第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、「常に考える」を社業の企業理念とし、ユーザーの使い易い製品を提供するために「絶え間ない新製品の開発」、「ユーザーに対する迅速な対応」、「社員の自主性及び創造性の重視」、「地域社会への貢献」など、創業以来時代を先取りした経営を行い、各事業の拡大を目指しております。

また、当社グループ各社の基盤強化を図るため、当社を中心に、経営の効率化及び各グループ企業の独自性を生かした経営による継続的な成長と収益の拡大を図り、企業価値の最大化を目的としております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、継続的な収益の拡大はもとより、売上高営業利益率を当社グループ各事業の収益性が的確に表れた指標として位置づけ、この経営指標の目標を12%に設定しております。また、特定の事業の利益率に頼ることなく、いずれの事業もこの目標に向け経営の効率化を図っております。

 

(3)経営環境及び経営戦略等

当社グループの電材及び管材事業、配線器具事業の属する住宅建築業界では、政府による住宅取得支援策等が継続しているものの、物価高騰による住宅取得マインドの低下等から新設住宅着工戸数は弱含みで推移する懸念があることや、原材料や物流をはじめとするさまざまなコストのさらなる上昇等、厳しい経営環境が続くことが予想されます。当社グループは、激しい生存競争を勝ち抜くため、より一層効率化を進めることによる経営体質の強化を図りながら、当社グループの独自性の追求と顧客ニーズの適確な製品化を継続的に行うことにより、社業の向上を目指しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは上記の現状認識を踏まえ、住宅建築業界における製品群を充実させるとともに当社の認知度をより一層高めることが重要な課題であると考えております。

電材及び管材事業については、独創的な製品を豊富に取り揃えておりますが、ユーザーへの浸透度はまだまだ不十分であると思われます。「ミライらしい」と形容される独創的な新製品を継続的に市場に投入すると同時に、数年前より発売した既存の製品の見直しによる収益の拡大を図ることを方針としております。

配線器具事業については、安全性を第一に、効率性と使い勝手を考えた製品の開発を通じて、ユーザーに一歩先を行く次代の提案を行います。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、「常に考える」を社業の企業理念としております。各グループ役職員が仕事を通じて人間性あふれる社会人となることを実践することにより、企業価値の最大化を図ることを目的としております。その目的を達成するには、単年では至らず、長い年月をかけて追求し続けなければなりません。その為にもサステナビリティへの取り組みは当社グループの重要課題であると認識し、ステークホルダーをはじめ、広く社会から信頼される企業を目指すべく、地域貢献や環境問題への対応に努めております。当社グループのサステナビリティに関する取り組みにつきましては、当社ホームページ(https://www.mirai.co.jp/company/action/)をご参照ください。

当社グループでは、ESG(環境・社会・ガバナンス)を課題解決の為の必要手段として以下の基本方針を策定し、取り組みに注力してまいります。

 

ESG活動の基本方針

①製造業として自然環境への負荷を常日頃から注視し、環境への持続的な負荷低減に努めてまいります。

②個々の多様性を尊重し、働きやすい職場環境を形成してまいります。また、地域社会と信頼関係の構築を目指してまいります。

③当社コーポレートガバナンスの基本方針に沿い、ステークホルダーとの関係を尊重し、広く社会から信頼が得られるよう取り組んでまいります。また、企業価値を継続的かつ着実に高めることを目的とし、経営判断の迅速化及び経営の透明性・公正性を高め、経営効率の向上に努めてまいります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティへの取り組みを推進するため、取締役会事務局である総合企画部と製造部に設置の全社エネルギー管理委員会が連携し、気候変動問題をはじめとしたESG課題に関わる問題提起や課題の発見に注力をしており、総合企画部管掌取締役、製造部管掌取締役を中心に取締役会へ報告・議論することで、取締役会は各取締役の業務執行を監督し、その実効性を高めております。

(気候変動)

