文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社並びに連結子会社(以下、当社グループ)が判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、お客様のデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」という)を実現する総合ITサービスを提供する企業グループとして、中堅中小企業を中心にこれまで多くのお客様のIT活用を支援してまいりました。これらの経験と実績をベースに、お客様の環境に合わせた最適なソリューション(課題解決策)の提案やサービスの提供を、グループ一体となって積極的に行っております。
また、今後企業として目指していく方向を明確にするため、社員による提案をもとに議論を進め、「創り出そう、躍動する社会を。挑戦しよう、技術とともに。」というビジョンを策定しております。グループ社員が一丸となってこのビジョンの実現を目指し、当社グループの持続的成長と企業価値の最大化を実現してまいります。
なお、世の中のIT活用の拡大に伴いお客様のさらなるビジネス成長への貢献に加え、当社は社会・環境課題を解決することで持続可能な社会を実現するSDGs(持続可能な開発目標)にも取り組んでまいります。当社が持つ最新技術を駆使しながら、お客様にとって最適なソリューションやサービスを提案・提供することで、お客様のSDGs目標達成を支援し、地域や社会の持続的成長にも貢献していきたいと考えております。
(2) 中長期的な経営戦略
企業のIT予算は引き続き増額基調で、DXのさらなる推進に加え、生成AIをはじめとするAI関連分野の製品やサービスへの投資が加速すると予想されます。このような環境下、2024年4月よりスタートした中期経営計画「CHALLENGE 2026」は順調に推移しております。継続的成長と高い収益性を実現するため、注力事業をクラウド、セキュリティ、超高速開発の3事業に集約し、それぞれの事業を進化、深化させることで事業構造の変革を更に加速させています。加えて、日々の業務で発生する様々なデータやAIの活用についても取り組みを進め、新たな価値創出を目指しております。
新人材戦略への投資を過去3か年累積と比較して1.5倍確保し、変化への対応、継続的な成長、挑戦する文化の醸成に必要となる人材へ投資いたします。また事業戦略を実現するための人事制度改革として、技術部門のスキル特化型の高度技術専門職制度を導入や教育プログラムの包括的な提供、そのほか社員の育成やキャリア形成を支援する新たなフレームワークの策定をいたしました。各施策を通じ、社員のモチベーションアップやイノベーションの創出ができる企業風土の実現を目指します。
お客様が一番欲しいものを最速でお届けするため、新たな技術に挑戦し、より一層ビジネスのスピードを上げ、価値創造型企業へと変革を続けることでさらなる成長を目指してまいります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標につきましては、売上高及び営業利益の目標値を定めるとともに営業利益率にも常に注意を払って経営を行っております。また資本効率を高め企業価値の向上を図っていくため、自己資本利益率(ROE)についても重要な指標として位置づけており、当連結会計年度におけるROEは20.3%と、前年から4.8ポイント成長いたしました。なお、順調なビジネス成長を反映し、新中期経営計画の2027年度3月期目標について売上高、営業利益率、ROEともに上方修正いたしました。詳細については下表をご参照ください。
<当社グループの当期実績、来期業績予想及び中期経営計画目標値>
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2025年3月期実績 |
2026年3月期業績予想 |
2027年3月期業績目標 |
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売上高 |
69,868百万円 |
71,500百万円 |
74,500百万円以上 |
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営業利益 |
6,155百万円 |
6,800百万円 |
- |
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営業利益率 |
8.8% |
9.5% |
11.0%以上 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
4,603百万円 |
4,800百万円 |
- |
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自己資本利益率(ROE) |
20.3% |
19.0% |
20.0%以上 |
※この業績予想及び目標は、開示時に当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいて策定したもの
であり、実際の業績等は今後さまざまな要因によって記載内容と異なる可能性があります。
(3) 対処すべき課題
IT業界を取り巻く経営環境の変化が一層厳しさを増している中、当社グループは持続的な企業価値向上と継続的な成長を目指すために、中期経営計画「CHALLENGE 2026」を開始しました。IT市場は引き続き成長を見せていますが、求められるソリューションやサービスも日々変化しています。このような状況に対応するために、当社は急速な技術の進化に適応し、お客様の企業価値向上、社会の発展、そしてIT業界の変革に貢献する価値創造に挑戦しています。
この目的を達成するために対処すべき主な課題は以下と認識しています。
① 注力事業の進化・深化
