当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「社業を通じて医療進歩の一翼を担い、人々の健やかな生命と幸福に尽くし、もって社会の繁栄に寄与する」を社是とし、患者・医療従事者等の安全と医療機関等の経営改善に貢献できる製品およびシステムをご提供しております。
(2)経営環境および経営戦略および優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く事業環境は、厳しい状況が続いています。特に医療機関を取り巻く状況につきましては、資材や光熱費の高騰が経営を圧迫したことに加え、2024年4月からは医師の働き方改革が本格化したことから人手不足や人件費増加といった問題が顕在化しています。
このような状況下、当社グループにおきましては医療安全を守りながら業務効率化など病院経営の改善に資する付加価値の高い製品の提案を積極的に展開しています。特に最重要戦略製品である「プレミアムキット」は、術前、術中、術後において発生するお客様の手間を大幅に削減するとともに、手術における医療安全が確保できる高付加価値製品としてお客様に高いご評価をいただいており、発売以降、売上高が伸長しております。
以上のことを踏まえ、当社グループでは2024年7月16日付で2027年3月期を最終年度とした中期経営計画を発表しております。
(2027年3月期 業績目標)
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売上高 |
46,700百万円 |
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営業利益 |
7,500百万円 |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
5,600百万円 |
当社グループは「顧客視点に立脚した価値創造経営の実践」を掲げ、今後もお客様の環境変化を敏感に察知し、お客様に寄り添いながら課題に対してソリューションを提供できるオンリーワンの企業となるべく企業活動を展開していきます。当社が販売する製品は、医療の現場で使用されるものが多いため、安全な製品の安定供給は当社の存在意義でもあり社会的責任でもあります。中期経営計画では、下記の対処すべき課題についてそれぞれの施策に取り組むことも発表しています。
①持続的な高成長率を維持するため「顧客価値向上」を見据えた事業戦略・事業/製品ポートフォリオ改革
・営業力強化
・コア事業/製品の競争力強化
・海外事業の推進
・将来のコア事業/製品の創造
②資本コストを意識した資本収益性・効率性に向けた改善
・資本収益性・効率性の改善
・安定的かつ継続的な株主還元
・投資規律の強化
③企業理念・企業価値向上を求心力とするガバナンス体制への変革
・迅速な意思決定と機動的な業務執行に向け、執行と監督を分離
・情報管理の徹底、社員教育の充実
・リスクマネジメント体制の更なる強化
・監査監督機能の強化
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営指標といたしましては、1株当たり当期純利益(EPS)、自己資本当期純利益率(ROE)、営業利益を重視しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
サステナビリティ全般
当社グループの主力製品である「プレミアムキット」ならびに「キット製品」は、各科手術・検査などの目的に応じた医療材料を必要な数量だけセット化した製品です。従来、単品で集めていた手術に使用する医療材料を1つのパッケージにすることで、業務負担の軽減や人為的ミス・リスクを防止します。これらの製品を将来にわたり安定的に供給していくためには、内容物の継続的かつ安定的な調達が不可欠であり、経済動向や社会・環境問題に目を向けながら、その機能を高めていく必要があります。また、人権問題や労働力の確保など事業活動に多大な影響をもたらす様々な環境の変化について、速やかに情報を収集、分析し、適切な対策を講じていくことでリスクを低減すると共に、戦略のレジリエンスを高め、持続的かつ安定的な成長につなげてまいります。
事業継続においても環境のリスク分析を行いながら、顧客ニーズとその変化を的確に捉えることで数多くの事業機会を見出し、市場創造に挑戦してまいります。また、人材こそが持続的な成長のための基盤であると考え、その育成と成長、獲得に積極的に取り組んでまいります。
(1)ガバナンス
当社グループは、上述したサステナビリティに関する考え方のもと、主に環境問題とD&I(ダイバーシティアンドインクルージョン)などの社会課題を中心に、中長期的な影響とその対策を議論する場として、2022年度よりサステナビリティ委員会を設置いたしました。委員会で議論された重要な事項は委員長である取締役社長を通じて取締役会に報告されます。事業リスク等に関しても内部統制等委員会をはじめとした各種委員会から同様に報告され、取締役会は総合的に事業リスクを把握し、迅速かつ適切な解決に資する施策等の実行を指示し、進捗を管理する体制となっております。
(2)気候変動への対応
当社グループは、国内の河川の氾濫や台風被害などの経験から、気候変動問題を含む環境問題への対応を重大な課題の一つとして認識しております。2022年8月に金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」のフレームワークに沿った情報開示を進めております。
①ガバナンス
当社グループの中長期的な持続可能性に影響を及ぼすことが考えられる事項については、上述したサステナビリティ委員会の委員長である取締役社長を通じて、取締役会へ報告されます。そこで議論された内容をもとに、具体的な対策が取締役社長を通じて各部門に指示され、その進捗は経営会議、または執行役員から取締役へ報告される体制となっております。
