文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社経営の基本方針
当社グループは、「リズムグループ経営理念」を次のとおり定めております。
(リズムグループ経営理念)
たゆみない創造と革新を続け、豊かで楽しい安全な社会づくりに貢献する
(私たちが求め向かう企業像)
1. 人々に喜ばれる製品・サービスを創造する
2. 世界の国々における取引を通じ関係者の繁栄を図る
3. 活力ある企業風土を築く
(2) 中長期的な会社の経営戦略、対処すべき課題及び目標とする経営指標
①目標とする経営指標
当社グループは、2026年3月期から2028年3月期までの3年間を対象とする「中期経営計画2027」を策定し、次の項目を経営目標としております。
※1.モビリティ売上高は「中期経営計画2027」より集計方法を変更。
※1 削減割合は2019年3月期比、削減対象はスコープ1+2、原単位は売上高百万円当たりのCO2排出量。
※2 算定次第、当社WEBサイト内のサステナビリティページにて公開予定。(https://www.rhythm.co.jp/sustainability/)
②経営戦略等
中期経営計画2027においては、同中期経営計画を「事業モデル確立による新たな成長の実現」フェーズと位置づけ、これまでの事業変革への取組みを完遂するとともに、外部環境変化に負けない体質作りを進め、更なる企業価値向上に取り組んでまいります。高収益体質への転換を図り、資本効率の改善を進めるため、4つの戦略・基本方針を定めております。
a.事業戦略「事業モデルの競争力強化」
前中期経営計画においては、精密部品事業を成長ドライバーと位置づけ、車載関連ビジネスを中心とした拡大を目指してまいりました。また、生活用品事業においては、大きな構造改革に取り組み、「快適品」分野の本格拡大に向けた取組を推進してまいりました。中期経営計画2027においては、これらの事業モデルを確立し新たな成長を実現するフェーズと位置づけ、競争力強化に向けた取組を推進してまいります。
イ.精密部品事業
BEV化は一時的に停滞しているものの、自動車の電動化、自動化あるいは多機能化は着実に進展しており、電装部品、センサーカメラ部品を得意とする当社への追い風となっています。引き続きモビリティ分野を最重要分野とし、電装品、ADAS部品に注力してまいります。「オリジナル部品の開発と汎用化」、金属プレスと樹脂成形技術を併せ持つ強みを活かした「ユニット部品の拡大」、グローバルネットワークを活用した「戦略顧客の深耕」を取組方針として掲げており、こうした方針のもと、ソレノイドコイル等既存部品の販売強化、新規部品への取組推進、生産性向上に取り組んでまいります。
ロ.生活用品事業
前中期経営計画期間においては、クロック市場の縮小に伴いクロック依存からの脱却と新たな事業モデルの構築を進めてまいりました。中国工場の採算改善や快適品でのヒット商品(モバイルファン)創出等、成果も生まれております。本中期経営計画においては、こうした構造改革の成果を確かなものとし、早期収益化と快適品の次なるヒット商品創出に向けて取り組んでまいります。これらを推進するため、大手EC・家電量販店や中国をはじめとするアジア圏での「快適品の販路拡大」、空調分野のラインアップ拡大と新分野への研究開発推進による「快適品の次なるヒット」創出、原価低減に向け「生産体制の強化」を行い、快適品を製品ポートフォリオの中核に成長させ、売上拡大と収益化を達成してまいります。
b.財務戦略「成長投資と資本効率の向上」
引き続き、業績拡大による安定した収益基盤の構築、資本コスト経営の強化を進め、成長ドライバーである精密部品事業への積極投資や、新製品開発など生活用品事業における新たな柱(快適品)の拡大投資、システム・IT投資等、持続的成長に向けた投資を実行してまいります。2024年3月期にリズム翔栄株式会社の買収を行いましたが、M&A投資も引き続き重要な成長戦略の一つとして推進してまいります。
株主還元についても重要経営課題と認識しております。2025年3月期は一株当たり73円00銭(配当性向79.4%)と、増配いたします。引き続き、業績の拡大、手元資金、投資の状況に応じて株主還元の強化に努めてまいります。
資本コスト経営についてはその実践、高度化を進めており、2024年3月には「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を開示し、2025年3月にはそのアップデートを行いました。引き続き、業績回復による企業価値向上を第一に、資本コストや株価を意識した経営の実現、PBRの向上に努めてまいります。
c.経営基盤戦略「経営の推進力向上」