2024年4月にスタートした3カ年の中期経営計画「CHALLENGE 2026」において、さらなる事業構造の変革を推進するため、前中期経営計画「HARMONIZE 2023」の注力事業であった、クラウド、セキュリティ、超高速開発の3つの事業にデータ&AI活用を取り込むことで事業の進化・深化を図って参ります。この取り組みを通じて、お客様のDXを力強く加速させるサービス体系の強化を目指します。これらの高付加価値ビジネスを中心に、「価値創造型企業」に挑戦し、継続的な成長と高い収益性の実現を目指します。
② 新人材戦略の着実な実行
持続的な企業価値向上を実現するため、人材への戦略的投資を最重要課題のひとつと位置付け、新たな人材戦略を策定しました。当社が求める人材像を基軸に、採用・育成・適材適所の配置・従業員エンゲージメントの強化といった一連の施策を、体系的かつ着実に推進していきます。採用面では、厳しい市場環境を踏まえ、採用ブランドの強化、リクルーター制度の整備、採用プロセスの最適化などを進めています。育成面では、JBCCバリューを反映した階層別研修、次世代人材の計画的育成、最先端のプロフェッショナル技術が学べる「JBCCアカデミー」などを展開し、スキル向上とキャリア形成を支援します。また、従業員エンゲージメント向上に向けた各種制度の整備を推進し、従業員が自律的に成長できる環境を整えています。これらの取り組みに関する情報開示についても、積極的に推進しています。人材戦略に関する投資については、前中期経営計画期間で策定した3カ年累計実績の1.5倍となる水準の投資を、計画的に実行してまいります。これにより、人材強化による企業価値の向上を目指します。
③ 経営基盤の強化・高度化
「CHALLENGE 2026」の達成と、その先に目指す「価値創造型企業」へ進化していくためには、土台となる経営基盤の強化・高度化が必要不可欠です。戦略を実行するための組織改革の一環として、グループ内組織の改編とCxOマネジメントシステムの立ち上げを行いました。また、グループ全体のガバナンスの強化の取り組みの第一歩として、本株主総会における取締役候補者の選任議案は、監督機能と執行機能の分離を一層推進する体制といたしました。今後も、取締役会のガバナンスの健全性および経営の透明性の向上に継続して取り組んでまいります。変化の中で成長を続け、市場における競争力を高めていくために、前述の「人材戦略」の着実な実行とともに、「ガバナンスの強化」「DXの加速」「リスクマネジメント体制の高度化」の4つの観点で強固な経営基盤を構築し、経営品質の更なる向上を目指します。
これら一連の対応が、当社グループの企業価値の持続的向上につながるものと考えております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、「創り出そう、躍動する社会を。挑戦しよう、技術とともに。」というビジョンのもと、持続可能な社会の実現に対して気候変動への対応も重要課題(マテリアリティ)の一つとして捉えております。気候変動が事業活動に与える影響について正しく把握し、適切に開示するという気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、内容について検討してきました。
環境経営の推進体制において、当社グループは、経営メンバーで構成される「サステナビリティ委員会」を設置しております。今年度は、管理担当の取締役が委員長を務めており、関連する「リスク管理委員会」や、下部組織である「SDGs推進部会」、「人財部会」と連携し、持続可能な社会の実現を目指して、次の活動を行っております。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
・SDGsへの取り組み、推進
・気候変動による事業リスク・機会の検討
・中長期的な環境課題の検討
・カーボンニュートラル実現への取り組み
各委員会の活動結果や取り組みについては取締役会へ報告され、議論・評価されます。
コーポレートガバナンス報告書は2025年6月更新予定です。
(2)戦略
当社は、持続可能な企業価値の創出に向けて、人的資本を重要な経営資源と位置づけ、人的資本経営の実践を
通じて中長期的な成長を目指しております。
以下では、当社における人材戦略の考え方および具体的な取り組みについて説明いたします。
1.当社における人材戦略の考え方
「求める人材像」を明確に定義し、その人材を採用・育成・配置・エンゲージメントといった「人材マネジメントサイクル」を通じて戦略的に育成し、社会および事業成長に貢献する人材の継続的な創出を目指しています。
当社が求める人材像は「Think × Act × Team」、自ら考え(Think)、行動し(Act)、その成果をチーム全体に広げる(Team)ことができる人材と定義しています。この考え方は、変化の激しい事業環境においても柔軟に対応し、自律的かつ協働的に価値を創出できる人材の獲得・育成を目指すものです。
2.採用(人材の獲得)
事業戦略と連動した人材ポートフォリオの構築を目指し、即戦力人材および将来の成長を担う若手人材の採用に注力しています。特に、当社の求める人材像の核をなす5つのバリュー(JBCCバリュー/行動指針)である「プロフェッショナルとしての成長」「チャレンジ(未来づくりへの挑戦)」「とことん考え抜く(課題発見×解決力)」「人間力(対人関係構築力)」「チーム・仲間への貢献」を体現する人材の確保を推進しています。
採用手法としては、人材紹介会社との連携強化に加え、バリューを体現する若手社員が参加する「リクルーター制度」、面接官の魅力と選考スキルを高める「面接官トレーニング」、女性活躍に焦点を当てた採用サイトコンテンツの展開、さらには候補者に直接アプローチするダイレクトリクルーティングの導入など、多面的な採用手法を展開しています。これにより、当社の価値観に共感し、長期的に活躍できる人材の獲得を目指しています。
3.育成(人材・組織開発)
