第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

(1)事業環境の変化

リアルとオンラインが共存した働き方・ライフスタイルが定着し、AI・ロボティクスの進化・活用の拡大、デジタルトランスフォーメーション(DX)が引き続き進展する一方で、消費電力の増大や監視社会などのデジタル化の負の側面が課題となっています。また、経済安全保障の重要性の増大や世界規模での自然災害の激甚化など、事業環境は大きく変化しており、情報通信および関連する市場における競争も一層激しさを増しています。

 

(2)NTTグループ中期経営戦略に基づく事業展開

このような状況の中で競争優位性を確立し、更なる企業価値の向上を図るには、既存の通信事業に加え、クラウドサービスやAI等、主に総合ICT事業セグメントやグローバル・ソリューション事業セグメントにおける非通信事業の成長が不可欠であり、迅速なポートフォリオ強化が必要であると考えています。NTTグループはこうした課題に対処すべく、常に未来を考えダイナミックに自己革新を続け、中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」を推進していきます。

 

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新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ

AIの普及・高度化などに伴う消費電力増大への解決策として、低消費電力を実現する光電融合デバイスの早期事業化を進めるとともに6Gなどを含むIOWN研究開発・実用化を加速していきます。2025年4月から開幕した大阪・関西万博において、IOWN APNを主要施設間に提供し、多くのパートナーと共創しながら未来の体験を創出しています。複数の放送局が共同利用可能なリモートプロダクション設備も提供し、IOWN APNの普及を推進しています。NTTパビリオンでは、電力効率を従来比8倍とすることをめざすIOWN 2.0を実装し、2026年の商用化に向けた準備を進めます。

個人のお客さまを中心としたパーソナルビジネスの強化に向けては、金融やヘルスケア・メディカルなどの分野でサービスの拡充・高度化に取り組むとともに、データ・ドリブンなアプローチから、よりパーソナライズされたサービス提供につなげていきます。企業などのお客さまに対しては、AI・ロボット、IOWN・デジタルツインやセキュリティなどの技術を活用してソリューション・サービス、プラットフォーム・サービスをグローバルで展開し、生活や社会を支える産業を変革していきます。データセンターについても、NTTグループのデータセンター基盤をさらに拡張するとともに、IOWN技術の導入により高度化を推進していきます。

グリーンエネルギーとICTを組み合わせたグリーンソリューションの推進、産業間での廃棄物再利用を促進する循環型ビジネスの創造、IOWN、5G/IoT、AI・ロボットの活用による一次産業の効率化と付加価値化等に取り組み、産業振興や地域創生に貢献していきます。

事業基盤の更なる強靱化に向けては、自然災害や通信故障など、これまでの教訓や反省を踏まえた強靱なネットワーク/システムを実現し、激甚化する自然災害などへの対策を強化するとともに、サイバー攻撃などのセキュリティインシデントに対しては、世界標準のサイバーセキュリティ対策を講じ、安心・安全なサービスの提供に取り組みます。

 

お客さま体験(CX)の高度化

研究開発推進、マーケティング、アライアンスの機能を融合した研究開発マーケティング本部を中心に、プロダクトアウト型の研究開発の強化に加え、グローバルでお客さまやパートナーとコラボレートしながら、研究開発からプロダクト提供まで実施し、あらゆるステークホルダーをお客さま・パートナーと捉え、お客さま体験ファーストを推進します。CXを重視したサービス強化への取り組み共有の場としてCXカンファレンスを開催しており、引き続きカスタマージャーニーに寄り添う意識を強化していきます。モバイル通信サービスの品質向上についても、ネットワーク対策やお客さま体感品質向上に向けた取り組みを進め、お客さまの期待を超える新たな体験と感動を提供し、選ばれ続けるNTTグループをめざします。

 

従業員体験(EX)の高度化

持続可能な社会の実現に向け、EXを重視し、人が価値を生む好循環を実現します。従業員の自律的なキャリア形成のため、専門性を軸とした人事制度、社外資格取得支援や研修・キャリアコンサルティングの充実、出産・育児・介護などのライフイベントを含めた総合的なサポートを実施してきました。これらの仕組みを定着させるため、経営層と従業員の対話機会の拡大やキャリア形成の専門家による従業員向けのメッセージ配信を進めており、引き続き浸透を図っていきます。また、「オープンで革新的な企業文化へ」のトライ&エラー、失敗を恐れず挑戦する文化の醸成にも取り組んでいきます。

 

(3)中期財務目標

 中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」中期財務目標

目標指標

目標水準(2027年度)

全社目標

EBITDA

+20%

増加(対2022年度)

 

 

 

 

 

 

成長分野

EBITDA

+40%

増加(対2022年度)

海外営業利益率

10%

(2025年度)

既存分野

EBITDA

+10%

増加(対2022年度)

ROIC(投下資本利益率)

9%

(2022年度実績:8.2%)

 

上記に加え、サステナビリティ関連指標を設定

 ・女性の新任管理者登用率  : 毎年30%以上

 ・温室効果ガス排出量    : 2040年度カーボンニュートラル、ネットゼロをめざす

 ・従業員エンゲージメント率 : 改善

 

(注)1. 海外営業利益率の集計範囲は、NTTデータグループ連結です。また、買収に伴う無形資産の償却費等、一時的なコストを除いて算定します。

2. 成長分野は、IOWN、デジタル・データセンター、電力・エネルギー、スマートライフ、不動産、AI・ロボット等です。

3. 既存分野は、NTTドコモのコンシューマ通信事業、NTT東日本、NTT西日本です。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

〇 NTTグループサステナビリティ憲章

NTTグループは、サステナビリティ憲章を制定しています。高い倫理観と最先端の技術・イノベーションに基づくIOWN構想の推進により、①「自然(地球)」との共生(環境とエネルギー課題への対応)、②「文化(集団・社会~国)」の共栄(社会課題への対応)、③「Well-being(幸せ)」の最大化(人権及びダイバーシティ&インクルージョンへの対応)に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、企業としての成長と社会課題の解決を同時実現し、持続可能な社会の実現に貢献しています。

 

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また、2023年5月には中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」を発表しました。新たな価値創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTをめざす等、様々な取り組みを進めています。

 

 

 

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(1)サステナビリティに関するガバナンス

NTTグループでは、サステナビリティの推進を重要な経営課題と捉え、特に重要な事項については取締役との議論を踏まえて決定しています。

取締役による監督体制としては、取締役会直下にサステナビリティ委員会(委員長:社長)を設置し、グループ全体の活動方針やその進捗状況を管理しています。サステナビリティに関する方針(憲章及び付随する方針等の制定・改廃、特に重要な指標の決定)は、サステナビリティ委員会を経て取締役会で決定しています。また、持続可能な社会の実現に向けた取り組みと事業戦略の連携を強化するため、経営企画部門内にサステナビリティ推進室を設置し、重要な解決すべき課題やアクティビティに関する指標をモニタリングのうえ、年1回サステナビリティ委員会へ報告しています。

サステナビリティに関する課題のうち、重要な解決すべき課題・アクティビティとして選定したプロセスについては、2021年度に、第三者機関・ISO26000・GRI Standards等評価機関、SDGs、世界トレンド、社内ワークショップ、他企業のマテリアリティ等を参考に、サステナビリティを取り巻く新たな課題を網羅的に考慮し、NTTグループとして取り組むべき課題をグローバル規模で議論、選択し特定しました。また、取り組むべき優先度については、「企業としての成長」と「社会への課題解決」へのインパクトの両面で評価を行い、社会課題の解決と事業の成長を同時実現するマネジメントをめざし、外部有識者の意見も取り入れ、優先度を評価しました。

サステナビリティを巡る課題及びその優先度の設定に関する妥当性は、サステナビリティ委員会での審議を経て、取締役会にて適宜レビューし、随時見直しを行っており、①気候変動、②人的資本、③新たな価値創造、④レジリエンスの4項目をサステナビリティに関する重要項目としています。

 

 

(2)サステナビリティに関するリスク管理

サステナビリティに関する重要項目のリスクや機会については、サステナビリティ委員会に付議し、取締役会に報告しています。なお、NTTグループのリスク管理プロセスとして、身近に潜在するリスクの発生を予想・予防し、万一リスクが顕在化した場合でも損失を最小限に抑えること等を目的として、リスクマネジメントの基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を制定し、代表取締役副社長が委員長を務めるビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、リスクマネジメントのPDCAサイクルを構築し運用しており、サステナビリティ関連のリスクの識別、評価、管理に関するプロセスはNTTグループの総合的なリスク管理プロセスに統合されています。

 

 

(3)戦略、指標及び目標

① 気候変動

〇 気候変動に関する戦略(リスク及び機会に対処するための取り組み)

 

気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環・自然資本等への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、環境エネルギービジョン NTT Green Innovation toward 2040を策定し、2040年度のカーボンニュートラル(Scope1&2)実現に向けて環境負荷低減の取り組みを推進しています。また、この取り組みをScope3に拡大し2040年度のネットゼロ(Scope1&2&3)もめざしています。そのため、自らのグリーン電力化の推進として再生可能エネルギーの活用を進めるほか、圧倒的な低消費電力をめざしたIOWNの研究開発の推進、インターナルカーボンプライシング制度の活用、グリーンボンドの活用、サプライヤとの更なる連携強化、お客さまの脱炭素への貢献等を進め、環境エネルギーへの取り組み及び情報開示の充実を図っています。また、資源循環に関するリスクへの対応として、通信設備・携帯端末等(金属、プラスチック等)のリユース・リサイクルや、有害廃棄物の適正な処理、保管・管理徹底等に努めているほか、生物多様性に関するリスクへの対応として、自然保護区等における事業状況等に関する調査及び情報開示の充実等を進めていきます。

機会への対応としては、データセンターにおける再生可能エネルギーメニューの提供拡大や、温室効果ガス排出量可視化プロセスの構築支援、法人や個人のお客様に対するグリーン電力販売の拡大等に取り組んでいます。また、グリーンエネルギー×ICTで実現するグリーンソリューションの推進、再生可能エネルギー発電事業の拡大及び地産地消型の最適化・効率化された電力の安定供給の実現や、様々な産業間での資源の循環、地域創生の更なる加速による循環型ビジネスの創造を進めていきます。

 

シナリオ設定

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リスクと機会の特定(全体像)

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(注)

1. 2030年度時点での1.5℃シナリオ・4℃シナリオにおける影響度

2. 時間軸短期(3年未満)、中期(3-6年未満)、長期(6年以上)を記載、

影響度を3段階で記載(▲:小、▲▲:中、▲▲▲:大)

3. 省エネルギー化の推進として、インターナルカーボンプライシングの社内炭素価格を、国際エネルギー機関の炭素税の2030年将来予想価格(140USD/t-CO₂)に基づき、2025年4月より21,000円/t-CO₂に設定。調達(製品選定)等の意思決定に活用している

〇 気候変動に関する指標及び目標

 

指標

目標

実績

温室効果ガス排出量

[Scope1&2]

2030年度:80%削減(2013年度比)

2040年度:カーボンニュートラル

[Scope1&2&3]

2040年度:ネットゼロ

[Scope1&2]

2024年度(速報値):

211万t、55%削減(2013年度比)

[Scope1&2&3]

2024年度(速報値):

2,042万t、28%削減(2018年度比)

