第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、『真心をこめて、暮らしに欠かせない文化と科学を提案することにより、豊かな社会づくりに貢献できる企業をめざします。』を経営理念として掲げ、微少な流量を制御するコア技術を基盤とした筆記具用ペン先、コスメチック用ペン先、医療機器の製造販売を行っているモノづくり企業グループです。

渋沢栄一らが、1892年に創業した当社は、長年の帽子製造で培った加工技術を応用し進化させることによってペン先製造事業に進出し、更にその技術を医療機器製造事業へと拡げてまいりました。

創業以来、130年もの歴史を積み重ねてくることができましたのは、創業者である渋沢栄一をはじめとする先人達の知恵と努力、モノづくりへの情熱の証しであり、これまで培ってきた技術を確実に受け継ぎ、時代の変化に対応した技術へと進化させることによって、国内のみならず海外からのニーズに応え、顧客からの幅広い支持を得てきたことにあると確信しております。常にたゆまぬモノづくりへの情熱を持って、暮らしの未来を創るために進化し続けてまいります。

 

(2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善に加えてインバウンド需要の拡大などにより景気は緩やかな回復基調が続きました。一方で、物価の上昇や不安定な海外情勢、また円安進行による原材料やエネルギーコストの高止まりなど、先行き不透明な状況が継続しております。

このような事業環境の中、当社グループは、2025年度より、基本方針を「ESG経営を推進し、新たな価値創出と持続可能な成長を追求する」とする第9次中期経営計画(オーベクスビジョン2027)を新たに策定し、目標達成に向けてスタートしました。

第9次中期経営計画の内容の概要につきましては、以下の通りであります。

 

    オーベクスビジョン2027

基本方針

ESG経営を推進し、新たな価値創出と持続可能な成長を追求する

スローガン

To The Next Stage ~次のステージに向かって~

 

 

最終年度(2028年3月期)の定量目標(連結)

 

3ヶ年合計

売上高

70億円

営業利益

10億円

ROE

9%以上

 

設備投資

15億円以上

 

 

グループ

基本戦略

強固な収益基盤の構築

環境負荷低減活動の推進

成長を支える人財育成

 

 

(テクノ製品事業)

基本方針:誠実な心で社会と向き合い、環境にやさしいモノづくりを通じて、世界に向け新たな価値を創出する

3年後(2028年3月期)の定量目標

 

第140期(2025年3月期)比

セグメント売上高

48億円

 

+4.7億円(+10.7%)

セグメント利益

11億円

 

+0.4億円(+ 3.7%)

 

 

重点施策 ①

コア技術の深化による高付加価値製品と環境負荷低減製品の開発

重点施策 ②

増産対応への設備投資

重点施策 ③

省力化推進による生産効率化

重点施策 ④

海外拠点の拡充

 

ⅰ 営業関連

  ・高成長エリアへの更なる販売強化。

        ・既存、新規顧客との情報交換の強化。

        ・簡易医療製品の営業強化及びメディカル製品事業との協働による新分野への展開。

      ⅱ 生産関連

        ・増産に向けた新規製造ラインの増設と生産効率の向上及び納期短縮。

        ・DXによる製造作業の省力化の推進。

      ⅲ 開発関連

        ・マーケティング及び新分野創出に向けた取り組みの強化。

        ・環境に配慮した製品開発と製品ラインアップの強化。

        ・コア技術による差別化された高付加価値製品の開発による市場対応力の強化。

       ・新材料の基礎研究及び代替材料への対応。

      ⅳ 人財関連

        ・グローバルに活躍できるユーティリティーの高い人材・次世代リーダーの育成。

        ・技術スタッフの増員及び育成。

      ⅴ 環境関連

        ・環境負荷低減製品の継続的開発。

    ・法令遵守と環境配慮への取組強化。

        ・化学物質の排出量低減とCO2削減。

 

 

(メディカル製品事業)

基本方針:自らの力で新しい価値を創造しニーズと理想を形に変える

3年後(2028年3月期)の定量目標

 

第140期(2025年3月期)比

セグメント売上高

22億円

 

+5億円(+29.3%)

セグメント利益

3億円

 