経営基盤戦略をなす人財、IT/DX、ガバナンスの各分野における活動は、経営の推進力を高めるものとして取り組みを強化してまいります。人財面では、経営戦略を推進する原動力となる人材の確保・育成・適正配置を進めてまいります。IT/DXにおいては、ビジネス変革として圧倒的なビジネススピードの獲得に挑戦し、デジタルネイティブ企業への進化を目指します。ガバナンス面においては、適切なリスクヘッジと果敢なリスクテイクにより成長の実現を図ってまいります。
d.サステナビリティ戦略「経営・事業活動との同期化」
サステナビリティへの取組みは企業活動に不可欠であり、企業存続にも大きな影響ある生き残り戦略の一つとして、その重要性を認識して推進しております。気候変動への対応をはじめとした「環境」と、人権や人的資本等に関する「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)」を重要なテーマと捉えております。これらの活動を経営・事業活動と同期化させることにより、取組の深化・実効性向上を図ってまいります。環境においては、CO2排出量削減、環境コスト低減を、DEIにおいては、人権尊重を基盤に女性、障がい者等多様な人財の活躍を実現してまいります。
(3) 今後の見通し
2026年3月期の国内及び世界経済は、ウクライナや中東情勢等の地政学リスク、中国経済の更なる減速、エネルギー・原材料価格をはじめとする世界的な物価上昇、不透明な金融政策、不安定な為替変動などに加え、米国新政権による貿易関税問題が世界経済に混乱を招いており、先行きは極めて不透明・不安定な状況となっております。特に当社グループの主力事業分野である自動車業界においては、この貿易関税問題による大きな影響が懸念され、当社グループも少なからず影響を受ける可能性があります。
こうした状況は当面継続が見込まれ、当社を取り巻く事業環境は極めて不透明となっております。精密部品事業においては、空調関連部品は好調を維持しておりますが、工作機械関連部品の受注回復の更なる遅れが懸念され、主力の車載関連部品も安定した受注はあるものの、上記のとおり不透明さを増しております。ベトナム組立事業の回復も見通せない状況が続いております。
一方、生活用品事業では、生産数量増大や生産性向上への取組による中国生産拠点の採算化、不採算拠点の閉鎖など構造改革の効果が現れております。また、昨年大きく販売を伸ばしたハンディファン、サーキュレーター等の快適品の国内外での更なる販売増加を見込んでおります。
なお、プライム市場上場維持基準に関しては、2025年3月末時点において「流通株式比率」「流通株式時価総額」において未達となっております。その対応等については別途お知らせいたします。
(4) 2026年3月期の連結業績予想
2026年3月期につきましては、2025年5月14日公表の「固定資産の譲渡及び特別利益の計上見込みに関するお知らせ」のとおり、不動産売却に伴う特別利益の計上が見込まれるものの、上記のとおり、当社を取り巻く事業環境は不透明さを増しております。こうしたことから、2026年3月期の連結業績予想につきましては、現時点では合理的な算定を行うことが困難であり、未定とさせていただきます。
なお、上記にも記載のとおり、2025年3月24日公表の中期経営計画2027においては、売上高は335億円(当期比2.5%増)、営業利益は14億円(当期比71.2%増)、経常利益は17億円(当期比46.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億円(当期比58.1%増)を計画値としております。
(1) サステナビリティ戦略について
当社グループでは、サステナビリティ戦略を重要な戦略の一つに掲げております。事業・企業活動を通じた社会価値の創出を企業価値の向上につなげていくとともに、社内のみならずサプライチェーン全般にわたる人権や環境への取組は、企業の持続可能性を高める重要な要因と捉えております。
当社グループのマテリアリティを気候変動への対応をはじめとした「環境」と人権や人的資本等を包含する「DEI※(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)」に設定し、これらを推進するため、サステナビリティ委員会を中心とする推進体制を構築いたしました。また、サステナビリティ基本方針をはじめとした理念体系を整備しているほか、CO2削減などの目標を設定し、その実現を図るための具体的な取組施策を策定、実施しております。これらを定期的・定量的にモニタリングし、目標を達成してまいります。
※中期経営計画2027において、これまでのマテリアリティ「D&I」に「エクイティ」の概念を追加
(2) サステナビリティに関するガバナンスとリスク管理について
経営レベルでのサステナビリティへの取組強化を目的とし、取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会はサステナビリティ活動の方針や重要課題等の審議、実績のモニタリング・評価を実施し(年4回)、経営会議を経て取締役会に報告を行います(年2回)。
