文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 事業環境
当社を取り巻く事業環境は、引き続き不安定な国際情勢や物価上昇による世界経済への影響、急激な為替変動など、依然として先行き不透明な状況で推移するものと予想されます。しかし、半導体市場におきましては、各国の半導体産業の国家戦略化や、生成AIの普及拡大による通信・データセンターなどの社会インフラへの中長期的な需要拡大を背景として大手半導体製造会社による設備投資が進行しており、半導体製造用の各種素材についても今後緩やかな回復が見込まれております。当社は、引き続き半導体の微細化や高集積化に対応する新規材料の研究開発、製造技術開発、品質管理の高度化、生産性の向上に取り組むとともに、拡大する需要に対応する生産能力増強を着実に進め、高品質製品の安定供給に努めてまいります。
② 中期経営計画の概要
当社は、当社の企業価値および株主共同の利益の向上のため、5ヵ年の中期経営計画「Beyond500」を策定し、2023年3月期からスタートさせています。
当計画では、「今後、さらなる需要拡大が見込まれる電子材料分野において、当社の長年培ってきた高純度合成、精製技術にさらに磨きをかけ、顧客品質を満たす安定供給体制を強化し、人・組織・事業の成長を果たし、世界No.1ダントツ企業として持続可能な脱炭素社会の実現に貢献する」コンセプトのもと、「顧客課題、技術課題一つ一つを真摯に捉え、独創的な視点で解決し、世界No.1ダントツの超高品質と生産性向上の両立により、未来を創る」というビジョンを掲げ、最終年度の数値目標である売上高500億円以上、営業利益80億円以上、営業利益率16%以上の実現に向けて取り組んでまいります。なお、上記の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来の業績を保証するものではありません。
本中期経営計画の全社戦略、セグメント別戦略は次の通りです。
■全社戦略
人材育成
・長期の継続的な事業拡大に向け、充実した仕事環境と人材育成環境への投資と実現
・タイムリーかつ自律的に意思決定できる組織機能の整備
・グローバルに事業を牽引する次世代リーダーの育成
技術戦略の強化
・顧客品質と生産性の両立を狙った、研究開発と製造技術の強化と連携
・世界随一の高純度製造技術や工程管理のDXによるリアルタイム見える化と、その活用による生産性の向上
・次世代技術の探求/要素技術開発/新規事業推進体制の充実
経営基盤の強化
・高機能性材料のサプライチェーンを支える安全技術力の向上
・機動的な設備投資を実現する財務体質の強化
・環境配慮型エネルギーマネジメントの実現とCO2原単位の削減
・地域貢献と多様性を尊重するマネジメントの実現
■セグメント戦略
感光材セグメントの戦略的な事業拡大
・拡大する需要を満たす充分な生産能力増強投資
・先端半導体を支える超高純度合成と生産性向上の両立
・顧客品質の実現に向け研究開発力を強化し、電子材料の技術革新に貢献する
化成品セグメントの事業強化
・先端半導体向け超高純度溶剤の品質・開発・安定供給体制の強化
・化学専業タンクターミナルの自動化促進と更なる顧客満足度向上
事業連携の強化
・不安定化するサプライチェーンに対し、タンクターミナル事業・超高純度精製能力・高純度合成力の連携を強化し、機能化学品の安定供給とサプライチェーン高付加価値化を実現
③ 分野別課題
当社は、経営理念・行動指針で「常に安全を最優先」を掲げ、社員、協力会社社員、地域住民の方々などの関係者が安心できる環境づくりに努めています。
■既存事業の競争力強化
長期に亘る継続的な事業拡大と競争力強化のためには人材の成長が欠かせない事から、仕事環境と人材育成環境の充実を図り、組織機能の整備と次世代リーダーの育成を行ってまいります。また、研究開発と製造技術開発の強化と連携を進め、品質管理の高度化、高純度製造技術や工程管理のDX活用による生産性の向上に取り組んでまいります。
■感光性材料事業、化成品事業(高純度溶剤)
半導体市場は、各国の半導体産業の国家戦略化や、生成AIの普及拡大による通信・データセンターの需要増加など、半導体製造用の各種素材についても中長期的な需要拡大が見込まれております。当社では、引き続き半導体の微細化や高集積化に対応する新規材料の研究開発、製造技術開発、品質管理の高度化、生産性の向上に取り組むとともに、能力増強した設備を最大限活用し、高品質製品の安定供給に努めてまいります。
■化成品事業(香料材料)
香料材料市場においては、引き続きトイレタリー製品用途を中心に緩やかな需要拡大が続くと予測されており、当社では積極的な拡販と生産性向上に取り組んでまいります。
■化成品事業(ロジスティック)
国内の化学品物流市場は、石油化学関連企業の統合等による物流基地の統廃合が進んでおり引き続き厳しい事業環境が予想されますが、液体化学品を大都市消費地へ輸送する物流形態は今後も必要不可欠であります。当社はお客様のニーズに柔軟な対応が可能な液体化学品総合物流基地として、安全操業と先端化学品の生産活動で蓄積した高度な品質管理技術を最大限に活かし、お客様の信頼を獲得してまいります。
当社では、このような施策の実行により、企業価値の持続的な向上を実現してまいります。
