第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

<コーポレートスローガン>

0102010_001.jpg

 

<ミッション> 本能が歓ぶ食の感動体験を探求し世界中をワクワクさせ続ける

 

<ビジョン>  予測不能な進化で未来を拓くグローバルフードカンパニー

 

当社グループは、五感だけでなく本能までも揺さぶられるほど圧倒的な「食の感動体験」をお客様に提供し、世界中の人々を幸せで満たしながら、グローバルフードカンパニーに成長することを目指しています。

この志を端的な言葉で明文化し、グローバルで共有・浸透させていくために、上記のコーポレートスローガンを制定しました。このスローガンのもと、国内外のグループ会社と各国の「ローカルバディ」が協力して、食の世界の頂を目指してまいります。

 

※ローカルバディ:感動体験に共感した特別な知識とノウハウを持つ世界中の仲間

 

(2)2023-2028年3月期 中長期経営計画

 

当社グループは、名実ともに真のグローバルフードカンパニーとなることを目指して、2022年5月に「2023-2028年3月期 中長期経営計画」を策定し、2028年3月期に売上収益3,330億円、事業利益率8.3%を目標に掲げています。

 

① 基本戦略

当社グループのこれまでの成長を振り返ると、主力業態である「丸亀製麺」は、セントラルキッチンを持たず、店頭で粉からうどんを打ち、「手づくり・できたて」で提供するという、一見すると非合理的な要素を抱えながら、圧倒的なスピードでグローバル外食チェーンへと上り詰めました。

本来であれば二律背反となるような矛盾をはらんだ活動を両立させ、「食の感動体験」によって新たなマーケットを創造し、世界中に拡大していくことができる「二律両立」こそが、当社グループの独自性であり強みです。

当社グループは自らを「KANDO Creators」と定義し、感動こそが私たちの成長の源泉であることを社内外にグローバルで浸透させていくために、敢えてローマ字で表記した「KANDOトレードオン戦略」を中長期経営計画の戦略に据えます。

当社グループの事業の根幹であり、お客様の来店動機そのものであると考えている「食の感動体験」が戦略の起点となり、これらの感動体験を体現する多様なブランド群を「ダイバースブランド」、世界各地で特別な知識・ノウハウ、ネットワークを持つパートナーが掛け合わされて、世界中で網目状に張り巡らされたネットワークとして機能し、各地で複数の業態が同時に進化・出店し続けることが「KANDOトレードオン戦略」の骨子です。「二律両立」を実現しながら、「食の感動体験」を世界中に拡大し、想像のはるか先を行く予測不能な水準で成長することを目指していきます。

 

 

0102010_002.png

 

② 4つの重点テーマとその実現に向けた取り組み

重点テーマ

取り組みの概要

感動体験

の追求

感動体験をさらに進化させると同時に、新たなシーン(中食、海外、ハラル・ヴィーガンなど)で感動体験を創出し続ける

① 感動体験の創出・磨きこみ

テイクアウトや他国業態、新たな商品・サービスの展開など、新たなシーンで感動体験を創出・確立

② 人材育成と定着化

人材投資、定着率向上による中長期的な売上理論値の引き上げ、費用の抑制

③ 感動体験を生む舞台づくり

店舗DX・設備導入などにより店舗従業員が顧客サービスに専念できる環境を整備

 

 

事業ポートフォリオ

の量・質

拡充

国内外のバラエティ豊かなブランド群を活かした、バランスの取れた成長を指向

④ M&Aによる新たな業態獲得

1,000億円のM&A枠で、欧米/中華圏/東南アジアを重点ターゲットに業態を拡充

⑤ 選択と集中

勝ち筋の定まった業態に重点投資で数百~千店舗単位の業態を複数創出

⑥ ブランドインキュベーション

グローバルブランド化を含めた業態の開発、モデル化

 

 

ローカルバディ

布陣の

確立

各地のパートナーを単なるビジネス上の契約関係を超えた、いわば第2のヘッドクォーター

チーム「ローカルバディ」として、複数業態並行で事業展開を進めていく

⑦ 新規有力ローカルバディの探索

世界の有望市場において、有力フランチャイジー、JVパートナーを含む新規バディを探索、早期に体制確立

⑧ 重要市場のバディによる業態

同時展開

各地域のバディをハブに、複数業態を同時展開し、海外での出店スピードを大幅に加速

 

N×N展開

を支える

基盤構築

業態・バディ、それらを支えるグローバルアドバイザリーボード、本社機能が、世界各地で

縦横無尽にネットワークとして、複数業態の同時展開を支えていく

⑨ ブランド基軸でのグローバル

連携

ブランド横断でのベストプラクティスの展開などを通じた相乗効果の創出

⑩ グループ機能のグローバル化

グローバル展開を支える本社・営業機能の確立

⑪ 出店力の強化

2,600店舗を支える立地・モデル開発の体制強化

 

 

(3)経営指標

中長期経営計画は、2028年3月期を最終年度とする中長期目標と2か年計画で構成しています。最終年度の2028年3月期の計画数値については、従前M&A計画を含めた目標値であったものを、オーガニック成長のみの数値に見直し、より蓋然性の高い数値に変更しています。

2026年3月期は、出店体制の強化やエリアの拡大により出店を加速するとともに、新たな国・地域への展開も進めていきます。また、資本コストを意識した経営とポートフォリオマネジメントを引き続き強化していきます。

 

 

項目

実績

計画

中長期目標

2025年3月期

2026年3月期

2027年3月期

2028年3月期

売上収益

2,682億円

2,820億円

3,050億円

3,330億円

店舗数

2,049店舗

2,200店舗

2,400店舗

2,600店舗

事業利益

182億円

196億円

230億円

275億円

事業利益率

6.8%

7.0%

7.5%

8.3%

営業利益

87億円

146億円

190億円

230億円

営業利益率

3.2%

5.2%

6.2%

6.9%

ROE

2.2%

6%以上

8%以上

9%以上

 

