第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、傘下に鞄・袋物及び財布・雑貨類の小売販売の株式会社東京デリカ、帆布製バッグ・小物の企画・製造・販売の株式会社三香堂、メンズバッグ・財布・雑貨の小売販売の株式会社ギアーズジャム、メンズバッグ・トラベルバッグのメーカーのアイシン通商株式会社、メンズバッグ・トラベルバッグの卸売販売のロジェールジャパン株式会社を擁しており、各事業会社の独立性を高めて権限及び責任を明確にし、グループシナジーを追求することによりグループ企業価値の最大化を目指してまいります。また、各事業会社はそれぞれの責任を全うし、独自性を発揮しながら利益の拡大、資本効率の向上、ガバナンスの強化を図ってまいります。

当社グループは「感動クリエーションカンパニー」を標榜し、メーカーの分野においては「感動する商品」の企画・製造に取り組み、ファッショングッズリテール分野においては最高レベルの商品のセレクト及びディスプレイ、店舗内装、接客等を実現した店舗の中でお客様に感動体験をしていただくことを使命として企業活動を行なってまいります。

当社グループの主たる事業内容は、鞄・袋物及び財布の企画・製造・小売販売であり、鞄・袋物業界に属しております。鞄・袋物業界の小売市場規模は2023年度で16,911億円、そのうち、鞄専門店の売上は5,293億円であります。(株式会社矢野経済研究所「鞄・袋物産業年鑑2025年版」による)  

株式会社東京デリカは鞄専門店の中で第1位のシェアを有しております。ナショナルブランド商品を主力とした品揃え型の専門店として全国規模に出店しているのは株式会社東京デリカのみであり、売上高、店舗数において第2位以下の同業他社には大きな差をつけております。全国の有力商業施設の大半に出店をしておりますが、新規の大型商業施設には積極的に出店してまいります。また、アクセサリー、時計、ソックス、軽衣料、傘、キャラクターグッズ等の雑貨類にも積極的に取り組み、大型店舗での併設、単独店舗の出店を行なってまいります。

さらに、PB商品、NPB商品の強化に注力し、商品の差別化、粗利益率の向上を図るとともに、新規業態開発にも積極的に取り組み、さまざまな業態で自社競合を避けながら出店を行なってまいります。また、既存店舗の大型化・活性化、近隣店舗の統合や不採算店舗の退店を推進し、店舗網の整備、充実を図ってまいります。EC事業については、新規カテゴリーの導入に努め、売上の拡大を図るとともに、OMO施策によりお客様を店舗に誘導し、リアル店舗の有効活用、活性化を図ってまいります。

株式会社三香堂は、国内で企画・製造した商品を主として「日乃本帆布」というショップブランドの店舗で小売販売しております。出店立地は、駅ビル、観光地、高速道路のサービスエリア等であります。商品開発、株式会社東京デリカへのコラボ商品の供給、新規出店等に注力し、「日乃本帆布」のブランドイメージの確立及び事業規模の拡大を図ってまいります。

株式会社ギアーズジャムは、「GEAR’sJAM」、「JAMHOUSE」のショップブランドを有し、メンズバッグ・財布・雑貨等の小売販売を行なっており、リーズナブルな価格帯を中心とした商品構成を行なっております。

アイシン通商株式会社は、機能性・デザイン性に優れた商品開発、有力ブランドとの提携等により、市場競争力の高い商品の開発に努めてまいります。

ロジェールジャパン株式会社は、営業力を強化し、業容の拡大に努めてまいります。

さらに、事業領域の拡大を目指し、メーカー部門への進出や周辺業界への取組みを行なってまいります。M&A等によりメーカー部門への進出を図り、当社グループの製造機能を拡充し、オリジナル商品開発力の強化や利益率の向上を図ってまいります。周辺業界への取組みについては、株式会社東京デリカにおいて既存の事業との相乗効果を見込める分野の商品群を導入して来店客数の増加、店舗効率の向上、売上の拡大、店舗の大型化をつなげるとともに、当社グループとして、新たな子会社の設立や有望な企業のM&A等により独立事業として新しい分野の事業展開を図り、業容の拡大を図ってまいります。

当社グループは、将来的には、海外市場への卸売販売や店舗展開を進め、鞄・袋物業界のグローバルプレーヤーを目指してまいります。

 

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、経営指標として売上高、営業利益、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を重視しております。

当社グループは、2024年5月に「2025年3月期~2027年3月期 中期経営計画」を策定・公表しております。2027年3月期については、売上高58,749百万円、営業利益4,888百万円、売上高営業利益率8.3%、自己資本利益率(ROE)9.4%を目標としております。

中長期的には営業利益率8%以上、ROE10%以上を安定的に達成することを目標としております。

 