当社は持続可能な社会の実現を重要課題として捉え、化学メーカーとしての責任(安全・環境)、素材産業としての責任(品質、安定供給)、人々の未来を支える責任(研究開発・人材育成・サステナビリティ)という3つの観点での活動を推進しております。特に気候変動関連につきましては、地球環境や社会の持続性の観点から脱炭素社会への移行に貢献するとともに、当社の持続的成長を可能にするためにも事業活動に伴う温室効果ガス排出の削減に努めてまいります。また人的資本関連につきましては、日々の企業活動を支える「人材」が何よりも大切であると考えており、多様性の確保や人材育成、働きやすい環境づくりを通じて社員一人ひとりがイキイキと仕事にやりがいを持って働き、持てる力を最大限に発揮して社会とともに成長できる組織づくりを目指してまいります。
こうしたサステナビリティの取り組みについて、2024年度は取締役会にて2回報告(2024年11月26日、2025年2月7日)を受けて監督するとともに、具体的な展開を継続的に確認しています。また取引先との共存共栄の構築を目指し、2025年3月に「マルチステークホルダー方針」及び「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。企業経営においては株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていることを踏まえ、今後も取り組みを進めてまいります。
なお、上記の将来に関する事項は当事業年度末現在において当社が判断したものであり、保証するものではありません。
(1)気候変動関連
① ガバナンス
気候変動に関する問題を、サステナビリティ、リスクマネジメントの重要課題として認識しております。社内での推進体制といたしましては、代表取締役社長を委員長とする環境安全委員会にて1年の総括および今年度の目標を設定し、 CO₂排出量の削減、省エネルギー化、再生可能エネルギーの導入といった具体的な施策およびリスクの洗い出しを行っております。また、四半期に1回リスク管理委員会にて環境関連施策の取り組み状況の進捗報告・審議を行い、各取り組みについての進捗状況を集約しております。その内容は2024年度は2回(2024年11月26日、2025年2月7日)取締役会に報告され、取締役会の指示・監督のもと活動に取り組んでおります。
② 戦略
当社は、持続可能な社会の実現に向けて、CO₂排出の削減を重要課題と認識しております。施策の実効性を高めるには定量的把握が不可欠なため、事業所毎に生産などの消費エネルギー(電気・蒸気・燃料)の可視化を図り、そのエネルギー原単位の推移を確認、製造工程や設備を見直し、その改善状況を月次、四半期、半期、年次で確認することによりエネルギー消費の最適化を図っており、各事業所ごとの取り組み成果を定期的に集計し、事業全体での課題と成果を分析・共有する体制を構築しております。さらに自らが排出する温室効果ガスの削減として、2030年の目標達成までの課題、期日などを明確化するために「ロードマップ」や「アクションプラン」を策定いたしました。2024年度にはScope3の算定を進め、2023年度に設定したScope1+2削減目標を開示し、目標に向けて取り組みを推進しております。また、当社製品に関わる温室効果ガスを的確に把握することが必要なため、製品のカーボンフットプリント(原料採掘から製品生産までの温室効果ガス算定)に関する取り組みも推進し、算定のシステム化も行いました。また、当社事業の「リスクと機会」については以下の通りです。当社では、事業における気候関連リスク・機会を特定・抽出し、それらの性質を評価しております。今後は特定したリスク・機会について分析を進めてまいります。
<リスク>
<機会>
温室効果ガス排出量削減に資する再生可能エネルギーの活用、スマートグリッド、EVなどの最新技術を支える先端半導体向け当社製品の需要増加、精製技術を活用した溶剤リサイクルによる温室効果ガス排出削減などを事業拡大機会として捉えております。その中で、脱炭素社会実現に向けたNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラムに国立大学法人大阪大学と共同で参画しており、最先端半導体プロセスでの電力使用量削減に取り組んでおります。
また当社は、再生可能エネルギー電力やエネルギー効率の高い装置の導入などを運営コスト削減の機会と考えております。さらに、当社では生産プロセスで使用した有機溶剤を分別回収し有価物として回収することで、廃棄物の削減および資源の有効活用を推進しております。加えて、当社独自の高品位な蒸留精製技術を活用し、使用済み溶剤や触媒をマテリアルリサイクルによって再生する取り組みを行っており、環境負荷の低減にも寄与しています。なお、他社で排出された廃溶剤を当社の精製技術により再資源化し、再使用可能な溶剤として供給することで、循環型社会の形成にも貢献しております。また当社内で排出される廃溶剤のうち再精製が困難なものについては、ボイラー燃料としてサーマルリサイクルを行い、資源の循環利用と廃棄物削減を図っております。
③リスク管理
気候変動の事業運営への影響を把握し評価するため、気候変動リスク・機会を特定しております。特定したリスク・機会は戦略策定、事業運営に反映するよう努めており、リスク管理委員会などの会議体において対応を協議のうえ、その進捗は取締役会へ定期的に報告されております。またエネルギー原単位を月次で確認し、エネルギー使用量の低減に向けた設備の検討、損害保険会社によるリスク評価を参考に大規模災害リスク対策などを進めております。また当社は、気候変動を社会全体に共通する重要な課題と認識しており、この課題の解決に貢献することを企業の責務と捉えております。その責任を果たすため、社員一人ひとりが社会の一員として自らの業務や日常の行動と結び付けて取り組めるよう、社内における啓蒙活動や教育の強化に努めております。このような全社的な環境意識の醸成と自律的な行動変容を促進し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。今後も企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の動向把握に努め、今後のリスク・機会等や施策進捗を踏まえ、戦略・施策等の検討を継続してまいります。
