当社グループは、「わたしたちは、世界中でお客様の価値最大化に貢献していきます。」という企業理念のもと、実際に事業活動を展開していくにあたって、法令を遵守し社会規範・企業倫理に従って行動するという観点から、具体的「行動基準」を定め、当社グループ共通の尺度として周知徹底を図っております。
また、地球環境保全、社会貢献、人権尊重等について企業としての社会的責任を果たすとともに、CS(顧客満足)を基盤として企業価値の最大化を図り、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会等の全てのステークホルダーの期待に応えてまいります。
2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「中計2026」は、攻めと守りのメリハリの効いた戦略推進による高収益企業へのステップアップを図り、2030年度に「売上高3,000億円企業」へ向けたマイルストーンとして、2027年3月期までに「定常的に売上高2,000億円を出せる企業」を目指します。
「中計2026」に基づき、事業ポートフォリオの組み替え、顧客の生産性向上に寄与するシステムエンジニアリング装置販売・直販への軸足シフト、事業ポートフォリオ組み替えにリンクした人材戦略、ESG経営の推進等に取り組んでおります。
① 目標とする経営指標
当社グループは、「中計2026」最終年度である2027年3月期の目標値として下記の項目を設定しております。

「中計2026」の最初の年となる2025年3月期は、以下の施策を実施いたしました。
成長著しいインド市場において、インド工場に新工場を増設し、油圧式射出成形機の増産と電動式射出成形機の生産を開始いたしました。
射出成形機の中国における収益性改善に向け、中国工場において人員削減を実施し、中国パートナー会社へのOEM生産への移行を開始いたしました。
超精密加工機の北米での拡販に向けた、営業・サービス人員の増員及び市場調査を行い、ターゲットドメインを選定いたしました。
自動車業界におけるギガキャストの動きへ対応し、現在開発中の低圧鋳造技術に加え、超大型ダイカストマシンに参入し、世界最大級の型締力12,000tの超大型ダイカストマシンを受注いたしました。
次世代電池市場において将来需要の拡大が見込まれるドライ電極市場への参入や、更にその技術を活用した全固体電池への展開も見据え、AM Batteries Inc.へ出資いたしました。
日本国内においては生産に寄与しない土地を売却するなど、資産効率向上に資する施策にも努めてまいりました。
当社グループは、次の時代へ向かって2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「中計2026」を進めております。定量目標を設定し、その達成に向け、事業ポートフォリオの変革を中心とした各種施策を遂行しております。足元の世界経済は、米国トランプ政権による関税政策の影響により、設備投資にも慎重な姿勢が見られるなど、一層の不透明感が漂う経済環境ではありますが、引き続き諸施策に取り組んでまいります。
射出成形機は、市場拡大が見込まれるインドにおいて、増産によるインド国内の需要を取り込むとともに、中東・アフリカ・欧米・東南アジア等への輸出に注力、欧州においては、ドイツに販売・サービス会社を設立し、容器・医療のドメインを中心に拡販、中国においては、OEM生産への移行と原価低減により販売の拡大と収益性の向上を図ります。
押出成形機は、特に車載用電池として、リチウムイオン電池から将来置き換わるとされる次世代電池に対応する技術・製品の開発に引き続き注力してまいります。
超精密加工機は、新たな市場開拓を進め、欧米において自動車・光通信・医療・プレス金型のドメインをターゲットに需要を取り込んでまいります。
ダイカストマシンは、ギガキャストに対応し、引き続き低圧鋳造技術の開発及び超大型ダイカストマシン6,000~12,000t級の複数ラインアップ化を進めてまいります。
工作機械は、需要の高まりが想定される建設機械・マイニングなどのエネルギー関連や航空宇宙関連などのドメインに注力してまいります。
サービス事業の強化、生産年齢人口の減少を背景とした顧客からの生産工程の自動化ニーズに対応するためのシステムエンジニアリング装置販売等により、利益率の改善を図ってまいります。
今後製造業が直面する「メガトレンド」に卓越した技術力で応え、社会的課題の解決と企業価値向上の両立を目指すため策定した「長期ビジョン2030」をもとに、エネルギー関連と生産性の向上を軸として事業ポートフォリオを設定することで、目指すポートフォリオに向けた技術開発を推進し、常に顧客に寄り添いニーズに合った商品を創出、提供し続けてまいります。
生産効率と生産能力向上に向けた沼津工場の再編、新装置開発と販売促進に対応する押出成形機テクニカルセンターの建設、環境対応に向けた再生可能エネルギー等への投資、全社基幹システム(ERP)の更新、DX戦略の推進に加え、M&A/アライアンスなどを活用し、当社グループの企業価値向上に向けた投資を推進してまいります。
引き続き、法令遵守、ISO9001、14001をベースとした品質・環境管理の徹底、事業ポートフォリオ変革と連携した人材戦略、社会貢献への積極的な取り組みなど、ESG経営の推進により持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。
今後の経済環境は、中国での経済不況、長引くウクライナ情勢や中東情勢、物価上昇に加え米国トランプ政権による関税政策の影響により、設備投資にも慎重な姿勢が見られるなど、先行き不透明な状況が続くものと考えられます。
このような状況のもと、世界市場の需要動向を見極めた上で、脱炭素社会、循環型社会の実現へ向けた自動車のEV化、風力発電などの再生可能エネルギー関連へ対応した商品の提供と開発、更なる生産性改善、商品力・生産性の向上を目指したDX戦略の推進などの諸施策に加え、2024年4月よりスタートした中期経営計画「中計2026」(2027年3月期を最終年度とする)で掲げている事業ポートフォリオの変革を中心とした各施策を遂行していきます。
