文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「卓越した技術と製品により社会に貢献する」「株主の利益を尊重し、社員の人格を大切にする」「環境と共生し、国際標準に準拠しつつ、永遠の発展を目指す」を経営理念としております。
この理念のもと、経営の基本方針として「創意工夫を社是とし、独自の技術と製品をもって顧客の要望と信頼にこたえる」「世界に活躍する企業として総合開発力を結集し、新製品・新需要の開発に挑戦する」「人材の育成・登用をはかるとともに、一切の無駄を省き、高生産性・高収益を追求する」を掲げ、安定的な事業基盤・収益基盤を構築し、長期にわたって持続的な企業価値向上を目指してまいります。
(2)当社グループを取り巻く経営環境、対処すべき課題及び当社の事業戦略
今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復の継続が期待される一方、米国の関税政策の動向、為替の変動、中国の景気先行きへの懸念、地政学リスクの長期化など懸念材料も多く、引き続き厳しい経営環境が続くことが予想されます。
こうした経済状況のもと、当社グループの主要事業である塗料関連事業、自動車製品関連事業における各事業環境とそれに対応した事業戦略の概要については、以下のとおりです。
[ 塗料関連事業 ]
塗料関連事業は、塗料の製造・販売及び工事請負を主たる事業としております。
塗料分野では、国内の人口減少トレンドが続く中、市場は趨勢的に縮小傾向にあり、大小多くの塗料メーカー等による熾烈な販売競争、環境対応型塗料を中心とした新製品の開発競争が激化しております。
また、足元の事業環境は、原材料・エネルギー価格の高止まり、物流費・労務費の上昇等、厳しい状況が続くことが見込まれます。
こうした競争環境の中、当社は航空機用塗料で培った高い技術力をベースに、地球環境や安全性に配慮した環境対応型塗料、省エネに寄与する塗料を中心とした多面的・持続的な研究開発のもと、同業他社との製品差別化に取り組んでおります。販売面では、塗料販売店・塗装施工店を中心とした自社製品の販売ネットワークを構築しており、その拡大強化にも継続して取り組んでおります。
塗料関連事業においては、厳しい経営環境の中、こうした取組みの強化に加え、顧客のニーズに合った新たな製品の開発、海外を含む新たな市場への挑戦にも積極的に取り組むと同時に、一部製品の販売価格見直しや原価改善活動に引き続き注力し、安定的な収益基盤の構築を図ってまいります。
[ 自動車製品関連事業 ]
自動車製品関連事業は、自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)、防錆塗料等の塗材を中心とした自動車部品の製造・販売並びにこれに関連した研究開発などの事業活動を行っております。
自動車業界におきましては、100年に一度と言われる大変革期を迎え、環境規制強化の流れの中、自動運転、電気自動車、コネクテッド、シェアリングの大きなトレンドの波が同時に押し寄せ、競争環境が大きく変わろうとしております。加えて近年においては、カーボンニュートラルに向けた環境課題への対応を含め、持続的成長をより重要視した事業活動が強く求められる状況にあります。
こうした事業環境の中、当社は国内自動車メーカーの動向を的確に捉え、研究開発段階からの連携を強化しつつ、部品軽量化や車室内の快適性向上等の新しいニーズに応える新技術・製品を提供し、中長期的な受注拡大に取り組んでおります。
また、日本経済の低成長という構造的問題から国内生産の中長期的な増加が期待できないことに加え、中国をはじめとしたアジア圏における新興EVメーカーの台頭により、市場環境は変化を遂げており、グローバルでの事業活動を通した収益力強化も大きな課題です。当社は、関係会社・協力会社を含めたグローバルでの生産体制をベースに、自動車メーカーの生産体制の変化にも機動的に対応できるサプライチェーンのさらなる強化・安定化、効率的な生産体制の確立を図るとともに、収益力強化を実現するための抜本的な「もの作り」改善に、持続的に取り組んでおります。
自動車製品関連事業においては、経営環境の変革期において、研究開発、生産・製造、営業等各部門が一体となって、グローバルで真の自動車部品サプライヤーとしての位置づけをより強固なものとしてまいります。
(3)中長期的な経営の基本戦略
今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復の継続が期待される一方、米国の関税政策の動向、為替の変動、中国の景気先行きへの懸念、地政学リスクの長期化など懸念材料も多く、引き続き厳しい経営環境が続くことが予想されます。
加えて、中長期的には、労働力不足の深刻化、環境負荷低減への要求強化、デジタル技術の急速な進化が見込まれ、直面する課題は一層多様化・複雑化が進む状況にあります。
こうした状況を踏まえ、当社は、2026年3月期から2030年3月期までの5年間を対象とする新たな中期経営計画を策定いたしました。
新中期経営計画におきましては、「変革と挑戦」をテーマに掲げ、新たな事業戦略、資本財務戦略、経営基盤戦略を策定し、事業領域の拡大を進めるとともに、新たな課題に積極的に向き合いながら、つぎの時代を支える新規事業の育成にも注力することで、持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。