社員一人ひとりの自己実現を育成の基盤とし、個人のビジョンと組織のビジョンの重なり(共通ビジョン)を広げることで、組織の力強さを高める人材育成戦略を推進しています。
若手社員に対しては、入社後のキャリア形成を支援するため、「キャリアデベロップメントジャーニー(CDJ)」に基づき、社会人1年目、3年目、7年目といった節目における階層別研修を実施しています。
これらのプログラムでは、担当領域における専門性の習得に加え、当社のバリューの早期定着を図ります。
また、プロフェッショナル人材(専門性)育成プログラムの中核であるJBCCアカデミーでは、IT業界屈指の高いITスキルを保有する高度専門職(エンジニア)が講師をするトレーニングプログラムを、社内外にも広く発信することで企業ブランドを高め、優秀なIT人材の獲得や就業支援を通じた社会貢献にも関与していきます。そして役職者向けのリーダーシップ研修、全社員対象の自己啓発支援制度などを通じて、継続的な学びの機会を提供しています。組織開発の観点では、すべての管理職を対象に実施する「J-Coaching」研修を通じて、コーチングカルチャーの浸透を図り、上司と部下の対話(One on One)の質を高めています。これにより、信頼関係に基づく「関係性の質」の向上を促進し、個と組織がともに成長する「最強の組織(チーム)」の醸成を目指しています。
4.エンゲージメント
社員のエンゲージメント向上を重要な経営課題と位置づけ、働きがいのある職場づくりを推進しています。月1回のパルスサーベイ等定期的な従業員意識調査を通じて職場や社員個人の課題を可視化し、改善活動を継続的に実施しています。また「自由と責任」を基本コンセプトとした柔軟な働き方(Style J)の推進により、社員が業務内容やライフスタイルに応じて働く場所や時間を選択できる環境を整備しています。福利厚生面では、当社独自のプログラム「J-Care」を中心に、社員の心身の健康と生活の充実を支援しています。中でも、海外を含む複数の旅行プランから選択可能な「社員旅行補助制度」では、リフレッシュの機会を提供するだけでなく、旅行先での地域独自のSDGs活動に触れる機会を通じて、社員の社会的視野とサステナビリティ意識の向上にもつなげています。
(3)サステナビリティに関するリスク管理
当社グループは、気候変動や人材など「サステナビリティに関するリスク」について、サステナビリティ委員会において把握し、時代に適したサステナビリティの取り組みをグループ全体で推進してまいります。
(4)指標及び目標
<環境に関する事項>
当社グループは、気候関連のリスク対応において、GHG排出量の削減及び再生可能エネルギーへの移行が重要であると認識しております。当社が社内で利用するクラウドサービスにおいては、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureを中心とした再生可能エネルギーの比率が高いクラウドプラットフォームを採用しております。
当社の事業活動に伴うGHGの排出(Scope1,2)は主として社用車の運用に伴うもの、及びオフィスにおいて使用する電力消費に伴うものであります。これらによるGHGの排出を2040年で実質ゼロとすることを目標に定め、活動してまいります。Scope3については現状調査を実施し、新たに目標を設定していきます。
また、環境活動への積極的な取り組みにより当社グループはISO14001認証を継続取得しております。
削減に向けた取り組み例
・社用車のハイブリッド車、及び電気自動車(EV)への移行
・オフィス消費電力の再生可能エネルギーへの移行推進
・社内PCのカーボンオフセットサービス利用
当社グループ カーボンニュートラル2040指標
2030年度:事業活動によるGHG排出量を2019年度比80%削減(Scope1,2)
2040年度:事業活動によるGHG排出量を実質ゼロ(Scope1,2)
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単位(t-CO2) |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
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Scope1(燃料) |
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Scope2(電気) |
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グリーン電力使用による CO2削減相当量 |
- |
- |
- |
- |
121.3 |
166.2 |
※CO2排出量算出方法は次の通りとなり、連結会社のScope1、Scope2が集計対象となります。
Scope1 燃料使用量(ℓ)×単位発熱量(GJ/ℓ)×GHG排出係数(t-CO2/ℓ)×44/12
Scope2 電気使用量(kWh)×単位使用量当たりの排出量(t-CO2/kWh)
※算定データの精緻化を目的として算定方法を見直し、過年度データを遡及して修正しております。
なお、TCFDへの対応については、当社ウェブサイト
(https://www.jbcchd.co.jp/sustainability/environment/tcfd/index.html)に記載しております。
<人材に関する事項>
人材多様性の確保に関する目標及び実績は次のとおりです。
柔軟で多様な働き方「Style J」を基盤として、「えるぼし」、「くるみん」の認証取得を申請するなど、働きやすい就業環境であることを明らかにし、女性採用比率50%を目指すことにより女性社員比率30%以上を目標といたします。
また、女性社員を管理職として積極的に登用するとともに次世代の管理職候補を育成することにより、2035年3月期に管理職に占める女性労働者の割合を現在の約2倍である20%とすることを目標とします。
