第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、以下のとおり企業理念を掲げ、主にホーロー製品による水まわり設備機器の製造販売等の事業活動を行っております。

<企業理念>

『大切な3つの“Standard(スタンダード)”』

 ・Living Standard(住生活水準)

タカラスタンダードは、「水まわり設備機器」と「ホーロー技術」の進化を通じて、より多くの人がより心地良い暮らしを楽しめるようにお手伝いします。

 

 ・Ethical Standard(倫理規範)

タカラスタンダードは、「社会との調和」、「社員の幸せ」、「環境への配慮」を大前提に、持続的な利益成長の実現を目指します。

 

 ・Quality Standard(品質基準)

タカラスタンダードは、お客様の「信頼」が最も重要な会社の資産であると考え、製品・サービスの品質向上をすべてに優先させます。

 また、当社グループは、将来のありたい姿として以下の長期ビジョンを掲げ、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

<長期ビジョン>

『ホーローと共に、光り輝く魅力ある企業へ』

 ・「独自性」を追求し、特別な価値を提供する企業

 ・「新たな事業領域」に挑戦し、顧客を創造する企業

 ・「働きがい」「生きがい」のある企業

 ・ 社会から「信頼・尊敬」される企業

 

(2)中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

 当社グループは、長期ビジョン『ホーローと共に、光り輝く魅力ある企業へ』を掲げ、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。その実現に向けて、2024年度を初年度とする3ヵ年計画「中期経営計画2026」を策定いたしました。「変革への再挑戦」をテーマに、収益構造改革・財務戦略・サステナビリティ戦略の3つを成長戦略の柱とし、各種施策の効果創出による収益力強化と持続的成長を実現する基盤構築のため以下の点に取り組んでまいります。

 

1.収益構造改革

 国内住宅設備関連事業を中心にデジタル技術の活用による生産性の向上とマネジメントの強化、さらなる自動化・省人化を推進する。

 また新規売上の拡大のため、海外事業や新規事業を加速させ、新たな成長基盤を構築する。

 

2.財務戦略

 持続可能な成長基盤の構築に向けて、成長投資や経営基盤強化等に資本を積極的に配分するとともに、財務の健全性を維持しながら、株主還元の充実を図る。

 

3.サステナビリティ戦略

 気候変動問題をはじめとする環境問題への取組みを強化するとともに、人財開発・組織開発など人的資本の強化を図る。

 

(3)目標とする経営指標

 「中期経営計画2026」においては、財務指標に加え非財務指標を目標に掲げ、経済的価値・社会的価値両面から企業価値の向上を目指してまいります。

 

KPI

2025年3月期

(2024年度)

実績

2027年3月期

(2026年度)

※中期経営計画最終年度

2031年3月期

(2030年度)

 

財務指標

売上高

2,433億円

2,500億円

2,700億円

営業利益

156億円

200億円

270億円

営業利益率

6.4%

10%

ROE

5.8%

10%

非財務指標

CO2排出量

(Scope1+2)

51,504tCO2

49,000tCO2

(対2020年度比▲15%)

41,000tCO2

(対2020年度比▲30%)

従業員満足度

75.0%

77

80%

女性管理職比率

6.3%

10

15%

(注) 「中期経営計画2026」のROE目標を変更しております。詳細につきましては、2025年5月8日公表の「ROE8%の達成に向けた新株主還元方針と利益成長の取り組み」をご参照ください。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ方針

 当社グループは、企業理念である「Living Standard(住生活水準)」、「Ethical Standard(倫理規範)」、「Quality Standard(品質基準)」に基づき、事業活動を通じて、社会課題の解決に取り組むことにより、持続可能な環境・社会の実現に貢献し、企業価値の向上を目指してまいります。

・事業活動を通じて「より心地よい暮らし」を提供し続けるとともに、社会課題の解決に取り組み、持続可能

な環境・社会の実現に貢献します。

 

・あらゆる事業活動において環境負荷軽減・環境保全に取り組み、自然との共生を目指します。

 

・多様な個性を尊重し、能力を十分に発揮できる風土づくりに努め、健康的で働きがい・生きがいのある企業を目指します。

 

・法令やルールを順守し、公正かつ誠実な事業活動を行うとともに、多様なステークホルダーとの信頼関係の構築を目指し、公正な情報開示と建設的な対話に取り組みます。

 

