(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、遵法に徹し、公正な企業活動を行い、技術と製品による価値を創造し、社会と産業の発展に貢献することを企業理念としております。グローバルな視野をもって、幅広い分野のお客様との信頼関係を築き、多様なご要望に応え、環境にやさしい、生活を豊かにする製品づくりで社会への貢献を目指しております。そのために、基盤技術の向上により、様々なお客様との接点や対話を増やし、関係を深めていくことに努めております。
当社グループは、信越グループの総合力、樹脂加工メーカーとしての技術力とグローバルなニーズへの対応力を更に高め、いかなる経済環境にあっても力強く成長を続ける企業集団として、既存事業の競争力を強化し、売上の拡大と利益の向上を図り、また、新事業の創出に会社一丸となって積極的に挑戦しております。資産効率の向上、財務基盤の更なる強化、企業価値の最大化を推し進め、過去最高益更新を目指し、いかなる環境にあっても持続的成長の達成を目指してまいります。2024年3月期を初年度とする5か年の中期経営計画「Shin-Etsu Polymer Global & Growth 2027」を策定いたしました。以下に示す事業戦略と財務・非財務戦略の概要に基づき、外部環境の変化に応じた施策を実施してまいります。
<事業戦略>
・成長領域における新規需要の取込み
・基盤領域における販売力強化と生産性向上
・海外売上比率の拡大
<財務・非財務戦略>
・成長領域における重点的な投資の実行
・株主還元の強化
・ESGへの取組みを強化
<2028年3月期の目指すべき業績等方針>
・売上 1,500億円
・経常利益 200億円 ※
・ROE 10%超
・配当性向 ~50%
※ 経常利益と営業利益は同水準を想定
当社グループの企業理念の実現に向け、2023年度に開始した中期経営計画「Shin-Etsu Polymer Global & Growth 2027」(略称 SEP G&G 2027)に掲げる各戦略を推進し、成果につなげることが当社グループの課題と認識しております。
●SEP G&G 2027の各戦略の進捗状況と取り組み
(事業戦略)
中期経営計画の達成に向けて、引き続き成長領域における新規需要の取り込みと基盤領域における販売力強化に努めてまいります。
成長領域と位置づける半導体関連容器は、生成AIの実用化に伴う先端半導体の需要増加や、海外において汎用半導体の生産が一定の水準を維持したことなどを背景に堅調に推移しました。当社は将来の需要増を見越して、糸魚川工場の拡張、東京工場の新棟建設など生産体制を増強してまいりました。今後は、市況好転のタイミングを逃さず新たな需要を取り込み、事業の拡大を目指してまいります。
もう一つの成長領域である自動車関連製品では、EVの普及に減速感が見られますが、将来的には環境対応車へのシフトが予想され、当社はまずEV用延焼防止クッションの量産を開始いたしました。また、機能性材料では車載電子部品向け耐熱薄膜フィルムの量産化を図るべく実証・開発を進めております。さらには、高い機能性を追求し、環境対応車やバッテリーを用いた社会インフラ整備の分野においても新規製品を獲得することにより、事業の拡大を目指してまいります。
また、基盤領域と位置づける入力デバイス、OAローラ、食品包装用ラッピングフィルム、機能性コンパウンドなどの製品は差別化を徹底し、独自製品による市場シェアの拡大を図ることで、さらなる販売力強化に努めてまいります。
最適な経営資源の配分の取り組みとして、子会社の株式会社キッチニスタを2025年4月に吸収合併いたしました。ラッピングフィルム等包装資材関連事業の組織運営を一体化して製造・販売の合理化を図り、お客様の多様な要望に柔軟かつ迅速に対応することで、トップシェアの業務用小巻ラップのさらなる拡販を目指してまいります。
(財務・非財務戦略)
基盤領域の収益向上によって企業収益の土台を構築し、半導体関連容器や延焼防止クッション、耐熱薄膜フィルムに続く環境対応車の周辺部材など成長領域における積極的な設備投資を行います。また、シナジーの見込める領域でのM&Aも検討してまいります。
中期的には、ROE10%超の水準を目指し、配当性向50%以内で業績に応じた中期的に安定的な配当の継続を計画してまいります。なお、2025年3月期の配当水準は、配当性向約44%といたします。
当社グループは、企業理念に基づき、安全、公正を最優先とする経営に徹し、社会とともに成長し続ける企業を目指しております。社会からの要請・期待に応えながら、事業を通じて社会課題の解決を目指し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
CO2排出量は、2030年に2013年度比46%の削減を目標としています。また、新たに2030年の再生可能エネルギー導入比率を33%に設定いたしました。省エネ設備への切り替え等も従来の省エネ活動とともに、積極的に実施してまいります。人権尊重については、2024年にサステナビリティ委員会に人権推進小委員会を設置して、人権デューデリジェンスを推進する体制を整えました。今後もESGの重要課題に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。
なお、米国政権の政策に伴うリスクに対しては、顧客、取引先等と密接にコミュニケーションを図り、情報収集に努め、適宜対処してまいります。
