第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、HEART(信頼される技術を通じて、人間としての豊かさと成果を)を経営理念として掲げ、モノづくりの新たな価値を創造し、世界のお客さまと共に成果と喜びを分かち合うことを新東の使命とし、「技術の差別化」と「信頼のサポート」により関係する全ての人との絆を深め、新しい提案、新しい解決策を提供し続けることで新東ブランドを高めることを目指します。

 こうした基本方針のもと、世界の仲間たちと感動の共創を実現することを長期ビジョンにおき、グローバル市場において持続的な成長と発展を図り、連結企業価値の向上及び株主価値重視の姿勢を堅持してまいります。

 

(2)経営戦略等

 

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 少子高齢化による労働人口の減少、コロナ禍を経て加速する情報化社会、規制強化が進む地球環境問題など、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しています。

 このような時代の変化にしっかりと対応していくためにも、私たちが大切にしつづけている「モノづくりの心を大切にして、社会に貢献したい」という思いのもと、2024年4月から2027年3月までの3年間に渡る中期経営計画“Co-creation”《『「共創」~新しい価値を求めて~ 』地球とともに、仲間とともに》、を策定いたしました。

 同計画では、お客さまを含む全ての仲間たちに“ありがとう”と言っていただける会社を目指し、「お客さまに選ばれ続ける」ための体制づくりを強化してまいります。「事業戦略の方向性」として、①「新しい時代に向けた提案」、②「競争力強化に向けたコスト削減と付加価値向上」、③「ITやAIの活用による業務効率の向上」の3点を掲げております。お客さまにおける設備投資のニーズが多様化する中、時代の変化に対応して成長する1社1社のお客さまにしっかりと寄り添い、最善策を一緒になって考えて、提供することを通じて、お客さまとの絆を強化していきます。また、お客さまニーズ(省人化・省エネ・作業環境改善など)を実現する付加価値を追求した提案、日本など先進国の少子高齢化による「人手不足」の課題が深刻化することが予測される中、デジタル技術を活用したプロセス最適化や自働化による効率化の提案を通じて、仕事の効率化を進めてまいります。また、新たな(既存技術)の市場への展開、新技術も今後成長が見込まれる市場に投入することで、新たな事業の確立を目指します。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2年後の2027年3月期において、1社1社のお客さまに寄り添い、お客さまのニーズを実現することを通して、部品カバー率を向上(+5pt)させ、新たに当社を選んでいただける、新規お客さま数3,900社の増加を目指します。また、競争力を高め、成長していくための指標として、売上総利益率+3pt、一人あたり付加価値額+10%にも取り組んでまいります。これらの取り組みにより、売上高EBITDA比率8%以上を達成することを目標としております。

 

(4)経営環境

 世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や欧州経済の低迷などの悪材料に加え、中東情勢の悪化などもあり、脱コロナを原動力とする景気回復は道半ばとなりました。

加えて、米国の政策動向、米中の対立による輸出管理規制の強化には注視が必要な状況です。わが国においては、ロシアによるウクライナ侵攻や堅調な米国経済がもたらす大幅な円安の進行で、広範囲に物価が上昇。消費マインドが低下し、力強さに欠けた景気となりました。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は企業価値向上へ向けた施策として、資本コスト低減と営業利益の拡大に注力していきます。

 資本コスト低減のためレバレッジを効かせて有利子負債を調達しますが、一方事業活動から創出される営業CFと合わせて、減価償却費の範疇で継続的な設備投資や開発費用に資金を使い、それを超える資金は更なる成長投資や株主還元に使用していきます。

 2024年に買収した大型投資はのれんの償却により足元の利益率は伸び悩む見通しですが、売上高および営業利益、営業CFは増加が見込まれます。買収によるシナジー効果や、「素材に形をいのちを」による事業領域拡大に軸を置きつつ、アフターサービス市場へのシフトといった事業ポートフォリオの転換による収益向上を図ります。のれんの償却完了後には、ROE8%を上回ることを目指していきます。

 

(6)成長投資を進めるための事業戦略

当社グループの事業環境につきましては、デジタル情報社会の進展や地球環境問題に対しての規制強化に加え、自動車業界ではEV化へのシフトが急速に進むなど大変革期を迎える中、お客さまの中から将来を見据えた取り組みが出てくると予想されます。こうした事業環境を踏まえ、既存のお客さまを大切にし、付加価値向上に取り組むことにより収益を高め、当期からの更なる飛躍を示せるよう努力してまいります。

事業領域を「素材に形をいのちを」の視点で、「素材づくり」から「形づくり」、そして「表面づくり」と再定義しました。「形づくり」は、当社の強みである鋳造技術が地域社会に貢献する視点で商品開発を加速させます。砂だけでなくアルミやセラミックスといった素材を用いた形づくりに向けて、3Dプリンタ関連に投資をします。この3Dプリンタ技術は、生産途中に発生する廃棄物の削減も見込めます。形づくりの原料となる「素材づくり」については、電子・半導体分野に用いるインダクタの材料となる機能性粉末や複合材といった次世代の素材の開発を促進してまいります。

「形づくり」の表面仕上げとなる「表面づくり」は、当社のブラスト工法に代表される従来の表面処理に加え、新たにレーザ技術へ投資をします。お客さまが求める魅力ある表面を実現するための表面機能を充実させてまいります。

加えて、「素材づくり」「形づくり」「表面づくり」を支える当社の強みである5つの技術の高度化により、付加価値をお客さまへ提案します。「環境技術」は、作業者の健康と安全の視点で、お客さまの工場で火災や爆発を未然に防ぐシステム提案に加え、工場で働く作業者にとって働きやすい環境であるかをセンサーを用いて指標管理することによって更なる作業改善につなげます。「IoT技術」は、人手不足を解消する提案として、デジタルを駆使した工場の異常を可視化して知らせるシステムや、設備故障を未然に防ぐ予防保全に力点を置いた提案を強化します。「エネルギー技術」は、カーボンニュートラルの実現にむけて、油圧から電動への置き替えによる機械構造の簡素化により動力を減らすことで電力不足の解決を目指します。「ハンドリング技術」は、ロボットの先端に当社のセンサーをセットすることで、ロボットに人の感覚を持たせることが可能となります。作業者に代わって緻密な作業が可能となりますし、作業者の負荷が高いといわれる物流業界においてその技術を応用して業務の省人化、効率化に貢献できます。「検査・評価技術」は、長さと寸法に加えて表面を評価・検査する高精度な技術により、高品質な製品の安定的な提供を支えています。

