文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。
当社グループ(当社及び連結子会社)では、「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを存在意義として定義し、これを実現するための基本的な考え方として、「品質と信頼性」を追求し、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和を最大化することを「経営の基本」としています。
この「経営の基本」を実行するための戦略として、中期経営計画を策定し、顧客価値創造を通じた社会課題解決と収益向上の好循環を生み出し、持続的な成長を図ります。
当社グループは、2022年4月から2025年3月までの3カ年を対象とした中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」 に取り組んできました。この間、建設機械の需要は減少傾向が見えるものの、鉱山機械の需要が堅調に推移していることに加え、為替の影響及び各地域での販売価格の改善の効果などにより、最終年度の2024年度は、3年連続で過去最高売上高・利益を更新しました。中期経営計画では、「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場をお客さまと共に実現する」という目指すべき姿に向けて、ダントツ商品(製品の高度化)、ダントツサービス(稼働の高度化)、ダントツソリューション(現場全体の最適化)が三位一体となるダントツバリュー(新たな顧客価値)の創出に取り組み、「成長性」、「収益性」、「効率性」、「健全性」、「ESG」外部評価及び「株主還元」の経営目標の指標をそれぞれ達成しました。
<新中期経営計画:「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」>
当社グループは、新たな3カ年の中期経営計画(2025-2027年度)「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」を2025年4月よりスタートしました。
新中期経営計画では、当社の価値観の一つである「Ambition 挑戦する」を意識し、お客さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまと共に新たな価値の創造に果敢に挑戦し、グループ全体で成長を目指します。
今回、当社が目指すありたい姿を「安全で生産性の高いクリーンな現場を実現するソリューションパートナー」と再定義しました。スマートコンストラクションⓇやAHS(無人ダンプトラック運行システム)などのソリューションを更に進化させるとともに、それらと連動するより高度な機能を備えた製品の組み合わせにより、お客さまの現場を最適化する新しい価値を提供していきます。
成長戦略では、①イノベーションによる価値共創、②成長性と収益性の追求、③経営基盤の革新という3本柱を掲げています。ありたい姿からのバックキャスティングとともに、脱炭素社会への移行やデジタル技術の進展などの潮流をビジネス機会として捉えていきます。また、地政学リスクや世界貿易における関税政策などで不確実性が高まる外部環境へのレジリエンスを高めていく活動も強化していきます。
①「イノベーションによる価値共創」
ソリューション開発を更に進化させるとともに、多様な動力源への対応や、より高度な自動化・遠隔化に向けて積極的に取り組みます。
②「成長性と収益性の追求」
成長市場であるアジア、アフリカを中心に、地域別の商品力強化を進めるほか、バリューチェーンビジネスの拡大に取り組みます。
③「経営基盤の革新」
AI活用やDXを加速し、グループ全体の基幹システム刷新や代理店向けソリューションプラットフォームの開発・導入を中心に、経営インフラの強化に努めます。
成長戦略3本柱
成長戦略における主な重点活動
<2028年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画の経営目標>
財務項目では、引き続き業界水準を超える成長性、業界トップレベルの収益性を目指します。効率性を示すROE(自己資本利益率)についても、株主資本コストを上回る10%以上を目標として継続します。更に収益を確保し成長投資を継続していく観点から今回新たにフリー・キャッシュ・フロー(FCF)を加え、3年累計で1兆円という目標を設定しました。また、リテールファイナンス事業におけるネットD/Eレシオの目標を5倍以下から6倍以下に変更しました。
株主還元については、連結配当性向を40%以上とする方針を継続し、財務の健全性、株主資本比率を総合的に勘案して自己株式取得を適時に実施します。
非財務項目では、引き続き環境負荷低減に関する2030年のCO2削減目標及び2050年カーボンニュートラルのチャレンジ目標を継続します。このほか、今回新たにダブル・マテリアリティの観点から当社が取り組むべき重要な社会課題を特定し、それらに関連する活動のKPI(30項目)を定めました。詳細は、9月に発行する統合報告書での開示を予定しています。
*1 ROE =当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)
*2 ROA =セグメント利益/((期首総資産+期末総資産)/2)
*3 ネットD/Eレシオ(ネット負債資本比率) =(有利子負債-現預金)/株主資本
当社グループは、従来より、サステナビリティを重視した経営を行うことを宣言し、環境や安全に配慮した高品質・高効率な商品・サービス・ソリューションの提供などの事業活動を通じて、社会課題の解決を目指しています。世界的な気候変動を含めた様々な社会課題に対して取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を定め、その解決に向けた活動を中期経営計画に織り込み、持続可能な社会の実現と事業継続性の向上に向けて取り組んでいます。
<サステナビリティ基本方針>
当社グループは、事業活動を通じた社会貢献を基本的な姿勢としており、「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを存在意義と定義しています。この存在意義の下、持続可能な社会の実現と事業の成長の両立を目指すサステナビリティ経営の更なる推進のため、2021年12月に「サステナビリティ基本方針」を策定しました。今後も、本方針に掲げたとおり、持続可能な社会の実現と事業の成長のために重要な課題に取り組み、社会や外部環境の変化に柔軟に対応できる企業グループとして、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図り、ステークホルダーと共に社会に貢献していきます。
・サステナビリティ基本方針:https://komatsu.disclosure.site/ja/themes/201
(1) ガバナンス
<サステナビリティの推進体制>
サステナビリティ基本方針(人と共に、社会と共に、地球と共に)に基づき、人事、労働安全衛生、コンプライアンス、人権、環境などの課題分野に応じ、社長あるいは管掌役員を委員長とし、各事業・機能部門などの責任者から構成される各種会議体を設定し、グループ全体にわたる方針や施策の審議・決定及び推進を図っています。具体的には、人事・教育施策はコマツウェイ推進委員会、環境や人権などに関わる施策はサステナビリティ推進委員会にて、それぞれ審議されています。また、カーボンニュートラルや脱炭素化に向けた事業戦略などについては戦略検討会で議論されています。前述の委員会における討議内容や事業戦略は、取締役会に定期的に報告及び審議されています。
この他、顧客価値創造により、社会課題解決と収益向上の好循環を生み出し、持続的な成長を図ることを基本コンセプトとする当社の中期経営計画において、社会課題解決に関わる項目を経営目標としてKPIを設定し、その達成状況を統合報告書にて公開するとともに役員報酬にも連動させることで、サステナビリティを着実に推進していく体制としています。
① 気候変動に関するガバナンス(TCFD提言に基づく情報開示)
当社グループは、2019年4月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、2020年よりTCFDの情報開示フレームワークに沿った開示を行っており、気候変動が当社グループに及ぼすリスクと機会の評価、シナリオ分析、及びステークホルダーとの健全な対話を通じて、気候変動への取り組みを推進しています。当社グループは気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして事業戦略上の目標に織り込んでおり、サステナビリティ推進委員会・リスク管理委員会でそれぞれ気候変動に関する議論を行い、それらの議論を取締役会に報告することで、適切に監督される体制を整備しています。また、気候変動への対応を含めた事業戦略は、戦略検討会で議論されており、執行役員ミーティングは、目標に関する進捗管理の機能を果たしています。
② 労働安全衛生に関するガバナンス
当社は、当社グループ全体の安全衛生・健康管理の推進はもとより、ビジネスパートナーを含めた職場における安全衛生の取り組みに注力しています。グループ安全衛生大会、国内グループ安全衛生委員会、グローバル安全衛生・健康会議、健康づくり中期計画に関する会議、健康づくり推進委員会などの各種会議体を通じて安全衛生・健康管理に関する議論・情報の共有を行っています。
③ 人材の育成に関するガバナンス
当社は、社長を委員長とし、各事業・機能責任者で構成されるコマツウェイ推進委員会を年2回(ほか必要時)開催し、当社グループ全体の人事、労務、教育・人材育成、福利厚生に関する方針及び重要な施策の審議・決定とその実施を促進しています。更に、コマツウェイ推進委員会の活動内容は取締役会に報告し、審議されています。
※上記のサステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続きに関する詳細は、
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf#page=45
※上記の労働安全衛生に関する体制の詳細は、「ESGデータブック2024」P.60~P.61を参照ください。
https://komatsu.disclosure.site/jp/csr/pdf/KomatsuCSR2024_jp.pdf#page=61
当社のコーポレート・ガバナンスの概要については、
(2) 戦略
近年、外部環境が大きく変化し、不確実性がますます高まるなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)やカーボンニュートラル、ダイバーシティ&インクルージョンなどの潮流をビジネス機会と捉え、事業の成長につなげることが重要と認識しています。当社では、中期経営計画において成長戦略を通じた社会課題解決と収益向上の好循環による持続的な成長の実現を基本的な考え方とし、その策定に際しては、当社グループの事業活動による社会・環境への影響と、社会・環境から受ける当社グループのビジネスへの影響の2側面から当社が取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を分析し成長戦略に反映させています。
※上記のマテリアリティの分析に関する詳細は統合報告書「コマツレポート2024」P.16~P.17を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf#page=17
