第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、経済・社会を支えるインフラを担う基幹産業として、顧客の競争力強化、情報社会の更なる発展に貢献していくことを使命と考えております。

 

 基本方針

 

「顧客第一主義」

 全ての判断基準はお客様にとっての価値とし、お客様の視点で思考することを基本と致します。

「重点主義」

 企業には人、モノ、金と時間の4つの要素があります。これらを最大限に活かすために、顧客第一主義により決定された最重要事項に経営資源を集約致します。

「総員営業主義」

 ユーザーオリエンテッドなサービスを提供するため、全社員が自立したビジネスパーソンとして社業発展に邁進致します。

 

 この基本方針のもと、社員一人ひとりが株主、顧客をはじめとするあらゆるステークホルダーと向かい合い、個人と組織のもつノウハウの全てを駆使して、更なる顧客満足を創出してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、中長期経営ビジョン≪VISION 2026≫の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画では、社員一人ひとりが事業を通じて社会に貢献し、事業成長を果たすとともに、企業価値の向上を目指してまいります。そのために、「企画型+受託型ビジネスで事業成長を果たす」「社員自らが志とビジネスマインドを持ち、自ら考え、行動する」をミッション・ステートメントとして、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の3つのビジネスモデルを強化推進する方針と目標をそれぞれ立案し、事業成長に向けて邁進しております。

 最終年度にあたる2026年度に向けて、エンハンスビジネスで創出した利益を源泉にSIビジネス、デジタルビジネスでの領域を拡大し、売上高構成比6:3:1を目指してまいります。

 

 ※企画型ビジネス:当社開発ソフトウェアやIP(ノウハウ・技術を含む)を活用し、販売およびASP/SaaS等を通じて収益を確保するビジネス

  受託型ビジネス:お客様に応じたシステムソリューションをオーダーメイドで開発するビジネス

 

 また、第2次中期経営計画では、以下の5つの指標を重視し、目標設定しております。

 財務目標

 ・株主にとっての企業価値向上の観点から、ROE14%以上

 ・収益性を測る指標として、連結営業利益率10.5%

 ・従業員一人ひとりのパフォーマンスを高めていきたいとの趣旨から、従業員(海外子会社の従業員は除く)一人当たりの連結売上高25百万円

 非財務目標

 ・社員の健康を最重視したウェルビーイング経営実践の為、時間外勤務時間月あたり平均25時間

 ・社員の働きがいと機会の創出による能力発揮に向け、エンゲージメント指標71以上

   ※株式会社アトラエが提供するエンゲージメント解析ツール「Wevox」を利用し、キューブシステム単体の社員を対象に調査するエンゲージメント指標のやりがい度

 

 当期における状況は、以下のとおりです。

 1点目の指標であるROEは12.0%、2点目の指標である連結営業利益率は7.5%となり、目標未達となりました。資本効率を高め利益率の向上を図ることで、改善に努めます。

 3点目の指標である従業員一人当たりの連結売上高は、23.6百万円となりました。業務の効率化と教育研修の充実、生産体制の強化を図り、最終年度での目標達成に向けて取り組んでまいります。

 4点目と5点目の指標につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ経営 d.指標及び目標」に含まれております。

 

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(3)対処すべき課題

 当社が属する情報サービス産業は、DX需要の継続やAI技術の活用に伴う情報化投資、省力化に向けたソフトウェア投資需要等が増加する見通しですが、一方で、原材料価格の上昇や諸資源の供給面の制約が継続し、金融資本市場の変動リスクは景気の行方を不透明な状況に晒しています。こうした経営環境のもとで、企業には中長期的な課題対策のみならず、リスクに対する機動的な対応が求められます。

 当社グループでは、2021年11月に「サステナビリティ基本方針」を定め、企業価値の向上と社会課題の解決双方の実現に向けてサステナビリティ経営を遂行しております。この経営方針のもとで、中長期経営ビジョン《VISION 2026》の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画で飛躍的な事業成長に向けて取り組んでおります。

 このような状況の中、優先的に取り組むべき重点施策は、以下の通りです。

 

1 )事業の成長

 当社は、これまで培ってきた強みと実績を基に、デジタルビジネス、SIビジネス、エンハンスビジネスの3つを事業の軸として推進しております。第2次中期経営計画では、当社ビジネスモデルを以下の3つのビジネススタイルでお客様に価値を提供し事業成長を加速してまいります。

①受託ビジネス

 ・Sier向け事業

 ・プライム向け事業

②企画ビジネス

 ・サービス提供事業

 

 受託ビジネスにおける「Sier向け事業」では、主要Sierとの協業推進を図るとともに、案件の大規模化やワンストップサービスの確立、モダナイゼーションへの対応による領域拡大を実行してまいります。また、当社の強みである「ソフトウェアエンジニアリング」において競争優位を発揮し、受注案件において様々な業種・業務、新しい技術にチャレンジすることで、さらなる強みの強化に努めます。現状の受託開発における契約形態を見直し、改善することで、高度・多様化するお客様の要望に合致する付加価値の提供を行い、収益性の向上を図ってまいります。

 「プライム向け事業」では、受注規模の拡大ならびに収益性向上の両面を目指してまいります。お客様との関係性をより一層強化するとともに、お客様の事業成長に直結した経営課題に対して、先進技術も用いた積極的な提案活動を行い、既存案件の更なる拡大を図ります。また、当社の保有するノウハウや知的資本を武器に、新領域でのお客様の獲得や事業開拓を行い、成長の軸となる顧客基盤の形成に努めてまいります。

 企画ビジネスにおける「サービス提供事業」では、国内企業のビジネス基盤を変革するサービスの提供を目指し、お客様のビジネス課題を解決するアプリケーションサービスや、高いクラウド技術力によるプラットフォームを活用したプロフェッショナルサービスの提供を実施してまいります。具体的には、Sier企業やクラウドソリューションベンダーとの協業を図るとともに、当社発の人的資本サービス『H・CUBiC』の確立による新たな収益モデルの構築を行ってまいります。

 

 ※当社が構想する人的資本サービス。人的資本経営をトータルに支援するサービスとして、人材情報管理システム、AI技術を活用した分析ソリューション、人材・組織の価値向上支援プロダクトから構成されている。

 

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《人的資本サービス H・CUBiC》

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2 )事業基盤の強化

 当社グループにおいて、事業成長を加速・促進するための事業基盤の強化は、重要な経営課題と捉えております。特に成長の軸となる基盤を以下の4点について、その強化に努めてまいります。

・品質の強化

・生産体制の拡充

・協業推進

・研究投資

 

①「品質の強化」では、不採算案件の発生を防ぐため、小規模プロジェクトを含めてリスクを早期に発見・対応できるように品質管理体制の強化を図ります。

 品質管理においては、プロジェクトの管理とフォローを実施するとともに、お客様の外部環境変化や先進技術、新規開発手法などの新たなリスクにも柔軟に対応することで、継続的な品質向上活動を推進します。また、見積提案段階ではリスクを十分に洗い出し、後工程での品質・コスト・納期への影響を最小限にとどめる対策を講じるとともに、トラブルプロジェクトが発生した場合は、他プロジェクトへの影響を常に注視し、必要に応じて対策本部を設置し迅速に問題対応を行います。