文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日時点において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ委員会にてCO2排出量削減目標等、気候変動対応を審議しています。委員会ではサステナビリティ経営の強化に必要な議論を行い取締役会に報告しています。取締役会はこれらの報告を基に対応状況を監視・監督しています。2023年度に策定したロードマップに従い日本国内5工場において、各々使用電力の10%を再エネ電力に切り替えました。2024年11月にサステナビリティ委員会にて6か月間のモニタリング結果を共有しました。本委員会にてロードマップの見直しを審議し、2025年度に向けた新たな施策を策定しました。
当社グループでは、シナリオ分析の結果、GHG排出規制の強化など法規制の変更に伴う移行リスクと異常気象による物理リスクを想定しました。移行リスクに対しては再生可能エネルギーの購入などにより対処します。物理リスクに対しては持続可能な調達に向けたサプライチェーンの管理などにより対処します。また、製品とサービスにおける機会としてEVの普及やデジタルネットワーク社会の拡大を想定しました。これらに対しEV向け新製品の開発、半導体関連容器の販売拡大、電子部品向け素材製品の開発などにて機会の獲得に努めます。
気候関連のリスク
移行リスク(低炭素経済への移行に関連したリスク)
物理リスク(気候変動の物理的影響に関連したリスク)
気候関連の機会
製品、サービスの機会
想定時期 短期:10年以内/中期:10年~50年/長期:50年超
また、当社グループにおける人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針
〈人財の多様性の確保〉
当社グループでは、「従業員同士の多様性を認め、相手に寄り添う気持ちを持ち、協力し合える職場づくり」をスローガンに、ダイバーシティ&インクルージョン方針を策定しました。当社グループは、多様性を活かせる環境を実現し、持続可能な経営を推進することで、ステークホルダーからの期待に応え続けられる企業であるべく、全社を挙げてダイバーシティ&インクルージョンを推進してまいります。
① 性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、性的志向、宗教・信条、価値観などの多様性だけでなく、キャリアや経験、働き方などの多様性を互いに尊重し、認め合い、共に活躍・成長することのできる職場環境・風土づくりに努めます。
② 多様な従業員一人ひとりがいきいきと主体性を持って働き、能力と自分らしさを最大限に活かして活躍できる社内風土を醸成していきます。
③ 自ら組織運営に参画し、チームワーク力を発揮し、従業員のコミュニケーションを活発にすることで、変革(イノベーション)と新たな価値創造を実現します。
④ 仕事と家庭の両立支援、シニア層や障がい者が働きやすい環境整備など、ライフステージに応じたサステナブルな働き方が可能となり、多様な人財が更に活躍できる職場を目指します。
〈人財の育成に関する方針〉
当社グループは、人の育成と成長を経営の最重要課題の一つであると考え、高い専門性や能力を発揮できる人財の育成を積極的に進めてまいります。
当社グループは、「創造と変革を推し進める人財」を求めてまいります。その実現に向けて、ストレッチの効いた高い目標への挑戦を後押しする職場風土づくりや、現場での経験学習サイクルを回せるようなOJTを重視した育成PDCAの醸成に取り組んでまいります。また、従業員一人ひとりが主体的に「学びたい」「もっと活躍したい」「キャリアアップしたい」という意識を持てるように、絶えず学び続けられる環境を提供してまいります。
当社グループは、従業員一人ひとりが自分らしく働き、仕事を通じて成長していく環境づくりの観点から、従業員がチャレンジしやすい人事制度の構築に取り組んでおります。一般職及び管理職においてそれぞれ異なるコース別人事制度を採用し、管理職では期待される役割や職種ごとに、一般職では職務と勤務地を考慮した複数のコースを設定しております。また、当社の人事評価においては、実績や業績のみならず、成果を生み出す原動力となる能力や、組織へ貢献するチームワーク等の姿勢にも着目し、公平性と納得性を重視した評価システムを構築し、運用しております。また人事評価を担当する評価者向けにも年に2回研修を実施することで、評価システム全体の質の向上を図り、公正・公平な評価と人財育成の実践につなげてまいります。
社内環境整備方針
当社グループは、様々な価値観や違いを尊重し、全ての人々が持てる力を十分に発揮できる企業風土の醸成に取り組んでまいります。
性別や年齢などに関わらず活躍できる環境整備のため、定年後再雇用制度の充実、女性社員の活躍推進、性別に関わらず育児・介護など各々のライフステージにおいて働きやすい制度の充実を進めております。多様な経験と価値観をもつ人財を受け入れ、組織の活性化及び事業発展につなげるため、中長期的な事業戦略を踏まえ必要な人財の中途採用も積極的に行っております。
当社グループでは、サステナビリティ委員会が主体となり、気候変動リスク・機会の特定・評価を行っております。事業に与える影響度の高いリスクと評価されたリスクは、当社取締役会及び監査役会に報告しております。また、特定されたリスク・機会については、リスクの最小化、及び、機会の最大化に向けた戦略の策定や目標の設定を行い、それらの取り組み状況を定期的に取締役会及び監査役会へ報告しております。
(4) 指標及び目標
当社グループでは、スコープ1、スコープ2について2050年までのグループ会社全体のCO2削減目標を設定しました。最初に再生可能エネルギーへの電力変換、省エネ設備への切り替えを積極的に推進します。スコープ3は排出量の多いカテゴリを優先的に削減目標の設定を検討しています。また、2030年の再生可能エネルギーの導入比率を新たに33%に設定しました。