また、サステナビリティ委員会の下位組織として、マテリアリティである「環境」と「DEI」それぞれについて、グループ横断的なワーキンググループ(部会)を設置しており、当社の全部門と当社グループ全社から推進責任者と担当者を選出し、従業員とのコミュニケーションを大切にした活動を行っております。
サステナビリティに関するリスク管理については、「
(3) 各種マテリアリティの概要
①環境
a.戦略
将来における持続可能な発展のためには将来の不確実性を有する気候変動問題が事業に及ぼす影響を把握することが重要と捉え、TCFDフレームワークに沿ったシナリオ分析を実施し、リスクと機会を特定しています。自社のCO2排出量削減をはじめとし、各種コスト高騰などの移行リスクや異常気象による物理リスクへの対策を行うとともに、事業機会を捉えた取組を行っております。具体的なリスク・機会とその対応策の詳細については、TCFD提言に基づく開示を行っております。
2025年3月期は、五所川原工場での新たな導入によりCO2排出量削減のため太陽光発電を行う拠点がグループ計3社に増加しました。従来より実施している節電対策や毎月の省エネパトロール等グループ一体での活動も継続しております。また、当社はサステナビリティ・トランジション・ファイナンスを活用した資金調達を実施し、融資契約先の金融機関に対し上記の目標に向けたSPT(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)の宣言と定期的なレポーティングを行っております。その他、水資源についても拠点毎の依存度やリスクを認識し、取水量のモニタリングや関連する取組についての議論を行っております。
b.指標と目標
当社グループは2031年3月期までにCO2排出量(スコープ1+2)を30%削減(原単位において)、また、2051年3月期までに実質ゼロとする目標を掲げてまいりました。目標に向けた進捗を踏まえ、30%削減目標のターゲット年については2028年3月期に前倒しする見直しを行いました。なお、2025年3月期の実績は算定でき次第、当社WEBサイトにて公開いたします。
[実績]
※売上高百万円あたりのCO2排出量
②DEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクル―ジョン)
a.戦略
当社グループは、多様性の実現が企業成長につながると考え、当社グループの従業員のあるべき姿を「リズムDEIビジョン」として制定し、その実現に向けた人権や人的資本に関連する各種方針「人権方針」「人財育成方針」「社内環境整備方針」を整備いたしました。これらの方針に基づき人権の尊重や多様な人財の活躍、働き方・企業風土改革に関する取組を実施しております。また、「リズムDEIビジョン」の実現に向けて「多様な人財が能力を発揮できる職場づくり」と「女性の活躍」を重要な課題と捉え活動しております。また、関連性の高い指標をモニタリングし、特に重要性の高い指標については目標を設定し、評価を実施しております。
<人財育成方針・社内環境整備方針>
当社グループでは、人財をリズムグループの持続的な発展のために重要な経営資源と考え、多様性を重視した人財育成方針を定め、目指す人物像および育成に向けた取組について示しております。また、人財の活躍支援と多様性確保に向け、社内環境整備方針を定め、目指すべき環境について示しております。これらの方針に基づき様々な価値観を理解し、認め合い、取り入れる風土の醸成や、従業員への教育・支援体制、設備・制度の整備を推進しております。
2025年3月期は多様性の確保に向け、キャリア形成への意識改革のための女性活躍推進研修を実施したほか、女性管理職へのインタビューを社内展開し従業員のロールモデル認知を促進するなど、意識醸成を中心に活動いたしました。また、障がい者雇用の拡大に向けた採用活動の強化を図りました。男性の育児休業取得促進や時差勤務制度、育児フレックス制度等多様な働き方の整備にも努めております。各種取組の推進の一環として、「くるみん」認定と埼玉県「多様な働き方実践企業」プラチナ認定に加え、2025年3月期に新たに「プラチナくるみん」、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」の認定を取得いたしました。
人財育成方針・社内環境整備方針の内容と具体的な活動等の詳細は当社WEBサイトにて公開しております。
[人財育成方針・社内環境整備方針、各種活動等]
b.指標と目標
当社グループの女性活躍推進においては、海外では比較的高い水準となっている一方、国内では更なる女性の活躍が求められる状況です。また、意思決定における多様性確保や、女性活躍と経済成長の好循環の実現の観点から、女性役員比率を高める必要性を認識しております。これらの背景のもと、当社グループの現状からまずは女性従業員比率と女性管理職比率を高め女性活躍の土壌づくりを図るべく、それぞれに目標値を設定しており、実績は上昇傾向で推移しております。また、多様な人財が能力を発揮できる職場づくりの推進に向けて男性育休取得率と障がい者雇用率についても目標を設定しております。特に子会社における障がい者雇用の進捗に課題が見られることから、今後はグループ内での採用ノウハウの共有を進めてまいります。