※次世代の管理職候補である女性比率は今年度末20%以上であり、5年後30%以上となるよう育成することで、目標
達成を目指します。
男性労働者の育児休業取得率の向上施策として、男女の隔たりなく休業期間をフレキシブルに設定できる制度や休業中の給与補助制度などを設けております。これらの制度の利用促進により、男性労働者の育児休業取得率100%を目標といたします。
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指標 |
実績( (当連結会計年度) |
目標(%)
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性は常にあるものと認識しておりますが、その時期や程度、仮に当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響を個別具体的に合理的に予見し判断することは非常に困難であるため記載しておりません。
これらリスクに対応するため、当社は代表取締役社長が委員長を務めるリスク管理委員会を設置し、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 情報漏洩に関するリスク
当社グループは、お客様の情報システム等に関するコンサルティングからシステム開発、運用、保守サービスにいたるまでトータルなITサービスをご提供しております。このITサービスをご提供するにあたり、お客様が保有する個人情報や情報システムに関する情報等の各種機密情報を知り得る場合があります。これらの機密情報が、コンピューターウィルス、不正アクセス、人為的過失等により外部への漏洩が発生した場合、当社グループの信頼を失い、経営成績等に影響が出る可能性があります。
このような情報セキュリティリスクを回避するため、当社グループでは、お客様情報を含む当社グループの機密情報をあらゆる脅威から保護するために必要となる管理の基本方針として「JBCCグループ情報セキュリティポリシー」を策定し、情報セキュリティに関する意識の向上に努めております。また、時代に合わせた規定や基準の整備、監査の実施により、グループ全体でのセキュリティ対策を強化・標準化し、サイバーリスクを低減してまいります。当社グループの社員から業務委託先の社員に至るまで情報セキュリティに関する教育・研修を実施するなど、情報管理の徹底を図っております。
(2) システム開発に関するリスク
当社グループは、お客様の情報システムの開発を行っており、システム開発の請負契約等においては、顧客の要望の高度化・複雑化や開発着手後のシステム要件の変更等により、当初の原価総額の見積りより作業工数等が増加するなど追加費用が発生する可能性があります。
このような不確実性に起因して生じる不採算案件の発生を回避するため、見積り段階より社内での審査会議を開催することに加え、プロジェクトマネージャーのスキル向上や品質マネジメントシステムの整備など、受注後におけるプロジェクト管理を適切に行える体制を整えておりましたが、2025年3月期において一部プロジェクトにおける遅延により追加費用が発生しました。これを受け、プロジェクト管理体制の強化を図るべく組織変更を実施し、より適切な経営判断が可能となる体制を構築しました。また、見積や要件定義フェーズにおける標準化の見直しも実施しております。
引き続き、ビジネス環境やお客様のニーズ、テクノロジーの変化に柔軟に対応するため、JBアジャイル開発(注)を推進し、従来型の開発手法からの変革を実践してまいります。
(注)一般的なアジャイル開発とは、小単位で実装・テストを繰り返し、システムやソフトウェア開発を進めていく小規模開発向けの開発手法のことをいいます。開発期間が短縮されるためアジャイル(俊敏な)と呼ばれております。当社グループで推進するJBアジャイル開発は、ローコード開発ツールを利用する等の独自手法を取り入れ、大規模開発や基幹システム開発にもアジャイル開発を適用することを可能にし、大型案件の開発納期短縮を実現しております。
(3) 大規模な自然災害等に関するリスク
当社グループが事業活動を展開する地域における大規模な地震、洪水等の自然災害や重大な伝染病の発生により、事業拠点、従業員、パートナーが大きな被害を受けた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このような大規模な自然災害等に備え、事業継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、防災訓練等の対策を講じております。また、当社のデータセンターについては複数箇所に分散し、災害発生時の事業継続リスクへの対応力強化に努めております。
(4) 法令・規制に関するリスク
当社グループは、事業活動を行う上で、国内外の法令及び規制の適用を受けております。また、労働関係の法令についてもより一層の法令遵守が求められております。このような状況の中で法令違反等が発生した場合や法令や規則に変化があった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このような法令・規制に関するリスクを回避するため、リスク管理委員会の設置によるガバナンス体制の強化、「JBCCグループ行動基準」の制定とその遵守及びコンプライアンス教育の実施による法令遵守の徹底を行っております。
(5) 人材の確保・育成に関するリスク
当社グループの事業活動は、専門性に基づきお客様に価値を提供する優秀な人材の確保・育成・リテンションに大きく影響されます。これらが計画通りに進まない場合、必要な人的資本を十分に活用できず、中長期的に当社グループの事業成績や企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを回避するため、当社グループでは、従来の新卒採用に加え、人材紹介会社との連携強化、キャリア採用専用サイトの新設、リファラル制度の拡充などの施策により、キャリア人材の採用を強化しています。これにより、洗練された技術力と「チャレンジ」をはじめとするJBCCバリューを体現する当社グループの未来を担うプロフェッショナル人材の積極的な採用を推進しています。
