第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、産業防災保安機器メーカーとして、「人々が安心して働ける環境づくり」を永久のテーマとして社会の発展に貢献することを経営理念とし、良き企業市民として、法令遵守と環境保全に努め社会的責任を果たすため、以下の5つの経営方針を掲げております。

 

・技術の開発と経営の合理性から、適正な利益を追求し、持続的な発展を目指す

・お客様には、高品質の製品と充実したサービスを提供し、安全な環境づくりに貢献する

・株主には、長期的視点に立った企業価値の向上をもって報いる

・取引先とは、安定した取引を目指し、共存共栄を図る

・従業員には、生活の安定と労働環境の向上をもって報いる

 

(2)目標とする経営指標

 事業活動における収益性の向上と同時に、資本効率の向上を図るため、営業利益及び自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

 当社グループは、中長期的な目標として産業用ガス検知警報器分野で国内のトップメーカーから、世界のトップメーカーを目指し、①競争力(価格・技術・品質)の強化、②販売サービス体制の最適化を積極的に推進しております。

 競争力強化の具体策としては、自社独自の技術による新製品の開発により、「多機能化」、「小型化」、「高信頼性」を実現する製品差別化戦略で、価格・技術・品質面での競争力の強化を目指します。

 販売サービス体制の最適化につきましては、ユーザーの工場の新設・移転等の事業環境の変化に対応するため、拠点の新設・統合等を含む柔軟かつ機動的な再配置、最適なサービス体制を目指し、運用面での技術指導から保守点検に至るまで万全なサービスネットを構築し、ユーザーニーズを素早くキャッチアップする体制づくりを推進しております。この結果、主力製品である産業用ガス検知警報機器は、半導体・液晶、石油化学、建設、電気・ガス、鉄鋼、造船等の幅広い業種にてご利用いただいております。

 今後は、海外市場シェア拡大の経営方針のもと、海外進出を加速させ、世界市場における当社シェアの拡大を目指します。

 

(4)優先的に対処すべき課題の内容

 今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の今後の更なる拡大、経済への悪影響の継続、財政圧迫等のリスクは依然として残っています。わが国経済においても、持ち直しの動きはあるものの、米中対立の加速等、先行き不透明な状況が続くと思われます。

 一方、当社グループを取り巻く経営環境においては、主要顧客である半導体業界は新型コロナウイルス感染症予防対策によるリモートワークの拡大や、巣ごもり生活により家電やゲーム機等の売れ行きが好調なことから、今後も半導体需要が増加するものと見込まれます。また、エネルギー関連・自動車関連・鉄鋼関連業界も徐々に回復基調が見込まれます。

 このような状況のもと、当社グループは、産業用ガス検知警報機器開発のフロントランナーとして、世界の人々が安心して働ける環境づくりに引き続き貢献すべく、次の課題に取組んでおります。

 

1.海外市場シェア拡大を中心とした、国内外での販売・メンテナンスネットワークの拡大強化、サービス体制の更なる充実

・海外関連会社の子会社化による海外拠点の整備、展開

・営業支援ツール導入によるDX化の取り組み

・海外販売店のメンテナンス能力向上に向け教育支援体制の強化

 

2.多様化するマーケットニーズに対応した製品のラインナップの充実

・多様な市場、顧客の要望に対応した多品種製品開発の継続

・脱炭素社会の実現に向けた新規製品開発の強化

・技術開発力強化のための積極的投資

 

3.品質・生産性の向上及び徹底したコストの低減

・開発センター集約による技術開発力の向上や製品開発の早期化

・変化する市場環境に対応可能なQMS・EMSへの強化、運用の安定化

 

4.社会の一員としてESG、SDGs課題への積極的な参加

・事業領域を通じたSDGs目標達成への貢献

・再生可能エネルギー導入等によるCO排出量削減推進

 

 『見えない危険を、見える安心に』をテーマに、変化・進化・強化を重ね、当社グループに課せられたミッションをクリアすべく、グループ一丸となって取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)法的規制について

 当社グループが取り扱うガス検知警報機器類の設置義務及び保守点検については、主に以下の法的規制があります。新たな法規制や改廃は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 上記の法的規制に関するリスクが顕在化する可能性を推測することは困難ですが、当社は業界内外からの情報収集に努め、あらかじめ備えることにより当社グループの業績への影響を抑えてまいります。

 

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(2)製品の欠陥について

 当社グループは、品質管理の国際規格に基づく製品製造並びに内部基準による保守・点検業務を行っておりますが、製品の欠陥や製品設置時の調整ミス等に起因する誤作動により、ユーザーに物的・人的損害を与える可能性があります。

