文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、1961年に製菓機械メーカーとして創業、そして、1981年に世界初の量産型小型寿司ロボットを開発し、世界の90ヵ国以上に寿司ロボットを販売する世界シェアNo.1企業へと成長してまいりました。
『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』を長期ビジョンとして掲げ、食の分野で、「おいしい」や「温かい」という価値を追求する製品・商品・サービス・情報を国内外の事業者に提供し、食文化の向上を通じて社会に貢献できる企業へと成長することを目標に、グループ一丸となって取り組んでまいります。

(2)中期経営計画「Growth 2025」の振り返り
中期経営計画「Growth 2025」は、基本方針として「既存マーケットの拡大と深耕を推進する」「新たな成長分野・事業を構築する」「事業の成長に資する投資を積極的に実行する」の3点を基本方針として定め、持続的な企業価値向上に取り組んでまいりました。
国内事業・海外事業ともに主力の米飯加工機械の販売が大きく伸長し、新たな成長分野においてもM&Aやアライアンスを通じて、米飯加工機械以外の開発にも挑戦してまいりました。これにより最終年度である2025年3月期の業績は、2024年5月13日に公表した修正計画を概ね達成することができました。
定量面においては一定の成長と改革を実現した一方で、定性面においては当初描いた成果に到達できておらず、そうした課題を新中期経営計画において重点項目と定めて取り組んでまいります。
(注) 上記目標値は、当初設定から見直しを行っております。詳細につきましては、2024年5月13日付で公表しております「中期経営計画の業績目標修正のお知らせ」をご参照ください。
(3)中期経営計画「Next 2028」について
① 基本方針
当社グループは、2025年5月13日に、2026年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Next 2028」を公表いたしました。
事業成長と社会的価値向上による企業価値の最大化を図るために、「真のグローバル企業体制の構築」「付加価値創造型企業への進化」「サステナブルな成長を実現する企業基盤の構築」の3点を基本方針と定めております。
② 目標とする経営指標
中期経営計画の最終年度である2028年3月期の連結目標数値を、以下のように策定しております。

③ 成長戦略
・海外戦略
寿司、おむすびなどの日本食は世界レベルで認知度が高まっており、日本食レストランも拡大し続けております。また、日系企業の海外進出についても、アジア圏に加えて今後は北米や欧州への進出が加速していき、本格的な市場拡大が見込まれます。そうした市場拡大に対応した事業基盤を構築し、北米を中心とした海外事業の成長を図ります。
・国内戦略
当社が市場シェアの約80%を占める寿司ロボットのマーケットは、成熟期を迎えております。このマーケットに続き未導入の業態や店舗が多く存在するご飯盛付けロボットFuwaricaのマーケット拡大を推進します。また、顧客の事業課題解決を推進するために、米飯加工機械以外の提案製品やサービスラインナップを拡充し、案件あたりの付加価値提供面積を拡大してまいります。
・開発戦略
「単体製品の高付加価値化」「製品連携による高付加価値化」「システムの活用」の3つのテーマを柱に、国内外の外部企業と連携し、高度化する省人省力化・店舗拡大の課題に対応した開発を強化します。
・生産戦略
主力の小型機をメインに生産する新工場において、今までの「セル生産方式×製番方式」から「ライン生産方式×MRP方式」へと変更することで、旺盛な需要に対応するための生産能力の向上と生産性の改善に伴う原価低減に取り組んでまいります。
④ 資本・財務戦略
事業を成長させるための新製品・新事業投資、設備投資、無形資産投資を積極的に推進し、企業価値の最大化を図ります。
増配及び総還元性向(配当金・自己株式取得)30%以上を基本方針とし、中間配当と期末配当の年2回の株主還元を行い、機関投資家及び個人投資家向けIRの積極的な推進と国内外への情報開示を強化してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、ビジョンとして:『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』、ミッションとして:「豊かで、多様な、食生活を楽しむことができる社会を実現する」を掲げ、食を通じた持続的で豊かな社会・地球環境づくりを目指しています。
現在、当社グループを取り巻く社会・地球環境は、重大な危機に直面し、持続的な社会に移行していくために、早急かつ大胆な行動と社会の変革が求められています。特に気候変動や人権問題、自然資本の問題は、世界規模で深刻化しており、その影響は広範囲に広がっています。また、多様な属性、価値観、働き方を受容し、社員が持つ可能性を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上を目指す人的資本経営が求められています。
こうした中で、当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて、ステークホルダーに対する社会的責任を持続的な仕組みの中で果たしていくことを、経営上の最も重要な課題の一つととらえ、適切なガバナンス体制を構築し、サステナビリティに関する戦略検討やリスク管理を行ってまいります。
