第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「熱心な素人は玄人に勝る-新しいことを自分で創めよう-」を企業理念として掲げております。

コールセンター部門やマーケティング部門には、お客様との対応履歴(=「顧客の生の声」)や、WEBへのお問い合わせ内容、顧客情報、WEBの行動履歴、メール開封率等、日々膨大なデジタルデータが蓄積されています。

その情報資産を十分に活用し、顧客が持つ潜在的なニーズを捉え、企業と顧客の“エンゲージメント”の機会を創り出し、「OnetoOneのカスタマーサポート」を実現することがこれからの「BtoCコミュニケーション(=企業と顧客・消費者のコミュニケーション)」には必要になってきます。

私たちは、通信インフラ企業として、このような「コールセンター」や「マーケティング」部門を軸につながる企業と顧客・消費者の接点を、最新技術を用いたクラウドサービスで、「より快適に・より便利に」を実現し、企業とエンドユーザー間のコミュニケーションデータをシームレスにつなげ、ストレスフリーで、無駄のないコミュニケーションを可能にすることで社会に貢献します。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、事業活動の成果を示す①売上高、②サービス別月次利用数を重要な経営指標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は、2024年3月期から2026年3月期までの3か年を対象とした「中期経営計画」を策定し、2023年5月に公表しております。

 

[成長戦略]

(1)「@nyplace」の安定成長

当社の売上高の大半を占める「@nyplace」において、交換機のバージョンアップと体制の最適化によって、収益基盤であるサービスの着実な成長を保持します。具体的には、以下の施策を予定しております。

・交換機(PBX)のシステムバージョンアップにより、新機能及びサービス対応範囲の拡張、基盤強化、SIP(※1)対応や他システムとの連携機能強化を行い、付加価値の高いサービスへ転換し差別化する。

・顧客向けポータルサイトやFAQの充実等により作業の自動化や効率化を実現し、利益を最大化する。

 

(2)独自サービスの飛躍成長

前中期経営計画における新サービス(コールセンターシステムのAI化+マーケティング活用)を含めた当社独自サービスで、多様化、低価格化、拡張性を求める既存のマーケットニーズへ対応し、新たなマーケティング市場の開拓を推進します。

・「VLOOM」によって既存のコールセンター市場を開拓

・マーケティング活用型サービスである「GROWCE」、「GOLDEN LIST」、「UZ」によって新市場を開拓

・全サービスの連携及び統合化を進め、当社独自のサービスを確立

 

当社の中期経営計画3ヶ年における主要定量目標及び進捗状況は以下であります。

 

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

目標

実績

目標

実績

目標

業績予想

売上高

24億円

21億円

27億円

19億円

31億円

16億円

 

当社が属するコールセンター市場は、人材不足が深刻化しており、顧客との接点は労働集約的な人による対応から自動化やAI化が加速していくものと考えられます。また、今後のコールセンターシステムは、コールセンターに

おいて収集した情報をAIに分析させ、広告配信や効果的な販売に結び付ける等、DX(※2)による統合化が進んでいくことが予想されます。

当社は、このような将来の自動化・AI化のニーズを先読みすべく、次世代のコールセンターシステムに関する知的システムの開発に着手し、コールセンターのプロフィット化を推進する新たなサービスのリリースを進めてまいりました。2025年3月期においては、この成長投資による「VLOOM」及び「GROWCE」等の独自サービスについて、着実に売上高を伸長している状況にありますが、当初より想定する売上貢献には至っておらず、加えて「@nyplace」及び「COLLABOS PHONE」等の現有サービスにおける契約数の減少により、売上高は前事業年度比において減少いたしました。一方、重点施策とした[コスト改善施策]においては、経営資源の再配置等によるコスト削減が、確実に結果に結びついている状況にあります。

これらの状況から、引き続き、中期経営計画における2つの成長戦略の実行に注力するとともに、経営資源の最適化やコスト構造の見直しに継続的に取り組み、早期に安定した収益基盤を確立できるよう事業を推進してまいります。

 

(4)会社の優先的に対処すべき課題

当社の営むクラウドサービス事業は、導入コストの負担軽減とスピーディーな導入、システムコストの最適化等が可能な点から注目を集める一方、新規参入が多い事業でもあります。

当社は、競合他社との差別化を図るために、クライアントニーズを捉えたサービス、可用性の高いシステム、信頼を得られる組織の構築が重要であると考えております。また、上記「(3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、早期に安定した収益基盤を確立することが最重要課題であると考えており、中期経営計画の着実な実行と更なる事業推進のため、継続して、以下の6点を重要課題として取り組んでまいります。

 

① 販売力強化及び販路拡大

 当社は、今後も成長が見込まれる市場環境において、営業の組織体制強化による新規マーケット開拓及び既存マーケット拡大、オンライン集客の強化によるWebリード数増加及びサービスサイト強化、販売パートナーとの協業・共創によるサービス力強化及び販売チャネル拡大等の取り組み、また、製販一体となる組織体制の最適化、クライアントニーズに応える機能拡充及びサービスメニューの追加、競争優位性を高める価格戦略等を通じて、販売力強化及び販路拡大を図ってまいります。

 