(2)ガバナンス及びリスク管理

 当社グループは、2024年7月よりサステナビリティに関する委員会の体制を見直し、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置、サステナビリティ委員会の下部組織として、「環境分科会」、「人権分科会」及び「人的資本分科会」を設置しております。

 当委員会は年2回以上開催し、当社グループが環境・社会とともに持続的に成長するために、サステナビリティに関する方針や課題についての重要事項を取締役会へ答申・報告するほか、中長期的な企業価値の向上に重きを置いた経営戦略上の重要な議論・意思決定などを行います。取締役会は、当委員会からの答申・報告に基づいて、重要事項の諮問及び監督を行います。

 また、各分科会では立案・推進する活動計画の進捗管理を行います。サステナビリティ委員会と連携し、経営戦略に基づいた実務レベルのより具体的な施策を検討・実行する役割を担っております。

 

<ガバナンス体制図>

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<サステナビリティ委員会>

構成員

委員長

代表取締役社長

委員

副会長執行役員、管理本部長、生産本部長、営業本部長、研究開発本部長、

グローバル事業本部長、TDX推進本部長、ロジスティクス本部長、

ビジネスディベロップメント本部長、経営企画室長、各分科会長

オブザーバー

社外取締役1名

事務局

経営企画室

活動内容

定期開催

年2回(半年に1度)

議題

サステナビリティ方針の決定、サステナビリティ課題についての審議

社内推進体制の構築、目標設定と進捗管理、リスク管理

 

(3)重要なサステナビリティ項目

 上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は、「気候変動」及び「人的資本」と認識しております。それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。

①気候変動

a ガバナンス及びリスク管理

 気候変動を中心とした環境問題に関するリスク・機会の把握・分析、課題や対策の検討は、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会の下部組織である「環境分科会」が担っております。当分科会は経営企画室長が分科会長を務め、年4回以上開催し、TCFD提言への対応および戦略と指標の進捗、経営計画との整合を審議し、その結果をサステナビリティ委員会へ年2回以上答申します。またサステナビリティ委員会を通じて、取締役会へ答申・報告します。

 当分科会の事務局である経営企画室は、分科会の運営のほか、各部門と連携しTCFD提言への対応推進・進捗管理を行います。また、シナリオ分析を通じた気候変動のリスクと機会の把握及び対応策の検討を行い、環境分科会へ提案・報告します。

 

<環境分科会>

構成員

分科会長

経営企画室長

参画部署

研究部、開発部、生産技術部、物流企画部、購買部、営業推進部、総務部

事務局

経営企画室

活動内容

定期開催

年4回(3ヵ月に1度)

議題

リスク・機会の特定・評価、戦略・目標の策定、行動計画立案・実行・進捗管理

 

 

b 戦略

■移行リスク(1.5℃未満シナリオ)

分類

シナリオ

リスク

影響度

機会

影響度

政策や法規制

炭素税課税の導入

資材やエネルギーの調達コストが増加し、製造コスト、販管費が増加

森林環境規制等の強化

木質資材の調達難度、調達コストが増加し、製造コストが増加

市場と技術

石油化学、鉄鋼業界における脱炭素に向けたダイベストメントや事業ポートフォリオの見直しが進展

鋼材や樹脂資材、木質資材の調達難度、調達コストが増加し、製造コストが増加

木材需要の多様化

得意先・消費者の行動変化、節水・省エネ性・継続使用性の高い商品の選好

お手入れが容易で、長く使い続けられるホーロー製品等の存在感が高まる

得意先の行動変化、製造工程におけるGHG排出量の低い資材の選好

製造工程におけるGHG排出量の多い製品の需要が減少するリスクがある

木材製品の需要が増加

■物理リスク(4℃シナリオ)

分類

シナリオ

リスク

影響度

機会

影響度

慢性的

気温上昇で熱中症リスクが上昇

作業環境は、直射日光下ではないが、一定程度の影響は受ける

急性的

異常気象の激甚化・頻度が増加

被災による操業停止

災害によるサプライチェーン寸断

災害リスクの高まりによって、強靭な供給体制のある存在感が高まる

(2011年の震災時にも継続供給を実現)

