第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「エンドユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する。」という経営理念のもと、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業における日本発世界標準企業となることを目標としております。具体的には、クライアント企業のお客様(エンドユーザー)の声を直接聞き、適切なニーズを見つけ出すことによりクライアント企業へのロイヤリティを高める、独創的なサービスを創出することに努めており、クライアント企業より高い評価を得てまいりました。近年、当社グループを取り巻く環境は国内外においてめまぐるしく変化しております。このような環境に対して、当社グループは、「人」でしか問題を解決できないBPO事業に特化することにより、様々な高付加価値サービスを創出・提案し新市場の開拓に努めております。

 これからも創業時から培ってきたホスピタリティ、経験と実績、そしてクライアント企業の目線でのサービス向上を担い、エンドユーザー(消費者)の感動・感謝を追求した付加価値サービスの提供を通して、BPO事業の世界標準企業を目指し、ステークホルダーと共に繁栄できる企業を目指します。

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループは、2024年5月10日付けで、2025年3月期から2027年3月期までの3カ年の中期経営計画を開示いたしました。2026年10月に迎える創業40周年を当社グループの「過去と未来の結節点」と位置づけ、自分たちの「原点」「強み」「将来のビジョン」などを見つめ直す機会とし、これまで継続的に企業として成長してきたことを次の50年に繋げるため、単なるセレモニーで終わらせることなく、様々な機会を通じて活用する方針です。

3カ年の全体戦略及び経営指標は次のとおりです。

 

 <全体戦略>

  成長余力の創出

徹底した受託業務(プロジェクト)別収支管理、低収益プロジェクトからの撤退を含む取捨選択、AI等を活用したDX推進による工数削減&生産性向上により、一人あたりの利益額を3年後20%増へ。

 

  サービスプラットフォーム利用型収益モデルの開発

従来のストック型ビジネスモデルを維持拡大しつつ、人的資本に頼らないフロー型ビジネスモデルの開発。

 

  機動的な拠点展開

当社グループのメインシナリオである大規模BPOセンター新設や既存拠点の拡充、ロードアシストやホームアシストの駆けつけサービスの出動拠点拡大などの投資を継続しつつ、機動的にサテライト拠点を設置、開設し、受託能力の拡大を急ぐ。

 

 <2027年3月期の経営指標>

 売上高              :75,000 百万円

 営業利益             :10,000 百万円

 親会社株主に帰属する当期純利益  : 6,500 百万円

 ROE                :15%

 配当性向             :60% 以上

 総還元性向            :70% 以上

 

 なお、当該中期経営計画は、以下のURLからご覧いただけます。

 (当社ウェブサイト)https://www.prestigein.com/IR/policy/plan.html

 

(3)対処すべき課題

(事業全般)

 当社を取り巻く環境においては、少子高齢化による労働人口減少に伴う採用難や賃金の急激な上昇、物価高等が続いております。また米国の関税政策により、自動車メーカーや周辺事業の企業を中心に大きな影響を懸念され、今後の世界経済は不透明な情勢が続くと思われます。

 このような環境下において、サプライチェーンの見直しやコスト削減策等、各企業の抜本的な事業体制の見直しに伴い、コア業務を含めワンストップでアウトソースする機運が高まっていることから、当社グループへの潜在的なニーズは引き続き高い水準で推移する見込みであります。一方で近年の物価高騰や賃金上昇により価格転嫁の動きが広がっているものの、常態化し急速に進む価格転嫁は取引企業から理解が得られ難いケースが多く、単に委託料の引上げだけではなく、AIを含むDX化や業務効率の向上を含め付加価値を高めたサービスが求められております。こうしたことから、品質のさらなる向上、AIを含めIT関連の開発体制の強化や投資を進めていく必要があると認識しております。

 

(人員の採用と離職防止)

 現在、国内では人手不足が慢性化し深刻な社会問題となっております。また、社会全体における賃金水準引き上げの影響により、労務コストの増加が予想されます。当社グループにおいては、主力のオペレーション業務を地方に設置した各BPO拠点で行っており、首都圏と比較し安定した人員の採用ができておりますが、当社グループへの需要は旺盛で、これまで以上の人員体制が求められております。ビジネスモデルによる一般への認知度の低さが重なり、採用活動に影響を及ぼしていると考えております。さらに、離職の防止についても採用と共に重点課題であると認識しております。これらの課題に対し、以下の取り組みを行っております。

 地方自治体と協力した学校訪問及び企業説明会、ハローワーク等を通じた採用活動に加え、SNSやWEB、各メディアにおいてターゲットとなる求職者に直接アプローチし、型にはまらない自由な表現方法で当社グループの魅力を訴求し、採用活動を促進しております。また、リファラル採用やジョブリターン制度等のアルムナイ採用も取り入れております。

 半期に一度従業員へのエンゲージメント調査を行い、従業員の意見を汲んだ働きやすい環境づくりを実施、またこれまでの画一的な働き方から、柔軟性をもった多様な働き方が可能となる人事制度の制定等に取り組んでおります。

 従業員のモチベーション維持・向上のために役職定年制度を廃止し、2025年4月1日より年齢に関わらず能力や成果に応じて役職に就くことができる評価制度へと移行しました。

 当連結会計年度においても引き続き、昇給等の給与体系の一部見直しを実施いたしましたが、物価高騰は今後も続くと予想され、今後も報酬制度の改善に向けた取り組みを推進する方針であります。

 当社グループの海外子会社のネットワークを活用し、海外オフショア地域でのIT・DX人材の採用や開発体制の拡充、同時翻訳のAIを活用し海外で日本国内のオペレーションを提供する等、外国人労働者の活用を促進してまいります。

 

(新たなBPO拠点の設置)

 当社グループは、これまで東北・北陸地方を中心にBPO拠点を展開してまいりました。今後も旺盛な需要に応えるべく、長期的には新たな大規模拠点の展開を進め、受託能力を拡大していく必要があると考えております。この方針のもと、2024年6月には、岩手県一関市に500席規模の拠点として「岩手BPOフォートレス」を開設、2026年には秋田県潟上市に800席規模の拠点開設を計画しております。一方で、資材高騰による建築費の増加等により、これまで実施してきた大規模拠点の設置には慎重な判断が必要であることから、中規模のサテライト拠点を機動的に設置し、当社グループに対するアウトソーシング需要に対応いたします。

 この一環として、2024年4月には秋田県大仙市に100席規模のサテライト拠点、2025年4月には青森県三沢市に100席規模のサテライト拠点を開設いたしました。さらには、現場駆けつけを行う子会社の株式会社プレミアアシストとの共同展開による拠点開設も計画しており、小規模ながら中央区月島(東京都)や仙台市(宮城県)に大規模BPO拠点の補完機能として設置を行っております。

 

(サービス品質の向上)

 当社グループのサービスは、クライアント企業の問題を解決し、サービスを利用するエンドユーザーの不便さ、困ったことを解消することを経営理念としております。また、当社グループの強みは、コンタクトセンター、フィールド、IT・DXの三位一体のサービス提供にあります。各BPO拠点においては、応答品質のモニタリング、評価分析、改善、報奨の支給、品質管理担当者のスキル向上等、品質向上のための体制の充実を図っております。

 また、品質管理の社内表彰式開催、スキル認定に加え、「人材」「オペレーションプロセス」「ITやDX等のテクノロジー」等の観点における外部評価機関からの評価結果を社内に取り入れ、継続的に成長させていくための取り組みを行っております。現場駆けつけを行う株式会社プレミアアシストでは、富山トレーニングフィールドにおいて、新人研修のみならず、既存スタッフや協力会社向けの実地・座学研修を実施しており、当連結会計年度では延べ500人以上の人員が研修を受講いたしました。

 今後も強みを活かし、社会情勢の変化、テクノロジーの進化に対応するべく、BPO事業に加えて、オペレーションプラットフォームを構築し、当社グループならではの価値提供を目指してまいります。

 

(人材活用)

 当社では2018年より女性活躍推進プロジェクト(Woman Excite Project “WEPRO”)を運営し、女性管理職比率50%の達成を目標に掲げ、人事制度や人材育成方法の見直し等を通し、柔軟な働き方、多様な働き方を推進しております。この結果、当連結会計年度における当社従業員の女性管理職比率は45.2%(前年度40.9%)となりました。各BPO拠点においては、キャリアパスに応じたスキル教育に加え、管理職登用後の従業員向けに、思考力・リスクマネジメント力・モラルを養うための継続した育成プログラムを構築することにより、次世代の幹部候補輩出に繋げる取り組みを引き続き行います。また、リスキリングとして公的資格や業界資格の取得促進、社内資格としてITリテラシー向上を目的としたIT部門による研修とスキル認定も進めてまいります。

 健康経営の取り組みとしては、健康状態を改善し、生産性向上、人材確保・定着に繋がることを経営戦略として捉え、定期健康診断の受診率向上、ストレスチェックによる職場環境の見直しや業務量調整を実施、運動習慣の推奨としてウォーキングやヨガなどイベントの開催、健康運動に関する情報提供も行っております。また女性や若年層が多い職場だからこそ、女性特有の健康課題や、病気にならないようにサポートを行う未病対策に着目した取り組みを行い、「2026年度までの喫煙者率15%以下」及び「BMI普通体重維持者率68%以上」を目標に掲げ、健康経営の取り組み強化に努めており、この結果、2022年から4年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されました。

 上記のような取り組みは、短期的なものではなく中長期的に継続して行うものと考え、今後も積極的に推進してまいります。

 

(地方貢献)

 国内における地方都市の人口減少問題や活性化は、社会的な課題の一つと認識しております。当社グループでは、地域社会に貢献することを重要な基本戦略と位置付け、地域活性や女性活躍をビジネスの根幹とし、事業を発展させてまいりました。働きやすい職場環境の構築として、人材育成にかかる取り組みや制度、研修機会を設けるほか、カフェテリアや企業内保育園といった施設整備も行っております。特に女性の労働参加においては、企業内保育園の設置・受入体制の拡大は従業員の出産・育児による離職を防ぐための効果的な施策であり、当社グループのみならず他社で勤務している地域住民にも開放することで、地域全体に対して間接的な就業環境の整備、子育て支援を行っており、今後も拡大していく方針です。