当社がこれまで培ってきた上記5つの技術を社会ニーズとマッチさせて更に進化させ、「素材づくり」「形づくり」「表面づくり」へ応用させてまいります。そのために適切な投資を行ない、事業規模を伸ばしていきたいと考えています。

これらにより、ステークホルダーへの価値を最大限に高め、持続的な成長を目指してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

1.サステナビリティ経営

(1)基本方針

 当社グループは、ものづくりの心を大切にして、お客さまに寄り添い、ものづくりを支えるものづくり企業として、新しい価値をお届けし、当社に関わる全てのステークホルダーの方々との絆を深め、持続可能な開発目標(SDGs)へのかかわりを通じて選ばれ続ける企業として様々な社会課題の解決に取り組んでいきます。そして、環境にやさしい循環型社会、ものづくりを通した安心・安全・豊かな社会、感動・成長・幸せを実感できるサステナビリティ社会の実現を目指します。こうした取り組みを通じて、お客さまのすそ野を拡げ、お客さまとの絆を強め、売上の拡大と収益の確保、そして、企業価値向上に努めてまいります。

 

①ガバナンス

 社長を委員長とするサステナビリティ委員会において、当社グループにおけるSDGsに関する諸課題を評価し、事業戦略に関する諸課題を審議・フォローしています。委員会活動は取締役会に報告され、監督されています。

②リスク管理

 サステナビリティ委員会において環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G) の観点でリスクが大きいと評価された項目はリスク管理委員会と情報を共有し、総合的に管理します。

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(2)サステナビリティ報告に向けた取り組み

サステナビリティ経営の観点から、当社グループのマテリアリティに対して、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の枠組みで、当社グループにおける情報開示への取り組みを推進しています。

 

(3)サステナビリティトピック(開示要求基準)の特定

地球環境や社会が企業に与える影響「財務マテリアリティ」、および企業が地球環境や社会に与える影響「インパクトマテリアリティ」の両面でマテリアリティ評価を行い、当社にとって重要なサステナビリティトピックを特定しました。

 

(4)健全でサステナブルな経営

 当社グループでは「新東企業倫理行動指針」および海外グループ会社においては左記に準ずる行動規範において、事業を展開する国や地域における関連法規、法令を遵守することを掲げています。贈収賄などの様々な不正腐敗行為や利益相反行為は公正な商取引を阻害するものとして規制されており、不正腐敗行為が起きないよう、交際費の使途厳格化や贈答品の授受についてのガイドラインを示し、周知徹底を図っています。

 またお取引先さまとの関係においては、全お取引先さまに「SINTO取引先ガイドライン~子供たちの未来のために~」を配付するとともに定期的に情報交換会を開催し、「公平・公正な取引」「法令遵守」「安全・品質・環境」に関する考え方の普及と理解に努めています。さらに2023年度に改定した「取引基本契約書」では贈収賄を含む不正防止や人権尊重などの条項を追加し、グローバルに全てのお取引先さまに配付、これまでにほぼ全てのお取引先さまと締結いたしました。

2.重要課題(マテリアリティ)の特定

 当社グループが目指す姿として、①環境に優しい循環型社会、②ものづくりを通じた安全・安心・豊かな社会、③感動・成長・幸せを実感できる社会、の3つを掲げ、この実現に向けて、「環境」、「人材」、「技術開発・ものづくり」、「ステークホルダー」、「企業基盤」の5つを重要課題として選定し、取り組んでまいります。

 

・企業基盤への取り組み

 当社グループでは、リスクに対する基本方針を、取締役会直轄の「リスク管理委員会」で定め、企業活動に伴うリスクを把握、評価して、見える化しています。リスク管理委員会の活動結果を取締役会に報告し、更なるリスク管理体制の強化を図ってまいります。

また、ガバナンス強化の観点から、取締役会実効性評価の取り組みを強化してまいります。

・ステークホルダーとの絆づくり

 経営理念の実現に向け、当社グループの事業活動から影響を受ける全ての人々の人権を尊重する取り組みをグループ全体で推進し、責務を果たす努力をしています。またステークホルダーに対しては、「SINTO取引先ガイドライン~子供たちの未来のために~」を通じて、サプライチェーン全体での人権尊重を推進しています。現時点で人権侵害に関する重大な問題は確認されていませんが、今後も人権尊重に取り組むことにより、サステナブルな社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。

〇差別撤廃:あらゆる雇用の場面において、人種・民族や出身国籍・宗教・性別等を理由とした差別を行わない。
  ※あらゆる雇用の場面とは、応募、採用、昇進、賃金、解雇、業務付与、懲罰などを 指す

〇人権尊重:人種・民族や出身国籍・宗教・性別等を理由とした、職場におけるあらゆる形態のハラスメントを許さない。

〇児童労働の禁止:各国・地域の法令による就労可能年齢に達しない児童の労働は認めない。

〇強制労働の禁止:全ての労働は自発的であること、および、社員が自由に離職できることを確実に保証し、 強制労働は行わない。

〇賃金:最低賃金、超過勤務、賃金控除、出来高賃金、その他給付等に関する各国・地域の法令を遵守する。

〇労働時間:従業員の労働時間(超過勤務を含む)の決定、および休日・年次有給休暇の付与その他について、各国・地域の法令を遵守する。

・人的資本への取り組み

 海外拠点のトップマネジメントは、原則として、現地の方が務めているとともに、当社製品のメンテナンススキルは、全世界共通の評価基準に基づいて評価しております。女性の活躍推進についても、取り組みを加速させてまいります。