(注)1. 温室効果ガス排出量の集計範囲は、当社及び連結子会社です。

2. 温室効果ガス排出量(Scope1,Scope2,Scope3)の確報値は、2025年10月頃、当社コーポレートサイトに掲載予定です。
・NTTグループの環境活動 環境データ 詳細データ集(GHG):

   https://group.ntt/jp/sustainability/environment/decarbonization

3. Scope1&2は、日本政府が掲げる地球温暖化対策計画に合わせ2013年度を基準年に、Scope3を含むScope1&2&3は、海外グループ会社を含む現在と同等の集計範囲での算定を開始した2018年度を基準年に設定しています。

 

 

② 人的資本

〇 人的資本に関する戦略(リスク及び機会に対処するための取り組み、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)

 

<従業員体験(EX)の高度化>

情報通信及び関連する市場では、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AI、デジタルツイン、量子コンピューティング等の技術が急速に進展しています。国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスやAIを中心とした変化が一層加速していくと見込まれます。また、2023年5月に発表した中期経営戦略の取り組みの柱にも成長分野への積極投資を掲げ、IOWN関連、スマートワールド、グリーンソリューション等新たな価値創造に注力しています。このような状況の中で、EXの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。EXの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、人材戦略ポリシーを策定し、取り組みを強化しています。新たな価値を創出し、顧客体験(CX:Customer Experience)を高め、サステナブルな社会を実現していくために、私たちは従業員体験(EX:Employee Experience)を重視し、新たな価値を生む好循環をめざしています。具体的には、⑴自律的キャリア形成の支援強化、⑵オープンで革新的な企業文化、⑶働きやすい環境の整備を行っていきます。

また、NTTグループでは、従業員エンゲージメント調査を実施し、把握した課題の改善に向けた取り組みを強化しています。調査結果の分析及び改善に向けた各種取り組み方針について、サステナビリティ委員会等に付議し、社員へのフィードバックも実施していきます。

機会への対応としては、人材戦略に係る3つの柱に対して、指標を設定し、経年で施策効果を確認していきます。施策を適切に見直しながら、継続的に取り組んでいくことで、CX向上・生産性向上につなげ、事業成長、企業価値の向上を実現します。

 

 

 

人事領域における価値創造プロセス ~人材力・組織力の強化に向けた取り組みを推進~

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<人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>

NTTグループでは、多様な人材が入社からキャリアを自律的に考え、業務経験を積み、研修等でスキルを補完し、振り返りや棚卸を経て新たなチャレンジをすることが、EX向上の鍵となると考えています。社員一人ひとりが自律的なキャリア形成を実現するために、成長支援と多様な働き方・働く環境整備の両面から各種人事施策を展開していきます。

 

(1)自律的キャリア形成の支援

社員の成長支援として、2021年10月から全管理職に導入しているジョブ型の人事給与制度は、年次・年功から脱却し、従来の適材適所から適所適材へと転換を図り、会社業績や個人の業績と報酬がより連動する仕組みとしました。これにより、戦略実現に必要な役割・仕事(ポスト)に見合う人材の配置を可能とし、社員のチャレンジ機会の創出・拡大を図っています。また、一般社員については、高い専門性やスキルを発揮し、自らのキャリアを切り拓き、真に実力あるプロフェッショナル人材へと成長していくことを目的として、2023年4月に新たな人事給与制度を導入しました。採用・育成・配置全てのフェーズにおいて、専門性を意識した運用へ転換を図り、社員の自律的なキャリア形成を支援しています。

また、高い専門性やスキルの獲得の実効性を高める観点で研修メニューを拡充しています。約1,000講座の研修メニューを準備し、社員は自身のキャリアプラン、スキルアップ計画に応じてこれらの研修メニューを選択し、学習を実施することができます。さらに、社員が主体的・自律的にキャリアデザインをすることをサポートするために、2023年7月よりグループ専用のキャリアコンサルタントを配置しました。国家資格を有し、経験豊富なコンサルタントが、個々の社員に寄り添ったキャリア相談に応じています。

加えて、多様なキャリアパス実現にむけ、公募やダブルワークを推進しています。人事異動における自発的なチャレンジを支援する仕組みとして、常時募集を行いタイムリーに応募が可能な"NTT Group Job Board"を設置しており、2024年4月~2025年3月の1年間で約1,500件の応募があり、約800人の社内公募が成立しました。

また、社員自身のスキルの研鑽や自律的なキャリア形成を支援するため、現在の所属組織での業務を継続しながら、勤務時間の一部を他組織での業務に充てることができる社内副業の仕組み(ダブルワーク)を整備しました。NTTグループで働く社員の積極的なチャレンジや自己成長につながる環境整備を継続推進していきます。

 

(2)オープンで革新的な企業文化

NTTグループの持続的成長と、サステナブルな社会の実現のために、オープンで革新的な企業文化に向けて取り組みを強化しています。特にトライ&エラー、オープン、コラボレーション及びその土台となるD&Iのある組織・企業への変革に向けて、取り組みを進めています。

経営層と社員との対話機会の拡大、カンファレンスによるチャレンジ志向などを通じて、NTTグループの取り組みと自身の想いを発信し、様々な分野でチャレンジをしている社員の姿をフォーカスして紹介することで、グループ全体でチャレンジ志向を高めています。

また、外部環境の変化に柔軟に適応し、新たな価値を創出し続ける企業であるためには、同質的な組織から、多様な人材が活躍する組織へと自ら変革する必要があると考えています。そのため、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。具体的な取り組みとして、経営中核人材への継続的な女性の輩出をめざし、“NTT University”において対象者の女性比率を約30%確保しているほか、女性の新任管理者登用率30%以上を目標に掲げ、各階層の女性社員に対する研修等を実施しています。さらには、女性・障がい者・LGBTQ等、属性のマイノリティや子育て・介護等の制約を持つ社員が働きやすい職場環境を構築するため、人的ネットワークの構築や周囲(特に上司)の知識習得・マインド改革・風土醸成のための研修等を実施しています。

 

(3)働きやすい環境の整備

NTTグループでは、多様な人材の活躍機会を増やしてきました。特に、育児、介護、パートナーの転勤等、ライフイベントを通じてキャリアが分断されることを課題としてとらえ、社員をサポートする仕組みを取り入れてきました。多様な働き方を促進することで、生産性向上、モチベーションの向上等につながると考えています。これからも、社員の声を聞きながら、すべての社員がより自分らしく働くことができる環境づくりに取り組んでいきます。

具体的には、ハイブリッドワークを推進しています。リモートスタンダードやコアタイムを設定しないフレックスタイム、分断勤務の導入等により、働く時間・働く場所・住む場所の自由度が高まり、社員のライフスタイルに応じたワークスタイルの選択肢は、さらに拡大しました。対面と非対面の双方のよさを組み合わせた最適な働き方(ハイブリッドワーク)を実践し、社員の働き方の柔軟性と組織・チームの生産性向上の両立をめざしていきます。自律的な働き方(働き方を選択できる)とエンゲージメントについては、ポジティブな相関性があることが分かってきており、引き続き多様な働き方・働く環境整備を推進していきます。

さらに、社員のワークインライフの充実に向け、積極的な育児参画、介護・治療の両立ができる職場環境づくりを進めています。男性の育児事由休職・休暇取得率については、目標100%に対し、実績は120.0%となりました。引き続き、長期の育児事由の休職・休暇が取りやすい環境構築を推進していきます。

 

<健康・安全>

社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等に繋がり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、労働基準法等の関係法令の遵守はもとより、安全管理及び健康管理を目的に安全管理規程、健康管理規程等を定めています。NTTグループの事業を支える電気通信設備工事における事故の防止や安全な作業環境の整備に向け、委託先会社等の協力会社も含めたNTTグループ全体で各種対策や安全意識の向上に継続的に取り組んでいます。

機会への対応としては、従業員の健康維持・増進への取り組みがモチベーションや生産性を向上させ、企業の収益拡大にもつながるとの方針のもと、経営戦略の一環として健康経営に取り組んでいます。具体的には、スマートフォンアプリを活用した社員の健康活動促進のための取り組みや、社員の健康状態・変調を把握するための定期アンケート(パルスサーベイ)、外部相談窓口による健康相談・メンタルヘルスカウンセリングの実施といった取り組みを進めています。

 

<人権>

当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、外部評価機関も活用した人権デューデリジェンスの実施や、人権課題に関する研修、人権に関する相談窓口の設置・運営等、グループ一体となった人権意識の向上、人権マネジメントの強化に取り組むとともに、2024年7月には「NTTグループカスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定しました。あらゆる人権問題が生まれている昨今の状況を鑑み、サプライヤのみならず、社内における人権デューデリジェンスについても対象範囲を拡大し実施を図っています。

機会への対応としては、人権デューデリジェンスにおける改善要請が必要なサプライヤや改善要請が必要な全てのNTTグループ事業会社への直接対話の実行及びそれらのプロセスや結果を情報開示することにより、ステークホルダーの皆さまから信頼される企業として、ブランドイメージの向上につながると考えています。

 

〇 人的資本に関する指標及び目標

 

指標

目標

実績

従業員エンゲージメント率

改善(対基準年(2022年度:57%)比)

2024年度:61

女性の新任管理者登用率

毎年:30

2024年度:28.3

男性育児休業取得率

毎年:100

2024年度:120.0

改善要請が必要なサプライヤとの直接対話率

2025年度100

2024年度:100

(注)1. 従業員エンゲージメント率は、エンゲージメントを測る指標4項目をNTTグループKPIとして設定し、その肯定的回答者の割合です。従業員エンゲージメント率の集計範囲は、当社、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータグループ、NTTアーバンソリューションズ、NTTアノードエナジー及びこれらが指定する子会社※1です。
※1.指定する子会社とは別に、従業員エンゲージメント調査は順次拡大しており、2024年度より海外グ
  ループ会社も開始しています。

2. 女性の新任管理者登用率及び男性育児休業取得率の集計範囲は、国内主要5社(当社、NTTドコモ※2、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータグループ※2)です。
※2.NTTドコモにはNTTコミュニケーションズの数値が含まれます。また、NTTデータグループにはNTTデータ及びNTT DATA,
   Inc.の数値が含まれます。

3. 改善要請が必要なサプライヤとの直接対話率の集計範囲は、NTTグループ全調達額の90%以上を占める重要サプライヤ(約160社)のうち、第三者機関評価結果を踏まえて選定した、年間40社程度です。

 

(参考)多様性に関するその他の指標及び目標

 

指標

目標

実績

女性

採用率

毎年:30%

2024年度:32.4%

管理者比率

2025年度:15%

2024年度:13.1%

役員比率

2025年度:25~30%

2025年6月:26.7%

(注)1. 上記指標の集計範囲は、いずれも国内主要5社(当社、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータグループ)です。

※NTTドコモにはNTTコミュニケーションズの数値が含まれます。また、NTTデータグループには、NTTデータ及びNTT DATA, Inc.の数値が含まれますが、女性役員比率についてはNTTデータ及びNTT DATA, Inc.の数値は含まれません。

2. 当社における有価証券報告書提出日現在の女性の役員比率は、取締役37.5%、執行役員31.3%です。

 

③ 新たな価値創造

〇 新たな価値創造に関する戦略(リスク及び機会に対処するための取り組み)

 

<お客さま体験(CX)の高度化>

NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造の高度化に向け、様々なパートナーと連携し、新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす取り組みを推進しています。お客さまに新たな価値を提供するビジネス創造が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、社長を委員長とするマーケティング戦略委員会を設置・運営しているほか、各社にCXを検討するCX推進ラインを組成し、各社にて実施している、お客さまの声を収集し、サービス改善へ取り込むプロセスの可視化等の取り組みを進めています。また主要会社にCCXOを設置するとともに、2024年度から主要会社の注力領域事業を対象に、非財務指標の重要指標として顧客エンゲージメント指標を設定し、グループのCX向上の取り組みを加速・強力に推進していきます。