 また、各拠点では地域とのつながりを目的とした各種イベントを通し、従業員が地域貢献活動に取り組むことによるプラスの効果も期待しております。地域の一員としてその地域に貢献している実感を持つことで、モチベーションアップにつながり、さらには本業とは異なる活動に取り組むことで刺激を受け、自らの特性や能力を新たに発見できる可能性も高まると考えております。

 この他、地域の活性化、そして女性が活躍できる場を増やしたいという思いから、秋田・山形・富山のBPO拠点において、女子スポーツチーム「アランマーレ」を運営しております。スポーツを通じて前述した企業内保育園との交流等、地域に根差した活動を行い、地域住民の皆様へ感動をお届けできるよう取り組んでおります。今後も若い世代が安心して地元に戻ってくることができる環境、そして女性がより一層活躍できる場を整備してまいります。

 

(内部統制全般)

 当社グループの従業員は約6,000名の規模となり、組織の隅々まで企業文化と法令順守、内部統制を徹底させることが一層重要となっていると考えております。加えて、中期経営計画のもと、「継続的・安定的な成長」を実現していくため、責任と権限を明確にし、より果断かつ迅速な意思決定と実行が重要であると認識しております。また、コロナ禍後において、グローバル事業が回復・拡大傾向にあり、それに併せて海外拠点の拡充を行っております。

 一方で、海外子会社は日本の本社との地理的・心理的距離に起因し、モニタリングが十分に行き届かず、不正が起こりやすいリスクがあるとも一般的には言われております。そのため、本社に海外担当の専任部署を設置し、モニタリングの強化を行い、本社との定期的な会議の開催、情報共有、コミュニケーション機会の拡大、労務管理など現地の法律や規制についての把握等に努めております。また、内部監査体制を拡充し現地への往査頻度を高め、現地の環境への理解と関係者との信頼関係を構築しながら、監査を通じて改善提案を行うことで、企業全体のガバナンス体制を強化する役割を果たしてまいります。

 当社グループは2019年4月より持株会社体制に移行し、経営責任と執行責任を明確にいたしました。2022年2月には、当社の取締役会の諮問機関として「指名報酬委員会」を設置し、取締役、監査役の指名・報酬に関する手続きの公正性・透明性・客観性の強化を図っております。特に「指名報酬委員会」においては、近い将来発生する経営体制のサクセッションプランについて検討を進め、後継者育成の基本方針やスケジュールを作成しております。この一環として、当連結会計年度においても、役付執行役員以上からのレポート提出と個別面談を実施し、後継候補者の評価・見極め・絞込み等を行っております。今後もコーポレートガバナンス体制をより一層充実させ、継続的な成長を支える経営基盤を整えることにより、新たな価値創造へのチャレンジを推進してまいります。

 

 以上のような諸施策により経営資源を集中し、更なる成長と株主価値向上に努める方針であります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。

 

(1)サステナビリティの方針

 当社グループは、創業当初からの「エンドユーザー(消費者)のお困りごとを解決する」というコンセプトを大切にし、「エンドユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する。」というグループ経営理念を掲げ、社会の問題を解決することで貢献し、社会や地域と共に繁栄できる企業を目指しています。これに加え、持続可能な社会のための取り組みは、企業に課せられた責務であり、企業としての成長と社会的責任を果たすことを両立させていくことが重要であると考えています。これらを実現するために当社グループは、人と人との繋がりから生まれる共感を新しい価値を創造する原動力とし、適正な企業統治のもと、社会から信頼される企業として、多様なサービスを通じた持続可能な社会の実現に向け、グループ一丸となってその達成に積極的に取り組んでいます。

 

(2)サステナビリティの取組

①サステナビリティ課題全般

項目

内容

ガバナンス

当社グループではサステナビリティ委員会を設置し、環境面や社会からの要請課題について検討しています。原則として四半期ごとに開催としながら、必要に応じて適宜開催としています。また、リスク・コンプライアンス委員会で検討した経営活動上やビジネス上のリスクとの関連性を整理した上で、発生の可能性や頻度、発生した場合の影響を評価、重要性を識別し、必要に応じて執行役員会または取締役会に報告するなど、取締役会による監督体制のもと、当社グループの戦略に反映し、対応しています。

両委員会は代表取締役の諮問機関であり、サステナビリティに関する重要事項に関しては、サステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会で検討・協議された内容を元に、取締役会において審議・決議しています。

 

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項目

内容

戦略

当社グループは、地方にて拠点を展開することで、雇用を創出し、地域を活性化させることを重要な課題として認識しています。

企業としての持続可能な成長と社会の持続可能な発展に貢献する取り組みを目指すため、持続可能な開発目標(SDGs)から2030年までに取り組むべき重要課題(マテリアリティ)(注)1を設定し、評価、管理しております。

 

 

項目

内容

リスク管理

STEP 1.マテリアリティ候補の抽出

 サステナビリティ分野における国際的な枠組みであるGRIスタンダードなど各ESG評価機関を参考に、社会的課題を洗い出し、経済/環境/社会に大きな影響を及ぼすものを中心に自社の取り組みからマテリアリティ候補となる項目を抽出。

 

STEP 2.マテリアリティ候補の評価・分析

 STEP 1で抽出した約50項目について「社会からの期待」と「当社グループの経営活動や事業との関連性」の2つの側面から当社グループの経営理念、経営戦略、財務面を含むリスク情報などを加味し、リスクアセスメントの評価方法を参考にスコアリングし、当社グループが考える重要度を評価。

 

STEP 3.妥当性や優先度の確認と課題のグルーピングによるマテリアリティの特定

 STEP 2で作成した課題評価から、優先度の高い21項目の課題をグルーピングし、SDGsとの関連性を整理・確認、8つのマテリアリティを特定。

 

設定したマテリアリティについては、社会課題の変化や当社グループの経営計画等に合わせ見直しを適宜行うこととし、今後、一定期間における活動推移を見極め、各項目について適切なKPIを設定したうえで管理してまいります。

 

項目

内容

指標及び目標

約50項目のリスクを洗い出し、その中から当社グループにとってより重要な項目を選定しています。設定したマテリアリティの解決(注)2を通し、持続可能な社会の構築に貢献していきます。

 

 

(注)1 (特定したマテリアリティ)

 

重要課題

(マテリアリティ)

リスク

機会

貢献する

主なSDGs

E

自然環境への取り組み

・温室効果ガス排出に対する事業規制等による事業活動への影響

・炭素税やCO2排出量削減等によるコストの増加

・気候変動の緩和に寄与する、再生可能エネルギー等の事業機会の創造

・環境保全により次世代が住みやすい地域環境をつくり、地域活性化、雇用創造に繋がる

 

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S

災害への備え

・異常気象の発生による事業被害

・地震、災害、施設老朽化による設備崩壊で事業継続が不可能となる

・パンデミックにより事業継続が不可能となる

・異常気象に適応できる供給体制強化等による顧客維持・新規獲得

・災害に備えた施設設備強化や不測の事態に備えた制度により、従業員が安心して働くことができる

 

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健康経営(健康への意識醸成)

・アブセンティーズム(病欠や病気による休業)の発生による人材不足

・プレゼンティーズム(何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、体調不良があるまま働いている状態)による業務効率の低下

・優秀な人材の新規採用、定着

・業務パフォーマンス向上による事業成長

 

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地域の未来と活性化、雇用の創造

・人材の採用と確保が困難となり、事業機会の逸失が起こる

・地域社会の衰退化により、若い人材がいなくなる

・雇用の創造により若年層が定着し、地域活性化に繋がる

・地域活性化による新たな事業機会の発生

・多様な働き方を提案することによる人材の定着

・子供たちや学生を対象に様々な分野でスキル提供をすることにより、長期的な地域全体の人材育成へと繋がる

 

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未来の技術・新しい価値観

・サービスの品質低下

・事業成長の停滞

・新たなサービス領域の創造

・事業の成長、継続に繋がる

 

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女性活躍推進

・事業活動での人権問題発生に伴う事業遅延や継続リスク

・セクハラ、パワハラなどのハラスメント横行による労働環境の劣化

・ライフスタイルの変化による離職、人材不足の発生

・多様な働き方、働きやすい環境を提案することによる人材の定着

・ライフスタイルの変化を加味した人材育成により従業員の成長を促す

 

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G

体制の強化

・コーポレート・ガバナンス、内部統制の機能不全に伴う事業継続リスク、予期せぬ損失の発生

・経営陣/幹部の減少による経営活動の停滞

・ビジネスモデルの陳腐化によるニーズの低下

・強固なガバナンス体制の確立による意思決定の透明性の向上、変化への適切な対応による安定的な経営基盤の確立

・安定した経営体制によるステークホルダーの信頼獲得

・事業の成長、継続

 

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情報・システム

・情報漏洩による企業評価の低下、受託業務減少

・システム障害により事業活動の継続が困難となる

・ステークホルダーからの信頼獲得

 

 

(注)2 (マテリアリティの解決に向けた対応、取り組み)

 

重要課題(マテリアリティ)

主なリスクへの対応

具体的な取り組み

自然環境への取り組み

・2050年までにCO2排出量実質0を目指し、2030年までにCO2排出量50%削減を目標とする

・資源の有効活用、省資源、省エネルギー化

・事業活動におけるCO2排出量の低減措置の推進

・電気自動車(EV)への社用車切り替え

・拠点施設へ太陽光発電パネル設置

・カーボンニュートラルガスの導入

・EV電欠サービス等への事業投資

災害への備え

・大規模災害の発生を想定し、事業継続計画(BCP)を策定

・施設設備の防災対策の強化

・感染症対策等の継続

・事業継続計画(BCP)の策定

・各拠点の災害に備えた備蓄品確保

・災害対策備品(トランシーバー等)の確保

健康経営(健康への意識醸成)