新中期経営計画に掲げる戦略の概要等は、以下のとおりです。
<事業戦略>
両事業(塗料関連・自動車製品関連)分野において、基本となる4つの事業戦略(製品ポートフォリオの最適化、販売機会の最大化、生産性の抜本的改善、技術力の革新)に対応した施策を遂行し、創業100周年を迎える2030年3月期に売上高800億円、ROE10.0%以上の実現を目指してまいります。
<財務資本戦略>
新中期経営計画期間におきましては、業績に応じた成果の配分をより強く意識し、「総還元性向70%」を基本方針とした株主還元の強化と戦略的成長投資・設備投資を計画的に実行してまいります。
<経営基盤戦略>
持続的成長に欠くことのできないESG(環境・社会・ガバナンス)各項目への対応策を柱に、特にガバナンス体制の強化、人的資本の充実と挑戦する組織風土の醸成、DX推進、および事業部門と連携した環境対応戦略に注力してまいります。
(4)目標とする経営指標
当社グループは、①販売力強化による事業規模拡大、②生産体制の拡充及び生産効率化、資本効率向上による安定的な収益基盤の構築と効率的な事業体制の確立を推進し、持続可能な成長の実現を目指しております。
そのため、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率及び売上高経常利益率、自己資本利益率を重要な経営指標と位置づけております。
当社グループは、『経営の基本理念』 に、「卓越した技術と製品により社会に貢献する」こと、「環境と共生し、国際標準に準拠しつつ、永遠の発展を目指す」ことを掲げ、創業以来、「社会貢献」や「環境」を強く意識した経営に取り組んでまいりました。
一方、地球規模で広がる環境問題や社会課題は深刻さを増しており、企業に求められる社会的責任もこれまで以上に多様化・高度化し、こうした課題への積極的かつ迅速な対応が求められています。
こうした状況を踏まえ、当社グループは次のとおり「サステナビリティ基本方針」を定め、改めて経営の基本理念や基本方針を着実に実践し、ステークホルダーの皆様の声に真摯に向き合いながら、課題解決に欠くことのできない技術革新にも積極果敢に挑戦し、社会の持続的な発展への貢献と持続的な企業価値向上を目指してまいります。
<サステナビリティ基本方針>
私たち日本特殊塗料グループ(ニットクグループ)は、『経営の基本理念』や 『経営の基本方針』、その他関連する方針等に基づき、環境問題や社会課題の解決、そこに欠くことのできない技術革新に積極果敢に挑戦し、社会の持続的な発展への貢献と持続的な企業価値向上を目指します。
● 卓越した技術と製品により、社会の持続的な発展に貢献します
● すべての事業活動を通じて環境負荷低減に努め、環境に配慮した製品の拡充を図ります
● 多様な人財(材)が、安全で健康的に働ける快適な職場環境の整備、「働きがい」のある活力に満ちた職場づくりを推進します
● 法令や社会規範を遵守し、公正で誠実な企業活動を実践して、ステークホルダーの皆様から信頼され、社会に求められるニットクグループを目指します
また、当社グループは、サステナビリティ基本方針を踏まえ、環境・社会・ガバナンスに関する課題を中心とした重要課題をマテリアリティとして設定しております。設定したマテリアリティについては、当社グループの主要事業におけるリスク及び機会と密接な関連を有しているとの認識のもと、次のとおり、具体的な取組みを推進しております。
なお、ガバナンスに関する事項等における当社のガバナンス体制については、2025年6月19日現在の状況を記載しております。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、環境・社会・ガバナンスを中心とした経営上の重要課題をマテリアリティとして設定し、環境・社会に関する事項については「サステナビリティ委員会」、ガバナンスに関する事項については「コンプライアンス委員会」で全般的な統括を行っております。
両委員会ともに、委員長を取締役社長遠田比呂志、委員を取締役、監査役、執行役員とすることで、取締役会や経営会議と一体・連携して、マテリアリティへの対応状況を管理監督し、リスク及び機会の多面的な検討・抽出、それらに対応する各施策推進の実効性を確保する体制としております。
また、各委員会において、関連する全社専門委員会等の専門組織から個別の審議事項について確認・報告を受けるとともに、両委員会が相互に審議内容を共有し、全社一体となったガバナンス体制の構築、充実を図ってまいります。
当社は、直接的あるいは間接的に当社グループの財政状態、経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクに迅速かつ的確に対処するため、取締役、執行役員、常勤監査役を主要なメンバーとするリスク・危機管理委員会を設置し、サステナビリティに関するリスクを含む全社的なリスクの評価・管理とその対応策の検討・推進、危機管理体制の構築を行っております。
同時に、マテリアリティへの対応策については、サステナビリティ委員会、コンプライアンス委員会にて統括していることから、両委員会はリスク・危機管理委員会と情報共有を行い、必要に応じて各全社専門委員会(「環境」「安全」を専管する全社専門委員会等)とも個別案件の情報共有を進めながら、把握したリスク及び機会への対応策を一体的に推進するとともに、全社的なリスク管理体制、危機管理体制の強化・充実を図っております。
なお、当社グループにおけるリスク全般については、「