機会への対応としては、グループ横断の社内カンファレンスの開催等を通じて、各社の優良事例の水平展開によるビジネスの拡大に取り組んでいるほか、CXを重視したサービスの強化として、主要事業会社の注力領域におけるサービスやソリューションを対象にお客さま体験ファーストでのアジャイルな改善、アップデートを実施しています。カスタマージャーニーに寄り添いながらアジャイルでサービスを常に改善・アップデートしていくことで、お客さまの期待を超える新たな体験や感動を提供し、選ばれ続けるNTTグループをめざします。

 

<知的財産>

NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等について、その一部であっても当該権利を他者が保有する場合には、当該他者から実施許諾等を得ることを基本としています。もし、当該他者から実施許諾等が得られない、あるいは、許諾が失効した場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなるリスクがあります。

また、NTTグループが他者の知的財産権等を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合は、当該他者への損害賠償責任等の発生、権利を侵害した事業の差止め等の可能性があります。

さらに、NTTグループが保有する知的財産権等について、第三者による不正な使用等により、競争上の優位性が損なわれることで、NTTグループの経営成績や財務に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、戦略的な権利化の実施や、権利調査による状況把握・リスクマネジメントや戦略的な権利化を実施する等、他者が保有する知的財産権等への対策を講じています。

機会への対応としては、事業活動の源泉となる研究開発成果を、特許に代表される知的財産権として確保、もしくは社内に閉じたノウハウとすることで積極的かつ適切に保護・管理し、事業の優位性確保に努めています。また、産業界の発展に貢献する技術や標準化され社会での活用が期待されている技術を幅広くライセンスすることによって成果の普及を図る一方で、NTTグループ各社が研究開発成果を事業で活用する場面においては、他者の知的財産権を十分尊重しながら多様な活用と社会実装を進めており、新たな価値の創造と地球のサステナビリティへの貢献をめざしています。

 

〇 新たな価値創造に関する指標及び目標

 

指標

目標

実績

顧客エンゲージメント

[NPI]

改善(前年度比)

[NPS]

改善(前年度比)

[NPI]

2024年度:70.5%

[NPS]

2024年度:-31.3

(注)顧客エンゲージメント NPI(Next Purchase Intention)は継続利用意向、NPS®(Net Promoter Score®※1は他者への推奨度を測る指標です。顧客エンゲージメントの対象は、NTT東日本、NTT西日本並びにNTTドコモ※2の注力領域である中堅中小法人向けサービス、コンシューマ向けサービスです。(将来的には大規模法人向けサービスについての拡大を予定しています)

※1. 本文中に記載されているNet Promoter Score及びNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリック
   ス・システムズ(現NICE Systems, Inc.)の登録商標です。

※2. NTTドコモにはNTTコミュニケーションズの数値が含まれます。

 

④ レジリエンス

〇 レジリエンスに関する戦略(リスク及び機会に対処するための取り組み)

 

<自然災害、大規模故障等>

NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。

これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等によりお客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、通信ビルの耐震機能・水防機能の強化、伝送路の異経路化、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等サービス提供に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。2024年12月には大規模な自然災害の発生時におけるネットワークの更なる早期復旧を目的として、通信事業者間の新たな協力体制を構築しました。特に大規模故障への具体的な対策として、迅速かつ的確なサービス復旧を行うとともに、故障原因を早期に究明し、①顕在化したリスクのグループ横断的な総点検・再発防止、②想定外のことは必ず起こることを前提に、グループ横断的なリスクの棚卸に基づく、より強靭なネットワークの実現に向けた施策をグループ全体で実施していきます。

機会への対応としては、ネットワークの強靭化や復旧対応の迅速化等を通じて、通信ネットワーク・情報システムの信頼性が高まれば、顧客満足度やブランドイメージの向上につながると考えています。また、更なる信頼性を求めるお客さまに対しては、BCPを強化するソリューションのラインアップを充実することで新たな価値を提供します。

 

<セキュリティインシデントによるサービスレベル低下及び情報漏洩等>

サイバー攻撃や重要情報の管理不備等によるセキュリティインシデントにより、サービスレベルの低下や情報の漏洩等が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、グループCISO(Chief Information Security Officer)を最高責任者とするマネジメント体制を整備し、「サイバーインシデントは必ず起きる、被害の最小化が大切」という考えに基づいて、持株会社並びにグループ各社のトップリーダーシップのもと、世界でも広く活用されている米国国立標準技術研究所(NIST)のサイバーセキュリティフレームワークを採用したリスクベースでの情報セキュリティ対策に体系的に取り組んでいます。

具体的には、「三線防御」の原則の導入、グループ全体で守るべき規程の整備及び順守の徹底、セキュアなリモートワーク環境を提供するゼロトラスト型ITシステムへの移行・刷新、「二線」の取り組み強化とグループとしての人材育成を通じた各社のセキュリティ力向上、地政学リスクや安全保障の動向も踏まえたグローバルな脅威情報の収集/活用、早期検知・迅速対応のための最新技術の導入、セキュリティ対策の攻撃者目線での検証、国内外政府関連機関・重要インフラ事業者等との連携及び万一のインシデント時の対応演習、最新のサイバー攻撃・サイバーセキュリティ政策・経済安全保障分野の関連法制度等の動向を踏まえた対策、グループ国内全社長に対する研修や社員全員に向けた基本動作研修等の取り組みを行っています。

セキュリティインシデントによるサービスレベルの低下及び情報漏洩等、いずれにおいても、実際のインシデント対応から得られた「学び」を風化させないよう、グループ内で共有するとともに、共有内容を活用した対策をグループ全体で推進し、各社の事業特性に応じて実行しています。

また、NTTグループでは、個人情報等の機密情報の厳重な管理等に努めるとともに、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでいます。

機会への対応としては、最新技術と高度知識を持つセキュリティ専門人材を育成するとともに、上記リスクへの対応を通じて蓄積されてきた知見や情報を活かし、グループ外の企業やコミュニティに対するリスク対策支援サービスの提供等にも取り組んでいます。

 

<広報対応>

インターネット上でのNTTグループに関するネガティブ情報の拡散や、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際の広報対応が遅れたり、誤情報が発信された場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、故障発生時の迅速な広報対応等の実現に向け、総務省の定める周知・広報に関するガイドライン順守に向けた体制を整備しているほか、緊急時の広報対応に関する各社の優良事例の水平展開等を通じて、広報対応の品質向上に取り組んでおり、こうした取り組みを推進することで、顧客満足度やブランドイメージの向上につながると考えています。

 

<コンプライアンス>

NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。

これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、国内外を問わず、反競争的な違反行為、贈収賄等の防止をはじめ、より一層コンプライアンスを強化しています。

 

〇 レジリエンスに関する指標及び目標

 

指標

目標

実績

重大事故発生件数

2025年度:ゼロ

2024年度:1件

外部からのサイバー攻撃に伴う重大なインシデント件数

2025年度:ゼロ

2024年度:ゼロ

(注)1. 重大事故発生件数及び外部からのサイバー攻撃に伴う電気通信サービス停止件数の集計範囲は、指定公共機関である通信4社(NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ)です。

2. 重大事故とは、電気通信役務の提供を停止または品質を低下させた、以下の条件を満たす事故です。

・緊急通報(110、119等)を扱う音声サービス:1時間以上かつ3万人以上

・緊急通報を扱わない音声サービス:2時間以上かつ3万人以上、または1時間以上かつ10万人以上

・インターネット関連サービス(無料):12時間以上かつ100万人以上、または24時間以上かつ10万人以上

・その他の役務:2時間以上かつ3万人以上、または1時間以上かつ100万人以上

3. 重大なインシデントとは、「電気通信サービスの停止を伴うこと」、かつ、「対外的に広く認知されているもの(公式発表実施、または主要メディアでの報道あり)」に該当するインシデントです。

3【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行っています。

当社におけるビジネスリスクマネジメントの概要、リスクの抽出・重要リスクの特定、リスクの内容及び対処策については以下のとおりです。

 

 

(1)ビジネスリスクマネジメントの概要

身近に潜在するリスクの発生を予想・予防し、万一リスクが顕在化した場合でも損失を最小限に抑えること等を目的として、リスクマネジメントの基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を制定しています。代表取締役副社長が委員長を務めるビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、リスクマネジメントのPDCAサイクルを構築し運用しています。なお、2024年度においてビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回、グループビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回開催され、全社的に影響を与えると想定されるリスクの特定及びその管理方針等について議論しました。

また、グループ一体となってリスクマネジメントに取り組むため、NTTグループビジネスリスクマネジメントマニュアルを策定しグループ各社に配布しています。本マニュアル等により、リスク発生に備えた事前対処策、リスクが顕在化した場合におけるグループ連携方法や対応方針、情報連絡フロー等を定め、迅速な対応を可能とする体制を整備し運用しています。

 

 

(2)リスクの抽出・重要リスクの特定

当社では社会環境の変化等を踏まえ、想定するリスクや、その管理方針の見直しを随時行っています。リスクの抽出にあたっては、ビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、NTTグループを取り巻くリスクの分析プロセスを策定し、このプロセスに則って定期的にリスク分析を実施することで、全社リスクを特定します。さらに、それらリスクの相関分析を行い、最も重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「重要リスク」と特定し、その対応策を決定します。

 

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(3)リスクの内容及び対処策

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面していますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。

 

○ 経営戦略に係るリスク

事業成長に関するリスク

 

市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が充分に発揮されない可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・更なる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施していますが、海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

さらに、NTTグループは、活用を推進するため、「もし、全ての業務をAIに任せるとしたら」という発想で抜本的な業務プロセス変革や生成AI関連ビジネスを通じた新たな価値創造に取り組んでいます。しかしながら、AIの急速な進化に対して社内実装に向けた体制整備の遅れ、導入に係るコスト負担の増加、エコシステム形成に向けたパートナー等との連携の遅れ、法規制や社会的受容性への対応の遅延などにより、当該ビジネスが想定どおりに拡大しない場合には、競争力の低下やサービス品質維持に伴うコスト増、成長機会の逸失を招き、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、IOWNについては、そのロードマップが計画どおりに進展しないことにより、技術革新によるビジネスが拡大しないことや、IOWNを軸としたエネルギー効率化が図られないことで、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、2023年5月に発表した中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、これまでの中期経営戦略の考え方や取り組みをベースに、新たな価値創造と地球のサステナビリティを実現することをめざしています。

設備投資の効率化に向けては、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務における更なる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc.を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減等に取り組んでいます。

ITシステムについても、グローバルで標準化されたシステムへ移行していくことを通じて、共通基盤化による効率化を進めるとともに、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。

また、グローバル事業における着実な成長を実現するため、2019年よりグローバル事業の再編成に取り組んできましたが、昨今お客さまのニーズはますます多様化・高度化し、デジタルトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まるとともに、競合各社は社会・テクノロジーの変化に合わせサービスラインを拡大する等、事業環境が大きく変化してきています。このような状況下、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザ向けグローバル事業を株式会社エヌ・ティ・ティ・データ傘下に集約し、2024年4月より、北米、EMEA・中南米、APACの3つのRegional Units、Global Technology Services、Business Solutionsの2つのGlobal Unitsの計5Unitsで構成される新オペレーティングモデルでの事業運営を本格的に開始しました。統一した事業戦略のもと、インフラからアプリケーションまでのEnd to Endのサービス提供、当社の研究開発の成果の活用や5G等の分野におけるビジネス推進に取り組むとともに、中長期的には、IOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組みます。