・健康経営宣言のもと、未病対策として健康診断の受診促進や、全拠点参加型のイベントを実施

・健康をテーマとしたセミナーやストレスチェックの実施

・グループ全体の健康意識維持のため、健康経営優良法人への申請

・健康経営優良法人2025 大規模法人部門認定

・健康保険組合アプリを利用したイベントや座ったまま出来る「椅子ヨガ」の実施

・社内カフェテリアにてスマートミールの導入

地域の未来と活性化、雇用の創造

・新規拠点の設立による雇用の創造

・女性を応援する活動のシンボルとして、若い世代が安心して地元に戻ってこられる環境を創るべく、女子スポーツチーム「アランマーレ」を創設

・子供たちや学生へ向けたスキル提供の場を設置

・働きがいのある職場環境の整備による、労働生産性の向上、優秀な人材の確保

・新規拠点の設立による雇用創造

・カフェテリア、社内スタジオなどの社内環境整備

・役職定年制度の廃止

・企業内保育園(オランジェリー)運営

・女子スポーツチーム

「プレステージ・インターナショナル アランマーレ」運営

・アランマーレジュニア組織運営

未来の技術・新しい価値観

・事故受付及びロードサービスの一体的運用及びその周辺分野へのDXを活用した独自サービスの開発

・DXによるデータ管理改善の取り組み

・システムに蓄積されたデータをクライアントの商品開発、エンゲージメントに活用

・Premier Assist Direct

(特許第5828882号)

・Premier Call

(特許第5698858号)

・training AI CAST

(商標第6409870号)

救急自動通報システム

 「D-Call Net®」サービス参画

女性活躍推進

・女性が夢をもって活躍できる雇用環境を創造し、整えていくための「Woman Excite Project」を発足

・人権の尊重、ダイバーシティ推進体制の強化

・女性特有のライフスタイルの変化に着目したワークライフバランスの実現、能力開発におけるサポート体制の充実化

・時間単位有給休暇制度

・ジョブリターン制度

・新生活サポート制度

・企業内保育園(オランジェリー)運営

・Director制度

・フェムテックへの取り組み

体制の強化

・内部統制リスク管理の強化

・コーポレート・ガバナンス体制の強化

・経営陣/幹部の人員、スキル確保

・定期的なビジネスモデルの見直し

・コンプライアンス教育の継続的な実施

・指名報酬委員会の活動

・リスク・コンプライアンス委員会の活動

・定期的なビジネスモデルの見直し

情報・システム

・従業員へのセキュリティ教育徹底

・システム障害の規模に合わせた事業継続計画(BCP)の策定

・情報セキュリティ研修の実施

・事業継続計画(BCP)の策定

・サイバーセキュリティ対策組織(CCoE)の設置

 

(注)3.ジョブリターン制度は、やむを得ない理由等で退職を余儀なくされた社員を本人の希望により再雇用し、在職時に当社で培った能力・経験を再度活かしていただくための制度です。

4.新生活サポート制度は、結婚・出産・介護等のライフイベントに配慮したサポート提供のために導入した、シングルマザー/シングルファザー サポート手当、介護サポート休暇、プレママ/プレパパサポート休暇を指します。

5.Director制度は、ポジティブに管理職へチャレンジしやすい環境を整えるため、所属部署においてマネージャー業務を段階的に行う制度です。

 

②気候変動への対応

(3)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応を参照ください。

 

③人的資本・多様性への対応

項目

内容

ガバナンス

取締役会において、ダイバーシティ推進担当の取締役を任命しております。当初は女性活躍推進プロジェクトとして発足したWEPRO(Woman Excite Project)は、2024年3月期より新たな5つの意味を加えることで、ダイバーシティ推進プロジェクトとしてさらなる発展を遂げるよう活動を強化しております。

WEPROでは、担当取締役の指揮のもと、新たな人事制度や人材育成方法の見直しなど活動内容について、取締役会へ報告、また取締役会からの助言、意見を反映した制度設計などを行っています。

なお、当該取締役は「サステナビリティ委員会」の委員長も兼任しております。

WEPROの新たな5つの意味

We are proactive.

積極的で前向きな

We are productive.

建設的で実りの多い

We are progressive.

前進する、向上する

We are prosperity.

繁栄、成功する

We are proud of something.

誇りに思う

 

 

項目

内容

戦略

当社グループは、「プレステージ・インターナショナルグループ人事基本方針」に従って人事活動を行い、従業員一人ひとりが活き活きと働き、職務上の地位や採用形態、年齢、性別、学歴、出身地、国籍、思想信条などの違い、性的指向・性自認・性表現・障がいの有無などを理由とした差別や偏見の排除、各国法律及び慣習に従って従業員の権利を尊重しながら、能力を伸ばしていける環境づくりに取り組んでいます。

■「グループ人事基本方針」

1.人権の尊重

2.人材の確保

3.公正な評価

4.人材の育成

5.職場環境と健康管理

 

具体的には、①女性管理職比率の向上、②従業員の健康意識の向上及び健康推進、③新卒や中途採用、国籍等を問わず多様な人材の確保、④「働き続けたい場所」であることを目指し多様な働き方の実現を目的とした制度や環境設備の拡充などを打ち出し、組織風土の醸成と働きがいのある体制づくりを目指しております。

上記基本方針に基づき、2019年より従業員の健康づくりを目的とした取り組みを開始し、健康経営プロジェクトとしてさらなる健康経営の取り組み強化にも努めています。当社は、健康経営優良法人認定制度において、連結子会社の株式会社プレステージ・コアソリューション及び株式会社プレステージ・グローバルソリューションと共に、『健康経営優良法人 2025(大規模法人部門)』に認定され、2022年から4年連続の認定となりました。

また、当社で培った能力・経験を再度活かしていただくため、リファラル採用やジョブリターン制度等のアルムナイ採用も取り入れております。さらには、2025年4月1日より役職定年制度を廃止し、年齢に関わらず能力や成果に応じて役職に就くことができる評価制度へと移行することでより効果的な人材獲得を目指しております。

 

項目

内容

リスク管理

当社グループの経営の根幹は「人」によるサービスにあると考えております。安定した業務を遂行するには、一定数の採用数が見込まれる地域でかつ低い離職水準であることが重要であり、多様な働き方を提案することによる人材の定着のためにも、以下のような施策について対策を講じ、リスク低減に努めています。

・内部通報制度、取引先公益通報制度による課題、問題の発見

・月次での採用計画の進捗、退職者数と退職理由の執行役員会への報告

・月次での女性活躍推進プロジェクト(通称:WEPRO)で検討した課題、取り組み報告

・健康診断の結果による指導

・メンター制度での個別支援による職場内での悩みや問題の早期発見

・オンライン社外相談窓口サービス(Smart相談窓口)の導入によるメンタル不調の早期発見・対応

 

項目

内容

指標及び目標

1.2025年3月期までに女性管理職比率50

2.1.2025年3月期までに貧血の有所見者率 10.4以下

2.2.2025年3月期までにBMI普通体重維持者率 65以上

3.離職率10以下

4.2024年3月期から2025年3月期の男性社員の育児休業取得率の平均値 20以上

目標に対する実績は、以下のとおりであります。

項目

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

1.女性管理職比率

40.7%

40.9%

45.2

2.1.貧血の有所見者率

10.4%

10.7%

10.4

2.2.BMI普通体重維持者率

58.7%

59.4%

56.6

3.離職率

11.9%

11.5%

13.7

4.男性社員の育児休業取得率

23.5%

61.9%

121.4

 

(注)1.貧血の有所見者率は、ヘモグロビン値12.0g/dl未満者の割合としております。

2.BMI普通体重維持者率は、日本肥満学会の定めた基準に則りBMI18.5以上25未満者の割合としております。

3.指標及び目標の対象範囲は、当社従業員であります。

4.連結会社における女性管理職比率、離職率の指標は、下表のとおりです。

なお、貧血の有所見者率、BMI普通体重維持者率、男性社員の育児休業取得率は、連結グループにおける記載が困難であり、集計を実施しておりません。

項目

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

1.女性管理職比率

34.5%

36.2%

40.5

3.離職率

14.7%

13.6%

13.5

 

(3)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応

 当社グループは、「事業創造を通して、社会に貢献できる」企業を目指し、社会的課題を解決するサービスを創造し、事業を通じた社会課題の解決や地域貢献に取り組んでおります。 こうした中、近年の世界的な気候変動や自然災害による被害の深刻化を踏まえ、気候変動が当社グループに与える影響を的確に把握するとともに、気候変動に関する対応を優先事項の一つとして捉え、CO2排出削減を含む様々な環境対応策を積極的に推進することとし、2022年「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同し、これに基づいて情報開示を行っております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

①ガバナンス

 当社グループではサステナビリティ委員会を設置し、環境面や社会からの要請課題について検討しています。原則として四半期ごとに開催としながら、必要に応じて適宜開催としています。また、リスク・コンプライアンス委員会で検討した経営活動上やビジネス上のリスクとの関連性を整理した上で、発生の可能性や頻度、発生した場合の影響を評価、重要性を識別し、必要に応じて執行役員会または取締役会に報告するなど、取締役会による監督体制のもと、当社グループの戦略に反映し、対応しています。

 

②重要度の定義

 気候変動の財務影響を評価するにあたり、影響の区分は、金融商品取引所の適時開示基準のうち「業績予想の修正、予想値と決算値との差異等」及び「災害に起因する損害または業務遂行の過程で生じた損害」に関する基準を準用し、連結売上高の10%増減もしくは連結純資産の3%増減が予想される場合を影響「大」としました。なお、シナリオ分析の定量情報は、参照シナリオ等を基にした当社の判断に基づくものであり、分析精度の向上に留意していますが、多くの不確実な要素を含むものです。