+1.8億円(+142.9%)

 

 

重点施策 ①

既存市場拡販と高付加価値製品の新規分野への参入

重点施策 ②

海外展開準備と新規販路開拓

重点施策 ③

新工場建設用地取得予定

 

    ⅰ 営業関連

      ・成長市場、高付加価値製品へのシフト。

      ・付加価値を高めたベセルフューザー(薬液注入器)で国内シェアを拡大する。

     ・自販体制の構築及び強化。

     ・グローバル市場への本格参入に向けた体制構築と新規販路の開拓。

      ・泌尿器、消化器分野への新製品の投入と拡販。

    ⅱ 生産関連

      ・ベセルフューザー(薬液注入器)の安定供給と品質管理の強化。

     ・増産及び品質向上に向けた新工場建設用地の取得。

     ・新製品の円滑な上市に向けた遅延ない認証取得。

    ⅲ 開発関連

      ・組織力を強化し市場競争力のある製品の開発。

     ・市場ニーズに応える高付加価値製品の開発と既存製品の品質向上。

    ⅳ 人財関連

     ・自己啓発によるスキルアップの推進。

     ・やりがいを持てる職場を作り、全員に能力開発の機会を提供する。

    ⅴ 環境関連

      ・医療機器プロモーションコードの順守。

     ・品質マネジメントシステムに則った品質の維持管理。

 

(管理部門)

基本方針:オーベクスグループの未来を担う人財の育成と活用し、企業価値向上を推進する

    ⅰ 人材育成と活用への取り組み

      ・スキルデータベースの構築。

   ・階層別研修の実施とスキルアップ支援。

      ・グループ間交流プログラムの整備。

    ⅱ 業務効率化への取り組み

      ・業務プロセスの見直しと標準化。

   ・情報共有プラットフォームの構築。

      ・クラウドサービスやアウトソーシングの活用。

    ⅲ 情報配信への取り組み

      ・ホームページやSNSを利用した情報配信。

      ・IR強化(情報配信)と投資家との対話促進。

    ⅳ オフィス環境の整備

   ・フリーアドレス化及びネットワークインフラ環境の再整備並びにセキュリティ強化。

 

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の経済環境の見通しにつきましては、海外においては長期化するロシア・ウクライナ情勢や中東情勢に加えて、世界的なインフレ傾向や各国の通商政策等の影響を受けて世界経済の減速懸念が高まっております。また国内においては、少子高齢化による人手不足や賃上げの問題、更に、原材料やエネルギー価格の上昇などのコスト増加により、先行きは厳しい状況が継続していくと思われます。

 テクノ製品事業においては、既存顧客に加え成長市場である中国ならびにアジア諸国へ積極的な営業活動を進めて参りました。ステーショナリーおよびコスメチック関連事業では急成長するアジア市場での更なる拡販強化、および将来の成長が見込まれる新興地域への営業活動の推進が課題となります。当社独自のコア技術をより深化させ差別化された高付加価値製品を継続的に市場投入することにより、製品ラインアップを強化、充実し、収益性の維持および向上を図ってまいります。また当社グループおよび外部パートナーとの協働も視野に入れ、環境に配慮した製品開発に取り組み、新たな分野への展開を目指します。これらの取り組みによりグローバルマーケットでのオーベクスグループの強固な収益基盤を構築し継続的な成長を通して、持続可能な社会への貢献を目指してまいります。

メディカル製品事業では、主力製品であるベセルフューザーや血管造影ガイドワイヤーを中心に技術開発力の強化と基礎技術の研究開発の促進を図るため経営資源を集中し、市場ニーズの変化に的確に対応できる製品を企画開発してまいります。特に当社のコア技術の強みを生かした付加価値の高い製品の開発を目指すとともに、今後普及拡大していく在宅医療分野を視野に、また医療政策の動向に即応した市場性の高い適切な製品展開を図ってまいります。これらの取り組みにより、医療分野での事業基盤の強化を目指してまいります。

当社グループは、創業者である渋沢栄一の「論語とそろばん」の精神を学び、更に階層別の社員研修の実施や資格取得の奨励などを充実させる事で、自律精神の高い、且つ専門スキルを有する社員を育成し、経営理念の浸透と経営戦略の実践を推進してまいります。