④指標及び目標
当社は気候変動に対応するため、環境負荷軽減のための目標を下記の通り設定しております。
これらの目標に向かって、電力量に注目し(CO₂排出量の約40%程度)グリーン電力化の計画を立案し、2023年から淡路工場で使用比率を50%に引き上げております。2024年度は今後のエネルギー消費をより正確に予測し、効果的な省エネ施策の特定とその実施効果を測定・評価できるように、装置ごとのエネルギー消費の可視化を進めています。そのほか月次でエネルギー消費確認と施策評価を行い、エネルギー消費削減や生産プロセス改善、非化石電力導入、省エネ設備の導入、再生エネルギー活用などを推進しております。目標達成のためこうした取り組みを強化し、社会全体のカーボンニュートラルへ貢献していきます。
(2)人的資本関連
①ガバナンス
企業の持続的成長のためにはコーポレートガバナンスの強化が重要であり、各会議体の実効性を高めていく必要があります。人的資本における重要な施策や戦略については、取締役会の決定・監督の上で進めております。取締役会の実効性評価を踏まえた取締役会の運営と指名・報酬諮問委員会の運営に加え、経営会議、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会等の会議体と連携することで企業運営の透明性確保と適正化を図っております。2024年度は、従来からの人事と総務機能をもった「人材総務部」から人事と総務の機能分離を図り、さらに総務と法務を統合した「人事部」と「総務法務部」を立ち上げました。これにより、人事部門が採用、育成、エンゲージメント、人材ポートフォリオ等への、戦略的人的資本管理に集中できるようになります。また総務と法務機能の連携により、組織運営のガバナンス強化やリスク管理の高度化を図っております。また重要な経営課題である安全文化のさらなる醸成に向けて、事業所ごとにチームビルディングと課題解決ワークショップを展開し、経営陣と従業員との対話の機会をつくっています。この対話を通じて現場の意見を経営が吸い上げ問題を解決していくことが、人材の価値を高めるとともにガバナンス強化につながると考えております。
②戦略
〈人事基本方針〉
当社は持続的成長に向け「人材」が何よりも大切であると考え、以下の人事基本方針を定めております。
化学メーカーの責任として、安全操業は最重要課題であり、社員ひとり一人が安全を実感できる職場環境をつくるとともに、エンゲージメント向上につながる働きやすい環境づくりの推進と、個人の状況に合わせた育成を行っております。
〈エンゲージメント〉
2024年度は、創立70周年の節目に部門を超えた交流や当社の歴史を振り返るイベントを実施し、一体感の醸成とこれからの事業成長に向けて結束を固めるイベントを行いました。「全社感謝祭」を皮切りに、社員のご家族を含む、延べ494名が参加し、事後アンケートでは満足度4.2点(5点満点)となりました。またご家族が各事業所(全7拠点)を訪れ職場や仕事を知っていただく「事業所感謝祭」も開催し、延べ1,274名が参加し、満足度も4.4点(5点満点)と非常に高い結果となりました。当日の感謝祭の模様は後日動画で配信し、参加できなかったご家族をはじめとした多くの方々に当社を知っていただく機会をつくりました。
また当社がスポンサーを務める千葉ロッテマリーンズとの冠試合「東洋合成スペシャルデー」においては、96名の有志社員によるプロジェクト活動で運営されました。普段なかなか顔を合わすことのない各拠点の社員が準備段階からそれぞれの役割で協力し、イベントを成功させました。当日は、ご家族とともに約800名が球場に訪れました。実施後のアンケートでは参加満足度も98%と非常に高く、「他事業所や他部門の社員との交流が有益」、「自社の魅力を伝える機会になった」、「会社を誇りに思える」といった声も聞こえており、イベントを通して一体感の醸成とエンゲージメント向上にもつながっています。
さらに安全文化のさらなる醸成に向けた活動を通じて、話せる/聞ける場所と機会を作り、個別のコーチング施策も実施し、関係性構築を強化しております。こうした取り組みにより離職率は減少傾向にあり、特に新入社員の入社3年以内の離職者は0人(昨年11月時点)となっており、リテンションの維持にも繋がっております。
〈人材育成〉
人事基本方針のもと、社員が安心して働ける職場環境・制度を整え、事業成長と人材育成を両立できる体制づくりを目指しています。当社では「安全文化の醸成」「人と組織の成長」いずれにおいても、「対話と自分ごと化」が非常に重要だと考えています。能力開発については新入社員から上級管理職に至るまでの長期的な視点から、それぞれの段階で必要となるスキルを定め、学習・経験する機会を提供し成長を支援しています。また成長には、社員一人ひとりの自律的な学びとキャリア自律が必要と考え、Will・Can・Mustを活用したキャリア研修により、自己の個性と強みを理解し、活かすためのキャリアを考える機会を設けるとともに、社内キャリアカウンセラーによるキャリアサポートなど積極的な支援を進めております。2024年度はこれまでの昇格時研修に加え、現任者研修も開始し、勤続年数に関わらず企業の成長段階に併せて、求められる役割とマネジメントを考える機会を設けております。2025年度は階層別研修の拡充(管理職向けの現任者研修)に加え、一般的に氷山モデルで言うところの水面下にフォーカスし、「人との関係性の構築」の土台となる研修も幹部社員からスタートさせます。人的資本に必要なデータの見える化の拡充と合わせ、タレントマネジメントシステムによるさらなる活用を進め、一人一人の経験やスキルにあった育成を進めていきます。またサクセッションプランの取り組みもスタートし、対象ポジション、候補者の発掘方法、評価基準、育成方法含め検討をしています。今後も、階層別研修・マネジメント研修・リーダー育成・キャリア形成支援・チームビルディング等の施策を通して、組織の持続可能な成長につなげてまいります。
