文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「小松マテーレは人々の感動を創造します。」「小松マテーレは地球・社会に貢献します。」「小松マテーレは社員と共に成長します。」の三つの理念を基に、“驚き”と“感動”があふれる素材を創造し続ける「化学素材メーカー」を目指しております。
この実現に向けて、事業環境が急激に変化する現在、こうした環境変化をいち早く感知し柔軟に対応していくための組織体制の強化と積極的な経営投資を実行します。具体的には、中期経営計画に基づき、海外事業の拡大、高付加価値商品の開発、地球環境保護、人的資本経営の取り組みを強化してまいります。
さらに、当社グループ内においては、激しい経営環境の変化に適切に対応し、グループ企業全体の事業活動の効率化、収益性の向上、キャッシュ・フロー重視の経営を行うとともに、地球環境保護への対応や人的資本やコンプライアンスを重視した経営を行ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは継続的な企業価値の向上を実現するためには、事業の成長性と収益性を高めることが重要であると認識しています。
当社グループの中期経営計画「KFW-2026」において、事業領域の拡大と基盤強化を基本方針とし、2026年度までに、売上高420億円、営業利益25億円、営業利益率6.0%、自己資本利益率(ROE)6.0%以上を目標としております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社を取り巻く事業環境は、物価上昇や原材料及びエネルギー価格の上昇が続いており、世界情勢が不安定な中において、先行き不透明な状況が続くことが想定されます。
このような足元の環境変化に即応する短期的な課題のみならず、当社グループは、2024年5月に発表しました中期経営計画「KFW-2026」で掲げた5つの中長期的な課題に対し、グループ一丸となって対応してまいります。
①海外事業の拡大
海外売上高の拡大のため、今まで培ったブランド力と実績を活かして新規市場開拓を続け、また、販売体制・拠点を整備し、衣料分野及び資材分野において国内市場も含めてグローバルな事業展開を推し進めてまいります。
②小松マテーレ式サステナブル商材・事業の推進
「小松マテーレ・サステナビリティ・ビジョン」に掲げた5つの課題への取り組みを加速させ、地球環境にかかわる課題については、社会・顧客のニーズに応えるべく優先的に取り組みます。また、環境配慮型素材群「マテレコ」の売上比率については2030年度に50%にまで拡大する目標達成のため、「環境負担低減」と「機能性」を両立させる素材の拡充を図り、新たな価値を創造します。
③製品事業の推進
創業以来培ってきた技術を用いた当社素材の感動を消費者に直接届けたいとの思いから、製品事業を推進してまいります。当社独自製品の付加価値を高めて収益への貢献度の向上を図ります
④人材育成の強化とエンゲージメントの向上
社員の成長と働き甲斐を高め、社員が生き生きと最大限に能力を発揮するために多面的な切り口からエンゲージメント向上に取り組んでまいります。
⑤製造環境の整備、福利厚生面の充実
社員が効率的な業務を遂行できるような働きやすい職場環境づくりやDXを最大限に活用した生産体制の構築を真剣に取り組みます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは1999年に地球環境の保全に向けた「環境管理宣言」を策定し、環境保全と環境づくりに努めてきました。そして2020年度からはSDGs(持続可能な開発目標)に沿って、グループが目指す取組を5つの項目に整理・統合した「小松マテーレ・サステナビリティ・ビジョン(KSV)」に発展させてきました。
当社グループの取組としては代表取締役社長を委員長として環境管理委員会を設置しております。この環境管理委員会において、関係部署及びグループ会社が連携して開示に向けて気候変動の課題に対するリスクや機会に関する分析を行います。当社グループでは今後、気候変動に対するガバナンスを強化していく予定です。
①気候変動への取組
当社グループでは気候変動に関する重要な物理的リスク・移行リスクと機会として、下記を認識しています。今後さらにシナリオ分析を深掘し、事業へのリスクと機会を随時見直して行く予定です。
②人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループは、企業理念に基づき、“驚き”と“感動”があふれる素材を創造し続ける「化学素材メーカー」を目指しています。企業理念の一つに「社員と共に成長します」を掲げ、全社員がプロ意識を持ち自らを高め、グループ全体の進化と成長を実現してまいります。
社員一人ひとりが自らの個性を多様性として活かし、充実したワークライフバランスのもと、活気のある整った職場環境で生き生きと働き、高付加価値を生み出し続ける企業を目指します。