 並行して、プライム案件のさらなる拡大を進めるべく、財務・法務・セキュリティといったリスクへの対応力の強化に努めるとともに、現状の当社独自フレームワークに加え、品質管理ノウハウを蓄積・体系化することで、品質管理体制を確保してまいります。

②「生産体制の拡充」では、全社横断的なリソースコントロールを推進し、開発拠点のヘッドクォーター(本社:ソフトウェア開発本部)を中心にグループ各社やビジネスパートナーとの連携を深めてまいります。また、国内の各拠点(北海道、名古屋、大阪、福岡)では、生産性向上に資する施策の推進と生産革新への投資を積極的に進めるとともに、開発拠点の拡充による安定した生産体制の構築に努めてまいります。

 ビジネスパートナー戦略においては多様な国内外パートナーとの協業を拡大し、新規ビジネスパートナーとの関係構築に取り組みます。

 海外の開発拠点の一つであるベトナムキューブシステムでは、人材の育成を強化し、オンサイトでのブリッジエンジニアを活用してオフショア開発案件の拡大を図り、グループ全体としての総合力を高めてまいります。

③「協業推進」では、主要なSierとのシナジーを更に生み出すべく、協業テーマの具体化を通じて多様な社会課題の解決促進と顧客サービスの充実・拡大を通じて持続的な成長を目指してまいります。

 また、当社はSier案件を上流から下流までワンストップで請負うソフトウェアエンジニアリング(ワンストップサービス)を志向し、取り組んでおります。当社の担当範囲の拡大や生産技術革新、生産性の向上などを図り、開発後のエンハンスも視野に入れた事業活動を展開することで、お客様との関係性を向上してまいります。

 社内では提案力強化研修や営業ナレッジの共有を推進し、全社一丸となって付加価値の向上に努めてまいります。これらの取り組みにより、協業を通じた事業成長と社会貢献を実現してまいります。

④「研究投資」に関しては、事業成長の実現を見据え、顧客ニーズやマーケット動向を的確にとらえながら、AIやIoTをはじめとする先進技術を積極的に取り込んでまいります。また、全社横断での中期投資活動を通じ、生産・運用関連技術や新規事業創発、エンゲージメント向上といった多様なテーマに取り組み、研究プロジェクトの推進を加速させております。今後もプロトタイプの設計・製作・実証実験を積極的に展開し、AI活用を含めた新たな分野への研究成果を新規事業へと展開してまいります。

 また、新規ソリューションサービスの調査・研究開発を着実に進めるとともに、当社が培ってきた強みであるソフトウェアエンジニアリングの知的資産化を図り、競争優位性のさらなる強化に努めてまいります。

 

 

3 )経営基盤の強化

 当社グループでは、事業を支える経営基盤の強化・構築は重要な経営課題と位置づけ、多様な活動に取り組んでおります。第2次中期経営計画では、3点に注力することで持続的に成長してまいります。

 ・人的資本の充実

 ・内部統制/ガバナンス

 ・企業風土改革

 

①「人的資本の充実」では、V2026第2次中期経営計画の実現に向けた人的資本経営の確立を目指し、「量的充実」として社会の要請に応えるエンジニアリング力の増強、「質的充実」として社員のパフォーマンスを高める育成・制度・報酬の向上、そして「意欲の向上」として働き方や環境改善によるウェルビーイング経営の推進、これら3つを柱に実践を進めています。

 具体的施策として、量的充実においては、新卒・中途両面で採用チャネルを多様化し、地方での採用やアルムナイ、ヘッドハンティング等による多様な人材の確保に取り組んでまいります。質的充実においては、若手リーダーの早期育成を目的としたプログラムや、スペシャリスト・マネジメントなど各層への成長支援施策、eラーニングや外部研修など実践的な学びの機会も提供してまいります。さらに、社員一人ひとりのキャリアや目標に合わせた育成計画を作成し、PDCAを回しながら成長をサポートしてまいります。

 最後に意欲の向上においては、新人事制度や柔軟な働き方施策、多様なキャリアパスの実現を促進してまいります。成績評価やMVP制度による報酬・処遇面の向上も図ってまいります。

 あわせて、ウェルビーイング経営や健康経営、快適なオフィス環境の整備にも注力し、社員がやりがいや働きがいを実感できる職場づくりに取り組むことで、社員との更なるエンゲージメント向上に努めてまいります。

②「内部統制/ガバナンス」では、市場や顧客に満足いただけるソリューションサービスを提供し続けるために、公正かつ効率的な経営を支えるコーポレートガバナンスを重要課題と捉え、その充実に努めております。当社のガバナンス体制は、監督・モニタリング、適正かつ機動的な意思決定に資するだけでなく、会社の経営プロセスを有効かつ効率的に機能させるために多面的な助言を行うことで、その実効性を高めております。特に事業戦略、人事戦略、コンプライアンス、セキュリティといった重要課題に対する経営の取り組み状況を注視し、対策の補強や適正化に貢献しております。また、パンデミックや、その他災害への対策、地政学的リスクなどを加味した事業継続プログラム(BCP)の改善も進めていくことで、持続可能な運営に努めてまいります。

③「企業風土改革」では、経営理念に基づき、社会発展のために果たすべき義務や役割を理解し、社員一人ひとりが事業や地域貢献などの活動を通じて企業価値向上と社会課題解決の実現に向けた意識改革を進めてまいります。その基盤となるコンプライアンスの実践を重要な経営課題の一つとして位置づけ、「法令や規則を守ること」に留まらず「会社に関わる全てのステークホルダーの信頼に応えること」を当社のあるべき姿として意識醸成に努めております。

 この考え方に基づいて、社員と会社が共に成長し、共に成果を分かち合うウェルビーイング経営を志向してまいります。そして、地域社会発展への貢献や環境にやさしい経営の実践、企業活動における人権尊重などにも取り組んでまいります。

 

 これらの施策により、2026年3月期の連結業績の見通しにつきましては、売上高19,500百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,750百万円(同26.7%増)、経常利益1,760百万円(同26.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,220百万円(同3.3%減)を見込んでおります。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、2025年3月期に退職給付制度の移行による特別利益の計上があったため2025年3月期から減少しております。

 

 

《価値創造プロセス》

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ経営

 当社グループは、社員一人ひとりが事業を通じて社会に貢献することで、企業価値向上を目指しています。社会課題の解決やSDGsへの貢献に向けて、ステークホルダーの声を経営に生かし、価値創造モデルを循環させ、持続可能な成長を実現していきます。