 当社グループは、気候変動が引き起こす環境リスクが、当社経営に大きな影響を与える恐れがある重要課題と認識しております。当社の気候変動に関するリスク及び機会の監視・管理は、以下の通りであります。全社エネルギー管理委員会のエネルギー管理者が、環境データ(太陽光発電量、エネルギー使用量及びCO2排出量のモニタリング、Scope1,2,3等)の算定を行っております。また、当該委員会が事業所・工場における機械設備の導入・更新計画を策定しており、それらの環境データや設備計画を製造部管掌取締役(エネルギー管理責任者)へ報告します。製造部管掌取締役(エネルギー管理責任者)は、環境データや設備計画についての指示・提言を総合企画部と連携します。総合企画部はCO2削減に向けたエネルギー管理責任者からの設備計画を織り込んだ短期利益計画・中期経営計画を毎年作成し、総合企画部管掌取締役から取締役会へ報告・議論がされます。その進捗は、全社エネルギー管理委員会から製造部管掌取締役(エネルギー管理責任者)に報告し、原則3か月に1度、取締役会へ報告・議論されます。

(人的資本)

 当社グループは、「常に考える」を企業理念とし、社員それぞれが「常に考える」を実践することで中長期的な企業価値向上につながると考えております。そのため当社では、総合企画部が年1回階層別研修を企画・実施しており、取締役(社外取締役を除く)及び部長職全員も原則出席して運営を行うことで、社員のスキル・知識を底上げし、次代を担う人材の育成に注力をしております。総合企画部管掌取締役は、階層別研修の進捗管理及び総括報告を取締役会で行い、取締役会の監督を受けており、更なる人材の成長を目指しております。

 

当社グループのサステナビリティにおけるガバナンス体制は以下の通りであります。

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(2)戦略

(気候変動)

 当社グループは、気候変動に関するリスクと機会について、下記の通り取り組みを行っております。まず、異常気象による自社拠点における洪水被害等の発生リスクに対しては、工場ごとにBCPを策定し被災からの迅速な復旧や被災工場のバックアップ体制を構築しております。また、炭素税の動向や、エネルギー単価(原油、電力、再エネ等)上昇に伴う生産コストの上昇による利益圧迫等のリスクに対しては、CO2排出量の算定と削減に向けた設備導入等を継続的に行っており自社事業の省エネ化を進めております。

当事業年度におきましては、「工場低温排熱と再生可能エネルギーによる工場の脱炭素化」の取り組みにおいて下記の表彰を受けております。この取り組みは、地中の熱(井戸水の熱)と生産設備の低温排熱を熱源として利用する水冷ヒートポンプにより、工場内の冷暖房や生産過程の冷却に活用する「地中熱・排熱利用 熱供給システム」を垂井工場(岐阜県不破郡)、茨城工場(茨城県常陸大宮市)、熊本工場(熊本県菊池市)の3拠点において構築・運用しました。

・「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」2024年12月2日 受賞

https://www.mirai.co.jp/topics/20241217130128.html

・「令和6年度(2024年度) 省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞」2025年1月29日 受賞

https://www.mirai.co.jp/topics/20250304144635.html

(人材育成方針)

 当社グループは、「常に考える」を企業理念とし、「絶え間ない新製品の開発」「ユーザーに対する迅速な対応」「社員の自主性及び創造性の重視」「地域社会への貢献」により各事業の拡大を目指すことを経営方針としていることから、当該方針に沿った次の4つの人材の育成を進めることを人的資本に関する戦略としております。

①製品価値の最大化

ユーザーの視点に立って社会の課題やニーズを見出し、新しい価値を創造する製品を生み出す人材

②ユーザーに対する迅速な対応

ユーザーからの不満や要望を一早く捉えて、迅速に、製品の開発・改良、サービスの改善・向上に対応する人材

③地域社会への貢献

地域社会への文化的貢献、気候変動に関する環境負荷軽減、事業ドメインの拡大等により社会貢献に努める人材

④自主性及び創造性の重視

上記①~③の人材を含めて、“常に考える”を実践する上で根幹となる自主性及び創造性に富んだ人材

 なお、上記4つの人材のうち④の人材育成は、上記①~③の人材育成の基礎となる最重要の戦略であり、④の人材育成を進めることが、自ずと①~③の人材育成にも繋がるものと考えております。