①取締役会
当社の取締役会は、経営の基本方針等、法令上取締役会の専決事項として定められた事項の決定及び執行役員の職務遂行に対する監督を主な役割としています。
取締役会は、様々な知見・経験を含む、多様性を備えた取締役で構成されています。取締役会では、気候関連、自然環境、人権、人的資本等のサステナビリティに関する業務執行について最終的な監督を行っています。
②経営会議
当社の経営会議は、全ての執行役員と議論に必要な関係者が参加し、業務執行上の重要な意思決定や、業務執行の中で十分な議論を必要とする重要な事項についての協議を行っています。
その中で、当社のビジョンやミッションに照らしたサステナビリティのあり方や進め方の議論を行っています。今後は、サステナビリティに関する委員会を設置し、持続的な社会の実現に向けた議論を深め、戦略的な取り組みを実行していくためのさらなる体制作りを進めてまいります。
2.リスク管理
当社は、事業や業務に係るリスクについて適切に管理する体制整備に取り組んでおります。リスク管理においては、リスクと機会の重要性を定期的にモニタリングし、その中でも経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクは、取締役会や経営会議で適切な対応策を協議しています。
気候変動、人権等の課題解決に向けた国際社会の意識が高まる中、これらへの対応が経営に重要な影響を与えるリスクであると認識し、さらなるリスク管理体制の構築を進めてまいります。
3.戦略
①環境について
当社は、「食」をドメインとして定め、省人省力化や食の付加価値向上に関わる製品・サービス・システムを顧客に提供しております。
食の豊かさの源泉は、自然環境やそこから生み出される天然資源にあります。当社グループは、寿司ロボット等の米飯加工機械の製造・販売を主要事業としていますが、寿司ロボットだけでは「おいしい」お寿司を作り出すことはできず、多様で豊かな水産資源や実り豊かなお米があって、初めておいしいお寿司を作り出すことができます。
このような当社の事業や提供価値と密接に結びつく食の豊かさと多様性を守るために、持続的で豊かな社会・環境づくりに結び付く、下記テーマについて、具体的な戦略や取り組み、指標と目標の検討を進めてまいります。
(1) メーカーとしての取り組み
ⅰ.市場ニーズに適合する製品の開発
ⅱ.ユニバーサルデザインの追求
ⅲ.食の安全に配慮した製品の開発
(2) 食に携わる企業としての取り組み
ⅰ.おいしい米飯商品の拡大
ⅱ.国内外の食事業者の事業拡大の支援
ⅲ.事業者・消費者の廃棄量の削減
②人的資本について
当社は、食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へというビジョンを掲げ、その価値を追求する製品・商品・サービス・情報を国内外の事業者の皆様に提供することで、豊かで多様な食生活を楽しめる社会の実現に貢献することを目指しております。このビジョンの達成と持続的な成長のためには、多様な価値観を持ち、当社の理念・事業に共感し、変革への意欲を持つ人材が不可欠であると認識しており、人的資本を経営の重要なテーマと位置づけております。
新中期経営計画「Next2028」においても、グローバルな事業展開への対応、そして付加価値創造型企業への進化を実現するために必要な人材及び環境整備への投資に取り組み、サステナブルな成長を実現する企業基盤の構築と企業成長を目指します。
なお、主な指標に関する数値及び各方針については、連結グループにおける記載が困難であるため、具体的な取り組みが行われる提出会社のものを記載しております。
(人材育成方針)
当社が目指すビジョンを達成するためには、常に変化に対応し、新たな価値を生み出す人材の育成が不可欠です。そのために、私たちは以下の3つの取り組みを通じて、社員一人ひとりの成長と組織全体の進化を目指します。
ⅰ.人事制度の刷新
2025年4月に刷新した人事制度は、当社の未来を見据え、社員の挑戦意欲と成長を支援するものです。ビジョンの達成に向けて、求める人物像と人事ポリシーを定め、等級・評価・報酬制度を一体的に見直すことで、人材の成長を促し、組織全体の活性化を目指します。
ⅱ.人材ポートフォリオの構築
今後の当社の持続的な成長戦略において、その実現に必要な人材の採用・育成・適正配置を行うために、タレントマネジメントシステムを導入し、人材情報の基盤となるデータベースを構築しました。今後は、このデータベースを、採用、育成、適正配置といった各プロセスと連携し、より戦略的な人材の活躍を実現するための進化を図ってまいります。
ⅲ.全社教育体系の見直し
当社ビジョンの達成に不可欠な組織と個人の成長を目的とし、経営戦略や人事制度と連動した人材育成方針に基づく階層別教育や専門性を高めるための教育・研修体系の見直しを行います。これまでの取り組みに加え、企業の信頼性と健全性を向上させることを目的としたコンプライアンス研修や、製品の品質向上のための資格取得の推進などを実施してまいりました。今後、これらの実績を踏まえ、人材育成をさらに加速させてまいります。
(社内環境整備方針)