 

a.サステナビリティガバナンス

 当社グループは気候変動を重要な経営課題のひとつとして捉えています。2021年11月にサステナビリティ基本方針を制定し、社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ・ガバナンス委員会」を中心にマネジメント体制を構築いたしました。企業価値の向上や中長期的なESG 課題の解決の実践に向け、サステナビリティ方針・目標の決定や目標に対する取組の進捗状況を確認することでサステナビリティ経営を推進しております。サステナビリティ・ガバナンス委員会は、四半期に1回以上の開催を定め、半期に一度、気候変動関連の目標設定や取組に関する進捗状況や結果について検討しています。気候関連取組を円滑に進めるための事務局機能を果たすサステナビリティ推進室が検討した事項について報告を受け、対応方針を審議しています。審議した重要な事項については取締役会へ内容を報告し、モニタリング・監督を行っております。

 前期のサステナビリティ・ガバナンス委員会の実績として6回開催し、うち気候変動に関する議論は3回、人的資本に関する議論は4回行われました。

 

《サステナビリティ推進体制図》

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b.戦略

 当社グループは、社会発展のために果たすべき義務や役割を理解し、社員一人ひとりが事業や地域貢献などの活動を通じて企業価値向上と社会課題解決の双方を実現することを目的として、サステナビリティ基本方針に則り、取組を実施しております。

 SDGsが示す持続可能な社会の実現は、当社の経営理念の実践にもつながります。当社グループは、お客様だけでなく、お客様それぞれのステークホルダー、そして社会全体に対して、高付加価値なITサービスを創造・提供することでSDGsの達成に貢献してまいります。

 

《当社グループが取り組む重要課題(マテリアリティ)》

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c.リスク管理

 当社グループでは、内部統制・環境・人材確保・情報セキュリティなど、当社にとって経営を脅かすリスクを多面的に捉え、統合的なリスクマネジメントの観点から経営基盤を強化する為、社長執行役員を議長とする「内部統制・統合リスク管理会議」を設置しております。当会議にてリスクアセスメントを行い、経営に対する影響度が高いものを重要なリスクと捉え、定期的にモニタリングしております。

 気候変動に関するリスクの特定については、年に1回、サステナビリティ推進室が中心となって検討しております。環境、社会の動向も踏まえた上で、当社グループのバリューチェーンの全体を対象として、TCFD最終報告書で提示されているリスク領域について、広くリスクを洗い出しています。特定されたリスクと機会については、その要員の発現可能性や発現時期を考慮しつつ、事業運営や自社レピュテーションへの影響を踏まえて、収益やコストへの財務的影響を簡易的に評価し、財務的影響の大きさに合わせて影響度を測っています。影響度を考慮しながら、優先的に検討するリスク・機会を定め、シナリオ分析を用いた定量的な分析を進めています。特定したリスクと機会は、サステナビリティ・ガバナンス委員会に報告され、リスクと機会への対応方針が検討されます。また、代表取締役社長執行役員はリスクと機会の分析結果を受け、これを事業戦略に反映させています。サステナビリティ・ガバナンス委員会では半年に1回リスクと機会への対応状況を確認しています。

 気候関連のリスクの特定、評価、対応においては、その他のリスクと同様、「内部統制・統合リスク管理会議」によってその状況がモニタリングされ、全社総合的なリスク管理プロセスに統合されています。

 

《重要課題の分析》

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d.指標及び目標

 当社グループでは、中期経営計画において非財務目標として「ダイバーシティ」「働き方改革」「コミュニケーション活性化」「人材育成」「環境」を最重要課題としてKGIを定め、事業年度ごとのKPIを設定しています。

 「環境」のGHG排出量については、2020年度以前は東京本社のScope1,2※1のみを算定していましたが、2021年度より、GHG排出量算定の範囲をグループ全体に拡大し、Scope3※2排出量も含めたバリューチェーン全体のGHG排出量を算定しています。

 

※1 Scope1:自らの燃料の燃焼や工業プロセスに伴う直接排出、Scope2:他社から供給された電気・熱・蒸気などのエネルギー使用に伴う間接排出

※2 Scope3:Scope1・2以外の間接排出

 

 

 非財務目標についての2025年3月期の実績および第2次中期経営計画の目標値は、以下のとおりです。

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(2)気候変動関連の取組

 当社グループはサステナビリティ経営において、SDGsに掲げられた社会課題に対してもその重要性を認識し、積極的に取組を進めています。中でも環境問題については「事業活動を通じて環境にやさしい経営を実践し、環境負荷の低減と持続可能な社会の実現に貢献する」という環境方針のもと、環境マネジメントシステムの継続的な向上に努めています。

 

 なお、ガバナンス及びリスク管理の考え方に関しましては、(1)サステナビリティ経営に含まれております。

 

・戦略

 当社の事業が気候関連のリスクに対してレジリエンスを有するかどうか、また当社の事業に影響を与える機会にはどのようなものがあるかを明らかにするため、以下の通り分析を実施いたしました。

 

・気候関連のリスクおよび機会の洗い出しおよび定性評価

 当社の事業に影響を与えうる気候関連のリスクと機会について洗い出しを行い、それぞれについて影響度、時間軸、そして発現可能性について検討を行いました。気候関連のリスクおよび機会は移行リスクと物理的リスク、機会に大きく分類されますが、それらをそれぞれ以下の通り細分化して洗い出しを行いました。

 

 それぞれのリスクおよび機会について、その要因や事業影響の説明、財務的影響度、時間軸や発現可能性について検討を行い、下表の通り整理しました。

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《移行リスク》

領域

要因

事業影響

発現時期

発現
可能性

財務
影響度

政策

炭素税価格の上昇、新たな環境税の導入

炭素価格上昇影響による税負担、化石燃料由来の電力料金の増加によるコストの増加

短~長期

炭素税価格の上昇

炭素価格上昇影響が協力会社の業務委託費に転嫁されることによる調達費用の増加

短~中期

新たな環境税の導入、省エネ法規制の強化

設備更新・投資負担の増加

中~長期

情報開示義務の強化

企業情報開示義務の強化への対応のためのコストの増加

短~中期

市場

パートナー企業における気候変動対応の遅れ

下記の取組によるコストの増加
①Scope3カテゴリー1の削減等、気候変動対応に取り組めるパートナー企業への単価アップ
②既存主要パートナーへの気候変動対応に関する取組導入支援

短~中期

評判

投資家からの評価の変化

投資家からのGHG削減要請・気候変動問題への対応が不十分と評価され、企業価値が低下することによる株価の低下

短~中期

 

 

《物理的リスク》

領域

要因

事業影響

発現時期

発現
可能性

財務
影響度

急性

風水災等の気象災害の増加・激甚化

自社拠点の被災による建物被害や事業停止、取引先企業の被災による機会損失

中~長期

大雨、強風等の極端気象の増加

交通網やネットワーク等のインフラ寸断による生産性の低下

中~長期

慢性

慢性的な海水面上昇

自社拠点または周辺地域の水没に伴う移転、機会損失

長期

熱波および慢性的な気温上昇

冷房使用量の増加、機器のメンテナンス・更新費用の増加

中~長期

従業員のヒートストレスや感染症リスクの高まりによる体調不良、生産性の低下

中~長期

 