② 事業領域の拡大について

当社は、今後更なる成長を遂げるために、従来のサービスに加え、多様化するコンタクトチャネルやクライアントニーズに対応した新たな機能及びサービスを提供していきます。更に、コールセンターに蓄積される様々なデータを活用する新たな事業の開発・参入などを通じて、マーケティング事業領域等の周辺事業領域への事業の拡充を図ってまいります。

 

③ 開発力の強化

当社は、あらゆるクライアントニーズに応える機能拡充及びサービスメニューの開発に努めてまいります。また、それに加えてニーズを超えるさらに価値あるサービスの創造を実現するため、開発技術力強化のための教育と内製化及び環境整備へ積極的な投資を行い、開発機能の品質とスピードの向上を進めてまいります。

 

④ システム安定性の強化

当社は、コールセンターに不可欠な365日24時間のシステム提供に耐えうる十分な設備投資を行っており、今後も継続してサービス品質の維持向上を図るため、定期的・計画的な予防保守の運用体制を構築し、持続可能かつ高品質な安定したサービスの実現に努めてまいります。

 

⑤ 組織体制整備及び人材育成

当社は今後もクライアントの要望に対してスピーディーに対応していく組織の確立を目標として、専門分野を有する人材の補強、社内研修体制の更なる充実及び管理職のマネジメント能力の強化を図り、全社的な高い営業力を持つとともに、全社が隔たりなく連携する組織体制の整備に努めてまいります。

 

⑥ 内部管理体制の強化

企業として大きく成長していくためには、クライアントのみならず社会的な信用を得ることは、重要な課題であると考えております。そのため当社は、コーポレート・ガバナンスの充実に努め、内部統制システムの整備、コンプライアンス体制の充実及び経営の透明性の確保を図り、企業倫理の一層の向上を着実に進めております。

 

〔用語解説〕

※1.SIP(Session Initiation Protocol)

IPネットワークを利用し、通信相手と音声や映像、メッセージの交換などを行うために必要な通信経路(セッション)を確立するための通信プロトコルのこと。

※2.DX(デジタルトランスフォーメーション)

企業がAI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いて、業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出だけでなく、業務やビジネスを根本的に変革させること。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方及び取り組み

当社のサステナビリティに関する考え方については、事業を通して顧客並びに社会における課題解決に貢献することと考えており、顧客並びに社会が抱える課題を解決するサービスを当社が提供し続けることにより、顧客の企業価値向上に貢献し、それが当社の企業価値向上につながり、顧客や社会が抱える課題解決に貢献するというライフサイクルを重視しています。

このライフサイクルの実現には、マーケットニーズをサービスへ展開させるための5つの力が重要であると考えており、「顧客基盤」「情報収集力」「企画力・提案力」「開発力」「信頼性・専門性」の5つの要素を安定的かつ継続的に生み出す基盤として、人的資本投資が重要課題であると捉え、取り組みを行っております。

 

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あわせて、当社は、企業の重要な事業基盤ともなり得るクラウドサービスやマーケティングサービスを提供しており、安心して継続的にサービスをご利用いただけるよう努める責務があります。そのため、公正・適正な事業運営、法令遵守ができるガバナンス体制の構築強化はもとより、地球温暖化や気候変動などの社会問題の解決に貢献するため、環境負荷を軽減する取り組みも行っております。

 

(2)ガバナンス

当社は、サステナビリティに関するリスク及び機会や重要事項等については、常勤の取締役及び監査役を出席者とする経営会議において内容を審議した上で、その重要度に応じて取締役会への報告または決議を行うこととしております。

 

(3)戦略

当社の人的資本経営については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針」に記載された企業理念、経営方針に加え、従業員がやりがいを持って前向きに仕事に取り組めるよう定めた以下の5つの行動指針が根本となっております。

一、売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える。

一、自立、職人(プロフェッショナル)の意識を持ち、事業を興すことにより、利益の追求だけでなく人間的に成長することを必達とする。

一、初心、感謝、謙遜、思いやり、闘争心の念を忘れず、決して驕り高ぶらず、決して手を抜かず、勤勉、努力を旨とする。

一、自分の人生の目標を持ち、自分で考え、自分で行動する。

一、家族を大切にする。

当社では、これらの企業理念、経営方針、行動指針を体現できる人材の育成により継続的にマーケットを開拓し、顧客のニーズにあった新しいサービスを提供することが企業価値の確立・向上を生むライフサイクルの実現につながるとの考えに基づき、就業規則や人事評価制度、人材育成制度等を通じた各種の取り組みを行っております。

また、地球温暖化や気候変動などの社会問題の解決に貢献するため、事業の規模や特性を踏まえた上で、環境負荷を軽減する取り組みも行っております。

 

①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する取り組み

当社は、以下の施策を通し、採用の門戸を広げながらキャリアの段階にあわせたOJTとOff-JTの両輪による育成プログラムを実施することで、社員一人ひとりがビジネスパーソンとして「人財」へ成長することを支援しております。

1)採用に関する取り組み

当社では2008年から一貫して新卒採用を継続しており、その社員数は全社員の約4割を占めるほどになりました。性別、国籍、学部不問での母集団形成と自社独自の基準による採用選考に加え、人事担当者だけでなく営業職や技術職の先輩社員もリクルーターとして採用活動に貢献しております。現場で活躍する先輩社員が学生からの質問に直接回答し、就職活動の相談にも親身になって寄り添うことで、入社後ギャップの低減と早期離職の防止を図っております。