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社の創業者である渋沢栄一は、著書である『論語とそろばん』の中で「富を成す根源は何かといえば、仁義道徳、正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。」と述べています。その理念を受け継ぐ当社は、企業の存続価値を「どんなに技術が進歩し、さらに高度な時代になろうとも、人と社会に対する正しい貢献の在り方」と考えており、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出には、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーとの適切な協働とサステナビリティ課題への取組みが必要不可欠なものと認識しております。当社グループは、「真心をこめて、暮らしに欠かせない文化と科学を提案することにより、豊かな社会づくりに貢献できる企業を目指します。」を経営理念に掲げ、「オーベクスグループ行動規範」を定めるとともにリスクマネジメント方針をはじめとする各方針を策定しております。環境問題、社会的課題への対応を経営課題の重要事項のひとつと位置付け、ESG経営を推進することで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。グループ経営会議及びガバナンス委員会において、サステナビリティに関する重要課題についてのリスク及び機会への対応を協議しております。

 

(2)戦略

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

・人材育成方針

当社グループは、自律的な人材を育成し、能力・成果に応じた人事評価を行うことを基本方針としております。会社の持続的な成長には、社員の能力向上が必要不可欠であるとの考えから、定期研修や階層別研修の実施や資格取得奨励など、人材育成の強化に努めております。また、性別や国籍その他属性にかかわらず多種多様な人材が必要であると認識しており、引き続き多様性の確保に向けた諸施策に取り組み、女性管理職の登用、中途及び外国人の採用を進めてまいります。

・社内環境整備方針

当社グループは、コスト削減や生産性向上だけではなく、新たな価値、サービスの創出が求められる中、新たなアイデアを生み出す環境整備を進めることを基本方針としております。グループ各拠点おいてサテライトオフィスの設置、在宅勤務や時差出勤等、働き方改革を推進しております。

 

(3)リスク管理

当社グループでは、サステナビリティに関するリスクについては、「オーベクスグループ行動規範」を定めるとともに、リスクマネジメント方針、環境方針、倫理方針、人権・労務方針等の各方針を策定しております。リスクマネジメント委員会及び労働マネジメント委員会において、リスクの洗い出しから、モニタリング、リスク対策の進捗管理を行い、グループ経営会議及びガバナンス委員会へ定期的に報告を行っております。

 

 

(4)指標及び目標 

当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われてはいないため、当社グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

指標

目標

実績(当会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合(注1)

2030年3月まで10

7.1

管理職に占める中途採用者の割合

2030年3月まで50

32.1

労働者に占める外国人労働者の割合

2030年3月まで10

3.1

 

(注)採用した労働者に占める女性労働者の割合等については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)採用した労働者に占める女性労働者の割合および管理職に占める女性労働者の割合並びに有給休暇取得率」に記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 海外事業展開に関するカントリーリスク

当社グループの販売先は世界各国にわたり、また中国に販売拠点を有しています。予想できない急激な政治的または経済的変動、テロや戦争などの勃発や感染症などによる社会混乱は、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 人材の確保と育成に関するリスク

当社グループは、優秀な人材の確保と育成を行うことが事業継続に必要不可欠であると考えており、将来を担う人材を積極的に採用し育成しております。採用活動の強化や資格取得の奨励並びに階層別研修の実施などの対策を講じておりますが、少子高齢化の進行により労働力人口が著しく低下し、人材の採用および育成が計画通り進まない場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原材料価格の変動及び調達に関するリスク

当社グループは、特殊性の高い原材料を用いて高付加価値製品を製造販売しております。国内および海外市況ならびに為替レートの変動の影響を受けて原材料価格が想定以上に上昇した場合、コスト削減や販売価格への転嫁には限界があるため、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

また、主要原材料は特定のメーカーから調達しており、取引先への供給責任のため、一定量の在庫を確保する対策を講じております。万が一、事故災害による調達中断や原材料の変更、廃盤などにより生産に支障をきたした場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 販売価格の変動に関するリスク