②戦略
政府主導による脱炭素社会への移行は、炭素税などの課税や法規制の厳格化、輸出入における制限などが考えられるだけでなく、その対応によっては顧客からのレピュテーションの悪化に通じるなど、事業全般においてリスクとなる可能性を認識しております。また温暖化による影響としては、冷房費の上昇によるコスト増や、豪雨による物流停滞など大小様々な規模で、直接的に経費増につながる可能性のあるリスクとして想定しております。これらリスクの可能性と事業における影響について、影響範囲や金額の規模に関して2022年に社内の主要部門へ調査を実施いたしました。環境起因による事業リスクとしては、炭素税などの「政策や法規制による影響」が大きいものと予測されております。また、物理的なリスクとしては、気温上昇を起因とする大雨・洪水による拠点機能の停止や労働者の熱中症や保管在庫の劣化などが想定されるという結果になりました。これらの調査結果を踏まえ、中期経営計画では2035年に向けた環境対策として「GHG排出量の削減」を目指し、「scope1・2・3削減目標の設定」「包装材料の簡素化・素材の変更」「環境に配慮した製品の開発」の取り組みを進めております。2023年には一部包装材の素材を変更し、プラスチック由来原料を年間21トン削減しました(2022年度出庫数をもとに包装形態の変更による年間プラスチック由来原料の削減量を当社にて試算)。R-SUD(再製造単回使用医療機器)に関しては、2025年3月期時点で累計12品番の販売に至っております。
③リスク管理
気候変動への対応は、各部門が具体的にそのリスクを想定し、備えていくために、2022年、2023年に各部門におけるリスクの洗い出しと評価を実施し、取締役会に報告しております。国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)が発表した「Net Zero by 2050 Roadmap for the Global Energy Sector」及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)の「第6 次評価報告書(AR6)」における環境省や気象庁による和訳や解説、文部科学省や気象庁が公表した「日本の気候変動2020」などを参考に、気温の上昇や豪雨などによって起こり得る具体的なリスク、影響、対策を通じたビジネス機会の創出などについて部門毎に議論しております。また、影響を評価する際には、規模や発生時期などを分類したうえで各部門が評価を実施し、その集計をもとに全社リスクの議論を行っております。
④指標と目標
当社グループでは2025年3月期の消費エネルギー実績をもとに、GHGプロトコルにおけるScope1およびScope2の自社排出に関して下表のとおり算定いたしました。2026年3月度はScope3の算定に着手し、サプライチェーンでの排出量を確認したのちに、優先的かつ効果的な削減ポイントを見定め、削減施策と目標を設定いたします。先述の中期経営計画では2035年に向けて「GHG排出量の削減」を方針として掲げております。通常の省エネ活動などに加え、より効率的なエネルギー使用や環境に配慮した製品づくりを通じた削減を目指してまいります。
<GHG排出量>
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Scope1 |
Scope2 |
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国内(t-CO₂) |
2,702.0 |
13,720.0 |
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海外(t-CO₂) |
194.4 |
3,378.2 |
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合計(t-CO₂) |
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(注)1.GHG排出量の集計範囲は、当社及び連結子会社(ホギメディカル・アジア・パシフィック除く)です。
2.Scopeについては、GHGプロトコルによる以下の区分で報告しています。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope2:他社から供給された電気などのエネルギーに伴う間接排出
(3)人的資本経営
①ガバナンス
当社グループは、企業行動憲章において「社員の安全と健康確保」「社員のゆとりと豊かさの実現」「社員の人格・人権の尊重」を掲げております。またこれらを組織的に実践していくために、コーポレート推進部が主体となり状況の定期的な確認と教育を実施しております。なかでも重要な事項が確認された場合には、同部門より取締役会に報告され、改善にむけての指示や場合によっては対象者や部門への指導がされております。
②戦略
国内の労働人口が減少していくことが明白ななか、当社においては事業の成長を支える人材の確保と育成を重要課題と考え、とくに「D&Iの実践」そして「人的資本への投資強化」を2030年までの方針として掲げております。
人材の確保にも通じる「D&Iの実践」に関しては全社員が納得感をもってダイバーシティを推進し、各々のライフワークバランスが向上することを目指し、現在実施中の時差勤務制度・長時間労働削減のための施策等に加え、今後はキャリアパスの明示、育児・介護休業制度の拡充等、働きがいと働きやすさのある職場環境を整えてまいります。具体的には、ダイバーシティへの理解を促進するための場づくりや情報交換、またライフワークバランスをサポートする在宅勤務や時短勤務制度の運用、その他にストレスチェックの実施と高ストレス者フォローなど、ハード・ソフトの両面から配慮し、心身ともに健やかな労働環境の整備を行っております。