一方、中途採用においても、創業期から一貫して年齢や国籍、性別にかかわらず、スキルや人柄、職務経験等を重視した採用選考を行っております。このような取り組みがサステナブルな事業サイクルを支える人材の育成・輩出に繋がっております。

 

2)若手社員育成のための取り組み

新卒入社の社員に対しては、配属前の入社時研修という形で社会人としてのマインドセットのためのプログラム、当社のビジネスに関する座学研修のプログラム等を実施しております。入社時研修後、本配属されてから1年目の期間は配属先の先輩社員が専任の指導員となり、業務に関するアドバイスやスキルチェックをきめ細かく行いながら新入社員の早期戦力化を促しております。

 

3)中堅以上の社員育成のための取り組み

中堅以上の社員に対しては、役割等級制度に基づいた階層別研修によるOff-JTを実施しております。経理、法務、その他ビジネススキル等に関する研修の場を設けることで、部門横断での人材育成を支援しながら社員一人ひとりの自己研鑽も促しております。また、管理職に対してもビジネスマインドや各種コンプライアンスに関する研修等を実施しており、OJTを行う事業部門とOff-JTを行う人事部門が連携協力することで次世代経営幹部の育成・輩出に取り組んでおります。

 

4)エンジニア人材育成のための取り組み

当社のエンジニア人材は、技術力の強化を目的とする社内制度の下、エンジニアとしての役割機能毎に5つのエンジニアタイプに分類されております。本制度では、それぞれのエンジニアタイプに求められるスキルや知識を社員一人ひとりのレベルに応じて段階的に身に付けられるように定めており、スキルアップを目的とした自己学習や資格取得、外部研修の受講についても会社が全面的に支援しております。

 

②社内環境整備に関する取り組み

1)人事制度に関する取り組み

当社では、2014年度の上場を契機に人事諸制度及び就業規則類の大幅な刷新を行い、以降、外部環境の変化や各種のニーズに臨機応変に対応しております。具体的には、経営戦略に応じた育成制度の創設、働き方の変化に応じた就業規則の改定、業務環境の変化に応じた評価制度の見直しなどを行ってまいりました。

今後も、経営戦略上のニーズに応えることはもちろん、社員の声に耳を傾けながら外部環境の動向も注視することで、社員の働く環境の最適化に努めてまいります。

 

2)業務環境のデジタル化に関する取り組み

当社では、コロナ禍の2020年4月より緊急的措置として在宅勤務を開始し、翌年には社内制度としての就業規則類の整備を行う一方、並行して業務環境のデジタル化にも取り組んでまいりました。新システムの導入はもちろん、既存のデジタルツールについても随時見直しを行っており、経営管理システムや勤怠管理システム等の変更、運用改善が実施されております。また、アフターコロナにおいてもデジタル化による業務環境の最適化を継続的に推進し、生産性の向上に努めてまいります。

 

3)一般事業主行動計画の策定

当社では、女性を含めた全ての社員がその属性に囚われることなく持続的に活躍できる職場づくりを目指しており、2022年8月より「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(計画期間:2023年6月1日~2027年3月31日)」を策定し、公表しております。

 

4)従業員エンゲージメント及びワーク・モチベーション向上のための取り組み

従業員エンゲージメント及びワーク・モチベーション向上のための取り組みとして、四半期に一回の頻度で利用できる社内会食費補助制度や社内部活動への活動費用支援の他、年に1回の頻度で「P-BEC(The Prize of Best Engagement to Collabos)」という社内表彰制度を運用しております。本表彰制度では業務内容やプロジェクトの大小にかかわらず、社員の様々な努力や貢献にスポットライトを当てており、互いに感謝・賞賛しあう文化を醸成するとともに社内交流を活性化させる一助となっております。

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(注)2024年度社内表彰開催時の説明資料より抜粋

 

③環境負荷の軽減に関する取り組み

1)エネルギー消費の削減に関する取り組み

当社オフィスについては、床面積の縮小によりオフィスのスリム化を図るとともに、循環型社会の実現に向け、100%再生可能エネルギーによる電力供給を行うテナントビルを選定し、エネルギー消費の削減に貢献しております。

 

2)廃棄物の削減に関する取り組み

当社がサービス提供において取り扱うネットワーク設備やサーバー等機器類の廃棄については、分解再利用を主とするリサイクル事業者を選定、依頼しております。また、社内業務においては、ITツールの導入やWeb会議の導入及び社内申請や手続き等の見直しによりペーパーレス化を推進しており、廃棄物の削減に取り組んでおります。

 

(4)リスク管理

当社は、サステナビリティに関するリスク及び機会や重要事項等について、管掌役員による全社的見地からの管掌組織へのモニタリングを行うとともに、各組織において発生するリスクは経営会議へ報告がなされる体制としております。経営会議においては、リスクを評価・分析し、対応方針について検討を行うとともに、決定した方針はその重要度に応じて取締役会への報告または決議を行うこととしております。

 

(5)指標及び目標

当社では、上記「(3)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次の通りであります。

指標

目標

実績(当事業年度末)

管理職に占める女性労働者の割合)(注)