■環境問題に関して取組んでいる主な事項

目的

対応策

GHG排出量の削減

太陽光パネルの設置、モーダルシフトの推進(エコシップ、鉄道利用を促進)

気象災害に対する

レジリエンスの強化

製造、物流拠点の分散化や在庫の確保といったBCPへの継続的な取組みの推進

梱包資材の省資源化

梱包を必要最低限に切り替えることで、省資源、ごみの削減、輸送・開梱作業の効率化を推進

 

c 指標及び目標

 当社のGHG排出量の算定結果(Scope1+2)と削減目標は次のとおりです。脱炭素社会の実現に貢献するため、具体的な削減策の検討を進めております。

 

実績

目標

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2026年度

2030年度

Scope1+2

57,462tCO2

60,178tCO2

61,763tCO2

58,828tCO2

51,504tCO2

49,000tCO2

41,000tCO2

(注)1 GHG排出量は、環境省HP掲載の温室効果ガス排出量算定・報告マニュアルに基づき算定

2 削減目標は、2026年度で対2020年度比▲15%、2030年度で対2020年度比▲30%と設定しております。

 

②人的資本

 当社グループは、長期ビジョン『ホーローと共に、光り輝く魅力ある企業へ』を目指し、2024年度より新人事制度をスタートさせました。この制度では、従業員ひとりひとりのチャレンジと、その成果を公正に評価する仕組みを作る事で、会社と従業員が共に発展し、相互利益をもたらす関係を築いてまいります。新人事制度により従業員エンゲージメントを向上させ、従業員が自分らしく主体的に行動し、組織に貢献することで、労働生産性の高い環境、イノベーションを生み出す組織を目指してまいります。

 

a ガバナンス及びリスク管理

 人的資本に関するリスク・機会の把握・分析、課題や対策の検討は、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会の下部組織である「人的資本分科会」が担っております。当分科会は管理本部人事部長が分科会長を務め、年4回以上開催し、従業員満足度、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)、及び人財育成の3つのテーマを中心に据え、これらのテーマに関する方針・戦略及び実施計画を策定・実行し、その結果をサステナビリティ委員会へ年2回以上答申します。またサステナビリティ委員会を通じて、取締役会へ答申・報告します。

 当分科会の事務局である管理本部人事部は、分科会の運営のほか、各部門と連携し人的資本投資の推進・進捗管理を行います。また、人的資本に関連する現状を分析、リスクと機会の把握及び対応策の検討を行い、人的資本分科会へ提案・報告します。これらの活動を通じて、従業員満足度の向上、DE&Iの推進、人財育成の強化を図り、持続可能な成長を実現することを目指しています。

 

<人的資本分科会>

構成員

分科会長

管理本部人事部長

参画部署

構造改革推進部、IT戦略部、営業企画部、営業推進部、ビジネスディベロップメント本部、事業戦略部、開発部、横浜支店、関東工場

事務局

管理本部人事部

活動内容

定期開催

年4回(3ヵ月に1度)

議題

リスク・機会の特定・評価、戦略・目標の策定、行動計画立案・実行・進捗管理

 

b 戦略

■人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針

・多様性の確保

 今後、新たな事業領域への挑戦や海外進出を本格的に行っていくにあたり、多様性の確保は欠かせません。多様な人財が集まり活躍できる環境を作ることで、イノベーションに繋がると考えております。女性管理職やキャリア採用管理職の登用・育成、障がい者雇用の促進など、多様性確保のための各指標を設定し、継続的に推進しております。また、多様な人財をマネジメントする管理職に対して、ハラスメントやアンコンシャスバイアス等の研修を実施することで多様性を活かす組織・環境づくりを進めてまいります。

 

・人財育成の強化

 新人事制度では、企業理念の実現のために、全社共通の求める人財像として「チャレンジ人財」「育成/成長人財」「自律自走人財」の3つを人財ポリシーとして掲げ、それを基に人財育成体系を再構築することで、経営戦略と人財戦略の連動を図っております。具体的には組織づくりのキーパーソンとなる管理職育成の強化、手挙げ式の研修の拡充、社外交流型研修への派遣などの研修施策を行う一方で、社内公募の拡充など自律的なキャリア構築を推進してまいります。あわせて、DX戦略をリードするDX人財の育成や従業員のデジタルスキルの開発など、リスキリングについても推進してまいります。