影響の区分

基準

金額

連結売上高に対する比率:

10%以上

64億円以上

連結純資産に対する比率:

3%以上

15億円以上

連結売上高に対する比率:

5%以上10%未満

32億円以上64億円未満

連結純資産に対する比率:

1.5%以上3%未満

7億円以上15億円未満

連結売上高に対する比率:

5%未満

32億円未満

連結純資産に対する比率:

1.5%未満

7億円未満

 

③参照した既存シナリオ

 シナリオ分析の検討に際し、国際的な信頼性が高くTCFD提言においても引用参照され、多岐にわたる事業領域をカバーできる国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)及び国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)が発行する資料等を参照し、以下の2つのシナリオを設定しました。

設定シナリオ

2℃未満

4℃

世界観

平均気温の上昇を2℃未満に抑えるべく、大胆な政策・法規制が実施されるとともに、技術革新が進む。

脱炭素社会への移行に伴う社会変化が事業に影響を及ぼす可能性が高い社会。

様々な政策・法規制を推進せず、物理的リスクが高まる。温暖化がさらに進み、集中豪雨や洪水など自然災害が激甚化する。

気候変動が事業に影響を及ぼす可能性が高い社会。

参照

シナリオ

移行面

IEA WEO2021

IEA NZE2050 等

IEA STEPS 等

物理面

IPCC(AR6)SSP1-1.9 等

IPCC(AR6)SSP5-8.5 等

リスク及び機会

移行面でリスク及び機会が顕在化しやすい

物理面でリスク及び機会が顕在化しやすい

 

 

④分析結果

 

分類

事業インパクト

時間軸

影響

(注)1

2℃未満

4℃

政策

・法規制

・炭素税の導入等による CO2排出に対する課税

中期~

長期

・燃料コスト等の事業コスト増加

技術

・環境負荷を考慮した製品・サービスの購買コスト増加(電力、紙製品等の事務用品、EV等)

短期~

長期

・ZEB、ゼロカーボン建築によるBPO拠点新規建設費用増加

市場

・オートモーティブ事業におけるEV対応のニーズに追いつけない

短期

(注)2

(注)2

・脱炭素社会へ向けた生活様式の変化に伴うサービス提供のニーズに対応できない

評判

・気候変動対策の遅れによる株価・売上への影響、取引機会の損失

短期

(注)2

(注)2

・人材確保の困難化

 

急性

・台風・豪雨・洪水等の自然災害でBPO拠点が運営停止することによる収益減少

中期

(注)3

(注)4

・被災したBPO拠点における事業継続のためのインフラ等の復旧コスト発生(移転コスト含む)及び資産価値の減少

・台風・豪雨・洪水等の自然災害による出勤不可の従業員発生

慢性

・気温上昇により予想される従業員の体調不良(熱中症、感染症の拡大、呼吸器疾患の増加等)を軽減するための就業環境整備コスト増加

長期

 

 

 

 

分類

事業インパクト

時間軸

影響

(注)1

2℃未満

4℃

エネルギー源

・資源の効率性

・エネルギー効率の良いBPO拠点の建設、運営

長期

(注)2

(注)2

サービス

・市場

・企業のBCPニーズの高まりに伴う新規受託業務の獲得

中期~

長期

(注)2

(注)2

・オートモーティブ事業におけるEV対応のニーズの高まり

短期

・脱炭素社会へ向けた生活様式の変化に対応したサービスの創出

中期~

長期

レジリエンス

・各BPO拠点間でのバックアップ体制強化による事業の継続、安定化

長期

(注)2

(注)2

(注)1.リスク・機会の本格化までの時間軸 短期:2025年、中期:2030年、長期:2050年

2.現段階では十分な情報収集が困難であり、事業及び財務への影響度の評価が難しい状況です。

3.2℃未満シナリオにおいては、台風・豪雨・洪水等の自然災害の頻度が増すものの、BPO拠点所在地での事業継続に直接影響を及ぼす自然災害は発生しないと想定しています。

4.4℃シナリオにおいては、影響が最大となる場合としてBPO拠点の1つが浸水して運営停止する程度の自然災害が発生することを想定しています。

 

⑤戦略

・当社グループは、東北地方を中心にコンタクトセンター(BPO拠点)を運営しています。Scope1、Scope2におけるCO2排出の主な原因は、BPO拠点における電力及びガスの消費、ロードサービスにおけるサービスカーの燃料消費です。

・CO2排出量削減のため、再生可能エネルギー導入やロードサービスにおけるサービスカーのEVへの入れ替えを進めてまいります。CO2排出量削減は、環境負荷の軽減のみならず、炭素税の課税による財務影響の緩和という効果もあります。

・移行リスクについては、2℃未満シナリオ及び4℃シナリオのどちらにおいても政策・法規制によるコスト増のリスクが抽出されました。しかしながら、2030年時点を想定した当社グループへの財務影響は下の表のとおりであり、上記の施策を進めることで財務影響は「小」と評価しました。

・物理リスクについては、4℃シナリオでは海面上昇に加えて自然災害の激甚化と頻度増がより大きくなると予想されるため、主に水害によりBPO拠点の運営に影響が出るリスクが抽出され、財務影響は「大」と評価しました。BPO拠点新規設立の場合の立地条件の厳格化や、BPO拠点同士のバックアップ体制の強化をさらに進め、事業継続への影響を最小限に抑える施策を進めてまいります。同時に、従業員の安全確保のため、災害訓練を継続実施し、備蓄物の内容・量を見直します。

・EV関連の顧客ニーズについては、当社グループにとってリスクであり機会でもあります。当社グループでは研修施設「富山トレーニングフィールド」を有しており、主にロードサービスについての研修を効率的・集中的に行うことができるため、EVへの対応強化を進めることで、機会となると認識しています。

・EVが走行中に電池切れしてしまう「電欠」を起こした際に、既存のサービスネットワークを活かして現場に駆け付けて充電し、充電ステーション等へのレッカー搬送を伴わずに現場で復旧することで、短時間で自走を可能にするサービスである「EV駆けつけ充電サービス」を開始し、2023年5月時点で全国展開が完了しております。

 

⑥2030年時点を想定した当社グループへの財務影響

 2021年3月期の排出量を基礎に試算すると炭素税額は約152百万円となりますが、当社グループのCO2排出量削減目標達成に向けて再生可能エネルギー、EVを計画的に導入することで炭素税は約76百万円に削減できると試算しています。

項目

財務影響額

炭素税 (注)1

76百万円

再生可能エネルギー導入コスト

10~16百万円

カーボン・オフセットコスト (注)2

4~105百万円

(注)1.2030年における先進国の炭素価格:USD130(IEA NZE2050)を元に算出。為替レートJPY/USD 149.52(2025年3月31日)

2.2023年5月のJ-クレジット平均販売価格、グリーン電力証書の価格を元に算出。

 

⑦リスク管理

[気候関連のリスクを選別・評価するプロセス]

 当社グループではサステナビリティ委員会において環境面や社会からの要請課題やリスクを抽出し、リスク・コンプライアンス委員会においては、検討した経営活動上やビジネス上のリスクを検討しており、両委員会で検討した課題やリスクについてそれぞれ関連性を整理し、当社グループにとって重要な気候変動に伴うリスクと機会を選別しています。その上で、選別した気候変動に伴うリスクと機会について、発生の可能性と事業への財務的影響に基づき、その重要性を評価します。

 

[気候関連のリスクを管理するプロセス及びその総合的リスクマネジメント体制への統合状況]

 従来、リスク・コンプライアンス委員会において当社グループのリスク管理の方針の決定、リスク管理規程の整備、運用状況の検証、危機発生時の対応、その他リスク管理全般に関する事項について整備を行ってまいりました。気候関連のリスクについては、これらに加え、環境・社会課題の解決に向けた取り組みについて議論する機関として設置したサステナビリティ委員会において、事業活動に関連する気候関連のリスクの抽出・検討を行い、影響度の大きい重要リスクを特定し、関連する移行リスクや物理リスクについて、TCFD提言のフレームワークに沿ってシナリオ分析を含む識別・評価を実施します。抽出されたリスクについては、リスク・コンプライアンス委員会及びサステナビリティ委員会のもと、関係部門が気候変動に対する施策について立案、実行、報告し、両委員会が連携してその進捗確認を行います。さらに、サステナビリティ委員会は当社グループ全体の対応状況を集約し、協議した上で取りまとめ、重要な事項については代表取締役統括のもと、執行役員会及び取締役会に報告し、取締役会による監督体制のもと、当社グループにおける企業リスクとして当社グループの戦略に反映し、対応しています。

 

⑧指標及び目標

 当社グループは、シナリオ分析結果を踏まえ、気候変動に伴うリスク低減のため、CO2排出削減目標を設定しました。CO2排出量削減目標については、当社グループの事業特性やこれまでの取り組み状況、今後の社会動向を勘案し、中長期目標を策定の上、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指します。特に省エネルギー活動の推進、使用量の効率化や削減、省エネルギー設備の積極的な導入、社用車のEV等への切り替えなど使用電力の再生可能エネルギー比率を高めていく取り組みを強化します。

CO2排出量削減目標

指標

目標内容

2030年度

(2031年3月期)

2050年度

(2051年3月期)

CO2排出量削減率

(Scope1・2、2021年3月期比)

50%

100%(ネットゼロ)

 

CO2排出量実績及び2031年3月期・2051年3月期目標

<単位:t-CO2>

項目

2022年

3月期

2023年

3月期

2024年

3月期

2025年

3月期

2031年

3月期

2051年

3月期

実績

実績

実績

実績

目標

目標

Scope1

ガソリン、軽油由来

3,423

3,802

4,133

4,616

1,550

0

LPG、LNG、都市ガス由来

1,633

1,566

887

846

683

0

Scope1 排出量計

5,055

5,367

5,019

5,462

2,234

0

Scope2

Scope2 排出量計

3,692

4,037

1,673

1,608

1,688

0

Scope1・2 排出量合計

8,748

9,405

6,692

7,070

3,921

0

(注)一部の海外子会社の電気使用量が不明な場合は、電気料金、その国の電気料金相場、事務所の面積などから概算を算出しています。

 