・環境への取り組み

 気候変動による事業への影響は重要な課題と捉え、特に水害やエネルギーコストの上昇に伴う収益への影響、規制の強化による原材料の高騰や入手困難等を注視して、リスク管理を行ってまいります。

 

3.人的資本経営の強化

 当社グループでは「社員に人生の舞台として選ばれる会社」をめざし、“会社=自分自身を育て、成長する場”として定義しました。価値観が多様化し、働き方が大きく変化する中、年齢・性別問わずに社員が成長し自身のキャリアを描くことができる会社として、一人ひとりが働きがいを持って、絶えず前進しチャレンジする企業風土の醸成に努めています。

 

(1)戦略

 経営理念の実現に向け、当社グループの事業活動から影響を受ける全ての人々の人権を尊重する取り組みをグループ全体で推進し、責務を果たす努力をしています。社員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、国籍、人種、宗教、性別、信条、政治的意見、出身地、社会的出身、その他、遂行すべき業務と何ら関係のない属性を理由に、賃金、労働時間その他の労働条件について差別を禁止し、あらゆるハラスメントを禁止しています。また、いかなる形態の強制労働および児童労働も認めていません。また「SINTO取引先ガイドライン~未来の子供たちの未来のために~」を通じてサプライチェーン全体での人権尊重を推進しています。

 

基本的な考え方(活人主義)

 人事制度の根幹となる考え方が「活人主義」です。活人主義とは文字通り社員に生きがいを持って活きいきと働いてもらう経営であり、社員の力を最大限に活かす経営です。まさに、人材(=社員)こそが企業にとって最大の財産であり、人材の成長と活躍が、会社全体の発展に繋がると考えています。また、当社はものづくりの心を大切にして社会に貢献したいという思いのもと、世界に通用する技術を追求することで発展してきました。これからもお客さまから「ありがとう」と言われる企業を目指していきます。そのためにも、経営理念である「HEART」の精神に基づき、社員一人ひとりが世界に通用する技能、技術を身に付け、進化していくことが欠かせないと考えています。入社から退社までの長い期間を見据えて、会社の目標と、社員自身の目標とのベクトル合わせを行いながら、個人の能力向上、スキルの向上を奨励し、能力開発に頑張った人が報われる人事諸施策を展開しています。

 

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思想

経営理念「HEART」、活人主義、中期経営計画、会社方針、トップの思い、当社独自の発想・考え方を伝え、社員としての誇り(帰属意識)を育みます。

知識

人材開発体系表に基づくOFF-JT教育によるマネジメント知識、業務遂行のために必要な専門知識教育、能力開発ポイントの加点による“やる気の喚起”など人事制度とも連動しています。

技能

頭で理解・習得した知識を繰り返し訓練することで技能として体得、新東キャリア制度と連動した技能(スキル)教育を展開します。

実践力

職場でのOJT教育による経験の付与、SS改善(小集団)活動による知恵・工夫・創造力の涵養を図ります。また、人事ローテーションの推進や人事考課(業績評価)の面談を通じた仕事の振返りにより、能力を高めます。

 

(2)指標及び目標

指標

2025年3月期実績

目標

管理職に占める女性労働者の割合(※)

4.2

5.0%以上

男性労働者の育児休業取得率(※)

40.0

100

労働者の男女の賃金差異(※)

66.0

(※)提出会社の実績及び目標値です。

 

4.環境への取り組み

 公害という言葉がまだ広く用いられていなかった1940年代末、鋳造工場の環境改善に着手したことが当社の環境に対する活動の原点となっています。そして、環境問題よりも経済成長が優先された1963年、環境問題への警鐘として「花にも優しいモノづくり」の言葉に当社の思いを込めて、企業広告を世の中に送り出しました。それから60年以上もの間、当社は連綿と環境負荷の低減を推進してきました。

 

(1)環境方針

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(2)環境マネジメントシステム認証

 継続的な環境負荷低減を推進するため、環境方針、目的・目標などを設定し、その達成に向けた取り組みを実施するための計画・体制・プロセスなどの環境マネジメントシステムを整備しています。2024年度定期審査において厚木事業所の拡大適用を認められ、新東工業8事業所および国内外グループ会社12社では、環境マネジメントの国際規格である「ISO 14001」の認証を取得しています。また、協力会社においては、環境省が策定した「ECOアクション21」の認証取得に向けた取り組みを進めています。

 

(3)環境管理体制

 当社の環境管理体制は、環境マネジメントシステム(ISO 14001)と環境推進会を軸に全社的な取り組みと進捗を総合的に管理する全社横断型の体制を築いています。ものづくり本部を管掌する取締役が、ISO 14001の経営層と、省エネ法に基づくエネルギー管理統括者、そして環境推進会委員長を兼務し、原則として毎月1回開催される環境推進会で、環境経営目標の進捗状況や優れた事例の共有などの討議・推進・報告を行っています。環境推進会の内容は各事業所の安全衛生健康環境委員会を通じて伝達され、全社方針と取り組みを全社員に展開しています。

 

(4)排出物の抑制および廃棄物の削減

 当社の事業活動から出る主な有害廃棄物にばいじん(鉛含有)があります。当社はそれらを集塵機で回収し、外部流出による環境影響を抑制しています。またPCB廃棄物については、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」により、高濃度PCBは2022年3月、低濃度PCBは2027年3月までに処分することが義務づけられています。当社は早期処理を行うべく対応を進め、高濃度PCB設備および取り外し済みの低濃度PCB設備については2021年10月までに処分を完了しました。また、その後に取り外して保管中の低濃度PCB設備および現在も使用中の低濃度PCB設備につきましても施設内の電気設備を総点検し、該当する電気機器の有無を確認しており、処分期限である2027年3月までに処分を完了する予定です。

※PCB:ポリ塩化ビフェニルの略称

 

(5)温室効果ガスの削減

 当社グループは、2022年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、TCFD提言に沿った気候変動関連情報の開示の充実を図っています。主力の鋳造事業等、エネルギーを使用する当社グループにとって、カーボンニュートラルは喫緊の課題と捉えて活動を推進しています。