当社グループは、「独自性の追求と顧客ニーズの適確な製品化を継続的に行う」ことを経営戦略の柱としており、上記4つの人材の育成にあたっても、他社との差別化を図り得る「社員の自主性及び創造性」を培うこと(すなわち④の人材育成)が不可欠であり、その能力を躍進させるためには、社員のエンゲージメントの高さと私生活の充実に伴う、仕事に対する高いモチベーションが原動力になるものと捉えております。

また当社グループは、人材の多様性を確保することが組織全体の自主性及び創造性の向上に繋がり、上記④の人材を育成する重要な要素であると考えております。

(社内環境整備方針)

 当社グループは、社員が仕事を通じて人間性あふれる社会人となることを実践できるよう、社員の自律や挑戦を支援し、一人ひとりが個性や能力を発揮できる社内環境づくりに取り組んでおります。

こうした社内環境整備により、社員の私生活を充実させて、社員エンゲージメントと仕事に対するモチベーションの向上を図ることが、自主性及び創造性に富んだ人材の育成に繋がるものと考えております。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、将来の世代も安心して暮らせる、持続可能な経済社会をつくるため取り組んでまいります。気候変動問題などの地球環境への配慮、社員の健康や労働環境への配慮、取引先との公正・適切な取引、自然災害などの危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、当社グループのリスク減少のみならず、収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しており、「他社と同じモノはつくらない」というポリシーのもと、徹底的に使い易さを追求した省力化製品の開発・拡販をすることが、建築現場での施工時間短縮を実現し、エネルギーコストの抑制につながると考えております。

 当社は、社長を委員長とする内部統制委員会を設置しております。同委員会では、サステナビリティ関連(気候変動関連及び人的資本関連を含む)のリスク及び機会についても、当社全体のリスク管理プロセスに含めて、事業を運営するにあたって負う可能性のあるリスク及び機会を識別し、評価し、管理をしております。内部統制委員会は、毎年、当社部長会で各部門に対して組織目標の達成を阻害するリスク及び機会の洗い出しを指示し、各部門からリストアップされたリスク及び機会について分類し、影響度合いや発生頻度等をもとにランク付けして分析評価を行い、対策に着手する優先度等を定めております。各部門は、この評価結果をもとに対策を実行し、その実施状況を同年度内に当社部長会及び内部統制委員会並びに適宜取締役会に報告をしております。

 

(4)指標及び目標

(気候変動)

 当社グループは、電材及び管材の製造並びに販売を主たる事業としており、事業活動の中で発生するCO2排出量の殆どは、製造工程で使用する電力であります。当社は、収益の向上を図りながら、効率的な製造技術の追求を目指しており、使用する電力量の削減や、井戸水や工場排熱を利用した設備導入など、日々の事業運営に係る省エネ化を進めております。当社グループは、具体的な削減数値は定めておりませんが、各事業年度のCO2排出量を算定しホームページで公開しており、前事業年度比で削減していくことを目標としております。

(人的資本)

 当社グループは、社員の自主性及び創造性並びに仕事に対するモチベーションを継続的な成長の原動力としており、社員エンゲージメントの高さを表す指標の一つである社員の離職率を重視しております。当事業年度における当社グループの社員の離職率(定年退職者を除く)は1.9%でありました。引き続き、同水準の離職率を継続させていくことを目標としております。

 中核人材の登用等における多様性確保については、職業生活における機会の平等に力を入れております。当社グループにおいて、管理職に占める女性の割合は現在5.5%であり、2026年3月末までに5%以上とする目標値を上回ることができました。社員研修の実施等により2030年3月末までに当社グループの管理職に占める女性の割合を7%以上とする新たな目標を定めて取り組んでおります。なお、当社グループにおいて「管理職」とは、「課長職」と「課長職より上位の役職(役員を除く)」にある労働者と定義しております。