当社は、一人ひとりがその能力を最大限に発揮し、組織が持続的に成長するため、働きがいのある環境整備を重要視しています。柔軟な働き方と心身の健康を支援し、多様な個性を持つ人材が活躍できる環境を整備することで、エンゲージメント向上と企業成長の実現を目指します。
ⅰ.多様な働き方の促進
個々人の価値観や働き方の多様化に対応するため、フレックスタイム制度の拡大を行いました。引き続き、ワークライフバランスの実現と主体的な働き方を検討してまいります。また、性別や年齢、国籍、障がいの有無といった多様な個性を持つ全ての人材が、その能力を最大限に発揮し活躍できるよう、テレワークをはじめとした柔軟な働き方の導入を今後検討するとともに、制度や文化の醸成にも取り組んでまいります。
ⅱ.健康経営の推進
持続的な成長の基盤となる社員の健康維持のため、定期健康診断やストレスチェックの実施など、健康経営を積極的に推進してまいります。
〇主な指標
研修:コンプライアンス研修444名(未受講者:4名)
健康診断:1名産休の社員が未受診
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)顧客の出店計画に関するリスク
当社は、回転寿司、丼チェーン店等の外食業態やスーパーマーケット等の中食業態を主力ユーザーとしております。このような広域に店舗展開している大手チェーンストアを中心に、継続的に当社製品を採用頂いております。
当社は、お客様に対する提案営業の充実やお客様のニーズに基づいた新製品の市場投入等を随時行っておりますが、お客様の新規出店・改装等の設備投資計画の変更や中止により、当社の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
(2)市場競争に関するリスク
当社が主要な事業領域としている米飯加工機械市場においては、当社の他、業務用米飯加工機械を製造している数社の業者が参入しております。当社は、他社に先駆けて1981年より小型寿司ロボットの製造販売を開始し、米飯加工機械市場において、一定の市場シェアを有しているものと考えています。今後におきましても、顧客ニーズを先取りする新製品の開発に力を注いでまいりますが、将来においても、当社の市場シェアを維持できる保証はなく、更に競争が激化した場合には、当社製品の市場シェアが低下するなど、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)海外事業に関するリスク
当社が海外展開を行っている事業は、各国税制や各国法規制の予期せぬ変化、移転価格や事前確認申請の交渉における予期せぬ結果、各国政府による許認可政策や補助金政策の変化、急激な為替レートの変動、各国の政情不安等の海外事業に付随したリスクを抱えております。これらのリスクが顕在化した場合、海外市場での安定的な製品の販売が困難となり、当社の経営成績に影響を与え、事業の成長を阻害する可能性があります。
(4)連結財務諸表に与える為替変動リスク
海外連結子会社における営業収益、費用及び資産等の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算しております。従って、円換算時の為替レートにより、これらの項目の円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、為替レートの変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)業績の季節変動に関するリスク
当社は、国内の年末年始休暇及び恵方巻シーズンを前に資材品や機械の入替・導入需要が高まり、第3四半期に売上高及び利益が偏重する傾向があります。
(6)企業買収及び事業・資本提携に関するリスク
当社は、既存の事業基盤の強化・拡大、新事業分野への進出のために、事業戦略の一環として企業買収及び事業・資本提携を行う可能性があります。当社は2019年11月6日に中東地域に新たな日本的な米飯加工市場を創造する取り組みを行うため、中東地域で米飯加工品の製造販売を行うBluefin Trading LLCの株式の35%を取得しております。また、2021年10月1日に飲食店の省人化・効率化を実現する新たな製品・サービスの構築を目指し、主に飲食店向けのPOSシステムやセルフオーダーシステム、配膳ロボット等の店舗システム関連の開発・販売に関する事業を行っている株式会社日本システムプロジェクトの株式の100%を取得しました。2022年4月1日にはサービス体制の強化を図るため、関東甲信越エリアにおける当社製品のサービスの外部委託先であったスズモメンテナンス株式会社の株式の100%を取得し、同年6月1日には同社を吸収合併しております。このような企業買収及び事業・資本提携の実施に際しては、十分なリスクの検討を行いますが、企業買収後の事業計画が当初の計画通りに進捗しない場合には、多額の資金投入が発生し、又はその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、減損損失を計上し、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)知的財産に関するリスク