① 気候変動に関する戦略(TCFD提言に基づく情報開示)
短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のマテリアリティの一つである気候変動関連については、TCFD最終報告書のリスクと機会の例を参照し、主に建設・鉱山機械に影響する16のリスク・機会を抽出しています。次に、売上げや収益などへ影響する内的要因及びシナリオ下で想定される外的要因で評価したうえで、重要な4つのテーマとして、「資源需要の変化」「低炭素製品への移行」「製造コスト」「自然災害」にグルーピングしています。
気候変動のリスクと機会が当社グループに与える影響を計るため、上述の4つのテーマに対してシナリオ分析を実施しています。
4つのテーマに関するリスクと機会、それに対する戦略は下表のとおりです。
重要な4つのテーマ
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テーマ |
リスク |
機会 |
戦略 |
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資源需要の変化 |
・化石燃料発電への規制 ・石炭生産量は大幅に減少 ・当社グループの石炭顧客向け売上げの減少 ・石炭鉱山への投資意欲の減少 |
・化石燃料で動く機械が電動化へ急速に転換 ・電動化(モーター、バッテリー、燃料電池など)に必要な銅などの需要が増加 ・電動化が進み、当社グループの銅鉱山や銅関連顧客向け売上げが増加 ・鉱山の効率化のための投資が増大 |
中期経営計画に定める成長戦略により、資源需要の変化がもたらす機会を開拓し、持続的成長を実現する |
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低炭素製品への移行 |
・低排出規制による開発・設備投資コスト増加 ・顧客の電動化要望に対応できない場合の売上げ減少 ・技術開発と競争軸の急激な変化、新規競争者の参入 ・顧客主導により駆動コンポーネントが開発・製造されるようになり、長期的な技術優位性の低下 |
・電動・低燃費・バイオ燃料機械の需要増大により売上げが増加 伝統市場の変化に対応することによりいずれ来る戦略市場の変化にも迅速に対応できる ・循環経済への移行で再生(リマニュファクチャリング)事業が拡大 ・低炭素化に効果があるソリューションビジネスの需要が増加 ・蓄電池など高品質なコンポーネントを安定供給できる調達先を確保することで製品の信頼性が高まる |
カーボンニュートラルを達成するための活動を実施し、世界が求める低炭素製品への移行に応える |
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製造コスト |
・化石燃料、排出CO2に対し課税 ・購入品価格上昇 ・CO2排出量が少ない生産設備への投資によるコスト増加 |
・CO2排出量を削減する生産技術で競争力向上 |
CO2削減目標や再エネ目標達成でコスト上昇緩和 環境負荷の低い生産工場を実現 |
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自然災害 |
・異常気象による大雨・洪水の頻度増加 ・洪水リスクが高い当社グループ工場の被災リスク ・サプライヤーが被災した際の部品供給遅れ |
・治水工事等の需要増加 |
バリューチェーン全体で大雨・洪水対策を行う(物理リスクに対応) |
② 労働安全衛生に関する基本方針
当社は、社員の行動指針として、「Safety & Health(安全衛生・健康)、L(コンプライアンス)、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)」を掲げ、安全衛生・健康をすべてに優先しています。更に「安全衛生に関する社長メッセージ」をもとに、当社グループ全体で、社員が安全で安心して働くことのできる職場環境の確保、及び、社員の健康の維持・増進に努め、その実現に向けて、社員全員が一致協力して積極的な安全衛生・健康管理活動を推進するという「安全衛生方針」を掲げています。
この方針のもと、リスクアセスメントの実施による労働災害の未然防止活動や、過去に発生した労働災害の再発防止策を当社グループ全体で展開し、潜在的な災害要因の除去と再発防止に努めるとともに、当社で定める「安全基本作業15箇条」の順守などを通じ、社員の安全意識の向上・啓発に取り組んでいます。
また、健康管理活動については、当社及び国内連結子会社では、健康づくりに関する中期計画のもと、社員がより良い人生を送るために必要な事項を自ら考え行動できる「健康文化づくり」に着手し、社員ヘルスリテラシーの向上を目指した様々な取り組みを推進しています。このほか、海外連結子会社とも連携をすすめています。
※上記の戦略に関する詳細は、「ESGデータブック2024」P.61~P.70を参照ください。
https://komatsu.disclosure.site/jp/csr/pdf/KomatsuCSR2024_jp.pdf#page=62
③ 人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社では、グローバルに発展し、持続的に成長していくため、文化や習慣の異なる全世界の社員が共有すべき価値観として「コマツウェイ」を2006年に明文化し、世界中の社員への浸透を図っています。2025年1月には、6年ぶりとなる改訂を行い、社内外の環境変化も踏まえ、当社グループ社員にとってより理解・実践しやすい内容としています。今後も、このコマツウェイを土台としながら、人材育成に関する取り組みを継続していきます。
また、2024年度までの中期経営計画では、「多様性に富む人材基盤の充実化」を重点活動として掲げ、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「多様な能力開発機会の提供とエンゲージメントの向上」「デジタル人材、オープンイノベーション推進人材の育成」をはじめとした施策を展開してきました。今後も引き続き、事業成長を支える人材の獲得・活躍の推進に向けて、人的資本の価値を最大限に引き出す取り組みを加速させていきます。
(i) ダイバーシティ&インクルージョンの推進
多様な人材がお互いの個性や能力を認め合い、活かし合うことができる環境の実現が、イノベーションの創出、ひいては会社全体の成長につながっていくものと考え、継続して「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」に取り組んでいます。
全世界で事業を展開し、海外売上比率が約9割、海外で働く社員が約7割を占める当社グループにとって、グローバルリーダーの育成が成長の大きな鍵を握ります。海外現地法人では、ナショナル社員(現地社員)がトップマネジメントとして経営を担うケースが多数を占めるだけでなく、主要な海外現地法人のトップについてはその地域のみならず連結経営の一端を担う「グローバルオフィサー」に任命しています。更に、グローバルオフィサーの中でも経営の中核を担う人材を当社の執行役員に任命しています。
また、ジェンダー・ダイバーシティ推進にも積極的に取り組んでおり、女性比率の向上に関するKPIを掲げ、採用、育成、キャリア継続のための環境整備などの諸施策を進めるとともに、中核人材としての活躍も推進しています。
(ii) 多様な能力開発機会の提供とエンゲージメントの向上
当社では、各分野でのプロフェッショナルになるための教育の充実、各階層に求められる知識やスキル習得の支援など、多様な能力開発機会の提供に取り組んでいます。次世代リーダー層の育成においては、国内・海外の主要ポジションを「グローバルキーポジション」として位置づけてサクセッションプランを策定し、グローバルでの計画的な育成プログラムを展開しています。更に、社員の主体的なチャレンジ・自律的なキャリア形成を支援するため、「CDP(Career Development Program)」を2023年度から展開し、各種人事施策と社員のキャリア形成支援の連携・連動を高めていきます。
また、社員エンゲージメントの向上は、会社の持続的な成長に欠かせないものと考え、全世界の当社グループ社員を対象にグローバルエンゲージメントサーベイを実施し、地域・組織ごとの強み・課題を反映した人事諸施策の整備に取り組んでいます。今後も継続的に社員エンゲージメントを把握・分析することで、刻々と変化する課題に対応しながら、社員一人ひとりが、よりいきいきと活躍できる環境の実現を目指していきます。
(iii) デジタル人材/オープンイノベーション推進人材の育成
デジタル人材の育成については、教育を通じて目指す人材像を定めた上で、当社の全社員を対象としたベーシックな教育から選抜型の実践的なプログラムにいたるまで、一気通貫の教育体系に整理しました。具体的には、業務改革リーダーを育成する研修や、デジタル技術を用いた課題解決スキルを学ぶ研修、各受講者が自身に必要なスキルを自律的に学ぶ研修等を実施しています。また、DXの推進や生成AIの活用による業務効率化を目的としたプロジェクトチームの活動の一環として、当社グループ全社員のDXリテラシー向上を目指すe-Learningを作成しました。本教材では、DX推進に不可欠な組織風土の理解を深めるとともに、生成AIの基本を学び、業務活用へつなげることを目的としており、当社グループ全体へ展開しています。更に、オープンイノベーションを推進する人材の育成について、産官学連携をより加速させるため、社内・社外のプログラムの実施・活用などを進めています。
※上記の戦略に関する詳細は、統合報告書「コマツレポート2024」P.46~P.50を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf#page=47
(3) リスク管理
<リスク管理の基本方針>
当社グループの経営の基本は、「品質と信頼性」を追求し、企業価値(社会を含めたすべてのステークホルダーからの信頼度の総和)を最大化することであり、これを阻害する一切の不確実性を「リスク」として捉えています。当社グループでは、戦略の意思決定や事業の円滑な運営を適切に行うために、リスクへの対応方針である「リスクアペタイトステートメント」を定め、社員一人ひとりにこれに基づいた判断・行動を徹底しています。なお、リスクアペタイトステートメントの策定については、社長を委員長とするリスク管理委員会において審議及び決定し、その議論を取締役会に報告するプロセスとしています。当社グループでは、事業環境の変化を単なるリスクのみならず、企業の成長機会(オポチュニティ)と捉え、競争優位性の確保を目指して積極的に挑戦していく旨を、リスクアペタイトに織り込んでいます。
<リスク管理体制>
当社グループでは、全社的リスク管理(Enterprise Risk Management 以下、ERM)を導入し、グループを取り巻くあらゆるリスク及び機会を把握し、平時から備えることで、変化し続ける事業環境とリスクに対して的確に対応できる体制づくりに取り組んでいます。また、ERMの推進にあたり、リスク管理に関する当社グループ全体の方針の策定、全社横断的な観点でのリスクの選定と評価による「コーポレートリスク」の特定、リスク対策実施状況の点検・フォロー、リスクが顕在化したときのコントロールを行うため、社長を委員長とし、各事業・機能責任者から構成される「リスク管理委員会」を設置し、審議・活動の内容を定期的に取締役会に報告しています。
また、重大なリスクが顕在化した時には緊急対策本部を設置し、被害を最小限に抑制するための適切な措置を講じています。
※上記のリスクに関する詳細は、
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf#page=79