30.0

31.3

(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。詳細は、「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(計画期間:2023年6月1日~2027年3月31日)」に記載のとおりであります。

 

3【事業等のリスク】

以下において、当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを取りまとめております。また、必ずしもリスクと考えられない事項についても、当社の事業活動を説明する上で投資家の判断基準になりうる事項については、積極的な情報開示を行っていく観点から記載しております。

当社は、リスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でおりますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が独自に判断したものであります。そのため、将来発生しうる可能性があるすべてのリスク及び当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)事業内容に関するリスク

① 特定サービスへの依存について

「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、当社は、コールセンター向けの各種サービスを提供しておりますが、現在、「@nyplace」に売上高の多くを依存しており、当事業年度においても売上高全体の約60.8%を占めております。当社の業績が、特定サービスに依存することを好ましい状態とは考えておらず、中期経営計画に示している独自サービスの飛躍成長により、新たに当社の柱となる新規事業の創出に向け、積極的に販売拡大を実施しております。

しかしながら、現時点においては主要サービスである「@nyplace」が不測の環境変化等の事態に陥った場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また「@nyplace」は、AVAYA社製IP電話交換機システムを使用しております。当社は、AVAYA社の日本法人である日本アバイア㈱の代理店を通じて、AVAYA社製IP電話交換機システム、周辺機器及び備品を調達しております。今後、何らかの理由によりAVAYA社が日本市場から事業撤退する等、予期せぬ事象が発生し、製品の調達が困難になった場合、「@nyplace」の継続的なサービス提供に支障が発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② サービス提供の安定性について

クラウドサービス利用を検討する基準として、安定したサービス提供の可否が重要な事項の1つとなっております。当社におきましては、事業の信頼性及び安定したサービス提供の実現性の観点から、設備及びネットワークの管理に細心の注意を払っております。サービス提供に関連する設備は、当社の契約するデータセンターに設置し、機器構成による稼働負荷の物理的かつ理論的な軽減を行っております。また、万一トラブルが発生した場合においても、短時間で復旧できるよう復旧テストやリスク管理体制を整えております。

しかしながら、上記の取り組みにも関わらず、2011年3月に発生した東日本大震災のような想定を超える大規模な地震等により本社及びデータセンター設備が致命的に損壊し、電力供給の停止等の予測不能な事態が起こった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システム不具合について

当社は開発、保守及び運用体制の充実を図り、システム不具合の発生を未然に防ぐ体制の構築に努めております。しかしながら、一般的には高度なシステムにおいて、大小はあるものの欠陥発生を完全に解消することは不可能であると言われており、予期せぬシステム不具合が発生する可能性があります。

今後、当社サービス運用上に支障をきたすベンダーや開発言語の開発元等による潜在的かつ致命的な不具合が発覚し、当社が適切に解決できなかった場合、サービス提供に支障が発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 設備投資について

当社は、既存サービスの強化及び新規サービスの導入を図るとともに、クライアント数の増加に応じて継続的な設備投資を計画しております。

しかしながら、事業を継続する中で、過年度の実績を大きく上回る急激なアカウント数の増加、当社の予測を超えるインターネット技術等の進展に伴うシステム投資の発生等により、投資時期、内容、設備規模について変更せざるを得ない状況となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 事業拠点及び主要設備の集中について

当社の本社及び当社が契約するデータセンターの多くは、東京都を中心とした首都圏近郊に集中しております。そのため、東日本大震災のような想定外の大規模災害等の発生により首都圏近郊の都市機能の一切が麻痺した場合、当社の事業継続が困難になる可能性があります。

また、インフラ麻痺等によるクライアント対応の遅延等、当社のサービス提供に大きな支障が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 新規事業及びサービスの開発について

当社は、今後の更なる事業の成長に向け、従来サービスの強化に加えて、市場ニーズに対応した新たな機能及びサービスの開発・提供により、コールセンター周辺事業領域及びマーケティング事業領域等への事業の拡充を図っております。これらの取り組みにおいて、計画通りに開発が進捗しなかった場合、想定し得ないような技術革新が起きた場合、あるいは当初期待した通りの成果を上げることができなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新規事業領域への参入において、市場環境の変化や競争の熾烈化等により、事業活動が当初期待した通りの成果を上げることができなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 人材育成及び採用について

クラウドサービス市場は、非常に技術革新が早く、競合他社との競争が激しい市場であります。そのため、専門技術に精通し、クライアントのニーズに的確に対応できる提案力や応用力を持った人材、また組織運営等のマネジメントに優れた人材の継続的な確保と育成が重要となり、かかる人材の育成又は採用ができなかった場合、将来にわたり当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、人員の育成、採用のための研修、その他のコストを追加的に負担する必要が生じる可能性があり、これらの追加的コストの発生により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 企業買収及び他社との業務提携等について

当社は、経営の効率化と競争力強化のため、企業買収及び資本参加を含む投資、他社との業務提携等により、事業の拡大を行うことがあります。新しい製品やサービスを提供するにはこのような経営戦略が不可欠となりますが、活動が円滑に進まなかった場合、あるいは当初期待したとおりの効果が得られなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当該他社が事業戦略を変更し、当社が資本参加、業務提携関係等を維持することが困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業環境に関するリスク