当社は、知的財産の重要性を認識し、多くの特許を保有してきましたが、特定の国では特許権が完全に保護されない場合や第三者が当社の特許を侵害し、類似製品や模倣した製品を製造・販売した場合に、これらを防止できず、ユーザー及びターゲットの喪失により、当社の事業優位性に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の事業が他者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償請求又は使用差止請求等の訴訟費用の発生により、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)原材料・資材の調達に関するリスク
当社は、外部の供給業者から多くの原材料や部品を調達しています。こうした原材料や部品の価格が需給のひっ迫や市況の変動等によって急激に高騰し、それらが長期化した場合は利益を減少させる可能性があります。また、原材料や部品の調達に支障をきたした場合、製品の製造や販売が困難となり、経営成績の悪化を招く可能性があります。
(9)製品・サービス品質に関するリスク
当社はISOによる品質管理体制を構築していますが、当社が提供する製品やサービスに重大な瑕疵や欠陥があった場合、多額の賠償責任を負う可能性があり、当社の経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態が発生した場合には、当社に対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、当社製品に対する需要を減退させ、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害等の予測困難な事象に関するリスク
当社は、日本、アメリカ、シンガポールを拠点として日本、北米、アジア、欧州その他地域で事業活動を営んでおり、特に生産活動は東京工場のみで行っております。それらの国・地域において地震・台風・洪水といった自然災害、戦争・テロ・事故及び火災等の予測困難な事象が発生した場合、製品の製造や物流、販売活動に被害を受けることにより、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。
(11)感染症に関するリスク
当社は、回転寿司、丼チェーン店等の外食業態やスーパーマーケット等の中食業態を主力ユーザーとしております。感染症の影響により、インバウンド消費を含む外食需要の低迷による顧客数や顧客店舗数の減少、又は顧客の新店計画、既存店における当社の機械の入替計画の中止や見直しが発生し、当社の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。また、各国において都市閉鎖、外出制限等が実施された場合、国内外の物流網の停滞により、海外市場への製品販売や部材調達が困難となり、当社の経営成績に影響を与え、事業の成長を阻害する可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが見られるものの、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の高まりによって景気は緩やかな回復基調にあります。一方で、欧米を中心とした金融引締めや中国経済の先行き懸念などによる海外景気の下振れリスク、米国での関税政策の動向、原材料・エネルギー価格をはじめとした物価上昇、中東地域での情勢不安など依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当連結会計年度は、外食・小売業における機械化や省人化の動きは引き続き継続しており、製品需要は堅調に推移しました。なお、2024年4月より製品及び部品の価格改定を実施しており、国内は納品分、海外は受注分より改定を行っております。
国内は、原材料価格やエネルギー価格の高騰により、外食・小売業にとっては厳しい事業環境が続いております。前第4四半期連結会計期間においては価格改定前の駆け込み特需がありましたが、当第4四半期連結会計期間ではコメの価格高騰による事業者の設備投資計画の中止や延期等への影響があったものの、年間を通じて外食需要の回復継続、インバウンド需要の拡大、人手不足を背景とした省人化の動きは継続し、製品需要は堅調に推移しました。製品・業態別では、寿司ロボットはスーパーマーケットからの新規出店に伴う製品需要が堅調に推移したものの、大手回転寿司チェーンからの入替需要が一巡した影響により売上高は減少しました。一方、ご飯盛付けロボット(Fuwarica)はレストラン・食堂業態における大手チェーン店を中心とした入替需要や新規出店に伴う製品需要が増加しました。加えて、価格改定の効果も寄与し、国内売上高は前連結会計年度を上回りました。