出資に関しては、定期的にモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいます。

また、IOWNについては、IOWNロードマップの確実な実現に向け、IOWNのビジネス展開と開発ロードマップの進捗状況の確認及び達成に向けた対策検討等、技術革新や着実な達成に向けたリソースの確保・優先付けをし、遅滞のないよう取り組みます。

 

環境に関するリスク

 

気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環・自然資本等への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

気候変動や資源循環・自然資本等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 気候変動に関する戦略」をご参照ください。

 

 

お客さま体験(CX)の高度化に関するリスク

 

NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造の高度化に向け、様々なパートナーと連携し、新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす取り組みを推進しています。お客さまに新たな価値を提供するビジネス創造が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

お客さまの新たな体験や感動創造の取り組みが十分に進展しないリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

 

従業員体験(EX)の高度化に関するリスク

 

情報通信及び関連する市場では、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AI、デジタルツイン、量子コンピューティング等の技術が急速に進展しています。国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスやAIを中心とした変化が一層加速していくと見込まれます。また、2023年5月に発表した中期経営戦略の取り組みの柱にも成長分野への積極投資を掲げ、IOWN関連、スマートワールド、グリーンソリューション等新たな価値創造に注力しています。このような状況の中で、EXの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。EXの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等につながり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

EXの高度化に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。

 

 

○ 事業環境に係るリスク

金融市場に関するリスク

 

NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が制約される可能性や資金調達コストが増加する可能性があります。

また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。さらに、債権流動化等により資金の効率化にも取り組んでいます。また、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。

 

偶発的な被害に関するリスク

 

地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、新たな感染症の発生等の偶発的な事象が生じた場合、当社グループの社員・通信ネットワーク・情報システム等に対する被害が発生し、お客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

自然災害や武力攻撃・テロ等の物理的な攻撃に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

 

地政学に関するリスク

 

NTTグループは国内外において事業を展開しているため、テロリズム、武力行為、地域紛争等の国際情勢問題により、社員等の安全が脅かされる可能性や建物や設備が破壊される可能性、また、昨今の経済安全保障に係る懸念の高まりから、現地ビジネス展開、サプライチェーン、資金調達等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない等、事業継続が困難になる場合があります。状況によっては、これらの問題が当該国・地域のみに限定されず、グローバルな事業継続に影響が発生する場合も考えられます。

また、それらの結果、社員が直接被害を受ける可能性や、ネットワークやシステムの復旧に長い時間を要する可能性、燃料や機器の調達が困難になることによりサービスを安定的に提供できない可能性等が考えられ、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。状況によっては、それらに係る損害についてNTTグループが責任を負う可能性も考えられます。さらに、これらがNTTグループの信頼性や企業イメージの低下につながるおそれもあります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、国内外の情報管理方法の強化や社員安否確認の定期的な訓練、通信ビル等重要設備のセキュリティ確保や冗長性のある伝送ルート設計、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等を行っています。また、 NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。これらのように、NTTグループは事業継続に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。

 

知的財産に関するリスク

 

NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等について、その一部であっても当該権利を他者が保有する場合には、当該他者から実施許諾等を得ることを基本としています。もし、当該他者から実施許諾等が得られない、あるいは、許諾が失効した場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなるリスクがあります。

また、NTTグループが他者の知的財産権等を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合は、当該他者への損害賠償責任等の発生、権利を侵害した事業の差止め等の可能性があります。

さらに、NTTグループが保有する知的財産権等について、第三者による不正な使用等により、競争上の優位性が損なわれることで、NTTグループの経営成績や財務に影響を与える可能性があります。

知的財産に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

 

 

○ 事業活動に係るリスク

提供サービスの不具合に関するリスク

 

NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。

これらのサービス提供に関して、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等によりお客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。

システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

 

 

セキュリティインシデントに関するリスク

 

サイバー攻撃や重要情報の管理不備等によるセキュリティインシデントにより、サービスレベルの低下や情報漏洩等が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。

セキュリティインシデントによるサービスレベルの低下や情報漏洩等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

 

広報活動に関するリスク

 

インターネット上でのNTTグループに関するネガティブ情報の拡散や、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際の広報対応が遅れたり、誤情報・偽情報が発信された場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。

ネガティブ情報・故障等発生時の広報対応遅れに関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

 

人権に関するリスク

 

NTTグループは国内外において事業を展開しており、当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

人権に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。

 

コンプライアンスに関するリスク

 

NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。

これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

コンプライアンス違反に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

 

契約締結に関するリスク

 

NTTグループの事業運営に関し、不適切な契約の締結がなされた場合、NTTグループが損害賠償請求を受ける等、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、契約審査制度の整備や契約に関する社内研修等を実施しているほか、NTTグループ各社において発生している、又はそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。

 

 

AIの不適切な利用等に関するリスク

 

多種多様な業界でAI利用が活性化する一方で、AIの不適切な利用により、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループ及びお客さま企業のイメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループが社会的責任を果たせなくなる可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、重大インシデントの防止及び確実なグループAIガバナンスの実行に向けて、AIガバナンスに関する規程類を制定しています。また、各事業会社においてAIリスクマネジメント責任者を定め、各AIプロジェクトに対するリスクの評価及びリスクヘッジのための対策をプロジェクトマネージャーとともに検討するAIマネジメントシステムを確立しています。持株会社においては、各事業会社における上記のAIマネジメントシステムが適切に運用されていることをモニタリングし、必要に応じて指導していきます。こうしたAIガバナンスを通してお客さまが安心してご利用いただけるAIサービスの提供に努めます。

 

各種規制対応、政府の株式保有等により事業に影響を与えるリスク

 

NTTグループは、事業の遂行に関して、規制当局による措置に服するリスクにさらされています。

 

日本の情報通信市場においては、競争促進や利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。

政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容等については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。

また、NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。

スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。さらには、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、5Gエリア拡大等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。

さらに、NTTグループが、金融ビジネスの事業展開を一層推し進めるにあたり、政府等が行う規制等に対し必要な対応が行えず、当局による業務の停止等が発生し、社会的な批判、お客さまからの信頼の喪失等により事業成長に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、規制対応等、金融ビジネス特有のリスクに適した管理体制構築や、金融ビジネスの専門人材の確保・育成に努めています。

 

政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の35.28%(議決権比率35.28%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。

なお、2023年8月以降、総務省情報通信審議会において、「日本電信電話株式会社等に関する法律(以下、「NTT法」)」に関する議論が行われ、2025年5月に公布されたNTT法の改正法の附則には、引き続き、NTT法の改廃を含め検討を行い、必要な措置を講じる旨が規定されています。将来的に、仮にNTT法が廃止され、NTT法第4条に規定される政府株式保有義務(当社株式の三分の一以上の保有義務)も同時に効力を失った場合、政府が当社株式を売却する可能性も想定されますが、自由民主党 政務調査会が2023年12月5日に出した提言において「仮に株式を売却する場合には、市場に与える影響を勘案した手法を選択すべき」とされており、当社としても市場に影響を与えないような対応を求めていきます。

 

(参考情報)当社事業にかかる法規制等

 

(1)規制

情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。

当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。

なお、2025年5月に「電気通信事業法」及び「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法が公布され、ユニバーサルサービスの提供責務等に係る改正は公布から2年以内に、それ以外の改正は公布から1年以内に施行されます(施行までの間は、改正前の法令が適用されます)。

現行法および改正内容の概要は次のとおりです。

 

① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)

電気通信事業法による規制は次のとおりです。

(a) 電気通信事業者に課される規制

a 基礎的電気通信役務の提供

・ 基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供(第7条)

基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき次に掲げる電気通信役務)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。

・第一号基礎的電気通信役務

加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。

・第二号基礎的電気通信役務

FTTHアクセスサービス、CATVアクセスサービス、専用型ワイヤレス固定ブロードバンドアクセスサービス

b 電気通信事業の開始等

・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)

ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。

・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))

・登録の更新制の対象に、第一種指定電気通信設備設置事業者(NTT東日本およびNTT西日本(以下、東西地域会社)が指定)および総務大臣の指定を受けた第二種指定電気通信設備設置事業者(NTTドコモが指定)がグループ内の総務省令で定める特定電気通信事業を営む法人との間で合併や分割承継等を行った場合が追加(第12条の2)

・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)

c 利用者料金その他の提供条件の設定等

・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)

基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 消費者保護関連

電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。

d 相互接続

・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)

e ユニバーサルサービス交付金制度

 ユニバーサルサービス交付金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な通信事業者全体で支えていくための制度です。

 第一号基礎的電気通信役務については、その提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する第一種適格電気通信事業者(第108条)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。

 東西地域会社は、総務大臣から第一種適格電気通信事業者に指定されており、2023年度と2024年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ67億円、64億円となっています。

 第二号基礎的電気通信役務についても、第一号基礎的電気通信役務と同様に、支援機関が適格電気通信事業者(第110条の3)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、必要な費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条の5)こととされています。

 東西地域会社は、2025年3月に総務大臣から第二種適格電気通信事業者に指定されております。

 なお、東西地域会社は、日本電信電話株式会社等に関する法律により、第一号基礎的電気通信役務のみ全国提供を義務付けられています(第3条)。

(今回の改正内容(公布から2年以内に施行))

・同一区分の基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者がいない時に東西地域会社が最終保障電気通信事業者として基礎的電気通信役務の提供を行う最終保障提供義務へ見直し(第25条の2)
(あわせて、日本電信電話株式会社等に関する法律における電話の役務を全国あまねく提供する責務を廃止)

 

(b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制

a 利用者料金その他の提供条件の設定

・指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)

第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。

・特定電気通信役務の料金の規制(第21条)

特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。

 

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))

・特定電気通信役務をプライスキャップ規制の対象外とする一方、都市部以外の地域において異なる料金の額が定められている場合、総務大臣による変更命令が可能となる規制を追加(第19条)

・電報の事業に係る規程は廃止(附則第5条)

(電報については、その料金や契約約款を変更する際、総務大臣の認可が必要とされていました)

 

(注)

・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、各事業者の業務区域(NTT東日本の場合は東日本エリア全域、NTT西日本の場合は西日本エリア全域)内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。

・指定電気通信役務    第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。

・特定電気通信役務    指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。

 

・基準料金指数      特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。

・プライスキャップ規制  料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2023年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。

b 相互接続等

・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)

東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。

 

(電話接続料)

1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。

なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。

2025年度以降の接続料については、2024年の情報通信審議会における検討の結果、IP網への移行後(2025年1月以降)はメタル収容装置とIP網を組み合わせた接続料を適用することとし、メタル収容装置等は引き続き長期増分費用方式、IP網は実際費用方式を適用することとされました。

 

(光ファイバ接続料)

東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。

加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2023年度から2025年度までの3年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。

なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。

 

・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)

東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。

・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)

東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)

東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)

東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。

・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:フレッツ光、ひかり電話)の提供義務(第38条の2)
東西地域会社は、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。

 

c 禁止行為

東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。

また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。

したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。
(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))

・東西地域会社において、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。

・東西地域会社と特定関係事業者(総務大臣が指定するもの※)との間において、東西地域会社において取締役等である者が特定関係事業者において取締役等又は従業者を兼ねること、東西地域会社における従業者が特定関係事業者において取締役等を兼ねることの禁止を追加(第31条)