 

 

 

 

 

①Scope3の定義設定

 Scope3対象の15カテゴリーのうち、以下の5つのカテゴリーについて算出定義を設定してデータを収集しています。

カテゴリー​

算出の定義​

カテゴリー4 輸送・配送​

輸送貨物と輸送距離のデータ取りを実施。​

カテゴリー6 出張​

「出張」に関して、「交通費支給額」「宿泊数」「出張日数」ごとの原単位を調査・設定。​

カテゴリー7 雇用者の通勤​

「通勤」に関して、「通勤費支給額」「勤務日数」ごとの原単位を調査・設定。​

カテゴリー11 販売した製品の使用​

お客さまへ販売した設備ごとに運転中に排出するCO排出量を計算。​

カテゴリー12 販売した製品の廃棄​

WATテープの使用により、お客さま先での廃プラスチック廃棄量(CO排出量)を削減。

 

②CO2排出量削減目標

 2030年度、さらには2034年度(創立100周年)までに、Scope1および2におけるCO排出量を年率3%削減する目標値を設定していましたが、国目標と同じ2050年カーボンニュートラルにした場合、基準年である2021年度の排出量に対し、毎年3.45%の削減が必要であると判明したため、新たに目標値を再設定しました。

 

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③既存建築物として愛知県初 Nearly ZEB認証を取得

 大崎事業所では、省エネ事務所棟のモデルケースとして、使用電力の実質ゼロに向けた施策を行っています。省エネ改善6つの心得(トメル・ヤメル・ナオス・サゲル・ヒロウ・カエル)の視点から、日常の改善や技術革新による徹底的な省エネを実施し、残った電力を再生可能エネルギーでまかなう計画です。2024年10月には、太陽光発電設備の屋上への設置が完了し、発電した電力を平日は全量を事務棟へ、休日は余剰分を工場へ供給しています。建築物に高効率設備や再生可能エネルギーを導入することで、大崎事業所はNearly ZEB認証を取得することができました。なお、愛知県下で既存の建築物(事務棟等)でこの認証を受けたのは当社が初となります。今後は、他の事業所の事務棟にも順次展開を予定しており、2025年度は各事業所で太陽光発電設備の設置の可否判定の実施を計画しています。

 

(6)エネルギーの見える化

 「カーボンニュートラル」の実現を見据えて、社員一人ひとりが工夫し、身近なところから省エネ活動に取り組み、当社のものづくりから発生するCO₂排出量を削減します。

 エネルギーの消費量を地域ごと、種別ごとに把握し、最も多く消費している地域およびエネルギーに着目して削減策を計画・実施しています。最もエネルギーを多く消費している大崎事業所を中心に消費電力削減を目指した取り組みを進めています。

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(7)エコプロダクツ商品の展開

 以前から、環境配慮商品のラインナップの見直しや商品そのものを増やす取り組みを進めてきましたが、2022年度に環境配慮商品自体のCO削減の考え方を明確化しました。「商品のシンプル・スリム化」「環境配慮機器の採用」「動作・工程変更による生産効率向上」の視点で整理し直し、対象となる199商品を選定のうえ、CO削減量を算出しました。お客さまのものづくりにおけるCO排出量の削減に貢献できるよう、環境配慮商品の改良、開発を進め、2024年度時点では対象商品を202品目にまで拡大しています。本活動を国内外グループ会社へも展開するとともに、2025年度は新商品に対する削減効果策定にも取り組んでいきます。

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しています。ただし、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外

のリスクも存在します。係るリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

 本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は有価証券報告書提出日 (2025年6月24日)現在において判断したものであります。

 

(1)市場及び事業に関するリスク

①市場の競争激化

 当社グループ製品の主要市場では激しい競争が繰り広げられており、当社グループはビジネスを展開している世界各地

域で、現地のローカルメーカーとの競争に直面しております。市場において、設備投資環境の急激な変動が起き競争が激

化した場合、受注台数や受注価格の低下などが起きる可能性があり、これにより、当社グループの財政状態、経営成績及

びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

 

②自動車関連業界の業況の影響

 当社グループの主要顧客である自動車業界は、100年に一度とも言われる大きな変革期を迎えています。当社グループ

の製品は、自動車メーカー・自動車部品メーカーに多く納入されていますが、電動化の進展やカーシェアの普及などによ

って、自動車を構成する素材・部品などの変化による鋳物部品の減少や自動車業界全体の市場成長の頭打ちで、同業界に

おける設備投資が抑制され、当社製品の受注高が低下する可能性があります。当社グループは、昨今の同業界の急激な変

化に対応し、今後も競争力の維持強化に向けた様々な取組みを進めていきますが、売上高の低下により、当社グループの

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

 

③製品の契約不適合・欠陥に伴う賠償

 当社グループ製品の製造販売には、顧客との契約に適合する品質、機能、安全性、納期等に万全を期していますが、製

造・販売した製品の契約不適合や欠陥により性能が不充分であったり、製品の安全上の問題で設備事故や労災事故を発生

させ、また納期遅延等を発生させることにより、顧客や第三者に損害を与えたことによる損害賠償請求を受ける可能性が

あります。特に、海外において係る訴訟が発生し、相当の賠償・和解費用等を負担せざるを得ない場合には、当社グルー

プの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

 

④企業買収等に係るリスク

 事業拡大のため、企業買収等を実施することがありますが、事業用の資産や買収の際に生じるのれんなど様々な有形・

無形資産を保有することになり、今後の経営環境の変化に伴い買収等の対象事業について効率的な経営資源の活用ができ

ず、これらの資産の収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合にはその回収可能性を踏まえて減損損失を計上

する可能性があります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

⑤人材の確保及び合理化・体質強化に係るリスク

 当社グループ製品は、一品一様の受注生産品が一定程度あることから、製造過程においては労働集約型な面があり、事

業拡大・継続のためには一定水準以上のスキルを有する優秀な人材の確保が不可欠なものと認識しております。現時点で

は、人事制度・教育制度により、必要な人材は確保されておりますが、少子化問題、労働市場の逼迫により必要とする優

秀な人材または労働力を確保できない場合、競争力の低下や事業展開が制約される可能性があります。それら要因を軽減

するために、省力化・省人化にも取組んでおりますが、情報技術の活用が進むなか事業構造の変化に追いつかず遅れが生

じた場合、製造コストの低減が実現できず、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性がありま

す。

 