海外は、インフレや金融引き締め、ウクライナ情勢や中東地域での地政学リスクの長期化などを背景に不透明な状況は継続しているものの、外食・小売業における日系企業の海外進出の増加、人手不足の深刻化や人件費の高騰による省人化の動きの継続、日本食の普及拡大により、製品需要が拡大しました。地域別では、東アジアは、モンゴル市場での米飯食の拡大に伴う食品工場向け大型機の販売が増加したものの、中国景気の低迷を背景に事業者の設備投資計画の中止や延期等への影響により、売上高は前連結会計年度を下回りました。東南アジアにおいても中国景気の影響はあったものの、日系企業を中心に製品需要が増加し、概ね前連結会計年度並みで推移しました。一方、北米は、日本食の普及や日系企業の進出が加速し、機械化や省人化の動きも高い水準で推移しており、第3四半期連結会計期間より大手スーパーマーケットチェーンでの店内調理向けに寿司ロボットの導入が開始されたことや、当第4四半期連結会計期間よりおにぎり市場の拡大に伴う大手テイクアウトチェーンへのおにぎり成型機の導入なども寄与し、製品需要は拡大しました。欧州は、ウクライナ情勢によるエネルギー価格高騰や供給懸念に伴う事業者への影響は継続しているものの、前連結会計年度より取り組んでいる現地事業者への需要の掘り起こしや販売店支援活動等の効果により、製品需要は回復基調で推移しました。加えて、国内と同様に価格改定の効果も寄与し、海外売上高は前連結会計年度を上回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、155億68百万円(前連結会計年度比7.3%増)と前連結会計年度を上回る結果となりました。国内・海外別の売上高の内訳は、国内売上高が106億5百万円(同3.4%増)、海外売上高が49億62百万円(同16.6%増)となりました。
当連結会計年度の概況
利益面につきましては、米国の関税政策への対応として、米国子会社での現地在庫積み増し及び円安による為替影響も相まって棚卸資産に係る未実現利益消去額が増加したものの、売上高の増加や価格改定の効果により、売上総利益は78億64百万円(同14.7%増)と前連結会計年度を上回りました。営業利益は、事業拡大に伴うベースアップの実施や人員採用による人件費や支払手数料、今後の新製品や新事業に係る研究開発費、海外の売上増に伴う荷造運送費、海外市場の需要取り込みに向けた市場調査や現地事業者へのアプローチ強化に伴う活動費、当社Webサイトのリニューアル等による広告宣伝費、前連結会計年度に実施した基幹システムの入替等による償却費、円安による海外子会社のコストの増加を中心に販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益の増加により、18億90百万円(同28.1%増)と前連結会計年度を上回りました。経常利益は、19億47百万円(同30.0%増)と前連結会計年度を上回りました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社の株式会社日本システムプロジェクトの一部事業を第1四半期連結会計期間に売却したことに伴う事業譲渡益25百万円を特別利益に計上し、14億62百万円(同28.2%増)と前連結会計年度を上回りました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ12億70百万円増加し194億71百万円となりました。
これは主に、現金及び預金が4億20百万円減少した一方で、電子記録債権が1億90百万円、棚卸資産が2億56百万円、建設仮勘定が10億89百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1億18百万円減少し35億2百万円となりました。
これは主に、未払法人税等が88百万円増加した一方で、未払費用が97百万円、退職給付に係る負債が88百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ13億88百万円増加し159億69百万円となりました。
これは主に、利益剰余金が配当金の支払により4億13百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により14億62百万円増加したこと、為替換算調整勘定が1億91百万円、退職給付に係る調整累計額が1億24百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億20百万円減少し55億97百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加額1億70百万円、棚卸資産の増加額1億85百万円、法人税等の支払額5億43百万円による資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益19億70百万円、減価償却費4億49百万円等による資金の増加により、13億65百万円の資金の増加(前連結会計年度比9億22百万円の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出12億28百万円、無形固定資産の取得による支出1億48百万円等の資金の減少により、13億74百万円の資金の減少(前連結会計年度比7億20百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払4億13百万円、長期借入金の返済による支出56百万円、リース債務の返済による支出59百万円等による資金の減少の結果、5億35百万円の資金の減少(前連結会計年度比2百万円の増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』をビジョンとして掲げ、2019年11月13日に、2021年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「Growth 2025」を公表し、新たな目標に向けて事業活動に取り組んでまいりました。