《機会》

領域

要因

事業影響

発現時期

発現
可能性

財務
影響度

製品とサービス

低炭素サービス、気候変動対応サービス需要の高まり

顧客のカーボンニュートラル対応に合わせたサービスの開発(炭素会計のブロックチェーン化、管理システム)による需要の増加に伴う売上の増加

短~中期

低炭素サービス、気候変動対応サービス需要の高まり

顧客における気象災害の増加、激甚化への備えや電力効率改善取組に伴うハイクオリティクラウド環境への移行需要の増加に伴う売上の増加

短~中期

エネルギー源

エネルギー調達の見直し、再生可能エネルギーの活用

再生可能エネルギーの導入や電気自動車の導入による炭素税影響の軽減、エネルギー調達費用の減少

短~中期

レジリエンス

気候変動関連の情報開示の強化

企業情報開示の充実を通じたESG投資獲得機会の増大

短~中期

 

・シナリオ分析のテーマ設定

 洗い出した気候関連リスクのうち、次のテーマについてシナリオ分析を実施しました。

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・シナリオ分析結果

 ・[移行リスク]炭素税の導入およびエネルギー価格の変動の影響

 洗い出した気候関連リスクのうち、「炭素税の導入およびエネルギー価格の変動の影響」をテーマとしてシナリオ分析を実施しました。

 

 ・分析の前提条件

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 本シナリオ分析にあたっては、2030年と2050年を評価時点としています。複数の温度上昇のシナリオを想定し、それぞれについて当社事業活動の将来想定(省エネルギー活動を特段行わない場合と省エネルギー活動を行う場合の二通り)もあわせて考慮することで、当社事業に対する財務的影響をより詳細に把握できるようにしています。

 分析において採用したシナリオは、国際的に通用する国際エネルギー機関(IEA)による世界エネルギー見通し(WEO)に示されるSTEPS、APS、NZEを主なものとしていますが、一部のパラメータは気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)によるシナリオに基づいて補完しています。

 

・分析結果

 以上の想定に基づいて分析した結果は以下の通りです。

 

 「成り行き」においては、世の中が脱炭素にこれ以上進まないことを想定しているため、当社の事業活動における省エネルギー活動を行わない場合のみを考慮します。このシナリオでは、2030年、2050年にかけて当社グループが調達する各種エネルギーの価格は低下することが見込まれますが、事業規模の拡大を踏まえると、2030年に1千万円弱、2050年に5千万円弱のエネルギー価格の財務的影響が増加する見込みです。炭素価格による影響は2030年で5百万円、2050年で1千万円の増加を見込んでいます。

 「脱炭素」においては、当社の事業活動における省エネルギー活動を行わない場合と省エネルギー活動を行う場合を想定します。省エネ活動を推進する場合とそうでない場合を比較して、2030年にはその影響は数百万円と軽微ですが、2050年にはエネルギー価格の財務的影響において1千万円以上の効果が生まれると見込んでいます。再エネの導入を進めていくことで、2030年時点においても特にエネルギー価格による財務的影響を改善できる見込みです。

 「ネットゼロ」においては、当社の事業活動における省エネルギー活動を行わない場合と省エネルギー活動を行う場合を想定します。2030年には電力価格が上昇することでエネルギー価格による財務的影響が他のシナリオよりも大きくなりますが、2050年にむけて電力価格の下落が見込まれることで、「脱炭素」シナリオよりもエネルギー価格の財務的影響の増加幅は小さくなります。「脱炭素」シナリオ同様、再エネを推進することで、2030年の財務的影響を軽微に抑えられる見込みです。

 

・対応戦略

 以上の通り、当社グループ事業の将来想定に基づいて、2030年および2050年における複数のシナリオにおける当社グループの炭素価格負担やエネルギー負担の見込みを求めましたが、財務的影響は限定的であることが確認できました。今回の当社想定の範囲においては、該当する気候変動リスク要因に対するレジリエンスを有していると考えられます。

 今後計画している省エネ活動や再エネ導入といった取組を進めることで、よりレジリエンスを高めていきます。

 また、今後も、リスク・機会の内、当社グループの事業との関連性が高いものについて、必要に応じてシナリオ分析を実施し、対応戦略の検討を進めるなど、情報開示の充実化を進めてまいります。

 

・[物理的リスク]気候変動に伴う気象災害の増加が事業拠点に与える影響についてのハザードスクリーニング

 気候変動に伴う気象災害の増加が当社グループの事業に与える影響を予測するため、キューブシステムグループの国内外7拠点(国内:5拠点、海外:2拠点)について、影響の可能性を評価し、物理的リスクの影響について優先的に調査すべき拠点のスクリーニングを行いました。

 

・分析の前提条件

 分析では、洪水、高潮のリスクの把握を目的に、公開資料や外部専門家からの提供資料等に基づき、現在気候下、及び2℃シナリオ(RCP2.6またはSSP1-2.6)及び4℃シナリオ(RCP8.5またはSSP5-8.5)の気候変動シナリオ下の2030年、2050年、2090年について、5段階のハザードグレードを付与し、その変化について評価しました。

 

・分析結果

 洪水リスクについては、リスクに留意すべき(グレードB以上)と評価された拠点が現在気候下において0拠点、気候変動の影響を最も受けるSSP5-8.5下(2050 年、2090年)において1拠点でした。高潮リスクについては、全拠点が高潮による浸水ハザードは極めて低いと考えられる(グレードE)と評価され、気候変動による将来変化は見られませんでした。

 

 《物理的リスク評価結果(対象:国内外7拠点)》

※グレードB以上:リスクに留意する必要があり、より詳細なリスク評価の実施が望まれる

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・対応戦略

 今回のシナリオ分析において浸水リスクに留意すべきと評価された拠点については、リスク評価の実施を検討し、その結果に応じて浸水対策やBCPの作成を進めてまいります。

 

具体的な取組として、以下の内容を行っております。

 

・TCFDへの取組

 当社グループは、気候変動問題を重要な経営課題のひとつとして捉えています。当社では、気候関連財務情報の開示の重要性を認識し、2021年11月にTCFD最終報告書に対する支持を表明するとともに、TCFD提言に基づく適切な情報開示の拡充に取り組んでいます。また、SBTの水準に基づき当社が排出する温室効果ガスの排出量の削減に向けた取組を進めております。

 

 ・気候変動リスク・機会の評価に用いる指標

 気候変動のリスクを評価するにあたっては、温室効果ガス(GHG)排出量、エネルギー使用量、及び再生可能エネルギーの使用比率を指標として用いています。

 また、2022年度に、SBT認定基準※1に基づき、2021年度を基準年とした2030年までのGHG排出量削減目標を定めました。この削減目標の達成度を第2次中期経営計画の重要経営指標として設定し、毎年削減目標達成のための施策やアクションプランを立案するとともに、執行役員を兼務する取締役を対象とした業績連動型株式報酬におけるインセンティブとしています。GHG排出量の各年度別の削減目標に対する取組及び削減実績に基づいて達成度を評価し、達成度に応じてポイントを付与し、付与されたポイントは中期経営計画の最終年度終了後に株式に換算され、報酬として付与しています。