以上を踏まえ、当社グループにおける人材開発、柔軟な働き方等の多様性に関しては、下記の方針を掲げ、それぞれについて具体的取り組みを行っています。
(人材開発方針)
企業理念の一つ「社員と共に成長します」に基づき、企業力強化のため、自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供します。
また、人材の流動性が高まる中、社員の離職による組織力の低下や、採用競争力の弱体化による人材獲得の行き詰まりが多大なリスクを引き起こすと考えています 。 社員に成長の機会を提供し、活躍しやすい環境を整えることで、リスク低減に努めています 。
下記3点の項目を当社グループの優先課題として人的資本の拡充に努めます。
・人材開発
・柔軟な働き方の推進
・多様性・共生・尊重
(具体的な取組)
1.人材開発
当社グループでは、企業力強化を目的とした教育制度や人事制度等を通じ、当社の将来を担う社員の育成に努めています。
教育制度においては、創業以来培ってきた伝統を受け継ぎ、さらなる技術革新を創造できる社員を育成するため、技術者及び営業スタッフを対象とした研修を実施しています。さらに、階層別研修を充実させ、社員一人ひとりが持てる能力と個性を最大限発揮できるよう、キャリアプランの実現を目指します。また、OJT・Off-JTを活用した人材開発を行っており、OJTについてはコーチングの技法を用い、1on1ミーティングを実施するなど部下育成にも力を入れています。
人事制度においては、社員のモチベーションを維持向上するため、人事評価システムを導入し、適切かつ効果的な評価を実施し、個人目標の達成率向上を目指しております。
2.柔軟な働き方の推進
当社グループの全ての社員が「働きがい」のある職場で情熱をもって業務を遂行できるよう、多様性や環境変化に応じた柔軟な労務管理施策を実施しています。年次有給休暇の取得の推進や育児時短勤務制度の拡充、定年後再雇用者の処遇改善等、社員のワークライフバランスを改善するための取り組みを行っております。これからも、柔軟な働き方に関わる社会課題について積極的に対応してまいります。
3.多様性・共生・尊重
当社グループでは全ての社員が、多様性、共生、尊重を重視し、安心して働ける職場を目指しております。特に、女性の活躍推進や男性育児休業取得率の向上、障がい者の活躍の場の創出に取り組んでいます。また、社員が集う厚生施設の整備を積極的かつ継続的に行ってまいります。
当社グループのリスク管理の統轄機関は「リスク管理委員会」を設置し、代表取締役社長を委員長として、リスクの対応方針等を管理しております。
①気候変動関連
当社グループにおいては低エネルギーへの取組が重要な課題となり、指標及び目標はCO2排出量としております。
GHG排出量(CO2排出量)としてScope1+Scope2についての実績を開示しています。CO2排出重量原単位として、2030年度までに46%(2013年度対比)を目標として削減に取り組んでいます。Scope3については、段階的に算定・開示を進めていく予定です。
気候変動の指標はCO2排出重量原単位で、目標値・実績は下記のとおりです。
目標:CO2排出量重量原単位(Scope1+2) 2013年度対比 2030年度までに46%削減
実績:2024年度 23.5%削減
②人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
人材開発に関連する実績推移は以下のとおりです。
なお、当指標に関しては、国内を中心に当社グループとして具体的な取り組みが行われているものの、必ずしも連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載は困難であり、提出会社における指標と目標を記載しております。
1.管理・監督職に占める女性の割合
女性の活躍を推進し、全社員が安心して長く働き続けられ、男女の格差なく能力に応じてキャリアアップできるような企業づくりを目指します。下表のとおり、2026年度には20.0%以上を目指しています。
(単位:%)
(注) 監督職は、当社の職制上において、部下を監督し、業務指示を行い、管理職の補佐をしております。
2.男性の育児休業取得率
男性が仕事と家庭を両立しやすくするため、また、企業として女性の継続就業や次世代を担う子どもを安心して育てられる環境づくりといった社会的責任を果たすための人事制度を導入し、男性の育児休業取得を支援しています。さらに、社員一人ひとりの意識を高められるような情報提供や勉強会を実施しています。下表のとおり、2026年度には50.0%以上を目指しています。
(単位:%)
3.障がい者雇用率
障がいの有無に関わらず誰もが働きやすい職場環境を整えています。障がい者雇用への社員の理解を深めるための勉強会の実施や、障がい者のための業務の選定、企業内における援助者の選任等により体制整備を図っています。また、障がい者雇用を積極的に進めるため、外部の支援機関と連携した採用活動を実施しています。下表のとおり、2026年度には法定雇用率以上の3.0%以上を目指しています。