(3) 経営環境と対処すべき課題

次期につきましては、米国の政権運営や通商政策の影響を受けて、世界的な貿易環境の混乱、為替相場や株式市場の急激な変動が発生するリスクが高まっております。国内経済については緩やかな回復基調が続くと期待されるものの、原材料及び資源価格の高騰による物価上昇、実質賃金の伸び悩みによる消費者の生活防衛意識の高まりが懸念されます。当社グループでは、ファッショングッズ業界にインパクトの大きな新たな取組みを示す「ニュー・センセーション」をテーマに「リアル店舗の2グループ化」、「キャラクター商品の強化継続」、「若年層ターゲットへのアプローチ」に取り組み、業績の向上を目指してまいります。

近年、お客様の価値観の多様化、消費スタイルの二極化により「どなたにも喜ばれる店」が成立しづらくなってまいりました。当社グループでは、多種多様なショップブランドを展開し、お客様のさまざまなニーズに応えてまいりましたが、その強みをさらに進化させて「リアル店舗の2グループ化」を進めてまいります。高感度、高品質なバッグ、ファッショングッズをセレクトした最高峰のバッグセレクトショップである「プレミアムストアグループ」、そして、進化を続けるPB・NPBと幅広い客層に人気のキャラクター商品を中心とした新しいバッグストアである「ニュースタンダードグループ」の二つの業態に集約し、お客様に満足いただける売場を提供してまいります。

日本発のアニメ等のキャラクターを筆頭に、キャラクターは国内外で年齢層を問わず、非常に人気があり、決して一過性のブームではありません。「キャラクター商品の強化継続」として、「ニュースタンダードグループ」の店舗への「キャラクターパーク」コーナーの導入を順次進めていきます。500店舗を超える店舗網を背景として、PBにおいて、キャラクターとのコラボをさらに加速し、また、取引先との取り組みを強化し、別注による人気商品の確保等にも努め、売上の拡大を図ってまいります。 

若年層を中心に消費者がSNSなどから自分の価値観に合うものを積極的に取り入れるようになり、従来の雑誌媒体や店頭での訴求では若年層に情報が届きにくくなっています。「若年層ターゲットへのアプローチ」として、SNSのインフルエンサーとのコラボやWEB発信でプロモーションや販売を行なっていくDtoCなど新しい手法を取り入れ、若年層を始めとした新しい顧客層からも支持を集められるマーケティングを行なってまいります。

次期の見通しにつきましては、小売事業等につきましては商業施設の新設計画等をもとに、新規出店22店舗を見込み、期中退店13店舗を見込んでおります。既存店売上高前期比は3%程度の増加を見込んでおり、さらに個別の店舗の要因を加味して予測を行なっております。また、売上総利益率については0.3ポイントの改善を見込んでおります。製造・卸売事業につきましては、売上高は当期比1.8%増を見込み、売上総利益率については当期並みを見込んでおります。

これらにより、当社グループの連結業績につきましては、売上高53,455百万円(当期比2.2%増)、営業利益4,153百万円(当期比2.7%増)、経常利益4,219百万円(当期比2.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,658百万円(当期比4.5%増)を見込んでおります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。

(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

当社は、サステナビリティ推進のため、担当取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ関連問題についての検討を年2回以上の頻度で行なっております。サステナビリティ委員会で検討された結果は、年2回以上、担当取締役を通じて、取締役会に報告されます。

取締役会は、サステナビリティ委員会の報告内容を検討し、サステナビリティ課題に対する対応方針等を決定します。

当期においては、サステナビリティ委員会は以下の議題について検討を行ない、その結果を取締役会に報告し、取締役会において、審議・承認を行ないました。

 

<2025年3月期の「サステナビリティ委員会」及び「サステナビリティワーキンググループ」の開催状況>

 

サステナビリティ委員会

サステナビリティワーキンググループ

主な議題

(取締役会への報告)

・新人事評価制度についての報告

・統合報告書についての報告

・戦略的資本コスト経営及び企業価値向上に向けての意見交換

 

(左記事項の情報共有に加え)

・マテリアリティ及びKPIの進捗及び再設定の状況

・社会貢献活動の具体的な取り組み方針に関する共有

・ハラスメントアンケートの情報共有

・グループ行動規範の見直しの検討

・SSBJサステナビリティ開示ユニバーサル基準の情報共有

・統合報告書の更新

・執行役員制度導入の検討

 

 

②リスク管理

サステナビリティ委員会は、サステナビリティに関連するリスクと機会を、それぞれ発生可能性、影響度、対応策の有無などで評価し、重要度を決定しています。評価にあたっては、必要に応じて関連する部署にヒアリングを行ない、毎年見直しを実施します。さらに、リスクと機会に対する対応策を立案し、設定した指標により対応策の進捗を管理します。

サステナビリティに関するリスクと機会のうち、重要度が高いものについては、サステナビリティ担当取締役を通して取締役会に報告され、取締役会は報告内容の審議、承認を行ないます。

 

 

③戦略

当社グループでは、経営戦略の一環として、サステナビリティ活動の中で5つの重点分野(マテリアリティ)を定めております。

ESG

マテリアリティ

主な取り組み

E
(環境)