・東西地域会社については、特定関係事業者の重要従業者(特定関係事業者の運営において重要な役割を担う従業者として総務省令で定める要件に該当するもの※)を、東西地域会社の業務のうち、特定の業務(電気通信事業者間の適正な競争関係の確保のため、その公正な運営が特に必要なものとして総務省令で定めるもの)に従事させることを禁止。また、特定関係事業者については、東西地域会社の業務のうち、特定の業務に従事する者を、特定関係事業者の重要従業者として従事させることの禁止を追加(第31条)。

・東西地域会社と特定関係事業者との間で行う取引について、総務省令で定めるものについて、禁止することが新たに追加(第31条)。

※今後、総務省令等により、具体的内容を制定予定。

 

(c) 株式会社NTTドコモに課される規制

a 相互接続等

・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)

株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)

株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。

・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)

株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。

・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:携帯電話、BWAアクセスサービス、セルラーLPWA)の提供義務(第38条の2)
株式会社NTTドコモは、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。

 

なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。

 

b 禁止行為

株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。

また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。

(注)

・第二種指定電気通信設備  電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))

・NTTドコモにおいて、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。

 

② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)

(a) 概要

1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」(以下、「平成9年改正法」)は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。

なお、2025年5月に「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法(以下、「令和7年改正法」)が公布され、電話のあまねく提供責務の廃止(電気通信事業法での最終保障提供義務への見直し)や東西地域会社における業務範囲規制の見直し(県間通信業務を本来業務へ変更、目的達成業務の事後届出制への変更、活用業務に係る実施基準の届出および実施基準に対する遵守状況の事後検証制への変更)、自己設備設置義務の対象となる役務の例外(県間通信業務等)の追加、東西地域会社における合併・分割承継等の決議に係る認可制の緩和(認可が不要となる合併、分割承継等の例外追加)、重要設備譲渡認可制の対象となる設備・行為に土地・工作物および総務省令で定める処分の追加 等といった改正が行われました。

また令和7年度改正法の施行後3年後を目途として技術や利用動向、競争状況を踏まえ、引き続き、NTT法の改廃も含めてNTT、NTT東日本およびNTT西日本に係る制度の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずる旨、附則に規定されました。

 

(b) 目的・事業・責務

一 目的

日本電信電話株式会社(以下、「会社」)、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下、「東西地域会社」)について定めることを目的とする。

 

一の二 定義

1 会社とは、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社であって、附則第4条第1項に規定する権利及び義務を承継したものをいう。

2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

 

(注)附則第4条第1項

日本電信電話公社は、会社の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において当社が承継する。

(注)平成9年改正法附則第2条第1項

国は、東西地域会社を設立し、それぞれ、日本電信電話株式会社が営んでいる国内電気通信業務のうちこの法律による改正後の地域電気通信業務に該当する業務を、各地域会社に引き継がせるものとする。

 

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))

2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

 

二 事業

1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること

(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと

(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと

(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務

2 会社は、二の1に規定する業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。

3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務

イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県

ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府並びにイに掲げる県以外の県

(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務

4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次に掲げる業務を営むことができる。

(1)二の3に規定するもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務

(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域(目的業務区域)以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務

5 地域電気通信業務は、東西地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に、総務大臣の認可により、他の電気通信事業者の設備(無線設備)を用いて電話を提供することができる。

6 東西地域会社は、二の3、二の4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、二の3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。

 

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行。第5項のうち<>内は公布から2年以内に削除。)

二 事業

1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること

(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと

(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと

(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務

2 会社は、二の1に規定する業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。

3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

(1) 地域電気通信業務(その目的業務内において、基礎的電気通信役務およびその他の電気通信役務(通信を媒介するものに限り、次に掲げるものを除く)を提供する電気通信業務)

イ その一端が移動端末設備と接続される伝送路設備であって総務省令で定めるものを用いる電気通信役務

ロ 専らインターネットへの接続を可能とする電気通信役務を提供するために設置される電気通信設備として総務省令で定めるものを用いる電気通信役務

(2)電気通信業務に附帯する業務

4 東西地域会社は、次に掲げる業務を営むことができる。この場合において、地域会社は当該業務を開始したときは、総務省令で定めるところにより、総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。

(1)前項に規定するもののほか、地域会社の目的を達成するために必要な業務

(2)他の地域会社の目的業務区域内における通信を媒介する電気通信役務(前項(1)イおよびロに掲げる電気通信役務を除く。)を提供する電気通信業務

5 地域電気通信業務(目的業務区域内の各都道府県の区域と当該目的業務区域内の他の各都道府県の区域との通信を媒介する電気通信役務を提供する電気通信業務を除く)は地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、<電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することまたは>地域電気通信業務に係る電気通信役務<(電話の役務に係るものを除く。)>の適切かつ安定的な提供を確保するために必要があると認められる場合であって、総務省令で定めるところにより、総務大臣の認可を受けたときは、この限りでない。

6 前三項において、「目的業務区域」とは次の各号に掲げる地域会社の区分に応じ、当該各号に定める区域をいう。

(1)東日本電信電話株式会社

北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県および長野県の区域を合わせた区域

(2)西日本電信電話株式会社

京都府、大阪府ならびに前号に規定する県以外の県の区域を合わせた区域

7 地域会社は二の3を営むために保有する設備もしくは技術またはその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務(同項(1)イおよびロに掲げる電気通信役務を提供する電気通信業務その他総務省令で定める業務を除く。以下この条において「活用業務」)を営むことができる。

8 地域会社は、前項の規定により活用業務を営もうとするときは、総務省令で定めるところにより、あらかじめ、活用業務の実施に関する基準(以下この条において「実施基準」という)を定め、これを総務大臣に届け出るとともに公表しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

9 実施基準は、地域会社が活用業務を営むに当たって遵守すべき次に掲げる事項に関し、総務省令で定めるところにより、必要な内容を定めたものでなければならない。

(1)活用業務が二の3に規定する業務の円滑な遂行に支障のない範囲内において営まれることを確保するための措置に関する事項

(2)活用業務が電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内において営まれることを確保するための措置に関する事項

10 地域会社は、活用業務を営むに当たっては、実施基準に定めるところに従わなければならない。

11 地域会社は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、活用業務の実施状況その他の総務省令で定める事項を総務大臣に報告するとともに、公表しなければならない。

12 総務大臣は、実施基準が二の9の規程に適合しないと認めるときは、地域会社に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

13 総務大臣は、地域会社が実施基準を遵守していないと認めるときは、地域会社に対し、活用業務が第三項に規定する業務の円滑な遂行および電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内において営まれることを確保するために必要な限度において、実施基準を遵守すべきことを命ずることができる

 

三 責務

会社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意するとともに、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。

 

(今回の改正内容(公布から2年以内に施行))

・ 責務の規定を廃止(第3条)

 

(c) 総務大臣の認可を必要とする事項

・ 会社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)

(注)会社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)

・ 会社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議(第11条)

(注)定款の変更は、会社又は東西地域会社の商号の変更に係る決議を除く

・ 会社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)

・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条)

 

(今回の改正内容(公布から2年以内に施行))

・ 会社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議

(注)電気通信事業を営まない法人であって資本の額その他の経営の規模が総務省令で定める基準に達しないものの権利義務の全部を地域会社に承継される合併、地域会社の電気通信事業以外の事業であって総務省令で定める合併または分割を除く

・ 東西地域会社の重要な設備および電気通信設備の設置に必要な建物その他の工作物、土地(総務省令で定めるもの)の譲渡担保に供することおよび処分(総務省令で定めるもの)を行うこと(第14条)

 

(d) その他総務大臣に対する義務

・ 会社の代表取締役、取締役又は監査役の就任又は退任の届出(第10条)

(注)日本の国籍を有しない人は、会社及び東西地域会社の代表取締役となることができない

(注)会社及び東西地域会社は、日本の国籍を有しない人がそれぞれの取締役又は監査役の三分の一以上を占めることとなってはならない

・ 会社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)

・ 会社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)

・ 会社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条)

 

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))

・ 会社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)については、廃止。

 

③ 電波法(昭和25年法律第131号)

(a)総務大臣の免許を必要とする事項

・ 無線局の開設(第4条)

 

(b)総務大臣の許可を必要とする事項

・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条)

 

(携帯電話の周波数帯割当て)

移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。

(今回の改正内容(公布から9か月以内に施行))

電波法改正により、価額競争(入札又は競りにより最も高い価額を申し出た参加者を落札者とする。)により周波数を割当てる事業者を決定する制度が創設されます。

 

(2)会社株式に係る事項

 

① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条)

会社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。

  (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人

二 外国政府又はその代表者

三 外国の法人又は団体

四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体

なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、及びその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しています。

 

 

② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)

政府は、常時、会社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。

  (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)

・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。

・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があった場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があった場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。

2025年3月31日時点の当社の発行済株式総数は90,550,316,400株であり、同日現在の政府保有株式数は29,199,372,200株、即ち、自己株式を除き発行済株式総数の35.28%となっています。

(注)当社は2000年12月に公募増資により30万株(2009年1月4日付の株式分割、2015年7月1日付の株式分割、2020年1月1日付の株式分割及び2023年7月1日付の株式分割後に換算すると30億株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は33.33%となります。

NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われています。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。

 

 

 

③ 政府保有株式の売却について

  政府の保有する会社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条)

 

・ 売却の経緯及び売却方針について(第一次売出から第六次売出について)

当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、1986~1988年度において売却されました。

また、1990年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、1997年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。)

1998年度においては、1998年12月に100万株について売却が実施されました。

1999年度においては、100万株が売却限度数として計上されていましたが、このうち48,000株については1999年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については1999年11月に売却が実施されました。また、上記の1990年12月に示された売却方針については終了しました。

2000年度においては、2000年11月に100万株の売却が実施されました。

 

・ 政府保有株式の売却実績について

提出日現在までの政府保有株式の売却実績については、下表のとおりです。

年度

政府の売却実績

売却時期

売却株数

売却方法

1986年度

1987年 2月(第一次売出)

200,000株

一般競争入札

1,750,000株

証券会社による「売り出しの取り扱い」

1987年度

1987年11月(第二次売出)

1,950,000株

証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」

1988年度

1988年10月(第三次売出)

1,500,000株

証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」

1998年度

1998年12月(第四次売出)

1,000,000株

ブックビルディング方式による株式売り出し

1999年度

1999年 7月13日

48,000株

自己株式買入

1999年11月(第五次売出)

952,000株

ブックビルディング方式による株式売り出し

2000年度

2000年11月(第六次売出)

1,000,000株

ブックビルディング方式による株式売り出し

2002年度

2002年10月 8日

91,800株

自己株式買入

2003年度

2003年10月15日

85,157株

自己株式買入

2004年度

2004年11月26日

800,000株

自己株式買入

2005年度

2005年 9月 6日

1,123,043株

自己株式買入

2011年度

2011年 7月 5日

57,513,600株

自己株式買入

2012年 2月 8日

41,820,600株

自己株式買入

2013年度

2014年 3月 7日

26,010,000株

自己株式買入

2014年度

2014年11月14日

35,088,600株

自己株式買入

2014年11月28日

1,068,100株

自己株式買入

2016年度

2016年 6月14日

59,000,000株

自己株式買入

2019年度

2019年 9月11日

48,666,700株

自己株式買入

2022年度

2022年 9月15日

92,925,400株

自己株式買入

(注)1.1995年11月24日を効力発生日として、普通株式1株につき1.02株の割合をもって株式分割いたしました。

2.2009年1月4日を効力発生日として、普通株式1株につき100株の割合をもって株式分割いたしました。

3.2015年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。

4. 2020年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

(1)中期財務目標の進捗

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

増減

増減率

EBITDA

34,181

32,393

△1,789

△5.2%

海外営業利益率

8.6%

7.5%

△1.2ポイント

既存分野ROIC

8.1%

5.6%

△2.4ポイント

(注)1.EBITDA及びその内訳の減価償却費について、使用権資産に係る減価償却費を全て除いています。

2.海外営業利益率の算定にあたっては、買収に伴う無形資産の償却費等、一時的なコストを除外しています。なお、集計範囲はNTTデータグループ海外事業です。

3.既存分野を「NTTドコモグループ・コンシューマ通信事業、NTT東日本グループ、NTT西日本グループ」と定義しています。

 