また、社員の育成においては、「JBCCアカデミー」をはじめとする各種教育プログラムを整備し、事業戦略の実現に資する人材の育成及びキャリア形成を支援しています。
さらに、多様な働き方を推進する「Style J」や体系的な福利厚生プログラム「J-Care」を通じて、従業員一人ひとりが自己実現に向けて多様な挑戦に取り組める組織文化の醸成を図っています。これにより、従業員が時間、場所、年齢にとらわれることなく、高いモチベーションを持って能力を最大限に発揮できる環境の整備・変革を進めています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、3カ年の中期経営計画「CHALLENGE 2026」(2025年3月期~2027年3月期)をスタートしまし
た。その1年目である当期(2025年3月期)は、クラウド、セキュリティ(ストックビジネス)が業績を大きく牽引
し、業績予想を上回る好調な結果となりました。事業構造変革の推進により、3期連続で増収増益を達成、営業利益
は前期に続き過去最高益を更新しました。
中期経営計画「CHALLENGE 2026」では、継続的な成長を実現し成長路線を確実なものとするため、注力事業である
クラウド、セキュリティ、超高速開発にグループ全体の経営資源を集中して事業を推進しています。国内の中堅・大
手企業(年商500億円~2,000億円)をメインターゲットに定め、企業が抱えるIT人材不足やコスト意識の高まりに応
えるマネージドサービスの提供や、高度化・複雑化するサイバー攻撃に備えるセキュリティ対策サービスを展開して
います。クラウドとその運用に不可欠なセキュリティの包括的な提案の推進が案件の大型化と受注拡大につながり、
クラウド、セキュリティのビジネスが大きく伸長しました(クラウド、セキュリティの売上高 前期比42.2%増)。
また、第4四半期に有価証券(政策保有株式)の一部売却を行いました。これにより、297百万円の特別利益を計
上しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次の通りであります。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,259百万円増加し、44,466百万円となりました。これは主に現金及び預金が7,882百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産が709百万円増加した一方、商品及び製品が1,633百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,255百万円増加し、20,284百万円となりました。これは主に「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」の導入に伴い長期借入金が2,588百万円新たに発生し、契約負債が933百万円増加、未払法人税等が498百万円増加したことによるものです。なお、受注損失引当金が72百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,003百万円増加し、24,182百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益により4,603百万円増加した一方、配当金の支払いにより1,659百万円減少したことによるものです。
b.経営成績
この結果、当期の業績は、売上高69,868百万円(前期比7.2%増)、営業利益6,155百万円(同39.2%増)、経常利益6,314百万円(同38.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,603百万円(同44.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次の通りであります。
情報ソリューション分野の売上高は67,895百万円(前期比7.4%増)となりました。
製品開発製造分野の売上高は1,972百万円(前期比増減なし)となりました。
なお、セグメント別の詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載の通りであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ7,882百万円増加し、17,784百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動による資金の増加は6,639百万円(前期は1,235百万円の増加)となりました。増加要因としては、主に税金等調整前当期純利益6,558百万円、棚卸資産の減少1,582百万円、減少要因としては、主に、法人税等の支払いによる減少1,183百万円によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動による資金の増加は361百万円(前期は393百万円の増加)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入513百万円によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動による資金の増加は886百万円(前期は2,418百万円の減少)となりました。増加要因としては、主に自己 株式の売却による収入2,614百万円によるものです。減少要因としては、主に配当金の支払い1,659百万円によるもの です。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産、受注及び販売の実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