① インターネット環境について

クラウドサービスは、インターネット環境を通じてサービス提供を行うものであり、法人によるインターネット利用の更なる普及が、当社の成長のための必要な条件であります。

今後、インターネット利用の普及に伴い通信速度遅延、通信回線障害等の通信インフラに関する弊害や、悪質なハッカー等の第三者からの侵害等による弊害の広がり、インターネット利用に関する新たな法的規制の導入等、その他予期せざる要因が発生し、法人によるインターネット利用が縮小する状態となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

クラウドサービス市場は、技術革新の早い市場であります。そのため、当社は、クライアントへのアンケートや訪問・提案等の日々の営業活動の中でニーズを集約しながら、市場ニーズに対応した新たな機能及びサービスの開発・提供を行うことにより、競争力のある独自のサービスを構築していく方針であります。

しかしながら、競合他社等により先進的な技術革新があり、当社の対応が遅れた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 市場競争について

クラウドサービス市場において、当社は早期に事業参入をしており、パイオニアとしてのメリットを活かしながら市場ニーズに合致するサービス提供を目指して開発を行い、競合他社との差別化を図っております。

しかしながら、今後の市場が拡大する中で、大手システムエンジニアリング会社や通信事業者等の競争力の高い企業を含む多くの新規参入企業が考えられ、それらの新規参入事業者の登場による技術革新、価格競争等の激化により当社の優位性が薄れた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 顧客のクラウドサービスの利用方針について

当社のクラウドサービスは、コールセンターを所有するクライアントや販売促進活動を行うマーケティング部門を所有するクライアントを対象としており、インターネット網を介して当社が開発、構築したシステムを月額料金制で提供しております。企業が自社でシステムを構築する場合と比較して、大規模な設備投資が不要になるとともに、導入コストの低減及び導入期間の短縮が可能となります。

しかしながら、クライアントがクラウドサービスの利用方針を変更し、当社のサービスの利用から自社でのシステム運営に切り替えた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)株価形成に関するリスク

① 潜在株式について

当社は、取締役、監査役及び従業員に対して、新株予約権を利用したストックオプション制度を採用しております。当事業年度末現在における当該潜在株式の総数は、発行済株式総数4,977,000株に対し、743,700株となっております。権利行使期間においてこれらの新株予約権が行使された場合、1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

② 配当政策について

当社は、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であるとの考えに基づき、過去において配当を実施しておりませんが、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。

今後、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ですが、現時点において配当の実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(4)事業体制に関するリスク

当社は、今後大きく成長するにあたり、事業拡大に伴う人員の拡充、人材育成を行うとともに、経営判断及び業務執行の体制を充実させていく必要があると考えております。また、体制構築にあたってはコーポレート・ガバナンスを十分に機能させるために、内部統制システムの整備、運用及び各業務プロセスの管理体制の構築を同様に推進していく必要があると考えております。

しかしながら、事業の急速な拡大等により、適切な経営・事業体制の整備が遅れ、十分なコーポレート・ガバナンス体制での業務運用が困難となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法令遵守に関するリスク

① コンプライアンスについて

当社は、クラウドサービス事業者及び個人情報取扱事業者として、インターネットに関連する規制である電気通信事業法及び各種個人情報の取り扱いに関する法規制等の遵守は、当社が社会的な責任を果たすために重要な事項であると考えております。

当社は、上記の対応として、コンプライアンス体制の構築及び維持に努めております。プライバシーマーク制度やISMS適合性評価制度の認証の取得、コンプライアンス研修の実施、機密情報取扱に関する研修等の社内教育の充実、各業務プロセスの管理、改善を行う体制構築と、法令遵守に向けた内部管理体制の構築を推進しております。

しかしながら、今後進むとみられる法改正への対応の遅れ、予期せぬ自然災害、人的ミスの影響等による機密情報の流出、管理体制の不備等による役員及び従業員の法令違反等が発生した場合、当社の社会的な信用の低下、あるいは情報流出防止対策、損害賠償等の多額の費用の発生等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② 知的財産権の侵害について

現在、当社はオープンソースを利用したシステム開発等によりサービス提供を行っております。過去もしくは現時点において、当社に対し第三者からの知的財産権の侵害等による訴訟が発生した事実はありません。しかしながら、今後、当社の認識の範囲外で第三者が新たに取得した知的財産権等の内容によっては、当社に対する損害賠償等の訴訟が発生する可能性も否定はできず、その場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 個人情報及び企業情報の保護について

当社では、業務に関連して多数の個人情報及び企業情報を保有しております。当社は情報管理に関する全社的な取り組みとして、個人情報保護方針、情報セキュリティ基本方針の公表及び諸規程を規定するとともに、社内教育による情報管理への意識向上等の施策を実施しております。また、個人情報についてはプライバシーマークの認証を取得しているほか、情報資産の漏洩や改ざん、不正利用等を防ぐため情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、社内の情報資産に関しリスク分析を行い、リスクがある事項に関しては改善策を講じ、情報漏洩の防止に努めております。

しかしながら、情報機器の誤作動や操作ミス等により個人情報や企業情報が漏洩し、損害賠償責任の負担、社会的信用の失墜等が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)自然災害等に関するリスク