NTTグループは2023年5月に中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」を発表しました。お客さまと社会のために新たな価値を提供し、事業そのものをサステナブルな社会の実現へとシフトすることで、地球のサステナビリティを支える存在になっていきたいと考えています。そのために、成長分野への投資を拡大し、5年間で成長分野に約8兆円の投資を行うほか、さらに未来のためにキャッシュ創出力を拡大し、2027年度に向けて成長のためのキャッシュを増大することで、EBITDA約4兆円をめざしていきます。

中期財務目標については、持続的な更なる成長に向けて、キャッシュ創出力を軸とした取り組みを強化する観点から、EBITDAを主要指標とし、2027年度に向けて20%増加となる4兆円の達成をめざしています。ドライバーとなる成長分野では、EBITDA40%増加を目標とし、海外営業利益率も2025年度に10%の達成をめざしています。既存分野ではEBITDA10%増加に加え、ROIC(投下資本利益率)9%の目標を掲げて取り組んでいます。

当連結会計年度のEBITDAは、前期比5.2%減少し、3兆2,393億円となりました。これは営業利益の減少等によるものです。海外営業利益率は、前期比1.2ポイント低下し、7.5%となりました。既存分野ROICは、前期比2.4ポイント低下し、5.6%となりました。

 

 

(2)経営成績の状況の分析(連結)

 

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営業収益

NTTグループの営業収益は、固定音声関連、移動音声関連、IP系・パケット通信、通信端末機器販売、システムインテグレーション及びその他の6つのサービス分野に区分しています。

当連結会計年度の営業収益は、前期比2.5%増加し、13兆7,047億円となりました。これは、固定音声関連収入や移動音声関連収入の減少はあるものの、システムインテグレーション収入の増加等によるものです。

当連結会計年度の各サービス分野における営業収益の概要は、次のとおりです。

 

・固定音声関連収入

固定音声関連サービスには、加入電話、INSネット、一般専用、高速ディジタル伝送等、地域通信事業セグメントと総合ICT事業セグメントの一部が含まれています。

当連結会計年度における固定音声関連収入は、前期比7.3%減少し、7,466億円となりました。これは、携帯電話やIP電話の普及、OTT事業者が提供する無料又は低価格の通信サービスの増加等により、加入電話やINSネットの契約数が引き続き減少したこと等によるものです。

※ Over The Top の略。自社でサービスの配信に必要な通信インフラを持たずに、他社の通信インフラを利用

してコンテンツ配信を行うサービス。

 

・移動音声関連収入

移動音声関連サービスには、5GやLTE(Xi)等における音声通話サービス等の総合ICT事業セグメントの一部が含まれています。

当連結会計年度における移動音声関連収入は、前期比3.4%減少し、9,543億円となりました。これは、irumo等の料金プラン拡大に伴うARPUの減少により、収入の減少があったこと等によるものです。

 

・IP系・パケット通信収入

IP系・パケット通信サービスには、「フレッツ光」等の地域通信事業セグメントの一部や、5GやLTE(Xi)等におけるパケット通信サービスやArcstar Universal One、IP-VPN、OCN等の総合ICT事業セグメントの一部が含まれています。

当連結会計年度におけるIP系・パケット通信収入は、前期比1.1%減少し、3兆3,960億円となりました。

 

・通信端末機器販売収入

通信端末機器販売には、総合ICT事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれています。

当連結会計年度における通信端末機器販売収入は、前期比0.0%増加し、8,523億円となりました。これは、総合ICT事業セグメントにおいて、法人向けの通信端末機器販売の増加に伴い収益が拡大したこと等によるものです。

 

・システムインテグレーション収入

システムインテグレーションには、グローバル・ソリューション事業セグメント、総合ICT事業セグメント、地域通信事業セグメント、その他(不動産、エネルギー等)の一部が含まれています。

当連結会計年度のシステムインテグレーション収入は、前期比6.9%増加し、5兆2,090億円となりました。これは、グローバル・ソリューション事業セグメントにおいて、国内外ともに、デジタル化需要を取り込んだことや、為替影響による増加等によるものです。

 

・その他の営業収入

その他のサービスには、主に建築物の保守、不動産賃貸、電力販売、総合ICT事業セグメントにおけるスマートライフ事業等が含まれています。

当連結会計年度のその他の営業収入は、前期比5.1%増加し、2兆5,465億円となりました。これは、スマートライフ事業の拡大等によるものです。

 

営業費用

当連結会計年度の営業費用は前期比5.3%増加し、12兆552億円となりました。主な要因は以下のとおりです。

 

・人件費

当連結会計年度の人件費は、前期比5.6%増加し、3兆986億円となりました。これは、グローバル・ソリューション事業セグメントにおいて、事業拡大等により人件費が増加したこと等によるものです。

 

・経費

当連結会計年度の経費は、前期比5.1%増加し、6兆8,177億円となりました。これは、総合ICT事業セグメントのスマートライフ事業やグローバル・ソリューション事業セグメントにおいて、収益連動費用が増加したこと等によるものです。

 

・減価償却費

当連結会計年度の減価償却費は、前期比5.7%増加し、1兆7,220億円となりました。

 

営業利益

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前期比14.2%減少し、1兆6,496億円となりました。

 

金融損益

当連結会計年度の金融損益は、前期の333億円に対し△1,104億円となりました。これは、前期に実施した株式会社インターネットイニシアティブ普通株式の一部売却に伴う株式売却益の計上が今期はないことに加え、支払利息が増加したこと等によるものです。

 

持分法による投資損益

当連結会計年度の持分法による投資損益は、前期比5.3%増加し、255億円となりました。

 

税引前利益

以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は前期比21.0%減少し、1兆5,647億円となりました。

 

法人税等

当連結会計年度の法人税等は、前期比24.1%減少し、4,823億円となりました。前連結会計年度、当連結会計年度の税負担率は、それぞれ32.08%、30.82%となっています。

 

当社に帰属する当期利益

以上の結果、当連結会計年度の当期利益は前期比19.5%減少し、1兆824億円となりました。また、非支配持分に帰属する当期利益を控除した当社に帰属する当期利益は、前期比21.8%減少し、1兆円となりました。

 

業績の内訳は次のとおりです。

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

133,746

137,047

3,302

2.5%

 固定音声関連収入

8,050

7,466

△584

△7.3%

 移動音声関連収入

9,876

9,543

△333

△3.4%

 IP系・パケット通信収入

34,343

33,960

△383

△1.1%

 通信端末機器販売収入

8,520

8,523

3

0.0%

 システムインテグレーション収入

48,737

52,090

3,353

6.9%

 その他の営業収入

24,219

25,465

1,246

5.1%

営業費用

114,517

120,552

6,035

5.3%

 人件費

29,355

30,986

1,631

5.6%

 経費

64,894

68,177

3,283

5.1%

 減価償却費

16,286

17,220

934

5.7%

 その他

3,982

4,168

186

4.7%

営業利益

19,229

16,496

△2,733

△14.2%

金融損益

333

△1,104

△1,437

持分法による投資損益

242

255

13

5.3%

税引前利益

19,805

15,647

△4,158

△21.0%

法人税等

6,353

4,823

△1,531

△24.1%

当期利益

13,451

10,824

△2,627

△19.5%

控除:非支配持分に帰属する当期利益

656

824

168

25.6%

当社に帰属する当期利益

12,795

10,000

△2,795

△21.8%

 

 

(3)経営成績の状況の分析(セグメント)

 

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総合ICT事業セグメントには、固定音声関連サービス、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれています。

地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれています。

グローバル・ソリューション事業セグメントには、主にシステムインテグレーションサービスが含まれています。

また、その他(不動産、エネルギー等)には、主に建築物の保守、不動産賃貸、電力販売、研究開発等に係るその他のサービスが含まれています。

 

当連結会計年度における各セグメントの営業実績の概要は、次のとおりです。なお、各セグメントの営業実績の記載における営業収益・営業費用・営業利益は、セグメント間取引を含めています。また、当社グループは電気通信事業等の事業を行っており、生産、受注といった区分による表示が困難であるため、セグメントごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の状況については各セグメントの営業業績に関連付けて示しています。

①総合ICT事業セグメント

 

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総合ICT事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、irumo等の料金プラン拡大に伴うARPUの減少による減収の影響があったものの、金融・決済、マーケティングソリューションを始めとするスマートライフ事業や、法人事業の拡大等により6兆2,131億円(前期比1.2%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、コスト効率化の取り組みによる費用の減少はあるものの、顧客基盤強化のための施策費用の増加等により5兆1,926億円(前期比3.9%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1兆205億円(前期比10.8%減)となりました。

 

セグメント業績の概要                                  (単位:億円)

 

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

61,400

62,131

731

1.2%

固定音声関連サービス

1,439

1,120

△319

△22.2%

移動音声関連サービス

9,950

9,623

△327

△3.3%

IP系・パケット通信サービス

22,939

22,519

△420

△1.8%

通信端末機器販売

7,809

7,838

29

0.4%

システムインテグレーションサービス

6,422

6,761

340

5.3%

その他

12,841

14,270

1,429

11.1%

営業費用

49,956

51,926

1,970

3.9%

人件費

5,102

5,411

308

6.0%

経費

35,516

36,839

1,323

3.7%

減価償却費

8,123

8,424

301

3.7%

その他

1,214

1,252

38

3.1%

営業利益

11,444

10,205

△1,239

△10.8%

 

 

《契約数、ARPU》

 

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2025年3月31日現在、NTTドコモの携帯電話サービスの契約数は9,141万契約となり、前期末時点の8,994万契約から147万契約増加しました。また、解約率は前期比0.09ポイント増加し、0.76%となりました。

当連結会計年度におけるモバイル通信ARPUは、irumo等の料金プラン拡大により3,940円となり、前期の3,980円に比べて40円(1.0%)減少しました。

 

総合ICT事業セグメントの契約数及び市場シェア                     (単位:千契約)

サービスの種類

2024年3月31日現在

2025年3月31日現在

増減

増減率

携帯電話サービス

89,940

91,407

1,468

1.6%

  5Gサービス

29,740

37,315

7,575

25.5%

  LTE(Xi)サービス

53,041

49,087

△3,954

△7.5%

  FOMAサービス

7,159

5,005

△2,153

△30.1%

 (再掲)ハンドセット契約数

53,487

53,123

△364

△0.7%

携帯電話市場シェア

42.3%

42.2%

△0.1ポイント

spモードサービス

53,057

53,808

751

1.4%

iモードサービス

1,113

788

△325

△29.2%

ぷらら(ISP)

2,797

2,578

△219

△7.8%

OCN(ISP)

7,030

6,799

△231

△3.3%

ひかりTV

764

696

△67

△8.8%

(注)1.携帯電話サービス契約数には、MVNOとの契約及び通信モジュールサービス契約数を含めて記載しています。

2.ハンドセット契約数については、音声通話が利用可能な料金プランの契約数(2in1除く)を記載しています。

3.他社契約数については、一般社団法人電気通信事業者協会及び各社が発表した数値を基に算出しています。

4.spモードサービスには、ahamo契約数及びOCNモバイル契約数を含めて記載しています。

 