[気候関連リスク・機会の管理に用いる目標及び実績]

Scope1(直接排出:ガソリン、ガスなどの燃料消費)

・各BPO拠点で使用している都市ガス等を2030年までにCNガス(カーボンニュートラルガス)に順次変更し、2031年3月期までに年間約1,300t-CO2を削減

・CNガスの導入状況は下表のとおり

拠点名

導入エネルギー

導入時期

富山BPOタウン

日本海ガス株式会社

「カーボンニュートラル都市ガス」

2023年1月

秋田BPOにかほキャンパス

にかほガス株式会社

「Jクレジットを活用したカーボンニュートラル都市ガス」

2023年4月

秋田BPO横手キャンパス

東部液化石油株式会社

「カーボンニュートラルLPガス」

2023年7月

・幅広い用途に対応するバンなどのサービスカーやレッカー車向けの大型車両などが今後EV化、市販されることを前提とし、当社グループの社用車約450台のうち、2031年3月期までに約240台を目標に順次EVへの入れ替えを実行し、年間約1,000t-CO2を削減

 

Scope2(間接排出:他社から供給された電力使用など)

・環境対策モデル施設「岩手BPOフォートレス」

 2024年6月開設の「岩手BPOフォートレス」を再生可能エネルギー100%利用のモデル施設と位置付け、その後の施設建設、施設改築の参考とする

・既存BPO拠点及び新設BPO拠点での対策

✓最新の省エネ対応機器(照明、空調、通信機器など)の導入を進める

✓再生可能エネルギーの導入状況は下表のとおり

拠点名

導入エネルギー

導入時期

山形BPOパーク

東北電力株式会社

「やまがた水力プレミアム」

2023年1月

富山BPOタウン

北陸電力株式会社

「かがやきGreen」

2023年4月

秋田BPOにかほキャンパス

東北電力株式会社

地産地消型CO2フリー電力プラン

「あきたEネ!オプション水力100%」

2023年4月

秋田BPO横手キャンパス

東北電力株式会社

地産地消型CO2フリー電力プラン

「あきたEネ!オプション水力100%」

2023年6月

秋田BPOメインキャンパス

東北電力株式会社

地産地消型CO2フリー電力プラン

「あきたEネ!オプション水力100%」

2023年9月

・削減できないCO2排出についてはカーボン・オフセット制度を活用

 

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループ(当社、連結子会社36社、持分法適用関連会社2社)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から同様に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)BPO事業の市場並びに業界の状況に係るリスク

 BPO市場の成長は、規制緩和等を背景としたアウトソーシング化の進展に大きく影響されることから、アウトソーシング化が進展しない場合は、当社グループの成長が鈍化する可能性があります。

 日本及び海外においては、損害保険会社、自動車メーカー、クレジットカード会社等の大企業が自社グループのインハウス事業としてBPO業務を行っているケースが多いため、市場拡大が制約または限定される可能性があります。また、クライアント企業において業界や業種ごとに共同でアウトソーシング会社を設立する場合、業界再編成やM&Aが進展する場合などにも、当社グループのような独立系BPO事業者にとって事業機会を喪失する可能性が想定されます。

 当社グループはこれらのリスクに対して、クライアント企業との協業など新たなビジネスモデルの創出やIT投資による効率化等、独自性が高く訴求力のあるサービスを提供し続けることにより、クライアント企業の拡大及び契約更新に努めてまいります。その一環として、東北地方(秋田県5カ所、山形県2カ所、岩手県1カ所)、北陸地方(富山県1カ所、新潟県1カ所)にBPO拠点を開設しております。これはクライアント企業からの業務拡大要請や有事に備えたオペレーションの複数拠点化を求める声が多いことを鑑み実施された施策でありますが、競争の激化などマーケット環境が変化した場合、先行投資による設備投資が回収できない等の事案が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)世界情勢等におけるリスク

当社グループは、米国、英国、中国、シンガポール、タイ、豪州などに海外拠点を設置し、グローバルに事業活動を展開しております。

海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しております。万一、下記のような事象が発生しますと、クライアント企業の経営戦略や事業方針等に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

  ・予期しない法律または規制の変更、強化

  ・不利な政治または経済要因

  ・税制または税率の変更

  ・テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等

 

(3)信用失墜や風評のリスク

当社グループのクライアント企業は、損害保険会社、自動車メーカー、不動産管理会社など各業界における有力企業が多く、信用失墜や風評の影響を受けやすい傾向にあります。仮にクライアント企業に信用失墜や風評の問題が発生した場合、その影響は当社グループの業績に及ぶ可能性があります。また、当社グループのBPO業務に起因して重大なトラブルやクレームなどが発生した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があり、更に他のクライアント企業にまで契約解消の動きが波及する可能性もあります。

 

(4)為替リスク

当社グループの海外売上高は、グローバル事業を中心に2024年3月期3,546百万円(連結売上高に占める割合6.0%)、2025年3月期3,337百万円(同5.2%)となっております。海外売上高の大部分は外貨建てであることから、為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)設備に係るリスク

① 情報ネットワークやシステムに係るリスク

当社グループは、経営活動のため機密データ及び人事や会計データなどを含む電子情報の処理について、様々な情報技術ネットワークやシステムを第三者によって管理されているものも含め利用しています。これらの情報技術ネットワークやシステムは、安全対策が施されておりますが、外部からの不正アクセスによる攻撃、当社グループが利用するネットワーク及びシステムにアクセス可能な者による不正使用・誤用、開発ベンダー・クラウド業者など関係取引先のサービスの停止、電力を含むインフラの障害、天災などによって被害や妨害を受ける、または停止する可能性があります。また、これらによりデータの破壊、改ざん、情報漏洩などが起きた場合も含め、当社グループの事業活動に重大な影響を与えるとともに、クライアント企業から損害賠償請求を受ける可能性があります。

② 災害に係るリスク

台風・水害・大雪等の自然災害、火山噴火や疫病によるパンデミック等の不測の事態は、被害想定を超えた規模で発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、各BPO拠点や事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止等など、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)人材マネジメントに係るリスク

① 当社グループの各コンタクトセンターでは、オペレーターなど人材の確保及び育成、業務量に応じた人員配置及びシフト編成、適正な労務管理に努めております。BPO業務の多様化・高度化・グローバル化が進むなか、こうした人材マネジメントの重要性はますます高まる状況にあります。当社グループが適切な人材マネジメントを行うことができなかった場合、業務品質や業務効率が低下するうえ、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があります。

② 現在、国内では人手不足が慢性化しており、深刻な社会問題となっています。当社グループにおいては、主力のオペレーション業務を地方に設置した各BPO拠点で行っており、首都圏に比べると比較的安定した採用数を得られておりますが、採用活動が進まず、採用数が計画を大きく下回る場合やインフレ等により著しく賃金が上昇するなどの場合については、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)顧客情報漏洩のリスク

当社グループは、クライアント企業との間で一定の秘密保持契約を取り交わし、膨大な量の顧客情報を扱っております。そのため、個人情報保護規程や情報セキュリティ管理規程を整備するとともに、各コンタクトセンターではISOの認証を取得した秋田BPOメインキャンパス、秋田BPOにかほキャンパス、秋田BPO横手キャンパス、山形BPOパーク、山形BPO鶴岡ブランチ、富山BPOタウン、新潟BPO魚沼テラスに準じた運用を行っております。しかしながら、当社グループの従業員や関係者が顧客情報を何らかの方法により私的に流用、または外部に漏洩した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性や、クライアント企業またはエンドユーザーから損害賠償請求を受ける可能性があります。

 

(8)法規制等に係るリスク

現在、当社グループが関連する主要な業務において特定の許認可制度はないものの、今後、新たな自主規制が設けられたり、公的・準公的資格の取得が義務付けられたりする可能性があります。法規制等の動向については十分な注意を払っておりますが、当社グループの想定を超えた法的規制及び自主規制等が設けられた場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)訴訟・クレームに係るリスク

現在、当社グループが関連する主要な業務において訴訟・クレームは発生しておりません。今後、計画している事業展開において、当社グループの提供するサービスなどをめぐる訴訟やクレーム等が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼし、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10)オートモーティブ事業におけるリスク

① ロードアシスタンスサービスの収益構造

 ロードアシスタンスサービスの業務受託料は、基本的に固定+変動の収支構造となっており、固定費部分の算出方法は主に以下の2つの方式に分類されます。なお、クライアント企業との契約は一定期間ごとに改定する内容となっております。

(a) 台数ワランティ方式

 業務委託料を、クライアント企業の保険契約数(又は対象車両台数)×単価で決定する方式

(b)単価ワランティ方式

 業務委託料を、手配件数(想定手配件数)×単価で決定する方式

 各種ロードアシスタンスサービスの提供件数すなわち当該費用は、行楽シーズンや年末年始など交通量が多くなる時期、大雨や降雪など天候が悪化する時期に増加する季節性があります。こうした季節的な要因に当部門の業績が左右されます。特に台風・大雪・地震など自然災害が例年以上に多く発生すると、故障や事故が大幅に増加し、一時的に業績が悪化する可能性があります。ただし、クライアント企業との契約内容により、想定を超えた当該費用については事後補填を行う付帯条項があり、業績の悪化を緩和できることがあります。