環境・社会・ガバナンスに関する課題を中心とした重要課題をマテリアリティとして設定するとともに、当該マテリアリティは当社グループの主要事業におけるリスク及び機会と密接な関連を有しているとの認識のもと、具体的な取組みを推進しています。各マテリアリティの内容や主な対応策、及び重要な指標・目標は以下のとおりです。
なお、当社は2022年にサステナビリティ基本方針、マテリアリティを定め、2023年4月よりガバナンス体制としてサステナビリティ委員会、コンプライアンス委員会を整備しております。指標・目標については、ステークホルダーと当社グループにとっての重要性、当社のこれまでの取組状況等を踏まえ、指標・目標が明確化され、全社的共有が進んでいる事項を記載しております。また、気候変動への対応については、当社グループの目標として、多様な人財(材)の活躍及び人財(材)育成と「働きがい」向上については、当社の目標として設定しております。
<環境>
・マテリアリティ:環境負荷の低減、主な対応策:環境負荷物質の使用低減
・マテリアリティ:気候変動への対応、主な対応策:CO2排出量の削減
指標・目標:当社グループは、2030年度にCO2排出量を50%削減(*)し、2050年にはすべての製品と企業活動を通じた「カーボンニュートラル」を実現することを目指しています
* 2018年度比。当社グループ(当社および連結子会社)のScope1・Scope2
・マテリアリティ:資源循環型社会の構築、主な対応策:廃棄物の削減
<社会>
・マテリアリティ:製品品質の向上、主な対応策:安全安心な製品品質の確保
・マテリアリティ:多様な人財(材)の活躍、主な対応策:性別や経験等にとらわれない多様な人財の活用
指標・目標:当社は、新規採用に占める女性の割合を25%以上とすること、管理職に占める女性の割合を高めることを目指しています
・マテリアリティ:人財(材)育成と「働きがい」向上
主な対応策:教育研修体制の整備、ワークライフバランス推進
指標・目標:当社は、従業員全体の有給休暇取得率を70%以上にすることを目指しています。
・マテリアリティ:安全で働きやすい職場づくり、主な対応策:労働安全衛生の推進
・マテリアリティ:人権の尊重、主な対応策:人権意識の向上
<ガバナンス>
・マテリアリティ:コンプライアンスの徹底、主な対応策:コンプライアンス体制の整備と意識向上
・マテリアリティ:ガバナンスの強化、主な対応策:ガバナンスの実効性向上
・マテリアリティ:サプライチェーン・マネジメントの向上
主な対応策:グリーン調達の推進、CSRガイドラインの浸透
各マテリアリティに関する最新の情報については、以下のアドレスに掲載する当社「
https://www.nttoryo.co.jp/csr_top/csr_report.html
(4)人的資本に関する戦略(方針)、指標及び目標
当社が持続的な企業価値向上を図るために欠くことのできない重要な要素の1つは、人的資本(人財(材))です。当社は「多様な人財(材)の活躍」、「人財(材)育成と『働きがい』向上」、「安全で働きやすい職場づくり」をマテリアリティに定め、次のような方針、目標を掲げております。
① 多様な人財(材)の活躍
当社が、グローバルで多岐にわたる事業戦略を着実に実行し、将来にわたって持続的成長を達成するためには、多様な人財を活用し、かつ個々の努力を組織の力として実現させることが必要です。当社は、日本特殊塗料グループ行動規範において、国籍や性別などによる不合理な差別を禁止するとともに、多様な人財の活性化推進を経営計画に掲げ、多様な人財の活躍に取り組んでおります。
② 人財(材)育成と「働きがい」向上
持続的な会社の成長には、個々人の成長(人財育成)が不可欠です。当社は、一人ひとりのライフプラン、個性・適性に応じた成長を支援するため、教育研修体制の整備・充実に取り組み、多様でかつ優秀な人材の育成に努めております。
③ 安全で働きやすい職場づくり
「安全はすべてに優先する」「労災はすべて防ぐことができる」「安全はみんなの責任である」の3つの基本理念のもと、「『人命尊重』、『安全最優先』を柱に、労働災害、職業性疾病および交通災害ゼロを目指し、従業員が安全でかつ健康に働ける快適な職場づくりを推進する」を基本方針に掲げ、継続的かつ全社的な安全衛生活動を推進しております。
④ 指標及び目標
(女性の活躍)
「新規採用に占める女性の割合を25%以上とする」こと、及び「管理職に占める女性の割合を高める」ことを目標としております。
(「働きがい」向上)
「従業員全体の有給休暇取得率を70%以上にする」ことを目標としております。
管理職に占める女性の割合につきましては、「
https://www.nttoryo.co.jp/csr_top/csr_report.html
なお、当社(提出会社)においては、上記指標に関するデータ管理とともに、各種の取り組みを実施しているものの、当社グループに属するすべての会社では行われていないため、上記指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社が判断したリスクの重要度にしたがって記載しておりますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、実際の発生リスク、発生程度やその影響度は記載の順序とは異なる可能性があります。また、当社グループではこうしたリスクの最小化に継続して取り組んでおり、その対応策の一部を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針に関するもの