地震、台風、津波等の自然災害、火災、各種感染症の拡大等により、当社の事業拠点及び契約するデータセンターに被害が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、円安や原材料価格高騰に伴う物価上昇等を背景に、個人消費に一部足踏みの状況がみられたものの、好調な企業収益の下、設備投資の増加や賃上げ等による雇用所得環境の改善、訪日観光客の増加に伴うインバウンド需要の回復等、内需主導で緩やかな回復基調がみられました。一方で、トランプ米新政権下における関税措置の強化や中国の不動産市場の低迷に起因する外部環境の悪化などが輸出や企業収益へ影響を及ぼす懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社が事業を展開するCRMソリューション市場においては、ユーザーニーズの多様化に加え、生産年齢人口の減少や労働力不足、人件費の高騰等を背景に、メール、チャット、Webフォーム、SNS、FAQ等のノンボイス系システム(音声を使わないコミュニケーション手段)の需要が増加しております。また、コールセンターの位置付けが、従来のコストセンターから顧客との重要なタッチポイントとなるプロフィットセンターへと変化してきており、生成AIや音声認識等の技術の進展により、VoC(顧客の声)の収集・分析・活用を促進するとともに、企業のDX化を加速させるものと予想されます。

 

このような環境のもと、当社は、2023年5月10日に公表した中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)に基づき、以下の[成長戦略]による販売拡大並びに業績回復に向けた全社的な[コスト改善施策]により、早期に安定した収益基盤を確立できるよう事業を推進してまいりました。

 

[成長戦略]

(1)「@nyplace」の安定成長

新機能及びサービス拡張、基盤強化等を実装するためのバージョンアップを実施し、継続して既存顧客の移行計画を遂行しております。また、サービス提供に係る作業の自動化・効率化による外注費の削減及びリソースの最適化による固定費削減やサービス提供見合いの通信原価の削減等、コスト削減を図り、利益最大化を推進してまいりました。

 

(2)独自サービスの飛躍成長

AIコールセンターシステム「VLOOM」における顧客要望開発や、AIマーケティングシステム「UZ」及びAI顧客分析/リスト作成サービス「GOLDEN LIST」の大規模バージョンアップ等、顧客ニーズに応じた機能開発と継続的な商品価値向上を図っており、生成AIや音声認識による自動化及びDX化の訴求とともに、顧客ターゲットを明確にした販売戦略やキャンペーン等の実施により、販売拡大を推進してまいりました。

 

[コスト改善施策]

当事業年度の重点施策と位置づける[コスト改善施策]においては、サービス提供体制に合わせた最適な人員配置による、生産性向上や原価構造の抜本的な見直し等を推進した結果、適正な経営資源の再配置が進み、主に外注費等のコスト削減が当初の想定よりも前倒しで進捗いたしました。

 

上記に加えて、各サービスに特化した組織体制による販売推進力の強化を図り、この体制の下、業界最大級のビジネスイベントへの出展、DX化推進やAI活用にフォーカスしたイベントへの登壇、SEO対策(※1)やリスティング広告(※2)、サービスサイトの全面リニューアルによるWeb施策等により、新規リードの獲得に注力してまいりました。また、定期的なヒアリング訪問やアンケート調査活動、顧客ニーズを反映する機能開発やシステムバージョンアップ等のリテンション活動により、クロスセルやアップセルでの収益機会の拡大にも注力したほか、昨今の特殊詐欺犯罪等の防止を背景とした、電話事業者認証機構による優良電話事業者認証の取得により、顧客並びにステークホルダーに対する信頼性向上にも努めてまいりました。

 

これらの取り組みのもと、「VLOOM」「UZ」等の独自サービスにおいては、AIや音声認識機能のニーズの高まりを背景とした新規顧客の獲得等により、新たな収益基盤として確立されつつある一方、主にテレマーケティングやBPO事業者における特定の大口顧客の業務縮小等の影響により、「@nyplace」等の現有サービスにおいて、売上高が大きく減少したことが、当事業年度の業績にも影響している状況となっております。

 

 上記の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて16,430千円減少し、1,735,753千円となりました。

当事業年度末における負債総額は、前事業年度末に比べて203,356千円減少し、444,043千円となりました。

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて186,926千円増加し、1,291,710千円となりました。

 

b. 経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高1,906,946千円(前事業年度比11.5%減)、営業利益75,493千円(前事業年度は営業損失294,326千円)、経常利益102,944千円(前事業年度は経常損失276,410千円)、当期純利益144,924千円(前事業年度は当期純損失798,320千円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べて128,782千円増加し、1,307,016千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動の結果得られた資金は、208,583千円(前事業年度は104,179千円の収入)となりました。主な要因は、関係会社株式売却益64,671千円、仕入債務の減少額48,844千円、賞与引当金の減少額27,700千円があった一方で、税引前当期純利益142,056千円の計上、減価償却費97,330千円、その他の増加53,400千円、売上債権の減少額30,926千円、減損損失26,501千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動の結果得られた資金は、31,295千円(前事業年度は360,694千円の支出)となりました。主な要因は、「@nyplace」用設備への投資や新サービス及び現有サービスへのITソリューション開発投資等の有形及び無形固定資産の取得による支出44,343千円があった一方で、ギークフィード社の関係会社株式売却による収入78,782千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動の結果支出した資金は、111,096千円(前事業年度は180,795千円の収入)となりました。主な要因は、新株予約権の行使に伴う株式発行による収入49,181千円があった一方で、長期借入金の返済による支出100,000千円及びリース債務の返済による支出54,040千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社の主たる業務はクラウドサービス事業のため、生産活動を行っておらず、生産設備を保有していないため、記載を省略しております。