2026年3月期の見通しについては、売上高1,400億円、営業利益50億円、経常利益50億円、親会社株主に帰属する当期純利益33億円を予想しています。
なお、通期見通しにあたっての為替レートは、1米ドル=145円を前提としています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全体に関する考え方及び取組
当社グループでは、世界のモノづくりを支える企業として、当社の技術で応える形で社会的課題の解決への取り組みを進めております。2021年に制定したサステナビリティ基本方針においては、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指しており、豊かな地球環境を未来に残すことを配慮した上で、持続可能な資源利用に繋がるサプライチェーンの強化、公正かつ透明性の高いサステナビリティ経営を推進しております。また、「長期ビジョン2030」において、製造業が直面する課題の一つとして気候変動対応があるということを認識しており、温室効果ガスの削減や省エネ技術の実現などに対して当社の技術を使用して課題解決に貢献できるようその実現に努めております。当社グループの環境アクションプランとしては、2030年までに2013年比で温室効果ガスを50%以上削減する目標を掲げております。
当社グループでは、サステナビリティ経営の一環として、TCFD提言に基づく気候変動リスク及び機会の特定、並びにシナリオ分析を、成形機カンパニー、工作機械カンパニー、制御機械カンパニーで実施いたしました。今後もTCFDガイドラインに即したシナリオ分析を通じて気候変動に対応することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
わたしたちは、経営理念に基づき、技術力を活かして世界中のお客様が抱える課題を解決し、基幹産業の発展に貢献することにより、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指していきます。
・グローバルな社会的課題に対して、当社が保有する卓越した技術で応え、課題の解決と企業価値向上を両立させます。
・環境・人権に配慮し、持続可能な資源利用に繋がるサプライチェーンを強化します。
・公正かつ透明性の高い経営を実現します。
当社グループのサステナビリティの推進は、次に示す体制で行っており、その中心となるのがサステナビリティ推進委員会です。同委員会では、当社グループの諸活動が、当社グループと社会の持続的発展に向けて機能するとともに、それらの諸活動が、ステークホルダーに適正に評価されるよう、各執行機関に必要な提言を行います。サステナビリティ推進委員会は経営会議構成メンバーが出席する委員会であり、社長(CEO)が委員長を務めています。委員会で決定された内容は経営企画本部長から取締役会に報告されます。

1)当社グループのサステナビリティの推進に関わる組織
・取締役会:サステナビリティ推進委員会の活動を報告または決議する。
・サステナビリティ推進委員会:経営会議構成メンバーが出席する委員会。当社のサステナビリティ活動に関する各部門からの提案を審議、決定する。
・事務局:経営企画本部が事務局を担い、各部門からの提案、報告内容について委員会で審議するか確認する。
2)サステナビリティ推進委員会の所掌事項
・人材戦略策定
・環境方針策定
・気候変動対応
・長期ビジョンに基づく研究開発
・環境貢献製品・技術開発
・SDGsへの対応
3)取締役会への報告
当社グループのサステナビリティに関わる事項については、サステナビリティ推進委員会に対して四半期に一度提案・報告をしており、ここで議論された内容を含む活動報告はサステナビリティ推進委員会を通じて取締役会に報告されます。
4)取締役会での審議事項
人材戦略、環境方針、気候変動に関する重要事項について審議します。
当社グループの経営上のリスクの特定、評価、管理体制としては、リスク・コンプライアンスマネージメント規程に基づき、社長が任命したリスクマネージメントオフィサー(RMO)を最高責任者とし、RMOを委員長として管理部門・本部長・カンパニー長で構成されているリスク管理委員会が実施しています。

①ガバナンス
サステナビリティ推進委員会は、委員長は社長、委員は役付執行役員で構成され、当社グループの諸活動がステークホルダーに適正に評価されるよう、各執行機関に必要な提言を行っています。各執行機関よりサステナビリティに関わる事項について、原則四半期に一度提案・報告され、気候変動に関わる方針や活動を含めサステナビリティ推進委員会で審議・決定されています。取締役会は、サステナビリティ推進委員会の活動に関する報告を受けるなど、適切に監督を行っています。
②戦略
当社に影響を与える気候関連のリスクと機会を識別し、その財務的影響を把握するため、シナリオ分析を実施しました。分析対象は成形機・工作機械・制御機械の3カンパニーのバリューチェーン全体で、当社の全ての既存事業をカバーしています。2030年と2050年を時間軸として設定し、各年度時点における財務影響を評価しました。
シナリオ分析の前提
対象温度シナリオの詳細
a.シナリオ分析の実施プロセス
分析プロセスとして、まず初めに対象事業のバリューチェーン全体において想定されるリスクと機会を洗い出し、その中から特に自社に対する影響が重大と考えられる項目を抽出しました。次に、抽出した各項目について、4℃・1.5℃シナリオで想定される外部環境や自社事業の状況を整理した後、各項目が自社に影響を与え得るロジックを検討しました。その後、各項目のロジックに沿った外部データ等を参照し、財務影響を試算しました。最後に、財務影響評価の結果を受けて、各項目に対する取り組みの方針を検討し、必要に応じて取り組みの進捗を管理する指標や目標を設定しました。
