当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)中期経営計画
当社グループは、2021年5月に2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、「社会に欠かせない企業」をめざす「2050長期ビジョン及び2024中期経営計画 -Beyond110-」を公表いたしました。これに基づき、HOP、STEP、JUMPの3段階に分けた取組を推進しており、現在は、初期段階であるHOP期間を終え、STEP期間へと移行しています。各ステージでの取組を着実に積み重ねることで、社会の持続的な発展に貢献し、それが結果として当社グループの企業価値の持続的な向上につながるものと考えております。
価値創造の重要課題の内容は、以下のとおりです。
1. 脱炭素社会実現に向けたエネルギー課題への取組
ポンプは社会に欠かせない機器であるだけに、稼働台数が多く稼働時間も長く、莫大なエネルギーを消費するのも事実です。当社グループはこれを機会と捉え、ポンプの高効率化を徹底的に追求することで、消費電力及びCO2排出量を削減してまいります。2024年度には、世界最高水準の効率を達成した「スーパーエコポンプ(SEP)」を開発、販売開始し、省エネ大賞最高位の「経済産業大臣賞(電気需要最適化分野)」を受賞いたしました。今後、脱炭素化に取り組む大型工場等を主なターゲットに省エネ提案を強化してまいります。
また、次世代エネルギー向けのポンプの開発では、液化アンモニアや液化水素を扱うポンプの開発にも積極的に取り組んでおり、2024年度には液化アンモニアポンプの商用規模での実液試験をインドネシアで実施しました。前年度に初号機の開発を完了した液化水素ポンプにおいても、さらなる高圧化及び大流量化に向けて引き続き開発を加速してまいります。
これらに加えて、CO2分離回収プロセスにおけるポンプに関しても、新たに市場参入するなど、さまざま方向から脱炭素社会の実現に向けて取組を進めてまいります。
2. 安全・安心な社会の構築
大型・高圧ポンプの提供を通して、人の暮らしに欠かせない「水と電気」のインフラを安定的に支えております。とくに海水淡水化プラント向けポンプでは高い競争力を持ち、近年は中東諸国や北アフリカ諸国に多数のポンプを納入してまいりました。
また、近年頻発するゲリラ豪雨への対策として、独自技術を採用した気候変動対策向けポンプにより、減災・防災に貢献してまいります。これらの技術は、国土交通省が推進する下水道技術海外実証事業(WOW TO JAPANプロジェクト)にも採択され、パキスタンの排水機場において採用・高評価を得ております。
3. データ・AIの活用による新しいモノづくりとサービスの構築
日本をはじめ先進国では少子高齢化が進み、人手不足や技術継承の課題が深刻化しています。当社グループはこれに対応するため、小型センサ一つで機械の状態を遠隔監視できる回転機械モニタリングシステム「TR-COM」を販売しております。
2024年度には、TR-COMが経済産業省のスマート保安プロモーション委員会により「スマート保安技術」として認定されました。また、「インフラメンテナンス大賞」において農林水産省特別賞を受賞し、官公需分野での信頼向上と引き合い拡大にもつながっております。さらに、顧客ニーズに応え、防爆仕様の開発・販売も開始しました。2017年の販売開始以来、累計販売個数は2万個を突破いたしました。
これらの価値創造に向けた取組は、中期経営計画の進捗とともに段階的に深化しており、持続可能な企業価値の向上に貢献するものと考えております。そうした取組の積み重ねを背景に、HOP期間では初年度より受注が好調に進み、当初掲げた2029年度目標を7年前倒しで達成したことから、2023年度終了時には目標を再設定いたしました。目下は、STEP期間の最終年度である2029年度に向けて、「売上高1,000億円規模、営業利益率10%以上、ROE10%以上」を主要な目標として掲げ、製品・サービスの高度化、グローバル市場における事業基盤の強化、ならびに持続可能な企業価値の向上をめざし、複数の施策を推進しております。
一方で、昨今の国際情勢の変化や為替変動、原材料価格の高騰など、事業環境の不透明感は依然として高い状況が続いております。このような外部環境の不確実性はあるものの、現時点での2025年度の連結業績は、以下のとおり見込みます。
〔連結業績〕
売上高 89,000百万円
営業利益 6,700百万円
経常利益 5,800百万円
親会社株主に帰属する当期純利益 4,300百万円
(為替レートは1ドル=145円、1ユーロ160円を前提としております)
※業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(2)2025年度の重要な対応課題
現状、売上高は中期経営目標に向けて順調に伸びるなか、営業利益率の改善が今後の大きなテーマとなります。そのため、当連結会計年度におきましては、これまでの取組の中で明らかとなった改善の必要性を踏まえ、以下の重要課題に注力してまいります。
1.「つくる力」の強化
1-1. フロントローディング
2025年度では、製造プロセスの起点となる設計工程での対応力強化を最重点課題としております。具体的には、当社製品がすべて受注生産であることから、個別案件ごとに最適な設計対応が求められ、営業部門との緊密な連携による情報共有や早期の課題解決が極めて重要となります。このため、受注活動の初期から課題を顕在化させて対応する「フロントローディング」の考え方を導入し、営業部門との連携体制を強化するとともに、設計人財を営業部門に配置するなど、組織横断的な改善を進めております。これにより、手戻りの抑制やリードタイムの短縮を図り、総作業負荷を削減して生産性の改善をめざします。
1-2. 生産能力増強
機械加工能力の増強を行い、社外に流出していた収益の取り込みをめざします。具体的には、国内外の子会社において設備投資をすでに開始しております。また、M&Aによる生産能力の向上も含めて、柔軟な生産拠点戦略を検討してまいります。
2.サービス事業の強化
当社グループでは、ポンプ納入後に利益率の高いアフターサービスや保守関連業務が継続的に発生するという事業構造を経営戦略の柱の一つとし、中長期的な利益体質の強化を図っております。とくに海水淡水化プラント向けポンプ等の納入実績が多い中東地域を重点地域と定め、サービス体制の拡充に取り組んでおります。具体的には、エジプト、アラブ首長国連邦、カタールに新拠点を開設。さらに、よりお客様に近い場所での対応を可能にするため、サウジアラビアでは拠点を移設し、今年から順次稼働を開始しました。既存マーケットでも、新たなサービス拠点の設置を検討中です。
現在の旺盛な受注環境を追い風に、こうしたグループ戦略を着実に進めることで、一定のタイムラグを経て、利益率の高いアフターサービスや保守業務の受注拡大につなげてまいります。
これらの取組により、2029年度の目標である「売上高1,000億円規模」「営業利益率10%以上」「ROE10%以上」をめざします。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、当社グループは、全セグメントの売上高の合計、営業利益の合計額に占めるポンプ事業の割合がいずれも90%を超えているため、記載を省略しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、企業活動の礎である「社是」のもと、「経営理念」と「行動指針」を定め、「EVOLUTION」をキー
ワードに、企業活動を進めています。これに加え、地球環境保全と健全な事業活動を通じてすべてのステークホルダー
と共に発展し、サステナブルな世界の実現をめざすべく、サステナビリティ基本方針を2022年11月に次のとおり定めま
した。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」がめざす持続可能な社会の構築に積極的な役割を果たすとともに、社会
課題を解決する製品・サービスを通じて持続的に企業価値を拡大し、「社会に欠かせない企業」をめざしていきます。
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サステナビリティ基本方針 1.事業を通じた環境問題への取組 ポンプ製品での省エネや減災技術の推進、スマートメンテナンスによるDX推進などを通じた環境貢献、サプライチェーン全般での環境負荷低減、工場・オフィスで使用するエネルギーのグリーン電力転換などに取り組むことで、地球温暖化防止、生物多様性の保全など、人類共通の重要課題である地球環境保全に取り組んでいきます。 2.社会からの信頼醸成 社会からの信頼は、法令遵守、公正な競争、製品品質の維持・向上、適切な情報開示、情報セキュリティの確保、危機管理体制の整備など社会的要請に沿った企業活動により得られます。そのガイドラインとなる「コンプライアンス行動規準」に沿った業務遂行を続けるとともに、ガバナンス・経営基盤の強化を図ることで、社会から高い信頼を得る経営を実現します。 3.人権の尊重 すべてのステークホルダーの人権を、年齢・性別・国籍・社会的立場など個人の属性に関係なく尊重します。当社グループ内の多様な従業員にとって働きがいがあり、安全・健康に働ける職場環境の整備に努めます。 4.地域社会への貢献 地域社会との適正なコミュニケーションを図り、教育・文化事業や環境保全など、地域社会に貢献する活動に努めます。 5.人財育成 企業の持続可能性の源泉は「人」であり、一人ひとりの成長こそが、トリシマの未来の土台です。その能力開発に資する各種研修や教育支援、コンプライアンス意識向上のためのCSR研修、自己研鑽・自己啓発の促進等を実施すると共に社員がモチベーションを向上・維持しその能力を最大限発揮できるよう、公正で透明性のある人事制度の整備に努め、社員活力の最大化を図ります。 |