⑥仕入先への外注加工品供給の依存

 当社グループは、外注加工品、購入部品、原材料などを複数の競合する仕入先から調達していますが、外注加工品の中

には他の仕入先への代替が難しく、特定の仕入先に依存しているものがあり、生産面への影響を受ける可能性がありま

す。それらを軽減するため、仕入先分散や新規仕入先の発掘・育成などの対応を進めておりますが、当社グループが、そ

れら仕入先からの外注加工品を継続的にタイムリーかつ低コストで調達できない場合、生産に遅延またはコストの増加を

引き起こし、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

 

(2)金融・経済のリスク

①原材料等調達価格の影響

 鋼材、スクラップ等、当社グループが製造に使用する原材料価格の上昇は、製造コストの上昇につながり、これらのコ

ストを製品の販売価格に十分に転嫁できない結果、当社グループの収益性に悪影響を与える可能性があり、特に、国際的

な需要の逼迫により急激な価格高騰があった場合には、急激に調達コストが上昇し、経営成績及びキャッシュ・フローに

大きな影響を与える可能性があります。

 

②エネルギー価格の変動

 当社グループは、主力製品である消耗品等の製造においては、電力使用量が多大なため、エネルギー価格の変動による

リスクや各国政府のエネルギー政策による変動リスクを負っております。コスト低減のための省エネルギー対策などリス

クの軽減を図っておりますが、電気料金や原油価格の変動に伴うエネルギー価格の動向が経営成績及びキャッシュ・フロ

ーに影響を与える可能性があります。

 

③為替変動の影響

 当社グループの収益は、外国為替相場の変動の影響を受け、主として日本円、米ドル、ユーロ、中国元、ブラジルレア

ル等の価格変動によって影響を受けます。外国通貨で販売する製品及び調達する材料で発生する取引リスクを軽減するた

めに、当社グループでは可能な限り、海外現地化を進め、地産地消に取組んでおり影響は限定的であります。但し、当社

の連結財務諸表は、日本円で表示されているため、換算リスクという形でも為替変動の影響を受けており、外国為替相場

の大幅な変動が起きた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④投資有価証券の保有に対するリスク

 当社グループが保有する投資有価証券は、当連結会計年度末の総資産に占める割合が13.9%(32,985百万円)であり、

株式市況の下落、発行会社の業績悪化等によって投資価値が大きく下落する可能性があります。この場合、当社グループ

の経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

(3)法的手続・情報セキュリティ・災害等に関するイベント性のリスク

①法的手続

 当社グループは、製造物責任、知的財産権の侵害、環境汚染、人権侵害等様々な法的手続の当事者となる場合があります。当社グループは、コンプライアンス体制を整備し、研究開発及び生産活動においては様々な知的財産権の使用について万全を期しておりますが、当社グループの認識の範囲を超えて第三者から知的財産権の侵害を主張され係争等に発展する場合があります。それらの法的手続きにおいて予期せずに不当な判断がされた場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

②情報セキュリティに係るリスク

 当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や顧客その他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報の外

部への流出を防止し、不正なアクセスによるシステムの毀損を防ぐため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリテ

ィシステムの強化等様々な対策を講じておりますが、不測の事態により情報システムの毀損、停止または一時的な混乱、

機密情報を含む内部情報が漏洩した場合、当社グループの企業価値の毀損、社会的信用の失墜、顧客その他関係者への補

償等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

③気候変動等による自然災害、感染症発生、インフラの障害の発生

 当社グループの主力製造拠点が集中する愛知県は、大規模な地震の発生が懸念されており、これが発生した場合には当

社グループの生産能力が著しく低下し、当社グループの事業運営に障害または遅延をきたす可能性があります。

 また、当社グループ製品を製造する地域において、気候変動等による、台風、豪雨、竜巻、洪水その他の自然災害やエ

ネルギーコストの上昇、原材料・資材の高騰等が想定され、伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場

合、天災などによる電力・交通機能・ガス・水道・通信等のインフラの障害、操業の中断などが発生した場合、当社グル

ープの事業運営に障害または遅延をきたす可能性があります。当社グループは、これらによって業務遂行が阻害されるよ

うな事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画(BCP)の整備、非常時を想定した訓

練等を実施しています。しかし、想定を超える事態が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッ

シュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

 

 

(4)戦争、突発的なテロ、紛争等を含む地政学リスク

 当社グループは、日本・欧米・アジアを中心に生産拠点を持ち、23カ国に展開している営業拠点を通じ、グローバルで

お客さまに製品・サービスを提供しています。このため、各国の関税政策の変更、ロシア・ウクライナ問題を含む戦争、中東情勢、突発的なテロ、紛争や米中貿易摩擦など国際関係変化やそれに起因する社会・環境の変化、法規制の変更などが事業活動に影響を及ぼす可能性があります。特に、各国の輸出規制、技術移転の制限、関税の引き上げ等により、営業、調達、生産等の事業活動が制限を受け、お客さまへの製品供給に支障をきたす場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対して、各地域の政治・経済情勢や法規制の動向などについて、各拠点を通じて定期的にモニタリ

ングし、事業への影響を迅速に把握するとともに、リスクが顕在化したときは、グローバルでの効果的な対応体制を構築

し、被害や損害を最小限とすることに努めています。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、再燃・長期化する中東地域の紛争並びにロシアによるウクライナ侵攻による資源高や輸送コスト高のリスク、欧州の政治不安定化や、エネルギー高、雇用コスト高等、産業構造に起因する経済停滞リスクにより、先行き不透明な状況は続いています。一方米国では、底堅い雇用環境、減税・規制緩和等により堅調に成長を下支えしていますが、トランプ政権による関税引上げや移民抑制策の強化等の政策に対して、先行きの不確実性が高まっている状況にあります。中国では不動産市場の低迷や緩慢な雇用回復により需要は低迷しており、政府の景気刺激策に依存している状況にあります。総じて世界経済は、国・地域毎に成長度合いのばらつきがある状況です。