b.シナリオ分析の結果及び対応策
上記の前提で分析を行い識別したカンパニーごとのリスクと機会のうち、重要度・優先度の高い項目とその財務影響は次のとおりです。
1) 成形機カンパニー

2) 工作機械カンパニー

3) 制御機械カンパニー

当社グループは、「長期ビジョン2030」でも掲げているとおり、グローバル製造業が直面するメガトレンドに卓越した技術革新で応え、社会的課題の解決と企業価値向上の両立を目指しています。例えば再生可能エネルギー、二次電池、自動車の軽量化や自動運転、リサイクルなどの分野においても、脱炭素に貢献する高付加価値製品を提供します。

③リスク管理
「(1)サステナビリティ全体に関する考え方及び取組 ②リスク管理」をご参照ください。
④指標及び目標
a.中期及び長期目標について
当社グループは、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択された国際的な枠組みである「パリ協定」と国内外の動向を参考に、海外生産拠点を含め、2021年度から2025年度までの5年間の中期目標「第2次環境アクションプラン」と2030年度を最終年度とする長期目標を設定しています。
気候変動に関しては、Scope1,2のCO2排出量を2030年度までに2013年度比で50%削減 (13.8t-CO2/億円)する原単位目標、再生可能エネルギーの使用量を2025年度に電気使用量の7.5%超、2030年度に20%超とする目標を設定しています。この目標は、気候変動の緩和を目的としており、「パリ協定」の国際目標に貢献することを目指しています。
気候関連の目標および実績値は、次のとおりです。
(注)1.()内の数値は基準年である2014年3月期比増減率
2.目標の対象範囲は提出会社を含めた国内連結会社のみ(目標数値は海外連結会社を含め見直し予定)
3.CO2排出量の削減目標は総量目標であり、純排出量目標ではありません。
また、当社におけるScope1,2,3排出量の目標および実績値は、次のとおりです。
(注)1.目標の対象範囲は提出会社を含めた国内連結会社のみ(目標数値は海外連結会社を含め見直し予定)
2.環境省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」をもとに算定。Scope3の15カテゴリーのうちCATEGORY8、10、13、14、15は業種として該当しません。
b.脱炭素に向けた移行計画
1) 当社のオペレーションによるCO2排出量の削減
CO2排出量の2030年度の削減目標の達成に向けて、中期経営計画「中計2026」に伴う工場再編計画に基づいた太陽光発電パネルの設置計画を進め、太陽光発電やその他の再生可能エネルギーを活用していくことで、Scope2排出量の削減を図っていきます。
2) 当社のサプライチェーンでのCO2排出量の削減
Scope3排出量に関しては、これまで自動車の軽量化を通じた環境負荷の低減への貢献、ストーンペーパーやセルロースナノファイバー等の環境負荷が低い新素材開発への貢献、EVの普及や蓄エネに欠かせないリチウムイオン電池向けセパレータフィルム量産への貢献などを通じて、削減に貢献してきました。
今後は、製品の徹底したダウンサイジングにより材料の使用量を削減し、材料の生産に必要なエネルギー使用量を削減するなど製品を起点としたCO2排出量の削減に取り組む他、電動化技術や制御技術、摺動と回転の技術を活かした省エネ技術を組み込み、製品のエネルギー使用量や油の使用量を削減するなど製品の使用におけるCO2排出量の削減に取り組みます。更には、創エネ技術の開発によるCO2排出量の削減にも取り組みます。
また、当社のデジタルトランスフォーメーション「SHIBAURA DX」による「技術とモノづくりの革新」が生み出す「完成度99.7%を実現するリアルとデジタルを融合した空間、Virtual Lab.」は、開発時の試作レス・検証レスを実現し、サプライチェーン全体のCO2排出量を削減します。さらには、Virtual Lab.を産学連携の拠点として提供し、CO2排出量削減など社会的課題の解決に貢献する技術を創出していきます。
①ガバナンス
「(1)サステナビリティ全体に関する考え方及び取組 ①ガバナンス」をご参照ください。
②戦略
技術の継承と新たな技術の習得、グローバル人材の育成等に主眼を置き、芝浦機械グループ発展の基礎となる人材の育成と獲得に努めています。
当社グループは、「長期ビジョン2030」で目指す「革新的な技術力で世界の製造業のメガトレンドに応える企業集団」を見据えた人的資本の強化に取り組んでおり、特に変わりゆく外部環境へ対応するため、研究開発・DX戦略、製造技術、営業、コーポレート(経営企画・人事・財務等)等において、新規分野に関する知見を有する人材の増強に努めています。同時に、人材の定着と生産性の向上、イノベーションの創出を通じた持続的な企業価値向上に向けて、働き方改革や多様性の向上に取り組んでいます。
中期経営計画「中計2026」(2027年3月期を最終事業年度とする)では、成長するマーケットを見定め、事業ポートフォリオのタイムリーな組み替えが可能となるよう、人材が流動化しやすい基盤整備を進めていきます。
グローバルに拠点を擁する当社グループでは、グローバル人事ポリシーを定めており、グローバル戦略の推進に向けた全社共通の人事戦略を推進しつつ、拠点を有する国と地域の制度や商慣習等に合わせてローカライズした地域ごとの人事制度を運用しています。
人事制度はそれぞれの地域の歴史、文化および法令を反映したものであり、その制度の違いを正しく理解し、認識しなければならない。
芝浦機械グループは、以下の基本方針に基づき、各地域の事情を反映した、その地域にふさわしい人事制度を構築する。
1.個人の多様な価値観を認め、人格とプライバシーを尊重する。