2024年に「人材の確保/D&Iの実践」施策として実施した取組
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分野 |
取組 |
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ダイバーシティの推進 |
・新卒および中途採用女性比率の向上 ・女性管理職比率の向上 |
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ライフワークバランスの向上 |
・時差勤務 ・在宅勤務 ・男性育児休業取得の推奨、説明会の開催 ・ノートPC支給および活用による直行直帰の多用 |
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健康管理 |
・ストレスチェックの実施と高ストレス者フォロー ・心身の健康に関した外部相談窓口の設置 ・セクハラに関するアンケート実施によるノーハラスメント施策 |
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キャリアデザイン |
・新人事制度導入による主体的なキャリアパスの明示 ・ポスティング(社内公募)制度の実施 |
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社内交流 |
・社内イントラネットでの情報交流 ・新卒採用時の先輩社員との座談会 |
一方、人材の育成に関しても人的資本への投資強化を掲げており、今後のグローバル展開に向け、異文化における価値観の多様性を学び、マネジメント力を強化してまいります。性別や年齢などに拘わらず、国際競争環境下でも活躍できる人材の育成や管理職登用に向けた階層別研修等を段階的・継続的に実施し、必要な者が必要な研修を受けることができる体制を構築してまいります。
2024年に「人材の育成/人的資本経営への投資強化」施策として実施した取組
( )は主な対象者
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新入社員 |
中堅リーダー |
管理職以上 |
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・入社時導入研修(全職種) ・新入社員スキルアップ研修(全職種) |
・外部マネジメント研修(全職種) ・ハラスメント研修(全職種) |
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・OJT研修(営業職) |
・選抜ビジネス研修(全職種) |
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・コンプライアンス研修(営業職) ・情報交換会(営業職) ・医療系資格取得支援(営業職) ・選抜による英会話スキルアップ支援 |
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③リスク管理
当社グループでは、通報・相談窓口を設定しています。社内・社外にそれぞれホットラインを設置し、法令違反、定款違反、企業行動憲章違反、社内規程違反やハラスメント、セクハラに関する通報・相談を受け付けております。通報があった場合には速やかに調査ヒアリングを実施し、適切に対処しております。
④指標及び目標
また、上記「②戦略」で記載した方針に基づき次の指標を設定しております。当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
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指標(単体) |
目標 |
実績(当事業年度) |
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年度 |
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2030年度末までに格差を15%以内にする |
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年度取得率 |
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男女の賃金差異については、等級別人数構成の差によるものだと捉えております。女性従業員比率が25.7%であること、加えて、給与の高い職群である管理職において女性比率が低いことによるものだと考えております。入口となる女性の採用を積極的に進めていくこと、また長く働ける環境を整えるといった基盤整備だけでなく、女性管理職育成のための教育・研修の施策を行っていくことを課題としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
・法的規制について
当社グループの取扱製品・商品である医療用キット製品、医療用不織布製品等の大部分については、医薬品医療機器等法の規制を受けており、これらの製造・販売を行うためには、厚生労働大臣の承認、製造所については都道府県知事の許可を必要とします。よって、これらの許認可が監督官庁に認められない場合、あるいは既に取得している許認可が取り消される場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
・医療機関の環境の変化について