上記の成長性・収益性・効率性の指標に加えて、BSマネジメントにおいて健全性指標のバランスにも留意し、適切なキャッシュアロケーションのもとで企業価値の最大化を目指します。ポートフォリオマネジメントとして、事業・業態・店舗のROIC(効率性×収益性)×成長性を測定する投資モニタリングを通じて、事業ステージに即した適正な目標水準の策定を目指します。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

〈トリドールグループのサステナビリティに対する考え方〉

当社グループは「食の感動で、この星を満たせ。」をスローガンに掲げ、予測不能な進化で未来を拓くグローバルフードカンパニーとして価値を創造し続けることを目指しています。そのために、中期経営計画に基づいた事業戦略と、ESG戦略であるESGマテリアリティ(重要課題)に基づいたサステナビリティ活動を統合した取り組みを進めていきます。これらの推進により、当社グループは社会とともに持続可能な成長を続け、すべてのステークホルダーに対し財務非財務両面の価値を創出していきます。

また、気候変動への対応に関しては、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークを踏まえてリスクと機会の分析、対策を検討し、情報開示による透明性の向上と、ステークホルダーとの対話に努めています。

TCFD提言への取り組みについてはこちらを参照してください。

(https://www.toridoll.com/sustainability/environment/consumption/)

 

(1)ガバナンス

当社グループでは、代表取締役社長を委員長とし、取締役、執行役員、各部門長、国内子会社社長、海外子会社主管部門長を委員とする「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。同委員会は、環境問題や、その他の社会問題など多岐にわたる経営課題に企業として対応していくための全社横断組織であり、課題への対応について方針・計画を検討し、各組織と連携して進捗状況の把握・評価を行っています。

0102010_003.png

 

 

また、以下の委員会を設置しています。

 

・リスクマネジメント委員会:

詳細は、「3 事業等のリスク」を参照してください。

 

・環境委員会:

「サステナビリティ推進委員会」の下位組織として、サステナビリティ推進部部長を委員長とし、部門長等を委員とする「環境委員会」を設置しています。同委員会は気候変動への対応としてCO2排出抑制や省エネルギー活動、その他廃棄物の削減やリサイクル推進等の環境負荷低減に向けて取り組んでいます。また、事業年度毎に環境目標と環境行動計画を定め、毎月の委員会にて進捗状況の把握・評価を行っています。活動実務はテーマごとにプロジェクト化し、各組織体が実働していますが、その事務取りまとめを同委員会が行っています。

 

(2)戦略

 ESGマテリアリティ(重要課題)

当社グループはグローバルに事業展開しており、多岐にわたる社会課題との関わりがあります。多くの社会課題の中で優先順位をつけ、選択と集中により活動を効果的に行う必要があることから、2022年3月に、社会からの関心度が高く、自社にとって影響度の高い社会課題を、ESGマテリアリティとして特定しました。

また、従業員一人ひとりが具体的にESGマテリアリティに取り組めるよう、KPIを設定し、活動の進捗を測っています。さらに、社会環境の変化を踏まえ、2024年度はESGマテリアリティの見直しを行いました。

 

ESGマテリアリティ

※関連するSDGs目標の詳細は国連サイトをご確認ください。

https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

 

0102010_004.png

 

 

0102010_005.jpg

※出店数は連結ベース、それ以外は国内主要会社のKPI・目標

※ISO22301に関しては、株式会社トリドールホールディングスにて取得

 

環境経営目標の見直し

トリドールグループは、自然の恵みである「食」を扱う企業の責任として、環境経営方針を掲げ、2018年度を

基準年とし、2025年度をターゲットイヤーとする環境経営目標を設定し、環境負荷低減に取り組んできました。

次の目標として、中期経営計画と揃えた2028年度を最終年度とした環境経営目標2028を設定しました。

 

 

0102010_006.png

 

0102010_007.png

 

(3)リスク管理

代表取締役社長を委員長とし、取締役、執行役員、各部門長、国内子会社社長、海外子会社主管部門長を委員とする「リスクマネジメント委員会」を設置しています。同委員会はリスク管理の統括機関として、リスクについて対応の優先度を決定し、迅速に意思決定と指示を行っています。また、ステークホルダーからの意見、質問、相談等を受け付ける窓口として情報を直接収集しており、同委員会に遅滞なく課題提起を行うことが可能です。

 

(4)指標及び目標

当社グループは、サステナビリティ戦略であるESGマテリアリティのKPIを設定し、サステナビリティ推進委員会にて年4回の進捗状況の把握・評価を行っています。

 

〈人的資本に対する考え方〉

当社グループは、創業以来一貫してお客様に食の感動を提供することで高い成長を実現してきました。食の感動の源泉は社員、パート・アルバイトを含めた多様な従業員です。

従業員一人ひとりが働く店舗を愛おしく想い自分の居場所であると心から思える、そういった職場環境を目指しております。従来のチェーンストア理論をベースとした「飲食業」から、従業員が内発的な動機で創意工夫することで感動を生み出し続ける「感動創造業」への歩みを加速してまいります。

 

・TORIDOLLハピネスモデル

お客さまに感動体験を提供するためには、従業員一人ひとりがまず幸せである必要があります。さまざまな要素を内包するため、当社内ではこれを「ハピネス」と表現しています。従業員の高いハピネスが維持されていることで、顧客に感動を生み出し、それが自然と収益性向上ひいては会社全体の成長へとつながっていくと考えています。そしてこの「ハピネス」について、トリドールではハピネスモデルとして「安心感」「つながり感」「貢献実感」「誇り」と大きく4つにまとめ、人と組織がともに成長する企業文化の実現を目指しています。安心して働ける環境や充実した教育制度、そして「店舗が大好き」と感じられる職場づくりが含まれるものと考えています。