 また、製造物及び完成作業リスクを対象とした総合賠償責任保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。

 製造物責任賠償につながるような重大な製品の欠陥や調整作業ミスは、多額の費用や当社グループの評価に重大な影響を与え、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)研究開発について

 当社グループは、電気・物理・化学など幅広い技術力をベースに、ガスセンサーの研究開発から、最先端技術を駆使した新製品の開発を最も重要な経営課題としております。

 製品の開発には、ユーザーニーズにそった使用目的・使用場所に応じた新技術開発を行っておりますが、当社グループの経営成績に寄与する保証はありません。

 

(4)設備投資動向の変動について

 当社グループが取り扱うガス検知警報機器の需要は、主にエレクトロニクス・石油化学・船舶業界等の民間設備投資、電力・ガスを含む公共設備投資の動向に左右されます。

 よって、経済環境の変化による設備投資の変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)海外事業展開について

 当社グループでは、日本における事業活動に加え、製品の輸出をはじめとする事業活動を海外にも展開しております。これらグローバルな事業展開に関するリスクとして、事業を展開している国及び地域における、政治経済情勢の悪化、輸出入・外資の規制、予期せぬ法令の改変、治安の悪化、国家間の経済制裁、テロ・戦争・感染症の発生その他の要因による社会的混乱等が考えられます。当社グループとしては、当該政治経済情勢や、各国・地域の規制動向に注視し、状況に応じた対応がとれるよう努めていますが、これらの事象の発生により、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)資材等の調達について

 当社グループの生産活動において調達先が限られる特殊な材料、資材等を一部使用しており、代替材料の検討並びに該当材料・資材等の複数購買の推進に努めております。しかしながら、これらの供給の逼迫や遅延、価格変動等が生じた場合には、購入費用の増加、生産の遅延等により当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)新型コロナウイルスに関するリスクついて

 新型コロナウイルスの等の感染症拡大により、当社グループの生産体制、物流体制、営業活動等の事業活動の継続に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは昨年4月7日の緊急事態宣言の発令以降、全事業所にて在宅勤務、時差出勤、Web会議システムの活用等、新型コロナウイルス感染予防対策を強化し、継続的にお客様、お取引先様、従業員とその家族の感染防止に努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の売上高は、主要顧客である日本国内及び中国・台湾を中心とする東アジアの半導体業界の設備投資が堅調に推移し、また、自動車関連・エネルギー関連・二次電池関連業界に復調の動きがあった結果、322億9百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。

 営業利益は、主として当社において退職金制度を改定したことにより、2021年3月期末時点の退職給付債務が減少し、退職給付費用の戻りが発生し、利益が増加したことにより、65億9千8百万円(前連結会計年度比6.5%増)となりました。

 営業外損益は、主として為替差益が1億5千6百万円増加したことにより、前連結会計年度2億6千5百万円の利益(純額)から当連結会計年度3億2千5百万円の利益(純額)となり、経常利益は69億2千3百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。

 特別損益は、主として減損損失が1千6百万円減少したことにより、前連結会計年度2億7千5百万円の損失(純額)から当連結会計年度2億6千3百万円の損失(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は66億5千9百万円(前連結会計年度比7.6%増)となりました。

 「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を合わせた税金費用は、前連結会計年度の16億9千3百万円から当連結会計年度は18億8千5百万円と、1億9千1百万円増加しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は46億9千1百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末と比較して41億6百万円増加し、643億2千6百万円(前連結会計年度末比6.8%増)となりました。

 流動資産につきましては、受取手形及び売掛金が5億9千4百万円増加、流動資産その他に含まれる未収入金が5億9百万円増加した一方、現金及び預金が5億9千5百万円減少、有価証券が7億7千3百万円減少しております。

 固定資産につきましては、リース資産が8億9千8百万円増加、春日部新棟(生産センター)及び連結子会社である株式会社理研計器奈良製作所の新社屋が完成したこと等により、建物及び構築物が44億8千6百万円増加した一方、建設仮勘定が27億1千8百万円減少しております。また、投資有価証券が9億4千6百万円増加、退職給付制度の改訂等により、退職給付に係る資産が6億7千3百万円増加しております。

 負債につきましては、支払手形及び買掛金が4億1千5百万円増加、リース債務(固定負債)が8億7百万円増加した一方、未払法人税等が3億7千5百万円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して11億2千6百万円増加し、117億1千万円(前連結会計年度末比10.6%増)となりました。