a.生産実績
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
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情報ソリューション |
35,667 |
8.5 |
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製品開発製造 |
1,394 |
△13.8 |
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合計 |
37,061 |
7.4 |
b.受注実績
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
情報ソリューション |
61,560 |
△7.3 |
14,224 |
△24.9 |
|
製品開発製造 |
1,939 |
△3.6 |
90 |
△20.7 |
|
合計 |
63,499 |
△7.2 |
14,315 |
△24.9 |
c.販売実績
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
情報ソリューション |
67,895 |
7.4 |
|
製品開発製造 |
1,972 |
△0.0 |
|
合計 |
69,868 |
7.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績におきましては、金額は製造原価によって表示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、業界や市場及び取引先の動向があげられます。
業界や市場動向につきましては、IT関連技術はさらに進化を遂げ、企業にとって必要不可欠なテクノロジーとなりました。特に、AI技術の急速な進化により、業務効率化や新たなビジネスモデルの創出が加速しており、当社グループにおいてもこれらの技術を活用し、業務の効率化や新たなビジネスモデルの構築に注力しています。また、環境意識の高まりから、持続可能な技術やサービスの需要が引き続き増加しており、これに対応できる企業が市場での競争力を維持しています。このような変化に迅速に対応するため、既存ビジネスの変革を推進しつつ、次世代の先進技術研究やさらなる事業の選択と集中を実現いたします。あわせて、企業統治や業務執行体制の強化を通じて、持続的な成長を実現します。
当社グループは企業向けシステムなどのサービス提供を主なビジネスとしており、その取引先は創業以来2万社を超え、その業種は多岐にわたっております。経済環境の変化や市場競争の激化により、取引先の業績が変動するリスクが高まっており、これが当社グループの受注状況にも影響を与える可能性があります。このため、当社は取引先に対する与信管理の強化や業界動向の詳細な調査を行い、リスクを早期に察知できる体制を整えています。また、取引先へのサービス提案やプロジェクト管理体制の強化により、顧客満足度向上を行い、長期的な関係構築を目指しています。
なお、2024年度より中期経営計画「CHALLENGE 2026」を策定し、持続的な成長と高い収益性の実現を目指しています。特に、クラウド、セキュリティ、超高速開発という3つの分野での成長を重視しており、これにより高い収益性の実現を目指し、企業価値の向上を図っております。お客様の成功と社会の発展、そしてIT業界の変革に貢献する「価値創造型企業」としての地位を確立することに挑戦してまいります。
経営成績に重要な影響を与える指標は、次の通りであります。
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2024年3月期 |
2025年3月期 |
前期比 |
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売上高 |
65,194百万円 |
69,868百万円 |
+7.2% |
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売上総利益 |
19,380百万円 |
20,971百万円 |
+8.2% |
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売上総利益率 |
29.7% |
30.0% |
+0.3pt |
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販売費及び一般管理費 |
14,957百万円 |
14,816百万円 |
△0.9% |
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営業利益 |
4,422百万円 |
6,155百万円 |
+39.2% |
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営業利益率 |
6.8% |
8.8% |
+2.0pt |
(売上高)
当連結会計年度の売上高については、前連結会計年度と比べ4,673百万円増加し、69,868百万円(前期比7.2%増)となりました。戦略的注力分野である超高速開発、クラウド、セキュリティが順調に伸長し、成長路線へと転換しました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益については、前連結会計年度と比べ1,590百万円増加し、20,971百万円(前期比8.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費については、前連結会計年度と比べ141百万円減少し14,816百万円(前期比0.9%減)となりました。