 

0102010_008.png

 

(1)ガバナンス

当社グループでは、従業員のハピネス実現に向け、専任組織である「ハピカン推進部」や「ハピネス・ヒューマンサポート本部」、組織横断的な「働き方改革委員会」設置しています。

 

・ハピネス関連の本部組織

ハピネス感動経営をより確実なものにするため、ホールディングスに2部門を新設しています。

 

① ハピネスKANDOサポート本部(複数部門が合併):全社、特に店舗社員のハピネス向上をお客様の感動に繋げるための全社プロジェクトを推進します。

② ハピネス・ヒューマンサポート本部(複数部門が合併):社員ひとり一人の体験価値を高めるために、社員接点を「つながり」「全体」「ヒューマン」の視点でデザインし、サービスを提供します。

0102010_009.png

 

 

・働き方改革委員会

当社グループはこれまで、働き方改革の一環として、有給休暇の計画的付与制度の制定や、社員の創造性を高める本社オフィス環境作りなど、さまざまな取り組みを行ってきました。2019年に複数部署のメンバーで構成される「働き方改革委員会」を設置し、従業員が働きやすく、働きがいのある職場にすることを目的として、働き方の見直しや労働における課題の改善、ダイバーシティの推進、人権に関するデューデリジェンスに取り組んでいます。

0102010_010.png

 

※あいプロジェクト:トリドールグループの経営理念をトリドールHD全体に浸透させるためのプロジェクト。2024年度はリアル/リモート混合型の全従業員が参加できる朝礼や、トリドールHD従業員が店舗支援を行う上での心構えをまとめたハンドブック作成などを実施。

 

 

(2)戦略

現在、トリドールグループの人材戦略は、経営戦略である「KANDOトレードオン戦略」との整合性を意識しながら、体系的に整理をしています。経営戦略の4つの重点テーマ11の施策と、「採用」「定着」「育成」「組織」とをクロス整理しながらも、人事施策のそれぞれを個別最適で実行するのではなく、バランス良く連携させることが重要と考えています。トリドールグループは組織サイズが大きく、採用ボリュームもまた大きいことが特徴です。そのため質の高い人材をタイムリーに採用し続け、各自のライフステージに合わせた労働環境や報酬・福利厚生を整えていくとともに、通常のラインではないホールディングス(HD)スタッフによる「メンター制度」や店長教育プログラムを通じて、現場の支援体制を強化しています。こういった取り組みにより、従業員のハピネス向上につなげていきます。

 

人事戦略上の5つの重点分野

施策を行う際の人事戦略上の優先課題として「重点分野」を大きく5つにまとめています。「ハピネスから感動を生みだす店舗づくり」「店舗ハピネスを支援するHD組織づくり」「組織風土の醸成」「経営人材の強化」「グローバル組織強化」これらの分野それぞれにKPIを設定し取り組みを進めていますが、そのKPIは多岐にわたるため、さらにこの中から特に影響度の高いものをESGマテリアリティ(重要課題)としています。

 

① 人材の育成に関する方針

当社グループでは、大切に守り抜いてきた独自の競争戦略を成長哲学「トリドール3頂」と名付け、2022年11月にその内容を策定し、現在、全役員・従業員に周知、徹底しています。この成長哲学である「トリドール3頂」は、普遍的な人材育成の骨子としています。

 

成長哲学「トリドール3頂」

予測不能な進化につながる「3つの頂」を駆け上がれ

1 「KANDO」の頂へ

2 「二律両立」の頂へ

3 「称賛共助」の頂へ

 

なお、当社グループの現状の課題と成長哲学「トリドール3頂」の関連性は以下のとおりです。

 

トリドール3頂

現状の課題

目指す姿

「KANDO」の頂へ

「二律両立」の頂へ

・不毛な価格競争から抜け出す

・ブルーオーシャン市場を形成

・「KANDO」を創造できる人材を育成

・独自の「KANDO」体験で唯一無二のポジションを獲得

・「KANDO」を創造できる人材を増やすことで持続的に成長

「称賛共助」の頂へ

・離職率低減

・「KANDO」を創造できる人材の定着、

増加

・お互いを認め合うことができる人間関係を築く

・高いモチベーションが維持できる環境を構築

 

 

 

② 社内環境整備に関する方針

トリドールグループでは働く社員一人一人の心と体の健康の維持増進を図るためさまざまな支援をしております。

 

[物理的労働環境の向上]

・店舗の休憩室の整備:店舗の事務所スペースや休憩室の改善に順次取り組んでおります。

[ダイバーシティ・インクルージョンを意識した体制改定・支援]

・多様な働き方を実現するために店舗限定社員やエリア限定社員の積極活用

・シニア人材を活用するために年齢による就業制限を撤廃

・LGBTQのパートナーシップに関するガイドラインをグループとして制定

[心身の健康のサポート/働き甲斐の向上]

・計画的有休付与:従業員の心身のリフレッシュを目的とし、5日間の計画的付与の取得を奨励しております。

・メンター制度:従業員の内発的動機を引き出すためのメンター制度を導入しております。社内メンターが全国で面談を実施しており、離職率の低下にも寄与しております。

・健康経営強化:健康管理システムの導入、業務委託心理士の配置

・健康相談窓口:健康経営の一環としてフィジカル(身体的)、メンタル(精神的)のいずれの不調にも対応できるような窓口を設置し、プライバシーに配慮した形で保健師が対応しております。

 