(4) 指標及び目標
本項に記載するサステナビリティに関する活動の2024年度の実績並びに2025年度以降の目標については、2025年9月発行予定の統合報告書「コマツレポート2025」にて開示予定です。2024年度において、当社グループでは次のような指標を設定し活動を推進しました。
① 気候変動に関する方針の指標及び当該指標を用いた目標
当社グループは、気候変動関連の指標及び目標として、経営指標に環境負荷低減を掲げ、具体的には以下の経営目標を掲げています。
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・CO2排出削減 |
2030年 50%減(2010年比) |
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2050年 カーボンニュートラル(チャレンジ目標) |
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・再生可能エネルギー使用率 |
2030年 50% |
また、当社グループが上記「(2)戦略」において記載した、気候変動に関する戦略について、指標及び目標は次のとおりです。
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方針 |
指標(KPI) |
目標(2024年度) |
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地球環境負荷ゼロ工場の実現 |
生産によるCO2削減率 |
2010年比△45% |
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再生可能エネルギー使用比率 |
20% |
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顧客現場におけるCO2排出削減 |
製品使用によるCO2排出量の削減率 |
2010年比△24% |
※上記の指標及び目標に関する詳細及び実績については、統合報告書「コマツレポート2024」P.34~P.36、
「ESGデータブック2024」P.16~P.20を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf♯page=35
https://komatsu.disclosure.site/jp/csr/pdf/KomatsuCSR2024_jp.pdf#page=17
② 労働安全衛生に関する方針の指標及び当該指標を用いた目標
当社グループが上記「(2)戦略」において記載した、労働安全衛生に関する基本方針について、指標及び目標は次のとおりです。
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方針 |
指標(KPI) |
目標(2024年度) |
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安全で安心して働ける職場環境づくり |
休業災害度数率(100万時間当たり) |
2019~2021年度の3年平均0.65からの継続的な低減(実績開示) |
※労働安全衛生に関する指標等に関する詳細は、統合報告書「コマツレポート2024」P.35~P.36、
「ESGデータブック2024」P.63~P.70を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf♯page=36
https://komatsu.disclosure.site/jp/csr/pdf/KomatsuCSR2024_jp.pdf#page=64
※2024年度実績及び詳細については、2025年7月更新予定の「ESGデータブック2025」を参照ください。
③ 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標及び当該指標を用いた目標
当社グループが上記「(2)戦略」において記載した、人材の育成及び社内環境整備に関する方針についての指標及び目標は次のとおりです。
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方針 |
指標(KPI) |
目標( |
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ダイバーシティ&インクルージョンの推進 |
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多様な能力開発機会の提供とエンゲージメント向上 |
サクセッションプラン |
海外グループ各社経営幹部層へのサクセッションプラン拡大 |
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エンゲージメントサーベイスコア ※スコアは好意的回答の比率 ※サーベイは隔年実施 (2023年度実施) |
・グローバル:85以上 ・国内:75以上 (※2023年度目標) |
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デジタル人材/オープンイノベーション推進人材の育成 |
DX、AI人材の育成 |
教育受講者数(2022-2024年度累計) ・DX人材 実践180人/入門900人 ・AI人材 実践30人/入門90人 |
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スマートコンストラクション・ コンサルタント育成 |
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※特に記載がない限り、当社グループ連結による目標
※人的資本に関する指標等の詳細は、統合報告書「コマツレポート2024」P.46~P.50、
「ESGデータブック2024」P.35~P.59を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf#page=47
https://komatsu.disclosure.site/jp/csr/pdf/KomatsuCSR2024_jp.pdf#page=36
当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を世界各国に設け、グローバルに事業を展開しています。当社グループを取り巻く経営環境において、現在予見可能な範囲で考えられる主な事業等のリスクは次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。
<戦略リスク>
(1) 製品・ソリューション戦略
当社グループは、「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを存在意義として定義しており、将来の市場や社会のニーズを踏まえて新たな製品・ソリューションの創出、市場導入を進めています。しかしながら、顧客のニーズに合致した製品・ソリューションを市場が要求する時期までに開発できない場合や、当社グループが開発・提供した製品・ソリューションが顧客の評価を得られない場合には、市場での競争力を失う可能性があります。
また、当社グループの事業、製品は、多くの国のますます厳しくなる環境規制に対応する必要があり、世界では気候変動の要因とされる温室効果ガスの削減への取り組みが進められています。そのため、当社グループは各国においての環境規制及び関連法規等を順守するため、また気候変動への対応のため、研究開発費をはじめ多くの経営資源を投入しています。しかしながら、将来において環境規制の変更や気候変動の影響により、当社グループにとって更に多くの費用や設備投資が必要になった場合、あるいは製品の開発、生産、販売・サービス活動等に支障をきたした場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。
(2) 事業環境
当社グループのおかれる事業環境や製品の需要は、地域により異なる経済・市場環境、政治・社会情勢及び競争条件等により、大きく変動する可能性があります。
当社グループの事業は、先進国市場においては総じて景気循環的な産業であり、住宅着工、工業生産水準、インフラへの公共投資、民間設備投資等の、当社グループにとってコントロール不能な要因が当社グループ製品の需要に影響を与える可能性があります。新興国市場においては、需要動向について常に注意を払っていますが、資源需要や資源価格の変動、通貨価値の急激な変動等、不安定な要因を多分にもっており、この変化が当社グループの経営成績に不利益な影響を与える可能性があります。また、当社の予期せぬ方向に世界的規模で同時に経済・市場環境が急激に悪化した場合は、更に受注の減少、顧客によるキャンセルの増加、債権回収の遅延等が発生する可能性があります。
これらの事業環境の悪化が、売上高の減少、在庫水準・生産能力の不適正化を生じさせ、収益性の低下や追加費用の発生を通じて、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。なお、各国の関税政策に起因する金融・経済の混乱等が当社グループの財政状態及び経営成績に不利益な影響を与える可能性があります。
(3) 事業投資
当社グループは、国際的な競争力を強化するために、様々なビジネスパートナーとの提携・協力や企業買収等を行っており、それらを通じて製品の開発、生産、販売・サービス体制の整備・拡充、ソリューションビジネスの展開を図っていますが、その期待する効果が得られない場合、あるいは提携・協力関係が解消された場合には、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。
(4) 社会課題への対応
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、気候変動、生物多様性、水資源の枯渇、人権の問題等の様々な社会課題を認識しています。これらの社会課題に誠実に対応し、グローバル企業として社会・環境に対する責任を果たしつつ、事業活動を通じて社会に貢献していくことを目指していますが、社会からその対応が不十分とみなされる可能性があり、その結果、ブランドイメージや社会的信用の低下により、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。
<オペレーショナルリスク>
(1) 製品の安全・品質
当社グループの提供する製品は、社内で確立した厳しい基準の下、品質と信頼性の維持向上に努めています。万が一、予期せぬ製品の設計・製造に起因する不具合で事故等が発生した場合には、リコール等の改善措置を行っていますが、損害に対する賠償等の発生や、当社グループの評判・信用失墜により当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。
(2) サプライチェーン
当社グループは、「対等なパートナーである協力企業との切磋琢磨を通じたWin-Winの関係を目指す」という理念の下、発注先の評価・選定をしていますが、サプライチェーン上の何らかの理由で、持続可能で責任ある調達への取り組みが不十分と見なされた場合、当社グループのブランドイメージ、信用の低下につながる可能性があります。