メディカル製品事業の属する業界は、2年に1度、診療報酬、薬価及び特定保険医療材料の公定償還価格の改定が行われます。また、市場における企業間競争の激化や技術革新により、大幅な価格下落が発生する可能性があります。生産性向上によるコスト削減などの対策を講じておりますが、万が一、大幅な価格下落が発生した場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

また、テクノ製品事業では、グローバル市場における低価格傾向が続いており生産性向上によるコスト削減などの対策を講じておりますが、市場における企業間競争の激化などにより大幅な価格下落が発生した場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 為替レートの変動に関するリスク

当社グループは、為替レートの変動リスクを抑えるため海外売上高の半分以上は円建てによる取引を行っておりますが、それ以外は、外貨建て取引であります。為替レートの変動が大きいと、為替差損が発生し当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは連結財務諸表作成のために在外子会社の財務諸表を円貨に換算しており、為替レートの変動が大きいと当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度の為替差損は21,340千円(前連結会計年度は、為替差益30,993千円)であります。

 

(6) 品質問題に関するリスク

当社グループは、医薬品医療機器等法の許認可および製品の承認を取得するとともに医療機器の品質マネジメントシステムである国際規格ISO13485:2016に基づき、厳格な品質管理のもとで製品の製造および販売を行っております。万が一、当社製品に関わる品質上の問題があった場合、リスクに応じて自主回収や販売停止、損害賠償に至る恐れがあり、売上の低下またはコスト増などにより、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 環境関連法令への対応に関するリスク

当社グループは、日本国内に工場を配置し製造を行っておりますが、環境、化学物質、安全衛生などの法規制の改正や強化が進んでおります。

当社グループはこれらの法規制の改正に対応するため、講習会への参加などによる法規制に関する情報収集に加え、環境配慮のための設備導入などに取り組んでおります。また、工場などの操業に関わる規制を遵守するとともに、環境への負の影響につきましては目標を掲げその低減に取り組んでおりますが、これらの規制が想定外に厳しくなった場合は、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、情報セキュリティおよび情報保護を経営の最重要課題の一つとして捉え、情報セキュリティ基本方針を定め、セキュリティ体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理等の対策を講じておりますが、万が一、セキュリティインシデントの発生や、災害等によるネットワークの中断などにより、事業活動に支障をきたした場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 自然災害に関するリスク

当社グループは、地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等の損壊や電力等の供給困難により、一部または全部の操業が中断し、生産および出荷が遅延する可能性があります。BCP計画を策定し、安否確認システムの導入や防災訓練などの対策を講じておりますが、万が一、災害による設備等の修復に多額の費用が発生した場合、当社グループの事業、業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要および経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

また、特に重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

① 経営成績

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率

売上高

5,387,010千円

6,035,997千円

648,986千円

12.0%

営業利益

560,648千円

841,405千円

280,757千円

50.1%

営業利益率

10.4%

13.9%

3.5ポイント

経常利益

600,779千円

814,030千円

213,251千円

35.5%

経常利益率

11.2%

13.5%

2.3ポイント

親会社株主に帰属する
当期純利益

436,435千円

580,136千円

143,700千円

32.9%

 

 

当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ12.0%増の6,035百万円となりました。テクノ製品事業では、アジア地域の売上が好調に推移し、特に付加価値の高い筆記具用ペン先の売上が伸長しました。メディカル製品事業では、国内各地で積極的なプロモーション活動を展開し、シェア拡大に向けて販売活動に注力しました。その結果、国内売上高は前連結会計年度に比べ7.4%増の2,329百万円、海外売上高は15.1%増の3,706百万円となりました。

販売費及び一般管理費は売上増加に伴う人件費及び販売活動費の増加などにより前連結会計年度に比べ10.4%増の1,452百万円となり、営業利益は売上の増加により前連結会計年度に比べ50.1%増の841百万円となりました。

経常利益は、為替差損の増加がありましたが、営業利益の増加により前連結会計年度に比べ35.5%増の814百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ32.9%増の580百万円となりました。

営業利益率は13.9%となり、前年同期比3.5ポイント増加しました。経常利益率は13.5%となり、前年同期比で2.3ポイント増加しました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