[研修体系図]

〈ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン〉
当社は「人材」が何よりも大切な資本であると考え、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下DE&I)を推進し、お互いの価値観や経験の違いを尊重し活かすことで、一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮しイキイキ働くことができる企業文化の醸成を目指しています。人権方針に基づき、国籍、年齢、性別、中途採用者等による制限を設けず、公正な選考や評価に基づき多様性のある管理職や中核人材の登用に努めております。また2024年度は、DE&I体制を強化し、「子育て支援」「女性活躍」「介護」「障がい者雇用」の4つのグループに分かれて活動を推進する有志のサテライトメンバーを募集し、各グループで活躍しています。そのほか、多様性への理解と相互連携を生み出すさまざまな研修や子育て経験シェア会の開催、ワークライフバランスの観点での人事制度の見直しなど、性別に関係なく育児や介護などのライフスタイルに応じた柔軟な働き方が実現できるよう、社員の意見を聞く機会を設け、環境整備を進めております。今後も公平性の観点で、様々な情報や機会へのアクセスが公平に近づく環境整備を進めていきます。
[主な取り組み]
〈健康・安全〉
当社は、経営理念・行動指針で「安全を最優先」を掲げ、安全衛生方針のもと、従業員ひいてはその家族の幸せのため、心身ともに健康で安心して働くことのできる職場づくりを推進しております。従業員のメンタルヘルス不調の一次予防と職場環境改善にもつなげるため、エンゲージメントサーベイ(組織感情診断Ⓡ)、毎年のストレスチェックや心の健康管理教育の実施、各事業所の産業医による面談など、疾病の予防・未然防止に取り組んでおります。また感染症予防対策として、社内の衛生環境の強化および感染症の早期発見・拡大防止のための対策を実施し、従業員の健康と安全の確保に努めております。2024年度にはプレゼンティーイズムの測定と改善を実施し、社員が自分の今の健康状態を知り、日々の生活習慣と向き合う、健康意識の底上げにつながる施策を行っております。さらに、女性特有の健康問題に関するセミナーを開催するなど、働く女性が安心して就業できる環境整備に取り組んでおります。各種健康支援の推進にあたっては、経営会議において社員の健康課題の解決・改善に向けた様々な取り組みの方向性について議論し、健康経営に取り組んでおります。こうした健康経営体制の整備を進め、経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」に基づく健康経営優良法人に2年連続で認定を受けました。
③リスク管理
人口動態や社会環境変化による人材確保や人材育成のリスク・機会の特定を行っております。特定したリスク・機会は、リスク管理委員会・人材育成会議にて報告・検討を行い、採用戦略や人材育成施策へ反映し対策を実施しております。コンプライアンス違反リスクに関しては、社内通報制度を設置するとともに、コンプライアンス委員会にて報告・検討を行うなど、啓蒙活動を含めたリスク低減活動を実施しております。なお人的資本に関するこれらの活動は、取締役会へ定期的に報告されています。また、生産年齢人口(15才~64才)の減少に伴い厳しくなる採用環境や人材流動化により、企業成長を支えるために必要な人材が不足してしまうことを重要なリスクと考えております。そうした状況下での持続的成長には、選ばれる企業になること、また継続的に働いていただくことが必要と考え、労働環境改善やエンゲージメント向上施策を毎年強化しております。
〈エンゲージメント〉
年に1回実施しているエンゲージメントサーベイ(組織感情診断Ⓡ)を通じて、「働きがい」と「働きやすさ」の現状把握と各組織の課題抽出を行っております。エンゲージメントサーベイ(組織感情診断Ⓡ)は2024年度で9回目の実施となり、回答率は全社員の98%と非常に高く、仕事のやりがいや主体性と成長実感などの効力感が年々改善しております。エンゲージメントサーベイ開始時に定めた目標値(快適な職場)は2023年度に達成し、2024年度も同様に「快適な職場」を維持しており、引き続き改善に努めています。診断結果は期初の方針説明会で全社員に公開するとともに、各部門長を通じてメンバーへのフィードバックと必要な対策を実施しています。働きがいを向上させる取り組みの一つとして、年2回上司とメンバーによる目標管理育成面談と併せて「キャリア自己申告制度」により従業員のキャリア希望を聞く機会を設けています。さらに社内の人材流動性と流出リスクの低減のため、オープンポジションに応募できる「社内公募制度」を導入し、従業員の自律的なキャリア構築に向けた支援を行っています。
〈人権〉