当社グループの部品・資材の調達は、素材市況やエネルギー価格の変動に影響を受けます。鋼材等の素材価格や原油・電力等のエネルギー価格の高騰は、当社グループ製品の製造原価の増加をもたらします。また、部品・資材の品薄、調達先の倒産あるいは生産打ち切り、多国間での輸出入規制、国際輸送の混乱等により、適時の調達・生産が困難になり、生産効率の低下や販売機会を逸する可能性があります。材料費の増加等による製造原価の上昇については、原価低減や販売価格の見直し等によって対応し、適時の調達・生産の問題については、調達先の複数化と生産体制の相互供給化、安全在庫の保有、関係各部門の連携による生産管理の強化等により影響を最小限にする考えですが、グローバルサプライチェーンの混乱、予期せぬ素材やエネルギー価格の高騰、これら供給の逼迫の長期化は、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。
(3) 人材獲得・育成
当社グループでは、人材は新しい価値を生み出す重要な経営資源の一つと捉えており、こうした考えの下で継続的に人材への投資を行っており、社内外の環境変化や経営方針との連動を意識しながら、会社・従業員双方の持続的な成長・発展を目指しています。しかしながら、労働人口の減少等による人材確保競争が激化することにより当社グループが必要とする人材の確保・育成が計画的に進まない場合、当社グループの経営計画の実行及び持続的な成長に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 情報セキュリティ
当社グループは、グローバルな事業活動において顧客情報・個人情報等を入手することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しています。これらの情報の保管に加え、当社グループの様々な業務を遂行するために社内外のシステムを利用しています。当社グループは、これらの情報の機密保持及びシステムの安定稼働に細心の注意を払っており、コンピューターウィルスへの感染、サイバー攻撃等による不正アクセス、改ざん、破壊、漏洩及び滅失等を防ぐため、管理体制を構築するとともに、合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じています。しかし、顧客情報・個人情報等の漏洩・滅失等の事故が起きた場合には、損害賠償責任を負ったり、当社グループの評判・信用に悪影響を与えたりするなどのリスクがあります。また、想定を超えた地震・火事などの災害や電源設備の障害等により当社グループが利用する社内外のシステムが停止するリスクもあります。サイバー攻撃やなりすまし等の不正行為の脅威はますます高まっており、当社グループ若しくは当社の主要サプライヤーにて被害が発生した場合は重要な業務の中断による生産や販売への影響を与えるリスクがあります。また、営業上・技術上の機密情報が漏洩・滅失した場合若しくは第三者に不正利用された場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。更には、サイバー攻撃が高度化すると、情報セキュリティ対策強化のためのコストが増加するリスクがあります。
(5) 知的財産
当社グループでは、当社グループ製品に関連する多数の特許権、商標権、その他の知的財産に係る権利を取得しています。しかしながら、国又は地域によっては、これらの知的財産権が完全に保護されない場合、若しくは限定的にしか保護されない場合があり、第三者が当社グループの知的財産権を使用して類似した製品を製造、販売することを防止できない場合には、売上高の減少等により当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。
<財務リスク>
(1) 金融市場の変動
当社グループは、資産の効率化を進めていますが、金融機関からの借入や、社債の発行等による有利子負債があります。長期の固定金利調達を織り交ぜることにより、金利変動リスクの影響を軽減していますが、市場金利の上昇は、有利子負債の支払利息を増加させ、当社グループの利益を減少させるリスクがあります。また、当社グループの年金資産に関しては、定期的に運用状況の評価やポートフォリオの見直しを行っていますが、市場性のある証券の公正価値や金利など金融市場における変動が年金制度の積立不足金額や債務を増加させ、年金費用の増加となり、当社グループの経営成績や財政状態に不利益な影響を与えるリスクがあります。
(2) 税制
グループ会社間の国際的な取引価格に関しては、適用される日本及び相手国の移転価格税制を順守するよう細心の注意を払っていますが、税務当局から取引価格が不適切であるなどの指摘を受ける可能性があります。更に政府間協議が不調となるなどの場合、結果として二重課税や追加課税を受ける可能性があります。これらの予期しない事態に直面した場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。
(3) 為替変動
当社グループの海外売上高の主要な部分が、外国為替の変動の影響を受けます。通常は、他の通貨に対して円高になれば当社グループの経営成績にマイナスの影響を及ぼし、円安になればプラスの影響を及ぼします。また、外国為替の変動は、同一市場において当社グループと外国企業が販売する製品の相対的な価格や、製品の製造に使用する材料のコストに影響を与える可能性があります。これに対し当社グループでは、グローバルに生産拠点を配置して生産を行うなど、このリスクを軽減するよう努めています。また、当社グループは、短期の為替変動の影響を最小にするためヘッジ取引も行っています。しかし、為替レート水準の予期せぬ変動は、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。
<ハザードリスク>
(1) 戦争・テロ・地政学リスク
当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を世界各国に設け、グローバルに事業を展開しており、特定地域における社会的、政治的、軍事的な緊張の高まりは、当社の事業へ影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、多様化する地政学リスクがもたらす資源価格変動や輸出入規制、サプライチェーンへの影響等を最小限にすべく、各国の政治・経済情勢や法規制の動向を確認し、状況の分析及び対応を行っています。しかし、グローバルでの政治的分断、軍事的緊張によりサプライチェーンの混乱や金融・経済への影響が生じる可能性があります。当社グループでは、経済安全保障推進法をはじめとする経済安全保障関連・諸規制の動向について情報の収集と分析にあたっていますが、予期しない事態に直面した場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。
(2) 自然災害・事故・感染症等
当社グループの拠点において、地震・津波・水害等の自然災害、感染症の流行、放射能汚染、暴動、火災・爆発等の災害事故、第三者による当社グループに対する非難・妨害が発生し、短期間で復旧不可能な甚大な損害を被る可能性があります。また、当社グループが直接の損害を受けない場合でも、物流網及び供給網の混乱、電力・ガス等の供給不足や通信障害、協力企業の生産障害等が長期にわたり継続する可能性があります。当社グループでは、これらのリスクの顕在化に備え、事業継続計画の策定及び訓練等を行っており、重大リスクが顕在化した場合は、緊急対策本部を設置し、被害を最小限にするための適切な措置を講じます。
1.経営成績等の状況の概要
2024年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況は次のとおりです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 概要
2024年度の連結売上高は、4,104,395百万円(前年度比6.2%増加)となりました。利益については、営業利益は657,125百万円(前年度比8.2%増加)となりました。売上高営業利益率は前年度を0.3ポイント上回る16.0%となりました。税引前当期純利益は、604,838百万円(前年度比5.1%増加)、当社株主に帰属する当期純利益は439,614百万円(前年度比11.7%増加)となりました。
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|
2024年度 |
前年度比 |
||
|
売上高 |
4,104,395 |
百万円 |
+6.2 |
% |
|
建設機械・車両 |
3,798,235 |
百万円 |
+5.1 |
% |
|
リテールファイナンス |
123,211 |
百万円 |
+19.0 |
% |
|
産業機械他 |
223,600 |
百万円 |
+14.3 |
% |
|
消去 |
△40,651 |
百万円 |
|
- |
|
セグメント利益 |
663,527 |
百万円 |
+9.6 |
% |
|
建設機械・車両 |
598,874 |
百万円 |
+4.3 |
% |
|
リテールファイナンス |
29,422 |
百万円 |
+21.4 |
% |
|
産業機械他 |
27,391 |
百万円 |
+166.5 |
% |
|
消去又は全社 |
7,840 |
百万円 |
|
- |
|
営業利益 |
657,125 |
百万円 |
+8.2 |
% |
|
税引前当期純利益 |
604,838 |
百万円 |
+5.1 |
% |
|
当社株主に帰属する当期純利益 |
439,614 |
百万円 |
+11.7 |
% |
② 為替レート変動の影響
2024年度は前年度に比較し、為替レートが米ドル、豪ドル等に対して円安に推移しました。為替レートの変動により、建設機械・車両事業のセグメント利益は前年度比で約480億円増加したと試算されます。為替レート変動の影響は、各社の外貨建取引額に各為替レートの変動を乗じて算出した金額の合計として試算されています。為替レート変動に対応した販売価格変更の影響は考慮していません。
③ 売上高
売上高は前年度の3,865,122百万円と比較して6.2%増加の4,104,395百万円となりました。国内売上高は前年度の436,649百万円と比較してほぼ横ばいの436,605百万円、海外売上高は前年度の3,428,473百万円と比較して7.0%増加の3,667,790百万円となりました。
④ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高の増加に伴い、前年度比4.8%増加して2,782,012百万円となりました。売上高に対する比率は67.8%と前年度比で0.9ポイント減少しました。
販売費及び一般管理費は、前年度比9.0%増加して658,856百万円となりました。
なお、売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、前年度比6.8%増加して1,105億円となりました。
⑤ 長期性資産等の減損
長期性資産等の減損は、前年度の6,108百万円と比較して4,077百万円減少の2,031百万円となりました。2024年度の長期性資産等の減損は、主として有形固定資産の減損によるものです。
⑥ その他の営業収益(△費用)
その他の営業収益(△費用)は、前年度の7,628百万円の収益に対し4,371百万円の費用となりました。
⑦ 営業利益
営業利益は以上の結果、前年度の607,194百万円と比較して8.2%増加の657,125百万円となりました。
⑧ その他の収益(△費用)
受取利息及び配当金は、前年度の21,146百万円と比較して6,179百万円増加の27,325百万円となりました。支払利息は、前年度の54,506百万円と比較して3,088百万円増加の57,594百万円となりました。
⑨ 税引前当期純利益