CO2排出量(スコープ1+2)の削減目標
再生可能エネルギーの導入比率目標

また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の実績は、
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、財務状態など業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクとしては、以下のようなものが考えられます。なお、記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、業績に影響を与えうる要素は、これらに限定されるものではありません。
(1) 経済動向について
当社グループの製品の需要は世界に広がっており、当社グループが製品を販売している国又は地域の経済状態の影響を受けます。また、国際社会情勢の急激な変化により、生産、仕入れ及び販売等に支障が生じ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(2) 為替レートの変動について
当社グループの海外事業では、アジア、北米、欧州等の地域において事業活動を行っておりますが、各地域における売上げ、費用及び資産等の現地通貨建ての項目は連結財務諸表の作成時に円貨に換算されるため、換算時の為替レートにより評価価値が変動し、結果として当社グループの財政状態及び業績に影響する可能性があります。
(3) カントリーリスクについて
当社グループの海外拠点では、それぞれの国に多様なリスクが存在し、これらが顕在化した場合には当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来計画に影響する可能性があります。
(4) 原材料価格の高騰・供給不足について
当社グループの製品の多くは、その主原料として石油化学製品を使用しておりますが、原油・ナフサなどの市況変動が、原材料価格の高騰に及び、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、それら供給業者に不測の事態が発生した場合や材料・部材に品質問題又は供給不足が発生した場合は、当社グループの生産活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 他社との競合について
当社グループの関連市場において、海外における競合他社とのシェア及び価格面での競争が激化しており、今後これらの状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 公的規制について
当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入に関する規制、公正な競争に関する規制、環境保護に関する規制及びその他商取引、労働、知的財産権、租税、通貨管理等にかかる法令諸規則の適用を受けています。これらの法令諸規則又はその運用にかかる変更は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 新製品開発に関連して
当社グループが事業展開する電子機器、半導体関連の事業分野は、技術革新とコスト競争が激しい業界です。提案型・開発型企業として新製品開発や生産技術改革に努めておりますが、業界や市場の変化に的確に対応できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産に関連して
当社グループは、事業を遂行する上で、製品や製造工程における知的財産権を保有し維持管理しています。また、必要に応じて第三者の知的財産権を使用するために相手方からライセンスを取得します。それらの権利保護・維持又は取得が適切に行われない場合、相手方による模倣や訴訟を受ける可能性があり、その結果、費用負担などにより経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 自然災害について
当社グループでは、一部の製品を専門工場において集中生産しております。このため地震、風水害等の自然災害が発生した場合、一部の製品の生産に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 製造物責任について
当社グループでは、原材料をはじめとして、製品設計、製造・出荷など各工程において最適な品質管理に努めておりますが、予期せぬ製品不具合などで製造物責任賠償などが発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 感染症の流行について
新型コロナウイルス感染症等、大規模な感染症の流行が発生した場合、一時的な操業停止やサプライチェーンの停滞等、生産・販売活動等の事業活動が支障をきたし、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 気候変動について
当社グループは、カーボンニュートラル実現に向け、グループ全体の事業活動の中でCO2排出量削減等に取り組んでおりますが、気候変動がより顕在化したり、低炭素社会への移行に適切に対応出来ない場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 米国の関税政策について