当社グループは、本基本方針に沿って当社グループの事業遂行を確実に行うため、サステナビリティを巡る課題の中で当社グループの事業に関する重要な課題を取締役会で審議し、執行側から意思決定事項や事業計画の実施状況について報告を受ける体制としております。当社グループの重要な課題は、「トリシマのマテリアリティ(重要課題)」として
経営委員会及び経営会議は、当社グループの重要課題である「脱炭素社会実現に向けたエネルギー課題への取組」、「安全・安心な社会の構築」及び「データ・AIの活用による新しいモノづくりとサービスの構築」に関して各事業部門における環境貢献製品の開発状況や新規市場の開拓状況等について協議を行い、代表取締役CEOが承認した事業計画の指示・実施状況を把握しております。また、コーポレート部門の担当執行役員がサステナビリティに関連する法規制等の開示要件について経営委員会及び経営会議に情報提供を行い、対応事項の選定や優先順位についてコンセンサスを形成すると同時に、適宜、対応状況について取締役会へ報告する体制を整えております。
また、リスク管理については、経営委員会及びリスク管理委員会を中心とした体制を整備しており、
(2)重要なサステナビリティ項目
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下の
とおりであります。
ア. 人的資本(「社員活力の最大化」)
当社は、サステナビリティ基本方針で定めているとおり、企業の持続的成長を支える基盤となるのは「人」であり、当社で働く多様な人財の能力や知識・スキルを引き出すための仕組みや制度、国籍・性別・年齢・職歴を問わず多様な価値観や考え方を取り入れながら事業の価値を高めていく文化を醸成していくことが必須であると考えております。2021年度策定の中期経営計画においては、当社の重要課題を実現していくために「社員活力の最大化」を基盤となる重要課題として位置付けております。
<ガバナンス>
取締役会での審議を経て制定された「人財育成基本方針」、「環境整備基本方針」に沿って、人事情報を一元的に収集・管理しているHR部が人事制度及び人財育成並びに働く場の環境整備について施策を立案し、HR部を統括するコーポレート部門の執行役員がその施策の重要性に応じて代表取締役CEOや取締役COOの承認を得て実施責任を負う体制としております。
HR部長やHR部を統括するコーポレート部門の担当執行役員は、経営層及び関係部門長とのコミュニケーション等を通じて事業遂行上のニーズを把握して、求められる人財像を明確にし、必要な研修、人財ポートフォリオ、人財配置等の全体計画を作成します。また、業務執行部門においては、その業務に応じた専門的能力育成のためのOJTや代表取締役CEOや取締役COOの承認のもとに外部機関による研修を実施しています。このような業務執行部門による研修は、HR部との情報共有を行ったうえで実施されております。
人的資本のうち、特に経営者候補の選定については、毎年2月に開催される指名・報酬委員会において執行役員候補者の実績や地位の適正、将来の見込みを踏まえ、執行役員の選任案を審議し、取締役会へ答申しております。重要な人事を取締役会の承認事項とすることで、企業価値向上の観点から当社の戦略や目指す方向性に合致しているのか客観的な視点を踏まえるような仕組みとし、経営陣に対するモニタリングを遂行しています。
また、ダイバーシティの確保・推進については、取締役と従業員の対話の場を設けることで、現場(ワークライフバランスに悩む従業員や女性管理職)の声や意見に取締役が耳を傾け、情報収集できるようにするとともに、経営陣に対して従業員が意見等を発信できる雰囲気作りを整えています。
なお、従業員エンゲージメントの向上については、従業員が自立的に組織の目標に向かって課題に取り組む意欲があってこそ当社グループのマテリアリティを実現することができると認識しております。人的資本の重要性を踏まえて、今後、人事戦略や各方針に基づく施策を着実に実行し、従業員のエンゲージメントの状況を的確に把握するために適切な時期に調査を実施し、取締役会で審議してまいります。
<戦略>
当社グループにおける従業員の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。
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人財育成基本方針 私たちは、事業を通じて社会的な課題を解決するために「人財」こそが最大の財産であると考えています。経営理念である「私たちはポンプを愛し、世界によりよい変化を生みだすために、進化し続けます」に基づき、その行動指針である「EVOLUTION(Teamwork / Diversity / Professional / Clarity / Enthusiasm / Innovation)」を自律(立)的に体現・実践し、自己成長のできる人財の育成を図ります。 トリシマでは、人財育成の一環として、多様な経験を持ち、柔軟な考えと高い適応能力のある従業員育成のためのジョブローテーションや必要な知識、スキルを習得するための階層別研修、専門教育を含む各種研修を行っています。従業員全員が成長を実感し、それぞれがやりがいと誇りをもつことが企業価値の持続的向上のために重要であると考え、会社と従業員が共に成長できるよう継続的に取り組んでいきます。 |
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環境整備基本方針 私たちは、一人ひとりの人格、個性、多様性を尊重し、失敗を恐れずにチャレンジし、能力を存分に発揮し成長し続けるための環境を整えることが、人財育成のために重要であると考えています。 従業員のプライバシー保護に対し細心の注意を払い、ハラスメント等がない安心な職場や、危険・有害要因を排除した安全な労働環境を整え、従業員が健康に活き活きと働く、「社員活力の最大化」につながる環境の整備と充実を引き続き図っていきます。 |
このような基本方針のもと、従業員のスキルを高めるために、①若手社員による近隣小学校への出前授業である「トリポンスクール」を昨年に引き続き実施、②中堅社員が次世代リーダーとして広い視野を獲得するための海外弾丸ツアーの実施、③階層に応じたマネジメント能力等育成のための階層別研修の実施、④受験費用会社負担や合格時の祝金贈呈による資格取得の促進⑤営業・技術・生産・管理等の各業務執行部門によるOJTや研修、⑥研究機関への出向等の取組を行っております。
また、外面的な多様性確保の観点からは、①外国籍や女性の取締役選任、②設計・エンジニアリングの分野における外国籍従業員の採用、③新規採用や退職者の再雇用による女性従業員比率の向上、④積極的なキャリア採用の実施、⑤企業内託児所の整備・拡充、⑥有給取得率の向上、⑦育児・介護等による家族サポートのための特別休暇(ファミリーサポート休暇)の活用、⑧男性従業員の育児休業取得率や取得日数の向上等を、内面的多様性の観点からは、①多様な経験・知識等獲得のための一定比率以上のジョブローテーションの実施や他企業への出向、② グローバルな視点獲得のための海外子会社・支店への配置等に取り組んでおります。
<リスク管理>
リスク管理については、
日本の労働人口の減少や少子化、雇用の流動化により、必要な人財確保が難しくなり、組織内での重要な機能を果たす人財補給の流れが途切れる可能性があります。このようなリスクに対しては、賃金水準の引き上げや人財へ投資することにより、従業員のモチベーションを向上し、職務遂行能力を高めると同時に、マネジメント層の評価制度を見直しながら有能な人財の確保・育成に努めてまいります。また、DXによる省力化、業務の効率性及び生産性を上げることにより、労働力の効率的な配分を行い、活力のあるチーム作りを通して事業の展開を後押ししてまいります。
なお、当社は、社員の活力最大化に向けて人的資本を確保・維持するには、一人ひとりの人権への適切な配慮が必要であると認識しております、当社のみならず、当社グループ及び取引先も含めたサプライチェーンにおける人権を尊重する体制を整備するため、当社では、次のとおり人権方針を定めております。人権デュー・デリジェンスについては、今後実施し、リスクを特定した上で、対応策について検討してまいります。
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人権方針 私たちは、社会的存在である企業としてサステナビリティ基本方針において人権の尊重を定めています。人権の尊重が企業としての大きな責任だと考えており、個人の人権、個性が尊重される環境づくりに貢献することが企業に当然期待されるべきものであることを理解しています。 トリシマグループの事業活動が影響を及ぼすすべての人々の人権が侵害されることのないよう、ここに人権方針を定め、国際的な人権水準に則り、人権尊重の取組を推進していきます。 1.基本原則 私たちは、「国際人権章典*」及び「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に記されている原則にし たがうと共に、「国連のビジネスと人権に関する指導原則」及び国連「グローバル・コンパクト10原則」を尊重しま す。 *「世界人権宣言」「市民的及び政治的権利に関する国際規約」「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規 約」 2.人権方針の適用範囲 本方針はトリシマグループすべての役員及び従業員に適用します。 また、トリシマグループのビジネスパートナーに対しても、本方針の尊重と理解をいただけるように継続的に働き かけていきます。 3.重要と考える人権課題 私たちは、基本的人権を尊重し、ダイバーシティを推進するとともに多様な人財育成と活用につとめます。 私たちは、人種、宗教、年令、性別、障害、思想等に基づく差別を行いません。 私たちは、強制労働や児童労働等、形態を問わず現代奴隷を認めません。 私たちは、各種ハラスメントといった身体的・精神的苦痛を与える行為を許容しません。 私たちは、個々のプライバシーを尊重し、細心の注意をもって個人情報を取り扱います。 私たちは、事業活動を行うそれぞれの地域において、その国の国内法及び規制を遵守するとともに、現地の文化・ 習慣を尊重します。 |