当社グループは、技術開発や事業運営を効率的に行いつつ、経営資源を最適化するため、技術提携や合弁の形で多くのパートナーと共同で事業を行っております。各事業会社の研究開発・設計、営業、生産・製造、管理部門等の各部門及び会社間・部門間相互において、戦略・方針等の大きな方向性や事案毎の詳細な情報を共有し、連携強化に努めておりますが、共同活動の当事者間で歩調の不一致等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 大規模災害及び重度感染症等の発生・蔓延に関するもの
当社グループの拠点のいずれかが大規模な地震などの災害に罹災し、あるいは重度感染症の蔓延等により生産・稼動等が困難となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に近年においては、高い確率で予想されている首都直下型地震や東海・東南海・南海地震の発生リスク、新たな重度感染症の蔓延等に係るリスクが高まっている状況にあります。このような事態に備え、当社グループは、製品納入責任を果たすべく事業継続計画の策定、運用、定期的な訓練の実施や計画の見直し等を全社レベルで行っております。
しかしながら、想定外の現象が起きる可能性は否定できず、その内容によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、世界的な感染拡大が社会経済活動に甚大な打撃を及ぼした新型コロナウイルス感染症は、各国で経済的な支援を含む各種の感染症対策が施され、社会経済活動は概ね正常化しておりますが、ウイルスの変異や新たな重度感染症の発生・蔓延等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 気候変動に関するもの
温室効果ガスの排出量増大に起因する地球温暖化がもたらす気候変動、及びそれに対して各国政府や地域行政が講じる政策・施策については、市場環境や顧客ニーズへの影響を含め、当社グループの事業戦略に大きく影響を与えるものと認識しており、その内容・程度によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、こうした気候変動に関するリスクについて、経営計画や事業計画にその対応策を反映し、ステークホルダーに向けた適切な情報開示を実施すべく、ガバナンス体制を整備しております。
具体的には、事業・業務部門を横断して、カーボンニュートラルに関する専門プロジェクトを設置し、気候変動に関する施策・対応策の検討を進めており、2050年に全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指すことを目標として定めました。また、開発・技術、製品戦略的な側面においては、従来より各事業部門が主導して取り組みを推進しております。
各施策・対応策は、取締役会による承認のもと、当該プロジェクトや関連部署において実行されるとともに、その進捗は、サステナビリティに関する施策を統括するサステナビリティ委員会を通じて、あるいは直接取締役会に共有され、適切に管理される体制を整えております。
なお、自社でのエネルギー使用の合理化・使用量低減を目指した様々な対応策の検討・実施のほか、自動車の軽量化・燃費低減や古衣料等の廃棄物削減に資する自動車用防音材、屋根等に塗装することで建物内の温度上昇を抑える効果がある遮熱塗料等、環境対応型製品(温室効果ガス削減に資する製品)の開発・拡販に注力することを中期経営計画の基本戦略に掲げ、全社的に推進しております。
当社グループは、今後、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)等に準拠した対応活動を強化・推進し、気候変動に関するリスクの最小化に継続して取り組んでまいります。
(4) 品質管理体制、法的規制に関するもの
① 品質管理体制、製造物責任
当社グループは、品質基準「ISO9001」の認証を受け、当社を中心とした品質対応の専門部署が主導的な役割を果たしつつ、品質管理のシステムに則った厳格な品質管理を徹底しております。しかしながら、全ての製品について欠陥が無く、将来クレームが発生しないという保証はありません。また、当社の事業規模を勘案した製造物責任賠償保険に加入しておりますが、万一、製造物責任賠償保険で充分に填補できない製品の欠陥による損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 環境に関する法的規制
当社グループは、環境との共生を最重要課題の一つと捉え、環境対策には万全を期して、関連法規を遵守した事業活動を行っておりますが、環境維持に対する社会的要請は年々高まり、関連法規は厳しさを増しております。こうした法的規制に対し、事後的な対応だけでなく、事前のリスク検討・評価、それに対応する事業戦略・リスク対応策の策定・実施を行っておりますが、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が想定外の範囲で行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や規制遵守のコスト増加につながり、その内容・程度によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 情報セキュリティに関するもの