・女性従業員比率、女性管理職比率、男性育休取得率は当社と国内グループ各社の正社員・契約社員・パート従業員の集計。
・男性育休取得率は年度中に配偶者が出産した男性従業員数(2023年3月期10人、2024年3月期5人、2025年3月期9人)に対する年度中に育休を取得した男性従業員数(2023年3月期1人、2024年3月期6人、2025年3月期4人)の割合。
・障がい者雇用率は、障害者雇用促進法に基づき、障害者雇用率制度の対象となる当社と国内関係会社がそれぞれ算出。(法定雇用率:2024年3月期末時点:2.3%、2025年3月末時点:2.5%)
なお、海外グループにおける女性従業員比率は2025年3月末時点で62.8%、管理職比率は32.8%となっており
ます。これまでは国内拠点を中心に目標を設定して取り組んでまいりましたが、新たに海外を含めたグループ全体を対象として、2028年3月期までに女性管理職比率30%、さらに長期ビジョンとして40%の目標を追加し、グループ全体でDEIへの活動を加速してまいります。
c.人権尊重への取組
当社グループでは「ビジネスと人権に関する国連指導原則」や「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」に基づき企業に求められる人権尊重への取組として人権方針を策定・公表しております。また、2024年3月期より人権デューデリジェンスを開始し、「安全衛生」「環境汚染」「強制労働・児童労働」に関するリスクを重要課題として認識しております。これらのリスクにおいて負の影響を防止・軽減すべく、従来からの安全衛生や環境汚染防止のための活動を継続することはもちろん、サプライチェーンを含めた対応を強化すべく取引先への人権調査をスタートいたしました。また、グループ全社への人権方針の周知や定期的な人権研修開催により人権を遵守する組織風土の構築に取り組んでおります。
人権方針の内容と人権デューデリジェンス等の詳細は当社WEBサイトにて公開しております。
[人権方針、人権デューデリジェンス等]
(4) サステナビリティに関する情報開示について
サステナビリティに関する各種方針やそれに基づく取組、目標、実績等は当社WEBサイト内のサステナビリティページにおいて公表しており、順次更新してまいります。2025年2月には、TCFDに基づく情報開示を行っております。
[サステナビリティ(全体)]
[TCFD提言に基づく情報開示]
また、環境分野における国際的な非営利団体であるCDPからのアンケートに回答し、回答内容を公開しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 為替変動のリスクについて
当社グループの海外拠点における事業活動の拡大に伴い、外貨建取引の増加や外貨建債権債務残高の増大により為替レートの変動による影響を受けやすくなっております。そのため当社グループは為替予約及び通貨オプション等によるリスクヘッジを行うとともに、海外販売の強化を進めておりますが、為替レートの急激な変動により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 生活用品生産拠点の海外集中について
当社グループの生活用品事業の製品は、海外生産が中心であるため、海外において政治経済や法規制の変化など予期せぬ事象が発生した場合には、生産活動や商品供給に支障をきたすなど、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 減損リスクについて
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や、事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) M&A及び業務提携等に関するリスクについて
当社グループは、M&Aや業務提携等を通じた事業強化に取り組んでおります。実行にあたっては対象企業に対する詳細な調査を踏まえた検討を行いますが、事業展開が計画どおり進まない場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 地震等の自然災害や感染症等によるリスクについて
世界各地に展開する当社グループの生産拠点、販売拠点及びそれら周辺地域において、大規模な自然災害が発生した場合には、生産活動や商品供給に支障をきたしたり、復旧費用等、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症等のパンデミックが発生し世界経済に影響を及ぼす場合、当社グループの経営成績や財政状態にさらなる悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 原材料や部品の調達に関するリスク