当社グループの取扱製品・商品の大部分は医療機関への販売となっております。従いまして診療報酬の改定や手術手技の進化は、医療機関の購買方針や使用製品の変更につながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
・主要な部材・原材料の供給停止等について
当社医療用キット製品の構成部材を供給しているメーカーが供給不能状態になった場合、該当部材を投入している医療用キット製品が製造不能という事態になり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
・製品・商品の不具合について
当社グループの取扱製品・商品について不具合等が発生した場合、医療事故の発生、製品・商品の回収等に至るおそれがあり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
・海外製造拠点における製造不能について
当社は、インドネシアに製造子会社を有しております。インドネシアにおいて予期しない法律または規制の変更や、政情不安・テロ・暴動・戦争及び自然災害・感染症等の不可抗力による事故が発生した場合、当社への材料及び製品の供給が一時滞るおそれがあり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
・国内製造拠点における製造・供給不能について
当社の製造及び配送拠点は、茨城県美浦・牛久地区に集中しており、他地域に製造及び配送拠点を有していないため、地震・火災・風水害等の自然災害により多大なる損害を蒙った場合、製造及び供給が一時滞ることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
・情報管理について
当社は、医療機関等の経営の合理化・省力化に貢献するサービス及び製品を提供するにあたり、医療機関の情報を取り扱っております。情報の管理には最大限の注意を払っておりますが、情報の流出等が発生した場合、社会的信用問題や賠償問題等へ発展するおそれがあり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
・為替等の変動について
当社は、インドネシアに製造子会社を有しております。また、国内外より原材料を調達しているため、原油・原材料の価格及び為替の大幅な変動により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・減損会計について
当社グループの保有資産につきまして、実質的価値の低下等による減損処理が必要となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、依然として厳しい状況が続きました。医療機関を取り巻く状況につきましては、資材や光熱費の高騰が経営を圧迫したことに加え、2024年4月からは医師の働き方改革が本格化したことから人手不足や人件費増加といった問題が顕在化しています。
このような状況下、当社グループにおきましては医療安全を守りながら業務効率化など病院経営の改善に資する付加価値の高い製品の提案を積極的に展開いたしました。特に最重要戦略製品である「プレミアムキット」は、術前、術中、術後において発生するお客様の手間を大幅に削減するとともに、手術における医療安全が確保できる高付加価値製品としてお客様に高いご評価をいただいており、発売以降、売上高が伸長しております。当連結会計年度においても当該製品の売上高は大きく拡大いたしました。一方、不織布製品は売上高の減少が続きました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は39,138百万円(前期比0.1%増)となりました。キット製品の売上高は26,018百万円(同2.0%増)、内「プレミアムキット」の売上高は13,326百万円(同17.7%増)となりました。売上原価は、減価償却費の減少、生産性の改善が見られたものの、継続する円安による為替影響、在庫の適正評価や廃棄、原材料等の上昇が影響し、原価率67.8%(前年比1.2ポイント上昇)となりました。販売費及び一般管理費は全体的に経費抑制に努めたことにより減少いたしました。この結果、営業利益は3,810百万円(同8.6%減)となりました。
当連結会計年度においては構造改革の一環で保有遊休資産や非コア事業の見直しを進めており、投資有価証券の評価損、関係会社株式の評価損、及び追加的な貸倒引当金繰入額などを計上しています。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,520百万円(同45.8%減)となりました。
なお、セグメント情報の記載は、医療用消耗品等の製造・販売の単一事業でありますので省略しております。
財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,146百万円減少し97,895百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金2,586百万円の増加、売上債権1,320百万円の減少、棚卸資産488百万円の増加、未収消費税等675百万円の減少等により1,174百万円増加し44,200百万円となりました。固定資産のうち有形固定資産は、建物及び構築物のP.T.ホギインドネシア工場増築等による増加が減価償却による減少を上回ったことによる2,016百万円の増加、機械装置及び運搬具の減価償却等による2,989百万円の減少、建設仮勘定984百万円の増加等により、50百万円増加し45,763百万円となりました。無形固定資産は、減価償却による196百万円の減少等により、118百万円減少し377百万円となりました。