税引前当期純利益は以上の結果、前年度の575,663百万円と比較して5.1%増加の604,838百万円となりました。
⑩ 法人税等
法人税等は、前年度の167,580百万円と比較して21,953百万円減少の145,627百万円となりました。税引前当期純利益に対する法人税等の比率(実効税率)は、前年度の29.1%から5.0ポイント減少し、2024年度は24.1%となりました。法定税率31.3%と実効税率24.1%との差異は、海外子会社の適用税率の差異等によるものです。
⑪ 持分法投資損益
持分法投資損益は、前年度の8,273百万円の利益と比較して1,248百万円増加の9,521百万円の利益となりました。
⑫ 当期純利益
当期純利益は以上の結果、前年度の416,356百万円と比較して52,376百万円増加の468,732百万円となりました。
⑬ 非支配持分に帰属する当期純利益
非支配持分に帰属する当期純利益は、コマツオーストラリア㈱やコマツカミンズチリ㈲等の当期純利益が増加したことから、非支配持分に帰属する部分が増加し、前年度の22,930百万円と比較して6,188百万円増加の29,118百万円となりました。
⑭ 当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は以上の結果、前年度の393,426百万円と比較して11.7%増加の439,614百万円となりました。1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前年度の415.96円から473.44円となりました。潜在株式調整後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前年度の415.93円から473.42円となりました。
⑮ セグメント利益の状況
(セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。)
建設機械・車両事業のセグメント利益は、販売量減少やコストの増加などの影響はあるものの、販売価格の改善効果と円安の影響により、前年度の573,987百万円と比較して24,887百万円増加の598,874百万円となりました。
リテールファイナンス事業のセグメント利益は、受取金利率の上昇や円安の影響、金融債権の増加などにより、前年度の24,243百万円と比較して5,179百万円増加の29,422百万円となりました。
産業機械他事業のセグメント利益は、自動車産業向けの大型プレス及び工作機械の販売増加や半導体産業向けエキシマレーザー関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、前年度の10,279百万円と比較して
17,112百万円増加の27,391百万円となりました。
これらに、全社及びセグメント間取引消去を差し引いたセグメント利益(連結)は、前年度の605,674百万円と比較して57,853百万円増加の663,527百万円となりました。
なお、セグメント利益(連結)は米国会計基準に則っていませんが、財務諸表利用者に有益な情報を提供するために表示しています。
(2) キャッシュ・フローの状況
2024年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権が増加したものの、当期純利益などにより、517,167百万円の収入(前年度比82,389百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の購入などにより、210,669百万円の支出(前年度比6,250百万円の支出増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや自己株式取得などにより、321,424百万円の支出(前年度は122,037百万円の支出)となりました。
各キャッシュ・フローの合計に為替変動の影響を加えた結果、現金及び現金同等物の当年度末残高は前年度末に比べ17,609百万円減少し、385,569百万円となりました。
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため生産、受注及び販売の実績については、「2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」における各事業の種類別セグメント業績に関連付けて示しています。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成しています。作成にあたって当社のマネジメントは、知り得る限りの情報に基づいて妥当であると考えられる見積りや判断を継続して実施しています。これらの見積りや判断は、連結財務諸表において、決算日の資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値及び偶発資産・債務の開示情報に影響を与えます。これらの見積りや判断は、当社グループの過去からの経験、既存の諸契約の内容、業界動向の分析、顧客からの情報、その他の外部からの情報に基づいているものですが、その性質上、内在する不確実性の度合いが影響するため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。当社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記1に記載されています。
ウクライナ情勢や各国の関税政策に起因する金融・経済の混乱等が当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響については、収束時期等が不透明であるものの、現時点で入手可能な情報や予測に基づき、今後も一定程度当該影響が継続すると仮定しています。会計上の見積りの中でも比較的重要性のある信用損失見積額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断、長期性資産及び営業権の減損の判定については、当該仮定を含んだ最善の見積りを行っていますが、今後の実際の推移が当該仮定と乖離する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表等に重要な影響を及ぼすと考えています。
① 信用損失引当金
当社グループは、過去の損失発生実績や経済指標及び顧客の信用状況等の様々な要素を考慮して、信用損失が発生すると予想される金額を見積り、売上債権等に対して信用損失引当金を計上しています。特にリテールファイナンス事業に係る売上債権(以下、「リテールファイナンス債権」)は、回収が長期間に及ぶうえに、信用損失見積額の算定及び担保による回収可能見込額の算定には不確実性を伴います。当社グループは、過去の平均損失率に住宅着工件数等の関連する経済指標の変動予測を加味した予想信用損失率を用いて、リテールファイナンス債権に対する信用損失引当金を計上しています。また、顧客の財政状況の悪化や支払い遅れの長期化等により回収可能性に懸念があると判断されるリテールファイナンス債権に対しては、顧客ごとの信用状況や未回収債権の状況調査及び担保となる機械の市場価格調査を行い、入手可能な情報に基づいて信用損失引当金を個別に積み増しています。これまでに発生した損失実績は、当社グループが予測し、計上した引当金の範囲内であり、当社のマネジメントは、当社グループの見積りが妥当であると考えていますが、売上債権の種類の構成が変化したり、予見できない大きな経済環境の変動により顧客の財政状況に変化が生じるような場合、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
詳細は、連結財務諸表注記4に記載されています。
② 法人税等と繰延税金資産
当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、各構成単位で納税地の税法に基づいて法人所得税・未払法人税の見積りを行っています。また、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異については、税効果計算を実施し、連結貸借対照表に繰延税金資産・負債を計上しています。
繰延税金資産の計上にあたっては、これらが将来の課税所得や有効な税務計画により実現されることの確実性を検証する必要があります。
当社のマネジメントは、取締役会で承認された経営計画や、期中での各社からの経営報告、将来の市場状況、実行性の高い税務戦略等に基づき、将来の課税所得を推定し繰延税金資産の回収可能性を判断しており、実現できないと考えられる部分については評価性引当金を計上しています。将来の課税所得あるいは課税時期に関する当社のマネジメントの判断が変わることにより、評価性引当金が変動する可能性があります。
また、当社グループは、税務ポジションの不確実性から生じる影響額については、税務上の技術的な解釈に基づき、税務ポジションが認められる可能性が50%超である場合、財務諸表で認識しています。その税務ポジションに関連するベネフィットは、税務当局との解決により、50%超の可能性で実現が期待される最大金額で測定されます。
当社のマネジメントは、計上した繰延税金資産(評価性引当金控除後)全額が実現可能であり、認識された不確実性のあるすべての主要な税務ポジションは瑕疵なく持続していると判断していますが、経営計画が実現できず、将来の課税所得の見積りが大幅に減少する場合や、関連する税務当局との法令解釈の相違等、これらの判断が結果として現実と異なる場合には、評価性引当金や認識すべき財務諸表への影響額を見直す必要があり、追加の税金費用が発生することで当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
詳細は、連結財務諸表注記16に記載されています。
③ 長期性資産及び営業権の評価
当社グループは長期性資産に関して、経営環境の変化により、将来その資産から生み出されるキャッシュ・フローが減少するなど、帳簿価額相当額を回収することができないと判断されるような事象や状況の変化が生じた場合には、減損に関する検討を実施しています。
当社グループが保有しかつ使用している資産の回収可能性は、帳簿価額とその資産から生じる割引前将来キャッシュ・フローとの比較で判定されます。この割引前将来キャッシュ・フローは、承認された経営計画に基づき算出されます。この経営計画は、外部調査機関や顧客からの情報をもとにした市場予測により売上量を推定し、それを前提に販売価格の変動、製造原価、販売費及び一般管理費の変動等マネジメントの最良の判断による推定を可能な限り織り込んで策定されます。もし、資産の帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを上回り、回収可能性が認められずその資産が減損状態であると判定された場合、帳簿価額が公正価値を上回った額が減損額として測定され計上されます。公正価値は、主に市場において想定されるキャッシュ・フローの変動リスクを考慮した加重平均資本コストを割引率として使用する割引後将来キャッシュ・フローモデル、あるいは独立した鑑定評価で測定されます。処分予定の長期性資産については、帳簿価額と公正価値から処分のためのコストを差し引いた額とのいずれか低い方で評価されます。
当社グループは営業権については、少なくとも各年度に1回、又は減損の可能性を示す事象や、状況の変化が生じた時点で減損の検討を実施しています。