 また、社員の私生活の充実とエンゲージメント向上のため、グループ各社の社員数を考慮して加重平均した年間休日数(有給休暇を除く)を重視しております。当事業年度における当社グループの平均年間休日数(有給休暇を除く)は135日でありました。今後も同水準の年間休日数を継続していくことを目標にしております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社がとっている経営方針について

 当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業の基本ビジネスモデルとしては、当社及び各子会社の開発・製造した製品を中心に「ミライ」「JIMBO」ブランドにて、少数の特約代理店制度を採ることなく全国の電材・管材問屋に直接販売を進め、特定顧客への売上依存の回避と同時に与信面のリスク低減を図っております。

 しかしながら、販売店数の増大は、製品受注単位の小口化及び即納体制に伴う物流費負担の増加原因でもあり、既存の物流会社に物流の多くを依存していることから、物流市況動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、共同配送の利用などによる物流効率の向上や運賃交渉、物流拠点・倉庫の集約などにより物流費用の低減に努めております。

 

(2) 財政状態及び経営成績の変動について

 当社は、連結子会社を7社擁しておりますが、その各子会社の業績が上昇しない場合、子会社個々の外販比率と当社グループにおけるその事業の機能を見極め、事業の譲渡及び清算等を含めた企業編成再構築を行った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、「子会社管理規程」を定め、子会社の経営成績・財政状態の把握のため、損益を主とした月次報告や四半期毎決算書類等の提出を求め、適宜指導を行っております。

 

(3) 特定事業への依存について

①新設住宅着工状況の動向について

 当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業は、ともに住宅建築業界に大きく依存しており、なかでも新設住宅着工状況の増減により、当該事業の業績に影響を受ける可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、ビルや工場などの住宅建築業界以外向けの新商品の開発や既存商品の新たな市場の開拓を推し進めることにより販路の拡大を図っております。

②価格競争について

 当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業は、ともに住宅建築業界における設備資材市場において価格下落圧力等の激しいなかで、適正な製品価格設定による事業経営を行っております。しかしながら、当社グループの想定以上の製品価格競争にさらされた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、製品開発において差別化を図り、他社との価格競争での優位性を確保するよう努めております。

③原材料の調達及びその市況の動向について

 当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業は、プラスチック成形加工品の製造及び販売を主に営んでおり、現状は生産活動のためのプラスチック原材料を国内商社から調達しております。しかし、購入先からの供給が中断した場合やポリエチレンをはじめとしたプラスチック原材料の価格が当社グループの想定以上に上昇し、かつ製品販売価格に転嫁できなかった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、使用量の多い原材料等につきましては、ナフサ連動型を採用することにより市場価格に連動した価格安定化を図っております。また、製品販売価格への転嫁については、市場動向等を勘案しながら必要に応じて行ってまいります。

 

(4) 製造物責任について

 当社グループの全ての製品において全く予期せぬ欠陥が生じない保証はないため、潜在的に製造物責任を負う可能性があります。当該責任を負う場合には多大な費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、当社グループの製品におけるその品質は、電気用品安全法、水道法等の各種法令に定められた品質基準及び社内品質基準に基づき、万全を期して製造及び販売しております。

 

(5) 減損損失に関するリスク

 当社グループが保有している資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、当社経営企画部門が業績管理を行うとともに、当社経理部門が遊休資産の発生や業績悪化に伴う固定資産の減損の兆候を早期に捉えることに取り組んでおり、業績悪化の兆候等を把握した際には適時に対策が打てるような体制を構築しております。

 

(6) 災害等に関するリスク

 当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業の事業拠点は、日本各地に展開しており、自然災害やテロ行為等により人的被害や事業拠点の崩壊、インフラ停止などが発生した場合には、当社グループの事業活動に大きな支障をきたす可能性があります。また、事業拠点の移転や損害を被った設備等の修復等に多大な費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、主要事業所において事業継続計画(BCP)を策定し、地震等の自然災害やテロ行為等が発生した場合の緊急対応と早期の事業復旧へ向けた方策を遂行する体制を整えております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