当社グループは、サイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐため、情報セキュリティに関する方針及び規程類を整備し、持続的なシステム強化、セキュリティ対策の高度化・強靭化等のハード面の対策、定期的な社員教育等によるソフト面の対策に万全を期しております。しかしながら、サイバー攻撃等の不正行為はその脅威を増しており、想定を大幅に超える規模・内容のサイバー攻撃等を受けた場合、当社グループの事業活動の停滞や信用・評判の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人財(材)確保に関するもの
当社グループは、経営の基本方針、基本理念を実現し、事業の持続的な維持・成長を図るためには、「人財(材)」こそ重要かつ不可欠な経営資源であると認識し、計画的な人財の確保・育成、及び働きやすい環境の整備や人事制度の継続的な見直しを進めております。しかしながら、少子高齢化に伴う労働人口の急速な減少や雇用流動化の進展等により事業戦略に即した人財の確保が困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 財政状態及び経営成績の変動に関するもの
① 海外事業展開のリスク
当社グループは、北米、中国、タイ、インドネシア、インドにおいて合弁事業の形を主体に事業を展開しております。海外での事業においては、それぞれの国や地域において以下のような困難が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・予期し得ない法律・規制、経済・通商政策、租税制度等の変更
・労務環境の違いに基づく争議等の発生
・電力、水、輸送等インフラ面での障害発生
・自然災害、伝染病・感染症等衛生上の問題
・紛争、テロ、政情不安、治安の悪化 等
なお、当社グループは、関係各部署において、こうした諸問題が生じる前、あるいは可能な限り早期にその情報を入手し、リスク対応策の検討・実施に努めております。
② 為替リスク
当社グループの海外市場での業務展開は、合弁会社による現地生産を主体としております。これら合弁会社への出資金、合弁会社からの配当金、技術提携先との技術料の受け払いなど、一定の為替リスクを伴います。また、当社グループが購入する原材料は海外で産出されるものが多く、これらの価格は直接・間接に為替相場の影響を受けます。為替リスクを回避、軽減するために手段を講じておりますが、為替相場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 金利変動リスク及び資金調達リスク
当社グループは、将来にわたって必要な設備を新規に取得あるいは更新するための設備投資資金や運転資金を主に金融機関からの借入によりまかなっております。長期借入金は概ね固定金利により金利変動リスクの低減を図っておりますが、大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、現状取引金融機関との関係は良好で必要資金は問題なく調達できており、調達先金融機関との関係強化を図る一方、分散化によるリスク低減を図っておりますが、将来も引き続き充分に調達可能であるという保証はありません。
④ 有価証券投資の影響
当社は、関係会社、重要取引先の株式を中心に、事業戦略上の効果や経済合理性を勘案した上で、当社の企業価値向上につながると考える株式のみを保有する方針です(詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況」に記載しております)が、個々の保有株式の価格変動が、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 退職給付債務
当社グループの保有する年金資産の著しい下落、実際の運用結果や予測給付債務計算の前提・仮定から大幅な不利となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 重要な訴訟事件等の発生に関するもの
当社グループは、現時点において将来の業績に重大な影響を及ぼすと思われるような損害賠償の請求や訴訟の提起を受けている事実はありません。しかし、将来当社グループの事業活動に関連して、製品の不具合、有害物質の発生、知的所有権問題その他様々な事由で当社グループに対して訴訟その他の請求が提起される可能性があります。その内容によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におきましては、雇用・所得環境の改善等を背景に、国内景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、原材料・エネルギー価格の高止まり、為替の変動、不安定な国際情勢や中国経済低迷の影響が懸念される等、引き続き景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画の基本戦略に掲げる収益基盤の強化、新技術・新製品開発、サステナビリティ経営の推進等に引き続き注力し、企業価値向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、主に塗料関連事業の増収により660億6千万円(前期比2.1%増)となりました。