② ロードアシスタンスサービスの品質

 当社グループでは、各種ロードアシスタンスサービスを24時間年中無休で提供するため、関係会社(株式会社プレミアアシスト)をはじめ、全国各地の自動車整備会社やレッカー業者など、協力会社を含む全国ネットワークを整備しております。クライアント企業にとって、ロードアシスタンスサービスの品質はお客様満足度を左右する重要な要素であることから、当社グループでは協力会社と一体となって現場到着までの早さや接客態度などのレベルアップに取り組んでおります。しかし、こうした当社グループの取り組みが十分であるとは限らず、協力会社との良好な関係を維持できなくなるなど何らかの理由によりロードアシスタンスサービスの品質が悪化した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があります。

③ 保証業務

 オートモーティブ事業において、保証業務として自動車の延長保証・メンテナンスプログラムを提供しております。保証業務は、利用者から一定の料金を徴収することにより、定められた期間の特定の故障を保証するものであります。

 当社グループでは、過去の実績などから適正な料金を算出すること、また、想定されるコストについては再保証を行うことなどの対応を行っております。

 しかしながら、想定以上の故障が発生した場合、再保証料が上昇するなどの影響により当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)プロパティ事業におけるリスク

① 不動産向けサービス(ホームアシスト)の収益構造

 不動産向けサービス(ホームアシスト)の業務受託料は、基本的に固定+変動の収支構造となっており、固定費部分の算出方法は、クライアント企業の管理戸数(又は対象戸数)×単価となっております。なお、クライアント企業との契約は一定期間ごとに改定する内容となっております。

 各種ホームアシストサービスの提供件数すなわち当該費用は、年末年始や夏季などに増加する季節性があります。こうした季節的な要因に当部門の業績が左右され、一時的に業績が悪化する可能性があります。ただし、クライアント企業との契約内容により、想定を超えた当該費用については事後補填を行う付帯条項があり、業績の悪化を緩和できることがあります。

② 不動産向けサービス(ホームアシスト)の品質

 当社グループでは、各種ホームアシストサービスを24時間年中無休で提供するため、関係会社(株式会社プレミアアシスト)をはじめ、全国各地の水道修理業者、電気工事業者や鍵業者など、協力会社を含む全国ネットワークを整備しております。クライアント企業にとって、ホームアシストサービスの品質はお客様満足度を左右する重要な要素であることから、当社グループでは協力会社と一体となって現場到着までの早さや接客態度などのレベルアップに取り組んでおります。しかし、こうした当社グループの取り組みが十分であるとは限らず、協力会社との良好な関係を維持できなくなるなど何らかの理由によりホームアシストサービスの品質が悪化した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があります。

③ 保証業務

 プロパティ事業において、住宅設備延長保証サービスを提供しております。本サービスにおいて、想定以上の故障が発生した場合、再保証料が上昇するなどの影響により当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)グローバル事業におけるリスク

① 海外旅行保険のクレームエージェントサービスにおける有責無責の判断

 海外旅行保険のクレームエージェントサービスでは、クライアント企業に代わって一定限度の医療費等(保険金)を保険約款に従って当社グループ独自のノウハウにより有責無責の判断を行っておりますが、その判断が必ずしも適正であるとは限りません。クライアント企業による調査の結果、何らかの無責事由に該当した場合、当社グループは立て替えた医療費等を被保険者に請求いたしますが、当該債権を回収できない可能性があります。

② 保険金の立替払い

 海外旅行保険のクレームエージェントサービス及び日本人駐在員向けヘルスケアプログラムにおいて、当社グループは医療費等(保険金)を現地通貨で立替払いしますが、その後、クライアント企業から保険金を受け取るまでの間に為替相場が大きく変動した場合、為替差損益が発生いたします。

③ 日本人駐在員向けクレジットカード発行業務

 米国における日本人駐在員向けクレジットカード“プレミオカード”等の発行については、当社グループ、現地金融機関及び日系航空会社との3社提携、現地金融機関に対する金融当局の許認可などが前提となっております。そのため、何らかの理由により3社提携の解消や取引条件の変更あるいは金融当局の許認可などが取り消された場合には、当部門の業績に影響が及び、事業継続が困難となる可能性もあります。

 また、同カードの発行時における本人確認、与信審査、与信限度額の設定などは、当社グループ独自の基準及びノウハウにより実施しております。発生した延滞債権については、当社グループが現地金融機関との契約に基づいて買い取るとともに所要の貸倒引当金を計上し、カード会員本人に支払い要請を行います。このため、延滞債権が多額に発生した場合、当部門の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、カード決済時においては、代金を現地金融機関から加盟店に先に支払い、その後会員から代金を回収する仕組みとなっております。支払いのための資金調達には金利が発生しており、現地金融機関と当社グループの負担となっていることから、米ドル金利の上昇により金利コストが増加するリスクがあります。

③ 海外拠点における内部統制

 コロナ禍後において、グローバル事業が回復・拡大傾向にあり、それに併せて海外拠点の拡充などを行っております。一方で、海外子会社は地理的にも心理的にも日本の本社から距離があり、モニタリングが十分に効かず、不正などが起こりやすい体質であるとも一般的には言われております。そのため、本社に海外担当の専任部署を設置し、モニタリングの強化を行い、本社との定期的な会議の開催、情報共有や政策の整合性などコミュニケーション機会の拡大、労務管理など現地の法律や規制についての把握などに努めております。また、内部監査体制を拡充し現地への往査頻度を高め、現地の環境への理解と関係者との信頼関係を構築しながら、監査を通じて改善提案を行うことで、企業全体のガバナンス体制を強化する役割を果たしてまいります。

 

(13)金融保証事業におけるリスク

① 保証業務

 金融保証事業において、家賃保証プログラムといった保証に関連する業務を提供しております。当社グループが提供する家賃保証プログラムは、保証委託者の債務不履行が発生した場合に当社が代位弁済を行うものであり、その性質上、代位弁済した立替債権の一部が未回収となる可能性があります。また、著しい経済環境の悪化等により、立替債権が増加し、貸倒引当金及び保証履行引当金が想定を超えて計上された場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 家賃保証プログラムの法令遵守

 当社グループでは関係会社(株式会社イントラスト及び株式会社プレミアライフ)において家賃保証プログラムを提供しております。家賃保証業界に関しては、家賃滞納者に対して一部の業者が行き過ぎた転居対応を行う等の社会的な問題が生じており、業界における自主規制の制定や法的規制について検討が進められている状況であると認識しています。当社グループにおいては、法令遵守を徹底して事業を行う方針でありますが、法令違反等の社会的問題が生じた場合、事業の推進が困難となり、当部門の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善傾向を背景に、個人消費の回復に伴う緩やかな景気回復の動きがみられました。一方、各国の金融政策や原材料価格の高騰による物価上昇や米国の関税政策による経済影響等、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続くことが予想されます。

 国内BPO市場においては、労働人口減少によるリソース不足や多くの企業における働き方改革の推進を背景に、業務オペレーションの見直しや、コア業務や新規ビジネスに向けたリソースの再配置等に伴う抜本的な事業体制の見直しが進んでおり、ノンコア業務のアウトソース需要の高まりを受け、市場規模は拡大基調で推移しております。

 連結売上高につきましては、アシスタンスサービスの拡大によりプロパティ事業やグローバル事業は二桁成長となり、主力業務となるオートモーティブ事業とともに増収となりました。また金融保証事業も契約数の増加が増収を牽引し、連結売上高は63,719百万円(前期比8.5%増)となり、ワクチン関連業務収束の影響を克服しました。

 営業利益につきましては、ワクチン関連業務収束に伴う収益低下の影響や、主力のオートモーティブ事業を中心とした人件費及び協力会社への費用増加があったものの、増収となったセグメントの収益によりこれを吸収し、7,961百万円(前期比0.5%増)となりました。経常利益に関しましては、8,416百万円(前期比0.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期に発生した株式売却による特別利益の減少や子会社清算による税効果の消失、賃上げ促進税制による減税額の減少等により、4,870百万円(前期比15.9%減)となりました。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

 ① 生産実績及び受注実績

  当社グループの提供するサービスの受注生産は僅少であるため、記載を省略しております。

 ② 販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比

(%)

日本

59,149

108.5

米州・欧州

3,064

101.2

アジア・オセアニア

1,505

127.3

合計

63,719

108.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(3)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容

a. 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、連結決算日における資産、負債の報告金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益及び費用の報告金額に影響を与えるような見積り及び予測を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

b. 当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容

 ① 財政状態

 当連結会計年度末における総資産は、71,590百万円となり前連結会計年度末に比べ3,754百万円増加となりました。流動資産は、立替金が1,157百万円増加、現金及び預金が617百万円増加し、流動資産合計では前連結会計年度末に比べて1,483百万円増加し、42,224百万円となりました。固定資産に関しましては、建物及び構築物が3,375百万円増加、建設仮勘定が1,752百万円減少し、前連結会計年度末に比べて2,270百万円増加し、29,366百万円となりました。

 負債に関しましては、流動負債のその他が372百万円増加、保証履行引当金が348百万円増加いたしました。これらにより負債合計では前連結会計年度末に比べて1,337百万円増加し、21,948百万円となりました。

 また、純資産については、配当金の支払いと自己株式の取得が発生いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が4,870百万円であったため、前連結会計年度末に比べて2,417百万円増加し、49,641百万円となりました。

 

 ② 経営成績

 連結売上高につきましては、アシスタンスサービスの拡大によりプロパティ事業やグローバル事業は二桁成長となり、主力業務となるオートモーティブ事業とともに増収となりました。また金融保証事業も契約数の増加が増収を牽引し、連結売上高は63,719百万円(前期比8.5%増)となり、ワクチン関連業務収束の影響を克服しました。営業利益につきましては、ワクチン関連業務収束に伴う収益低下の影響や、主力のオートモーティブ事業を中心とした人件費及び協力会社への費用増加があったものの、増収となったセグメントの収益によりこれを吸収し、7,961百万円(前期比0.5%増)となりました。経常利益に関しましては、8,416百万円(前期比0.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期に発生した株式売却による特別利益の減少や子会社清算による税効果の消失、賃上げ促進税制による減税額の減少等により、4,870百万円(前期比15.9%減)となりました。