2.一人ひとりを公正に評価し、公平に取り扱う。人種、宗教、ジェンダー、国籍、心身障害、年齢、性的指向等に関する差別的言動、暴力行為、セクシャル・パワーハラスメントは行わない。
3.安全・健康で快適な職場環境づくりに努める。
4.諸制度の設計および運用は、従業員に納得性のあるものとする。
当社グループは「長期ビジョン2030」の実現に向けて、多様な人材の処遇、キャリア形成、専門職人材の活躍が可能な新人事制度を導入しています。
従来の新卒一括採用と、経営・事業戦略実現のために必要なスキルを持った人材のキャリア採用を両輪として、人材の採用を行っています。挑戦心、レジリエンス、多様性・変化への受容力を備えた「マインド」で、リーダーシップ・コミュニケーション力を発揮できる「人間力」を持った人材の採用を実施します。
新卒一括採用では、入社後の育成やローテーションを通して、5年、10年先の当社グループを担う従業員として、リーダーシップ、海外志向性を持った学生を中心にジェンダーや国籍を問わず人物本位で採用を実施しています。
キャリア採用では、ジョブ型雇用を基本とし、変わりゆく外部環境へ対応するため、特に新規分野(IT・エネルギー)などにおいて、従来の機械工学に留まらず、物理、化学、情報工学等、幅広い学術分野における知見を有する人材を採用する方針を掲げています。特に高いスキルを有する高度プロフェッショナル人材に関しては、専門職として総合職とは異なる柔軟な給与体系を設けています。
今後の社会的課題解決と企業価値向上を両立させるため、「自ら考え自ら行動」し、キャリア自律により「変革」と「革新」を成し遂げる人材の育成を基本方針としています。
当社グループは、将来を担う中堅や若手技術者を対象とした技術者教育を実施しています。基礎技術の習得、CAD教育や、博士号や技術士など技術者として高度な資格を有する人材から資格取得のアドバイスなどを行っています。このように幅広い内容を学ぶことにより業務に直結したスキルの向上につなげています。また、設計や製図の知識以外にも、技術者として必要なマーケティング戦略、語学教育、モノづくりの基礎知識を得るための研修を展開し、多分野で活躍できる人材の育成を行っています。
2)リスキリング
働き方の多様化や技術の進展などによる産業構造の根本的な変化によって、今後新たに必要となる知識やスキルを習得することを目的に、人材の再教育や再開発をするリスキリングにも着手しています。
グローバル市場で活躍できる人材の育成を目指したプログラム「グローバル人材育成教育」があります。さらに、受講者相互で同じ時間を共有し、組織を越えた横のつながりをつくることも、教育目的の一つです。
当社グループは、多様な個性を持つ従業員がそれぞれの力を十分発揮できるようダイバーシティ(多様性)の推進に取り組んでいます。
1)人間尊重の基本方針
芝浦機械は、「芝浦機械グループ行動基準」を定め、そのもとで基本的人権および個人の多様性を受容し、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現を支援することを方針としています。
・各国・各地域の法令等を踏まえ、人権に関する様々な国際規範を理解し、基本的人権を尊重します。また、児童労働、強制労働を認めません。
・芝浦機械グループにおいて、基本的人権を侵害する行為があった場合には、適切な措置を講じます。また、調達取引先においても、基本的人権を侵害する行為が認められる場合は、改善を求めていきます。
・人権尊重のため、関連するステークホルダーと対話を進めます。
・創造的、効率的に業務を遂行できる環境を整え、ワーク・ライフ・バランスの実現を支援します。
・安全で快適な職場環境を実現するよう努めます。
2)多様な人材の活躍推進
ジェンダー、国籍、年齢等にとらわれない人物本位の採用、各人の適性に応じた適材適所の職場配置を推進しています。
3)育児・介護に関する制度と活用状況
過去5年間において、女性従業員の育児休業取得率、復職率は100%です。当社グループでは、短時間勤務制度や本人からの申し出によって残業を免除する制度のほか、積立保存休暇の利用目的に2019年度より「看護」を追加するなど、ワーク・ライフ・バランスを支える制度を整えています。
当社グループでは男女ともに働きがいのある職場環境の確立を目的として様々な取り組みを実施しています。
安全と健康は経営の基盤であり、当社グループに関わるすべての従事者が安心して働ける職場を構築するため、グループ全体が一丸となって活動の活性化を図ります。
1)安全衛生活動の展開
安全な職場を目指し、交通事故や火災等も含めたゼロ災害に向け、当社グループで安全衛生活動に積極的に取り組み、安全・安心な職場環境づくりを推進します。
2)労働安全衛生マネジメントシステムの推進
「基本に忠実な行動と職場全体での安全意識向上が、より良い企業活動を担保することを認識し、労働災害と交通事故の防止、感染症予防と健康づくりに努める」との理念により、当社では中央労働災害防止協会の「JISHA方式適格OSHMS(※)」の認証を取得しています。グループ各社でも「OSHMS」を水平展開し、安全衛生管理水準のレベルアップを図っています。
※ JISHA方式適格労働安全衛生マネジメントシステム
3)ストレスチェック・エンゲージメントサーベイの実施
従業員のエンゲージメント状態を把握・分析することによって、従業員が熱意を持ち、いきいきとした状態で働くための個人支援・職場環境改善を目的としたエンゲージメントサーベイを、ストレスチェックと同時に実施しています(2024年度受検率100%)。
高エンゲージメント者・準高エンゲージメント者の割合は21.3%、高ストレス者の割合は11.4%でした。さらに、管理職向け研修会も実施し、更なるエンゲージメントの向上・高ストレス者の低減へ取り組んでいます。
③リスク管理
「(1)サステナビリティ全体に関する考え方及び取組 ②リスク管理」をご参照ください。