(3)リスク管理

代表取締役社長を委員長とし、取締役、執行役員、各部門長、国内子会社社長、海外子会社主管部門長を委員とする「サステナビリティ推進委員会」において、人的資本に関するリスクを管理・改善する「働き方改革委員会」から活動の進捗報告等を行い、評価と指示が行われております。

また、様々な窓口を開設しており、人的リスクに関する直接的な情報の収集を行い、リスク低減に向けて取り組んでおります。

 

(4)指標及び目標

当社グループは、サステナビリティ戦略であるESGマテリアリティのKPIを設定しており、人的資本に関するKPIも一部含めております。

 

[ESGマテリアリティ:私たちのハピネスを高める](2025年3月期目標)

 

 

 

3【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであり、当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅するものではありませんのでご留意ください。

 

・当社のリスクマネジメント体制

当社グループは、リスクマネジメント規程に基づき、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、業務執行に関わるリスクを総合的に抽出・評価した上で、リスクへの対応策を計画し、その進捗を定期的に確認しております。

経営を取り巻く内外環境の変化等を受け、法令定款違反その他の事由に基づくリスクが顕在化し、かつ問題が発生した場合、危機管理規程に基づき、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会を設置し、事実関係を把握した上で対策を指示しております。また発生した問題の内容や、それがもたらす損失の程度等について、直ちに担当部門から報告を受ける体制を整えております。

 

・リスクマネジメントのプロセス

当社グループは、リスクに対する優先順位付けをし、リスクマネジメントを行っております。取締役や担当部門から情報を収集し、リスクの全体像を把握した後、その発生頻度と影響度の大きさを評価し、優先順位を総合的に判断しております。このように特定したハイリスク・シビアリスクに対し、リスクマネジメント体制の中で積極的に対策を講じております。

0102010_011.png

 

・当社グループのリスクに関する定義

<リスクの被害・影響度>

ハイリスク(最高):経営者は詳細な調査を行い、管理計画を作成する必要がある

シビアリスク(高):経営者は管理責任者を任命し、常にリスクの動向に注意を払う必要がある

ミドルリスク(中):経営者は管理責任者を任命する必要がある

ローリスク(低) :担当者が決まった手順で管理する

 

<リスクの発生頻度>

高:既に発生している、または、発生することが確実である/1年に複数回発生する

中:発生する可能性がある(顕在化した懸念材料あり)/1年に0~1回発生する

低:発生する可能性がある(顕在化した懸念材料なし)/数年に1回未満発生する可能性がある

 

洗い出しを行った全リスクについて、上記の被害・影響度と発生頻度の2軸で表現したリスクマップを作成し、優先順位を整理しております。

 

① 外食業界の動向および競合の激化について

当社グループが属する外食業界では様々なジャンルのレストラン、ファストフードチェーン等が競合しております。さらに、テイクアウトやデリバリーの利用が増加し、中食需要が高まるなど飲食スタイルが大きく変化し、さらには消費者の行動・意識・心理も目まぐるしく移り変わっております。

市場が当社の想定を大きく上回って変化したり、競争が激化する中で当社グループが優位性を発揮できなかったりする場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、このような環境において当社グループは、コーポレートスローガン「食の感動で、この星を満たせ。」を掲げ、お客様に感動体験を提供することを最重視して同業他社との差別化を図っております。

さらに、テイクアウト用商品の開発、テイクアウト専用窓口の設置、モバイルオーダーやキャッシュレス決済の導入など、飲食スタイルの変化に対応した施策を推進し、競争優位性を維持・強化しております。

 

② 原材料調達について

当社グループの業態は小麦、野菜、食肉、油脂等を原材料として使用しております。異常気象等による生産量減少や世界情勢に伴う穀物市況の変動など様々な原因により、仕入価格が上昇したり、十分な量の原材料の確保や適切な価格での調達が困難になったりする場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このような状況に備えて、当社グループは複数の産地やベンダーからの購買を推進し、リスク分散と安定調達を図っているほか、仕入価格の適正化に努めております。

 

③ 店舗展開について

(ア)店舗展開の基本方針について

当社グループの事業において店舗数の増加は、市場シェアや企業規模の拡大につながる重要な要素と考えております。しかし、当社グループが期待する立地、賃借条件、採算性などを満たす出店候補地が不足したり、許認可手続きや建設工事が大幅に遅延したりすることにより、計画通りに出店が進まない場合、当社グループの成長・拡大に影響を及ぼす可能性があります。

また、出店後に周辺環境が大きく変化した場合、来店客数の変動などが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは立地開発の専門部署を設置して、出店候補地の情報収集や各種条件の精査を行い、適切な候補地の選定に努めております。

 

(イ)ショッピングセンター出店に関わる契約について

ショッピングセンターとの契約には、最低売上収益の未達、資本構成や役員構成の重要な変更、その他営業に関する重大な変更等を原因として解除される可能性のあるものが存在し、契約が解除された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、賃貸人と多数の店舗に係る契約を締結している場合、賃貸人との複数の契約が解除されることにより、当社グループの業績に重大な影響が及ぼす可能性があります。

当社グループは、ディベロッパーなど施設側との良好な関係構築に努めているほか、投資回収検証や売上予測の精度を向上させることによりリスク低減を図っております。

 

(ウ)敷金、保証金、建設協力金について

当社グループは賃借物件(土地・建物)において店舗開発を行っております。物件によっては賃貸人に敷金、保証金、建設協力金を預け入れる場合があり、賃貸人の経営状況の悪化等によって敷金、保証金、建設協力金の返還や店舗運営の継続に支障が生じる可能性があります。

また、当社グループの都合による中途解約等において、敷金、保証金、建設協力金の全部または一部が返還されない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは専門部署において相手先の信用情報等に基づく社内審査や与信管理を実施しているほか、中途解約等に伴う損失の軽減に努めております。