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減

売上高(百万円)

58,738

63,719

+4,981

営業利益(百万円)

7,921

7,961

+39

経常利益(百万円)

8,458

8,416

△41

親会社株主に帰属する

当期純利益(百万円)

5,791

4,870

△921

(注)記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。

 

セグメントの業績は以下のとおりです。

 

(1)日本

 日本国内においては、主力業務であるアシスタンスサービスの拡大による各セグメントでの増収に加え、金融保証事業も契約数の増加が増収を牽引し、売上高は59,149百万円(前期比8.5%増)となりました。

 営業利益につきましては、ワクチン関連業務収束に伴う収益低下の影響や、主力のオートモーティブ事業を中心とした人件費及び協力会社への費用増加があったものの、増収となったセグメントの収益によりこれを吸収し、8,541百万円(前期比7.5%増)となりました。

 

(2)米州・欧州

 米国クレジットカードビジネスにおいて、新たな特典を付加したクレジットカード商品投入の効果や円安が寄与し、売上高は3,064百万円(前期比1.2%増)となりました。営業利益につきましては、現地提携銀行への支払手数料の減少や円安が貢献し、578百万円(前期比17.8%増)となりました。

欧州につきましては、医療機関内での通訳・院内サポートサービスにおいて、対応エリア拡充に伴う対応件数増加により、売上利益ともに増加しました。

 

(3)アジア・オセアニア

 東南アジアにおける医療機関内での通訳・院内サポートサービスの新たな拠点展開により、対応エリア及び件数が増加し、売上高は1,505百万円(前期比27.3%増)、営業利益は458百万円(前期比31.0%増)となりました。

 

事業別の業績は次のとおりであります。

 

(1)オートモーティブ事業

 主に損害保険会社や自動車メーカー向けロードサービス等を提供しているオートモーティブ事業は、自動車保険の契約台数増加に伴う増収、大手カー用品クライアント企業の業務拡大及び新規の大手中古車販売企業に対するアシスタンス業務の開始により、売上高は27,254百万円(前期比7.7%増)となりました。営業利益につきましては、協力会社への単価や費用の上昇に加え、一部のクライアント企業に対する委託料改定が進まず、3,448百万円(前期比2.6%減)となりました。

 

(2)プロパティ事業

 分譲・賃貸マンション・戸建ての修繕とコインパーキングのメンテナンス等を提供するプロパティ事業は、ホームアシストにおける賃貸住宅向け駆けつけサービス業務の拡大が寄与し、売上高は8,652百万円(前期比22.5%増)となりました。営業利益につきましては、賃貸住宅向け駆けつけサービスが計画どおりに推移し、730百万円(前期比45.4%増)となりました。

 

(3)グローバル事業

 海外旅行保険のクレームエージェント、駐在員向けの医療サポート(ヘルスケアプログラム)業務等を行うグローバル事業は、主力のヘルスケアプログラムにおいて新規クライアント企業の獲得及び既存クライアント企業のエリア拡大に伴う会員数増加により、売上高は8,934百万円(前期比10.2%増)となりました。また、委託料改定による収益改善が寄与し、営業利益は1,138百万円(前期比41.3%増)となりました。

 

(4)カスタマー事業

 カスタマーサポートサービスを展開しているカスタマー事業は、既存業務の拡大による増収もありましたが、前期までの一時的要因であったワクチン関連業務の終了、及び一部のクライアント企業との契約終了に伴い、売上高は6,743百万円(前期比15.2%減)、営業利益は797百万円(前期比34.6%減)となりました。

 

(5)金融保証事業

 家賃や医療費等、生活に関わる金融保証サービスを提供する金融保証事業は、グループ会社の株式会社イントラストが展開する家賃債務保証事業の契約件数の増加及び債務保証を任意付帯するビジネスモデルの比率増加に加え、医療費用保証事業及び介護費用保証事業の成長も寄与し、売上高は10,572百万円(前期比17.8%増)となりました。営業利益につきましては、貸倒引当金等が増加したものの、増収によりカバーし、2,336百万円(前期比12.7%増)となりました。

 

(6)IT事業

 ITソリューションを提供するIT事業は、サプライチェーンマネジメントシステムの開発受託が堅調に推移し、売上高は865百万円(前期比30.0%増)となりました。営業利益につきましては、海外オフショアにおいてIT開発体制の拡大により人員を増強したため、先行費用が発生し、114百万円(前期比14.3%減)となりました。

 

(7)ソーシャル事業

 女子スポーツチーム「アランマーレ」の運営、保育事業及び地方創生事業を行うソーシャル事業は、女子スポーツチーム「アランマーレ」の認知度向上によるスポンサー収入が増加に加え、企業内保育園の新規開設により、売上高は697百万円(前期比2.0%増)となりました。営業利益につきましては、スポーツ事業における体制・戦力強化を目的とした人件費増加に加え、保育事業における園児数定員拡大により人件費が増加し、578百万円の赤字となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、7,840百万円の収入となりました。主なプラス要因としては、税金等調整前当期純利益が8,405百万円、減価償却費が2,288百万円、貸倒引当金の増加額が712百万円、主なマイナス要因としては、法人税等の支払額が2,803百万円、立替金の増加額が1,030百万円、棚卸資産の増加額が432百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3,869百万円の支出となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が3,443百万円、投資有価証券の取得による支出が1,541百万円、投資有価証券の償還による収入が916百万円、補助金の受取による収入が106百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、3,196百万円の支出となりました。主な要因は、配当金の支払額が2,293百万円、自己株式の取得による支出が499百万円、非支配株主への配当金の支払額が209百万円、長期借入金の返済による支出が125百万円等によるものであります。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて617百万円増加し、23,396百万円となりました。

 

④ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社を取り巻く環境においては、少子高齢化による労働人口減少に伴う採用難や賃金の急激な上昇、物価高などが続いております。また米国の関税政策により、自動車メーカーや周辺事業の企業を中心に大きな影響を懸念され、今後の世界経済は不透明な情勢が続くと思われます。このような環境下において、サプライチェーンの見直しやコスト削減策など各企業の抜本的な事業体制の見直しに伴い、コア業務を含めワンストップでアウトソースする機運が高まっていることなどから、当社グループへの潜在的なニーズは引き続き高い水準で推移すると考えております。

 一方で近年の物価高騰や賃金上昇により価格転嫁の動きが広がっているものの、常態化し急速に進む価格転嫁は取引企業から理解が得られ難いケースも少なくなく、単に委託料の引上げだけではなく、AIを含むDX化や業務効率の向上など含め付加価値を高めたサービスが求められております。こうしたことから、品質のさらなる向上、AIを含めIT関連の開発体制の強化、投資を進めていく必要があると認識しております。

 こうした背景のもと、主に国内向けに事業を展開する当社グループにおいては、第8次中期経営計画のスローガンである「成長を繋ぐ~Origin/Next 50」に示されている「成長余力の創出」の全体戦略に基づき、付加価値が高くサービス優位性があるアシスタンスサービスにフォーカスするべく、業務の選択と集中をおこなっております。同時に、高い専門性を持った人材の育成や、人材定着のための職場環境の整備・待遇の改善などを行い、一人ひとりの生産性向上に取り組んでおります。また、サービス提供の中心であるBPO拠点を複数の地方都市に置くことで安定的に雇用を創出し、確実にサービスを提供し、BPO市場の旺盛な需要に対応しております。第8次中期経営計画にて掲げている「機動的な拠点展開」に関しては、2025年4月には青森県三沢市に100席規模の拠点をオープンさせており、成長余力を創出するべく受託能力の向上を図っております。

 また、当社グループにおける経営の根幹の一つは、「人」によるサービスと考えております。安定的なサービス提供の実現に向け、一定数の採用が見込まれる地域において数年に渡る採用活動を実施し、同時に、離職を抑制しながらもBPO拠点を展開してまいりました。特に、女性従業員比率が約70%と高く、結婚や出産・育児等、様々なライフスタイルの変化を迎えても働き続けることができる職場環境の創造に向けた取り組みを実施し、その結果、2022年6月に女性活躍推進企業として「えるぼし認定」2つ星を取得、2023年3月には子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得いたしました。また、従業員の健康への意識醸成を目的とした活動にも取り組んでおり、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されております。このような取り組みは、離職防止と採用促進の助力になり、新たな事業の成長や拡大に繋がることから重要な施策であると捉え、今後も様々な取り組みを進めてまいります。

 

b. 中期経営計画に関して

 当社グループは、2024年5月に発表した第8次中期経営計画(2025年3月から2027年3月期)に基づき、低収益プロジェクトからの撤退、青森県三沢市にサテライト拠点を設けるなど受託能力の向上や、AI技術を積極的に活用したDX推進などに取り組んでまいりました。これらの取り組みの結果、2025年3月期の業績については、計画に近い数値を達成することができました。

 中期経営計画の2年目となる2026年3月期については、セグメント間で多少状況は異なるものの、全体的には売上と利益ともに引き続き成長していけると考えております。また、第8次中期経営計画では、最終年度である2027年3月期に創業40周年を迎えることから、本テーマを「成長を繋ぐ~Origin/Next50」とし、単なるセレモニーで終わらせることなく、「過去と未来の結節点」と位置づけ、自分たちの「原点」「強み」「将来のビジョン」などを見つめ直す機会とし、これまで継続的に企業として成長してきたことを次の50年に繋げるため様々な機会を通じて活用する方針です。さらに、従来から、従業員・株主・地域社会など、全てのステークホルダーの利害を尊重し、良好な関係を築くべく取り組んでまいりましたが、これまで以上にステークホルダーの皆様から「信頼と共感を得る企業」であり続けることも中期経営計画における継続課題としております。社会から求められる次の50年企業へ向け、当社グループらしくニッチでユニークな事業展開を進め、自社の強みに磨きをかけ、持続可能な社会の実現に寄与するとともに、グループ全体の持続的な成長を目指してまいります。

 