 

■社内環境整備に関する方針

・働きやすい環境づくり

 新人事制度では、専門職コースの新設、勤務地区分を選べるコース設定など、多様な価値観やライフスタイルに合わせた制度を構築しております。また、男性の育児参加を促す施策として、子供が生まれる従業員だけでなく、組織の長である管理職に向けても育休研修を実施しております。育児をする社員への理解を深めることで、当連結会計年度においては83.0%の男性社員が育児休暇を取得いたしました。

 また、従業員の社会貢献活動を支援することを目的として、ボランティア休暇制度を導入しました。さらに2025年度より、介護が必要な家族を持つ従業員が安心して働き続けられる環境を提供することを目的に、介護短時間勤務制度を導入します。今後も、社員ひとりひとりが働きやすい環境を整備してまいります。

 

c 指標及び目標

 当社グループでは上記において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりです。

カテゴリ

指標

目標
2026年度

実績

(当連結会計年度)

エンゲージメント

従業員エンゲージメント

(総合満足度のポジティブ回答率)

77.0

75.0

多様性の確保

女性管理職比率 ※

10.0

6.3

キャリア採用管理職比率

15.0

13.4

新卒女性採用比率

50.0

43.3

障がい者雇用率

2.8

2.76

人財育成の強化

一人当たりの研修時間

25時間

21時間

働きやすい環境づくり

男性育休取得率

100.0

83.0

有休取得率

75.0

73.3

※注 2025年4月1日時点の実績は7.8%であります。

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであり、発生する可能性、経営に与える影響度等を考慮し、リスク対策に取り組んでおります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、本記載は将来発生しうる全てのリスクを必ずしも網羅したものではありません。

 

(1)業界動向等について

 新設住宅着工戸数や持家着工数、リフォーム需要が著しく減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、新築向け・リフォーム向けそれぞれの商品展開を充実させることにより対応してまいります。

 また、企業間競争はますます激化しており、今後の動向次第では当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、独自素材である「高品位ホーロー」の訴求と業界最多を誇る全国約160ヵ所のショールーム展開によって、他社との差別化を図ってまいります。

 

(2)資材・原材料の調達について

 不安定な国際情勢などを背景とした市況の高騰によって原材料価格の上昇や、サプライヤーからの供給が不足又は停止した場合、市場の動向次第では、当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、製造コスト削減によるコスト競争力の強化に継続的に取り組むとともに、複数社購買の実施やサプライヤーの情報収集、与信管理の徹底により安定した調達を図ってまいります。

 

(3)製品・施工・アフターサービスについて

 製品・施工・アフターサービスにおいて、万が一の重大な事故が発生した場合、当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、日頃から施工・アフターサービスを含めた製品の安全性を重視し、製品開発段階から品質には万全を期した体制をとっておりますが、万が一、重大事故発生の場合には、迅速かつ適切な対応がとれる様、社内体制の充実を図ってまいります。

 

(4)地政学について

 当社グループはグローバルで事業活動を展開するにあたり、為替・金利変動、政治体制、関税・輸入規制・租税の変更等が、当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、事業担当部門と関連部門が連携し、リスク情報の共有及び未然の防止に向けた取組みを進めてまいります。

 

(5)環境・気候変動について

 大気汚染・水質汚濁・廃棄物処理や、地球温暖化対策などの各法令による規制の強化に伴い、新たな設備投資や対応費用の増加等、当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループは各業務担当部門が法務担当部門と連携し、法令を遵守するとともに、設備投資については、省エネルギーや二酸化炭素排出量の削減など、環境へ配慮した内容にて実施しております。

 なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

(6)有能な人財の確保について

 日本国内における少子高齢化による労働人口の減少や人財流出等により、有能な人財の計画的な確保・育成ができない場合、業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは多様な働き方の推進を図るとともに、人財育成のための各種研修プログラムを充実させております。また、あわせて業務の効率化や省人化を推進し、労働環境の変化に対応できる体制の構築を図ってまいります。

 なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

(7)情報セキュリティについて

 当社グループは生産・販売等において、多数のお客様の個人情報を保有しておりますが、災害・サイバー攻撃・不正アクセス・コンピュータウイルスの感染・ソフトウエア又は機器の欠陥等が発生した場合、個人情報を含む内部情報の社外流出や改ざん・破損により、事業活動の停滞や社会的信用が低下し、当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは適切なセキュリティ対策と厳正な情報管理を徹底してまいります。

 

(8)自然災害等について

 地震や台風等の自然災害の発生や重大な健康被害をもたらす感染症が蔓延した場合、当社グループの事業拠点に損害を与え、事業活動の一部又は全体に支障をきたし、復旧のための費用負担など当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、生産拠点の分散化や事業継続計画(BCP)の策定などにより災害による被害の最小化、及び当社グループの業績への影響の低減に努めております。

 なお、重大な健康被害をもたらす感染症に関して、感染拡大の状況によっては、世界的な景気悪化や消費者の消費行動変化、工場の操業停止やサプライヤーからの供給遅延に伴う当社製品の納期遅延や受注停止など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

(財政状態の状況)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ82億3千9百万円増加し、2,769億1千4百万円となりました。

 負債は、前連結会計年度末と比べ11億2千8百万円増加し、824億5百万円となりました。

 純資産は、前連結会計年度末と比べ71億1千万円増加し、1,945億9百万円となりました。

 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末69.7%から当連結会計年度末70.2%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度2,742円27銭から当連結会計年度末2,892円64銭となりました。

 

(経営成績の状況)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ86億4千2百万円増加し、2,433億8千万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。

 営業利益は、前連結会計年度と比べ32億7百万円増加し、156億3千5百万円(同25.8%増)となりました。

 経常利益は、前連結会計年度と比べ32億1千2百万円増加し、160億5百万円(同25.1%増)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ15億8千9百万円増加し、110億9千万円(同16.7%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(住宅設備関連事業)

 当セグメントの売上高は2,431億4千9百万円(前連結会計年度比3.7%増)、営業利益は154億4千万円(同26.6%増)となりました。

 

(その他の事業(不動産賃貸事業及び倉庫事業))

 売上高は3億6千2百万円(前連結会計年度比11.5%減)、営業利益は1億9千4百万円(同14.5%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ83億9千3百万円増加し、当連結会計年度末には680億5千9百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による収入は、233億6千5百万円(前連結会計年度は13億1千4百万円の支出)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による支出は、84億6千5百万円(前連結会計年度は116億6千6百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による支出は、65億6百万円(前連結会計年度は77億3千万円の支出)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

 住宅設備関連 (百万円)

179,643

+2.3

 その他    (百万円)

合計(百万円)

179,643

+2.3

(注)1 金額は販売価格によっております。

2 生産・仕入の別は、当連結会計年度の内容に準じております。

3 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。

 なお、当連結会計年度の生産実績を製品部門別に示すと、次のとおりであります。

製品部門別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

 キッチン   (百万円)

110,430

+3.7

 浴室     (百万円)

39,656

△0.1

 洗面化粧台  (百万円)

23,956

+4.0

 その他    (百万円)

5,599

△10.9

合計(百万円)

179,643

+2.3

(注)1 金額は販売価格によっております。

2 生産・仕入の別は、当連結会計年度の内容に準じております。

 

b 受注実績

 当社グループは見込み生産を主体としておりますので、受注実績の記載は省略しております。

 

c 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

 住宅設備関連 (百万円)

243,149

+3.7

 その他    (百万円)

230

△9.5

合計(百万円)

243,380

+3.7

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 なお、当連結会計年度の販売実績のうち、住宅設備関連事業を製品部門別に示すと、次のとおりであります。

製品部門別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

 キッチン   (百万円)

149,080

+5.2

 浴室     (百万円)

55,782

+1.3

 洗面化粧台  (百万円)

28,699

+4.8

 その他    (百万円)

9,586

△7.1

合計(百万円)

243,149

+3.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態の分析)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ82億3千9百万円増加し、2,769億1千4百万円となりました。これは主に、現金及び預金が83億9千3百万円増加、有形固定資産が24億8千8百万円増加、売掛金が12億8千4百万円増加した一方で、棚卸資産が31億4千8百万円減少、受取手形が15億8千5百万円減少したことによるものであります。