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4.人権デュー・デリジェンス 人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築することにより、課題を特定し、防止及び軽減に努めます。 5.社内通報制度 すべての従業員に対して、法令・諸規則等に違反する、又はそのおそれがある行為を発見した場合、その旨を速や かに通報できるように社内通報制度を設けています。また、通報を行った従業員を公正に取り扱うために、通報者の 匿名性を守ります。 6.ステークホルダーとの対話 本方針を推進するにあたり、ステークホルダーとの対話と協議を行います。 7.周知と教育 本方針が浸透・実行されるよう、すべての役員及び従業員に人権方針を周知し、適切な教育を行います。 |
<指標・目標>
人的資本に関する指標・目標は次のとおりであります。
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指標 |
単体実績(2025年3月期) |
目標 比率(%) ( |
|
|
人数 |
比率 |
||
|
|
1,032 |
|
|
|
|
243 |
|
|
|
総人数(注) |
1,275 |
100.0 |
- |
|
|
6 |
|
|
|
|
13 |
|
|
|
|
38 |
|
|
|
|
11 |
|
|
|
|
26 |
|
|
|
|
7 |
|
|
(注)嘱託社員等235名を含みます。従業員数は2025年3月末時点の人数です。
※1 管理職は労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者の合計
※2 マネジメント職は、管理職手前の職位者の合計
なお、新人事制度の導入により見直しを行ったため、前年度より減少しております。
※3 子の出生年度と、その子に対する初めての出生時育児休業または育児休業の取得開始年度のずれにより、取得率が
100%を超える場合があります。
2024年度より新人事制度を導入し職種を総合職に統一することにより従業員活躍の場が拡充し、チャンレンジできる環境を整備してまいります。また、社外企業との交流機会を提供することにより、異なる業界や価値観に触れることで自己成長とネットワーク形成の場としていきます。これらの取組により、性別にかかわらず誰もがチャレンジできる環境と活躍できる組織風土の熟成を図ってまいります。
なお、実績・数値につきましては、各地域において法令が異なり同一の基準での集計が困難なため、酉島製作所単体の数値であります。
イ. ガバナンスの向上
当社は、グループ経営の強化及び意思決定の迅速化を図るため、代表取締役CEOと取締役COOを設け、グループ経営に関する責任を代表取締役CEOが担い、当社単体の業務執行責任者として二名の業務執行取締役を共同COOとして位置づけました。
代表取締役CEOは、経営委員会を主宰し、当社の海外拠点法人のグループ戦略策定を行うとともに、当社を含むグループ企業全体の執行の監督及びグループガバナンス体制の構築を担います。取締役COOは、当社グループの中核である当社単体の営業・技術・調達・製造及びITシステム体制について業務執行の最高責任を担い、ポンプ製品をはじめとするモノづくり体制の強化及び市場開拓を進めてまいります。詳細は、
また、当社がマテリアリティを遂行していくにあたり、重要な意思決定を要する場合には、従来以上にグローバルな視点を含む様々な観点からビジネスのチャンスと適切なリスクテイキングのバランスを考慮する必要があることから、外国籍の取締役を含む取締役会の多様性を確保し、取締役会の機能強化に努めています。
・参考指標:取締役の属性及び取締役会への出席状況(単体)
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指標 |
2025年3月期実績 (取締役員数に対する比率) |
2025年6月25日定時株主総会終了直後 (取締役員数に対する比率) |
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取締役総数 |
10 名 |
11 名 |
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業務執行の取締役 |
4 名 |
5 名 |
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非業務執行の取締役 |
6 名 |
6 名 |
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社外取締役 |
5 名(50.0%) |
6 名(54.5%) |
|
女性取締役 |
1 名(10.0%) |
2 名(18.2%) |
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外国人取締役 |
2 名(20.0%) |
2 名(18.2%) |
|
取締役会出席率平均 (%) |
100.0 (%) |
- |
|
取締役の平均在職期間 |
7.4年 |
- |
ウ. TCFD提言に基づく情報開示(気候変動対応)
気候変動は、現在の私たちが直面する非常に重要な課題です。当社は従来、自社の事業活動における取組と自社製品・サービスにおける取組の双方で、環境負荷の低減、気候変動への対策を進めてきました。重要課題(マテリアリティ)のひとつとして「脱炭素社会実現に向けたエネルギー課題への取組」を掲げ、環境経営を推進しています。
当社は2023年5月にTCFDの提言に賛同しました。TCFDでは、企業に対して、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標の4項目について、自社への財務的影響のある気候変動関連情報を開示するよう勧めています。今後も、気候変動関連情報開示を充実させ、より一層環境に配慮した事業活動を継続していくことにより、持続可能な社会の実現に向けて貢献し、企業価値のさらなる向上に努めます。
<ガバナンス>
当社は、ポンプ事業を通じて気候変動問題に対応することは、社会の重要な要請であると同時に新たなビジネスチャンスを作り出す好機であるととらえており、年に一度、サステナビリティを巡る課題の中でマテリアリティを取締役会で審議し、執行側から意思決定事項や事業計画の実施状況について報告を受ける体制としています。
経営会議は、取締役COOを筆頭に執行役員等で構成され、当社の重要課題である「脱炭素社会実現に向けたエネルギー課題への取組」、「安全・安心な社会の構築」及び「データ・AIの活用による新しいモノづくりとサービスの構築」に関して各事業部門における環境貢献製品の開発状況や新規市場の開拓状況等について協議を行い、取締役会が承認した事業計画の実施状況を把握する場として機能しています。
また、同会議では、コーポレート部門の担当執行役員が気候関連の法規制の動向や第三者機関の評価結果について情報提供を行い、対応事項の選定や優先順位についてコンセンサスを形成しています。環境経営に関する目標・指標・リスク管理については、部署横断的事項であることから、コーポレート部門の担当執行役員の下に設置したサステナビリティ推進チームが検討し、コーポレート部門の担当執行役員を通して経営会議に上程し、審議する仕組みとしています。
なお、環境委員会は、工場でのCO2排出削減・電力使用量の合理化政策を中心に討議し、環境貢献製品の開発状況の共有も含めてサステナビリティ推進チームに指示を行い、報告を受ける体制としています。
<戦略> シナリオ分析プロセス
異なるシナリオ下における財務影響および事業インパクトを評価し、また気候関連リスク・機会に対する当社戦略レジリエンスを評価することを目的として、下記のステップに沿ってシナリオ分析を実施しています。
シナリオ分析ステップ
<戦略> 気候関連リスク・機会に伴う財務影響及び当社の対応
以下の図表のとおりです。
※1 短期:5年未満、中期:5年~10年、長期:10年以上
※2 ゲリラ豪雨等における短時間での排水量増加の対策として、低水位化や排水量の増量化が可能なポンプ
※3 ポンプ場が浸水した時でも稼働可能なポンプ
<リスク管理>
気候変動問題に対しては、リスク管理委員会が、コーポレート部門に設置したサステナビリティ推進チームの報告に基づき、気候変動問題をめぐる法的規則(例えば炭素税)等のリスクを特定し、コーポレート部門の担当執行役員より経営会議に報告し、経営会議においてリスク評価を行います。
経営会議の議長である取締役COOによりリスクが高いと判断された事項については、関係部門担当役員が実行計画を策定し自部門で執行するほか、実務面でサステナビリティ推進チームの支援を受けてリスク対策が有効に機能しているかどうかを自己点検し、定期的に経営会議に進捗状況を報告します。
<指標と目標>
●温室効果ガス排出量削減目標
2029年度 グループ全体のScope1,2「実質ゼロ」 (Scope3の目標値は検討中)