 

ARPU

区分

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

増減

増減率

モバイル通信ARPU(円)

3,980

3,940

△40

△1.0%

(注)1.ARPUの算定式については「(注)2.ARPUの算定式(b)NTTドコモ」をご参照ください。

2.モバイル通信ARPUにOCNモバイル関連収入・契約数を含めて算出しています。

 

②地域通信事業セグメント

 

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地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、固定音声関連サービス収入の減少や、前期に実施したノンコア資産スリム化影響の反動によるその他収入の減少等により3兆1,123億円(前期比2.2%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、コスト効率化の取り組みによる費用の減少はあるものの、減価償却費の増加等により2兆8,168億円(前期比2.6%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は2,955億円(前期比32.5%減)となりました。

 

セグメント業績の概要                                  (単位:億円)

 

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

31,832

31,123

△709

△2.2%

固定音声関連サービス

8,355

7,959

△396

△4.7%

IP系・パケット通信サービス

15,814

15,793

△21

△0.1%

通信端末機器販売

728

715

△13

△1.8%

システムインテグレーションサービス

2,212

2,672

460

20.8%

その他

4,723

3,984

△739

△15.7%

営業費用

27,455

28,168

713

2.6%

人件費

6,363

6,334

△29

△0.5%

経費

14,918

15,364

446

3.0%

減価償却費

4,094

4,329

236

5.8%

その他

2,080

2,141

61

2.9%

営業利益

4,377

2,955

△1,422

△32.5%

 

 

加入電話及びINSネットの契約数                          (単位:千加入/回線)

サービスの種類

2024年3月31日現在

2025年3月31日現在

増減

増減率

(NTT東日本)

 

 

 

 

 加入電話

5,736

5,382

△354

△6.2%

 INSネット

617

547

△70

△11.4%

(NTT西日本)

 

 

 

 

 加入電話

5,470

5,062

△408

△7.5%

 INSネット

612

544

△69

△11.2%

(注)1.加入電話は、一般加入電話とビル電話を合算しています(加入電話・ライトプランを含む)。

2.「INSネット」には、「INSネット64」及び「INSネット1500」が含まれています。「INSネット1500」は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)のいずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しています(INSネット64・ライトを含む)。

 

加入電話やINSネットについて、お客さまのニーズが携帯電話、IP電話、OTT事業者が提供する無料又は低価格の通信サービス等へと移行していること等に伴い、2025年3月31日現在の固定電話契約数(固定電話+INSネット)は、前期比901千契約減少し、11,535千契約となりました。

 

 

フレッツ光(コラボ光含む)、フレッツ・ADSL、ひかり電話、フレッツ・テレビ伝送サービスの契約数

(単位:千契約)

サービスの種類

2024年3月31日現在

2025年3月31日現在

増減

増減率

(NTT東日本)

 

 

 

 

 フレッツ光(コラボ光含む)

13,368

13,442

75

0.6%

 (再掲)コラボ光

10,069

10,290

222

2.2%

 フレッツ・ADSL

3

0

△3

△99.3%

 ひかり電話(千チャネル)

9,786

9,565

△221

△2.3%

 フレッツ・テレビ伝送サービス

1,205

1,238

33

2.8%

(NTT西日本)

 

 

 

 

 フレッツ光(コラボ光含む)

10,286

10,344

59

0.6%

 (再掲)コラボ光

7,048

7,195

147

2.1%

 フレッツ・ADSL

43

34

△8

△20.0%

 ひかり電話(千チャネル)

8,518

8,314

△204

△2.4%

 フレッツ・テレビ伝送サービス

932

983

51

5.4%

(注)1.「フレッツ光(コラボ光含む)」はNTT東日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」、「フレッツ 光WiFiアクセス」及び「ひかり電話ネクスト(光IP電話)」、NTT西日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光マイタウン ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「ひかり電話ネクスト(IP電話サービス)」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しています。

2.「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」は、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しています。

 

2025年3月31日現在の「フレッツ光(コラボ光含む)」の契約数は、「フレッツ 光クロス」の展開等に取り組んだ結果、23,787千契約(前期比133千契約(0.6%)増)、「ひかり電話」の契約数は、17,879千チャネル(前期比425千チャネル(2.3%)減)、「フレッツ・テレビ」の契約数は、2,220千契約(前期比84千契約(3.9%)増)となりました。

 

固定通信サービスにおける固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)及びフレッツ光ARPU     (単位:円)

サービスの種類

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

増減

増減率

(NTT東日本)

 

 

 

 

固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)

2,500

2,560

60

2.4%

フレッツ光ARPU

4,430

4,410

△20

△0.5%

 基本利用料ARPU

3,290

3,320

30

0.9%

 付加サービスARPU

1,140

1,090

△50

△4.4%

(NTT西日本)

 

 

 

 

固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)

2,520

2,600

80

3.2%

フレッツ光ARPU

4,480

4,450

△30

△0.7%

 基本利用料ARPU

3,170

3,180

10

0.3%

 付加サービスARPU

1,310

1,270

△40

△3.1%

(注)各ARPUについては、「(注)1.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit)」「(注)2.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照ください。

 

当連結会計年度における固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)は、前期に比べ、NTT東日本が60円(2.4%)増加し2,560円、NTT西日本が80円(3.2%)増加し2,600円となりました。

当連結会計年度におけるフレッツ光ARPUは、前期に比べ、NTT東日本が20円(0.5%)減少し4,410円、NTT西日本が30円(0.7%)減少し4,450円となりました。これは、付加サービスARPUの減等によるものです。

 

③グローバル・ソリューション事業セグメント

 

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グローバル・ソリューション事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、国内外ともにデジタル化需要の取り込みに加え、為替影響による増加等により4兆6,387億円(前期比6.2%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、収益連動費用や為替影響による増加等により4兆3,149億円(前期比6.3%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は3,239億円(前期比4.6%増)となりました。

 

セグメント業績の概要                                   (単位:億円)

 

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

43,674

46,387

2,713

6.2%

システムインテグレーションサービス

43,674

46,387

2,713

6.2%

営業費用

40,578

43,149

2,570

6.3%

人件費

16,008

17,234

1,226

7.7%

経費

20,879

21,967

1,088

5.2%

減価償却費

3,391

3,630

239

7.0%

その他

300

317

17

5.6%

営業利益

3,096

3,239

143

4.6%

 

 

 

 

④その他(不動産、エネルギー等)

 

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その他(不動産、エネルギー等)における当連結会計年度の営業収益は、データセンターエンジニアリング事業の拡大等により1兆7,265億円(前期比5.7%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は収益連動費用が増加したこと等により1兆6,707億円(前期比6.2%増)となりました。この結果、営業利益は558億円(前期比6.7%減)となりました。

 

業績の概要                                        (単位:億円)

 

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

16,329

17,265

936

5.7%

システムインテグレーションサービス

624

689

66

10.5%

その他

15,706

16,576

870

5.5%

営業費用

15,731

16,707

976

6.2%

人件費

2,737

2,883

146

5.3%

経費

11,189

11,782

593

5.3%

減価償却費

1,333

1,498

165

12.4%

その他

472

545

73

15.4%

営業利益

598

558

△40

△6.7%

 

 

 

(参考)国内売上高及び海外売上高に関する情報

 

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国内における当連結会計年度の営業収益は、グローバル・ソリューション事業セグメントにおけるシステムインテグレーションサービス収入の増加等により10兆7,423億円(前期比1.8%増)となりました。海外における当連結会計年度の営業収益は、グローバル・ソリューション事業セグメントにおけるシステムインテグレーションサービス収入や為替影響による増加等により2兆9,624億円(前期比4.9%増)となりました。

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

133,746

137,047

3,302

2.5%

国内

105,498

107,423

1,925

1.8%

海外

28,247

29,624

1,377

4.9%

(注)営業収益は、製品及びサービスの提供先別に国内・海外を分類しています。

 

 

 

(注)

1.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit):1契約者(利用者)当たり月間平均収入

契約者(利用者)当たりの月間平均収入(ARPU)は、契約者(利用者)1人当たりの平均的な月間営業収益を計るために使われます。地域通信事業の場合、ARPUは、地域通信事業セグメントの営業収益のうち、固定電話(加入電話及びINSネット)並びに「フレッツ光」の提供により毎月発生する収入を、当該サービスの稼動契約数で除して計算されます。総合ICT事業の場合、ARPUは、総合ICT事業セグメントの営業収益のうち、携帯電話(5G)、携帯電話(LTE(Xi))、携帯電話(FOMA)のサービス提供により発生する通信サービス収入(一部除く)を、当該サービスの稼動利用者数で除して計算されます。これら数字の計算からは、各月の平均的な利用状況を表さない端末機器販売、契約事務手数料、ユニバーサルサービス料等は除いています。こうして得られたARPUは、各月のお客さまの平均的な利用状況を把握する上で有用な情報を提供するものであると考えています。なお、ARPUの分子に含まれる収入は、IFRSによる連結決算値を構成する財務数値により算定しています。

 

2.ARPUの算定式

(a) NTT東日本、NTT西日本

NTT東日本及びNTT西日本のARPUは、以下の2種類に分けて計算しています。

・音声伝送収入(IP系除く)に含まれる加入電話とINSネットの基本料、通信・通話料、及びIP系収入に含まれる「フレッツ・ADSL」、「フレッツ・ISDN」からの収入に基づいて計算される固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)。

・IP系収入に含まれる「フレッツ光」、「フレッツ光」のオプションサービスからの収入、「ひかり電話」における基本料・通信料・機器利用料、及び附帯事業営業収益に含まれる「フレッツ光」のオプションサービス収入に基づいて計算されるフレッツ光ARPU。

 

※1 「フレッツ光」の集計対象は、「(3)経営成績の状況の分析(セグメント) ②地域通信事業セグメント フレッツ光(コラボ光含む)、フレッツ・ADSL、ひかり電話、フレッツ・テレビ伝送サービスの契約数 (注)1」に記載の、「フレッツ光(コラボ光含む)」の集計対象と同一です。「フレッツ光」のオプションサービスは、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しています。

※2 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)及びフレッツ光ARPUには、相互接続通話料は含まれていません。

※3 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上の契約数は、固定電話(加入電話及びINSネット)の契約数です。

※4 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上、INSネット1500の契約数は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)のいずれについてもINSネット64の10倍程度であることから、INSネット1500の1契約をINSネット64の10倍に換算しています。

※5 フレッツ光ARPU算定上の契約数の集計対象は、IP系収入に含まれる「フレッツ光」の集計対象と同一です。

※6 NTT東日本及びNTT西日本におけるARPU算出時の稼動契約数の計算式は、以下のとおりです。

通期実績:当該期間の各月稼動契約数{(前月末契約数+当月末契約数)/2}の合計

 

 

(b) NTTドコモ

NTTドコモのモバイル通信ARPUの計算式は、以下のとおりです。

・モバイル通信ARPU:モバイル通信ARPU関連収入(基本使用料、通話料、通信料)/稼動利用者数

※1 NTTドコモにおけるARPU算出時の稼動利用者数の計算式は、以下のとおりです。

当該期間の各月稼動利用者数{(前月末利用者数+当月末利用者数)/2}の合計

※2 利用者数は、以下のとおり、契約数を基本としつつ、一定の契約数を除外して算定しています。

利用者数 = 契約数

-通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」並びにMVNOへ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る契約数

-5G契約、Xi契約及びFOMA契約と同一名義のデータプラン契約数

 