④指標及び目標
a.ダイバーシティとインクルージョンの取り組み
1)育児・介護に関する制度と活用状況
過去5年間において、女性従業員の育児休業取得率、復職率は100%です。当社グループでは、短時間勤務制度や本人からの申し出によって残業を免除する制度のほか、積立保存休暇の利用目的に2019年度より「看護」を追加するなど、ワーク・ライフ・バランスを支える制度を整えています。
(注) 1.提出会社を含めた国内連結会社のみの集計数値となっております。
2.2026年3月期における目標のうち、育児休業取得者、介護休業取得者及び短時間勤務制度利用者については定量的な目標数値を定めることが困難であるため、記載をしておりません。
2)育児と両立しやすく長期継続しやすい仕事環境
2025年3月期の平均勤続年数は19.5年(男性:19.4年、女性:20.2年)であり、長期にわたって腰を落ち着けて働く従業員が多いことが当社の特徴となっています。
(注) 1.平均勤続年数は提出会社のみの集計数値となっております。
2.2026年3月期における目標については定量的な目標数値を定めることが困難であるため、記載をしておりません。
男女ともに働きがいのある職場環境の確立を目的として、育児休業の取得率および有給休暇の取得率について次の目標を設定しております。
(注) 育児休業取得率は提出会社を含めた国内連結会社のみ、有給休暇取得率は提出会社のみの集計数値となっております。
c.安全と健康
安全な職場を目指し、交通事故や火災等も含めたゼロ災害に向け、次の目標を設定しております。
(注) 提出会社のみの集計数値となっております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であり、これらのリスク管理体制等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
当社グループは、扱う商品が生産財という事業の特性から、売上高、営業損益が期末に偏る傾向があります。従って、売上高及び利益の一部が翌期にずれ込んだ場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、射出成形機、工作機械などの生産財を製造・販売していますが、同業との間に、品質、価格、サービス等において競合が生じています。今後、需要の低下または過剰供給が生じ販売競争が激化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの海外売上高は全体の77.1%を占めておりますので、世界各地域の政治、経済、社会情勢の変化や各種規制、為替レートの変動、その他突発的な外部要因などが、業績に影響を与える可能性があります。
また、国際的な海上物流における需給バランス等により、海上運賃上昇、船舶確保のリスクが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの製品に使用される半導体、電気品、部材等の調達品は国際的な需給バランス・エネルギー価格・為替等の影響により納入遅延、価格上昇のリスクが発生いたします。
調達品については複数調達リソースの確保、代替調達品の使用等を行いリスクの軽減をはかっていますが、製品の一部には受注から生産、売上までの期間が長いことから、見積原価の変動により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業資金の一部を金融機関から借入金として調達しております。当社グループとしては、中期経営計画に則り、財務体質の強化に注力する方針でありますが、現行の金利水準が変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づき算出されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。割引率や運用利回りに変動が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、多くの国に製造・販売拠点を設けております。それらの地域において、大地震・水害等の自然災害、感染症の流行、紛争及びテロ等が発生した場合、調達品の確保を含め当社グループの生産、業績及び財務状況に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業活動において機密情報として、個人情報、営業情報を保有しております。これら各種情報の取扱いには細心の注意を払っており、サイバー攻撃等による情報への不正なアクセス、改ざん、漏洩、紛失等を防ぐために、管理体制及び取扱規則を定めるとともに外部専門機関の助言を得るなど、適切な措置を講じています。情報漏洩等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、回復基調で推移しましたが、中国の景気低迷の長期化、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化、米国トランプ政権による保護主義政策の影響など先行き不透明な状況が継続、後半にかけては景気の下押し圧力が強まりました。
当社グループを取り巻く経済環境は、インド経済が堅調に成長している一方で、EV市場の減速や中国の景気低迷、部材・エネルギー価格の高止まり、さらに米国大統領選挙の影響など厳しい状況で推移いたしました。