(単位:%)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品は、製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本はもとより、当社グループの主要な市場であるアジア、中東、欧州及び北米における景気並びに需要が減少した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの海外での生産及び販売活動は、アジア、中東、欧州及び北米を中心に行っております。これらの海外市場への進出の際には以下に掲げるようなリスクの検討を行いながら進めております。しかし、予期しないリスクが発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
・政治又は経済上の不安
・法律又は規制の変更
・ストライキ等の労働争議
・人材の採用と確保の難しさ
・テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建てでの取引による項目は、円換算し連結財務諸表を作成しております。円換算時の為替レートにより、これらの項目はもとの現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、外国通貨建て取引については、予測を超えた為替変動が当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは主に合成繊維の加工及び販売を行っており、エネルギーコスト並びに原材料が売上原価における大きなウェイトを占めております。原油価格の高騰に伴いこれらの調達コストが上昇し、販売価格への転嫁や生産性向上といった内部努力による対処が困難な場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、他社製品と差別化できるノウハウを保持しております。これらの技術とノウハウは今後の当社グループの発展には不可欠なものであり、これらの資産の保護には最善の努力を行っております。しかし、特定の地域においては、当社グループ保有の知的財産権による完全な保護が困難であったり、保護が限定的な状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使用し、類似製品の製造を防止できない可能性があります。
当社グループは「小松マテーレ環境方針」に加え「小松マテーレ・サステナビリティ・ビジョン(KSV)」を策定し、環境負荷の低減に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染が発生しない保証はありません。今後新たな環境汚染が発生した場合は、ブランド力低下や営業活動の停滞により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内生産拠点は石川県に集中しております。当該地域において地震、台風等の大規模災害による生産設備の破損や、世界規模での感染症・伝染病等の発生によるサプライチェーンの寸断等のため、操業停止等が生じ、生産活動に重大な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の増加もあり、緩やかな回復基調を維持しております。一方、地政学リスクの長期化、資源価格を含む物価の高騰、為替相場の変動に加え、アメリカの今後の政策や中国経済への懸念など、先行きは不透明な状況が続いています。
こうした経済環境のもと、当社事業については、国内向けは営業活動を強化した衣料分野を中心に堅調に推移し、海外においても、欧米、中東、アジア市場等への更なる拡販に努めました。その結果、国内・海外ともに売上は増加いたしました。また、多様に変化する市場ニーズにおいて、新たな需要を喚起するため、継続的に技術開発や新商品開発に挑み、当連結会計年度におきましては4件の特許出願を進めてまいりました。
しかしながら、原燃料価格及び資材価格の高止まりや電力料金の値上げによる企業コスト上昇が利益を圧迫するマイナス要因となりました。この厳しい状況の下、省エネ、安価な燃料への転換、不良ロス削減、生産性向上等によるトータルコストダウンへの取り組みや、商品の品種転換及び高付加価値商品の導入に加え、販売価格への転嫁及び拡販による収益確保のための具体的な施策を実施いたしました。
また、当連結会計年度におきましては、ファッション分野で培った感性や技術を活かし、スポーツ、ユニフォーム分野を中心に当社主催による自社展示会「アクティブ素材展」を二度にわたり東京にて開催いたしました。本展示会では、40年の歴史がある高耐久・多機能なサステナブル素材「マーバス」のリニューアルバージョンや、裏材を使用しない2層構造による透湿防水素材「クアトローニ EX」を発表いたしました。