環境負荷の低減

 当社グループは、原材料や工程の見直しによる環境負荷の低い商品の開発や仕入、店舗の使用電力量の削減等、さまざまな活動を通じて、自然環境の保全に取り組み続けます。

S
(社会)

商人(あきんど)の活躍

 当社グループは、企業の最大の資本は人であるという視点から、従業員を「人財」であり「商人(あきんど)」であると捉えています。商人を「商人仲間とともに、周囲を巻き込み創意工夫をして、商いを通じて関わるすべての人に、感動体験を届ける者」として定義し、商人が活躍できるような職場環境の整備、教育機会への適切な投資に取り組み続けます。

ものづくり文化の継承と発展

 当社グループは、オリジナル品の企画・開発や仕入等の事業活動において、多くのメーカーや生産者によるものづくり文化に支えられています。

 日本では、後継者不足や国際競争の激化に伴い、世界に誇る感性と技術が失われるリスクに直面しています。当社グループは、全国規模の販売網とスケールメリットを活かし、ものづくり文化の継承と発展に取り組み続けます。

活き活きとした暮らしへの寄与

 当社グループは、デベロッパーが運営するショッピングセンター等の施設への出店を主としており、各施設・各店舗は地域経済に支えられています。

 当社グループは、感動接客・感動商品・感動売場の実現及びコミュニティ活動への直接的な関わりと貢献を通じて、人々の活き活きとした暮らしへ寄与することで、持続的成長につなげていきます。

G
(ガバナンス)

健全で透明性の高い企業経営

 当社グループは「感動クリエーションカンパニー」を標榜し、全てのお客様に感動的な購買体験を提供することを使命として、企業活動を行なっております。

 使命の実現のためには、ステークホルダーからの信頼獲得が重要であり、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を経営上の重要な課題の一つに位置づけています。また、法令等を遵守して誠実かつ公正な企業活動を行ない、健全で透明性の高い企業経営に取り組み続けます。

 

 

当期より、環境負荷の低減への取り組みとして、関東圏30店舗において不要なバッグの回収を実施し、リユース・リサイクルを行なっております。今後は、この取り組みを全国100店舗へ拡大する予定であります。

 

 

④指標及び目標

当社グループでは、マテリアリティについて、以下の指標及び目標を設定しております。

マテリアリティ

主な指標及び目標

主な進捗及び実績

環境負荷の低減

CO2排出量の削減

TCFD提言に基づくScope1-2排出量の実績、削減目標、削減施策を開示

サステナブル素材、副産物染料による商品づくり

2025年3月末時点で、サステナブル素材を使用したオリジナル商品を104シリーズ、581品番展開

紙製ショッパーをサステナブルな原料・加工へと切り替える

紙製ショッパーに変更し、廃プラスチックを削減

残在庫の焼却処分ゼロ

焼却処分ゼロを継続

不要なバッグを店舗で回収し、リユース・リサイクル

店舗回収を関東圏30店舗で実施

今後、全国100店舗に拡大

商人(あきんど)の活躍

管理職に占める女性労働者の割合

2027年3月までに15%

当事業年度 12.8%

男性労働者の育児休業取得率

2027年3月までに50%

当事業年度 62.5%

労働者の男女の賃金差異

2027年3月までに85%

当事業年度 77.5%

ものづくり文化の継承と発展

日本のものづくり文化を継承する商品づくり

・2025年3月末時点で、日本の伝統工芸・伝統技法とコラボレートしたオリジナル商品を7シリーズ、41品番展開

・インバウンドのお客様にも好評な、kissora等のmade in japanの商品の取扱い強化

活き活きとした暮らしへの寄与

各種支援団体への寄付

寄付金の支出先8箇所

健全で透明性の高い企業経営

健康経営の推進

健康保険組合連合会東京連合会「健康企業宣言証」取得

コンプライアンスの徹底

競争法、下請法、知財法等の違反件数 0件

リスクマネジメントの強化

重大なインシデント件数 0件

 

 

(2)気候変動への対応(TCFDに基づく開示)

①ガバナンス

当社は、気候変動が事業の持続的成長に影響を及ぼすことを認識し、気候変動に関連するリスクと機会の特定や評価、対応についての検討を行なうため、サステナビリティ委員会の下に気候変動ワーキンググループを設置し、TCFD提言に基づいた対応を行なっております。気候変動ワーキンググループは、気候変動に関連するリスクと機会について毎年見直しを行ない、サステナビリティ委員会に報告します。リスクと機会のうち、重要度が高いものについては、サステナビリティ担当取締役を通して取締役会に報告され、取締役会は報告内容の審議、承認を行ないます。

 

②リスク管理

気候変動ワーキンググループは、気候変動に関連するリスクと機会を、それぞれ発生可能性、影響度、対応策の有無などで評価し、重要度を決定しています。評価にあたっては、IEA、IPCC等の各種シナリオを参照し、必要に応じて関連する部署にヒアリングを行ない、毎年見直しを実施しています。さらに、リスクと機会に対する対応策を立案し、設定した指標により対応策の進捗を管理します。気候変動ワーキンググループの評価に基づき、サステナビリティ委員会は気候関連のリスクについて自社のその他のリスクと統合的な管理を行ないます。気候変動に関するリスクと機会のうち、重要度が高いものについては、サステナビリティ担当の取締役を通して取締役会に報告されます。