 

b. 受注実績

a. 生産実績と同様に、当社の主たる業務であるクラウドサービス事業の事業特性に馴染まないため、記載を省略しております。

 

 

c. 販売実績

当事業年度の販売実績について、当社の報告セグメントは単一セグメントでありますが、サービス別に示すと、下表のとおりであります。

サービスの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

@nyplace

1,158,846

83.2

COLLABOS PHONE

413,520

85.8

VLOOM

57,603

248.2

COLLABOS CRM

101,275

82.7

COLLABOS CRM Outbound Edition

33,588

116.5

その他

142,111

134.7

合計

1,906,946

88.5

(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱カスタマーリレーションテレマーケティング

276,723

12.85

148,778

7.80

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績等

1)財政状態

(資産)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて16,430千円減少し、1,735,753千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加があった一方で、売掛金の減少、減価償却に伴う有形固定資産の減少、ソフトウエアの減損による無形固定資産の減少、関係会社株式の売却に伴う投資その他の資産の減少によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて203,356千円減少し、444,043千円となりました。主な要因は、未払消費税の増加があった一方で、買掛金の減少、未払金の減少、リース債務の減少、長期借入金返済による減少によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて186,926千円増加し、1,291,710千円となりました。主な要因は、自己株式の取得による減少があった一方で、新株予約権行使による資本金及び資本準備金の増加、繰越利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

当事業年度における売上高は1,906,946千円(前事業年度比11.5%減)となりました。製品・サービスごとの状況は、以下のとおりであります。

・「@nyplace」につきましては、既存顧客の業務拡大及びシステムバージョンアップや移転作業等による一時売上高の増加があった一方で、特定の大口顧客における業務縮小並びに人件費の高騰に伴う全社的なコストダウン等が重なったことから、期間平均利用席数は5,111席(同1,241席減)、売上高は1,158,846千円(同16.8%減)となりました。

・「COLLABOS PHONE」につきましては、既存顧客における業務拡大や、コストダウンを目的としたソフトフォンへの切り替え等による新規案件の受注があった一方で、特定の大口顧客における業務縮小等により、期間平均利用チャネル数は2,680チャネル(同914チャネル減)、売上高は413,520千円(同14.2%減)となりました。

・「VLOOM」につきましては、AI音声認識需要の高まりに加え、在宅環境や海外拠点での利用といった柔軟性や拡張性が求められるニーズの増加を背景に、協業企業からの紹介や当社既存顧客からの新規案件の獲得が進んだことにより、期間平均利用チャネル数は506チャネル(同151チャネル増)、売上高は57,603千円(同148.2%増)となりました。

・「COLLABOS CRM」及び「COLLABOS CRM Outbound Edition」につきましては、インバウンド用の「COLLABOS CRM」において、既存顧客における業務縮小等により契約数が減少した一方、アウトバウンド用の「COLLABOS CRM Outbound Edition」においては、既存顧客のアウトバウンド業務拡大やシステムリプレイスに伴う新規案件の獲得により、契約数が増加いたしました。この結果、「COLLABOS CRM」につきましては、期間平均利用ID数は1,412ID(同396ID減)、売上高は101,275千円(同17.3%減)となった一方で、「COLLABOS CRM Outbound Edition」につきましては、期間平均利用ID数は502ID(同37ID増)、売上高は33,588千円(同16.5%増)となりました。

・DX化推進による業務効率化やマーケティング活動を支援する各サービスにつきましては、音声認識やVoC(顧客の声)活用のニーズの高まりを背景に、AI技術搭載のリアルタイム音声認識システム「AmiVoice Communication Suiteprovided by コラボス」やAIマーケティングシステム「UZ」において新規獲得が増加したほか、AI顧客分析・予測ツール「GOLDEN LIST」における生命保険業務でのアウトバウンドコールの費用対効果向上の提案や、統合CRMマーケティングシステム「GROWCE」における健診奨励業務での業務効率化提案等、販売戦略に伴う新規受注も獲得しており、売上高は142,111千円(同34.7%増)となりました。

 

(売上原価)

当事業年度の売上原価は、1,227,620千円(同26.1%減)となりました。主な要因としては、サービス提供体制に合わせた最適な人員配置による生産性向上や原価構造の抜本的な見直しを推進した結果、外注費等の大幅なコスト削減が当初の想定よりも前倒しで進捗した他、ソフトウエア償却費及び通信利用料等が減少したことによるものであります。サービス別の売上原価の内訳としては、「@nyplace」は、726,893千円(同22.7%減)、「COLLABOS PHONE」は、217,874千円(同29.6%減)、「VLOOM」は、117,873千円(同23.1%減)、「COLLABOS CRM」及び「COLLABOS CRM Outbound Edition」は、43,115千円(同17.5%減)、その他、新サービス及び業務効率化を実現する付加的サービスは、121,863千円(同40.9%減)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、603,831千円(同23.2%減)となりました。主な要因としては、効率性及び生産性を踏まえた業務の見直しによる旅費交通費及び交際費等の変動費の抑制、前事業年度における検証作業に伴うホスティング一時費用の減少及び人件費の減少等によるものであります。