2月には、イタリア・ミラノにおいて世界最高峰の生地の展示会である「ミラノウニカ」へ、欧州企業以外では当社が初めて単独ブースで出展することが認められました。「ミラノウニカ」で当社はサステナブルな意識の高まりを反映し、環境配慮商品を中心に展開いたしました。
そのサステナブルな意識の高まりに対応すべく、当社はサステナブル専門部署「QES室」を新設し、品質保証(QualityAssurance)、環境・エネルギー(Environment&Energy)及び安全防災(Safety&DisasterPrevention)に関わるさまざまな課題に先進的に取り組むための体制を整備いたしました。QES室は、年々増加している欧米ブランドを中心とした人権面・環境面・製品安全面についての要望について、欧米ブランドと主体的にコミュニケーションを取り、国際的なサステナブル経営への実現に向けた役割を担います。
さらに、当社独自の高次後加工技術「SY加工」が北米市場を主に国内外で好調となっており、2002年の上市以来、シワ感、リラックス感のある自然な風合いが好評となっております。当社では「SY加工」への高まる需要に対応すべく生産体制を増強するための設備投資を行い、生産及び販売体制の拡大を図りました。
加えて、中期経営計画に掲げる基盤強化策の一環として人的資本経営を実践していくため、福利厚生の充実を図りました。具体的には、当社の東京営業所をファッショントレンドの中心地である東京・青山の「ポーラ青山ビルディング」へ移転し、本社や工場オフィス、並びに構内福利厚生施設をリニューアルいたしました。このように当社は社員が働きやすく、モチベーションを高め、新たな職務にチャレンジしていける環境整備を進めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は395億26百万円(前期比7.8%増)、営業利益は21億81百万円(前期比17.5%増)、経常利益は28億38百万円(前期比7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は29億34百万円(前期比59.2%増)となり、前期比増収増益となりました。
セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
衣料ファブリック部門に関しては、市場の要求に応えられる付加価値の高い高感性・高機能素材や、環境配慮商品を国内外の市場に積極的に訴求し、拡大を進めてまいりました。当連結会計年度では、主に北米ファッション、中東民族衣装が海外向けの売上を牽引しました。なお、海外向けスポーツ分野が需要低迷した一方で、国内向けファッションが総じて増加したことから、当部門全体としては増収となりました。
資材ファブリック部門については、リビング分野において不採算事業から撤退したものの、車輛分野や生活関連資材分野で受注が増加し、当部門全体としても増収となりました。
製品部門におきましては、販売体制を強化し、自社製品ブランドの市場への浸透を図ったことにより増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の当事業の売上高は390億15百万円(前期比7.9%増)、セグメント利益(営業利益)は20億90百万円(前期比18.5%増)となりました。
物流分野の当連結会計年度の売上高は5億11百万円(前期比2.2%減)、セグメント利益(営
業利益)は78百万円(前期比2.6%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ21億34百万円減少し、94億30百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は47億93百万円(前年同期は31億13百万円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益38億20百万円、減価償却費13億39百万円、固定資産除売却損7億37百万円であり、支出の主な内訳は、投資有価証券売却益9億54百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は56億93百万円(前年同期は2億28百万円の資金の減少)となりました。収入の主な内訳は、有価証券の償還による収入35億円であり、支出の主な内訳は、有価証券の取得による支出70億円、固定資産の取得による支出32億6百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は13億47百万円(前年同期は9億6百万円の資金の減少)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額8億84百万円、自己株式の取得による支出4億33百万円であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループに関する経営成績等の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の発生及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当連結会計年度末における流動資産の残高は258億85百万円で、前連結会計年度末に比べて7億62百万円増加しております。