 わが国においては、企業は新事業の成長投資を進め、設備投資はデジタル化、脱炭素やサプライチェーン強靭化や省力化・人手不足対応などを目的とした投資は拡大傾向が続く一方で、既往の物価の高止まり、賃金上昇への期待、金利上昇傾向の中で、個人消費マインドは低く、経済成長スピードは鈍い状況にあります。

 当社グループの事業環境につきましては、主要なお客様である自動車産業において、国内では、EV車対応やスマート化等の事業成果が各社一様ではなく、業界再編の動きが活発化しており、欧州では、エネルギー高に伴うコスト上昇や中国への輸出減によりドイツの製造業の業績の深刻な状況は変わらず、市場は停滞状況にあります。一方で、AI関連需要拡大に伴う半導体関連業界の旺盛な投資意欲は持続し、電子業界向けを中心に部品・消耗品が堅調に推移しました。

 こうした情勢下、当連結会計年度の受注高は対前年同期比32,111百万円増加の156,028百万円(前連結会計年度比25.9%増)、売上高は同34,728百万円増加の150,224百万円(同30.1%増)、受注残高は同5,803百万円増加の66,397百万円(同9.6%増)となりました。収益につきましては、営業利益は同2,404百万円減少の3,004百万円(同44.5%減)、経常利益は同4,283百万円減少の3,226百万円(同57.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は同5,948百万円減少の2,757百万円(同68.3%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高等を含めて表示しております。

 

〔表面処理事業〕

売上高は77,775百万円(前連結会計年度比68.6%増)、営業利益は184百万円(同95.0%減)、受注高は80,201百万円(同72.5%増)、受注残高は11,191百万円(同27.7%増)となりました。

 

〔鋳造事業〕

売上高は42,413百万円(同4.4%増)、営業利益は1,643百万円(同390.1%増)、受注高は46,457百万円(同2.5%減)、受注残高は40,152百万円(同13.4%増)となりました。

 

〔環境事業〕

売上高は12,203百万円(同4.0%増)、営業利益は1,643百万円(同44.6%増)、受注高は12,973百万円(同5.5%増)、受注残高は6,979百万円(同16.4%増)となりました。

 

〔搬送事業〕

売上高は9,239百万円(同10.9%増)、営業利益は909百万円(同25.1%減)、受注高は8,516百万円(同1.7%減)、受注残高は3,835百万円(同15.6%減)となりました。

 

〔特機事業〕

売上高は9,566百万円(同0.8%増)、営業損益は422百万円の損失(前連結会計年度は368百万円の営業利益)、受注高は7,662百万円(前連結会計年度比11.0%減)、受注残高は4,188百万円(同28.8%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11,522百万円減少して、32,056百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びその要因は、次のとおりであります。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

 当連結会計年度において、営業活動によって得られた資金は2,352百万円となりました(前連結会計年度は5,937百万円の収入)。これは、減価償却費5,365百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

 当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は30,326百万円となりました(前連結会計年度は744百万円の支出)。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出26,835百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

 当連結会計年度において、財務活動によって得られた資金は15,267百万円となりました(前連結会計年度は3,025百万円の支出)。これは、長期借入れによる収入34,895百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

表面処理事業(百万円)

76,347

177.7

鋳造事業(百万円)

41,904

103.8

環境事業(百万円)

11,795

107.5

搬送事業(百万円)

7,592

94.6

特機事業(百万円)

9,922

88.3

その他(百万円)

166

201.3

合計(百万円)

147,730

130.0

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

 

 b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

表面処理事業

80,201

172.5

11,191

127.7

鋳造事業

46,457

97.5

40,152

113.4

環境事業

12,973

105.5

6,979

116.4

搬送事業

8,516

98.3

3,835

84.4

特機事業

7,662

89.0

4,188

71.2

その他

217

106.3

50

4,104.5

合計

156,028

125.9

66,397

109.6

(注)上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

表面処理事業(百万円)

77,775

168.6

鋳造事業(百万円)

41,714

104.4

環境事業(百万円)

11,988

104.1

搬送事業(百万円)

9,224

111.2

特機事業(百万円)

9,354

99.4

その他(百万円)

167

82.7

合計(百万円)

150,224

130.1

(注)上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容

 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及び重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、下記の項目についてはその見積りが当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと判断しております。

 

a.一定期間にわたり認識する収益

 当社グループは設備装置の請負工事に関して、一定の期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の充足に係る進捗率を見積り、当該進捗率に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。一定の期間にわたり充足される履行義務に関する売上高は、収益の総額及び進捗率に基づいて算定され、進捗率は見積製造原価に対する当連結会計年度末までに発生した実績製造原価の割合に基づき算定されます。見積製造原価は、案件の仕様、過去の類似案件における原価発生状況、案件の難易度などを勘案しております。

 

b.非上場株式の評価

 市場価格の無い株式等(非上場株式)の取得原価は、取得時の持分純資産価額に超過収益力・経営権等を反映した実質価額に基づいて計上されていますが、財政状態の悪化や超過収益力等の毀損状況により実質価額が著しく低下したときは、減損処理を実施することとしております。減損処理を実施していない投資有価証券については、投資先における市場環境の変化、投資先の予算と実績の乖離状況、業績の推移、事業計画の進捗状況、直近のファイナンス状況等から、投資先の事業計画が合理的であるという仮定に基づき、超過収益力は毀損しておらず、実質価額は著しく低下していないと判断しています。

 

c.受注損失引当金

 受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注契約に係る損失見込額を受注損失引当金として計上しております。受注損失引当金は、見積製造原価が受注金額を超える案件のうち、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額に基づき算定されます。見積製造原価は、案件の仕様、過去の類似案件における原価発生状況、案件の難易度などを勘案しております。