財政状態の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの2024年3月期及び2025年3月期の実績、中期経営計画の最終年度である2025年3月期の目標数値は次のとおりであります。
上記目標値は、当初設定から見直しを行っております。詳細につきましては、2024年5月13日付で公表しております「中期経営計画の業績目標修正のお知らせ」をご参照ください。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、新工場の建設用地や金型等の設備投資、出資等の長期資金需要と製品製造のための材料・部品購入、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
(財務政策)
当社グループは、事業活動のための適切な流動性を確保し、事業戦略上必要となる投資等の資金需要に適応できる財務構造の確立を目指しております。また、営業キャッシュ・フローから生み出される資金を中心にして将来必要となる設備資金及び運転資金を手当てしてまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
会計方針の適用及び会計上の見積りにあたって、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。
a.棚卸資産の評価損
当社グループは、商品、製品、原材料、仕掛品については総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)で、貯蔵品については最終仕入原価法で評価しております。棚卸資産の評価は、棚卸資産が原価法に基づき正しく評価されているかどうかを確認するため、定期的に実施されております。当社グループは、主に長期滞留在庫や収益性の低下した製品在庫などについて、棚卸資産の評価損として計上しております。当社グループの棚卸資産の評価は適正と判断しておりますが、市況や消費者ニーズが当社グループの計画と大きく乖離する場合、棚卸資産評価損の金額は増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産
繰延税金資産に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
c.退職給付費用及び債務
当社グループの主要な退職給付制度は、当社における退職一時金制度です。従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率を含む前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件は年に一度見直しています。割引率は、退職給付費用及び債務を決定する上で、重要な前提条件です。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期国債の期末における市場利回りを基礎として決定しています。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えていますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、2025年5月に3ヵ年の中期経営計画「Next 2028」を発表し、「高度化する顧客の省人省力化・店舗拡大の課題に対応し、飲食店の厨房のみならず、客席も含めた開発を推進する」ことを重要な取り組みとして位置付けております。新型コロナウイルス感染症が世界中で拡大し、人々のライフスタイルが大きく変化する中で、デジタルトランスフォーメーションが加速し、この変化に合わせたサービスや事業が創出され、人々の価値観も大きく変化しました。「食」の領域でも同様に、「消費者・事業者の衛生意識の高まり」や「テイクアウトやデリバリーといった新たな食のビジネスの発展」など、新しいニーズやビジネスが創出されております。加えて、フードテック革命といわれる転換期でもあり、市場変化に対応した新たな「食を提供する価値」や「オペレーション」を実現するための技術進歩が求められています。
当社は、2021年10月に株式を取得し、2025年9月に吸収合併を予定している日本システムプロジェクトが持つ通信ネットワークの技術や、最終消費者を起点とする製品・サービスを活用することにより、飲食店の厨房のみならず、客席フロアを含めて、省人化・効率化を実現する新たな製品・サービスの構築を目指しています。当社は、これまでハードウエア単体による生産効率やおいしさを追求してきましたが、これからは、ハードウエア間の連携やソフトウエアとの融合による、「飲食店向けトータルソリューション」を追求することで、新たな付加価値を事業者や最終消費者のみなさまに提供していきたいと考えております。
研究開発活動は、AI、IoT、ロボティクス、ビッグデータ等に代表される最先端技術の動向を踏まえて、当社のこれまでの技術基盤を活用し、「世の中にない」「社会を豊かにする」を製品開発テーマとして、①単体製品の高付加価値化、②製品連携による高付加価値化、③システムの活用の3つを重点施策として、国内外の外部企業と連携し、高度化する省人省力化・店舗拡大の課題に対応した研究開発活動に取り組んでまいります。
研究開発活動は、東京工場の技術部門及び東京本社の企画部門が、グループ会社や社外ネットワークを活用して行っております。なお、当連結会計年度における研究開発費は