[削減策の概要]
・工場使用電力の削減(鋳造電気炉・コンプレッサー・試験電力)
・購入電力の再エネ比率向上
・化石燃料使用設備の電化更新
●ICP(設備投資に関するICP)
2024年度より導入。設備投資(新規・更新)の稼働から廃棄に係るCO2排出コストを明確にし、
CO2削減の取組を推進する。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) リスク管理体制の概要
当社グループの事業活動に関する各種のリスク管理については、経営委員会及びリスク管理委員会の指示の下、コーポレート部門に設置したサステナビリティ推進チームがリスクに関する情報を収集・分析し、担当執行役員より経営委員会又は経営会議に報告します。各委員会・会議はリスク評価を行い、対応すべきリスクを確定しリスク対策の概要について協議するとともに、リスク対策の妥当性をリスクの種類に応じて審議します。審議の結果に基づき、代表取締役CEO又は取締役COOが子会社又は事業部門に詳細検討及び実行を指示し、実行状況を把握できる仕組みとしております。特に重要度の高いリスクに関しては、代表取締役CEO又は取締役COOがその対策の実行状況について取締役会へ適宜報告し、取締役会が重要度の高いリスクについて対策の実行状況を把握できる体制を整備しております。
(2) 戦略上のリスク
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①地政学上のリスク(政治・経済体制の特殊性) |
重要度:高 |
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リスクの概要 [リスク] ・米中経済・安全保障摩擦、米国の通商政策の見直し、ロシアによるウクライナ侵攻の戦況による世界経済・貿易 への影響 ・当社グループ全体の受注高において高い割合を占める中東地域(アラブ首長国連邦、イスラエル、イラク、サウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーン、オマーン、ヨルダン、トルコ)(2025年3月期において同地域が占める割合は約24.4%)及びアフリカ地域(エジプト、アルジェリア、チェニジア、モロッコ、リビア、ガーナ、ケニア、エスワティニ、スーダン、ナイジェリア)においては以下のリスクが想定される。 a)国家間紛争・内乱・動乱(海上封鎖等)による経済活動の困難性に伴う取引の中断・停止・市場からの撤退リスク b)経済制裁が発動されることによる市場へのアクセスが制約されるリスク c)法制度の未整備及び突然の変更に係る対応リスク [機会] ・中東地域の経済発展の動向や人口の増加に伴う食糧生産・需要の高まりがインフラ事業の必要性を確たるものにしており、同地域の市場規模や成長性については他の地域と比較して見込みが高いと判断されるため、当社製品の市場開拓・サービス事業の拡大、現地顧客のニーズを踏まえた営業の機会がある。 ・特にエジプトやトルコについては、労働人口の層が厚く、教育水準も高いことから、同国への投資・市場開拓を通じて現地の優秀な人材の確保が可能になる。 ・さらに、エジプトについては、地理的にアフリカ大陸の交通の要所であり、北アフリカ市場への開拓を進める上で情報収集の重要な拠点になりうる。 |
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主な影響 ・輸出入取引の制約により出荷・船積みが停止・中断し、計画どおりの売上げが未達となる事態の発生 ・決済不能・遅延による債権回収遅延・不能 ・追加関税の負担によるコスト発生 ・不可抗力条項の適用による製品保管費用等のコスト負担 ・現地納入先での作業困難による取引遅延・未履行による契約解除費用の発生 ・う回路を使用することに伴う輸送コスト高騰リスク ・紛争当事国に専ら依存する原材料等の禁輸に伴う製造ラインの停止 |
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対応策 ・主要マーケットの動向に関する現地拠点の責任者からの情報収集、分析、リスク評価・リスク評価に基づくプロジェクトマネジメントの実施(顧客との公平なリスク分担交渉を含む) ・債権回収リスク低減のための決済条件交渉、貿易保険の付保 ・エジプトにおいては、エンドユーザーとの直接対話を通じたプロジェクト与信情報の把握 ・特定国への依存を可能な限り回避するための調達ルートの複数化 |
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②サプライチェーンの多様化に伴うリスク |
重要度:中 |
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リスクの概要 [リスク] ・新規調達先からの納入品に関して品質問題(製品の材質・組み込まれる部品等の品質不良)が発生するリスク ・安定的に供給できるグローバル調達網の構築に失敗するリスク(品質維持・改善のために指導を要する場合は、マネジメントコストや時間的コストが発生するリスクが考えられる。) [機会] ・他方で、特定地域の特定調達先への依存度を減らすことで、国際政治・経済環境の急激な変化や輸出入規制などの影響を受ける度合いを最小限に抑えることができる。 ・また、検品体制を含めたグローバル調達網の構築に成功すれば、海外顧客への直接納入が可能になり、顧客との取引において納期やコスト面で優位な条件を提示することで競争力の強化にもつながる機会がある。 |
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主な影響 ・当該調達品の性能未達・納期遅れによって発生する顧客との取引における金銭的負担や交渉コスト(損害賠償請求への対応コスト)の発生 ・グローバル調達を担う人材の育成にかかるコストの発生 |
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対応策 ・調達品の要求水準の標準化 ・新規調達先の工場視察・製造現場の課題把握・分析・評価による品質改善指導 ・グローバル調達に従事する従業員の人材開発 |
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③気候変動に起因する最終顧客のニーズ変化 |
重要度:中 |
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リスクの概要 [リスク] ・炭素税等のカーボンプライシングの導入に伴う事業コストの増加(資材調達コスト、生産・物流エネルギーコスト) ・CO2排出に係る規制・政策の強化(気候変動対策が自治体の入札要件となり、脱炭素社会に向けた取組の進捗が受注機会に影響を及ぼす) ・再生可能エネルギー電力の採用による生産コストアップ ・低炭素・脱炭素製品ニーズ拡大による既存製品の需要低下(例:火力発電市場の縮小) ・異常気象(豪雨や台風など)の頻発化・激甚化による資材調達や工事の遅延が発生、工期への影響を含めた事業コストへの影響 ・災害発生による保険料増額 [機会] ・省エネに対応した生産設備の導入による生産コスト低減 ・エネルギーミックスの変化(短期的にはバイオマス発電、高効率廃棄物焼却施設、地熱発電向けポンプの需要増加、中長期的にはアンモニア発電、水素発電向けポンプの需要増加) ・脱炭素・再エネ・省エネ技術の需要増(水素発電・アンモニア発電・CCUS等) ・減災技術の需要増(4℃シナリオでより顕著) ・水不足による海水淡水化プラント向け需要増 |
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主な影響 ・生産コストの増大 ・従来の火力発電市場減少による受注減少 ・販管費の増加 ・低炭素・脱炭素製品ニーズの拡大による研究開発費等増加 ・食料増産・洪水対策・環境保護に配慮した製品の開発費増加 ・気候変動に対する社会的意識の高まりや評価制度(例:CDP)の進展等への対応不備によるレピュテーション低下 |
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対応策 ・カーボンニュートラル社会に向けた新製品の開発(低炭素製品、水素・アンモニア向け製品の開発) ・顧客とのパートナーシップ構築・強化 ・既存製品の継続的改良・高効率化 ・食料増産・洪水対策・環境保護に配慮した製品の開発 |
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④技術革新への対応 |
重要度:中 |
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リスクの概要 [リスク] ・IOTやデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応が不十分となり、新規分野への参入が遅延するリスク ・新エネルギー分野(液化水素・アンモニア)向けポンプなど新製品開発に遅延又は失敗するリスク [機会] ・IOTやDXによる新たな需要の掘り起こし ・異種業界との協働による新たな知見・経験の習得、人材開発 ・他社に先行する分野の開発 |
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主な影響 ・生産性の低下 ・製品開発費用ののれん償却 ・製品の競争力の低下 ・新規マーケットの喪失 ・優秀な研究開発員の確保や新規雇用が困難になる結果、従業員の士気低下 |
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対応策 ・従業員のDX教育の推進、DX実施による従業員のスキルアップ ・自社の研究開発に従事する従業員の人材開発 ・研究トップレベルの大学との共同研究 ・主要顧客であるプラントメーカとの技術提携 |