(テクノ製品事業)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率

外部顧客への売上高

3,796,313千円

4,334,964千円

538,650千円

14.2%

セグメント利益

741,075千円

1,060,879千円

319,803千円

43.2%

セグメント利益率

19.5%

24.5%

5.0ポイント

 

 

テクノ製品事業では、筆記具用サインペン先、コスメチック用ペン先などの筆記具分野や化粧用途の部材を製造販売しております。当連結会計年度は、アジア地域の売上が好調に推移し、特に付加価値の高い筆記具用ペン先の売上が伸長した結果、売上高は前連結会計年度に比べ14.2%増の4,334百万円、セグメント利益は43.2%増の1,060百万円となりました。セグメント利益率は24.5%となり、前連結会計年度に比べ5.0ポイント増加しました。

海外売上割合の高いテクノ製品事業では、既存顧客に加え成長市場である中国ならびにアジア諸国へ積極的な営業活動を進めております。しかしながら、海外においては長期化するロシア・ウクライナ情勢や中東情勢に加えて、世界的なインフレ傾向や各国の通商政策等の影響を受けて世界経済の減速懸念が高まっており、更に国内では、原材料やエネルギー価格の上昇、円安の進行などにより経済環境の減速が懸念されます。このような事業環境を背景として、グローバル市場における多様化する顧客ニーズに対応するため高付加価値商品の開発に注力し、省力化および合理化のための設備投資を積極的に行い、生産性向上と販売拡大に努めてまいります。

 

(メディカル製品事業)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率

外部顧客への売上高

1,590,697千円

1,701,033千円

110,335千円

6.9%

セグメント利益

150,196千円

123,516千円

△26,679千円

△17.8%

セグメント利益率

9.4%

7.3%

△2.1ポイント

 

 

メディカル製品事業は、国内各地で積極的なプロモーション活動を展開し、シェア拡大に向けて販売活動に注力しました。その結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ6.9%増の1,701百万円、セグメント利益は17.8%減の123百万円となりました。セグメント利益率は7.3%となり、前連結会計年度に比べ2.1ポイント減少しました。

主力製品のベセルフューザーは、麻酔領域および化学療法領域向けの製品が高い評価を得ております。引き続き、公開講座や学会におけるプロモーション活動に努めるとともに、医療従事者との連携強化や取引先との協働による製品開発や新診療分野への拡販を推進し、グローバル市場への展開を準備してまいります。もう1つの主力製品であるガイドワイヤーは、積極的な営業活動の継続と品質の維持、コストダウンに努めてまいります。

医療機器メーカーとして、医療機器の販売を通じて患者様の痛みからの解放や健康回復に繋げることが、社会貢献の一環となることと認識しており、今後も医療機器の提供という継続的な社会貢献を通じて、企業価値の向上を図ってまいります。

 

 

② 財政状態

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

資産

9,721,703千円

9,842,848千円

121,145千円

負債

3,465,057千円

3,135,047千円

△330,009千円

純資産

6,256,646千円

6,707,800千円

451,154千円

自己資本比率

64.4%

68.1%

3.7ポイント

 

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ121百万円増加し、9,842百万円となりました。これは主に、現金及び預金102百万円の減少があるものの、仕掛品156百万円、受取手形及び売掛金128百万円などが増加したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ330百万円減少し、3,135百万円となりました。これは主に、長期借入金340百万円などが減少したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ451百万円増加し、6,707百万円となりました。主な増加は、親会社株主に帰属する当期純利益580百万円であり、主な減少は、利益剰余金の配当金の支払61百万円であります。

自己資本比率は68.1%となり、前連結会計年度に比べ3.7ポイント増加しました。

 

③ キャッシュ・フローの状況並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

 

前連結会計年度(千円)

当連結会計年度(千円)

増減額(千円)

営業活動によるキャッシュフロー

1,054,683

637,429

△417,254

投資活動によるキャッシュフロー

△164,645

△159,736

4,908

財務活動によるキャッシュフロー

△450,598

△561,993

△111,394

換算差額

13,039

△5,863

△18,902

現金及び現金同等物の期首残高

2,388,065

2,840,544

452,478

現金及び現金同等物の期末残高

2,840,544

2,750,379

△90,164

 