第8次中期経営計画

 

2025年3月期 実績

2027年3月期 目標

(中期経営計画最終年度)

売上高

637億円

750億円

営業利益

79億円

100億円

親会社持分利益

48億円

65億円

ROE

10.8%

15%

配当性向

62.7%

60%以上

総還元性向

72.9%

70%以上

 

第8次中期経営計画 全体

 「成長を繋ぐ~Origin/Next 50」において、以下の戦略を掲げております。引き続き、経営目標の達成に向け取り組んでまいります。

(1)成長余力の創出

徹底した受託業務(プロジェクト)別収支管理、低収益プロジェクトからの撤退を含む取捨選択、AI等を活用したDX推進による工数削減&生産性向上により、一人あたりの利益額を3年後20%増へ

 

(2)サービスプラットフォーム利用型の収益モデルの開発

従来のストック型ビジネスモデルを維持拡大しつつ、人的資本に頼らないフロー型ビジネスモデルの開発

 

(3)機動的な拠点展開

当社グループのメインシナリオである大規模BPOセンター新設や既存拠点の拡充、ロードアシストやホームアシストの駆けつけサービスの出動拠点拡大などの投資を継続しつつ、機動的にサテライト拠点を設置、開設し、受託能力の拡大を急ぐ

 

(オートモーティブ事業)

 自動車産業は100年に一度の変革期と言われており、自動運転やコネクテッドなどの技術の発達、MaaSやSaaSなどの車の利用方法の多様化が進んでいます。当社グループもこれまで、ドライブレコーダーを通じて事故の映像を即時に受信して緊急通報するなどのサービスを提供していますが、今後はMaaSなどにも活用してまいります。具体的には、運転手不足に悩む地方の公共交通機関、自動運転のバスやタクシーに本サービスを導入してトラブルや防犯にドライブレコーダーを活用し、万が一何かあった場合駆け付けるなどのサービス導入を進めるとともに、自動車の販売についても、オンラインショールーム、商談、納車など、これまでと違ったユーザー体験の再設計、新たなユーザー接点に対して取り組む方針です。さらに、昨年以降、自動車の事故に対しての損害保険の査定厳格化が進み、この分野におけるニーズが高まっております。従来受託していた事故受付などのオペレーションに加え、損害査定、保険金支払いのサポートなどのオペレーションの拡大を目指します。加えて、AIの画像判定技術を活用し、損害額の見積算出等のシステム開発も進めており、人的資本に頼らないフロー型のビジネスを開発し収益化を進めてまいります。

 これらの方針の下、2025年3月期においては、ダイレクト系損害保険会社からのAI画像判定技術を活用した自動車事故の損害査定業務を開始しており、今後は他の損害保険会社への導入を促進してまいります。また、損害保険における事故や保険金支払いなど損害サービス関連の業務については、昨今の情勢から需要が旺盛であり、引き続き取り組みを進めてまいります。

 

(プロパティ事業)

 主に水、電気などのトラブルで駆け付けるホームアシストについては、これまで分譲マンション向けサービスを中心に提供してきましたが、これに加え、賃貸マンション向けサービスの拡大、管理人不足に対応した次世代管理サービス、これらを含んだ統合カスタマーサービスオペレーションの3つの施策を進めてまいります。また、従来は水や鍵、電気ガスなどのトラブルに向けたサービスを提供しておりましたが、サービスの視点を「住まい」から「暮らし」へ変換し、大型家電の修理やペット向けサービスなどの開発、提供をしてまいります。また、昨今分譲マンションの管理人の担い手不足により、従来の管理体制が継続困難になっております。こうした課題、ニーズについて、スマートフォンアプリやタブレット、タッチ式サイネージによる案内・受付・立会などマンション管理業務のIoT化と、当社グループの強みである駆けつけサービス、定期巡回、点検などの人でしかできないオペレーションサービスを組み合わせ、新たなマンション管理のサービスを提供してまいります。

 2025年3月期においては、従来まで分譲マンションなどが中心であった駆けつけサービスの賃貸物件への拡大を目指し、その結果、対象戸数が約60万戸の賃貸マンション向け駆けつけサービスが開始し、収益に貢献いたしました。

 

(グローバル事業)

 コロナ禍において大きく影響を受け、直近は円安による海外旅行者数の戻りは鈍いものの、企業の駐在員数はコロナ禍前の水準に戻りつつあります。足元の状況としては、コロナ禍で駐在員の医療に関する危機意識の高まりを受け、当社グループが提供しているヘルスケアプログラムが2024年3月期は5社で導入され、2025年3月期は7~8社ほどの導入を見込んでおり、主要クライアントは約50社、サービス対象となる駐在員及びそのご家族は3万人を超えております。引き続き海外進出企業向けに提案を進めてまいります。加えて、従来は現地での医療サポートを中心にサービスを提供してきましたが、駐在員が渡航前・帰国後に利用するトラベルクリニック、一時帰国時の際の健診等、タッチポイントを増やすサービススキームを提供、深掘をすることで駐在員向けの医療サポートにおける収益機会を拡大してまいります。また、海外では現地の病院にヘルプデスクを設け通訳や書類作成の案内をしており、現在アジアを中心に53カ所設置しております(2025年3月末時点)。また日本人向けクリニックも開設しており、今後も現地におけるサービス拡充を進め、収益機会の拡大を図ってまいります。

 2025年3月期においては、海外の病院にヘルプデスク設置を進め69ヵ所(2025年3月末時点)まで広げ、2026年3月期においては80ヵ所まで拡大する計画をしております。また、ヘルスケアプログラムにおいても引き続き需要は旺盛で、2026年3月期においては新たに4社のサービス開始が決定しており、更なる拡大を目指して取り組んでまいります。

 

(カスタマー事業)

 ワクチン関連業務等が新型コロナウイルス感染症の収束に伴い縮小し、2024年3月期中において完全に終了いたしました。一方、労働人口の減少や人材不足によるカスタマーサービスのアウトソーシング需要は旺盛で、既存・新規クライアントから新規業務の開始や業務拡大等、当社グループへの依頼が増加していることから、強みである地方での安定したオペレーションやバックアップ体制などの付加価値の向上に努め、事業成長を目指してまいります。

 2025年3月期においては、低収益プロジェクトからの撤退を実施し、セグメント全体の売上高は減少したものの、収益性が改善されております。2026年3月期においても取捨選択を行い、収益性のあるプロジェクトへ注力してまいります。

 

(金融保証事業)

 グループ会社の株式会社イントラストを中心にした保証関連事業は、賃貸不動産分野の保証サービスが堅調に推移していることに加え、医療・介護分野の保証サービスについても順調に拡大しております。特に、医療費用保証については、従来の未収リスクに加え、インバウンドなどによる医療費用の未収も増加傾向にあり、潜在的なニーズも高いことから拡大を進めてまいります。また、介護費用保証についても、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)をはじめ、一定の契約不履行等もあるため拡大してまいります。

 2025年3月期においては、同業他社の買収や新たな保証商品である「カーUP応援保証(中古車の自社割賦販売の保証)」、自治体向け「養育費保証」などを開始し、業容拡大に努めてまいりました。2026年3月期においては、これらの拡大に加え、既存事業である家賃債務保証においては居住用・事業用商品の拡販を推進し売上の土台作りを進め、医療・介護費用保証については、新規契約のさらなる獲得に向けて営業活動を強化してまいります。

 

c. 資本の財源及び資金の流動性

 ① 資金需要

 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、BPO拠点の建設や設置、オートモーティブ事業やプロパティ事業における駆けつけサービスに使用する車両等の購入になります。2025年3月期においては、受注能力の拡大を目的とし2024年6月に開設した岩手BPOフォートレスの建設費用や、2026年に秋田県潟上市に開設予定のBPO拠点の第二準備室設置、青森県三沢市にサテライト拠点の開設などの設備投資を行いました。また、業務効率化を目的としたシステム開発や電気自動車向けのポータブル給電機など、オペレーション及び駆けつけサービスの拡大にも投資を実行いたしました。2026年3月期においても、旺盛な需要に対応すべく機動的なサテライト拠点の開設やAIを含むシステム開発などの投資を計画しております。

 

 ② 資本政策

 2023年3月に東京証券取引所が発表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等」において、今後の企業価値向上の実現に向け、各上場企業へ経営者の資本コストや株価に対する意識改革が促されており、これまでの事業損益を中心とした経営計画にバランスシートをベースにした資本の効率性などを加え、資本収益性を意識した経営の実践を求められております。当社グループにおいては、これまで資金需要に対しては原則として内部資金を充当することとしておりましたが、結果的に有利子負債が少ないこともあり、自己資本比率が高くなっております。これらを踏まえ、今後は、投資を継続しながら還元も同時に増やしていくことを前提に、適度に借入を増やし、自己資本を大きく増やさないような取り組みを行ってまいります。

 

 ③ 株主還元、配当政策

 当社グループは株主の皆様に対しての利益還元を経営の重要な課題の一つとして位置付けています。配当につきましては、今後の事業計画や事業規模の拡大に向けた資金の充実を勘案しつつ、連結ベースの利益水準及びキャッシュ・フローの状況を踏まえ、総還元性向30%以上の目標を掲げておりました。

 第8次中期経営計画では、当社グループが成長し続けるためには、有形・無形の経営資源の将来価値を見極めた上で、より成長を見込める事業分野への資源再配分を迅速に行っていくことが必要と考え、営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、重点的に成長投資に充てる方針であります。一方で、資本の効率性を意識した経営の一環として、現在の自己資本及び自己資本比率の水準の見直しなどを行い、ROEを向上させていくことも企業価値向上に向けた長期的な課題、目標として捉えております。

 以上のことから、第8中期経営計画では初年度である2025年3月期には1株あたり配当金を24円とし、2年目となる2026年3月期には26円を予定しており、投資対象として魅力ある企業になるため、収益はもとより株主還元策を拡大してまいります。

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。