人権尊重に関する取り組みについては、経営理念、経営方針および行動指針に基づく人権に関する最上位の方針として、「国際人権章典」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に基づき、2024年2月「東洋合成工業株式会社 人権方針」を制定いたしました。人が生まれながらにして持つ人間らしく生きる権利を尊重することは、社会的責任の中核をなすものであり、人を大切し、人権尊重を全ての事業活動における基盤としています。2024年度は役員をはじめ全従業員を対象とした、改めて人を尊重する・敬う「人権」に関する正しい認識を深めてもらう人権・コンプライアンス研修を実施し、全社員(参加率100%)が受講しました。管理職・一般職向けのモラル研修では、役員・事業部長、工場長、所長からの「人を大切にすること」についてのメッセージが伝えられたほか、ロールプレイによる実践型研修により、人の気持ちを体感する機会を作りました。こうした研修は今後も継続的に実施し、社内啓蒙活動を続けていきます。また、取引慣行の遵守、共存共栄の構築の観点から、サプライヤー様からのご相談窓口を設置いたしました。違反行為が発覚した場合には、担当部門との協議の上、適切な対応と再発防止策を実施いたします。
今後も、企業戦略に影響する世の中の動向や法制度・規制変更等の動向把握に努め、施策の進捗状況、今後のリスク・機会等や施策進捗を踏まえ、戦略・施策等の検討を継続してまいります。
④指標及び目標
〈人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針の指標及び目標〉
(注)管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率についての実績は、
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
<感光性材料事業>
感光性材料事業の主力製品である感光性材料は、フォトレジストの原料として使用され、半導体、FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造工程で使用されます。当事業製品は、グローバルに供給されており、世界的な経済事情とともに、半導体、FPD需要はエレクトロニクス製品の世界需要によるところが大きく、新たな通信技術、電子制御、および電子データを使用するマーケットの創出により、市場の需要が変化し、業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、ファインケミカルメーカー、半導体・FPD業界の再編等により、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
<化成品事業>
電子材料向け溶剤は、電子材料分野の需要動向、お客様の製造工程変更等による品種や仕様の変更があった場合、業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
香料製品向けに使用する原料については天然系原料、石油系原料ともに天候や市況によりその価格に大きな変動を及ぼす可能性があります。
タンクターミナル部門は、為替変動の影響は軽微でありますが、景気変動により荷役量が減少した場合、当事業の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社で使用する主要な原材料並びに重油等の燃料は、市況により価格が変動します。これら原材料および燃料の価格が高騰した場合には製造原価の上昇につながり、この上昇をコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格への反映が困難な場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度の海外直接売上高割合は33.2%でありますが、経済のグローバル化が一層進展する中で、感光性材料事業・化成品事業(主に香料材料分野)ともに、海外市場での営業展開は、事業の更なる発展にとって必要不可欠な課題と位置づけております。当社は、為替レート変動への対処策として、為替予約等によるリスクヘッジや海外から輸入する原材料の外貨建て決済化など、為替変動の直接的な影響の回避を図っておりますが、為替相場の急激な変動により、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業継続計画(BCP)に基づき一定の水準で製品在庫を保有しており、他業種に比較して、当社の在庫水準は高くなる傾向にあります。急激な販売増加により運転資金が増加する可能性や末端市場での急激な需要落ち込み等により余剰在庫が滞留することによる運転資金の増加の可能性があります。
当社は設備投資資金、および運転資金を銀行からの借入によって賄ってきたため、有利子負債の比率が高い水準となっております。当社は借入金比率の低減を図り、財務体質の強化に努める方針でありますが、急激な金利変動が生じた場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業活動と自然環境との調和を重要な経営課題と位置づけ、環境保全および安全管理への取り組みを継続的に強化しています。とりわけ、環境情報の透明性と社会的説明責任の重要性が高まる中、当社は関連データの適切な開示を通じて、ステークホルダーとの信頼関係の構築に努めております。環境保全に関する国際的な潮流は、従来の規制遵守型から、企業自らがリスクと機会を把握し、社会的責任を果たす“監視・開示型”のアプローチへとシフトしています。米国におけるTRI(Toxic Release Inventory)の制度運用をはじめ、各国において企業の自主的な情報開示が促進されており、当社もこれに応じた管理体制を整備しています。一方で、化学物質管理を取り巻く外部環境は日々変化しており、現行では規制対象外であっても、将来的に規制対象物質として指定されるリスクがあることを認識しています。