報告単位の公正価値の測定にあたっては、通常、割引後将来キャッシュ・フローモデルにより算定しています。将来見積キャッシュ・フローは、承認された経営計画に基づき算出されます。この経営計画は、外部調査機関や顧客からの情報をもとにした市場予測により売上量を推定し、それを前提に販売価格の変動、製造原価、販売費及び一般管理費の変動等マネジメントの最良の判断による推定を可能な限り織り込んで策定されます。報告単位の帳簿価額が公正価値を上回る場合、その報告単位に配分された営業権の帳簿価額を限度とし、当該差額を営業権の減損損失として認識します。
現状では、長期性資産及び営業権については、重要な追加の減損の発生はないと考えていますが、経営戦略の変更、市場の変化があった場合には、その資産から将来得られるキャッシュ・フローの予想や公正価値の算出に影響し、長期性資産及び営業権の回収可能性の評価判断が変更となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ 金融商品の公正価値
主に外国為替予約や金利スワップ契約等のデリバティブ金融商品の公正価値は、市場で観察可能なインプットに基づいた業者からの情報をもとに評価しています。この公正価値の情報は、特定のある時点での適切な市場の情報と商品についての情報に基づいて推定されるものですが、これらの推定はその性格上、市場の不確実性を含んでいるため、実際の結果と異なってくる可能性があります。
市場性のある持分証券は、公正価値で評価されています。公正価値の変動は、当期純利益で認識しています。
市場性がなく、容易に算定可能な公正価値がない持分証券のうち、1株当たり純資産価値で評価している持分証券以外について、減損による評価下げ後の取得価額にて測定しています。また、同一発行体の同一又は類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を識別した場合は、当該持分証券を観察可能な取引が発生した日の公正価値で測定しています。
関連会社に対する投資の公正価値については、公正価値の下落があった場合、それが一時的かどうかについて、下落の期間や程度、被投資会社の財政状態及び業績予想等を考慮して判断しています。
現状では、投資有価証券あるいは関連会社に対する投資については、重要な追加の減損の発生はないと考えていますが、将来の経済環境の変化によっては投資先の企業の業績が悪化し、減損を認識する可能性があります。
詳細は、連結財務諸表注記20、21、22に記載されています。
⑤ 退職給付債務及び費用
当社グループの年金債務及び年金費用の額は、算出時に使用した仮定に影響されます。これらの仮定は連結財務諸表注記12に記載されており、割引率、長期期待収益率、平均報酬水準増加率等を含みます。当社グループは、仮定と実績が乖離した場合には、その差額を累積し従業員の平均残存勤務年数にわたって償却を実施する事で、将来の期間にわたり、費用として認識します。
割引率は、現在かつ年金受給が満期となる間に利用可能と予想される信用度の高い固定利付き債券の利率に基づいて算出されます。また、長期期待収益率は、投資対象の様々な資産カテゴリー別に将来収益に対する予測や過去の運用実績を考慮し決定されます。
当社グループは、これらの仮定は妥当なものであると考えていますが、重要な実績との乖離もしくは重要な仮定の変化があった場合、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。
当年度末の当社グループの年金制度において、割引率又は長期期待収益率が0.5%変動した場合、当年度末の年金債務及び翌年度の年金費用に及ぼす影響は、その他すべての仮定を一定とすると、それぞれ以下のとおりです。
|
仮定の変更 |
変動率 |
年金債務 |
年金費用 |
|
割引率 |
0.5%増 / 0.5%減 |
287億円減 / 313億円増 |
10億円減 / 12億円増 |
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長期期待収益率 |
0.5%増 / 0.5%減 |
- |
15億円減 / 15億円増 |
⑥ 今後適用となる新会計基準
米国財務会計基準審議会は、2023年12月に会計基準アップデート2023-09「法人税の開示の改善」を発行しました。同アップデートは、法定税率から実効税率への調整表における特定の差異項目、法人税の支払額(国内及び国外を区分)、法人税控除前の継続事業からの利益(国内及び国外を区分)、及び継続事業からの法人税費用(国内及び国外を区分)を開示することを要求しています。同アップデートは、2024年12月16日以降に開始する連結会計年度に適用されます。当社グループは、現在、同アップデートが開示に与える影響について検討しています。なお、同アップデートの適用が、当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響はありません。
米国財務会計基準審議会は、2024年11月に会計基準アップデート2024-03「損益計算書における費用の細分化」を発行しました。同アップデートは、継続事業から生じる損益計算書上で表示される費用項目を棚卸資産の購入額、従業員報酬、減価償却費、無形資産の償却費、減耗費の5種類の費用に細分化して表形式で開示することを要求しています。現行の米国会計基準の規定により開示が要求されている特定の項目についても同表形式の開示に含めることを要求しています。細分化して開示されることが要求されないその他に分類される金額については、定性的な説明を行うことを要求しています。また、継続事業から生じた販売費の合計額及び連結会計年度においては企業による販売費の定義の開示を要求しています。同アップデートは、2026年12月16日以降に開始する連結会計年度及び2027年12月16日以降に開始する連結会計年度の期中会計期間に適用されます。当社グループは、現在、同アップデートが開示に与える影響について検討しています。なお、同アップデートの適用が、当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響はありません。
(2) 2024年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2024年度の連結売上高は4,104,395百万円(前年度比6.2%増加)となりました。建設機械・車両事業では、一般建機の売上げは減少したものの、鉱山機械の売上げが増加したことに加えて、円安の影響及び各地域での販売価格の改善効果などにより、売上高は2023年度を上回りました。産業機械他事業では、自動車産業向け大型プレスの販売増加と半導体産業向けエキシマレーザー関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、売上高は2023年度を上回りました。利益については、建設機械・車両事業は販売量減少やコストの増加などの影響はあるものの、販売価格の改善効果と円安の影響により増益となりました。また、リテールファイナンス事業及び産業機械他事業も増益となり、営業利益は657,125百万円(前年度比8.2%増加)となりました。
当年度末は、米ドルなどに対して為替が前年度末に比べ円高となったものの、売上債権などの増加により、総資産は前年度末に比べ136,867百万円増加の5,773,523百万円となりました。有利子負債残高は、前年度末に比べ48,773百万円減少の1,150,597百万円となりました。また、株主資本は前年度末に比べ139,830百万円増加の3,173,399百万円となりました。これらの結果、株主資本比率は前年度末に比べ1.2ポイント増加の55.0%となりました。
② 流動性及び資金の源泉
<資金使途の考え方>
当社グループは、持続的な企業価値の増大を目指して、営業キャッシュ・フローの約半分を設備投資に振り向
け、成長の推進力としてきました。資金使途を従来からのポリシーに基づき、(1)設備投資(成長戦略)、(2)株主還元、(3)バランスシート改善(将来の M&A への備え)という 3つの資金使途にバランスよく配分します。
資金使途の基本的な考え方
<資金調達と流動性管理>
当社グループは、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としています。この方針に従い、当社グループは金融機関借入、社債等の発行、融資枠の設定等、様々な資金調達の源泉を確保しています。設備投資資金及び運転資金については、営業活動から得られたキャッシュ・フロー及び外部より調達した資金を充当しています。更に、当社グループの資金の効率性を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のキャッシュマネジメントシステム(グローバルキャッシュマネジメントシステム、以下、「GCMS」)を特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限にGCMS参加会社は借入を行っています。当GCMSにおいては、預入金及び借入金の残高を相殺できる条項が含まれており、当年度末現在の相殺金額は299,627百万円となっています。
短期資金需要に対しては、営業活動から得られたキャッシュ・フローを主として充当し、必要に応じ銀行借入及びコマーシャル・ペーパーの発行等でまかなっています。当社及び一部の連結子会社は、当年度末現在、金融機関との間に合計342,827百万円のコミットメントライン契約を締結して代替流動性を確保しており、その未使用枠は305,239百万円となっています。コマーシャル・ペーパーについては、当年度末現在、当社で240,000百万円、コマツファイナンスアメリカ㈱で1,000百万米ドルのプログラムを保有しており、未使用枠はそれぞれ194,000百万円、50百万米ドルとなっています。
当社は、中長期資金需要に機動的に対応するため、社債発行枠とユーロ・ミディアム・ターム・ノート(以下、「EMTN」)プログラムを保有しています。当社は2024年11月に2年間有効の100,000百万円の社債発行枠を登録しました。当年度末現在の未使用枠は100,000百万円となっています。なお、これ以外の過去に登録した社債発行枠に基づいて発行した分も含めた当社グループの社債の当年度末現在の残高は179,555百万円です。これには、2022年10月に当社100%子会社であるコマツファイナンスアメリカ㈱を通じて発行した日本企業としては初の外貨建てサステナビリティ・リンク・ボンド600百万米ドルも含まれます。また、当社、コマツファイナンスアメリカ㈱及び欧州コマツコーディネーションセンター㈱で合わせて2,200百万米ドルのEMTNプログラムを保有しており、このプログラムに基づいて、それぞれの発行体はディーラーとの間で合意されたすべての通貨の債券を発行できます。当年度末現在、当該EMTNプログラムにより発行された債券の残高は135,556百万円です。
当年度末現在、当社グループの短期債務残高は376,326百万円となり、前年度末に比べて64,293百万円減少しました。短期債務は主に銀行、保険会社等からの借入金等であり、運転資金等に使用されています。
当年度末現在、長期債務残高(1年以内期限到来分含む)は774,271百万円で、前年度末に比べて15,520百万円増加しました。長期債務は銀行、保険会社等からの借入金等459,160百万円、EMTN135,556百万円、無担保社債179,555百万円で構成されており、主に設備投資資金及び長期運転資金に使用されています。
当年度末現在の有利子負債残高は前年度末比48,773百万円減少の1,150,597百万円となり、現預金を差し引いたネット有利子負債残高は前年度末比31,164百万円減少の765,028百万円となりました。これらに加え株主資本が増加した結果、当年度末現在のネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット有利子負債と株主資本の比率)は前年度末の0.26に対して0.24となりました。