 純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して29億7千9百万円増加し、526億1千5百万円(前連結会計年度末比6.0%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、10億8千3百万円減少し、139億3千2百万円(前連結会計年度末比7.2%減)となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益66億5千9百万円、減価償却費13億9千1百万円があった一方で、法人税等の支払額21億1百万円、売上債権の増加8億2百万円、退職給付に係る資産の増加6億7千3百万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ収入が10億9千万円(21.1%)減少し、40億8千9百万円となりました。

 

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却による収入9億9千8百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出26億2千3百万円、有価証券の取得による支出11億8千9百万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ支出が5億7千1百万円(17.2%)減少し、△27億5千6百万円となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出11億1千4百万円、配当金の支払額9億7千5百万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ支出が12億7千9百万円(107.2%)増加し、△24億7千2百万円となりました。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

自己資本比率(%)

79.5

78.3

77.6

78.8

79.3

時価ベースの自己資本比率(%)

81.9

101.9

87.3

78.8

99.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(年)

0.7

0.8

0.7

0.5

0.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(倍)

125.7

110.2

144.0

185.7

120.6

 

自己資本比率           :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率     :株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い

 

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

(注3)営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループの事業は、各種産業用測定機器の製造・販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、機種別の情報を記載しております。

a.生産実績

機種別

生産高(千円)

前連結会計年度比(%)

定置型ガス検知警報機器

13,759,637

113.3

可搬型ガス検知警報機器

6,418,685

96.6

その他測定機器

871,127

92.2

合計

21,049,450

106.7

(注)1.金額の表示は、販売価格換算で表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

機種別

受注高

(千円)

前連結会計年度比

(%)

受注残高

(千円)

前連結会計年度比

(%)

定置型ガス検知警報機器

23,705,201

110.5

4,163,921

142.3

可搬型ガス検知警報機器

8,804,817

89.9

1,429,936

100.3

その他測定機器

927,826

85.1

235,350

94.3

合計

33,437,845

103.4

5,829,208

126.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

機種別

販売高(千円)

前連結会計年度比(%)

定置型ガス検知警報機器

22,466,803

104.4

可搬型ガス検知警報機器

8,800,531

92.1

その他測定機器

941,961

83.8

合計

32,209,297

100.1

(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

キオクシア株式会社

2,786,377

8.7

3,624,062

11.3

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度における経済情勢は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の中、経済活動の抑制により極めて厳しい状況になりました。一方で、中国では早期に経済活動が再開され、設備投資の回復が進みました。世界各国でも徐々に経済活動が再開し緩やかな回復の兆しも見られますが、新型コロナウイルス感染症拡大の波が断続的に訪れていることや、また、米中貿易摩擦の影響が引き続き懸念されることから、経済の先行きは予断を許さない状況が続いております。

 当社グループの属する産業用ガス検知警報機器業界におきましても、前期に比べ厳しい市場環境下で推移するものと懸念されましたが、主要顧客である日本国内及び中国・台湾を中心とする東アジアの半導体業界の設備投資が堅調に推移し、また、自動車関連・エネルギー関連・二次電池関連業界に復調の動きがありました。

 このような情勢の中で、当社グループは、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じるとともに、生産の合理化による原価低減、徹底した経費削減、オンラインを活用した営業活動の展開、新製品開発への積極的な投資、品質管理体制およびサービス体制の充実に継続して取り組んで参りました。

 これらの諸施策の結果、当連結会計年度の売上高は322億9百万円(前連結会計年度比0.1%増)、営業利益は65億9千8百万円(前連結会計年度比6.5%増)、経常利益は69億2千3百万円(前連結会計年度比7.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億9千1百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。

 

 当社グループの事業は、各種産業用測定機器の製造・販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容に代えて、以下に機種別の売上の概況を記載いたします。

 

定置型ガス検知警報機器

 主要顧客である半導体業界の設備投資は第5世代移動通信システム(5G)の普及や、リモートワーク等のライフスタイルの変化などを受けて半導体需要が増加したことから堅調に推移しました。そのため、国内・中国・台湾の半導体工場や、国内の半導体製造装置メーカー向けに「スマートタイプガス検知部 GD-70D」の売上を伸ばしました。

 また、「指示警報ユニット RM-5000」を軸としたガス検知警報機器が、国内の半導体・石油化学・造船・自動車・航空宇宙等、幅広い業界で売上を伸ばしました。

 その他には、「炉内セフティモニター SD-2500」が中国のリチウム電池業界、及びリチウム電池業界向けの国内装置メーカー向けに売上を伸ばし、「スマートタイプガス検知部 SD-1」が海外の造船、及び国内外の石油化学・半導体業界向けに売上を伸ばしました。