当社は、自然災害や事故等による事業中断リスクを最小限に抑えるため、製造設備の定期的な点検・保守を実施するとともに、労働災害防止に向けたリスクアセスメントに基づく対策を講じ、監査等による継続的な改善を図っております。また、事業継続計画(BCP)の整備・見直しを定期的に行い、防災訓練や緊急対応演習を通じて、レジリエンス(回復力)の強化に努めております。当社は、2012年にBS-25999(事業継続管理規格)の認証を取得し、2013年には国際規格ISO 22301へ移行するなど、ハイレベルなリスクマネジメント体制を構築しています。さらに、近年ではサプライチェーン全体を見据えたリスク評価や、外部環境の急激な変化への柔軟な対応力の向上にも取り組んでいます。しかしながら、大規模地震・台風などの天変地異や予期せぬ事故により、設備・供給網・インフラに重大な影響が生じた場合、当社の事業活動および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症のような感染症の世界的拡大により、生産活動、物流、営業展開に支障が生じた場合にも、業績への影響が避けられない可能性があります。
今後も、多様化・複雑化するリスクに備えるため、リスク感度を高めた体制の強化と、平時からの備えの実効性向上に取り組んでまいります。
当社の製品は、納入先との契約に従った品質検査だけではなく、当社においてより厳格な品質管理基準を設けるなど、厳格な品質管理を実施しております。また、感光性材料事業の製品、化成品事業の電子材料用途の製品、ならびに香料材料製品につきましては、上記の当社における品質検査のほか、お客様における受入品質検査を受けております。しかしながら、当社製品を原因とする問題が生じた場合、損害賠償等により、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社が現在展開している製造事業は、長年にわたって当社が蓄積してきた他社の製品や製造方法との差別化技術とノウハウとに基づき運営しております。当社は、それら技術又は製品若しくは事業の特性に応じて、特許権等産業財産権の取得又はノウハウとして秘匿するかを決定しております。しかしながら、当社保有の産業財産権の権利範囲外であっても、当社の製品と類似の機能を有するものが第三者から販売される可能性が有り、さらに当社の製造方法等の権利侵害の立証の困難な技術に関する産業財産権については、第三者による当社産業財産権の侵害を効果的に防止できない可能性もあります。そのような事態が発生した場合、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が現在、開発・製造販売を展開している製品及び今後、開発・製造する新製品についても、企画開発段階から新製品に係る第三者の産業財産権の系統的な調査を行い、第三者の権利侵害を未然に防ぐよう努めております。しかしながら、当社における調査でも把握できなかった第三者の産業財産権を侵害した場合又はその疑いが生じた場合には、その権利保有者から当社の権利侵害を主張され、当社が損害賠償若しくは侵害被疑製品の製造販売の差し止めを請求され、又はロイヤルティ等の支払いを要求される可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社の事業戦略や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において経営に重大な影響を与える当社が侵害被疑者となっている産業財産権関連の訴訟はありません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における海外経済は、地域間で経済情勢に違いがあったものの、全体では緩やかな成長が続きました。米国においては個人消費が底堅く推移した一方、2025年初頭に広範な関税措置が導入されたことにより、景気の先行き不透明感が高まり減速感が見られました。中国では景気刺激策による内需の一部回復が見られたものの、全体としては低成長が継続しました。欧州では製造業に弱さが残る中、個人消費の持ち直しにより、緩やかな回復となりました。
わが国経済は、物価高の影響から1年を通して個人消費に停滞感が見られましたが、円安やインバウンド需要を背景に企業業績は好調に推移し、緩やかな回復基調を維持しました。しかしながら、米国新政権における関税政策を含む政策運営や物価上昇の世界経済への影響など、先行きに対する不確実性は一段と高まっております。
当社事業の主要市場である電子材料業界は、車載や産業機器等の汎用半導体向け材料は需要回復に遅れが生じて いるものの、生成AI関連投資の需要拡大が継続し、先端半導体向け材料は好調に推移しました。
このような状況のなか、当社は、2023年3月期からスタートした、5ヵ年の中期経営計画「Beyond500」に基づき、2024年5月には感光材開発分析棟が完成し、10月には先端分野向け材料の大規模な新規生産設備も完成しました。これらの設備投資により製造技術力・分析体制の強化とともに、最先端品質を満たす安定供給体制が整いました。今後はこのような設備も活用し、需要拡大が期待される半導体市場への供給力強化を推進してまいります。