投資その他の資産は、所有する株式の一部売却及び評価損等による投資有価証券の3,230百万円の減少、貸倒引当金186百万円の増加等により、3,253百万円減少し7,554百万円となりました。この結果、固定資産は53,694百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ9,640百万円増加し23,562百万円となりました。流動負債は、未払法人税等939百万円の増加、未払消費税等906百万円の増加、未払金333百万円の増加等により、2,140百万円増加し10,381百万円となりました。固定負債は、長期借入金の借入による10,000百万円の増加及び返済による1,999百万円の減少、所有する株式の一部売却等による繰延税金負債642百万円の減少等により、7,500百万円増加し13,180百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益1,520百万円の計上による増加、剰余金の配当による1,833百万円の減少、所有する株式の一部売却等によるその他有価証券評価差額金1,264百万円の減少、為替換算調整勘定1,267百万円の増加がありました。また、2024年7月17日開催の取締役会決議に基づき、自己株式2,721,500株の取得及び消却を実施し、利益剰余金が10,899百万円減少しました。これらの結果、前連結会計年度末に比べて11,787百万円減少し74,332百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の86.08%から75.92%へ減少いたしました。また、1株当たり当期純利益(EPS)は前連結会計年度の115.57円から67.98円へ減少、自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度の3.31%から1.90%へ減少いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより21,334百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,710百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を2,934百万円、減価償却費を5,741百万円、投資有価証券売却益を1,109百万円、減損損失を529百万円、投資有価証券評価損を1,090百万円計上し、売上債権の減少1,437百万円、未払消費税等の増加906百万円、未収消費税等の減少675百万円、法人税等の支払737百万円等がありました。これらの結果、11,555百万円の収入(前連結会計年度は7,117百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出5,230百万円、投資有価証券の売却による収入1,303百万円等がありました。これらの結果、3,917百万円の支出(前連結会計年度は3,262百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入10,000百万円、長期借入金の返済による支出1,999百万円、自己株式の取得による支出11,623百万円、配当金の支払1,833百万円がありました。これらの結果、5,455百万円の支出(前連結会計年度は3,892百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産実績のセグメント情報の記載は、医療用消耗品等の製造・販売の単一事業でありますので省略しております。
なお、当連結会計年度の生産実績を使用部署、用途・目的別に示すと、次のとおりであります。
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区分 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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滅菌用品類(百万円) |
3,191 |
98.1 |
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手術用品類(百万円) |
34,387 |
100.6 |
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治療用品類(百万円) |
39 |
67.1 |
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その他(百万円) |
445 |
107.4 |
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合計(百万円) |
38,064 |
100.4 |
(注)生産実績金額は、生産数量に当連結会計年度の平均販売単価を乗じて算定しております。
b.商品仕入実績
商品仕入実績のセグメント情報の記載は、医療用消耗品等の製造・販売の単一事業でありますので省略しております。
なお、当連結会計年度の商品仕入実績を使用部署、用途・目的別に示すと、次のとおりであります。
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区分 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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滅菌用品類(百万円) |
140 |
83.2 |
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手術用品類(百万円) |
1,097 |