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(3) オペレーション上のリスク
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①サイバーセキュリティとシステム |
重要度:高 |
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リスクの概要 [リスク] ・ITシステム障害 ・サイバーインシデント(ランサムウェア攻撃により、電子ファイルが暗号化され事業活動が停止、あるいは情報漏洩が発生するリスク) ・誤操作又は不当な目的をもった役職員による情報漏洩(人為的リスク) [機会] ・サイバーセキュリティインシデント対応に備えた従業員教育による従業員の情報リテラシーの向上 ・サイバーセキュリティインシデント対策の策定による事業運営の安定性確保 |
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主な影響 ・生産等現場の混乱 ・操業停止 ・技術情報の流出 ・顧客からの信頼喪失 ・対応費用等発生による財務状況の悪化 |
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対応策 ・情報機器についてはデータへのアクセス制御やパスワードの厳重管理を徹底 ・中核となる技術情報や営業情報についてファイヤーウォールを設け、システム障害による影響を最小限にとどめる措置の実施 ・従業員への情報セキュリティ教育の周知徹底 ・とりわけ、コンピューターセキュリティインシデントが発生した場合の被害を最小限にとどめることを目的に設置した部署横断的な対応組織(Torishima Computer Security Incident Response Team; CSIRT)によるインシデント対応計画の策定やインシデント予防のための意識及びスキル向上のための啓発活動の実施 |
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②人材(確保と維持) |
重要度:高 |
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リスクの概要 [リスク] ・業務に必要な人材の確保困難 ・優秀な人材の流出 ・技術承継の失敗 [機会] ・採用母集団の拡大、多様な人材採用方法の確立 ・特殊技能の可視化、多角的な教育プログラムの整備、技術習熟者の教育意欲向上 |
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主な影響 ・公共工事等の受注要件を満たせない ・事故等のリスク ・外注利用等によるコスト上昇 |
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対応策 ・積極的な技術承継の場として社内に設置した「モノづくり道場」等を通した取組の継続 ・採用活動の充実化 ・外注先の事業継承による技術の取り込み ・特殊技能への依存度の低減、業務の属人化防止、データ活用によるDXの推進 |
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③自然災害 |
重要度:中 |
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リスクの概要 天災地変や異常気象(洪水、台風)に伴う操業の一時停止 |
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主な影響 ・生産地域が大阪府高槻市の本社工場に集中していることから生ずる生産能力の一時的低下 ・設備破損や提携先被災による事業継続困難 ・工場設備の復旧や修理等の費用発生による財政状態の悪化 ・納期遅れによる遅延損害金の支払い |
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対応策 ・BCP策定・継続的見直し ・サプライチェーンのマネジメント強化 |
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④安定的な調達の維持 |
重要度:中 |
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リスクの概要 協力会社の廃業等による主要部品の供給や工事施工の困難 |
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主な影響 ・代替部品の調達によるコスト上昇 ・品質維持困難 ・納期遅延 |
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対応策 ・複数購買 ・代替供給先の発掘 ・協力会社の経営支援 ・安定的な関係構築 |
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⑤為替リスク |
重要度:中 |
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リスクの概要 急速な円高又は円安 |
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主な影響 ・為替変動による輸入コストの上昇(円安) ・外貨建て売上減少による損益の悪化(円高) |
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対応策 ・外貨ポジションの把握 ・為替予約の実施 |
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⑥財務リスク |
重要度:中 |
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リスクの概要 金利の上昇 |
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主な影響 ・支払サイトの長短ギャップ拡大による資金繰りの悪化 ・資金繰り悪化による借入増加時の支払い利息の増加 ・金利支払負担による営業外費用の増加 |
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対応策 ・支払サイトの長短ギャップ発生原因の分析に基づく対応策の実施 ・個別案件における債権回収促進及び遅延の予防 |
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⑦有価証券の保有にかかるリスク |
重要度:中 |
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リスクの概要 株式市場及び経済環境の動向による保有有価証券の株価下落 |
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主な影響 経常利益の減少を含む財政状況の悪化 |
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対応策 保有有価証券の売却及び見直し |
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⑧品質と安全性 |
重要度:中 |
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リスクの概要 新しい市場向け製品や技術的難易度の高い製品における不具合発生 |
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主な影響 ・事故の発生等による顧客信用の失墜 ・不具合修理費負担又は損害賠償請求による損失発生 |
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対応策 「トリシマ品質」の継続的向上 |
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⑨安全衛生 |
重要度:中 |
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リスクの概要 ・工事現場作業に関連する健康及び安全に係る重大なインシデント(重大な傷害又は死亡)の発生 ・パンデミックの発生 |
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主な影響 ・作業現場等での事故の発生 ・多額の賠償金や顧客信用の失墜 ・クラスター発生による営業活動の縮小・工事遅延 |
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対応策 ・定期的な安全衛生大会等の開催 ・定期的な安全パトロールの実施 ・適切な感染症対策 |
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⑩係争リスク、倫理・コンプライアンス |
重要度:中 |
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リスクの概要 法令・社内規程や倫理規範違反が発生するリスク、訴訟、クレーム紛争 |
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主な影響 ・当社企業グループに対する信用力の低下 ・敗訴による多額の損害賠償や事業の差止等 ・法令違反による営業停止 |