当事業年度においては、昨年度の半導体需要の低迷から回復が継続し、特に先端半導体向け材料を中心に販売が増加したことから、売上高は38,665百万円(前期比+6,708百万円、+21.0%)と増加しました。利益面につきましては、新設備の完成や人員増等、大幅な固定費増があったものの、売上増加により固定費増を吸収し営業利益は4,103百万円(前期比+591百万円、+16.8%)、経常利益は3,997百万円(前期比+603百万円、+17.8%)となりました。加えて、賃上げ促進税制、および設備投資による地域未来投資促進税制等を受けた影響により、当期純利益は3,279百万円(前期比+882百万円、+36.8%)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(感光性材料事業)
半導体向け材料は、生成AI用途の需要拡大が続く中において、当社の先端フォトレジスト向け材料の販売も増加しました。ディスプレイ向け材料は、中国を中心にパネル生産が一定レベルで保たれたことから、当社製品の販売も堅調に推移しました。
この結果、同事業の売上高は23,873百万円(前期比+4,482百万円、+23.1%)となりました。また、今後の半導体需要の拡大を見据えた生産・供給力強化を目的とし、感光材開発分析棟、先端分野向け材料の新規生産設備の増強や人員増強等を進めてまいりました。これにより、減価償却費等の固定費が大幅に増加したことから営業利益は1,979百万円(前期比△177百万円、△8.2%)となりました。
(化成品事業)
電子材料関連製品は、半導体・電子部品向けの需要増加を背景に、高純度溶剤の販売が好調に推移し、前年同期比で売上は増加しました。
香料材料関連製品は、トイレタリー向け香料の需要増加に牽引され、海外販売が好調に推移したことから、前年同期比では売上が増加しました。
タンクターミナル関連は、国内基礎化学品の需要は弱いものの、輸入品需要の増加によりタンク契約率は高水準で推移しました。
この結果、同事業の売上高は14,792百万円(前期比+2,226百万円、+17.7%)、営業利益は2,123百万円(前期比+768百万円、+56.7%)となりました。
当事業年度における総資産は65,864百万円となり、前事業年度末比6,346百万円の増加となりました。
流動資産は24,069百万円で、前事業年度末比1,387百万円の増加となりました。これは主に商品及び製品753百万円の増加などによるものであります。
固定資産は41,794百万円で、前事業年度末比4,959百万円の増加となりました。これは主に取得による増加8,616百万円、減価償却による減少3,715百万円などによるものであります。
流動負債は21,132百万円で、前事業年度末比616百万円の増加となりました。これは主に買掛金1,664百万円、短期借入金2,300百万円の増加などによるものであります。
固定負債は19,899百万円で、前事業年度末比2,724百万円の増加となりました。これは主に長期借入金2,594百万円の増加によるものであります。
純資産合計は24,831百万円で、前事業年度末比3,005百万円の増加となりました。これは主に当期純利益3,279百万円によるものであります。
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ48百万円減少し、3,597百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益3,865百万円、減価償却費3,715百万円などにより6,795百万円の収入(前事業年度は4,572百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出10,779百万円などにより11,974百万円の支出(前事業年度は7,593百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入8,900百万円などにより5,193百万円の収入(前事業年度は3,596百万円の収入)となりました。
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
当社は、原則として見込み生産を行っております。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りにあたり過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
また、当社が採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に次にかかげる重要な会計方針が、財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
当社は繰延税金資産を認識するにあたり、将来減算一時差異に対して、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来の課税所得及びタックス・プランニングを考慮しております。将来の課税所得は事業計画を基礎としており、その進捗を加味して合理的に見積り、回収可能性を十分に検討した上で、回収見込額を計上しております。そこでの重要な仮定は、主に市場の需要予測及び生産計画であります。
繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積りによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場の需要動向や当社の生産活動の状況及びその他の要因により変化します。