 

(エ)主要事業会社への依存について

株式会社丸亀製麺は、2025年3月期において連結売上収益の約48%を占めております。同社がお客様の嗜好の変化やブランド力の低下等によって期待通りに成長しない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは新業態の育成や新市場の開拓に注力しており、カフェ事業やラーメン事業等が着実に成長しております。また、海外でブランドを確立している企業のグループ化や、丸亀製麺等の国内発ブランドの海外進出を進めることで、海外事業の拡大を進めております。

 

(オ)減損損失および不採算店舗の閉鎖について

当社グループは、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位と捉え、減損会計を適用して事業用固定資産の投資の回収可能性を判断しております。事業環境の変化等によって店舗の収益性が著しく低下した場合、減損損失を計上する可能性があります。

また、不採算店舗の閉鎖においては、賃貸借契約およびリース契約の解約に伴う損失等の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、適時減損兆候の判定などを行い、不採算店舗の把握や投資の早期回収に努めております。

 

(カ)商標権について

当社グループは商標権を重要な資産と位置付けております。当社グループが使用している商標が第三者の登録済商標権を侵害していることが判明した場合、店舗名の変更等に伴う費用が発生する可能性があります。また、商標の使用差止や、使用料および損害賠償等の支払請求が認められた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、登録が困難なものを除き、原則として商標の登録を行うことにより、商標権を維持・保護しております。

 

④ 人材について

(ア)人材の確保と育成について

人の手で感動を生み出していくことを標ぼうしている当社グループにとって人材の確保及び人材育成は重要なテーマと位置づけております。人材確保および人材育成が計画通りに進まない場合、当社グループの業績および出店計画に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、労働市場でより多くの人材を惹きつけるためのコーポレートブランディングの強化や、ミッションへの共感を前提とした採用、従業員一人ひとりが成長実感を持てるような制度の構築などの積極的な人事制度の改定、より従業員の希望に寄り添う労働環境の選択肢づくりに取り組んでいます。

また、経営人材として育成していくためには、OJT等による教育、人事考課制度の充実による実力主義の浸透、人材育成システムなどの改善を図っております。

 

(イ)労務管理や安全衛生管理について

当社グループでは、関連法案を遵守した適切な労務管理や安全衛生管理を実施しておりますが、社員だけでなく幅広く活躍する店舗スタッフを含め、店舗の建設過程や店舗メンテナンスなど、実務の中で適切な点検・管理が正しく実施されなかった場合、安全管理上の問題が生じるだけではなく、店舗での営業継続の困難、訴訟リスクや社会的信頼の失墜など、当社グループの業績および出店計画に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、労務や安全衛生に関する相談窓口を設置し、社員本人のみならず社員の家族に関する相談も対応しております。また、継続的なモニタリングや教育ツールの開発などを行い、労務や安全衛生に対する理解促進と遵守の徹底に努めております。

 

⑤ 法的規制について

(ア)法的規制全般について

当社グループでは、会社法、金融商品取引法、法人税法、労働基準法等の一般的な法令に加え、食品衛生法をはじめとする食品衛生関係のほか、環境関係、建築設備関係などの様々な法的規制を受けております。これらの法規制が変更または強化された場合、それらに対応するための新たな費用が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、各種法規制の制定・改廃状況を継続的にモニタリングして法令を遵守し、経営に重大な影響を与えることなく対応する体制を整えております。

 

(イ)食品の安全性について

当社グループが運営する店舗で食品事故等が発生した場合には、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜につながり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

当社グループは、各種法的規制に対し、法令に加えて自主基準を徹底することで法令を遵守し、経営に重大な影響を与えることなく対応する体制を整えております。

 

⑥ 品質・食品安全の管理体制について

飲食店営業の特有の問題点として、食品衛生上の問題が発生した場合、各店舗における営業停止等による直接的な影響に加え、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは品質と食品安全の確保を重視しており、店舗における衛生状態に関する調査を外部専門業者に依頼し、また当社品質管理担当者による直接指導を実施するなど、その対策を順次強化しております。また、仕入食材への更なる安全対策の必要性を認識し、国内外の仕入先工場に対する当社規格書・当社指定の品質および衛生管理基準の遵守状況等の調査、特定の輸入食材の衛生証明書の確認等に加え、PB(プライベート・ブランド)商品等に対する品質・安全性に対する確認を強化しております。

 

⑦ 情報セキュリティ及び個人情報保護について

当社グループは、お客様・従業員・取引先の個人情報や事業上の機密情報を保有し、店舗運営や原材料の調達はクラウド上で動作する情報システムに依存しています。そのため端末機器の故障やソフトウェアの不具合、サイバー攻撃などによる、これらの情報の漏洩・改竄・毀損や、情報システムの停止等が発生することにより、営業活動に支障が出ることに加え、訴訟リスクや社会的信頼の失墜につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、これらのリスク低減に向け、情報セキュリティ管理システム及びプライバシー情報マネジメントシステム(ISMS-PIMS)を構築し、情報セキュリティや情報保護に関する方針や規程の整備を行っております。例えば、ゼロトラスト・セキュリティモデルに準じた防御策や脅威インテリジェンスの導入、セキュリティ認証取得ベンダーの選定、従業員に対して、eラーニングによる情報セキュリティ教育等、幅広い対策を実施しています。

 

⑧ 海外事業について

(ア)カントリーリスク等について

当社グループは海外において、直営店舗の運営のほか、現地企業とフランチャイズ契約を締結し、地域に根付いた店舗運営とスムーズな多店舗展開を図っております。

海外子会社、共同支配企業および関連会社の進出国の政情、経済、法規制、ビジネス慣習等の特有なカントリーリスクなどにより、計画的に事業展開を行うことができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また当社グループは海外において、フランチャイズ加盟企業からロイヤリティ収入を得ております。フランチャイズ加盟企業の減少や業績悪化等により、チェーン展開が計画どおりに進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、現地に精通した事業パートナーや現地社員からの情報収集に努め、リスクの低減を図っております。