 

これらの結果、営業利益は75,493千円(前事業年度は営業損失294,326千円)となりました。経常利益については、システム開発における受取損害賠償金26,026千円を計上したこと等により、102,944千円(前事業年度は経常損失276,410千円)となりました。また、関係会社株式売却益64,671千円を特別利益として計上したこと、並びにソフトウエア資産の減損損失26,501千円を特別損失として計上したこと等により、当期純利益は144,924千円(前事業年度は当期純損失798,320千円)となりました。

 

b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社は、設立以来、コールセンター向けクラウドサービスの提供を中心に事業を展開しており、コールセンターのシステム構築から運用における業務課題解決に向けたサポート、また、AIやデータ活用によるマーケティング支援に至るまで、企業の生産性向上や業務効率の改善、販売促進等に貢献すべくサービスの提供に努めております。

当社が属するクラウドサービス市場につきましては、2023年末のクラウドサービス利用企業の割合は前年末より5.5ポイント増加し、77.7%に及んでおり、上昇傾向が続いております。(出典:「令和6年版情報通信白書」(総務省))

また、クラウド型CRM市場の市場規模につきましては、2023年度に5,392億円(前年比15.2%増)となり、2023年度においてクラウド型とオンプレミス型(※3)の市場構成比は、54.8%対45.2%とクラウド型市場の成長率は落ち着いたものの、2022年度にクラウド型市場がオンプレミス型市場を逆転して以降、引き続き、クラウド型のニーズが高く推移している状況となっております。

最近においては、オンプレミス型システムのクラウド提供の開始に伴い、これまで移行に慎重であった比較的大規模な案件のリプレイスも増加しているほか、生成AIの普及に伴う各クラウド製品における生成AIを活用した機能の搭載、顧客設定の多様化やデータ及び機能の連携需要も高まっており、着実にクラウド型での導入が市場全体に浸透してきております。

これらを背景に、2024年度以降も市場は年平均14.9%で成長し、2028年度には市場規模は約1兆円、クラウド型とオンプレミス型の構成比は、80.9%対19.1%にまで広がるものと予測されております。(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社「マーテック市場の現状と展望2024年度版〈クラウド型CRM市場編〉」)

このような状況の中、当社が属するコールセンター市場は、慢性的な人材不足や人件費の高騰等を背景に、メール、チャット、Webフォーム、SNS等をはじめとしたノンボイス系システムの需要が増加しており、既存業務の生産性向上や顧客対応の自動化等がますます重要視されています。また、生成AIや音声認識等のIT技術の進展により、顧客接点の多様な領域でVoC(顧客の声)の活用が活性化しています。特に生成AIを活用したチャットボット(※4)やボイスボット(※5)の導入によるオペレーター業務の効率化や、データ分析や予測モデルを活用した付加価値の高いサービスが注目されており、今後、企業のDX化が一層加速すると予想されます。

当社は、このような将来の自動化・AI化のニーズを先読みすべく、次世代のコールセンターシステムに関する知的システムの開発に着手し、コールセンターのプロフィット化を推進する新たなサービスのリリースを進めてまいりました。2025年3月期においては、この成長投資による「VLOOM」及び「GROWCE」等の独自サービスについて、着実に売上高を伸長している状況にありますが、当初より想定する売上貢献には至っておらず、加えて「@nyplace」及び「COLLABOS PHONE」等の現有サービスにおける契約数の減少により、売上高は前事業年度比において減少いたしました。一方、重点施策としたコスト改善施策においては、経営資源の再配置等によるコスト削減が、確実に結果に結びついている状況にあります。これらの状況から、引き続き、中期経営計画における「@nyplaceの安定成長」及び「独自サービスの飛躍成長」の2つの成長戦略の実行に注力するとともに、経営資源の最適化やコスト構造の見直しに継続的に取り組み、早期に安定した収益基盤を確立できるよう事業を推進してまいります。具体的な成長戦略は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおりであります。

 

c. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、事業活動の成果を示す売上高及びサービス別月次利用数を重要な経営指標としており、当事業年度における売上高は1,906,946千円(前事業年度比11.5%減)となりました。

サービス別売上高及び月次利用数の内訳は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 経営成績等 2)経営成績」に記載のとおりであります。引き続き、これらの指標を拡大していくように取り組んでまいります。

 

d. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の報告セグメントは、クラウドサービス事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

a.資金需要の主な内容

当社の運転資金需要のうち主なものは、情報通信機器の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 

b.資金調達

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や設備投資等の調達につきましては、自己資金、金融機関からの借入及びリースを基本としております。

なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、285,531千円であります。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,307,016千円であります。

 

 

〔用語解説〕

※1.SEO対策

検索エンジンの検索結果で自社サイトを上位に表示されるように最適化すること。

※2.リスティング広告

検索エンジンの検索結果に自社サイトを広告として表示させ集客すること。

※3.オンプレミス型

企業が利用するシステムや設備等を自社で保有し、自社で構築、運用する仕組み。

※4.チャットボット

テキストで自動応答する会話システム。

※5.ボイスボット

音声で自動応答する会話システム。

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。