 期初は新型コロナウイルス感染症拡大の影響が懸念されましたが、売上高は224億6千6百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。

 

可搬型ガス検知警報機器

 2020年から本格販売を開始した世界最小・最軽量クラスの「ポータブルガスモニターGW-3」が、国内・海外の製鉄・鉄鋼業界向けに売上を伸ばしました。また、昨年より販売を開始した「GX-3Rシリーズ」も売上は堅調に推移しました。

 しかしながら、海外市場においては新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、厳しい市場環境下で推移しました。

 この結果、売上高は88億円(前連結会計年度比7.9%減)となりました。

 

その他測定機器

 各国の大学や研究機関に需要のある「大気中光電子分光装置ACシリーズ」は、新型コロナウイルス感染症拡大の世界的な影響が懸念されましたが、売上は前期比でほぼ横ばいとなりました。一方、昨年度、国内外のガス・電力・製鉄市場を中心に売上を伸ばした「防爆型熱量計OHC-800」は、今期需要が一服した反動で、その他測定機器全体としては減少する結果となりました。

 この結果、売上高は9億4千1百万円(前連結会計年度比16.2%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払い等であり、財源は主として自己資金(営業活動によるキャッシュ・フロー)または金融機関からの借入によっております。財務政策といたしましては、常に最適な財務比率と資金効率をバランスよく維持し、財務体質のより一層の健全化を図ることとしております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

(a)繰延税金資産の回収可能性

 繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。

 当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

(b)固定資産の減損処理

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、創立以来「人々が安心して働ける環境づくり」を永久のテーマとし、電気・物理・化学など幅広い技術力をベースに、センサの研究開発から、最先端技術を駆使した新製品の開発を最も重要な経営課題としております。

 製品の開発では、ユーザーニーズにそった使用目的・使用場所に応じた新技術開発を行っており、世界で最も信頼されるトップブランドとしての地位を維持し続けるように、積極的な研究開発活動を行っております。

 

(1)研究開発目的

・ガスセンサの高機能化(高感度化・対象ガス選択性向上・インテリジェント化)の研究開発

・産業災害(ガス爆発・ガス中毒・酸欠)を防止する製品・システムの開発

・環境汚染・公害を防止する製品・システムの開発

・各種センサを応用した新市場向けの製品開発

・新技術・各種ソフトを取り入れた新分野向けの製品開発

 

(2)主要課題

・高信頼性センサの確立

・製品の小型化・多機能化の追求、操作性・メンテナンス性の向上

・新技術・新ソフト・各種通信技術の導入

 

(3)研究開発体制

 当社グループの研究開発は、当社の技術開発本部が担い、研究開発に係わるスタッフは総従業員数の15.4%に当たり、当連結会計年度における研究開発費は、1,908百万円(対売上高比5.9%)であります。

 基礎研究については、理化学研究所をはじめ、大学等の研究機関との交流を積極的に行い、基礎技術の向上と先端技術の導入を図っております。

 なお、ガスセンサ及びその他のセンサの研究開発は当社研究部が担当し、製品・部品・システムの研究開発は当社技術部が担当し、新製品の開発についてはプロジェクト体制により行っております。

 

(4)研究開発成果

 当連結会計年度における機種別の主な研究成果は、次のとおりであります。

① ポータブルガス検知警報機器

・GX-3R ProからのBluetooth通信によるガス検知器情報をLoRa無線(省電力で広いエリアをカバーする無線通信規格のひとつ)で送信させる防爆型携帯端末TR-L1を韓国の鉄鋼向けに開発しました。

・04シリーズにBluetooth通信機能を持たせた非防爆仕様のラインナップを追加しました。酸素と一酸化炭素の2成分を検知するCX-04BTと一酸化炭素の1成分検知のCO-04BTを開発しました。

 

② 定置型ガス検知警報機器

・FI-800の後継機種として海外の防爆認証にも対応したFI-900を開発しました。ガス流通路におけるガスバリア性・耐食性をアップさせたことで、FI-800では対応できなかったガス種への測定も可能としました。

 

③ ガスセンサ

・ポータブル検知器用センサ

 GX-3R Pro、SC-04に搭載する毒性ガスセンサ(ESR-A13D、ESR-A13D2)を開発しました。開発したセンサにより二酸化窒素、シアン化水素、ホスフィンガスの検知を可能としました。

・定置検知器用センサ

 SD-3に搭載する硫化水素センサ(ESF-A24R)を開発しました。

 GD-F4A-Aに搭載する高濃度の二酸化炭素ガスが存在する雰囲気でも検知が可能な酸素センサ(OS-C11-A)を開発しました。