イ.当期の経営成績の概況

当連結会計年度における我が国の経済は、円安及び消費者物価の上昇等により個人消費に足踏みがみられました。また、雇用・所得環境の改善や金利上昇等、景気は総じて緩やかな回復をみせました。

当社グループの事業関連である建築業界では、新設住宅着工戸数は物価高騰による住宅取得マインドの低下等から持家及び戸建分譲住宅の減少が続く等弱含みで推移していたものの、年度末には建築基準法改正前の駆け込み着工等により増加に転じました。また、非住宅建築物の着工状況につきましては前年同期に比べ棟数、床面積ともに減少傾向が続いており、厳しい状況で推移しております。

このような状況のもと、当社グループは継続的な新製品の市場投入に加え、活発な営業活動を展開してまいりました。当連結会計年度におきましては、電材及び管材に加え配線器具の価格改定が浸透したこと等により、売上高は前連結会計年度に比べ増収となり、過去最高の売上高を更新いたしました。利益につきましては、増収効果があったものの原材料単価はユーティリティコストの更なる増大による高止まりが継続する等により収益を圧迫し、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに前連結会計年度に比べ減益となりました。

(売上高)

当社グループの連結売上高は主要セグメントにおいて増加したことにより、45,113百万円と前連結会計年度に比べ1,022百万円(2.3%)の増収となりました。

電材及び管材につきましては、建築工事現場において技能労働者の不足が叫ばれるなか、作業の省力化を目指した製品づくりとともに、さまざまな現場に適した多種多様な製品展開を進めることにより、業界の支持を得ております。電材では、施工性に優れた合成樹脂製可とう電線管「ミラフレキSS」等が堅調に推移したことに加え、硬質ビニル電線管「J管」や地中埋設管「ミラレックスF」とその附属品等が増加したことにより、電線管類及び附属品が増加した結果、売上高が34,784百万円と前連結会計年度に比べ663百万円(1.9%)の増収となりました。

配線器具につきましては、電材ルートへの活発な営業活動により、デザインを一新した「J・ワイドスリムスクエア」等の配線器具が堅調に推移した結果、売上高が7,329百万円と前連結会計年度に比べ502百万円(7.4%)の増収となりました。

その他につきましては、「省力化機械及び樹脂成形用金型」が減少した結果、売上高が2,999百万円と前連結会計年度に比べ143百万円(4.6%)の減収となりました。

(営業利益)

当社グループの連結営業利益は、増収効果があったものの原材料単価はユーティリティコストの更なる増大による高止まりが継続する等により収益を圧迫し、6,897百万円と前連結会計年度に比べ435百万円(5.9%)の減益となりました。

電材及び管材の営業利益は増収効果があったものの原材料単価の上昇等が収益を圧迫したことにより、6,400百万円と前連結会計年度に比べ437百万円(6.4%)の減益となりました。

配線器具の営業利益は原材料単価の上昇に加え人件費の増加等があったものの増収効果により、698百万円と前連結会計年度に比べ225百万円(47.6%)の増益となりました。

その他の営業利益は電気通信の「ミライレンタルサーバ」や「ケーブルテレビ」の減価償却費の増加により、571百万円と前連結会計年度に比べ135百万円(19.2%)の減益となりました。

(経常利益)

当社グループの連結経常利益は営業利益と同様の要因により、7,067百万円と前連結会計年度に比べ410百万円(5.5%)の減益となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては4,833百万円と前連結会計年度に比べ283百万円(5.5%)の減益となりました。

 

ロ.財政状態の概況

当連結会計年度末における自己資本比率は79.2%となっており、財務体質については健全性を確保しているものと考えております。また、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3,015百万円増加し、66,549百万円となりました。連結貸借対照表の主要項目毎の前連結会計年度末との主な増減要因等は、以下の通りであります。

(資産)

内部留保により現金及び預金が1,173百万円増加、余裕資金の運用により有価証券が999百万円増加したことにより、流動資産は前連結会計年度末に比べ2,040百万円(5.0%)増加し、42,478百万円となりました。