 負債は、前連結会計年度末と比べ11億2千8百万円増加し、824億5百万円となりました。これは主に、電子記録債務が15億2千4百万円増加、買掛金が10億6千1百万円増加した一方で、短期借入金が9億円減少したことによるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末と比べ71億1千万円増加し、1,945億9百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により110億9千万円増加、退職給付に係る調整累計額が9億5千1百万円増加、その他有価証券評価差額金が7億5千9百万円増加した一方で、剰余金の配当により37億5千8百万円減少、自己株式の取得により18億5千万円減少したことによるものであります。

 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末69.7%から当連結会計年度末70.2%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度2,742円27銭から当連結会計年度末2,892円64銭となりました。

 

(経営成績の分析)

 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しに加え、堅調な設備投資やインバウンド需要の増加などを背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、地政学リスクの継続や通商政策を始めとする米国の政策動向など、先行きは不透明な状況であります。

 住宅市場におきましては、新設住宅着工戸数は分譲マンションが都市部を中心に増加傾向となったものの、新築戸建ては低調に推移し、リフォーム需要も力強さに欠ける状況が継続いたしました。

 このような事業環境の下、当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年計画「中期経営計画2026」を策定いたしました。「変革への再挑戦」をテーマに、収益構造改革・財務戦略・サステナビリティ戦略の3つを成長戦略の柱とし、各種施策の効果創出による収益力強化と持続的成長を実現する基盤構築への取組みを推進しております。

 以上の結果、当連結会計年度における業績は、次のとおりとなりました。

 

売上高            2,433億8千万円(前連結会計年度比 3.7%増)

売上総利益           845億7百万円(前連結会計年度比 6.2%増)

営業利益          156億3千5百万円(前連結会計年度比25.8%増)

経常利益            160億5百万円(前連結会計年度比25.1%増)

親会社株主に帰属する当期純利益 110億9千万円(前連結会計年度比16.7%増)

 

 売上高は、新築住宅向けの販売が戸建・集合ともに好調に推移したことにより過去最高となり、営業利益は合理化・コストダウンの推進や価格改定効果の継続により、前連結会計年度比25.8%の増加となりました。

 営業利益の主な増加要因は、2023年度に実施した価格改定の効果による85億5千8百万円、購買コストダウンや在庫圧縮による物流費削減などによる15億1千8百万円であります。一方で、営業利益の主な減少要因は、樹脂材料・木質材などの原材料及び仕入商品の値上げによる55億2千5百万円であります。

 

 セグメントごとの経営成績の状況に関する分析は、次のとおりであります。

 

(住宅設備関連事業)

 当セグメントの売上高は2,431億4千9百万円(前連結会計年度比3.7%増)、営業利益は154億4千万円(同26.6%増)となりました。

 新築市場におきましては、戸建・集合ともに好調に推移したことにより売上高は1,594億円(前連結会計年度比8.6%増)となりました。リフォーム市場におきましては、前期の価格改定に伴う駆け込み需要の反動により、売上高は727億4千3百万円(同5.3%減)となりました。

 また、製品部門別の売上高は、各部門とも前期を上回り、キッチン1,490億8千万円(前連結会計年度比5.2%増)、浴室557億8千2百万円(同1.3%増)、洗面化粧台286億9千9百万円(同4.8%増)となりました。

 

(その他の事業(不動産賃貸事業及び倉庫事業))

 売上高は3億6千2百万円(前連結会計年度比11.5%減)、営業利益は1億9千4百万円(同14.5%減)となりました。主な減少要因は、2024年3月に当社の連結子会社であるタカラ物流サービス株式会社の損害保険代理店事業を譲渡したことによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、以下のとおりであります。

 

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ83億9千3百万円増加し、当連結会計年度末には680億5千9百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による収入は、233億6千5百万円(前連結会計年度は13億1千4百万円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上、棚卸資産の減少、仕入債務の増加による収入であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による支出は、84億6千5百万円(前連結会計年度は116億6千6百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による支出は、65億6百万円(前連結会計年度は77億3千万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払い及び自己株式の取得による支出であります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。

 当社グループは事業活動に必要な資金の十分な確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針とし、資金の財源につきましては自己資金による充当のほか、銀行借入による調達も行っております。当連結会計年度末の有利子負債の残高は67億5千万円、また現金及び現金同等物は680億5千9百万円であり、将来の資金需要に対して十分な手許流動性を確保しております。