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対応策 ・ガバナンス及びコンプライアンス体制の整備 ・主要関係国の輸出管理規制の把握及び子会社への周知徹底 ・取引当事国の投資関係法・基本法・破産法等の最低限の知識・情報収集 |
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*重要度とは、当社グループの事業活動の実績及び見込みを踏まえた上で、当社グループ事業への影響度及び当該
リスクが顕在化する蓋然性の二つの観点から総合的に判断した評価基準であります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
ア. 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度においては、地政学的リスクの長期化と主要国の政策転換により、不透明感が一段と強まっています。米国では通商政策の見直しが再び注目され、追加関税の実施が国際的な供給網に影響を及ぼしつつあります。中国は不動産市場の調整と内需回復の遅れが成長の重荷となり、欧州ではインフレは沈静化傾向にあるものの景気回復は緩慢です。為替市場では、日米欧の金利差を背景に、アメリカ政府による政策で不安定な状況が続き、企業の収益構造や調達コストに影響を与えています。こうした環境下、企業にはより柔軟で機動的な対応が求められています。
当ポンプ業界においては、世界的な人口増加に対応するための水資源を中心としたインフラ整備や老朽化した設備の更新、異常気象に対応した防災減災対策など、今後もポンプに対する需要の基調は、底堅く推移すると見込まれますが、景況の影響をうけ受注環境が悪化する可能性はあります。
このような状況下、当社グループはエッセンシャルなインフラ企業として社会的要請に応えるべく、世界が掲げるカーボンニュートラル社会の実現に向けて環境負荷の低減と持続可能な成長の両立をめざし全方位で具体的なアクションを展開しています。また、それと同時に、ポンプ製造のための設備や仕組みの改善を図り、生産性・生産能力の向上にも努めています。
当連結会計年度の当社グループの受注高は95,633百万円(前連結会計年度87,955百万円比108.7%)となりました。
これを需要先別に見ますと、官公需は24,676百万円(前連結会計年度24,683百万円比100.0%)、民需は11,614百万円(前連結会計年度11,164百万円比104.0%)、外需は59,341百万円(前連結会計年度52,107百万円比113.9%)となりました。
当連結会計年度の売上高は86,501百万円(前連結会計年度81,103百万円比106.7%)を計上し、当連結会計年度末の受注残高としては104,269百万円(前連結会計年度95,138百万円比109.6%)を来期以降に繰り越すことになりました。
当連結会計年度の営業利益は、売上は増加したものの、外注費などのコスト増加や労務費などの固定費の増加などにより、5,449百万円(前連結会計年度は営業利益6,822百万円)となりました。
経常利益は、営業外費用として為替差損1,711百万円などが発生したことにより4,540百万円(前連結会計年度は経常利益6,297百万円)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、保有投資有価証券の売却を進めたことにより4,068百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益6,225百万円)となりました。
当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ14,060百万円増加し115,621百万円となりました。これは主に、売上高増加に伴う受取手形、売掛金及び契約資産の増加(前連結会計年度比3,553百万円増加)、受注高増加に伴う仕掛品の増加(前連結会計年度比5,254百万円増加)したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ10,275百万円増加し59,204百万円となりました。これは主に、受注高増加に伴う支払手形及び買掛金の増加(前連結会計年度比2,674百万円増加)、及び長期借入金の増加(前連結会計年度比6,992百万円増加)したことなどによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,785百万円増加し56,417百万円となりました。
イ. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,252百万円増加し、17,083百万円となりました。なお、連結貸借対照表における「現金及び預金」には3ヶ月超の定期預金を前連結会計年度末には570百万円、当連結会計年度には31百万円を含んでいます。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は668百万円(前連結会計年度は2,857百万円の増加)となりました。これは、仕入債務の増加2,476百万円(前連結会計年度は1,211百万円の減少)及び減価償却費2,683百万円(前連結会計年度は2,081百万円)などの資金の増加があったものの、売上債権の増加2,942百万円(前連結会計年度は2,786百万円の増加)及び棚卸資産の増加5,017百万円(前連結会計年度は1,368百万円の増加)などの資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は1,557百万円(前連結会計年度は424百万円の増加)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入2,469百万円(前連結会計年度は4,631百万円の収入)などの資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出4,117百万円(前連結会計年度は3,158百万円の支出)などの資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は5,848百万円(前連結会計年度は3,314百万円の減少)となりました。これは、長期借入金の返済による支出3,060百万円(前連結会計年度は1,736百万円の支出)及び配当金の支払額1,605百万円(前連結会計年度は1,547百万円の支出)などの資金の減少があったものの、短期借入金の純増額2,935百万円(前連結会計年度は33百万円の収入)、長期借入れによる収入8,000百万円(前連結会計年度は600百万円の収入)などの資金の増加があったことによるものです。
ウ. 生産、受注及び販売の実績
(ア) 生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業の内容ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業の内容 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ポンプ事業 |
90,833 |
110.0 |
|
その他 |
722 |
129.8 |
|
合計 |
91,556 |
110.2 |
(イ) 受注状況
当連結会計年度における受注高及び受注残高を事業の内容ごとに示すと、次のとおりであります。
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事業の内容 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ポンプ事業 |
95,337 |
109.6 |
104,198 |
109.8 |
|
その他 |
295 |
29.9 |
71 |
27.6 |
|
合計 |
95,633 |
108.7 |
104,269 |
109.6 |
当連結会計年度における需要先別の受注高及び受注残高の構成比
|
需要先別 |
受注高 (%) |
前年同期構成比 (%) |
受注残高 (%) |
前年同期構成比 (%) |
|
|
国内 |
官公需 |
25.8 |
28.1 |
28.3 |
27.9 |
|
民需 |
12.1 |
12.7 |
10.0 |
10.2 |
|
|
外需 |
62.1 |
59.2 |
61.7 |
61.9 |
|
|
合計 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
(ウ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の内容ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業の内容 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ポンプ事業 |
86,019 |
107.2 |
|
その他 |
482 |
54.1 |
|
合計 |
86,501 |
106.7 |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
エジプト政府 |
11,877 |
14.6 |
5,959 |
6.9 |
当連結会計年度における需要先別販売実績の構成比
|
需要先別 |
販売実績(%) |
前年同期構成比(%) |
|
|
国内 |
官公需 |
25.1 |
23.6 |
|
民需 |
12.6 |
14.7 |
|
|
外需 |