当社グループは、米国政権が課す追加関税の対象輸出品が少量のため、受ける影響は軽微と想定しておりますが、現時点では関税政策は不確定要素が多く、今後の政策動向によっては、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度末における総資産は、建物及び構築物(純額)が10,111百万円、現金及び預金が2,448百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が2,442百万円、機械装置及び運搬具(純額)が2,150百万円、未収入金が1,242百万円、原材料及び貯蔵品が941百万円、有形固定資産のその他(純額)が780百万円、商品及び製品が730百万円それぞれ増加し、建設仮勘定が7,798百万円、流動資産のその他が697百万円それぞれ減少したことなどにより、152,988百万円(前連結会計年度末比12,209百万円増)となりました。
当連結会計年度末における負債は、未払法人税等が1,888百万円、未払費用が556百万円それぞれ増加し、未払金が590百万円減少したことなどにより、29,834百万円(前連結会計年度末比2,022百万円増)となりました。
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が5,472百万円増加したことに加え、前連結会計年度末と比較して主要な海外連結子会社の記帳通貨において円安となった結果、為替換算調整勘定が5,429百万円増加したことなどにより、123,154百万円(前連結会計年度末比10,187百万円増)となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の80.0%から80.2%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の1,394円32銭から1,525円86銭となりました。
当連結会計年度における世界経済は、インフレ圧力の緩和が進み、米国では良好な雇用情勢もあり個人消費が堅調を維持しましたが、欧州では製造業不振の長期化により景気の足踏みが続きました。中国では輸出は堅調でしたが、国内需要の低迷により景況減速が続きました。また、ウクライナや中東での紛争の長期化に加え、米国の政策変更もあり、先行きの不透明感が高まりました。
日本経済は、世界的に半導体需要が堅調に推移したことから輸出が持ち直し、企業の生産活動が緩やかに回復し、設備投資も堅調に推移しました。
当社グループの関連する産業においては、自動車産業ではEVの販売は減速しましたが、その他環境対応車の販売が堅調に推移しました。半導体産業ではAIの実用化が進み、先端半導体の需要が高水準で推移しました。
このような状況のもと、当社グループは国内外において主力製品及び新規事業製品の拡販に注力した営業活動を継続的に展開し、生産・供給体制の拡充を図りました。半導体関連容器は生産能力の増強を継続的に進めました。また、将来的に需要拡大が予想されるEVバッテリー向け延焼防止クッションの量産を開始しました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は110,582百万円(前連結会計年度比5.9%増)、営業利益は13,271百万円(前連結会計年度比20.1%増)、経常利益は13,218百万円(前連結会計年度比14.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,430百万円(前連結会計年度比8.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
① 電子デバイス事業
当事業では、自動車産業の需要環境が厳しさを増したことから、車載向けの入力デバイスなどの車載関連製品が低調に推移しました。一方で新規開発の延焼防止クッションの出荷を開始したことでコンポーネント関連製品は前年を上回りました。自動車産業以外では、ラップトップPC用タッチパッドは低調でしたが、民生機器需要が堅調に推移したことを受け液晶接続用コネクターが前年同期を上回りました。
この結果、当事業の売上高は24,848百万円(前連結会計年度比2.6%減)、セグメント利益(営業利益)は1,190百万円(前連結会計年度比42.6%減)となりました。
② 精密成形品事業
当事業では、半導体関連容器は日本を含め地域による濃淡はありますが、堅調に推移しました。OA機器用部品はプリンター需要の好調を受け、プリンター用ローラが大幅に伸びました。キャリアテープ関連製品はAIサーバー部品用など大型電子部品向けが堅調でした。シリコーンゴム成形品はメディカル用製品が伸び前年同期を上回りました。
この結果、当事業の売上高は56,024百万円(前連結会計年度比17.7%増)、セグメント利益(営業利益)は10,244百万円(前連結会計年度比42.1%増)となりました。
③ 住環境・生活資材事業
当事業では、カラー製品の伸長など外食産業向け小巻ラップの需要は堅調に推移しましたが、市場での機能性コンパウンドの在庫調整長期化及び塩ビ管等の事業譲渡により前年同期を下回りました。また、経営資源集約による効率化を図るべく株式会社キッチニスタの吸収合併を決定しました。
この結果、当事業の売上高は22,080百万円(前連結会計年度比8.7%減)、セグメント利益(営業利益)は1,363百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。
④ その他
その他の売上高は7,628百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益(営業利益)は473百万円(前連結会計年度比21.6%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
受注生産はその他の一部においてのみ行っております。