このような経済環境のもとで、当社グループは中期経営計画「中計2026」(2025年3月期~2027年3月期)で掲げている事業ポートフォリオの組み替え、顧客の生産性向上に寄与するシステムエンジニアリング装置販売・直販への軸足シフト、事業ポートフォリオ組み替えにリンクした人材戦略、ESG経営の推進等の基本方針に基づき、脱炭素社会、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した商品の開発と提供、DX戦略の推進などの諸施策を遂行しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ535億6千4百万円減少し、1,996億7百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ590億3千万円減少し、824億3千6百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ54億6千5百万円増加し、1,171億7千1百万円となりました。
当連結会計年度の前連結会計年度比における受注高は射出成形機が国内、中国、インドにおいて増加、超精密加工機が国内、中国において増加したものの、押出成形機の中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の減少により、1,073億4千6百万円(前連結会計年度比11.4%減、海外比率50.6%)となりました。売上高は工作機械が国内、中国、北米で減少しましたが、中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の増加により、1,681億9千1百万円(前連結会計年度比4.7%増、海外比率77.1%)となりました。損益については、規模増加などによる増益効果により、営業利益は140億9千5百万円(前連結会計年度比3.5%増)、経常利益は為替変動の影響等により、140億8千5百万円(前連結会計年度比3.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に計上した固定資産売却益などの反動減により、125億9千7百万円(前連結会計年度比29.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
射出成形機においては、販売は国内、中国、インドで増加したものの、北米、東南アジアで減少いたしました。受注は国内における自動車向け、中国、インドで増加いたしました。
ダイカストマシンにおいては、自動車向けが、販売はインド、韓国で増加、受注は東南アジアで増加したものの、国内、中国、韓国で減少いたしました。
押出成形機においては、販売は中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が大幅に増加、受注は国内における光学向けが増加したものの、EV需要の伸びの鈍化などの影響により中国でリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が大幅な減少となりました。
この結果、成形機事業全体の受注高は752億1百万円(前連結会計年度比16.1%減、海外比率59.3%)、売上高は1,371億1千3百万円(前連結会計年度比11.0%増、海外比率86.4%)、営業利益は141億4千8百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。
工作機械においては、販売は国内、中国、北米で減少いたしました。受注は国内で増加したものの、北米、中国で減少いたしました。
超精密加工機においては、販売は国内で増加したものの、中国において減少、受注は国内における光学レンズ向け、半導体製造装置向け、中国における車載レンズ向け、光通信関連向けが増加いたしました。
この結果、工作機械事業全体の受注高は241億2千4百万円(前連結会計年度比6.7%増、海外比率38.6%)、売上高は213億8百万円(前連結会計年度比18.0%減、海外比率49.9%)、営業利益は5億8千5百万円(前連結会計年度比15.1%増)となりました。
制御機械においては、販売と受注は国内における電子制御装置が減少いたしました。
この結果、制御機械事業全体の受注高は64億1千4百万円(前連結会計年度比15.7%減、海外比率6.3%)、売上高は81億1千2百万円(前連結会計年度比18.2%減、海外比率7.7%)、営業利益は1億8百万円(前連結会計年度比67.5%減)となりました。
その他の事業全体の受注高は16億6百万円(前連結会計年度比20.1%増、海外比率2.1%)、売上高は16億5千5百万円(前連結会計年度比34.4%増、海外比率1.6%)、営業損失は7億2千5百万円(前連結会計年度は営業損失2億2千3百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ27億5千2百万円増加し、543億4千1百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各活動によるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動による資金は、83億3千1百万円の増加になりました。これは主として、契約負債の減少による支出388億7百万円、仕入債務の減少による支出160億4千9百万円があったものの、棚卸資産の減少による収入401億3千2百万円、税金等調整前当期純利益の増加による収入179億4百万円等があったことによります。
投資活動による資金は、9億1千万円の増加になりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出27億1千3百万円があったものの、有形固定資産の売却による収入42億7千4百万円等があったことによります。
財務活動による資金は、65億3千2百万円の減少になりました。これは主として、自己株式の取得による支出20億円、配当金の支払額33億4千5百万円等があったことによります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標のトレンドは下記のとおりであります。
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動キャッシュ・フロー/利払い