生産設備等の取得により有形固定資産が526百万円増加、時価評価により投資有価証券が137百万円増加、退職給付に係る資産が284百万円増加したことにより、固定資産は前連結会計年度末に比べ975百万円(4.2%)増加し、24,071百万円となりました。

(負債)

原材料単価の上昇等に伴う仕入高の増加により支払手形及び買掛金が146百万円増加、電子記録債務が183百万円増加したことにより、流動負債は前連結会計年度末に比べ322百万円(3.2%)増加し、10,512百万円となりました。

株式付与引当金が25百万円増加、役員株式付与引当金が34百万円増加したことにより、固定負債は前連結会計年度末に比べ71百万円(2.8%)増加し、2,622百万円となりました。

(純資産)

親会社株主に帰属する当期純利益を源泉とする利益剰余金が2,251百万円増加したことにより、純資産は前連結会計年度末に比べ2,621百万円(5.2%)増加し、53,414百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,341百万円増加し、当連結会計年度末には19,474百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は7,531百万円と前連結会計年度に比べ2,856百万円(61.1%)の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が7,067百万円と前連結会計年度に比べ410百万円(5.5%)減少(資金減)、売上債権及び契約資産の増減額が前連結会計年度は885百万円の増加であったものが、当連結会計年度は442百万円の減少となり、その差額1,328百万円得られた資金が増加、仕入債務の増減額が前連結会計年度は2,930百万円の減少であったものが、当連結会計年度は329百万円の増加となり、その差額3,260百万円得られた資金が増加、法人税等の支払額が2,810百万円と前連結会計年度に比べ1,322百万円増加(資金減)したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は3,546百万円と前連結会計年度に比べ370百万円(11.7%)の増加となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が1,107百万円と前連結会計年度に比べ564百万円(103.8%)増加(資金減)、有形固定資産の取得による支出が2,707百万円と前連結会計年度に比べ159百万円(5.6%)減少(資金増)したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は2,643百万円と前連結会計年度に比べ2,306百万円(46.6%)の減少となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が1百万円と前連結会計年度に比べ4,656百万円減少(資金増)、自己株式の処分による収入が当連結会計年度はなく1,032百万円減少(資金減)、配当金の支払額が2,581百万円と前連結会計年度に比べ1,231百万円(91.2%)増加(資金減)したことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年3月21日

至 2025年3月20日)

前年同期比(%)

電材及び管材(百万円)

34,727

102.1

配線器具(百万円)

8,521

109.7

 報告セグメント計(百万円)

43,249

103.5

その他(百万円)

482

55.6

合計(百万円)

43,731

102.5

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント内の取引については、消去しておりますが、セグメント間の取引については消去しておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年3月21日

至 2025年3月20日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電材及び管材(百万円)

103

104.9

5

249.9

 報告セグメント計(百万円)

103

104.9

5

249.9

その他(百万円)

961

89.0

448

81.7

合計

1,065

90.4

453

82.4

 (注)1.セグメント内の取引については、消去しておりますが、セグメント間の取引については消去しておりません。

2.当社グループの受注生産品は、電材及び管材の電線管類及び附属品、配線ボックス類、支持部材の一部並びにその他(省力化機械及び樹脂成形用金型)の金型・機械のみであり、他は見込生産であります。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年3月21日

至 2025年3月20日)

前年同期比(%)

電材及び管材(百万円)

34,784

101.9

配線器具(百万円)

7,329

107.4

 報告セグメント計(百万円)

42,113

102.8

その他(百万円)

2,999

95.4

合計(百万円)

45,113

102.3

 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

また、当社の連結財務諸表作成において、損益及び資産の状況に影響を与える見積り及び判断については、過去の実績や当該取引の状況に照らして合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態及び経営成績の分析

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。

 