115.2 |
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治療用品類(百万円) |
113 |
148.5 |
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その他(百万円) |
47 |
99.7 |
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合計(百万円) |
1,398 |
112.3 |
(注)金額は、実際仕入価格で表示しております。
c.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
販売実績のセグメント情報の記載は、医療用消耗品等の製造・販売の単一事業でありますので省略しております。
なお、当連結会計年度の販売実績を使用部署、用途・目的別に示すと、次のとおりであります。
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区分 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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滅菌用品類(百万円) |
3,410 |
99.2 |
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手術用品類(百万円) |
34,777 |
100.1 |
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治療用品類(百万円) |
172 |
99.4 |
|
その他(百万円) |
778 |
102.2 |
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合計(百万円) |
39,138 |
100.1 |
(注)当連結会計年度において総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので「主な相手先別販売実績」については記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析については「第2〔事業の状況〕4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2〔事業の状況〕3〔事業等のリスク〕」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については「第2〔事業の状況〕1〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容についての記載は、医療用消耗品等の製造・販売の単一事業でありますので省略しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については「第2〔事業の状況〕4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、資金については原則として短期的な預金で運用し、将来の設備投資等で使用する見込みの資金については長期的な預金等で運用しており、不足分については銀行等金融機関からの借入により調達しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕(1)連結財務諸表[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
特記事項はありません。
研究開発部は、新規・リニューアル課、R-SUD開発課と、2課体制として各課における専門性を伸ばしながら、連携を強化し、新しいテーマの創出と既存テーマの推進を図っております。
当連結会計年度の研究開発活動につきましては、2024年7月16日にプレスリリースしております『新中期経営計画』に基づき『コア事業/製品の競争力強化』として、キット製品を中心とした「プレミアムキットの将来像」、「プレミアムキットの価値最大化」、「内製化部材拡充」の3つのアクションを継続的に検討しております。また、「将来のコア事業の創造」としてREVICE製品(再製造単回使用医療機器)の市場普及活動として環境配慮と医療経済の観点も踏まえつつ事業収益化を目指す研究開発活動を行っております。
新規・リニューアル課にて開発を行っております、当社主力製品「プレミアムキット」については、顧客が必要とする取り扱い部材のカバー率を向上させ、価値の提供を最大化すべく開発を進めております。
併せて、安全な医療材料の安定供給、更にお客様のニーズを具現化できるよう工夫を加えた内製化開発を進めております。
R-SUD開発課においては、収集された使用済医療機器の再製造による供給までの研究開発の検討を継続しており、再製造対象製品の検討拡大についても継続しております。
当連結会計年度における不織布製品は顧客要望を加味したリニューアル製品を1品目追加いたしました。
キット製品の構成内容(部材)としては、新規構成部材を15品番追加。内製化部材を13品番追加。内製化部材の仕様変更を15品番対応。自社開発部材を5品番追加いたしました。
R-SUD製品(再製造製品)では薬事審査を1件実施中。新規製品としては2品目(9品番)を上市いたしました。
今後もお客様のお役に立つため、医療進歩の一翼を担えるために研究開発活動を実施してまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、生産技術関連も含めて
なお、研究開発活動のセグメント情報の記載は、医療用消耗品等の製造・販売の単一事業でありますので省略しております。