 運転資金需要のうち主なものは、住宅設備機器の製造に必要な資材の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、業容拡大・合理化のための設備投資や、ホーロー技術の研究・新商品の開発等の成長投資であります。

 当社グループは投資計画・株主還元方針として、持続可能な成長基盤の構築に向けて、成長投資や経営基盤強化等に資本を積極的に配分するとともに、財務の健全性を維持しながら、株主還元の充実を図ることとしております。

 なお、「中期経営計画2026」期間におきましては、ROE8%実現に向けて、配当に加え自己株式の取得による株主還元も積極的に活用してまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 当連結会計年度において、重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは住宅関連機器の総合メーカーとして、多様化する顧客のニーズを的確に捉えた商品を開発するため、当社グループ間での連携を強化しながら研究開発に取り組んでおります。また、一方では基礎的研究にも力を注ぎ、長期的な研究開発にも取り組んでおります。

 当連結会計年度におきましては、各商品群で積極的な新商品開発を行うとともに、独自のホーロー技術を核とした高付加価値商品の開発を通じて商品力の強化を図ってまいりました。

 

(住宅設備関連事業)

 キッチンにおきましては、システムキッチン「トレーシア」「リフィット」や賃貸物件向けコンパクトキッチン「アピスカ」の扉カラーの見直しを行い、マット調の木目柄や落ちついたマット単色といったトレンド柄のバリエーション拡充によるコーディネート性の向上を図りました。

 キッチン本体では、調理スペースの妨げにならない「キッチン側コンセント」、周辺収納カウンターユニットでは、家電から発する蒸気を自動で庫外へ排出する「蒸気排出ユニット」などのオプションを追加し、利便性の向上を図っております。また、インテリアと調和する木目柄のカウンターを追加し、同色でコーディネートできるオープンシェルフも併せて発売いたしました。

 キッチンパネルにおきましても、トレンドを取り入れたキッチン本体とのコーディネート性が向上する新柄を採用するとともに、当社初の取組みとして、幅広い世代から人気の「ムーミン」とコラボレーションしたキャラクター柄を採用いたしました。

 

 洗面化粧台におきましては、木製洗面化粧台「リジャスト」「ウィット」の扉カラーバリエーションの拡充を図りました。キッチン同様、マット調の木目柄や落ちついたマット単色といったトレンド柄を追加しております。

 

 浴室におきましては、システムバス「グランスパ」のマンションリフォーム対応強化を行いました。選択いただけるサイズ・浴槽のバリエーションを拡充し、価格面や納期面で対応しやすくするとともに、リラックス機能やお手入れの際の衛生面にこだわった「肩包み湯(かたつつみゆ)」や、マイクロバブルにより温泉気分が味わえる「うるぽか湯」など、入浴時間を快適にする機能商品も選択可能にすることで、ラインナップの充実を図っております。

 さらに、普及価格帯の壁パネルや洗い場・浴槽のカラーバリエーションの見直しを行うとともに、照明・水栓にもトレンドのデザインを反映させることで、浴室空間全体のデザイン性向上を図りました。

 

 また、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)への協賛として、「ポップアップステージ(西)」にホーロー外装材「エマウォール」を提供しております。

 「エマウォール」は通常、壁装材として使用する建材ですが、今回はステージ横に設置される楽屋棟及び倉庫棟の屋根部分にも使用しております。加えて、通常は露出している雨樋を屋根及び壁パネルの内部に組み込み、雨水をパネル内側に通して排水する新構造を採用いたしました。雨樋が見えなくなることで、意匠性の高い外観を実現しています。これは大阪・関西万博の“未来社会の実験場”というコンセプトに呼応するものです。

 今回の取組みについては、将来的な製品化の可能性も視野に入れ、実用性の検証を行う予定です。その成果を、今後の研究および製品開発に生かしてまいります。

 

 当社グループ独自のホーロー技術開発につきましては、上記のように種々の商品で展開を行っておりますが、当社グループの最重要中核技術として引き続き基礎研究から応用技術開発まで注力し、その成果を順次新規商品に展開してまいります。

 当連結会計年度において支出した研究開発費の総額は以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

研究開発費

住宅設備関連

1,397

その他 (注)

合計

1,397

(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。