(イ)グローバル・リスクマネジメントについて

当社グループは海外においても、労務管理や安全衛生管理、法的規制、情報セキュリティ等の各リスクについて、各国のリスクマネジメント体制の構築を目指しています。海外子会社、共同支配企業および関連会社にてリスクが顕在化・発生した場合には、店舗での営業継続の困難、訴訟リスクや社会的信頼の失墜など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、各国の担当者と連携し、グローバル・リスクマネジメントに努めております。

 

⑨ 為替変動について

当社グループは、海外のグループ会社への投融資を行っております。このため、為替相場が大幅に変動した場合は、為替差損益が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、連結財務諸表の作成にあたり、海外のグループ会社の現地通貨建ての収益および費用等は、日本円に換算しております。このため、為替相場の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

これらに対し、外貨建て投融資資金の需要が明確に見込める際は、外部環境等を勘案し為替予約などによるヘッジ策を講じることで、為替リスクの低減に努めております。

 

⑩ のれん、無形資産について

当社グループは、のれんおよび耐用年数を確定できない無形資産について償却は行わず、毎期または減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施し、余裕率を把握しております。減損損失の計上により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは定期的に兆候を把握し、状況に応じて改善策を講じることで、リスク軽減に努めております。

 

⑪ 自然災害等、パンデミックについて

当社グループは、営業地域またはバリューチェーン上において大規模な地震、風水害、火災による事故等が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症を含む新たな感染症拡大の影響により、営業活動の継続が困難となった場合も同様です。

当社グループは、事業継続計画の策定、防災訓練の実施、従業員安否確認システムの導入等、有事の初動対応マニュアルを整備しております。また、新たな感染症による事業リスクを最小限に抑えるため、従業員に対する感染症ガイドラインの策定およびその徹底に努めております。

 

⑫ 気候変動への緩和と適応について

世界的な気候変動により異常気象が多発し、その影響は企業にとって看過できない状況となっています。当社グループは自然資源に依存する事業を行っており、気候変動への取り組みは経営において重要なインパクトを持つものと認識しています。当社グループの気候変動の影響の緩和と適応の対策が不十分である場合、原材料の必要量の確保や、仕入価格変動への対応、異常気象による店舗被災など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループはTCFDの提言への賛同を表明しており、気候変動の影響への緩和として、CO2排出量を環境経営目標に設定し、削減に向けた取り組みを進めております。また適応として、TCFD勧告に則ったリスクと機会の分析を行い、対応策について取り組みを進めております。

 

⑬ 環境・社会活動について

当社グループが環境問題や人権を含む社会問題への対応の不備や遅れにより問題が生じた場合には、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜につながり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

当社グループは、ESGにおけるマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティ推進委員会の判断と指示のもと、リスク低減に取り組んでおります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営成績の分析

① 連結業績

当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)は、業界や地域を問わない賃金上昇に伴い、消費意欲の喚起が期待される一方で、企業業績に対する人件費増加の影響が懸念されるなど、やや不透明な経営環境となりました。このような環境において当社グループは、食の感動体験の訴求を国内外でさらに強化しました。また国内では、店舗で働く従業員の満足度を高め、人材を充足する仕組みづくりを進めました。

これらの結果、売上収益は2,682億28百万円(前期比15.6%増)と過去最高となり、本格讃岐うどん専門店の丸亀製麺、国内その他、海外事業の全セグメントで過去最高を記録しました。

事業利益(注1)は182億5百万円(前期比27.4%増)と大幅な増益となり、こちらも過去最高となりました。丸亀製麺セグメントは原材料費、人件費および水道光熱費の増加を増収で吸収し、過去最高となりました。一方、国内その他セグメントは出店に伴う費用の増加などもあり、ほぼ横ばいとなりました。海外事業においては、一部地域の市況悪化の影響もあり、減益となりました。

また、市況悪化に起因する海外事業セグメントにおける不採算店舗やのれんの減損等により、減損損失は80億66百万円となり、第2四半期に計上した丸亀製麺の外部委託契約に関する一過性費用11億85百万円などにより、その他営業費用は29億82百万円となりました。これらの結果、営業利益(注2)は86億74百万円(前期比23.8%減)と減益となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は18億74百万円(前期比65.7%減)と減益となりました。

 

(注1)事業利益:売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費

(注2)営業利益:事業利益-減損損失+その他の営業収益-その他の営業費用

 

(単位:百万円)

 

2024年

3月期

実績

2025年

3月期

実績

前期比

2025年

3月期

計画

(注3)

計画比

 

増減額

増減率

増減額

増減率

売上収益

231,952

268,228

+36,276

+15.6%

265,000

+3,228

+1.2%

事業利益

14,289

18,205

+3,916

+27.4%

17,300

+905

+5.2%

営業利益

11,389

8,674

△2,715

△23.8%

11,600

△2,926

△25.2%

親会社の所有者に

帰属する当期利益

5,459

1,874

△3,585

△65.7%

4,900

△3,026

△61.8%

(注3)2024年11月14日修正

 

 

② セグメント別業績

(単位:百万円)

売上収益

2024年

3月期

実績

2025年

3月期

実績

前期比

2025年

3月期

計画

(注3)

計画比

 