 

 

③戦略

シナリオ分析においては主要な事業である鞄・雑貨類の小売販売事業を対象に、2030年度の影響を検討しました。シナリオは、脱炭素へ移行する2℃シナリオと、現状を上回る温暖化対策が取られず温暖化が進行する4℃シナリオの2つを検討しました。検討にあたっては、IEAが発行する「World Energy Outlook」の各シナリオ、IPCCが採用するSSP(共有社会経済経路)シナリオ、及びRCP(代表的濃度経路)シナリオ、政府等が発行した将来予測や計画を参照しました。

また、それぞれリスク・機会の項目において、影響が大きい方のシナリオを参照しました。シナリオに基づくリスクと機会の抽出を行ない、必要な対応を検討した結果、鞄・雑貨類の小売販売事業における、気候変動に伴う重大なリスクは確認されませんでした。

 

事象

潜在的な影響

対応の方向性

移行リスク

石油由来製品等における環境規制の導入

代替素材への移行に伴う仕入価格の上昇

原材料の見直しによる環境負荷の少ない商品開発

デベロッパーの要望の変化

環境負荷の少ない商品販売の要求

原材料、工程の見直しによる環境負荷の少ない商品開発

物理リスク

気象災害の発生頻度が増え、規模が拡大

サプライヤーの被災による商品供給の停止

サプライチェーンにおけるリスクの棚卸と対応策の設定

気候パターン(平均気温、降雨量等)の変化

原皮等の調達コスト増加による仕入価格の上昇

原材料の見直しによる環境負荷の少ない商品開発

 

 

機会

デベロッパーの要望の変化

環境負荷の少ない商品販売による出店要請の増加

原材料、工程の見直しによる環境負荷の少ない商品開発

消費者の選択行動の変化

環境負荷の少ない商品販売による新たな需要喚起

原材料、工程の見直しによる環境負荷の少ない商品開発

 

 

 

④指標及び目標

Scope1、Scope2のGHG(温室効果ガス)排出量実績の推移


GHG排出量の削減目標


 

(3)人的資本への取り組み

①人材育成方針

当社グループの人事政策は、企業の最大の資本は人であり、小売業、卸売業は人間産業の視点から、従業員をワーカーではなく「人財」として育成しております。

人的資本の投資については、中核事業として鞄、袋物ファッション雑貨の販売を中心とした小売業を行なっており、販売スタッフの接客技術など、現場においてOJTを重ねるなど、販売教育を重点的に取り組んでおります。

管理職には、顧客サービスやコーチング、店舗運営などの定期的な教育に注力しております。

当社グループの特色であるショップセレクトシステム(各店仕入れ)の採用により、座学では得られない、市場の変化に柔軟に対応できる人材が育成されております。

また、当社グループは従来から、相応な人材を中途採用で積極的に受け入れております。

なお、人的資本経営の取り組みとして、新人事評価制度導入を決定し、その準備を進めてまいりました。これにより従業員の能力や業績を適切に評価し、組織の目標達成や従業員満足度の向上につなげてまいります。

 

②社内環境整備方針

当社グループでは、年齢、国籍、性別等で区別することなく、意欲と能力のある優秀な従業員が平等に管理職への登用機会が得られる人事制度を整備しております。

また、福利厚生の充実、柔軟な働き方ができる環境の構築、時間外労働の削減等の健康経営に取り組んでまいります。

今後も、各従業員が最大限の能力を発揮できる職場環境の整備に努め、従業員の育成、適性のある人材の管理職への登用を推進する方針です。

経営戦略の実現に向け、人材を計画的に確保、育成し、十分に能力を発揮できる環境を整備いたします。

a.採用

採用計画は、中期的な出店計画等に基づき、戦略課題の実現に必要な人員の確保をし、入社後のミスマッチを防ぐため、入社前の説明を丁寧に行なってまいります。

専門的なスキルが必要な部門では、中途採用で即戦力者を補完してまいります。

b.教育

階層別の集合教育を年間計画に沿って実施します。

一部の階層にターゲットを合わせたスポット的な研修を行なってまいります。

c.配置

部門間のコミュニケーションを保つため、ローテーションを実践することを基本といたします。

営業部門と事務系部門においても、個人の適正に応じて総合的な能力開発を行なっております。

d.評価・処遇

成果評価と能力評価を基本とした人事評価を、より一層構築してまいります。

目標管理制度を検討し、各階層または職種の実態に合わせた制度を設定します。

 

 

③指標及び目標

当社グループでは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行なわれているものの、連結グループに属する全ての会社では行なわれてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、提出会社及び主要な連結子会社である株式会社東京デリカを含めたものを記載しております。

指標

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合(注1)

2027年3月まで15

12.8

男性労働者の育児休業取得率(注2)