 

d.のれん及び無形資産の評価

 当社は、企業買収に伴い計上したのれん及び無形資産に減損が生じている可能性を示す事象(以下「減損の兆候」という。)の有無について、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「企業結合に関する会計基準」に照らして判断しており、減損の兆候が生じているのれん及び無形資産を含むより大きな単位の資産グループについて、割引前将来キャッシュ・フローの総額とのれん及び無形資産を含む固定資産の帳簿価額を比較することにより、減損損失の認識の要否を判断しております。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容

(1)当社グループの当連結会計年度の経営成績等

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(2)当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(3)当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入や製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。

短期運転資金及び設備投資や長期運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は51,172百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は32,056百万円となっております。

 

(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2024年度よりスタートした中期経営計画“Co-creation”《『「共創」~新しい価値を求めて~ 』地球とともに、仲間とともに》を基本方針とし、2027年度の達成すべき目標に向け活動したとともに、その先の将来に向けても成長を続けることができる経営基盤の構築に邁進しました。

 

      目標とする経営指標

 

2024年度(128期)実績

2026年度(130期)目標

新規お客様数

+1,241社

+3,900社

部品カバー率

50.7%

+5.0%

売上総利益率

27.9%

+3.0%

一人あたり付加価値額

+2.4%

+10.0%

売上高EBITDA比率

(EBITDAマージン)

6.5%

+8.0%以上

 

(5)セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析

〔表面処理事業〕

売上高は、主としてエラスティコス社の子会社化により、大幅に増加しました。営業利益は、特に欧州市場での低迷及び、のれん償却負担等により減少しました。

 

〔鋳造事業〕

売上高は、国内での大型プラント設備の売上減少の一方で、海外では自動車業界向け造型機や注湯装置の増加により、増加しました。営業利益は、原材料費・エネルギー費、輸送費の高止まりの影響があったものの原価低減等により、増加しました。

 

〔環境事業〕

売上高は、大型集塵機案件の増加並びにガス処理装置、床事業における大型設備納入により、増加しました。営業利益は、原価上昇分の価格転嫁の効果や重量削減、工事費・輸送費削減等の原価低減により、増加しました。

 

〔搬送事業〕

売上高は、物流業界向けのリフト・コンベアでは2024年問題対応への作業環境改善のための導入や通販需要が継続して堅調に推移する等により、増加しました。営業利益は、物流業界における他社との競争の高まりの影響等により、減少しました。

 

〔特機事業〕

売上高は、サーボシリンダ及び計測装置の売上増加等により、増収となりました。営業利益は、サーボシリンダの増収と原価低減は進みましたが、販管費の増加により、減少しました。

5【重要な契約等】

1.技術援助契約(技術等の導入)

契約会社名

相手会社名

国名

契約品目

契約内容

契約期間

新東工業

株式会社

ケミッシュテルミッシェプロツェステクニーク社

オーストリア

酸化装置

吸着装置

窒素化合物除去装置

熱交換装置

CTP触媒

(1)独占的製造販売権の許諾

(2)技術情報の提供

(3)技術者の相互派遣の許諾

自 2023年2月26日

至 2028年2月25日

 

2.技術援助契約(技術等の供与)

契約会社名

相手会社名

国名

契約品目

契約内容

契約期間

新東工業

株式会社

サイアム

ブレーター社

タイ

スチールショット

スチールグリット

亜鉛ショット

(1)タイにおける独占的製造販売権及びその他の国への非独占的販売権の供与

(2)商標使用権の供与

(3)技術及び販売資料の提供

(4)技術者の相互派遣の許諾

自 2025年1月1日

至 2029年12月31日

 

3.多額な資金の借入

 当社は、エラスティコス社の株式取得のために調達した資金の借換を目的として、株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとするシンジケートローンの契約及び金銭消費貸借契約による資金の借入を実施することにつき決議し、契約を締結いたしました。

 (1)シンジケートローン

項目

契約内容

締結日

2024年6月25日

アレンジャー

株式会社三菱UFJ銀行

参加金融機関

信金中央金庫、株式会社京都銀行、株式会社十六銀行、株式会社紀陽銀行、株式会社七十七銀行、株式会社中京銀行、株式会社八十二銀行、株式会社広島銀行、株式会社第四北越銀行、株式会社滋賀銀行

組成金額

トランシェA 8,500百万円

トランシェB 1,000百万円

適用利率

トランシェA 基準金利+スプレッド

トランシェB 固定金利

満期日

2031年6月30日

担保の内容

無担保

財務制限条項

① 2025年3月期を初回とする各年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、2023年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額又は前年度決算期の末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。

② 年度決算期末における連結損益計算書において2期連続経常損失を計上しないこと。

 

 (2)金銭消費貸借契約

項目

契約内容

借入金融機関

株式会社りそな銀行

借入金額

7,000百万円

借入実行日

2024年6月28日

適用利率

固定金利

返済期日

2031年6月30日

返済方法

期日一括返済

担保等の有無

 当社は、円滑な事業運営を目的に、当社の子会社であるエラスティコス社が借入金の借換を実施することにつき決議し、2024年6月25日付で契約を締結いたしました。

項目

契約内容

借入金融機関

株式会社三菱UFJ銀行 パリ支店

株式会社みずほ銀行 パリ支店

借入金額

50百万ユーロ

28百万ユーロ

借入実行日

2024年6月25日

2024年6月25日

適用利率

固定金利

固定金利

返済期日

2032年6月25日

2028年6月23日

返済方法

分割返済

期日一括返済

担保等の有無

当社による債務保証

当社による債務保証

 

4.子会社株式の取得

 当社は、アグトス社の全株式を取得し、子会社化することを2024年11月6日開催の取締役会において決議し、2024年11月6日に株式譲渡契約を締結しました。なお、2024年12月17日に本件取引を実施いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりです。

 

6【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、「素材に形を いのちを」を企業理念に、金属、セラミックス、樹脂等の素形材関連設備及び消耗品を主体とするメーカーとして、これら素材の成形を基本としたコア技術とその周辺技術、関連技術に関する研究開発を行っております。