 

 

 ・GHG排出量目標と達成状況

 キューブシステムグループでは、2020年度以前は東京本社のScope1,2のみを算定していましたが、2021年度より、GHG排出量算定の範囲をグループ全体に拡大し、Scope3排出量も含めたバリューチェーン全体のGHG排出量を算定しています。

 

2021年度を基準年として、2030年までのGHG排出量削減目標を下記のとおり定めています。

・Scope1+2        2030年度までに38%削減(2021年度比)

・Scope3(カテゴリー1) 2030年度までに23%削減(2022年度比)

 

 GHG排出量の実績は以下のとおりです。今後、目標の達成に向けて、再生可能エネルギーの活用等を通したGHG排出量削減への取組を着実に進めてまいります。

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 なお、当社では、2005年にISO14001を取得し、これに準拠した企業活動を実践しています。環境評価の情報開示に国際的に取り組む評価機関であるCDPより、2024年度の気候変動に関する調査において、自社の環境リスクやその影響を認識し行動している、との評価を受けております。今後も事業活動において環境への配慮はもとより、具体的な数値目標を定めて定期的な見直しを図りつつ、継続的改善に取り組んでまいります。

 

 

(3)人的資本経営の取組

 当社経営基盤のひとつは「人材」であり、社員一人ひとりが多様なプロフェッショナル人材として活躍することが、持続的成長のためにも重要となります。そのため、社員の能力・特性を最大限に発揮するための人事制度や人材育成施策を重要課題に位置づけ、取組を推進しております。

 なお、ガバナンス及び戦略に関しましては、(1)サステナビリティ経営に含まれております。

 

・リスク管理

 当社が属するIT業界では、慢性的な技術者不足という課題があります。人材の流動性が高まる中、採用競争力が低下して計画通りの人材獲得が進まなくなること、社員の離職により生産性が低下することが最大のリスクと考えております。社員に成長の機会を提供し、働きやすい環境を整えることで、リスク低減に努めております。

 なお、リスクマネジメントについては、(1)サステナビリティ経営 c.リスク管理に記載のとおりです。

 

具体的な取組として、以下の内容を行っております。

 

・人材についての考え方

 当社は求める人材を、「成果と期待価値に溢れ、組織とともに成長していく人材」として『自立したビジネスパーソン』を目指しています。社員一人ひとりが多様性をもって、互いに尊重し合い、自らビジネスを創造し、品質と効率をお客さまに提供し、企業人として成長していくことで、より高い社会貢献を実現する人材です。

 また、当社は人事の基本的な考え方として「成果と期待価値をもとに処遇の向上を目指す」としています。

 当社における成果とは日々の業務活動の中で、行動目標に対して実践した行動が発揮された度合いを言い、その発揮度合いを高め続けるのが当社の成果主義です。そして、過去の成果をベースに将来を期待され、成長の機会が与えられます。この期待によってさらなる成果をあげ成長していくとともにそれに見合った処遇とすることを基本としています。

 そして『自立したビジネスパーソン』が、互いに尊敬し組織(チーム)としての成果を高め、感動を共有し、ともに喜び合う企業風土の醸成が、企業価値向上や社会的価値の創出につながると考えています。

 このような考えのもと、当社は人的資本充実のためのPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを継続的に実践し、多様なプロフェッショナル人材の育成や活躍を目指します。

 

・人材育成の取組

 中長期経営ビジョンV2026の目標達成に向けて、当社人材育成の目的・目標を「将来の事業を支える人材を育成し、必要な人材ポートフォリオを形成すること」と設定しました。人材育成スキームを確立し社員個々の成長を支援すること、人材育成を大切にする企業風土を醸成していくことなどを重点目標として掲げ、推進しております。

具体的な育成すべき人材は、①「プロフェッショナルIT人材」、②「コーポレートスタッフ人材」、③「組織マネジメント人材」の3カテゴリに分類しました。

 

・キャリアフィールドの設定

 キャリアフィールドは、人材育成と、社員の活躍の場を社内的に認知するための枠組みです。具体的な人材イメージを明確にするために、「期待する業務成果」「役割・業務範囲」「業務経験・実績」という3つの構成要素で定義しています。各キャリアフィールドに応じた目標設定を行い、実践していくことで、社員の成長と人的価値の向上を図っています。

 「プロフェッショナルIT人材」では、12種類のキャリアフィールドを設定しています。入社後ベースとなるエンジニア基礎力を獲得しながら実績を積み、中堅以上ではエンジニアとしての専門領域を明確にし、専門性を発揮することでビジネスに貢献できる人材を育成しています。

 「コーポレートスタッフ人材」は、役割業務が明確なため若手のうちにスタッフとしての土台づくりと実務経験を積むこと、中堅以上では各分野において専門性を高めています。

 「組織マネジメント人材」も、プロフェッショナルIT人材、コーポレートスタッフ人材としてのキャリアフィールドはありますが、組織責任者として組織運営や人材育成など、ビジネス推進に注力・実施しています。それぞれの段階に応じて、社員が成長し、企業価値向上の一翼を担う人材になるための育成を目指しています。

 また、入社2年目から7年目までの若手社員を中心に定期的なスキルチェックを実施し、一人ひとりの強み・弱みを踏まえた「現場OJT」が出来るよう、スキルの「見える化」の仕組み作りを推進しております。定期的に自身のスキルを洗い出してスキル目標に対する進捗度を上司と確認し、その専門性を高めるための『プロフェッショナル研修』や、層別に期待されるスキル及びマインドセットを習得するための『階層別研修』により知識を習得するという、PDCAの仕組みを作り運用しております。

 

《人材育成の重点目標》

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・プロフェッショナルIT人材育成

 プロフェッショナルIT人材は、年次によって技術分野のハイエンドエンジニアとして段階的なスキルアップを図っていきます。この育成過程においては「いつ、どのような経験を積ませるか」成長の意識づけや気づきをどう与えるか」といった「場」の提供と、育成指導者が重要になります。当社ではOJTこそが人材育成の基本と位置づけ、育成指導者が意図的・計画的に人材を育成していくことを推進しております。

 

・コーポレートスタッフ人材育成

 コーポレートスタッフ人材は、基本的な考え方として、経験の浅いうちは「アソシエイトCS」として主要な業務スキルの積み上げを測り、幅広くスタッフとしての実務を担う人材を育成します。その後、一定レベルの専門性と実務経験が身についた中堅層では、本人の能力や意欲、今後の本人の方向性をふまえ、「プロフェッショナルCS」として、専門分野においてさらに高度な専門知識・スキルを磨き、職人肌のプロ人事・プロ経理等を育成します。一方で、コーポレート全体の管理・計画等の企画、マネジメントができる人材の育成も推進しております。

 