62.3 |
61.7 |
|
|
合計 |
100.0 |
100.0 |
|
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
ア. 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、当社グループはエッセンシャルなインフラ企業として社会的要請に応えるべく、世界が掲げるカーボンニュートラル社会の実現に向けて環境負荷の低減と持続可能な成長の両立をめざし全方位で具体的なアクションを展開しています。また、それと同時に、ポンプ製造のための設備や仕組みの改善を図り、生産性・生産能力の向上にも努めています。
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末から14,060百万円増加し115,621百万円となりました。
これは主に、海外子会社を含めたグループ全体の生産能力向上のために積極的な設備投資を行ったことにより有形固定資産が増加(前連結会計年度末比2,035百万円増加)したこと、受注高の急拡大による仕掛品が増加(前連結会計年度末比5,254百万円増加)したこと、売上高の増加に伴い受取手形、売掛金及び契約資産が増加(前連結会計年度末比3,553百万円増加)したことなどによります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末から10,275百万円増加し59,204百万円となりました。
これは主に、受注高の急拡大に伴い支払手形及び買掛金が増加(前連結会計年度末比2,674百万円増加)したこと、生産能力向上のための設備投資資金として長期借入金が増加(前連結会計年度末比6,992百万円増加)したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末から3,785百万円増加し56,417百万円となりました。
これは主に、配当金支払額が前連結会計年度よりも増加(前連結会計年度末比55百万円増加)したものの、親会社株主に帰属する当期純利益4,068百万円を計上(前連結会計年度6,225百万円計上)したこと及び為替換算調整勘定が増加(前連結会計年度末比1,066百万円増加)したことなどによります。
当連結会計年度の売上高は86,501百万円(前連結会計年度81,103百万円)を計上することになりました。これは前連結会計年度比5,398百万円の増収となります。
売上高増加の要因としましては、単体においては当初計画からは売上にズレが発生したものの、豊富な受注残に支えられた官需で増加したことにより前年を上回り、子会社においても豊富な納入実績によるサービス分野の拡大などの効果により、前年を上回り、増収となりました。
当連結会計年度の営業利益は5,449百万円(前連結会計年度6,822百万円)を計上することになりました。これは前連結会計年度比1,373百万円の減益となります。
営業利益減少の要因としましては、賃上げに伴う労務費の増加や、売上高の増加に伴う販売直接費の増加等は当初計画と大きな乖離は無かったものの、受注急拡大に伴い、想定よりも外注費が大幅に増加したこと、売上に期ズレが発生したことにより予定していた収益が翌期に繰り越しとなったことなどによります。
当連結会計年度の経常利益は4,540百万円(前連結会計年度6,297百万円)を計上することになりました。これは前連結会計年度比1,757百万円の減益となります。
経常利益減少の要因としましては、営業利益の減少に加え、営業外費用に為替差損を1,711百万円計上したことによるものです。為替差損は、主に海外受注における外貨建て売上の為替変動リスクに対して予約等によりヘッジしていることによるもので、予約を実施した当時から為替相場が円安で推移した結果生じたものです。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は4,068百万円(前連結会計年度6,225百万円)を計上することになりました。これは前連結会計年度比2,157百万円の減益となります。
親会社株主に帰属する当期純利益減少の要因としましては、経常利益の減少に加え、資産圧縮方針のもと実施している保有有価証券の売却が前年実績を下回ったことによるものです。
当社グループに重要な影響を与える要因として、需要先の動向と収益環境の変化、グローバリゼーションに伴う為替動向、世界動向、保有有価証券の株価動向、事故及び災害、製品に対する重要な不具合、法的規制、訴訟及び感染症拡大などによる事業への影響が考えられます。
需要先の動向と収益環境の変化に対応するためには、研究・開発に注力し、水・新エネルギーなどの資源や環境問題など時代が求める新たなニーズに適切に応える分野を強化するとともに、採算面の改善を図っております。
グローバリゼーションに伴う為替・世界動向に対応するためには、為替予約、外貨建ての資材調達の推進や現地での資材調達を行っております。
保有有価証券に対する株価動向に対応するためには、資産圧縮方針のもと保有有価証券の見直し、売却を行っております。
事故及び災害に対応するためには、グループ全体に安全のための行動と対策を周知徹底しております。
製品に対する重大な不具合に対応するためには、会計上適切な引当金を計上することに加え、品質マネジメント部門を強化し、品質、機能、安全性、納期等に万全を期しております。
法的規制に対応するためには、本社内に法務部門を設置し様々な法的規制の検証を行うとともに、法令遵守の徹底を含めた教育を行っております。
訴訟等に対応するためには、契約留意事項の確認や、片務的契約の排除等、契約内容の事前検証を行っております。
イ. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(ア) キャッシュ・フローの状況と分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 イ. キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(イ) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、営業活動につきましては、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び労務費等)、受注獲得のための販売手数料及び研究開発費が主な内容であります。投資活動につきましては、生産活動のための固定資産の更新や生産・サービス能力の増強及び生産性向上のための設備投資が主な内容でありますが、財源としては、自己資本及び銀行からの借入金を主体とした負債となっております。
手元流動性としては、当連結会計年度末は、現金及び流動性預金として17,083百万円を確保しており、手元流動性比率としては2.37となっておりますが、当社グループは年度末に売上及び検収による支払が集中することが多く、年度末に資金不足とならないようにしております。また、設備投資を積極的に進める方針であり、手元流動性には若干の余裕を持たせることとしております。
ウ. 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
(ア)棚卸資産の評価
当社グループは、棚卸資産について、期末における収益性の低下の有無を判断し、収益性が低下していると判断されたものについては、帳簿価額を正味売却価額または処分見込価額まで切り下げております。
収益性の低下の有無に係る判定は、原則として個別品目ごとに、その特性や市況等を総合的に考慮して実施しております。
また、受注工事に係る棚卸資産については、工事損失引当金により収益性の低下を反映させております。
(イ)有価証券の評価
当社グループは、その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外の有価証券について時価評価を行い、評価差額については税効果会計適用後の純額を、その他有価証券評価差額金として純資産の部に含めて表示しております。
減損処理にあたっては、時価が取得価額の50%以上下落した場合のほか、時価回復の可能性をもとに判断しております。
(ウ)債権の回収可能性
当社グループは、金銭債権の回収可能性を評価して貸倒見積高を算定し、貸倒引当金を計上しております。
貸倒見積高算定の対象となる債権は、日常の債権管理活動の中で、債権の計上月や弁済期限からの経過期間に債務者の信用度合等を加味して区分把握しております。
貸倒見積高の算定に際しては、一般債権については貸倒実績率を適用し、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については個別に相手先の財務状況等を考慮して、回収可能性を吟味しております。
(エ)退職給付費用及び債務
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しており、その主要な前提条件は退職給付債務の割引率及び年金資産の期待運用収益率であります。
割引率は、従業員の退職給付の見込み支払日までの平均期間に対応する期間の日本の国債利回りを基礎に設定しております。
また、年金資産の長期期待運用収益率は、保有している年金資産のポートフォリオ及び過去の運用実績、収益の将来見通しを総合的に判断して設定しております。
(オ)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかの回収可能性を検討し、回収が不確実であると考えられる部分に対して評価性引当額を計上して繰延税金資産を減額しております。
回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得の見積額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