損益面につきましては、製品等の販売価格見直しを含む売上高の増加に加え、原価低減活動・経費低減策に継続して取り組んだ結果、営業利益は44億5千6百万円(前期比14.1%増)となりました。経常利益は、持分法による投資利益の増加等により67億9百万円(前期比12.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の計上等により49億4千2百万円(前期比25.2%増)となりました。
前年同期との比較については、以下のとおりとなっております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります(各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高消去後の数値を記載)。
[ 塗料関連事業 ]
主力製品の防水材を中心に、建築・構築物用塗料の販売が堅調に推移するとともに、集合住宅大規模改修工事等の工事関連売上が前期比30.0%増となり、増収に大きく貢献した結果、当セグメントの売上高は237億2千2百万円(前期比15.1%増)となりました。
損益面につきましては、販売価格見直しや工事関連売上における増収の効果に加え、原価低減活動・経費低減策の徹底により、セグメント利益は9億5千3百万円(前期比108.7%増)となりました。
[ 自動車製品関連事業 ]
中国におけるEV市場拡大を背景とした販売低迷の影響等から、主要顧客である自動車メーカーの生産台数が国内外で減少したことを受け、売上高は423億2千1百万円(前期比4.0%減)となりました。
損益面につきましては、販売価格見直しや原価低減活動・経費低減策を推進したことで、セグメント利益は34億9千3百万円(前期比1.6%増)となりました。
[ その他 ]
保険代理業の売上高は1千5百万円(前期比3.9%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億4千7百万円増加し、160億2千4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、31億1千9百万円の収入(前期は93億1千7百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益69億2千1百万円、売上債権の減少額11億1千万円、仕入債務の減少額41億7千3百万円、利息及び配当金の受取額18億8千5百万円、法人税等の支払額16億8千5百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、12億3千7百万円の支出(前期は5億3千3百万円の収入)となりました。この主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出14億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、20億3千7百万円の支出(前期は50億9千2百万円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出8億9千8百万円、配当金の支払額10億2千5百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
当社グループは受注による生産は僅かであり、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高について特に記載すべき事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 当連結会計年度の本田技研工業㈱に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1〔連結財務諸表等〕 連結財務諸表 注記事項 〔重要な会計上の見積り〕」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、塗料関連事業セグメントでは前連結会計年度に比べ15.1%増の237億2千2百万円、自動車製品関連事業セグメントでは前期比4.0%減の423億2千1百万円となり、全体売上高は660億6千万円(前期比2.1%増)となりました。
地域別売上高では、海外売上が前期比7億5千万円減少(前期比9.2%減)し、国内売上は前期比21億1千6百万円の増加(前期比3.7%増)となりました。これは、国内中心の塗料関連事業において、集合住宅大規模改修工事等の工事関連売上が増収に大きく貢献した一方、自動車製品関連事業において、中国におけるEV市場拡大を背景とした販売低迷の影響等から、海外売上が減少したことによるものです。なお、報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、塗料関連事業が35.9%(前期は31.9%)、自動車製品関連事業が64.1%(前期は68.1%)となりました。
利益面では、販売価格見直しを含む売上高の増加に加え、多面的な原価低減活動・経費低減策推進により、営業利益は前連結会計年度に比べ5億5千1百万円増加し、44億5千6百万円(前期比14.1%増)となりました。