2027年3月まで50

62.5

労働者の男女の賃金差異(注1)

2027年3月まで85

77.5

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 出店政策について

当社グループは、ショッピングセンター・駅ビル等にテナントとして出店を行なっております。新規出店にあたっては、商圏、競合状況、売上予測、賃料条件、出店コスト等を検討し、収益性を見込める店舗に出店しております。このため、当社グループの出店条件に合致する物件の数が当初の出店予定数と異なることがあります。

また、出店後は店舗別の損益管理を行ない、業績改善の見込みのない不採算店舗については退店を行なっていますが、退店店舗数についても当初の予定店舗数と異なることがあり、出退店の店舗数が当初の予定店舗数と異なった場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 流行について

当社グループは、レディースバッグ類、鞄類、小物雑貨類等を販売しておりますが、商品の流行による影響を受けて、売上が低下したり滞留在庫の陳腐化に伴う損失が発生する可能性があります。

 

(3) 敷金及び保証金について

当社グループではテナント出店に際し、ショッピングセンターのデベロッパー等に対して敷金・保証金の差し入れをしている店舗がありますが、賃借先の倒産等の事由により敷金・保証金の全部又は一部が回収できなくなる可能性があります。

 

(4) 売上債権について

当社グループの販売はほとんど全てがいわゆるショッピングセンター内の賃借店舗で行なわれております。大半の店舗では毎日の売上金をそのショッピングセンターのデベロッパー等に預託しており、これをデベロッパー預け金と称しておりますが、これについては預託相手先のショッピングセンターのデベロッパー等が倒産した場合、全額回収できない可能性があります。

 

(5) 大規模感染症発生等に関するリスク

新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大したように、大規模感染症が発生した場合、世界各国で渡航制限や外出制限などの措置が行なわれ、経済活動に大きな影響が及ぶ可能性があります。
 当社グループにおきましても、国内の感染拡大に伴う政府や自治体の外出自粛要請に基づく店舗の休業や営業時間の短縮、生活必需品以外のものに対する個人消費の大幅な縮小等による売上高の減少、国内外での商品調達不全等の懸念があり、このような事態が長期化した場合、業績及び財政状態にさらなる影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法的規制について

当社グループは、消費者保護関連、個人情報保護、環境・リサイクル関連、独占禁止等の各種法律等の規制を受けており、それらの遵守に努めております。しかしながら、予期し得ない原因等によりこれらの法律に抵触した場合には、当社グループに対する活動の制限、費用の発生、当社グループの社会的信用の低下などにより、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害・事故等について

当社グループ店舗の出店地域において、大地震や台風等の自然災害や予期せぬ事故が発生し、当社グループ店舗や当社グループが出店している商業施設において深刻な被害や影響を受けた場合は、当社グループの営業活動が大きく制約され、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の拡大等により景気は緩やかな回復傾向が続きました。一方、原材料価格やエネルギーコストの上昇、円安による物価上昇が続き、ウクライナや中東情勢の長期化、中国経済の減速等もあり、景気の先行きは不透明感が強まってまいりました。

流通業界におきましては、一部の高額品やインバウンド需要は好調に推移したものの、賃金の伸びが物価上昇に追い付かず、実質賃金の減少により消費者の生活防衛意識が高まり、日常生活における節約志向、低価格志向が強まるとともに、人件費や物流コスト等の上昇によりさらに厳しい経営環境となってまいりました。

このような状況下で、当期の連結業績につきましては、売上高は52,289百万円(前期比0.4%増)とほぼ前期並みになりました。インバウンド売上は好調に推移したものの、大都市圏以外の地方の国内消費が伸び悩み、店舗数の減少もあり、微増に止まりました。利益面では、諸経費の見直しによる削減、節減、さらに不採算店の退店効果等により、営業利益は4,044百万円(前期比7.4%増)、経常利益は4,130百万円(前期比7.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,545百万円(前期比2.3%増)となりました。

なお、当社グループの報告セグメントは、鞄・袋物を核とする商品販売の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

事業部門ごとの状況は、以下のとおりであります。以下の数値につきましては、事業部門内の取引消去後かつ事業部間の取引消去前のものを記載しております。

 

小売事業につきましては、「メーク・シナジー」をテーマにさまざまな組み合わせにより大きなシナジーを生み出すことを目指し、「斬新なPBの開発」、「キャラクター商品の拡充」に取り組んでまいりました。

PBでは、2024年9月デビューの「imuramm」は、使いやすさとデザイン性を追求するとともに、人気ブランドの「KEITAMARUYAMA」、人気キャラクター「TOM and JERRY」とコラボを行ない、また、絶滅危惧種の動物をモチーフに商品化するなど、話題性の高い商品開発を進めました。

また、機能と価格にこだわった「カバン屋だから実現したコスパ最強のHIGI(秘技)シリーズ」を継続的に発売し、「FICCE,BRAVE」では肩や腰への負担を約30%軽減するAGS(Anti-Gravity-System=反重力システム)の機能を搭載したバックパックを発売し、好評を博しました。