原材料及び貯蔵品が4億55百万円、受取手形が2億39百万円減少したものの、有価証券が10億円、現金及び預金が3億65百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は271億40百万円で、前連結会計年度末に比べて22億64百万円増加しております。貸倒引当金の増加により1億8百万円減少したものの、投資有価証券が20億28百万円、機械装置及び運搬具が3億8百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は91億71百万円で、前連結会計年度末に比べて7億36百万円増加しております。主に支払手形及び買掛金が4億61百万円、賞与引当金が1億70百万円、未払法人税等が92百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は41億53百万円で、前連結会計年度末に比べて5億26百万円増加しております。主に退職給付に係る負債が1億8百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は397億1百万円で、前連結会計年度末に比べて17億63百万円増加しております。為替換算調整勘定が4億13百万円減少したものの、利益剰余金が20億25百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の売上高は、395億26百万円(前連結会計年度の売上高366億70百万円に比べ28億55百万円増加)となりました。これは、国内及び海外ともファッション関連が増加し、とりわけ欧州ラグジュアリーブランド向けや民族衣装が牽引したことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、21億81百万円(前連結会計年度の営業利益18億56百万円に比べ3億24百万円増加)となりました。これは、国内及び海外ともファッション関連が増加し、とりわけ欧州ラグジュアリーブランド向けや民族衣装が牽引したことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は28億38百万円(前連結会計年度の経常利益26億43百万円に比べ1億95百万円増加)となりました。これは、国内及び海外ともファッション関連が増加し、とりわけ欧州ラグジュアリーブランド向けや民族衣装が牽引したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は38億20百万円(前連結会計年度の税金等調整前当期純利益25億3百万円に比べ13億17百万円増加)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は8億67百万円(前連結会計年度6億56百万円に比べ2億10百万円の増加)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は29億34百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益18億43百万円に比べ10億91百万円増加)となりました。
これは、国内及び海外ともファッション関連が増加したことに加え、固定資産除却損8億20百万円を計上したものの投資有価証券売却益9億54百万円及び関係会社清算益7億11百万円を計上したことによるものであります。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・資本の財源
当社グループは、事業の成長と収益性を高めることにより資本の財源としております。
当連結会計年度においては、営業活動による資金の増加は47億93百万円、投資活動による資金の減少は56億93百万円、財務活動による資金の減少は13億47百万円となりました。
・資金の流動性に係る情報
資金の流動性については、今後継続的な企業価値の向上を実現するための資金需要に対して、迅速かつ確実に資金を確保することを基本としております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は94億30百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは、2025年3月期から2027年3月期の3ヵ年を対象とした中期経営計画を策定しております。基本方針では①海外事業の拡大、②小松マテーレ式サステナブル商材・事業の推進、③製品事業の推進を事業領域とし、それを達成するための基盤強化については④人材育成の強化とエンゲージメントの向上、⑤製造環境の整備、福利厚生面の充実を重点課題とし、創業より磨き上げたファブリック加工技術及び周辺技術を社会のために活かし、衣料分野から生活・産業資材分野、さらに環境問題解決やインフラ強靭化等、時代が求める分野に貢献範囲を拡大しつつ、高収益企業を目指しております。