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ90百万円減少し、2,750百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、637百万円の資金の増加(前期は1,054百万円の資金の増加)となりました。これは主に、棚卸資産の増加額222百万円、法人税等の支払額212百万円はあるものの、税金等調整前当期純利益818百万円、減価償却費284百万円などがあったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、159百万円の資金の減少(前期は164百万円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出172百万円などがあったことによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、561百万円の資金の減少(前期は450百万円の資金の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入380百万円はあるものの、長期借入金の返済による支出720百万円、自己株式の取得による支出145百万円などがあったことによるものであります。

当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資等に係る投資であります。

これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。

また、グループ内での資金管理は当社が一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

テクノ製品事業

4,631,190

25.5

メディカル製品事業

1,771,172

11.4

合計

6,402,363

21.2

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

ロ 受注実績

受注生産は行っておりません。

 

ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

テクノ製品事業

4,334,964

14.2

メディカル製品事業

1,701,033

6.9

合計

6,035,997

12.0

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、経営理念である「真心をこめて、暮らしに欠かせない文化と科学を提案することにより、豊かな社会づくりに貢献できる企業を目指す」ために、市場ニーズに対応した付加価値の高い製品開発を推進しております。

当連結会計年度の当社グループが支出した研究開発費の総額は、139百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) テクノ製品関連

テクノ製品事業における研究開発活動はサステナビリティに向けた取り組みとして、地球環境に配慮した製品の開発を推進し、顧客に提供できるよう努めております。

主力製品である筆記具用ペン先につきましては、新しいライフスタイルの提案として、画材やアート&クラフト向けに多様な書き心地や豊かな色彩表現を可能にする製品を開発してまいりました。またスタイラスペン用途では、技術革新に伴うニーズに対応し、小型化を実現した製品開発を展開しております。

コスメチック用ペン先につきましては、アイライナーやアイブロウ、リップ用途を中心に、色彩華やかなインクが流れる製品や、快適で楽しいメイクアップを実現する多彩なデザインを創出し、新製品の開発に取り組みました。また、メディカル製品事業との協働による医療周辺分野の製品開発を進めてまいりました。

これらの製品開発を通じて、新たな知的財産権の取得を積極的に進めると共に、既存の知的財産権の活用を図りながら、当社グループの権利保護や競争優位性を確保してまいります。

当連結会計年度におけるテクノ製品事業の研究開発費は、88百万円であります。

 

(2) メディカル製品関連

メディカル製品事業では、医療機器メーカーとして独自の技術により開発された流量制御チューブを採用した加圧式医薬品注入器(以下:べセルフューザー)と、親水性コーティングを採用した血管造影用ガイドワイヤーを主力製品として製造販売をしております。また各分野の医療従事者からのご理解ご協力のもと、互いに連携を図りながら医療現場で抱えている課題を当社の課題として認識し、特に安全性にはあらゆる可能性を考慮し検証を重ねた上で利便性・機能性を包括担保したマーケットイン思想に基づく製品開発を行っております。

「ベセルフューザー」は、既に製品化している術後疼痛、産科麻酔分野、化学療法分野に適した製品のほか、更なる医療分野への貢献を図っております。中でも、化学療法分野で展開されている製品「ベセルフューザーtypeT」は、携帯性、デザイン性がエンドユーザーからも愛顧され順調にシェアを伸ばしております。

また、市場で日々変化していくニーズに真摯に向き合い、患者様のQOL( Quality of life:「生活の質」)向上や医療従事者様の働き方改革への貢献を目指し、製品の改良及び改善に取り組んでおります。

血管造影用ガイドワイヤーに関しましては、品質向上を目標に研究開発に取り組んでまいりました。その結果、より信頼性の高い製品を市場に供給することができました。また、カイドワイヤーのコア技術である親水性コーティングを循環器、消化器以外の分野に展開すべく開発を進め、より広い領域への進出を進めております。

当連結会計年度におけるメディカル製品事業の研究開発費は、50百万円であります。