当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品を外部業者から調達しており、これらの外部業者とは、安定供給のための協力体制を築いております。しかしながら市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには外部業者の不慮の事故等により原材料や部品の不足が生じた場合、製造原価の上昇、さらには生産停止に伴う売上減少を招く等、当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の品質に関するリスク
当社グループは国際品質マネージメントシステムやそれに準じたシステム、または顧客が求める厳しい基準で、設計、製造、品質管理を行っております。しかしながら万一、品質上の欠陥やそれに起因するリコールが発生し、リコールや製造物責任の追及がなされた場合、多額の費用の発生、また当社グループの評価が低下することに伴う売上の減少を招き、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) その他のリスクについて
上記以外でも、国内外の主要市場における貿易規制、経済動向、株式市場や債券市場の大幅な変動などにより当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日)における国内経済は雇用・所得環境の改善により緩やかに回復傾向にある一方で、原材料価格の高騰による物価上昇の影響が続いております。
また、アメリカの政策動向の影響、不動産不況や物価下落による中国経済の停滞、ウクライナや中東情勢の混乱等の地政学リスクの高まりにより、世界経済は先行き不透明な状況で推移しております。
このような状況のもと、当社グループの業績は、精密部品事業では、空調関連が引き続き好調に推移したものの、車載・組立関連の受注停滞の影響により減収となりましたが、一方で生活用品事業においては快適品の売上増加により増収となり、全体では前年同期と比較して増収となりました。
利益面につきましては、円安が続く中で仕入価格の上昇や原材料価格の高騰などの影響もありましたが、販売費及び一般管理費の抑制により営業利益は増益となりました。
以上のことから、当連結会計年度の売上高は326億66百万円(前期比0.2%増)、営業利益は8億17百万円(前期比11.9%増)となりました。経常利益は、為替差益の減少により11億60百万円(前期比7.8%減)と減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期にリズム翔栄株式会社の取得に伴う負ののれん発生益や固定資産売却益の一方で、中国子会社での減損損失、連結子会社の解散に伴う整理損の計上がありましたが、当期は米国子会社の清算決定に伴う事業整理損や減損損失を計上したもののリース解約益や投資有価証券・固定資産売却益等の計上により特別損益が大幅に改善したことで7億58百万円(前期比58.8%増)と増益となりました。
(単位:百万円)
セグメント別の状況は次のとおりです。
①精密部品事業
国内では、HEV用部品、空調部品が堅調に推移し、チャイナリスク回避による国内生産回帰から光学向け精密金型受注も好調に推移しました。一方で、工作機械用部品や欧州向けBEV用部品については受注停滞が継続しました。こうした中、既存事業は減収となりましたが、リズム翔栄株式会社の通期寄与から増収となり、利益面では円安の影響等から減益となりました。
海外では、ベトナムで展開している組立事業の受注停滞が大きく影響し、減収となりました。一方、東南アジア地域での二輪車用部品や空調部品の受注が堅調に推移していることに加え、中国工場におけるハンディファン他、樹脂成形内製品の増加による収益改善もあり、増益となりました。
これらの結果から精密部品事業全体では減収ながら増益を確保しました。
②生活用品事業
国内では、クロックにつきましては主力製品の販売は伸びましたが全体としては減少、一方で新たな事業として注力している快適品において、当期前半におけるハンディファン、サーキュレーターの売上が大きく伸び、また冬商材の加湿器売上増加も寄与し、全体では増収となりました。しかしながら、利益面では、円安の影響を強く受け減益、営業損失となりました。
海外では、クロックの販売は低調となりましたが、快適品の販売伸長がクロック減少分をカバーし、増収となりました。利益面では、米国拠点閉鎖の影響もありましたが、中国製造拠点において生産量増大等による採算改善が進み、増益となりました。