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先はありません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、42,736百万円(前連結会計年度末比2,063百万円の増加)となりました。
なお、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は5,034百万円の増加(前連結会計年度は340百万円の減少)となりました。
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、16,013百万円(前連結会計年度比4,039百万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益13,207百万円、減価償却費5,714百万円、為替差損587百万円の計上などの増加要因のほか、法人税等の支払い2,286百万円、仕入債務の減少1,025百万円、未払又は未収消費税等の増減額789百万円、棚卸資産の増加671百万円などの減少要因によるものであります。
当連結会計年度における投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出10,679百万円、無形固定資産の取得による支出280百万円、定期預金の増加による支出265百万円などにより、10,979百万円の減少(前連結会計年度比1,334百万円の支出減)となりました。
当連結会計年度における財務活動による資金は、配当金の支払い3,951百万円のほか、自己株式の取得による支出810百万円などにより、4,904百万円の減少(前連結会計年度比756百万円の支出増)となりました。
当社グループは、財務体質の健全性確保と、研究開発投資や生産設備投資及びM&Aなどを行うための資金需要に対応してまいります。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、主に内部資金により対応する方針としております。
当社の配当政策としましては、株主の皆様への利益還元を重要課題のひとつとして認識し、業績に応じた中期的に安定的な配当を継続してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定の策定について、過去の実績や現状に応じて合理的に判断しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は見積り特有の不確実性を有しているため、実際の結果とは大きく異なる可能性があります。このうち、当連結会計年度において特に重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。
その他、当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社は、2024年10月24日開催の取締役会において、当社を存続会社として当社の完全子会社である株式会社キッチニスタを吸収合併することを決議し、2025年4月1日をもって吸収合併いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 2財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発の基本は、お客様との密接なコミュニケーションを通して、お客様のニーズを掘り起こし、暮らしや社会に価値ある製品を提供することにあります。
当社グループの技術展開の核となる基盤技術は、シリコーンや各種プラスチック、導電性素材をキーマテリアルとした「材料・配合」、「設計」、「加工プロセス」、「評価・解析」であります。これらの基盤技術を深耕・応用し、幅広い分野でお客様のニーズにお応えしていくことを研究開発の使命と考えております。
研究開発体制としましては、開発本部が中心となり、コア技術のブラッシュアップと新技術の確立を目指して、現業開発と新事業開発を開発第一部から第五部、技術開発部がそれぞれ担っております。営業本部、生産本部と三位一体となって、高付加価値製品の開発へ迅速な対応に努めております。
セグメントごとの活動概要は下記のとおりであります。
① 電子デバイス事業
当事業では、自動車や電子機器の入力部品、ディスプレイ関連部品やコンポーネント関連製品の開発を行っております。高精細印刷技術をベースとした静電容量方式による入力部品やセンサー部品の開発と、シリコーンゴム加工技術をベースとした異種素材との複合化製品の開発を中心に、車載機器、モバイル機器、家電製品などの各市場における新規需要の開拓に取り組んでおります。
② 精密成形品事業
当事業では、半導体ウエハーや電子部品の搬送用資材、OA機器・医療機器部品などの精密成形品の開発を行っております。当社独自の精密加工技術と評価技術をベースに、次世代半導体ウエハー用の搬送容器及び電子部品の微細化や次世代半導体パッケージに対応した搬送テープの開発に取り組んでおります。また、半導電化技術や発泡技術などシリコーンゴム配合技術により、顧客要求に応じたOA機器用部品や自社設計医療機器用部品の製品開発を行っております。
③ 住環境・生活資材事業
当事業では、樹脂波板などの土木建築資材、食品包装資材などの住環境・生活関連製品や自動車部品、電子部品、電線などの機能性材料の開発を行っております。特に、スーパーエンプラを素材とした薄膜フィルム、導電性・耐熱性を付与する導電性ポリマー、インフラメンテナンス市場向けの製品開発と需要開拓に注力しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は