当年度末現在、流動資産は3,298,303百万円となり、前年度末に対し、15,885百万円減少し、また流動負債は1,649,360百万円となり、前年度末に対し123,161百万円増加しました。その結果、流動比率は200.0%と前年度末に対し17.2ポイント減少となりました。
営業活動から得られるキャッシュ・フロー、様々な資金調達手段、流動比率の水準に基づき、当社グループは、流動性ニーズや将来の債務履行のための手段を十分に確保しているものと考えています。
なお、当年度末現在の現金及び現金同等物の残高は385,569百万円であり、そのうち328,230百万円は海外子会社が保有しています。
当社グループは、スタンダード&プアーズ、ムーディーズ・インベスターズ・サービス及び㈱格付投資情報センターから信用格付を取得しています。当年度末現在、当社グループの発行体格付けは、スタンダード&プアーズ:A(長期)、A-1(短期)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス:A2(長期)、Prime-1(短期)、㈱格付投資情報センター:AA(長期)、a-1+(短期)となっています。
<設備投資>
建設機械・車両事業では、主に生産性の向上や循環事業強化のための設備投資等を行いました。リテールファイナンス事業では、主に賃貸用資産に係る設備投資等を行いました。産業機械他事業では、主に老朽設備更新のための設備投資等を行いました。これらの結果、2024年度の設備投資額は184,166百万円と前年度比4,167百万円の増加となりました。
<契約上の債務>
当年度末現在の契約上の債務は次のとおりです。
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期間別支払見込額 |
(百万円) |
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合計 |
1年以内 |
1-3年 |
3-5年 |
5年超 |
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短期債務 |
376,326 |
376,326 |
- |
- |
- |
|
長期債務 |
774,271 |
278,082 |
377,043 |
117,553 |
1,593 |
|
オペレーティングリース債務 |
82,952 |
21,057 |
21,770 |
9,447 |
30,678 |
|
有利子負債に関する利息 |
57,196 |
31,170 |
22,200 |
3,787 |
39 |
|
年金及びその他の退職給付債務 |
4,381 |
4,381 |
- |
- |
- |
|
合計 |
1,295,126 |
711,016 |
421,013 |
130,787 |
32,310 |
(注)1.長期債務の公正価値の調整額はありません。
2.有利子負債に関する利息は、当年度末現在有効な利率に基づき計算されています。
3.年金及びその他の退職給付債務は、2026年度以降の拠出額は未確定であるため、2025年度に生じるものだけを記載しています。
なお、当年度末現在の設備発注残高は、約67,300百万円です。
③ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
<建設機械・車両事業セグメント>
建設機械・車両事業の売上高は3,798,235百万円(前年度比5.1%増加)となりました。
当期において、建設現場向けソリューションのスマートコンストラクションⓇを着実に推進し、2025年3月末時点で海外を含む累計導入現場数は46,364現場に達しました。また、鉱山機械では、無人ダンプトラック運行システム(AHS)の累計導入台数が、2025年3月末時点で862台に達しました。日本においては、土木分野の主力機種である20トンクラス油圧ショベルをフルモデルチェンジし、スマートコンストラクションⓇと連動する3Dマシンガイダンスを標準装備した新世代油圧ショベル「PC200i-12」として、2024年12月から市場導入しました。2025年4月にドイツで開催された「bauma2025」にて、新世代油圧ショベルの欧州仕様車「PC220LCi-12」を初出展しました。あわせて、大幅な燃費向上を実現した新世代ホイールローダー「WA485-11/WA475-11」や電動ショベル5機種の出展に加え、さまざまな現場ニーズに対応する充電・蓄電ソリューションも紹介しました。また、2025年4月13日より開催している2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にて「未来の水中工事」をテーマに青木あすなろ建設㈱と共同出展しています。
建設機械・車両事業セグメントの地域別売上高(外部顧客向け売上高)
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|
(金額単位:百万円) |
||
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2023年度 |
2024年度 |
増 減 |
||
|
金 額 |
増減率 % |
||||
|
日本 |
340,219 |
329,628 |
△10,591 |
△3.1% |
|
|
|
北米 |
992,909 |
1,026,364 |
33,455 |
3.4% |
|
中南米 |
660,736 |
683,589 |
22,853 |
3.5% |
|
|
米州 |
1,653,645 |
1,709,953 |
56,308 |
3.4% |
|
|
|
欧州 |
314,708 |
310,395 |
△4,313 |
△1.4% |
|
CIS |
66,682 |
61,517 |
△5,165 |
△7.7% |
|
|
欧州・CIS |
381,390 |
371,912 |
△9,478 |
△2.5% |
|
|
中国 |
70,200 |
80,171 |
9,971 |
14.2% |
|
|
|
アジア※ |
439,380 |
501,311 |
61,931 |
14.1% |
|
オセアニア |
369,335 |
458,725 |
89,390 |
24.2% |
|
|
アジア※・オセアニア |
808,715 |
960,036 |
151,321 |
18.7% |
|
|
|
中近東 |
117,634 |
114,640 |
△2,994 |
△2.5% |
|
アフリカ |
219,575 |
221,146 |
1,571 |
0.7% |
|
|
中近東・アフリカ |
337,209 |
335,786 |
△1,423 |
△0.4% |
|
|
合計 |
3,591,378 |
3,787,486 |
196,108 |
5.5% |
|
※ 日本及び中国を除きます。
地域別の概況は以下のとおりです。
(日本)
日本では、販売価格の改善などの効果があったものの、レンタル向けの需要が減少し、売上高は前年度比で3.1%減少しました。
(米州)
北米では、住宅着工件数の減少などにより、一般建機の需要はレンタル、エネルギー向けが減少したものの、鉱山機械の販売増加や円安の影響などにより、売上高は前年度比で3.4%増加しました。中南米では、一般建機の需要は減少したものの、鉱山機械の販売増加や円安の影響、販売価格の改善効果などにより、売上高は前年度比で3.5%増加しました。
(欧州・CIS)
欧州では、主要市場であるドイツ、英国、フランスを中心に一般建機の需要が減少したことから、売上高は前年度比で1.4%減少しました。CISでは、中央アジアにて鉱山機械や部品の販売が増加したものの、ウクライナ情勢に起因したサプライチェーン及び金融・経済の制約の影響から、売上高は前年度比で7.7%減少しました。
(中国)
中国では、不動産市況の低迷などに起因した経済活動の停滞は継続しているものの、需要の増加により、売上高は前年度比で14.2%増加しました。
(アジア・オセアニア)
アジアでは、最大市場のインドネシアにて、需要が堅調に推移し販売が増加しました。また、円安の影響などにより、売上高は前年度比で14.1%増加しました。オセアニアでは、一般建機の需要は減少したものの、鉱山機械の販売増加や円安の影響などにより、売上高は前年度比で24.2%増加しました。
(中近東・アフリカ)
中近東では、主にサウジアラビアでの一般建機の需要が減少したことなどにより、売上高は前年度比で2.5%減少しました。アフリカでは、鉱山機械の販売が減少したものの、円安の影響により、売上高は前年度比で0.7%増加しました。
当年度末のセグメント資産は、前年度末比123,035百万円増加の4,118,647百万円となりました。
なお、建設機械・車両事業セグメントの生産規模は、前年度比2.4%増加し、約3兆7,427億円(販売価格ベース、連結ベース)でした。
<リテールファイナンス事業セグメント>
リテールファイナンス事業では、受取金利率の上昇や円安の影響、金融債権の増加などにより、売上高は123,211百万円(前年度比19.0%増加)となりました。
当年度末のセグメント資産は、前年度末比48,597百万円増加の1,379,587百万円となりました。
<産業機械他事業セグメント>
産業機械他事業では、自動車産業向けの大型プレス及び工作機械の販売増加や半導体産業向けエキシマレーザー関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、売上高は223,600百万円(前年度比14.3%増加)となりました。
当年度末のセグメント資産は、前年度末比24,056百万円増加の273,893百万円となりました。
なお、産業機械他事業セグメントの生産規模は、前年度比7.0%減少し、約2,174億円(販売価格ベース、連結ベース)でした。
④ 目標とする経営指標の達成状況等
2025年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画の経営目標について、2030年を最終目標とする環境負荷低減を除き、すべての目標を達成しました。
当該中計期間の最終年度である2024年度は、物量減、原価や固定費のコスト増加の影響がある中で、販売価格の改善を進めたことに加え、構造改革や成長戦略の効果により成長性と収益性を高め、過去最高の売上高と営業利益率を達成しました。効率性の指標であるROEは14.2%で、目標の10%を上回るとともに、ネット・デット・エクイティ・レシオは0.24となり、業界トップレベルの健全性を維持しています。リテールファイナンス事業についても、ROAが2.2%、ネット・デット・エクイティ・レシオが4.51となり、いずれも目標を達成しました。社会的責任の観点から設定しているESGの目標のうち、外部評価については「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ(DJSI)」に選定され、また、CDP*6から、「気候変動」と「水セキュリティ」の2分野にて最高評価の「Aリスト企業」に認定されました。CO₂排出削減、再生可能エネルギー使用率の向上についても、2030年の目標達成に向けて着実に活動を進めています。株主還元についても、連結配当性向40%以上を維持しました。
|
項目 |
経営指標 |
経営目標 |
2024年度 |
2022-24年度*1 |
|
成長性 |
・売上高成長率 |
・業界水準を超える成長率 |
6.2% |
13.6% |
|
収益性 |
・営業利益率 |