ロ.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの事業活動における運転資金需要のうち主なものは、生産活動に必要な原材料費、外注加工費、人件費等や営業活動等に伴う販売費及び一般管理費、新製品開発のための研究開発費であります。設備資金需要のうち主なものは、事業伸長や生産性向上を目的とした設備投資によるものであります。これらの資金需要につきましては、主に自己資金や営業活動によるキャッシュ・フローにより創出することを基本とし、不足する場合は金融機関からの借入れにより調達しております。

当社グループは、金融機関からの借入れについて、事業運営に必要な資金調達環境を十分確保しており、長期・短期のバランスを考慮して安定的に資金調達をしております。また、グループ会社の資金については、必要に応じて当社より資金を融通しております。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、機動的かつ効率的な運用を図っております。

今後につきましても、事業伸長や生産性向上を目的とした設備投資を行ってまいりますが、従前と同様に自己資金等を充当することとしており、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大に努め財務体質の向上を目指してまいります。

なお、キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

③財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、「常に考える」の企業理念のもと、継続的な収益の拡大はもとより、売上高営業利益率を当社グループ各事業の収益性が的確に表れた指標として位置づけ、この経営指標の目標を12%に設定しております。当連結会計年度は、売上高45,113百万円、営業利益6,897百万円となり、売上高営業利益率は15.3%となりました。電材及び管材事業に加え配線器具事業の価格改定が浸透したこと等により、売上高は前連結会計年度に比べ増収となり、過去最高の売上高を更新いたしました。営業利益につきましては、原材料単価がユーティリティコストの更なる増大による高止まりが継続する等により収益を圧迫し減益となったものの増収効果により目標を達成いたしました。

当社グループの電材及び管材事業、配線器具事業の属する住宅建築業界では、政府による住宅取得支援策等が継続しているものの、物価高騰による住宅取得マインドの低下等から新設住宅着工戸数は弱含みで推移する懸念があることや、原材料や物流をはじめとするさまざまなコストのさらなる上昇等、厳しい経営環境が続くことが予想されます。当社グループは、激しい生存競争を勝ち抜くため、より一層効率化を進めることによる経営体質の強化を図りながら、当社グループの独自性の追求と顧客ニーズの適確な製品化を継続的に行うことにより、社業の向上を目指しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動につきましては、主たる事業分野である住宅建築業界における競争力向上のため、電材及び管材を中心とした建築資材の研究開発に取り組んでおり、建築工事現場における作業の合理化、省力化、取扱いの容易さ及び低価格といった多様なユーザーニーズに対して、他社製品にないアイデアや機能を付加した製品の開発を進めております。

 当連結会計年度における研究開発活動の状況は、次の通りであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は301百万円となっており、当連結会計年度末における取得済産業財産権の総数は3,309件となっております。

 電材では、二重天井等の吊りボルトやMバーへVVFケーブルをしっかり固定でき外れにくい「F・クリップ(万能タイプ)」や、樹脂管やケーブル等を吊りボルトに固定する際、工具不要で自由に角度調整でき様々な配線管に対応可能な「ロックバンド(吊りボルト用)」を開発し配線支持部材の充実を図りました。管材では、追い炊きや床暖房用配管をする際、管を縦に重ね少ない取り付け面で効率よく配管できる「ダ円クリップ(縦連タイプ)」を開発いたしました。

 電材及び管材事業に係る研究開発費は283百万円、取得済産業財産権の件数は3,099件となっております。

 配線器具事業につきましては、2024年4月に上市し好評を得ましたNKDシリーズ「DALI-2インプットデバイス」製品群につき、ZEB(Net Zero Energy Building)を目標とする大規模ビルディング物件向けのみならず、小規模オフィス・店舗等、より小規模な物件にも導入し易い製品展開として、今夏を目途に4機種×3色展開=12品種の追加を図るとともに、既存21品種についても、国内初となるIEC62386-332規格認証取得を進め、非住宅分野に於けるZEB・住宅分野に於けるZEH(Net Zero Energy House)の実現に寄与するベンダーフリー・デジタル制御配線器具のラインアップ拡充を推進して参ります。

 配線器具事業に係る研究開発費は18百万円、取得済産業財産権の件数は206件となっております。