《人材育成のあり方》

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・ダイバーシティ促進

 当社では、ダイバーシティをマテリアリティとして位置づけ、取組を推進しています。性別・年齢・国籍・社会的地位・障がいの有無・価値観などの多様性を互いに尊重し、認め合うことで、多様な人材がそれぞれの状況に合わせた働き方で活躍し成長することができるよう、制度の拡充や環境整備、意識改革を進めています。中でも、多くの女性社員が在籍する当社での女性活躍は、今後の成長・発展に欠かせないものとして注力しております。中期経営ビジョンV2026のミッションステートメントである「Communication & Mutual Respect」の精神のもと、女性をはじめとする多様な人材が集い、共に活躍できる環境を整えることで優秀な人材を確保・育成し、企業価値の向上に取り組んでおります。

 当社では、中期経営計画および事業計画の重要経営指標として女性活躍に係る指標を設定し、さまざまな施策によりダイバーシティを促進しております。具体的には、社長執行役員からダイバーシティや女性活躍、働き方に関するメッセージを伝える取組や、率直な意見交換を目的とした女性社員と社長とのタウンミーティング、働く女性が「仕事も人生も楽しく、自分らしく、やりがいを持って取り組める」よう働きかけをし、今よりも一歩前に進んで仕事に取り組めるよう「自立」を促すことを目的としたビジョナリーウーマン研修等を行っております。これらの取組を通じ、「仕事と家庭の両立」に向けた課題解決を進めるとともに、女性社員のキャリアアップを目指し、女性管理職候補者を各本部で選定し、育成計画、適切な経験の蓄積等を意識し、さらに女性活躍に取り組んでおります。

 2022年度に設立された業務支援グループは、障がいのある方の雇用促進、働きやすさの改善等を行い、一人ひとりが自らの力を発揮し、業務にやりがいを感じられる職場環境を作ることをミッションとしております。また、障がいのある社員には、会社に対して貢献できる業務を一人ひとりの特性に応じて担ってもらうことで、働きがいの創出やエンゲージメント向上にもつなげています。具体的には、RPAを活用した業務自動化や福利厚生促進、本の貸出運用等を、主体となって進めてもらっています。加えて、社内ポータルサイトを開設し、メンバーのパラスポーツ活動を定期的に発信することで、他部門の社員とのコミュニケーションや相互理解にもつながっています。また、障がいのある社員と業務上での接し方をテーマとした研修「精神・発達しごとサポーター養成講座」も開催しており、障がいのある社員を含めお互いが双方で理解し合えるよう取り組んでおります。

 

・健康経営

 当社グループは、「心(人間力)」「技(知識・技術・スキル)」「体(心身の健康)」という三位一体の人づくりに、会社および従業員が一丸となって取り組んでおります。当社グループの継続的な成長を実現するためには、主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠です。その健康を支える方針のひとつとして「健康経営」が必須であるとの考えのもと、さまざまな施策を実施しております。

 非接触や分散化など働き方が多様化する中、コミュニケーションにおける課題が顕在化しております。当社では、社員一人ひとりが経営やV2026を理解し積極的に経営に参画するべく、全部室を対象に社長とのミーティングを実施しております。また、ニューノーマル時代における社員間のエンゲージメント強化を実現する自社プロダクト(スマイルシェアプロダクト)を活用し、コミュニケーションの活性化を図っております。

 当社は、従業員が心身ともに健康な状態で働ける環境を整備することが、お客様への最高のパフォーマンス発揮に繋がるとの考えのもと、2017年より働き方改革推進委員会を設置しております。従業員の仕事のやりがいや心身の健康、職場の活気・活力を「働きがい指標」として設定し、外部環境の変化に合わせた働き方を推進しております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について、現時点で想定される主なものを記載いたしました。
 なお、文中記載の事項のうち将来に関するものについては、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループを取り巻く事業環境について

 当社グループが属する情報サービス産業では、DX需要の継続やAI技術の活用に伴う情報化投資、省力化に向けたソフトウェア投資需要等が増加する見通しです。しかしながら、デジタル人材の供給面に目を向けると、慢性的なシステム/ネットワークエンジニアの不足が継続しております。

 当社では継続した積極的技術投資を行い対応に努めておりますが、他業種からの新規参入や海外企業の台頭による想定以上の価格競争の発生、DX等による顧客のビジネスモデルの変革や広範な領域における急速な技術革新が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(2)特定の取引先への依存度について

 当社グループの当連結会計年度末における野村総合研究所グループ及び富士通グループへの販売実績の総販売実績に対する割合は、それぞれ49.0%及び23.5%となっております。このため、上記顧客の受注動向等は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 これに対して、当社グループは常にエンドユーザーに密着したサービスを提供することを志向し、上記顧客との関係を維持しながら、新規領域の獲得を目指し、サービスの最終的な利用者であるエンドユーザーとの緊密な関係の構築に注力することで、当社グループの経営成績に及ぼす悪影響の軽減を図っております。

 

(3)プロジェクトの品質・損益管理について

 当社グループでは、システム開発技術の向上・蓄積及び将来の受注拡大を目的として、収益性の低いプロジェクト又は赤字になると見込まれるプロジェクトであっても積極的に受託する可能性があります。また、当社グループの提供するサービスは原則として請負契約となるため、受注時に採算が取れると見込まれるプロジェクトであっても、想定外の仕様変更や当初の見積りを超える追加作業の発生等により収益性が低下し、不採算となる可能性があります。

 今後、DX事業の推進により顧客から要求されるシステムの高難度化が進み、品質の確保が困難な局面は増加傾向にあると考えられます。また、顧客との認識相違や当社の技術力・マネジメント不足による品質不良が発生した場合、2020年4月に施行された民法改正での契約不適合期間の延長による長期の修補責任や、売上の減額請求を行われる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 その対策として、システム開発会議において工程ごとのレビューを徹底することでプロジェクトに内包するリスクの早期共有や見える化を図るとともに、部門QMSの基本を徹底することでリスク管理を行い、各プロジェクトに対するモニタリング機能の強化による品質向上を図っております。さらにDX事業を筆頭とし契約形態を準委任契約へ変更することでリスクコントロールしてまいります。

 

(4)情報管理・情報漏洩に関するリスク

 当社グループが顧客に提供するシステムソリューション・サービスにおいては、当社グループの従業員及び当社グループが委託するビジネスパートナーの従業員が、顧客企業の保有する機密情報へアクセス可能な環境にある場合があります。当社グループでは顧客及び従業員情報の保全や機密情報の適切な管理及び情報セキュリティ・マネジメントシステムの強化・改善を重要課題と位置づけ、昨今のビジネス環境の変化によるセキュリティリスクへの対応も含め、様々な取組みを行っております。また、当社の社内環境や開発環境がサイバー攻撃にさらされるというリスクについても適正な対策を行っております。しかしながら、これらの施策にもかかわらず個人情報や企業情報が万一漏洩した場合には、損害賠償責任を負う可能性があるほか、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)事業継続について

 当社グループは、各地で相次ぐ災害への対策、地政学的リスク、また災害等の発生の影響により顧客へのサービス提供の中断が不可避となった場合等を加味した事業継続プログラム(BCP)の再構築を行い、その実効性の点検や課題の解決を図っております。しかしながら、災害規模が想定よりも甚大な場合には顧客と合意した水準でのサービス提供が困難となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(6)海外子会社を含めた海外での事業活動について