増減額

増減率

増減額

増減率

丸亀製麺

114,856

128,142

+13,287

+11.6%

127,000

+1,142

+0.9%

国内その他

28,460

35,412

+6,952

+24.4%

33,000

+2,412

+7.3%

海外事業

88,637

104,674

+16,037

+18.1%

105,000

△326

△0.3%

連結

231,952

268,228

+36,276

+15.6%

265,000

+3,228

+1.2%

 

(単位:百万円)

事業利益

2024年

3月期

実績

2025年

3月期

実績

前期比

2025年

3月期

計画

(注3)

計画比

 

増減額

増減率

増減額

増減率

丸亀製麺

18,351

20,896

+2,546

+13.9%

21,000

△104

△0.5%

国内その他

4,451

4,447

△4

△0.1%

4,300

+147

+3.4%

海外事業

2,724

2,524

△199

△7.3%

2,200

+324

+14.7%

調整額(注4)

△11,236

△9,662

+1,574

△10,200

+538

連結

14,289

18,205

+3,916

+27.4%

17,300

+905

+5.2%

(注4)調整額は各報告セグメントに配分していない全社費用であります。

 

(単位:店)

店舗数

丸亀製麺

国内その他

海外事業

連結

事業形態

直営

直営

FC等(注5)

直営

FC等(注5)

2024年3月末 店舗数

840

246

4

250

432

429

861

1,951

2025年3月期 出店

33

34

1

35

50

75

125

193

2025年3月期 閉店

12

11

0

11

37

35

72

95

2025年3月末 店舗数

861

269

5

274

445

469

914

2,049

(注5)フランチャイズ、合弁会社など直営以外の形態

2025年3月に丸亀英国事業をフランチャイズ化したことにより、9店舗が直営からFCへ移動しました。

これにより、2025年3月期の海外事業の直営の閉店とFC等の出店にそれぞれ9店舗を追加しました。

 

<丸亀製麺>

丸亀製麺セグメントにおいては、お客様に選ばれ続けるためのパーセプションを形成するブランド戦略と、衝動をつくる商品戦略を組み合わせ、ブランド価値と顧客体験(CX)と従業員体験(EX)を同時にスパイラルアップさせるマーケティング戦略を展開しています。また、麺職人(注6)の全店配置や人員充足をきっかけに、新たな試みを多数・矢継ぎ早に展開することが可能となりました。

季節ごとのフェア商品として、2025年1月15日から丸亀製麺の冬の季節商品の中でも1位2位を争うほどの人気商品「鴨ねぎうどん」と「牡蠣たまあんかけうどん」を同時に販売しました。「鴨ねぎうどん」は累計販売数約157万食を販売、「牡蠣たまあんかけうどん」は早期販売終了となるほどの大ヒットとなりました。また、丸亀製麺にお食事に訪れるご家族連れ、とくにお子さまにもっともっとうどんを楽しんでいただきたいという想いから開発した、もちもちの“打ち立てうどん”と“丸亀うどーなつ”“ジュース”がセットになった「丸亀お子さまもちもちセット」を1月15日から販売し、3月31日までに累計販売数120万食を突破するほど、ご好評をいただきました。3月4日からは、丸亀製麺の春の定番であり、今年で10年目の登場となる旨みあふれる「山盛りあさりうどん」、そして、完全新作となる丼からはみ出るほどの大きな豚天3枚をあわせた、ボリューム満点の、おいしさあふれる「甘辛しょうがダレのはみ出る豚天ぶっかけうどん」を販売し、2025年3月31日までにそれぞれ累計販売数が約65万食と約74万食となる大ヒットとなりました。

また、新カテゴリーとなる商品として、うどん生まれの「丸亀うどーなつ」を2024年6月25日から全国の丸亀製麺にて販売開始しておりますが、非常に多くのお客様よりご好評をいただき、2025年3月31日までの累計販売数が1,370万食を突破しました。

一方、原材料費、人件費および水道光熱費の増加に対処するため、2025年1月15日に一部商品の価格改定を実施しました。

これらの取り組みにより、売上収益は1,281億42百万円(前期比11.6%増)と過去最高となりました。また、事業利益も過去最高の208億96百万円(前期比13.9%増)と大幅な増益となりました。

 

(注6)麺職人:理想的なうどんを作る専門人材で、丸亀製麺独自の人材育成システム

 

<国内その他>

国内その他セグメントには、「コナズ珈琲」、「ずんどう屋」、「肉のヤマ牛」、「晩杯屋」、「天ぷらまきの」、「とりどーる」、「豚屋とん一」、「長田本庄軒」、「焼きたてコッペ製パン」が含まれております。

「いちばん近いハワイ」をコンセプトとするコナズ珈琲は、季節限定フェア商品や店舗内外でのイベントによる集客に加えて、オンライン・オフラインでの情報発信やSNS活用などの強化が奏功し、客数が大幅に増加しました。2025年3月20日に福岡市内への出店となる香椎浜店(福岡)は国内トップクラスの売上となる勢いです。また、既存店の客数・客単価がともに上昇し、増収増益となりました。

豚骨ラーメンのずんどう屋は、当第4四半期に草加VARIE店(埼玉)、川崎銀座店(神奈川)および羽田空港第1ターミナル店(東京)を出店して計104店舗となり、増収となりましたが、今後の出店加速に備えたセントラルキッチンの準備費用や出店に伴う費用が増加したことなどから減益となりました。

その他の業態の店舗も出店や改装が進んだ結果、売上収益は354億12百万円(前期比24.4%増)と過去最高となりましたが、出店に伴う費用の増加などにより事業利益は44億47百万円(前期比0.1%減)とほぼ横ばいとなりました。

 

<海外事業>

海外事業セグメントにおいては、事業展開する一部地域の市況悪化の影響もあり、中間期に業績予想の下方修正を公表しました。市況が悪い中でも売上収益および収益性を改善することを企図して、2024年10月1日付で、当社海外事業本部内において、海外レストラン業態の改革を推進する部門を設立し、国内事業の高い知見を有する人材を海外に送り、繁盛店モデルづくりの強化を推進してまいりました。