・業界トップレベルの利益率 |
16.0% |
15.2% |
|
効率性 |
・ROE*2 |
・10%以上 |
14.2% |
14.0% |
|
健全性 |
・ネット・デット・ エクイティ・レシオ*3 |
・業界トップレベルの財務体質 |
0.24 |
0.27 |
|
リテール ファイナンス 事業 |
・ROA*4 |
・1.5%-2.0% |
2.2% |
2.3% |
|
・ネット・デット・ エクイティ・レシオ*3 |
・5倍以下 |
4.51 |
4.17 |
|
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ESG |
・環境負荷低減 |
・CO2排出削減: 2030年50%減(2010年比) 2050年カーボンニュートラル (チャレンジ目標) ・再生可能エネルギー使用率:2030年50% |
・製品使用によるCO2削減 23%減(見込値) ・生産によるCO2削減 53%減(見込値) ・再生可能エネルギー 使用率 31%(見込値) |
同左 |
|
・外部評価 |
・DJSI *5選定(ワールド、アジアパシフィック) ・CDP*6 Aリスト選定(気候変動、水リスク)等 |
・DJSI*5選定 ・CDP*6気候変動 評価A ・CDP*6水リスク 評価A |
同左 |
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|
株主還元 |
・連結配当性向 |
・成長への投資を主体としながら、株主還元 (自社株買いを含む)とのバランスをとる ・連結配当性向を40%以上とする |
40.1% |
40.2% |
*1 2022年度から2024年度の平均にて算出(ESGに係る経営目標を除く)
*2 ROE=当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)
*3 ネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット負債資本比率)=(有利子負債-現預金)/株主資本
*4 ROA=セグメント利益/((期首総資産+期末総資産)/2)
*5 ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ:米国S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が
提供するESG投資指標。2025年2月に、ダウ・ジョーンズ・ベスト・イン・クラス・インデックス
(DJBICI)に名称変更。
*6 企業や政府が温室効果ガス排出量を削減し、水資源や森林を保護することを推進する国際的な非営利団体
該当事項はありません。
当社グループは、建設機械・車両、産業機械他の分野において、「品質と信頼性」の追求を基本として、新技術と新商品の研究開発を積極的に推進しています。
当社グループの研究開発体制は、当社のCTO(最高技術責任者)室、開発本部の建設機械・鉱山機械・林業機械・車両関連の研究開発部門及び関係会社の技術部門等からなっており、2024年度の当社グループの研究開発費は
(1) 建設機械・車両事業セグメント
グローバル化に対応した建設機械・鉱山機械・林業機械・車両関連の効率的な研究開発をねらいとして、国内外に研究開発拠点を配置し、グローバルな開発体制を敷くとともに、相互の人材交流や共同開発の拡大などを行いながら研究開発活動を推進しています。また、「イノベーション」を起こすため、CTO室を窓口として、有望な分野での先進技術を有する国内外の大学、研究所、企業と積極的に協同・連携し、社内のコア技術と外部の知見の融合(オープンイノベーション)による技術革新のスピードアップに取り組んでいます。「安全で生産性の高いクリーンな現場を実現するソリューションパートナー」を目指し、中・長期的な重点テーマとして、以下の分野に取り組んでいます。
<ICT(情報通信技術)>
情報化技術(最新計測技術・通信技術を活用した機械の位置情報・稼働情報や機械診断情報などのリモート管理技術等)及び制御技術・知能化技術の研究開発を進めています。これらの技術を利用して開発した建設・鉱山・林業機械の制御システムと管理システムは急速に普及しており、建設・鉱山・林業機械の稼働と管理の自動化、効率化が図られ生産性向上に寄与しています。また、こうした技術を使い、大型ICTブルドーザー遠隔操作、情報化施工、「KOMTRAX」(2025年3月末時点配車台数:798,904台)、林業機械フリートシステム「Smart Forestry Fleet Monitoring」(2025年3月末時点配車台数:3,540台)、鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS)(2025年3月末時点総稼働台数:862台)についても、お客様の視点に立った次世代への展開に向けた活動を推進しています。更に、鉱山分野においてはお客様が求める鉱山オペレーション全体の生産性向上を目指して自動ライトビークル開発に向けたトヨタ自動車㈱との協業に取り組んでいます。
施工の自動化、作業精度と作業効率の大幅向上を実現する作業機全自動制御機能搭載ICTブルドーザー、ICT油圧ショベルの開発(3Dマシンコントロールへの切り替えも可能とした3Dマシンガイダンス等の先端技術を装備した新世代機を市場導入)、メーカーを問わずに作業機状態をリアルタイムで可視化する3Dマシンガイダンス機能を提供するキットの開発及び建設現場が抱える様々な課題を解決し「安全で生産性の高いクリーンな現場」を実現させていくためのソリューションを開発、提供していくサービス事業「スマートコンストラクションⓇ」は導入地域や規模を拡大しています。
「スマートコンストラクションⓇ」では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する各種ソリューション、自律、協調など高度化したICT建機、デジタルツインを3Dでリアルタイムに実現するアプリケーションや当社の生産技術を活用した、施工計画を最適化するアプリケ―ションなどの開発を推進しています。
農林業向けには、「スマートコンストラクションⓇ」のノウハウを活用し林業全体を効率化する「Smart Forestry」の提案や、ICT農業用建機による農作業の効率化を進めています。
<環境、省資源、安全>
エコロジー(環境に優しい)とエコノミー(経済性に優れている)の両立を追求し、お客様に満足いただける優れたものづくりを行うことを、コマツ地球環境方針の下に基本理念とし、商品の生産から廃棄・再利用までのライフサイクル全体の環境負荷が最小限になるように努めるとともに、燃費の向上など、経済性にも優れた商品を提供するために、常に技術革新に取り組んでいます。
燃費向上技術については、CO₂排出量削減と経済性の両面から最重要課題として取り組んでいます。ハイブリッドシステム搭載の油圧ショベルを日本、欧州、中国、その他世界各地に導入し、2025年3月末時点での累計導入台数は5,922台に達しました。
環境対応については、世界各地の排出ガス規制に対応した製品を市場導入しています。
環境負荷物質の低減活動も積極的に展開しています。環境とは地球環境だけではなく人間への環境も含むという観点から、安全対応(「KomVision人検知衝突軽減システム」、「衝突検知警報システム」)や騒音・振動低減、オペレーター作業環境改善にも積極的に取り組んでいます。
鉱山分野についてはコマツGHGアライアンスを発足し、大手鉱山企業とともに鉱山オペレーションゼロエミッション実現に向けて次世代鉱山機械の開発・市場導入を加速します。この活動を通して、超大型ダンプトラックを対象に既存ディーゼルエンジンの他、バッテリー、水素燃料電池など、いかなる動力源でも稼働可能な「パワーアグノスティックダンプトラック」の開発を推進しています。
電動化については、2023年度を電動化建機の市場導入元年と位置付けており、電動マイクロショベル、3トンクラスの電動ミニショベル、13トンクラスの電動油圧ショベル、20トンクラスの電動油圧ショベルを市場導入しました。また、水素燃料電池を搭載した中型油圧ショベルに引き続いて水素エンジンを搭載した大型ダンプトラックのコンセプトマシンを開発し、実証実験を開始しました。
また、気候変動により激甚化・頻発化する自然災害や切迫する巨大地震の防災・災害復旧に対応するため、危険な水際や浅水域での工事ニーズが高まっていることや少子高齢化という課題に対し熟練した工事の担い手が不足するという深刻な状況にあります。このため水深50mまでを視野にICT機能により熟練技術がなくとも操作可能な電動式の水中施工ロボットの実証に向けて取り組みを続けており、大阪・関西万博にも出展しています。
2024年度の主な成果は次のとおりです。
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製品区分 |
機種 |
|
油圧ショベル |
PC01E-2, PC17R-5, PC20R-5, PC80-5E0, PC200I-12, PC200LCI-12, PC210-12, PC210LC-12, PC210F-10M0, PC210FLC-10M0, PC220F-10M0, PC220FLC-10M0, PC950-11R, PC950LC-11R |
|
ブルドーザー |
D375A-8R, D375AI-8R |
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ホイールローダー |
WA475-11, WA475-11E0, WA485-11, WA485-11E0, WA700-8, WA700-8E0 |
|
ダンプトラック |
HD465/HD605-10E1 |
|
ログローダー |
895-3 |
当事業セグメントの2024年度に係る研究開発費は
(2) 産業機械他事業セグメント
主として、板金鍛圧機械、工作機械及びその他産業機械などに関する研究開発を行っています。
鍛圧機械では、プレス成形における金型の長寿命化や成形品の品質安定化を支援するツールとして、独自のIoTである「産機Komtrax」で荷重波形を遠隔で取得できる「Load Waveform Capture」を2025年2月に発売しました。取得した荷重波形は過負荷や偏心荷重との相関を動画で確認できるため、視覚的な現象把握や解析が容易になっており、成形上の課題解決や取得したデータ活用による技術の伝承、更には海外工場へのサポートなどDXにも寄与できます。
また、自動車業界向けの大型タンデムプレスラインにおける工程間搬送装置「HTL」のM/Cを実施しました。生産性向上と可搬重量アップに加えて、プレスライン全体における省電力化を可能とし、専用シミュレーションソフトである「Press Line Simulator」のバーションアップとあわせてリリースしました。
板金機械では、変種変量・工程集約・無人連続稼働に対応したコマツ製パンチプレス(ガトリングプレスセンター)にレーザー機能を付加したパンチ・レーザー複合機「GTL3165」を市場導入しました。
工作機械では、EV車で採用が拡大している大型アルミダイキャスト製品の加工に特化した大型・高速マシニングセンターの販売を開始しました。社外よりFSW事業の譲渡を受け、FSW用マシンの販売事業を開始しました。
その他には、半導体露光装置用エキシマレーザー、EUV光源、半導体基板小径加工用エキシマレーザー、半導体製造業向けの高性能温調機器とその要素である高性能サーモモジュール熱交換ユニット、光通信用向けの超小型サーモモジュール及び熱電発電モジュールとそのシステムに関する研究開発などを推進しました。
当事業セグメントの2024年度に係る研究開発費は