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.生産高の実績については、製品の製造を行っている当社、東栄電機㈱、テクノリンク㈱、SHIBAURA MACHINE (SHANGHAI) CO.,LTD.、SHIBAURA MACHINE MANUFACTURING (THAILAND) CO.,LTD.、SHIBAURA MACHINE INDIA PRIVATE LIMITEDの連結生産高の実績となっております。
当連結会計年度における受注実績及び連結会計年度末受注残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注) 前連結会計年度におけるSINOMA LITHIUM BATTERY SEPARATOR (PINGXIANG) CO.,LTD及びHEFEI GELLEC NEW ENERGY CO.,LTDに対する販売実績は、前連結会計年度の販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度は「中計2026」の初年度にあたり、事業ポートフォリオの組み替え、顧客の生産性向上に寄与するシステムエンジニアリング装置販売・直販への軸足シフト、事業ポートフォリオ組み替えにリンクした人材戦略、ESG経営の推進等に取り組んでまいりました。
「中計2026」の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標及び対処すべき課題」を参照ください。
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ535億6千4百万円減少し、1,996億7百万円となりました。減少の主な内訳は、建物及び構築物(純額)が20億7千3百万円増加したものの、商品及び製品が333億7百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が29億7千3百万円減少したこと等によります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ590億3千万円減少し、824億3千6百万円となりました。減少の主な内訳は、契約負債が387億1千6百万円、支払手形及び買掛金が160億1千2百万円減少したこと等によります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ54億6千5百万円増加し、1,171億7千1百万円となりました。増加の主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益125億9千7百万円の計上があったこと等によります。
この結果、D/Eレシオは8.6%(前連結会計年度末は9.9%)、自己資本比率は58.7%(前連結会計年度末は44.1%)となりました。
2)経営成績
(売上高)
中国、インドを中心に増加し、1,681億9千1百万円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は、売上規模の増加等により、140億9千5百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。
(経常利益)
営業外損益は、為替差損の計上等により、前連結会計年度に比べ9億9千9百万円の利益(純額)が減少し、9百万円の損失(純額)となりました。この結果、経常利益は140億8千5百万円(前連結会計年度比3.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、前連結会計年度に計上した固定資産売却益などの反動減により、前連結会計年度に比べ68億9千7百万円の利益(純額)が減少し、38億1千8百万円の利益(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は179億4百万円(前連結会計年度比29.3%減)となりました。税金費用は法人税等合計53億6百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は125億9千7百万円(前連結会計年度比29.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは運転資金需要、設備投資及びM&Aを含む投資資金需要であります。
運転資金需要については、生産活動に必要な材料費・人件費及び経費等、受注獲得に向けた引合費用等の販売費、商品力強化及び新商品の開発に資する研究開発費が主な内容であります。投資資金需要については、事業規模拡大及び生産性向上を目的とした有形・無形固定資産投資、既存設備の維持・改修に係る修繕費、適切なM&A・アライアンスの実行に要する資金などが主な内容であります。
財務政策
当社グループは、運転資金投入、投資資金投入ともに営業キャッシュ・フローを源泉としつつ、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保する施策として、有利子負債による資金調達を実施しております。当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は101億3千5百万円となりました。
金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの事業規模の維持拡大に向けた運転資金及び投資資金の調達は今後も可能であると考えております。また、国内金融機関において100億円のコミットメントラインを設定しており、手元流動性の補完にも機動的に対応が可能となっております。