商品・サービスの品質向上や生産性改善の取り組みに加えて、魅力的な商品開発やライブ感ある店頭デザイン導入により、第3四半期以降は一定程度の売上および収益性の効果が現れてきました。また、海外事業セグメント内の事業ポートフォリオの見直しも実施しており、2025年3月31日に業績不振が続く丸亀英国事業をローカル外食企業に売却し、フランチャイズ化いたしました。

売上収益は、前第2四半期から連結したFulham Shore社の通期寄与もあり、過去最高の1,046億74百万円(前期比18.1%増)と大幅な増収となりました。一方、事業利益は、当中間期までの遅れを取り戻すまでには至らず、25億24百万円(前期比7.3%減)と減益となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減率(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

42,794

37,670

△12.0

投資活動によるキャッシュ・フロー

△26,817

△12,792

△52.3

財務活動によるキャッシュ・フロー

△16,548

△13,219

△20.1

現金及び現金同等物

70,627

82,271

16.5

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ116億44百万円増加し、822億71百万円(前期比16.5%増)となりました。

 

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

営業活動により得られた資金は376億70百万円(前期比12.0%減)となりました。これは主に減価償却費及び償却費並びに減損損失計上前の税引前利益が448億5百万円あったこと等によるものです。

 

投資活動により使用した資金は127億92百万円(前期比52.3%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が138億27百万円あったこと等によるものです。

 

財務活動により使用した資金は132億19百万円(前期比20.1%減)となりました。これは主に社債の発行による収入が218億72百万円、長期借入れによる収入が145億44百万円あった一方で、リース負債の返済による支出が218億35百万円、長期借入金の返済による支出が162億52百万円あったこと等によるものです。

 

 

(3)財政状態の分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

増減率(%)

資産合計

321,438

323,196

0.5

負債合計

231,303

226,661

△2.0

資本合計

90,135

96,535

7.1

親会社所有者帰属持分比率(%)

25.1

27.0

7.7

1株当たり親会社所有者帰属持分(円)

923.23

995.86

7.9

純有利子負債

113,329

104,757

△7.6

ネットレバレッジ・レシオ

2.56

2.11

△17.5

※1.ネットレバレッジ・レシオ=純有利子負債(有利子負債-現預金)÷調整後EBITDA

※2.前連結会計年度について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.子会社の取得」に記載の暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額及び数値により開示しております。

 

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ17億59百万円増加し、3,231億96百万円(前期比0.5%増)となりました。これは主に現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ116億44百万円増加した一方、使用権資産、無形資産及びのれんがそれぞれ前連結会計年度末に比べ75億86百万円、29億99百万円減少したことによるものです。

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ46億42百万円減少し、2,266億61百万円(前期比2.0%減)となりました。これは主に社債が前連結会計年度末に比べ201億9百万円増加した一方、短期借入金、リース負債、その他の流動負債、未払法人所得税がそれぞれ前連結会計年度末に比べ82億10百万円、71億88百万円、46億19百万円、16億32百万円減少したことによるものです。

資本は、前連結会計年度末に比べ64億円増加し、965億35百万円(前期比7.1%増)となりました。これは主にその他資本性金融商品、資本剰余金がそれぞれ前連結会計年度末に比べ30億7百万円、21億83百万円増加したことによるものです。

親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ7.7%増加し、27.0%となりました。これは主に資産合計が前連結会計年度末に比べ17億59百万円増加した一方、その他資本性金融商品、資本剰余金がそれぞれ前連結会計年度末に比べ30億7百万円、21億83百万円増加するなど、親会社の所有者に帰属する持分合計が前連結会計年度末に比べ66億42百万円の増加にとどまったことによるものです。

1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度末に比べ72.63円増加し、995.86円(前期比7.9%増)となりました。

また、負債と資本のバランスを示すネットレバレッジ・レシオは前連結会計年度末に比べて0.45回復し、2.11となりました。これは主に純有利子負債が前連結会計年度に比べ85億73百万円減少した一方、調整後EBITDAが前期比で53億26百万円増加したことによるものです。

 

 

(4)生産、受注および販売の実績

当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、生産実績と受注実績は記載しておりません。

 

a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

丸亀製麺

27,530

107.7

国内その他

11,338

140.9

海外事業

26,004

116.3

合計

64,871

115.9

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

丸亀製麺

128,142

111.6

国内その他

35,412

124.4

海外事業

104,674

118.1

合計

268,228

115.6

 

(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は(1)経営成績の分析 から(3)財政状態の分析に記載のとおりであります。

 

(6)重要性がある会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要性がある会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎(4)見積りおよび判断の利用 3.重要性がある会計方針」に記載されているとおりであります。

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

 

(8)当社グループの資本の財源および資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することや、投資効率の追求、資金調達手法の多様性を図ること等により、資金調達余力の向上を図ることを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としております。なお、当連結会計年度末における社債、借入金およびリース負債を含む有利子負債の残高は1,870億28百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は822億71百万円となっております。

また、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による事業環境の急速な変化の経験から、運転資金および財政基盤の安定性向上のために機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することの重要性を再認識し、主要取引行と当座貸越契約による短期借入金40億円を継続しております。

 

5【重要な契約等】

(ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債の発行)

当社は、2024年6月4日開催の取締役会決議に基づき、2024年6月20日に2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行いたしました。

詳細は「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況 ③その他の新株予約権等の状況」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 25.社債及び借入金等」に記載しております。

 

(ローン契約と社債に付される財務上の特約)

2024年4月1日前に締結されたローン契約については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しております。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。