(営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
収益構造の変革に伴い、高付加価値ビジネスへ集中したことや販管費の最適化も寄与し、当連結会計年度の営業利益については、前連結会計年度と比べ1,732百万円増加し6,155百万円(前期比39.2%増)となりました。営業利益率は8.8%となり前連結会計年度と比べ2.0ポイント上昇いたしました。経常利益については、前連結会計年度と比べ1,764百万円増加し6,314百万円(前期比38.8%増)となりました。経常利益率は9.0%となり前連結会計年度と比べ2.0ポイント上昇しております。親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度と比べ1,416百万円増加し4,603百万円(前期比44.4%増)となりました。当期純利益率は6.6%となり、前連結会計年度と比べ1.7ポイント上昇いたしました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容は、次の通りであります。
[情報ソリューション]
情報ソリューションは、システム開発(SI)、サービス、システムの3つから構成され、注力事業であるクラウド、セキュリティ、超高速開発を中心にビジネスを展開しています。
・システム開発(SI)
超高速開発については、先行したローコード開発への取り組みと480件を超える導入実績から、案件規模が大型化しています。2024年3月期 第4四半期に発生した一部プロジェクトの遅延を契機に、大型プロジェクトの遂行において課題が顕在化しました。本遅延により業績にマイナス影響を与えていた主要プロジェクトは2025年3月期第3四半期に完了済みで、第4四半期は業績が正常化し、安定に向かいつつあります。現在、約20件の基幹刷新プロジェクトが進行しており、これらのプロジェクト対応に集中するとともに、中期経営計画の重点施策であるマイクロアセットサービス(注1)化に向けて、着実なプロジェクトの完遂を目指します。新規の基幹刷新プロジェクトの受注は、来期(2026年3月期)後半以降を予定しています。
(注1)マイクロアセットサービスとは、当社が、過去の開発実績より保持している、複数の独立したコンポーネントをお客様の要件に合わせて適用していくサービスです。
・サービス
クラウドについては、既存のインフラ投資額と比較して平均30%のコスト削減を可能にする、運用&コスト最適化付クラウドサービス「EcoOne(注2)」が引き続き好調を維持しました。企業のオンプレミス環境で広く利用されているVMware製品(仮想化ソフトウェア)の度重なる価格改定やライセンス体系の変更が、お客様のIT環境のクラウド移行(クラウドリフト)を後押しし、大型案件の受注につながりました。SaaSにおいては、働き方の多様化に伴うユーザ/デバイスのアクセス制御をはじめ、ガバナンス強化を支援する提案・運用サービスが中堅・大手企業のニーズに応え、複数の大型案件の受注につながりました。「Microsoft 365」に加え、サイボウズ社のノーコード開発ツール「kintone」、オンラインストレージ「Dropbox」の3サービスをSaaSビジネスの基軸とし、ワークショップ等の各種施策と併せてお客様のクラウドの利活用・定着を推進していきます。
- JBCC、Dropbox社のPartner Award 2024を受賞(1月発表)
https://www.jbcchd.co.jp/news/2025/01/21/110000.html
- JBCC、AWSの「移行とモダナイゼーションコンピテンシー」認定を取得(3月発表)
https://www.jbcchd.co.jp/news/2025/03/26/110000.html
-[事例]北陸電力株式会社 様、年間1万5千時間以上の業務時間削減! kintone導入で全社員をDX人財へ(4月発表)
https://www.jbcchd.co.jp/news/2025/04/10/130000.html。
(注2)EcoOne(エコワン)とは、クラウドベンダーの提供する様々なサービスを効果的に組み合わせて提供する、運用付きのクラウドサービスです。
セキュリティについては、マルチクラウドに対応したクラウドセキュリティ領域が継続して伸長しました。また、中堅・大手企業向けに、グループ企業や海外拠点を含めたセキュリティ診断を実施する「Attack Surface診断サービス」で複数の大型案件を獲得しました。今後、高付加価値サービスをさらに拡充することで受注規模の拡大を目指します。
- JBCC、マルチクラウド対応のIaaSセキュリティ監査サービスを提供開始(3月発表)
https://www.jbcchd.co.jp/news/2025/03/27/110000.html
- JBCC、パロアルトネットワークス社の Commercial Market Acceleration Partner of the Yearを受賞(1月発表)
https://www.jbcchd.co.jp/news/2025/01/23/110000.html
・システム
ハードウェアやソフトウェアの販売を行っており、お客様のクラウド利用への移行に伴い、中長期で縮小傾向にあります。
以上の結果、情報ソリューションの売上高は、67,895百万円(前期比7.4%増)となりました。
[製品開発製造]
製品開発製造は、当社グループ独自のソフトウェアやクラウドサービスの開発、及びプリンターなどの情報機器の開発・製造を行っています。ソフトウェア分野においては、国内の主要な業務系SaaSにデータ連携機能を提供する「Qanat Universe(注3)」、サイボウズ社のkintoneの機能を拡張するプラグインセット「ATTAZoo+」を主力サービスとしてビジネスを展開しており、堅調に推移しました。一方、プリンター類のハードウェアは、引き続き縮小傾向にあります。