なお、セグメント利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経常利益は、前連結会計年度に比べ7億4千6百万円増加し、67億9百万円(前期比12.5%増)となりました。これは営業利益が増加したことに加え、営業外収益で海外関連会社の持分法による投資利益が3億4千3百万円増加したこと等によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ9億9千4百万円増加し、49億4千2百万円(前期比25.2%増)となりました。これは経常利益が増加したことに加え、特別利益の合計が2億5百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億1千2百万円減少し、852億4千3百万円となりました。主な要因は、売掛金の減少7億2千9百万円、仕掛品の増加4億9千万円、有形固定資産の減少10億2千3百万円、投資有価証券の減少11億1千1百万円によるものです。
負債については、前連結会計年度末に比べ67億6千1百万円減少し、211億2千9百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少20億1千8百万円、電子記録債務の減少21億3百万円、借入金の減少4億3千5百万円、退職給付に係る負債の減少4億2千4百万円、繰延税金負債の減少6億9千1百万円によるものです。
純資産については、前連結会計年度末に比べ45億4千8百万円増加し、641億1千4百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加39億1千5百万円、その他有価証券評価差額金の減少18億6千4百万円、為替換算調整勘定の増加17億9千1百万円によるものです。自己資本比率は6.3%増加し、67.4%となりました。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用になります。投資を目的とした資金需要は、主に能力の増強及び更新に係る生産設備等への投資によるものです。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債は38億3千3百万円、営業キャッシュ・フロー対有利子負債比率は81.4%となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は160億2千4百万円となっております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率、売上高経常利益率及び自己資本利益率を重要な経営指標としております。
直近5期の実績は、以下のとおりとなっております(連結業績)。
売上高成長率については、2021年3月期におきまして、主に新型コロナウイルス感染症の甚大な影響を受け、売上高が大きく減収する結果となりました。2022年3月期以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策進展とともに経済活動の正常化が進んだことに加え、製品等の販売価格見直しが寄与し、当連結会計年度(2025年3月期)にかけて、連続して増収を遂げる結果となりましたが、特に当連結会計年度(2025年3月期)におきましては、塗料関連事業において、集合住宅大規模改修工事等の工事関連売上が増収に大きく貢献した一方、自動車製品関連事業において、中国におけるEV市場拡大を背景とした販売低迷の影響等から、主要顧客である自動車メーカーの生産台数が国内外で減少したことを受け、成長率は低下する結果となりました。
売上高営業利益率につきましては、2021年3月期は、前述のとおり売上高の減少幅が大きく、売上高営業利益率も大幅な低下となりました。2022年3月期以降におきましては、一定の増収効果があった一方、原材料・エネルギー価格高騰等の影響を受けておりましたが、2024年3月期以降、生産数量・売上高の増加に加え、製品等の販売価格見直し、原価改善活動の進展等から、特に当連結会計年度(2025年3月期)の売上高営業利益率は6.7%まで回復を遂げました。
売上高経常利益率につきましては、持分法による投資利益の増減影響を大きく受け、2024年3月期以降、営業利益の増加に加え、持分法による投資利益が高水準で推移したことから、売上高経常利益率は回復し、特に当連結会計年度(2025年3月期)は10.2%と高い利益水準を達成しました。
自己資本利益率につきましては、利益水準の回復を受け、当連結会計年度は8.9%となりました。
技術提携
(1)技術援助契約
(注)1 対価として一定料率のロイヤリティーを受け取っております。
2 対価として一定額及び一定料率のロイヤリティーを受け取っております。
3 製品開発サポートとして開発費用の対価を受け取っております。
(2)技術受入契約
(注)1 対価として一定料率のロイヤリティーを支払っております。
当社グループは、経営の基本理念・基本方針・長期ビジョンのもと、塗料関連事業、自動車製品関連事業の各技術・開発部門が中心となり、「技術のニットク」を体現すべく、機能性・軽量化・環境対応等の当社の強みを活かした高機能・高付加価値製品の開発を軸に、多面的かつ深度のある研究開発活動を推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
各セグメントの主な研究開発活動の概要は、次のとおりであります。
(1) 塗料関連事業