さらに、当社の設立50周年と大人気の「モンチッチ」の50周年をともに祝おうというコラボ企画を大々的に行ない、「モンチッチ」のキャリーケースやパスケース、PB「SALON de RUBAN」とのコラボバッグの企画・発売、オリジナルノベルティのお客様へのプレゼント企画等のキャンペーンを継続して行なってまいりました。 

その他、「NEW YORKER」、「エヴァンゲリオン」、「PEZ」、「THEATRE PRODUCTS」等、さまざまなブランド、キャラクターとのコラボ企画を新たに始めました。

「キャラクター商品の拡充」については、インバウンドを含む幅広い客層に人気がある状況を踏まえて、各種キャラクターとのコラボの取り組みの強化に加えて、新規取引先を積極的に開発し、取り扱い商品の拡幅に努めました。また、新店、改装店舗を中心に「キャラクターパーク」のコーナーを設置し、商品を集積し、魅力ある売場づくりに注力し、売上の拡大を図りました。

「OMO(Online Merges with Offline)施策」としては、会員数が100万人を突破したアプリではさまざまなプッシュ通知を発信しました。中でも、毎月、期間限定でPBの中からいくつかのブランドを対象としてポイント付与率のアップや割引販売を行なう「鞄祭」は好評を得ており、店舗への送客、会員の新規獲得、PBの認知度・売上の向上に寄与しました。また、リアル店舗ECサービス(店舗でタブレット端末を利用して自社ECサイトの購入手続きをし、商品は物流倉庫からお客様に直送する仕組み)、自社ECサイトの購入商品の店舗での受け取りや決済ができるサービスは利便性が高く、お客様のご利用が増加しました。

サステナビリティに関する取り組みとしては、PB商品において各種リサイクル資材の活用、環境負荷の少ない商品の開発、各種NPO法人や社会福祉法人への売上の一部の寄付やバッグの提供等を継続してまいりました。仕入商品についても、取引先と協調してさまざまなサステナビリティに配慮した商品の取り扱いが増えてまいりました。また、環境負荷の低減への取り組みとして、関東圏30店舗で不要なバッグを回収し、リユース・リサイクルを実施しました。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への対応として、削減目標(2030年度目標 2019年度比47%減)に向けて店舗照明のLED化を進め、期中にScope1、Scope2のGHG(温室効果ガス)排出量の算定を行ないました。

人的資本経営の取り組みとして、新人事評価制度導入を決定し、その準備を進めてまいりました。これにより従業員の能力や業績を適切に評価し、組織の目標達成や従業員満足度の向上につなげてまいります。

店舗につきましては、大型商業施設を中心に19店舗の新規出店を行ないました。新規出店店舗の地域別内訳は、東北地区1店舗、関東地区11店舗、中部地区1店舗、近畿地区1店舗、中国・四国地区2店舗、九州地区3店舗であります。ショップブランドでは、株式会社東京デリカが「SAC’S BAR」、「SAC’S BAR mono+i」、「DRASTIC THE BAGGAGE」、「NAUGHTIAM」、「Amatone Accesso’rio」を、株式会社ギアーズジャムが「GEAR’s JAM」を出店いたしました。一方、不採算店の退店や同一施設内での複数店舗の集約化を積極的に実施したため、退店は32店舗となり、当連結会計年度末の店舗数は573店舗となりました。

品種別の売上の状況は、PB及びNPB(ナショナルプライベートブランド)は、レディース・メンズ及びトラベルのカテゴリーの商品の拡充、新規ブランドの導入、コラボ企画の推進等により売上が伸長し、前期比13.2%増となりました。雑貨は、キャラクター雑貨や傘等の導入や取り組み強化に努め、前期比9.2%増となりました。財布は、単価は上昇したものの、販売点数が大幅に減少したため、前期比4.5%減となりました。メンズバッグは、販売点数は減少したものの、単価は上昇したため、前期比2.7%増となりました。トラベルケースはPB及びNPBのトラベルカテゴリーの売上伸長の影響により前期比6.6%減となりました。カジュアルバッグは、単価は上昇したものの、PB商品の売上伸長の影響もあり前期比2.8%減となりました。ハンドバッグは低価格帯の商品の販売点数の低下が大きく、前期比17.0%減となりました。インポートバッグは円安により取り扱いを縮小し、前期比20.5%減となりました。

これらの結果、当事業部門の売上高は48,238百万円(前期比0.1%増)となりました。

売上総利益率は、50.2%と前期比0.1ポイントの改善に止まりました。これは、利益率の高いPB及びNPB商品、雑貨の売上構成比が高まったものの、前期に値上げによる利益率のかさ上げ効果のあったメンズバッグ、財布の利益率が低下したためであります。

 

製造・卸売事業につきましては、第1四半期連結会計期間では前年同期において新型コロナウイルス感染症の収束に伴い主力となるキャリーケースの売上が急伸した反動で売上が伸び悩みましたが、第2四半期連結会計期間以降は、インバウンドに人気のあるブランドやオリジナルブランドのキャリーケースの売上が堅調に推移いたしました。