 現在の中期計画においては、「形づくり」「素材づくり」「表面づくり」とこれらを支える「IoT技術」「ハンドリング技術」「環境技術」「エネルギー技術」「検査・評価技術」を伸ばし、事業の拡大を推進しております。特に、3Dセラミックスプリンターによるセラミックス部品製造事業、産業用ロボットに採用された高性能な力覚センサー事業、さらに、DX・IoTの分野では、設備稼働モニタ、遠隔モニタリング、現場の課題を解決するセンシング技術による”パッケージ by C-BOX”などにも幅広く取り組んでおり、新規事業開発で今後の成果が期待されます。

 研究開発関係等に要した費用の総額は2,566百万円であり、セグメント別の主な研究開発活動の状況及び研究開発費を示すと次のとおりであります。なお、研究開発費については、各セグメントに配分できない基礎的研究費310百万円が含まれております。

 

(1)表面処理事業

 主に、当社が中心となって当事業の研究開発活動を行っております。

 当事業では、“表面づくり”を主な事業領域として、ブラスト、バレル研磨、ブラシ研磨に加えてレーザーを核とし、新たな表面処理、消耗材、加工プロセスの提供を目的として開発を行っております。

 主な取り組みとしては、お客様の人手不足解消・作業者負担軽減の観点から、表面処理工程の無人化を実現するため、新たな検査・評価技術の開発とともにIoT技術を活用し、装置の高度化に取り組んでおります。更に成長市場の積層造形業界に対し、各材質に応じた造形後の表面処理プロセスを開発し、美観や疲労強度を向上させる表面づくりを継続して進めております。

 また、レーザー技術を活用し、ピーニング、クリーニング、テクスチャリング等の用途開発を進めており、これらにより環境に優しく新たな表面機能の付与が期待できます。

 今後も活況な業界に対する開発活動により、お客様そして社会に貢献できるよう進めてまいります。

 当事業に係る研究開発活動は、727百万円であります。

 

(2)鋳造事業

 主に、当社が中心となって当事業の研究開発活動を行っております。

 当事業はグローバル市場という視点から見ると、中国・インドを中心に安定的成長が今後も見込まれますが、国内や欧米市場では産業としての成熟期を迎え、品質向上と安定かつ効率的な設備稼働を指向する技術が強く求められています。当社はこれを受け、理想の鋳造工場を「SINTO SMART FOUNDRY(略称SSF)」と名付け、環境負荷の低減を含めたお客様視点での「いい鋳物づくり」への貢献を果たすべく、センシング技術を活用した商品開発を進めております。その成果は、砂型へのレーザーマーキング技術による製品1個単位でのトレーサビリティ対応、不良分析をサポートする不良登録システムと品質管理システムなど、鋳物品質向上を目指したSSF商品を計画的に市場投入してきております。

 当事業に係る研究開発活動は、358百万円であります。

 今後は、鋳造工場における環境負荷となる臭気や粉塵などを低減させ、お客様に喜ばれる鋳造工場実現に向け、環境改善のニーズに沿った商品開発、及び、素材のかたちを作る領域を担う事業部として3Dプリンターによるかたち作りにも取り組んでいきます。

 

(3)環境事業

 主に、当社が中心となって当事業の研究開発活動を行っております。

 「働く人の安全と健康を守る」という活動方針に向かい、集塵・排ガス処理・水処理の従来からのカテゴリ商品に加えて、磨き床や作業環境改善に貢献する商品など、新しい価値を生み出す開発にも力を入れております。

 昨年リリースした工場の環境状態をリアルタイムに見える化し、粉塵などによる作業環境の悪化を未然防止できる「アメニティメータ」のバージョンアップを進めており、さらに魅力のあるサービスへと進化させていきます。

 また、廃棄時の飛散による健康被害の防止や廃棄物減容による環境負荷低減を実現させることができるバインダーレスで圧縮固化するダスト固化装置をリリースしました。更に圧縮固化が難しい粉塵にも幅広く対応できるバインダーを使った固化装置の開発にも注力しています。これらの技術によって、廃棄物を有価物化し再資源化を推進する技術、商品の拡充も進めています。

 当事業に係る研究開発活動は、206百万円であります。

 

(4)搬送事業

 主に、子会社の株式会社メイキコウが中心となって当事業の研究開発活動を行っております。

 工場や倉庫での荷役作業における人手不足を解消するため、省力機械の開発に注力しています。

 将来の成長戦略として、前事業年度にはトラックヤードでのコンテナやトラックからの荷降ろし装置の拡充を図り、移動や設置の負担を軽減する「軽量ワーク用デバンダ」の製品化や、荷降ろし作業の無人化を目指して多関節ロボットを活用した全自動荷降ろし装置「オートマチックデバンダ」を東京で開催された国際物流総合展に出展しました。

 また、プラットフォームのない環境での移載を可能にする「移動式段差解消機」のシリーズ拡充も目指しています。

 当事業に係る研究開発活動は、101百万円であります。

 

(5)特機事業

 主に、当社が中心となって当事業の研究開発活動を行っております。

 検査装置分野では、パワー半導体向け電気特性テスタをSiC(シリコンカーバイド)に対応するため、大電流化や高分解能化の要素開発を進めると同時に、ハンドリングを融合させた計測トータルシステムとして商品の競争力向上に取り組んでおります。

 メカトロ分野では主力商品であるサーボシリンダの競争力を向上させるため、演算速度の高速化や操作性を改善した新型サーボコントローラの開発を進めています。また最も注力している二次電池市場に対しては、ロールプレスの高精度化やカーボンナノチューブの加工といった次世代技術に取り組んでおります。

 機能性粉末分野では、当社グループのコア技術である溶融金属の水アトマイズ技術を深耕し、粒径2μmと微細かつ球状の金属ガラス磁性材料を開発・市場投入し、電子部品の半導体メモリ用途、民生機器用途の磁性材市場で高評価を得ています。また、新たな磁気特性領域に適した金属磁性材料の開発を進めております。

 当事業に係る研究開発活動は、862百万円であります。