以上の結果、製品開発製造の売上高は1,972百万円(前期比増減なし)となりました。
(注3)Qanat Universe(カナート ユニバース)とは、SaaSや基幹/業務システム、PC、モバイル、IoTデバイス等、クラウドや社内(オンプレミス)の様々なサービスやシステムをシームレスにつなぎ、データを連携するプラットフォームです。Qanat Universeを利用することで、利用者は接続先を意識せず、素早く、低コストでシステムの連携と業務の自動化が実現できるようになるため、ソフトウェアメーカーに自社製品との連携プラットフォームとして多く採用されております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金より充当し、不足が生じた場合には短期借入金により調達しております。また、複数の取引銀行との間で総額13,100百万円の貸出コミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。これにより、安定的な運転資金を確保するとともに、M&Aの実施の際の機動的な資金調達やマーケット環境の一時的な変化等不測の事態への対応にも備えております。当社グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、設備投資はパソコン・サーバー等の社内使用設備や事務所関連設備が大半であり、長期借入金による設備資金の調達は現在のところ必要ではない状況となっております。
なお、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship)に基づき設定されたJBCCグループ社員持株会専用信託が、当社株式を取得するための原資として主要取引金融機関により2,588百万円を資金調達しました。
今後につきましても、当社グループにシナジーをもたらすM&A等の投資や次世代の先進技術研究への投資、加えて株主の皆さまへの還元もしくは資本施策の一環としての自己株式の取得等、財務状況や株価の動向を考慮しながら必要に応じ機動的に実施してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(提出会社)
経営指導等に関する契約
当社は、主要な子会社・関連会社との間で、当社が各社に対して行う経営全般にわたる指導・支援等に関して、「経営指導契約」を締結しております。
当社グループでは、経営や業務に関するIT課題を抱えるお客様に最適かつ最新のソリューションをご提供するため、各分野にわたって研究開発活動を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1) 情報ソリューション分野
情報ソリューション分野は、超高速開発、クラウド、セキュリティを中心に、企業の情報システムの構築及び運用・保守サービスなどを行っております。
当分野においては、AIなどの新しい技術活用を中心に研究開発活動を進めており、従来の営業活動にとらわれず、WEBでの拡販が可能な新サービスの研究開発に取り組んでおります。当社グループのお客様へのアプローチを元に事例化し、お客様固有のカスタマイズなしで汎用的に提供できるサービス化を目指しております。
当連結会計年度においては、お客様の業務知識を学習し、システムの設計から構築までを担うことができる「AI Super SE」の開発を開始しました。業務理解力と構築力を兼ね備えた次世代型AIソリューションの実現を目指しております。
また、前年度より取り組んでおりましたAI自動検品システム「イノベース -Inspection-」におきましても、従来の画像認識AIによる検品機能に加え、生成AIやデータ分析技術を活用した新たな機能の開発を進めました。
さらに、当社グループが提供する商工会議所向け業務支援ソリューション「チェンバーズパック」については、お客様からの要望を反映しながら、クラウド対応を進めることで、より柔軟で拡張性の高いサービスへと進化できるよう取り組んでおります。これにより、導入の容易さや運用効率の向上を図ってまいります。
当事業分野に関わる研究開発費は
(2) 製品開発製造分野
製品開発製造分野は、クラウドデータ連携基盤等、独自のソフトウェア、自社開発の生産管理システム及びプリンター等各種ハードウェアの製造・販売を行っております。
当分野では、主要製品における新製品及び機能強化に関する研究開発を継続的に取り組んでおります。主力のソフトウェア製品では、サイボウズ社のクラウド型業務改善プラットフォーム(kintone)の顧客向けに、業務DXを実現するプラグイン機能をサブスクリプション化した「ATTAZoo+」「ATTAZoo U」、開発作業不要で手書き帳票のOCR読み込み(光学式文字読み込み)を実現する「ATTAZoo AI OCRパック」等の研究開発を進めております。
また、様々なSaaSクラウドサービスメーカーへの採用が進んでいるクラウドデータ連携基盤「Qanat Universe」では、新たなSaaSサービス連携の拡充及び既存サービスへの新機能追加に向けた研究開発に取り組み、各社サービスメーカー様とともに顧客へのさらなる価値提供に取り組んでおります。
生産管理システム「R-PiCS」では、「資材所要量計画」を得意とした「R-PiCS-NX」の開発を進めており、今まで以上にお客様にご満足頂けるものづくりを進めております。
さらに、当社グループでは、新規技術の習熟及び新製品開発のためのアイデア発掘を目的とした「先進技術研究所」を設置しており、技術革新が著しいAIやIoTなどの最先端技術の分野において、他社にはない全く新しい発想で新製品及びサービスの開発を目指し、最新技術の調査・研究についても積極的に取り組んでおります。
当事業分野に関わる研究開発費は