 当社グループは、海外での事業拡大を進めております。しかし多くの海外市場において、日本とは異なる法制度、商慣習及び労使関係や経済の動向並びに為替相場の変動、その他政治的及び社会的要因といった様々な要因の発生が見込まれ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(7)投資有価証券の価値の棄損について

 当社グループは、取引先との関係強化や情報収集を目的に保有する上場株式の他に、業務提携等で取得した未上場株式や資金運用を目的とする債券を保有しております。また、新技術を保有するベンチャー企業の発掘を目的に投資事業組合への出資を行っております。これらの投資有価証券は、発行体の業績悪化や経営破綻等が発生した場合には、会計上減損処理を行うことや、投資額を回収できないことがあり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 これらのリスクに対して、市場並びに運用先のモニタリングを充実させ、適切な対処を行ってまいります。

 

(8)人材確保に関するリスク

 当社グループの事業拡大にとって、優秀な人材の確保や人材の育成は、重要な経営課題であると認識しております。当社グループが属する情報サービス産業では慢性的なシステム/ネットワークエンジニアの不足が続いており、今後、計画通りの人材を確保できない場合や人材の流出に加え、プロフェッショナルIT人材の育成に遅れが生じる場合には、生産性の高いプロジェクト遂行や案件獲得の機会損失を招く恐れがあり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対して、当期より新たに、役員・従業員が採用候補者を会社に紹介するリファラル採用制度を導入いたしました。計画的な採用活動を通じて新卒採用及び中途採用を実施し、人材の確保を図ると同時に、人材育成の仕組み作りやウェルビーイング向上等の施策を引き続き実施してまいります。

 

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善に伴う所得の向上や円安に伴う輸出の拡大、インバウンドの増加に伴う消費の拡大等が牽引し、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の政策変更を起点とする世界経済の不確実性は高まっており、世界的な資源・原材料価格の高騰ならびに物価の上昇等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 このような状況下において、情報サービス産業では、顧客のサービスの高付加価値化ならびに人材不足を背景としたDX(ビジネス変革・プロセス変革)需要は継続しており、AI技術の活用に伴う情報化投資やその導入支援が活発化しております。また、レガシーな基幹システムのクラウドへの移行(Lift)、利便性の向上に向けたシステム構築(Shift)に対するニーズも根強く、今後もIT投資は拡大する見通しです。一方で、長期化するIT人材の不足から生じる受注機会の損失や人材獲得競争の激化に起因する人件費の増加により、収益環境が悪化する懸念があります。

 当社グループにおきましては、デジタルビジネスおよびエンハンスビジネスにおいて、公共分野やエネルギー分野での受注が拡大する中、リソースの最適化や生産体制の確保に努め、業容拡大に向けた施策を実施してまいりました。しかしながら、当初見込んでいた高収益案件が減少したことや、不採算案件等の発生により利益水準が低下しました。また、人事制度の改定による社員処遇の向上およびインセンティブ・プランの導入、新入社員の採用拡大等により人件費が11%上昇したことも要因の一つです。加えて、海外子会社における教育投資や、社員のエンゲージメント強化施策の実施等により、製造経費および販管費が大幅に増加しました。なお、退職給付制度の改定に伴い発生した退職給付制度改定益と政策保有株式の保有方針に基づく投資有価証券の売却により、特別利益を計上しております。当連結会計年度における業績は売上高18,351百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は1,380百万円(同10.1%減)、経常利益は1,393百万円(同12.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,261百万円(同18.2%増)となりました。

 

 ビジネスモデル別の業績を示すと次のとおりであります。

 

(デジタルビジネス)

 コンサルティングおよび先進技術支援案件の受注拡大により、売上高は808百万円(前期比43.4%増)となりました。

(SIビジネス)

 地銀・ネットバンクおよび教育事業会社向け案件の縮小により、売上高は6,239百万円(同6.5%減)となりました。

(エンハンスビジネス)

 中央省庁向け等の既存領域での派生開発案件の受注が進み、売上高は11,303百万円(同4.8%増)となりました。

 

b.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は9,806百万円となり、前連結会計年度末と比べ172百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金の減少601百万円、契約資産の増加207百万円、売掛金の増加197百万円によるものです。また、固定資産合計は4,560百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,050百万円増加いたしました。これは主に退職給付に係る資産の増加750百万円、敷金及び保証金の増加123百万円、投資有価証券の増加102百万円によるものです。

 これらの結果、総資産は14,366百万円となり、前連結会計年度末に比べ878百万円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は2,387百万円となり、前連結会計年度末に比べ72百万円減少いたしました。これは主に預り金の減少78百万円、未払消費税等の減少71百万円、未払法人税等の減少64百万円、賞与引当金の増加108百万円によるものです。固定負債は1,104百万円となり、前連結会計年度末に比べ209百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債の増加233百万円、資産除去債務の増加53百万円、株式報酬引当金の減少105百万円によるものです。

 これらの結果、負債合計は3,491百万円となり、前連結会計年度末に比べ137百万円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は10,874百万円となり、前連結会計年度末に比べ740百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加631百万円、退職給付に係る調整累計額の増加183百万円、その他有価証券評価差額金の増加80百万円、自己株式の取得による減少151百万円によるものです。

 この結果、自己資本比率は75.7%(前連結会計年度末は75.1%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ601百万円減少し、6,213百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は255百万円(前期比75.5%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上額1,771百万円、法人税等の支払額473百万円、売上債権の増加406百万円、退職給付制度改定益359百万円、退職給付に係る資産および負債の増減額152百万円の資金減少によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は68百万円(同73.7%減)となりました。これは主に敷金及び保証金の差入による支出127百万円、有形固定資産の取得による支出39百万円、投資有価証券の取得による支出20百万円、投資有価証券の売却による収入124百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は780百万円(同16.1%増)となりました。これは主に配当金の支払による支出629百万円、自己株式の増加151百万円によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、システムソリューション・サービスの単一セグメントのため、生産、受注及び販売の実績については、セグメントに代えてビジネスモデル別に示しております。

 a.生産実績

 当連結会計年度におけるビジネスモデル毎の生産実績を示すと、次のとおりであります。

ビジネスモデル

金額(百万円)

前期比(%)

デジタルビジネス

808

143.4

SIビジネス

6,239

93.5

エンハンスビジネス

11,303

104.8

合計

18,351

101.8

  (注)1.金額は販売価格によっております。

     2.従来、品目別で記載しておりましたが、当連結会計年度よりビジネスモデル別で記載することに変更いたしました。

 

 b.受注実績

 当連結会計年度におけるビジネスモデル毎の受注実績を示すと、次のとおりであります。

ビジネスモデル

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

デジタルビジネス

930

150.5

347

154.5

SIビジネス

6,522

98.2

1,622

121.2

エンハンスビジネス

11,040

101.9

2,819

91.5

合計

18,493

102.2

4,789

103.1

  (注)1.金額は販売価格によっております。

     2.従来、品目別で記載しておりましたが、当連結会計年度よりビジネスモデル別で記載することに変更いたしました。

 

 c.販売実績

 当連結会計年度におけるビジネスモデル毎の販売実績を示すと、次のとおりであります。

ビジネスモデル

金額(百万円)