この結果、当事業部門の売上高は4,859百万円(前期比2.1%増)となりました。

 

b.財政状態

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,726百万円増加し、22,821百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が537百万円減少した一方で、現金及び預金が1,605百万円増加、商品及び製品が491百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて798百万円減少し、17,492百万円となりました。これは主に、有形固定資産が93百万円減少、繰延税金資産が492百万円減少、敷金及び保証金が109百万円減少したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて928百万円増加し、40,313百万円となりました。

 

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて520百万円減少し、6,517百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が200百万円増加した一方で、その他流動負債が845百万円減少したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて266百万円減少し、4,254百万円となりました。これは主に、長期借入金が200百万円減少、退職給付に係る負債が47百万円減少したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて787百万円減少し、10,771百万円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて1,715百万円増加し、29,541百万円となりました。これは主に、剰余金の配当871百万円による減少があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益2,545百万円の計上等によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて1,593百万円増加し、5,733百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて1,823百万円収入が減少し、3,125百万円のプラスとなりました。

主な収入要因は、税金等調整前当期純利益の計上額3,972百万円、売上債権の減少額537百万円であります。

一方、主な支出要因は、棚卸資産の増加額493百万円、法人税等の支払額912百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて52百万円支出が減少し、437百万円のマイナスとなりました。

主な収入要因は、定期預金の払戻による収入18百万円であります。

一方、主な支出要因は、新規出店及び改装等に伴う設備投資342百万円、有形固定資産の除却による支出82百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて1,632百万円支出が減少し、1,095百万円のマイナスとなりました。

主な支出要因は、リース債務の返済による支出203百万円、配当金の支払額871百万円であります。

 

③販売及び仕入の実績

当社グループは、鞄・袋物を核とする商品販売を単一の報告セグメントとしているため、セグメントごとの記載はしておりませんが、販売実績及び仕入実績については、鞄・袋物等の品種別に区分して記載しております。

 

a.販売方法

連結子会社である株式会社東京デリカにおいては、直営店舗において一般消費者に直接販売しており、また、一部、インターネットによる小売販売等を行なっております。

連結子会社であるロジェールジャパン株式会社においては、主として、メンズバッグ・トラベルバッグ等を大型量販店等に卸売販売を行なっております。

連結子会社である株式会社三香堂においては、直営店舗において一般消費者に直接販売しております。

連結子会社である株式会社ギアーズジャムにおいては、直営店舗において一般消費者に直接販売しております。

なお、ロジェールジャパン株式会社は、2025年4月1日付で株式会社スカイルに商号変更しております。

 

b.品種別販売実績

商品別

売上高(千円)

前年同期比(%)

商品販売

ハンドバッグ

1,744,123

83.0

カジュアルバッグ

2,105,196

97.2

インポートバッグ

1,870,686

79.5

財布・雑貨

11,736,343

99.2

メンズ・トラベルバッグ

21,133,483

99.7

PB+NPB

13,535,064

110.3

小計

52,124,898

100.4

不動産賃貸収入

164,643

100.0

合計

52,289,541

100.4

 

(注)  連結子会社からの大型量販店への卸売販売等は、「PB+NPB」に計上しております。

 

c.商品仕入実績

商品別

仕入高(千円)

前年同期比(%)

商品仕入

ハンドバッグ

837,802

89.9

カジュアルバッグ

1,068,656

100.7

インポートバッグ

934,597

100.4

財布・雑貨

5,974,315

113.7

メンズ・トラベルバッグ

11,149,026

102.5

PB+NPB

6,663,862

111.1

合計

26,628,259

106.3

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高の状況

当社グループの当連結会計年度における売上高は、前期比0.4%増の52,289百万円となりました。

 

小売事業等の売上高は、前期比0.1%増の48,238百万円となりました。前期、当期の退店に伴う減少があったものの、第3四半期連結会計期間末までは既存店売上高前期比が3.5%増と伸長し、売上高前期比1.3%増と堅調に推移してまいりました。しかし、当第4四半期会計期間に物価上昇が顕著となって消費者の購買行動が慎重さを増し、既存店売上高も前期実績に若干届かず、売上高前期比3.2%減と減少に転じた結果、当連結会計年度における売上高はほぼ前年並みに止まりました。店舗につきましては、出店条件等を慎重に検討しつつ、19店舗の新規出店を行なうとともに、不採算店の退店を推し進めて32店舗の退店を行ない、期末店舗数は前期末より13店舗減少して573店舗となりました。