(カ)重要な収益及び費用の計上基準
当社グループでは以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
製品販売については、製品に対する物理的占有、所有に伴う重大なリスク及び経済価値の顧客への移転状況といった支配の移転に関する指標を勘案した結果、製品に対する支配を顧客に移転して履行義務を充足するのは製品の引渡時点であると当社は判断し、当該時点で売上高を認識しております。
また、当社は工事請負契約を顧客と締結しております。当該契約については、当社の履行により他に転用できる資産を創出せず、かつ、現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を当社が有していることから、資産の支配を一定の期間にわたって顧客に移転していると考えております。
このため、報告期間の末日において測定した履行義務の充足に係る進捗度に基づき、工事期間にわたって売上高を認識しております。なお、当社は、総工事原価の妥当な積算を行うこと、及びこれらの契約に係る進捗度を合理的に見積ることが可能であることから、進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの工事原価総額に対する発生工事原価の割合を用いております。
(キ)製品保証引当金
当社グループは、将来発生すると予想される無償保証工事費用に備えるため、製品保証引当金を過去の実績に基づいて算定し、計上しています。
(技術供与)
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契約会社名 |
契約先 |
契約の内容 |
対価の受取 |
契約期間 |
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国名 |
名称 |
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㈱酉島製作所 |
中国 |
酉島ポンプ(天津) 有限公司 |
1 ポンプのライセンス生産並びに生産ノウハウの供与 2 部品の製造及び製品の組立に関する技術的援助 |
一定率の ロイヤリティ |
2010年12月締結 2021年8月更新 2031年7月まで (契約期限到来後は 1年ごとに自動更新) |
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3 商標使用の許諾 |
2010年12月締結 2021年8月更新 合弁契約の終了まで |
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(注)当社の子会社PT.TORISHIMA GUNA INDONESIAとの技術ライセンス契約については、2023年5月30日付けで当該子会社を100%子会社としたため、重要な契約には該当しないと判断し、記載しておりません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動は、当社研究開発部ほか技術部門が中心となり、ポンプ事業、新エネルギー・環境事業に係る市場ニーズに応えるため、当連結会計年度の研究開発関連費用としては総額
研究開発活動の実績としましては、2023年10月に市場に投入した「スーパーエコポンプ」が、一般財団法人 省エネルギーセンター主催の2024年度「省エネ大賞-製品・ビジネスモデル部門」において、その省エネ性が高く評価され、当社は、省エネ大賞の電気需要最適化分野で最高位の「経済産業大臣賞」を受賞しました。この受賞を機に、より多くのお客様に当社が世界一省エネにこだわるポンプメーカーであることを知っていただき、さらなる省エネに貢献するため、受注実績を積み上げてまいります。
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、当社は、エネルギーキャリアとして注目される液体アンモニアおよび液体水素を大量に輸送・昇圧するポンプの開発に鋭意取り組んでおります。
液体アンモニア用ポンプに関しては、世界初となる大型商用石炭火力発電機における燃料アンモニア転換の大規模実証試験(熱量比20%)の払い出しポンプに、弊社立軸多段ポンプが採用されたことは前会計年度にご報告済みです。今年度においては、2024年4月~6月に実証試験が行われ、当該ポンプがトラブルなく要求される機能を満足することを確認し、さらに今後の製品高機能化に資する知見を得ることができました。
加えて、将来のアンモニア貯蔵タンク大型化を見越し、インタンク型ポンプシステムの開発を進めてまいりました。2025年5月20日に当社ホームページ上でも情報開示させて頂いた通り、同年1~2月に弊社子会社であるインドネシアのP. T. TORISHIMA GUNA ENGINEERINGの工場内にてアンモニアの実液を用いた運転試験を実施し、想定通りの性能を確認することができました。アンモニアは毒性が強いため、高い安全性が求められますが、特にメンテナンス時の拡散を抑えることが重要になります。当社のシステムでメンテナンス時の安全性を確保されることを、液化アンモニア実液を用いて確認することができ、画期的な成果となりました。
今後は、お客様のニーズに柔軟に対応し、様々な場面で利用いただけるよう、ポンプの高圧化および大流量化を進めていく計画です。
液体水素を取り扱うポンプについては、水素サプライチェーン構築実現に向けて重要な役割を担う液化水素昇圧ポンプに着目し、開発を進めてまいりました。本ポンプにつきましては製品化実現においてキーとなる技術に関して、学術機関および先端技術企業との協業体制を構築して、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より助成金を受けております。
既に情報開示している通り、2024年3月に国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の能代ロケット実験場(秋田県)において商用化実証に適用可能なポンプの試験は完了し、製品として市場に提供できる状態です。2024年11月~12月には追加検証試験を実施し、さらなるポンプの高圧・大流量化設計開発に資するデータを得ることができました。
なお、当社ホームページですでに情報開示させて頂いた通り、本ポンプには高温超電導モータを採用しており、国立大学法人 京都大学と共同研究により開発を進めております。-253℃の液化水素により極低温環境を具備できるため、液化水素昇圧ポンプと高温超電導モータは、技術的に非常に親和性の高い組合せとなります。超電導モータの特徴である高効率を利用し、モータ発熱を最大限抑制することで液化水素のガス化を抑制し、効率的な液化水素昇圧を可能とする点が本ポンプの最大の特徴です。
将来のサプライチェーンの大型化を想定し、ポンプの高圧・大流量化および超電導モータの大容量化を計画通り進めている状況です。
気候変動対策向けポンプによる減災技術の推進において、維持管理の簡素化(モータの冷却方式を水冷から空冷に変更)を図った改良型「耐水モータ一体型ポンプ(浸水してもポンプ運転が可能)」については、下水処理場向け立軸ポンプを市場に投入し、排水機場向け立軸ポンプも含め順調に受注台数を伸ばしています。また、排水機場向け横軸ポンプに対しての開発も完了し、すでに販売を開始し、適用範囲を拡大しています。
さらに下水処理場向け立軸ポンプについては国土交通省が行う令和6年度、下水道技術の海外実証事業「WOW TO JAPANプロジェクト」に、トリシマの提案した「熱帯地域での空冷式耐水モータ 一体型ポンプに係る実証事業」が採択され、パキスタンにおいて実証試験を開始しました。本実証試験を通じて浸水被害が常態化している南アジアを含む熱帯地域において、本ポンプが現地条件へ適応し、長期運転による信頼性を示すことが期待されています。
加えて、防災・減災に寄与する当社技術のひとつである「二重ラッパカン及び渦対策リング」については、機能および組立・メンテナンス性を向上させた改良型の開発が完了し、販売開始に向けて動き出しています。今後も防災・減災という観点でさらなる貢献を目指します。
海水淡水化分野においては、世界最高水準の効率を有するRO(逆浸透)法海水淡水化プラント向け高圧ポンプについてさらなる大流量・高圧ニーズに応えるために、ラインナップを拡充し、順調に受注台数を伸ばしております。
またノルウェーのWaterise社が開発を行っている従来のRO法よりも環境負荷が低い、深海での静水圧を利用したROシステムに用いられるポンプの開発を進めてまいりました。プロトタイプ検証が完了し、良好な結果が得られております。本ポンプは深海で用いられるポンプであるため、高いメンテナンス性と長寿命が求められており、これらのニーズに応えるために、改良設計を進めています。
省エネルギー需要の高まりから、ポンプの高性能・高速化をより早く実現することが社会ニーズとなっています。このニーズに対応していくため、人工知能(AI)技術を取り入れた新たな水力開発システムと3D プリンティング技術を組み合わせ、設計開発から製品化までのシームレス化実現に向けてシステム開発を行ってきました。試験的に設計開発プロセスに組み込みながら、評価を実施しています。今後はさらにデータベースを増強し、本システムの柔軟性を向上してまいります。
また、ロータダイナミクス、構造および材料関連の各ポンプ要素に関連する技術については、大学やコンサルタント等の外部機関を積極的に活用することで、基礎的研究を共同で実施中であります。
今後も多様な社会ニーズに応えるべく、新技術および新製品の開発に努めてまいります。