これらの結果、生活用品事業全体では増収となったものの、営業損失は拡大しました。
③その他
その他事業では、物販事業を営む子会社のギフト販売の低迷、物流事業子会社の採算低下から、全体では売上は前年並みにとどまり、減益となりました。
(2) 財政状態
①資産
総資産は450億93百万円となり、前連結会計年度末435億73百万円に比べ15億19百万円増加しました。流動資産は、現金及び預金や有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ12億86百万円増加しました。固定資産は、生産設備投資やシステム関連投資、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ2億32百万円増加しました。
②負債
負債合計は137億84百万円となり、前連結会計年度末124億27百万円に比べ13億56百万円増加しました。流動負債は、支払手形及び買掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ5億72百万円減少しました。固定負債は、社債の増加等により、前連結会計年度末に比べ19億29百万円増加しました。
③純資産
純資産合計は、313億8百万円となり、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ、1億62百万円増加しました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ21億76百万円増加し、当連結会計年度末には132億19百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や売上債権や棚卸資産の減少により、24億41百万円の資金の増加(前連結会計年度に比べ17百万円の資金の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、14億58百万円の資金の減少(前連結会計年度に比べ6億84百万円の資金の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金や社債の発行による収入等により、13億23百万円の資金の増加(前連結会計年度に比べ11億73百万円の資金の増加)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、日々の運転資金の他、事業計画に照らして必要な資金として、設備投資、研究開発投資などがあります。設備投資、研究開発投資などの投資資金需要に対しては、主に自己資金を充当し必要に応じて金融機関からの借入または社債の発行等により資金を調達することを基本方針としております。
当連結会計年度の設備投資の総額は、17億8百万円、研究開発投資の総額は1億34百万円となり、全額自己資金により充当いたしました。その結果、当連結会計年度末の有利子負債は80億16百万円となり前連結会計年度末と比べて18億66百万円の増加となりました。
資金の流動性につきましては、当社グループにおける余剰資金の有効活用に努めるほか、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態にも備えております。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は132億19百万円となっており、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
(6) 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
②受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は次のとおりです。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注)該当年度において販売実績の割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しています。
当社は、シチズン時計株式会社と商標の使用に関する契約を以下のとおり締結しています。
当社グループの研究開発活動は、精密部品事業分野と生活用品事業分野に大別されます。
精密部品事業分野における新製品開発活動は従来製品の船舶関連機器の開発を行っております。
生活用品事業分野における新製品開発活動は、アミューズクロックの商品力強化のための高音質新音源開発、キャラクタークロック商品力強化のためのからくり時計・3D目覚まし時計・キャラクターデジタル時計の開発、大音量目覚ましの開発、デジタル放送に対応した行政防災ラジオの開発、新型モバイルファンの開発、新型加湿器の開発を行っております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の金額は