今後も売上債権、棚卸資産の回転期間短縮や固定資産の稼働率向上を通じて資産効率の改善を図るとともに、大規模な設備投資、M&Aなどに向けた長期資金の調達については、中期経営計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断していくこととしております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業活動によって経常的に創出される付加価値の最大化及び株主資本の有効活用がすべてのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「売上高」、「売上高営業利益率(ROS)」、「自己資本利益率(ROE)」及び「配当性向」を重点指標として位置付けております。当連結会計年度における「売上高」は1,681億9千1百万円(前連結会計年度比4.7%増)、「売上高営業利益率(ROS)」は8.4%(前連結会計年度比0.1ポイント減少)、「自己資本利益率(ROE)」は11.0%(前連結会計年度比6.8ポイント減少)、「配当性向」は26.4%(前連結会計年度比7.5ポイント増加)となりました。引き続きこれらの指標の継続的な改善に向け、取り組んでまいります。
(固定資産の譲渡)
当社は、2024年6月24日開催の取締役会において、当社所有の固定資産の譲渡について決議、同日付で売買契約を締結し、2024年8月9日付で譲渡いたしました。
(1) 譲渡の理由
経営資源の有効活用による資産の効率化を図るため、下記の固定資産を譲渡することといたしました。
(2) 譲渡資産の内容
① 譲渡資産 :土地
② 所在地 :静岡県駿東郡長泉町下土狩840
③ 現況 :工場用地
④ 土地面積 :25,032.77㎡
⑤ 譲渡価額 :44億円
⑥ 譲渡益 :約40億円
※譲渡益は、譲渡価額から帳簿価額及び譲渡に係る諸経費等を控除した金額です。
(3) 譲渡先の概要
① 名称 :長泉町
② 所在地 :静岡県駿東郡長泉町中土狩828
③ 当社との関係:譲渡先と当社の間には、記載すべき資本関係・人的関係及び取引関係はなく、関連当事者には該当しておりません。
(4) 譲渡の日程
取締役会決議日 2024年6月24日
契約締結日 2024年6月24日
物件引渡日 2024年8月9日
(5) 当該事象の損益への影響
当該固定資産の譲渡に伴う譲渡益は、当連結会計年度において固定資産売却益として特別利益に計上しております。
(株式取得に関する契約)
当社は、2025年3月18日付で、株式会社ファンクショナル・フルイッドの全株式を取得し、子会社化することについて決定し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。また、2025年5月1日付で全株式を取得いたしました。
株式会社ファンクショナル・フルイッドは、独自の金型冷却装置を持ち、生産現場における効率の良い熱移動による品質・生産性の向上に貢献しており、長年にわたる実績とノウハウを保有しております。これら技術・商品を当社グループに取り込むことで、連続安定成形を望む顧客への提案力を強化し、当社の射出成形機やダイカストマシンなどの製品群と組み合わせることで、生産性の向上のみならず、適正な水量・水温による効率的な冷却により消費電力を抑制し、省エネと CO2 排出量の削減にも寄与することから、グローバルな販売の拡大及び SDGs への貢献につなげていくことが可能になると判断し、本株式を取得することといたしました。
冷却水防錆媒体・防錆薬品・加湿剤の製造・販売
操業環境及び機械加工最適化のための各種機器の製造・販売
冷却水システム・熱交換システム及び操業周辺環境についてのテクニカルコンサルティング
個人株主 2名
当社グループ(当社及び連結子会社)は、国内外の市場の変化や成長する産業分野に貢献するために、当社のR&Dセンター、生産センターおよび各製品事業カンパニーの開発部門が中心となって、生産の高効率化と製品の高機能化に加え、エネルギー・環境の分野に貢献する新商品創出のための研究開発を行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
成形機は、射出成形機とダイカストマシンのハイサイクル化、高精度化、成形品質の向上、知能化および省エネルギー・環境負荷低減を目的として、芝浦機械エンジニアリング㈱と連携を取りながら、電動射出成形機やダイカストマシン及びそれらの付加価値向上に繋がる成形技術、制御技術等の研究開発を行っております。また、押出成形機については、高機能化を目的とした混練技術やエネルギー・環境および高機能素材関連、次世代二次電池関連に注力した新たな成形システムの研究開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は、
工作機械は、機械の高速化、高精度化、知能化および複合加工による高生産性の実現を目的として、門形マシニングセンタ、横中ぐりフライス盤、立旋盤、横形マシニングセンタ等に関わる研究開発を行っております。精密機械分野では、超精密マシニングセンタ、超精密非球面加工機及びそれらの主要素である高速主軸等の要素開発や超精密加工技術等の研究開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は、
制御機械は、生産効率の向上に貢献することを目的として、制御の高速化・高精度化と作業の自動化・省人化に対応するため、テクノリンク㈱や東栄電機㈱と連携を取りながら、高機能NC制御装置・サーボ制御装置、IoT、システムロボット等の研究開発を行っております。更には、当社商品の周辺に限定しない飲料、食品、製薬、航空機、自動車、コンピューター関連など幅広い分野でシステムエンジニアリングの研究開発を行っており、特に次世代二次電池の生産システムの研究開発に注力しております。
当セグメントに係る研究開発費は、
その他では、材料加工及び鋳造技術に係る研究開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は、