なお、通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」、MVNOへ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る収入並びに「dポイント」等に係る収入影響等は、ARPUの算定上、収入に含まれていません。

 

(4)キャッシュ・フロー及び財政状態の状況の分析

 

キャッシュ・フロー

前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2023年4月1日から

2024年3月31日まで)

当連結会計年度

(2024年4月1日から

2025年3月31日まで)

営業活動によるキャッシュ・フロー

23,742

23,640

営業活動によるキャッシュ・フロー

(休日影響(注)を除く)

25,670

21,712

投資活動によるキャッシュ・フロー

△19,892

△19,996

財務活動によるキャッシュ・フロー

△2,345

△3,430

現金及び現金同等物の期末残高

9,829

10,010

現金及び現金同等物の期末残高

(休日影響(注)を除く)

11,757

10,010

(注)前期末日が休日だったことから、通信サービス料金等の支払期限が月末から翌月初に後倒しとなった影響1,928億円。

 

NTTグループにおいては、事業が創出する安定的なキャッシュ・フローが設備投資等の経常的な投資活動に必要な支出を賄っているほか、株主還元(配当・自己株式取得)や借入金等の債務返済の主な原資となっています。

 

・営業キャッシュ・フロー

当連結会計年度の休日影響を除いた場合の営業活動によって得たキャッシュ・フローは、2兆1,712億円となりました。

これは主に、非資金損益項目調整後の当期利益(当期利益に減価償却費、固定資産除却損等の非資金損益項目を加算)が2兆8,427億円となったことによります。

また、前連結会計年度の2兆5,670億円から収入が3,958億円減少しています。これは、当期において、前期と比べ、非資金損益項目調整後の当期利益が1,676億円減少したことに加え、主に運転資本等の拡大により現金支出が2,857億円増加したためです。

なお、当連結会計年度の営業活動によって得たキャッシュ・フローは、2兆3,640億円です。

 

・投資キャッシュ・フロー

当連結会計年度の投資活動に充てたキャッシュ・フローは、1兆9,996億円となりました。

これは主に、有形固定資産・無形資産及び投資不動産の取得による支出が2兆1,323億円となったことによります。

また、前連結会計年度の1兆9,892億円から支出が104億円増加しています。これは、当期において、前期と比べ、資産売却等による収入が1,407億円減少したほか、有形固定資産・無形資産及び投資不動産の取得による支出が483億円増加した一方で、出資等による支出が1,794億円減少したこと等によるものであります。

 

・財務キャッシュ・フロー

当連結会計年度の財務活動に充てたキャッシュ・フローは、3,430億円となりました。

これは主に、株主還元による支出が6,628億円、借入債務の収支が5,721億円の収入となったことによります。

株主還元による支出の内訳は、配当金4,604億円、自己株式の取得2,024億円の支出です。また、借入債務の収支の内訳は、短期借入債務の減少による支出20億円、長期借入債務の増加による収入1兆5,408億円、長期借入債務の返済による支出9,667億円です。

また、前連結会計年度の2,345億円から支出が1,086億円増加しています。これは、当期において、前期と比べ、借入債務の収支が213億円減少したことのほか、配当金による支出が227億円増加したこと等によるものであります。

 

 

財政状態

前連結会計年度及び当連結会計年度の資産、負債、資本の状況は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減

資産

296,042

300,625

4,583

負債

187,112

187,178

67

(再掲)有利子負債

95,910

100,101

4,191

資本

108,931

113,446

4,516

(再掲)株主資本

98,442

102,216

3,774

 

当連結会計年度末の資産は、有形固定資産の増等により、前連結会計年度末に比べて4,583億円増加し、30兆625億円となりました。

当連結会計年度末の負債は、配当及び税金支払による借入金の増等により、前連結会計年度末に比べて67億円増加し、18兆7,178億円となりました。有利子負債残高は10兆101億円であり、前連結会計年度末の9兆5,910億円から4,191億円増加しました。

当連結会計年度の株主資本は、当期利益の取込み等により、前連結会計年度末に比べて3,774億円増加し、10兆2,216億円となりました。有利子負債の株主資本に対する比率は97.9%(前連結会計年度末は97.4%)となりました。また、株主資本に非支配持分を加えた資本は前連結会計年度末に比べて4,516億円増加し、11兆3,446億円となりました。

 

・現金及び流動性

NTTグループは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。当連結会計年度末のNTTグループの現金及び現金同等物残高は1兆10億円であり、休日影響を除いた場合の前連結会計年度末の1兆1,757億円から1,747億円減少しました。現金及び現金同等物とは、負債の返済や投資等に利用される予定の一時的な余剰金のことで、運転資金として使用されます。したがって、現金及び現金同等物の残高は、その時点の資金調達や運転資金の状況に応じて毎年度変化します。

また、当連結会計年度末のコミットメントラインの未使用残高は、3,301億円でした。

 

・契約上の債務

下記の表は、当連結会計年度末におけるNTTグループの契約上の債務をまとめたものであります。

(単位:百万円)

 

負債・債務の内訳

支払い期限ごとの債務額

総 額

1年以内

1年超

5年以内

5年超

契約上の債務

 

 

 

 

長期借入債務※1

8,415,490

1,227,990

4,979,139

2,208,361

社債

4,330,403

479,934

2,239,230

1,611,239

銀行からの借入金

4,085,087

748,056

2,739,909

597,122

長期借入債務に係る支払利息

515,423

123,731

297,243

94,449

リース負債※2

1,383,308

249,996

531,659

601,653

購入コミットメント※3

737,657

311,765

371,431

54,461

その他の固定負債※4

 

 

 

 

 

※1.長期借入債務には1年以内に返済予定のものを含めて表示しています。長期借入債務の詳細については、連結財務諸表「注記4.5. 短期借入債務及び長期借入債務」をご参照ください。

※2.リース負債には利息相当額を含めています。

※3.購入コミットメントは主に有形固定資産その他の資産の購入に関する契約債務であります。なお、残余期間が1年内の購入コミットメントを含めていますが、解約可能な購入コミットメントを除いています。

※4.その他の固定負債は重要性がない、あるいは支払時期が不確実であるため、上表に金額を記載していません。なお、連結財務諸表「注記3.11. 従業員給付」に記載のとおり、NTTグループの年金制度に対して、翌連結会計年度に合計16,554百万円の拠出を見込んでいます。

 

当連結会計年度末のNTTグループの有形固定資産及びその他資産の購入等に係る契約債務残高は約7,377億円となっており、営業活動によって得たキャッシュ・フローによりこれらの売買契約代金の支払をする予定であります。

 

 

 

(5)重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断

重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断については、連結財務諸表「注記1.4. 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」をご参照ください。

 

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

IOWN構想の具現化や様々な産業への技術の展開・課題解決等の取り組みを推進しました。

 

IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想

 社会活動や経済活動のデジタルシフトが加速する中、通信ネットワークの利用は大きく拡大しデータ量・遅延・消費電力等が限界を迎えようとしています。IOWN構想は、革新的な光技術によってこの限界を打破し、持続可能な世界の実現をめざすものです。

IOWNの目標性能とロードマップ

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○ IOWN構想の具現化に向けた研究開発

-IOWNの実現に向けて開発中の光電融合デバイスは、従来の長距離光通信向けに加え、短距離光接続(ボード間接続、パッケージ間接続、ダイ間接続)向けの開発を進めています。ボード間を光接続する光電融合デバイスとハードウェアリソースを効率的に利用する技術を組み込むことで電力効率を最大で8倍とするIOWN光コンピューティングを実現します。

 ボード間接続用の光電融合デバイス

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-大容量光伝送基盤を実現する要素技術の1つであるマルチコア光ファイバの研究を進めています。当社は、マルチコア構造にて隣接する3つのコア間の光結合を利用することで、異なる光の種類(モード)の光信号同士の結合を世界で初めて成功しました。本技術により、光ファイバの細さを維持しながら、より少ないコア数で10以上の空間多重と結合状態を両立することが可能となり、既存光ファイバと比較して10倍超の大容量化を可能とするマルチコア光ファイバ設計に新たな選択肢が加わりました。

 

○ さまざまな産業への技術の展開・課題解決

-光量子コンピュータ等の早期実現をめざし、2025年1月に東京大学と共同で、従来の1,000倍以上の速度で光量子もつれを生成・観測することに成功しました。量子もつれは量子技術の基盤となる重要な要素であり、その生成速度の向上により、従来の量子コンピュータの演算速度の制約を克服し、物理的な規模拡大に加え、高速化による計算能力の飛躍的な拡大を加速します。これにより、創薬や金融リスク評価、物流の最適化など、多岐にわたる分野での応用が進み、社会全体の技術革新に貢献することが期待されます。

 光量子コンピュータを構成する光源

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-AI同士の議論により多様な視点から解を導くことをめざすAIコンステレーションを活用し、地域社会の課題に対してAIと共に議論する市民参加型ワークショップを開催しました。実社会においては、課題の複雑性や立場の違いによって多様な意見が存在し、多角的な議論が求められます。ワークショップでは、AIコンステレーションにより人間同士の議論がより深まるかを検証しました。今後も地域におけるコミュニティ支援や企業における意思決定支援など、さまざまな分野への応用に取り組んでいきます。

 

-2024年6月、宇宙技術の発展や政府の宇宙戦略推進を背景に、宇宙ビジネスの拡大をめざし、新ブランド「NTT C89(エヌ・ティ・ティ シー・エイティ・ナイン)」を立ち上げました。本ブランドのもと、NTTグループの宇宙関連事業を統合し、事業拡大と市場開拓を推進しています。NTTグループは、スカパーJSAT株式会社と共同で構想した「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」の実現に向け、自社の技術的な強みを活かし自前

 NTT C89(各事業の有機的な結合・展開イメージ)

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化をめざす領域と、新たな技術開発を行いつつパートナーとの連携でサービス化を加速する領域を戦略的に分け、それぞれの領域において、市場創造・拡大をけん引する事業開発と技術開発の両方を実行していきます。今後は、HAPSを活用した通信サービスや、観測衛星データを活用した新サービス、海外パートナーとの連携によるブロードバンド事業などを展開し、宇宙産業全体の発展に貢献していきます。

 

当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりです。

セグメントの名称

金額

(百万円)

摘 要

総合ICT事業

129,115

通信事業の競争力強化に向けた移動・固定が融合した高品質かつ経済的な高機能ネットワーク、及びスマートライフ事業の拡大をめざしたサービスやデバイスの分野におけるイノベーション創出、さらにソリューション事業領域拡大に向け、ソフトウェア開発力強化によるデータドリブン・ESG経営を支える研究開発等

地域通信事業

85,179

IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等

グローバル・ソリューション事業

28,258

グローバル・ソリューション、システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等

その他

(不動産、エネルギー等)

145,644

ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等

小計

388,196

 

セグメント間取引消去

119,527

 

合計

268,669

 

 

上表の研究開発費用は、基礎的・基盤的研究から実用化研究開発までに係る費用を示しています。

当社が開発した技術のビジネス展開にあたっては、サービス・製品化を図る必要がありますが、このサービス開発に関する設備投資・費用は2,389億円であり、研究開発費用との合計については、5,076億円となっております。

 

※ サービス開発・機能追加に必要となる固定資産(ハードウェア、ソフトウェア等)への投資額や、サービス開発に要した人件費、委託費等が含まれています。

 

なお、当事業年度において当社が要した基盤的研究開発費用の総額は1,259億円(前期比1.9%増)となり、基盤的研究開発収入1,170億円(前期比0.0%増)を得ました。