※詳細につきましては2025年5月8日公開の決算説明資料をご参照ください。
https://www.komatsumatere.co.jp/wpcontent/themes/komatsu/pdf/ir/r06/r06_04/250508_1.pdf
雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の増加もあり、景気は緩やかに回復していくことが期待されますが、物価上昇や原材料及びエネルギー価格の高止まり、節約志向による衣料品に対する消費マインドの冷え込みなどから、先行き不透明な状況が続くことが想定されます。このように当社グループをとりまく外的環境は常に変化し、事業の環境及び構図はこれまでとは様相を異にすると見られ、変化に合わせた対応が求められるようになっております。当社グループにおきましても、ブランディング戦略を重視しつつ、新商品の認知度を高め効果的に訴求してまいります。また、デジタル技術を最大限に活用し、柔軟に対応すべく経営投資を惜しみなく行っていかなければならないと考えております。
2026年3月期の連結業績は、売上高410億円(前期比3.7%増)、営業利益22億円(前期比0.9%増)、経常利益27億円(前期比4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益21億円(前期比28.4%減)を予想しております。現時点で当社が把握可能な情報に基づいておりますが、当予想は大きく変動する可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、技術開発本部を核として、本体及びグループ各社の連携を強化し、また産地協力企業とのクラスター活動や、多くの大学や公設試験場と共同研究を推進し、世界を席巻するブランドへの飛躍をめざし、事業戦略に沿った要素技術及び商品の開発を推進しております。
特に、当社の環境方針である「小松マテーレ・サステナビリティ・ビジョン」をコンセプトとし、環境に配慮した技術開発を主軸として進めており、環境配慮型素材『mateReco(マテレコ)』として当社グループ売上に占める比率を2030年までに50%以上へ拡大することを目標としております。
なお、当社グループの当連結会計年度末現在の特許及び実用新案の所有は120件、出願中は32件であり、研究開発費は、
・『MAWUS(マーバス)』…ポリエステル改質加工素材リニューアル
Multipurpose(多用途)、Anti-static(制電性)、Water absorption & quick dry(吸水速乾性)、Ultra washable(洗濯耐久性)、Soil release(汚れ除去性)の頭文字から『MAWUS(マーバス)』としており、各機能性が家庭洗濯100回の耐久性を持ち、多用途展開を図ります。また、優れた洗濯耐久性により、製品の長寿命化による資源の有効活用、廃棄物削減への貢献も期待されます。
・『QUATTRONI EX(クアトローニ EX)』…新立体形成技術:VDR Technology搭載透湿防水素材
生地素材に後加工で立体構造を規則的に造形する技術:VDR Technologyを開発できたことで、今までにない表情感と肌離れ性が良く快適な着心地を体感できる透湿防水ファブリックとなっております。海外の展示会でも、非常に高い評価を頂いており、拡販を進めております。
・『カボコーマ』…耐震補強工法開発
軽量・高強力の炭素繊維より線『カボコーマ』を用いて工場稼働を止めずに耐震補強する工法を開発しました。これは高度成長期に建設され現在も現役で稼働している古い工場建物を南海トラフなど今後発生する大規模地震から守るソリューションと位置付けています。現在、工法の公的認証取得の為の審査を受けており、来期中には一般技術評定を取得出来る見通しです。古い工場をお持ちのユーザーに向け、今期より展示会への出展などを通して販促も強化して参ります。
・『べリフォーマー』…汚泥減容化バイオ製剤
排水処理場で発生する余剰汚泥を最大100%削減可能な汚泥減容化バイオ製剤として、一昨年より事業を開始しました。バイオ剤を開発した片岡バイオ研究所、バイオ剤の能力を最大限発揮させる環境づくりを当社、市場への拡販を稲畑産業がそれぞれ担う協業体制を構築し、事業の早期拡大に努めています。活性汚泥法で排水処理をすると大量の余剰汚泥が出ると言う常識を覆し、廃棄物が出ない社会を目指しています。
・『グリーンビズ カリュー』…能登半島の赤土土壌の改良
農業振興に貢献するプロジェクトとして、能登の粘土質土壌の長期間での土壌改良効果が確認されました。昨期石川県立大学との共同研究にて、改善効果のメカニズムも解明できました。震災・豪雨災害からの復興に農業振興で貢献すべく、被災地と一緒に進んでいます。