産段階への化学物質に関する最新情報を一元管理するデーターベースによる審査・承認の仕組みの整備も積み重ね、安全・安心を提供する「ものづくり」に力を注いでおります。
次世代事業の製品創出にはサステナビリティ活動が必須となる中で、日本および国際社会の一員として各企業、研究機関等との連携・共同研究による技術開発に努め、環境負荷低減を意識した新製品開発を進めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
セグメント別の研究開発活動概要は次のとおりであります。
(インキ事業)
オフセットインキにつきましては、当社の主力製品であるヒートセットオフ輪プロセスインキ「ガイア®」、枚葉プロセスインキ「ニューセルボ」に加え、新聞用高濃度インキ「ニューズメジャー」、高感度UVインキ「ジップキュア®UV OL」の製品性能向上に引き続き注力いたしました。具体的には印刷作業性の向上や幅広い用紙に適応できる製品、脱炭素に繋がる製品を重点的に開発し、顧客満足度の向上と低炭素社会に貢献する製品開発を進めました。また、油性枚葉印刷がLED-UV印刷にシフトするトレンドが一段落する中、顧客の使い易さに磨きをかける事で製品の魅力を向上させた結果、「ジップキュア®UV OL」の販売は堅調に推移いたしました。更に業界の流れや環境に配慮した製品として高バイオマスオフ輪インキ「GAIA®VLC」、バイオマスマーク対応の高感度UVインキ「ジップキュア®UV OL BVM」、水なし印刷用製品「UV OLアルックス®」の開発・改良にも注力してまいりました。印刷市場の変化縮小による販売競争の激化に対応するべく、需要家である印刷会社からのニーズを確実に製品に反映した結果、顧客内シェアを確保できました。
また、原材料高に対して、生産効率化と製品配合の見直しの推進や上記既存製品群の改良を行い、収益改善に寄与しました。
新聞インキにつきましては、顧客満足度向上を掲げる中で、開発・改良設計に取り組み、性能向上を図りました。
その他、オフセット用印刷用補助剤につきましては、顧客の生産性を向上させるために印刷機の停止回数を極力減らす製品づくりや環境負荷低減対応を第一優先に考えた無処理版対応製品の拡充により、使い易さだけでなく法規制の継続的な遵守を徹底した、安全で環境負荷低減に貢献する製品の提供に努めてまいりました。今後も、環境に配慮した高収益メーカーとなるべく、地球と人にやさしい設計による製品の提供により、需要家の要望に応えてまいります。
グラビアインキにつきましては、食品包材向けフィルム用インキ、成型品用インキの開発・改良を進め、環境負荷低減製品や機能性、意匠性を有する製品の開発に取り組んでまいりました。環境負荷低減製品につきましては、バイオマス由来材料を使用したインキの品種拡大を進め、バイオマスマーク登録を行ってまいりました。更に非食用米ぬか由来材料を使用したインキの開発にも取り組み、開発したライスインキの拡販を進めました。
機能性製品につきましては、モノマテリアル化や利便性など、市場のニーズに対応しパッケージにさまざまな機能を付与するコーティング剤の開発を行ってまいりました。意匠性製品につきましては、マイクロウェーブ対応の高輝性インキが市場で良い評価を受けており、より一層の拡販を期待しております。また意匠性マットニスも高評価により安定的に実績を頂いております。
今後もさまざまな包装材料分野への展開を進めるとともに、環境負荷低減製品および機能性、意匠性を有する高付加価値製品を充実させてまいります。
インクジェットインクにつきましては、受託製品の安定受注と自社製品である産業用インクジェット「TIC-JET®」の開発に取り組んでまいりました。
受託製品において、更なる品質の安定化を図り、顧客満足度の向上に努めてまいります。
自社製品においては、建材塗料代替となる外壁用・内壁用UVインク、マーキング用や加飾用途等のUVインクが順調に推移しております。今後も付加価値の高い機能性インクを中心とした開発に取り組み、さまざまな分野、用途において採用を目指してまいります。
当連結会計年度におけるインキ事業の研究開発費は
(化成品事業)
マスターバッチにつきましては、主力のポリオレフィン用カラー・添加剤マスターバッチに加え、汎用エンプラ用、バイオプラスチック用各種マスターバッチ製品の拡充、およびサステナブルな製品開発と環境規制への適合を重視し製品開発を進めてまいりました。これらの活動において、フッ素化合物PFAsの使用規制に対応するために非フッ素系加工助剤「プラヘルパー®」を前年度に上市しました。現在は、更に性能とコストに優れた新製品の開発に取り組んでおります。これにより、製品の持続可能性を高めることが期待できます。
また、生分解性プラスチック成形品の拡大に貢献するため、耐久性の向上や成形時の作業環境改善に役立つ、新たな「分解速度遅延マスターバッチ」を開発しました。更に、生分解性樹脂用の機能性マスターバッチも開発し、製品ラインの拡充を図っております。これにより、環境負荷の低減が期待できます。
更に、既存のマスターバッチに加え、加工時の熱エネルギーを削減できる液体タイプのマスターバッチ「リキッドカラー HiFormer®」は、供給機に高度な制御技術を適用した専用の供給機システム開発により、成形品の品質安定性を向上させました。環境性能を求める顧客ニーズに沿ったシステムを開発することで、新規分野への拡販を継続して行ってまいります。