前期比(%)

デジタルビジネス

808

143.4

SIビジネス

6,239

93.5

エンハンスビジネス

11,303

104.8

合計

18,351

101.8

(注)1.従来、品目別で記載しておりましたが、当連結会計年度よりビジネスモデル別で記載することに変更いたしました。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社野村総合研究所

7,839

43.5

7,331

39.9

富士通株式会社

2,900

16.1

3,852

21.0

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 ①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載のとおりであります。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  a.売上高

 当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ329百万円増加し、18,351百万円(前期比1.8%増)となりました。
 ビジネスモデル別では、デジタルビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ245百万円増加(同43.4%増)しております。主な要因としましては、コンサルティングおよび先進技術支援案件の受注拡大によるものであります。

 SIビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ431百万円減少(同6.5%減)しております。主な要因としましては、地銀・ネットバンクおよび教育事業会社向け案件の縮小によるものであります。

 エンハンスビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ517百万円増加(同4.8%増加)しております。主な要因としましては、金融機関および中央省庁向け等の既存領域での派生開発案件の受注が進んだことによるものであります。

  b.売上原価、売上総利益

 売上原価は、前連結会計年度に比べ304百万円増加し、14,403百万円(前期比2.2%増)となりました。売上総利益は、前連結会計年度に比べ25百万円増加し、3,947百万円(同0.6%増)となりました。これは主に、生産体制の積極的な投資および不採算案件の影響によるものです。

  c.販売費及び一般管理費、営業利益

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ180百万円増加し、2,566百万円(前期比7.6%増)となりました。これは主に新人事制度導入による人件費の増加や自社事業(H・CUBiC)の創発に向けた研究開発への投資、生産体制の拡充、エンゲージメント強化施策への投資等の増加によるものです。営業利益は、前連結会計年度に比べ155百万円減少し、1,380百万円(同10.1%減)となっております。

  d.経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益

 経常利益は、前連結会計年度に比べ197百万円減少し、1,393百万円(前期比12.4%減)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ194百万円増加し、1,261百万円(同18.2%増)となりました。これは主に退職金制度改定および投資有価証券売却に伴う特別利益の増加によるものであります。

 

 ③当連結会計年度の財政状態の分析

 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態」をご覧ください。

 

 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析

資金調達について

金融経済環境が大きく変化する中、コミットメントライン契約の締結により、運転資金枠を確保し、資金調達の機動性と安定性を高め、積極的な事業展開を図るとともに、資金効率を高め、財務体質の強化に努めてまいります。

 

5【重要な契約等】

  当社グループの更なる事業拡張を図るため、下記のとおり業務提携契約を締結しております。

 

 (1)keyパートナー契約

契約相手先

締結年月

契約の概要

 株式会社システムクリエイト

2005年5月

技術・研究開発面をはじめ、営業、調達等あらゆる面で情報を共有化し、システムソリューション・サービス事業においてビジネスチャンスの拡大を図ると共に、品質・技術の向上、情報セキュリティ管理、人材育成プログラム等に係わる経営管理手法の改善・効率化にも取組み、サービスレベルの向上を図り、相互の企業価値が向上することを目的とした業務提携であります。契約期間は2年であり、契約の更新に関しては、別段の申し出がない限り1年間自動的に更新するものとなっております。契約に係る対価等は特にありません。

 

 (2)資本業務提携契約

契約相手先

締結年月

保有株数

契約の概要

 株式会社トリプルアイズ

2018年8月

 

当社株式の保有

- 株

トリプルアイズ社が強みとするAI、IoT、ブロックチェーン技術と、当社が強みとする金融・流通・通信・エネルギーなどの様々な業界で培ってきた業務知識、ソフトウェア開発力の融合による協創、共同研究等を進めることによる新たな事業創出や受注拡大を図り、AI、IoTおよびブロックチェーン技術に精通した人材育成を進めることを目的とした資本業務提携であります。

 株式会社野村総合研究所

(注)

2022年12月

 

当社株式の保有

1,630,000株

両社が協力関係及び信頼関係を一層強化し、シナジーを活かして企業価値の最大化を図ることを目的とした資本業務提携であります。

主な内容は、次のとおりであります。

 ①両社の業務受委託に関する長期かつ持続的な関係の強化

 ②両社の業務受委託の事業領域の拡大の推進

 ③ニアショア等の生産拠点の活用拡大

 ④生産体制の拡充

 ⑤人材交流

 ⑥事業連携の体制整備と運用

 ⑦前各号に定めるもののほか、本資本業務提携先及び当社が別途

  協議し、合意する事項

(注)1.当事業年度末日現在において、株式会社野村総合研究所が保有する当社の株式数は3,178,600株であります。

2.株式会社野村総合研究所は本払込日から3年間は、市場内外を問わず、当社の株式を売却その他処分する場合には、当社の事前の書面による承諾を取得しなければならない旨を本資本業務提携契約において合意しております。また、本払込日から3年経過した日以降、その保有する当社の株式の全部または一部(以下「譲渡対象株式」という。)を売却その他処分しようとする場合、当社は、一定の手続に従い、譲渡対象株式を自ら買い取り、又は自らが指定する第三者をして買い取らせることができる旨を本資本業務提携契約において合意しております。

3.本資本業務提携契約の締結日時点においては、株式会社野村総合研究所が当社に対し取締役及び監査役の派遣を行わないことを合意しております。

 

 

 

 

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、新規事業創発、新技術の社内展開を目的に、クラウドソリューション、AI、ブロックチェーンに係る研究開発活動を組織横断的に行っております。

 具体的には、クラウドソリューション領域ではSaaS製品に対する技術調査、評価、当社の提供サービス適用に向けたソリューション開発を進めております。また、AI及びブロックチェーン分野では、自社プロダクトである「スマイルシェアプロダクト」にブロックチェーン技術を活用したピアボーナスネットワークプラットフォームおよび、AI画像認識技術を活用した非接触型決済システムを構築しました。「スマイルシェアプロダクト」は現在社内転換を行っており、社員間のコミュニケーション可視化・充実の仕組みづくり等、応用ノウハウに関する研究開発を進めております。

 また、企業の持続的成長を支える為、人的資本経営に多面的な支援を行う「H・CUBiC」サービス構想を進めております。人材情報管理およびタレントマネジメント機能を備えたソリューションサービスをベースに、AIを活用して能力や経験の分析を行うことで最適な人材配置を提案するプロダクトの研究に着手しております。

 今後は、社内向けにはウェルビーイング経営の実践を主眼としたプロダクト活用を促進し、並行して外販に向けた製品化への取り組みを実施してまいります。
 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は98百万円であります。