塗料関連の開発分野については、主力製品である防水材分野、及び建築塗料分野において新製品を投入いたしました。
防水材分野においては、より安全性の高い製品への転換を進めるべく、労働安全衛生法特化則に該当する物質(MOCA)を含有していた「プルーフロンバリュー」・「プルーフロンエコ」の生産、販売を停止し、新たに特化則非該当(MOCA非含有)である環境配慮型ウレタンゴム系塗膜防水材「プルーフロンバリューDX」の販売を2024年10月より開始しました。また省人、省工程化を目的とした新規防水材の開発にも注力しており、防水材市場のニーズに沿った製品開発を今後も進めてまいります。
建築塗料分野においては、スレート屋根向けの塗り替え用プライマー「TMRプライマー」、及び外壁向け2液弱溶剤形フッ素樹脂高意匠性クリヤー塗料「ルクスキュアF」の販売を2024年6月より開始いたしました。
塗り床材分野においては、当社初となるバイオマスマークを取得した水性硬質ウレタン塗り床材「ユータックコンプリート難黄変BIO」の工法を拡充させるべく、新製品の設定に向け開発を進めております。
航空機、建材メーカー向けの工業用塗料分野、土木インフラ分野向けの製品開発については、顧客の要望に沿ったカスタマイズ塗料の製品化に注力しており、新規付加価値を付与した当社製品への切り替え、新規需要の掘り起こしを進めてまいります。
引き続き、環境配慮型、省エネ貢献、省人、省工程等の市場課題、持続可能な開発目標(SDGs)を意識した取り組みを行いつつ、新規素材を融合した新しい付加価値の製品を創造すべく、研究開発に取り組んでまいります。
当連結会計年度における塗料関連事業の研究開発費の金額は、
(2) 自動車製品関連事業
自動車製品開発分野では、自動車業界のモビリティ革命への対応とさまざまな環境規制強化への対応を研究開発活動のターゲットに設定し、製品開発に取り組んでまいりました。また、製品開発における事業性判断の早期化を図るため、2023年3月期から新たな開発管理の要素を開発活動に組み入れ、継続推進しております。当連結会計年度における主要な取り組みは、次のとおりであります。
①モビリティ革命への対応
当社の強みである、グローバルにおけるNVHの情報ネットワークを活用するとともに、急速に電動化シフトが進む中国市場における競合調査を継続して実施しております。一方で、電気自動車の販売減速に伴うハイブリッド車、プラグインハイブリッド車の需要拡大に対応するなど、時代の変化、モビリティ革命の進展を丁寧に把握しながら、次世代電動車に向けた製品技術開発の方針を定めるとともに、国内自動車メーカーとの先行開発を通じ、電動車に必要となる防音技術の確立にも持続的に取り組んでおります。今後も、顧客要求の変化に柔軟に対応できる能力と独自技術の開発に注力してまいります。
② 地球環境保全・持続可能な社会の構築に向けた取り組み
カーボンニュートラル(CN)に寄与するポストコンシューマーリサイクル(PCR)材である古衣料由来の反毛繊維を活用したモノづくりが当社の強みであり、CO2排出量削減効果を明示するため、ISO14040-44に準拠したLC-CO2算出体制を経済産業省中部経済産業局へ相談のもと、一般社団法人サステナブル経営推進機構へ協力を仰ぎ確立いたしました。更なるCN対応レベルの向上と欧州ELV規制におけるリサイクルプラスチック使用率達成に貢献するため、当社主力部品の再生材使用と水平リサイクル実現に関するロードマップを整備しております。今後も、ELV由来の素材活用について顧客と協力し調査と検証を継続し、ASR(Automobile Shredder Residue)削減への貢献を目指すとともに、資源循環型社会の実現とプラネタリーバウンダリー適正化への貢献を引き続き目指してまいります。
③部品開発
今後求められるライフサイクルアセスメント(LCA)に貢献する製品技術の開発を継続検討しており、製造時に発生するCO2排出が少ないダッシュインシュレーターの受注活動を推進しております。また、電気自動車普及に伴う自動車騒音の変化に対応するための基礎技術開発を進めており、今後の上市に向けた製品開発を継続検討いたします。加えて、製品剛性向上や耐熱変形性向上に寄与する、特殊加工に関する特許を2018年に取得していることから、当該技術を駆使し、リサイクル材を用いた機能向上素材および高機能製品開発を継続検討し、再生プラスチック使用率90%以上のサステナブルな繊維成形防音部品のリリースを目指すとともに、これらの開発で得た音響と材料の要素技術を内装部品へ展開し、ポートフォリオ拡大を図ってまいります。
一方、日系完成車メーカーは、自動車電動化の進展、中国製自動車の進出拡大に伴い、競争力強化のため、これまでより効率的なモノづくりを求めています。当社は、部品の機能統合などを進めることで、顧客のモノづくり効率化に貢献できる部品開発を検討しています。
また生産面においては、生産性と使用エネルギー効率向上を目的とした生産工法の抜本的な改良を継続して検討しております。
④塗材開発
カーボンニュートラル(CN)を目的とした自動車塗装ラインの焼き付け炉低温化に対応する低温焼付型の塗布型制振材、防錆塗料のグローバル展開を視野に入れ、海外提携先企業との共同開発を推進しております。また、EV(電動車)の台頭による軽量化ニーズに応えるため、防錆塗料の軽量化を確立し、顧客ラインへの導入を進めました。今後の新規開発材にも軽量化技術を積極的に展開してまいります。
当連結会計年度における自動車製品関連事業の研究開発費の金額は、