原材料や資源価格の高騰、円安等による商品価格の上昇傾向が続き、単価は3.8%上昇したものの、販売点数は3.6%減と低下傾向が続きました。品種別に見ますと、PB及びNPBは、プレミアムゾーンの商品開発を行なうとともに、ボリュームゾーンのレディースバッグやキャラクターコラボ商品の拡大、充実に努め、併せて価格帯の見直しを行ない、単価が8.6%上昇し、販売点数も4.4%増加したため、売上高は13.2%増となりました。財布・雑貨類は、売上高が0.8%減となりました。財布は、単価が3.1%上昇したものの、販売点数が7.5%減となり、売上高が4.6%減となりました。雑貨はキャラクター商品や傘等の取り組み拡大を続ける一方、単価の低いアクセサリーの取扱い店舗が減少した結果、単価が9.0%上昇、販売点数が0.1%増となり、売上高は9.2%増となりました。メンズ・トラベルバッグは、売上高が0.3%減となりました。メンズバッグは、インバウンド需要もあり高額ブランドの売れ行きが堅調に推移し、単価が8.1%上昇、販売点数は5.0%減となり、売上高は2.7%増となりました。キャリーケース類を中心としたトラベルバッグは、前期に売上高が34.1%増と大幅に伸びた反動もあり、販売点数が9.8%減となり、単価は3.4%上昇したものの、売上高は6.6%減となりました。インポートバッグは、円安により取扱いを減らし、単価は4.7%上昇、販売点数が24.2%減と大幅に減少し、売上高が20.5%減となりました。カジュアルバッグは、販売点数が12.0%減少しましたが、単価が10.3%上昇し、売上高が2.8%減となりました。ハンドバッグは、売上低下傾向が続き、販売点数が21.2%減となり、単価は5.1%上昇したものの、売上高は17.0%減と大きく減少しました。

なお、当社グループは、「収益認識に関する会計基準」を適用しておりますが、単価は当該基準適用前の売上高で算出しております。

 

製造・卸売事業につきましては、前期において、社会活動の正常化に伴い旅行や帰省、出張が回復し、さらに訪日外国人が急増したため、主力となるキャリーケースを中心に売上高が48.7%増と大きく伸長しましたが、当期においてもインバウンドに人気のあるブランドやキャラクター、オリジナルブランドのキャリーケースの売上が堅調に推移し、売上高は前期実績を上回りました。

この結果、当事業部門の売上高は4,859百万円(前期比2.1%増)となりました。

 

b.営業利益の状況

当社グループの連結会計年度における営業利益は4,044百万円(前期比7.4%増)となりました。

売上総利益率は、小売事業等では粗利益率の高いPB及びNPBの売上伸長があったものの、前期に価格改定に伴う在庫品の値上げによる押上効果が大きかったメンズバッグ・財布の粗利益率が低下したため、前期比0.1ポイント改善の50.2%となりました。製造・卸売事業では、円安の影響を受けたものの、価格転嫁等により前期比0.7ポイント改善し、36.7%となり、当社グループとしては前期比0.1ポイント改善し、49.7%となりました。

一方、販売費及び一般管理費率は、不採算店等32店舗の退店による諸経費の削減効果等により前期比0.4ポイント低下して42.0%となりました。

売上高の増加、売上総利益率の改善、販売費及び一般管理費率の低下により、営業利益4,044百万円(前期比7.4%増)を計上することができました。

 

c.経常利益の状況

当社グループの連結会計年度における経常利益は、4,130百万円(前期比7.3%増)となりました。これは、営業利益4,044百万円の計上に伴うものであります。

 

d.親会社株主に帰属する当期純利益の状況

当社グループの連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は2,545百万円(前期比2.3%増)となりました。これは営業利益の計上に伴うものであります。

自己資本当期純利益率は8.9%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の概況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの主要な運転資金需要は、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、主要な設備投資資金需要は、店舗の新規出店及び改装等であります。

これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、銀行借入による資金調達、設備資金は主としてリース及び割賦による資金調達にて対応していくこととしております。

なお、2025年3月31日現在、実施中又は計画中の重要な資本的支出及びその資金調達源は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。

 

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

当社が所有する本社社屋に係る土地建物については、新小岩駅南口地区第一種市街地再開発事業の対象地区であり、当社は、都市再開発法に基づき、他の地権者と共同で「新小岩駅南口地区市街地再開発組合」を設立し、認可されております。

また、新小岩駅南口地区市街地再開発組合施行で、店舗・事務所・住宅の複合用途を持つ施設建築物の建設にあたり、2024年4月9日を権利変換期日とする、都市再開発法に定める権利変換計画を申請し、認可されております。

当該再開発事業による連結財務諸表に与える影響は軽微であります。

 

当社は、2025年2月21日開催の取締役会において、固定資産の取得を決議し、2025年2月28日付で契約を締結いたしました。

(1)取得の理由

新小岩駅南口地区第一種市街地再開発事業に伴う移転により、本社機能が分散してしまうため、本社機能を集約するためであります。

(2)取得資産の内容

所在地 東京都葛飾区新小岩

取得資産 事業用建物

決済方法 自己資金及び借入金

(3)取得先の概要

当社と取得先の間には、記載すべき資本関係・人的関係・取引関係・関連当事者として記載すべき事項はありません。

(4)取得の日程

取締役会決議日   2025年2月21日

契約締結日     2025年2月28日

物件引渡予定期日  2025年7月31日

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。