今後も環境負荷を低減する製品開発への取り組みを継続するとともに、更に外部環境変化に対応し、新規開発テーマの推進を掲げ事業領域の拡大により、目標利益獲得を目指します。脱プラスチックの動きにより縮小分野もありますが、引き続きシェアの拡大と戦略製品の開発を進めてまいります。
樹脂コンパウンドにつきましては、機能性製品の開発として、各種機能性フィラー等の分散検討に引き続き取り組み、分散・配合技術を駆使した生産技術を確立し、新たな製品開発を目指してまいります。
土岐クリーン工場のクリーン環境下における新製品立ち上げも継続して取り組んでおります。引き続き、差別化製品の確立に向けた量産試作を継続して行い、食品、医療、電子、エネルギー、光学フィルム関連材料を中心に、顧客との共同開発テーマを積極的に進めてまいります。
また、新たな生産プロセスとなる、自動化、省人力化に寄与できる生産技術の導入も進めてまいります。
東京インキ(タイ)㈱の工場につきましては、化成品事業の海外主力工場として、引き続き東南アジア市場でのニーズに応える製品開発を目指し、取り組んでまいります。
今後も生産・販売・技術が一体となり、マーケット情報を共有してニーズに沿った製品開発を進めてまいります。
当連結会計年度における化成品事業の研究開発費は
(注)HiFormer®はAVIENT社の登録商標です。
(加工品事業)
ネトロン®につきましては、グローバルでの人口増加、経済発展、生活水準向上に伴い、水ビジネスの市場規模の成長が見込まれているため、水処理用資材を基幹製品と位置付け、経営資源を集中させて新製品開発、製品の改良・改善を行ってまいりました。得意先と共同開発を継続しており、拡販による高収益メーカーを目指しております。また、生産工場の再構築を行い自社工場での生産比率を高め、収益拡大を図ってまいりました。更に生産に必要な金型内製化のため導入した金型加工機による加工技術の取得も計画通りに進み、製品設計から性能評価までを一貫して実施できる環境が整いました。これからもサステナビリティ経営に資する水資源の重要部材であり、今後伸長が期待できるマーケットである水処理用資材を基軸に最適生産体制を強化し、中長期的な成長に繋げる活動を継続してまいります。
土木資材につきましては、内閣官房が令和3年度から7年度までの5年間で重点的かつ集中的に取り組んでいる「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の取り込みに引き続き注力してまいりました。また、産官学との共同研究,新規工法開発,NETIS登録工法の創出にも注力してまいりました。更にジオセル販売拡大に向けた環境整備として、国内初となるジオセル生産設備の開発を進め、来期中に営業生産を開始出来るように進めてまいります。このような活動を通し、防災インフラ等の強化及び災害時の迅速な復旧復興、経済・生活を支えるための取り組みを継続してまいります。
農業資材につきましては、市場からのニーズが高い農業用ハウスに用いる遮熱・保温資材であるエナジーシリーズを既に上市しておりますが、得意先からの様々な要望に応えるため、品質改良を行い製品のラインアップを増やしてまいりました。
「エナジーキーパー®」に関しては、高い断熱性と作業性が生産者の環境負荷低減を実現し、普及拡大を図る取り組みが、農林水産省の「みどりの食料システム戦略」における基盤整備事業計画に認定されております。
これからも、環境負荷を低減し、食料の安定確保に貢献できる製品開発を継続してまいります。
当連結会計年度における加工品事業の研究開発費は
(その他)
当社の研究開発は、新製品開発、新規事業探索を目的に活動を行っております。当社の事業展開と共に獲得してきた基盤技術を基に競争優位性のあるコア技術を確立し、差別化製品の開発を進めております。サステナブル対応製品をキーワードに、今後成長が期待されるモビリティ領域、ヘルスケア領域、デジタルデバイス領域へ展開し、機能性材料の設計へとその活動範囲を徐々に広げております。
このような中、近年の自動車のEV化や自動運転に伴う電子機器類の熱対策、モーター等の産業用電気機器における放熱性の要求の高まりに対して、放熱材ギャップフィラーの製品開発に注力し、事業化に向け組織的な活動を行ってまいりました。その結果、ノンシリコーンタイプの2液硬化型ギャップフィラーの製品ラインアップが完成し、高ワット対応の製品化も順調に進んでおります。また、コア技術として濡れ制御技術、微細化技術を駆使した開発においては、研究機関との共同研究開発により、金属ナノ粒子充填プラスチックシンチレータの開発が完成しました。医療用X線診断装置や一般X線分析装置等に搭載している検出器内の部材としてサンプル提供の環境を整え、今後は更なる用途展開を図り、開発を行ってまいります。今後も従来の基盤技術を応用し研究開発の中で確立したコア技術を融合し、サステナブル対応製品の拡充を軸に新製品の開発を進めてまいります。
一方、既存製品の生産プロセスにつきましても「省力化」、「自動化」、「安全性」を考慮したモデルラインの構築が完了し、今後生産部署での実用化を行い、新規生産プロセスおよび新規混練機の開発と合わせて、合理化された将来の生産ライン化を行います。今後も液系混合プロセスラインを含め、新規プロセスの検討にも注力してまいります。また、当社グループ事業に関わる合理化の検討および生産コスト削減に寄与できるよう努めてまいります。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は203百万円であります。