将来の課税所得見込額は、その時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。
・経営成績の分析
当事業年度の売上高は38,665百万円(前期比+6,708百万円、+21.0%)、営業利益は4,103百万円(前期比+591百万円、+16.8%)、経常利益は3,997百万円(前期比+603百万円、+17.8%)、当期純利益は3,279百万円(前期比+882百万円、+36.8%)となりました。
売上高および営業利益については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高・利益ともに前期比増加となりました。
営業外収益から営業外費用を差引いた純額は、106百万円の費用計上となりました。内訳としては、補助金収入99百万円等があったものの、支払利息213百万円等があったことによるものであります。この結果、当期の経常利益は3,997百万円(前期比+603百万円、+17.8%)となりました。
特別損失は131百万円の計上となりました。内訳としては、固定資産除却損131百万円の計上によるものであります。
以上の結果、税引前当期純利益は3,865百万円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を差引いた当期純利益は3,279百万円(前期比+882百万円、+36.8%)となりました。
・財政状態の分析
当事業年度の財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しているとおりですが、市場環境の変動等、様々なリスク要因が当社の成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、常に新技術の動向や市場動向に留意しつつ、お客様ニーズに合致した製品を開発し提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備の購入等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金、長期運転資金および設備投資は、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は28,576百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,597百万円となっております。
該当事項はありません。
感光性材料事業においては、研究開発部門にて半導体及びFPDに用いられる感光性材およびその工業化プロセスの研究開発を工場に隣接した環境で研究開発から製品化までを一貫して短い期間で行う機能も備え、タイムリーな工業製品の供給を行っております。
化成品事業においては、感光材研究所と協働して、高純度溶剤、香料材料の新製品の開発、及び新技術、コストダウンのための研究開発を行っております。
新規事業分野においては、感光材研究所にてナノテクノロジー材料、ライフサイエンス関連材料、新規機能性材料などの研究開発を行っております。
各営業グループ、各工場、各事業部、および感光材研究所が一体となり、お客様ニーズに合致した製品を開発するため、お客様との共同研究、共同開発を精力的に推進しております。また、新規技術の獲得や評価等のために大学及び公的研究機関等との共同研究、共同開発も積極的に推進しております。
2025年3月期の研究開発費の総額は
感光性材料部門においては、高集積半導体デバイス加工、FPD等に使用されるフォトレジストの原材料となる感光材の開発ならびに工業化を推進しております。近年、先端LSIの領域では、厳しい品質管理が求められ、不純物メタルを低減することのみならず、製造工程の細部にわたる製造管理が求められており、このための材料開発、製造プロセスについても継続的な開発を続けております。
当社のコアテクノロジーである化学増幅型レジスト用材料の分野では、先端半導体製造プロセスで用いられるEUV
用レジスト用材料などの研究開発を行っております。上記のレジスト用材料の開発で培った高品質な精密合成技術
を半導体、FPDの周辺材料分野にも展開し、新たな半導体、FPDを高機能化する材料の開発を推進しております。
電子材料関係に使用される高純度溶剤は、製造方法・リサイクル方法を中心に研究開発を行っております。また、集積回路の微細化に資するため、今後の更なる厳しい品質を見据えた製品開発を顧客企業とともに進めております。
香料材料関係では、高品質かつ安定した品質の合成香料の製造方法を中心に研究開発を行っております。競争力のある製品作りを主眼に既存製品の工程や原料の見直しを積極的に進めており、世界の大手香料会社から高い評価を得ています。
ナノテクノロジー分野は、光学部材などをはじめ、これから多くの市場を創造し、その成長性が期待されている分野です。当事業年度は今後成長が期待されるAR(拡張現実)分野のデバイス開発加速と量産化を見据えて光ナノインプリント樹脂を国内外に幅広く提供し、お客様の製品性能・生産性の向上に貢献する開発を進めております。
ライフサイエンス分野は21世紀の成長市場と期待されていますが、当社では、当社が保有する感光性生体適合型ポリマーを、再生医療用途を含む細胞培養器の表面やセンシングを活用した診断素子加工の用途に提供・開発をするなど当社保有技術を活用した当該分野への展開も鋭意進めております。
以上のように、当社は、化学による「ものづくり」の技術革新を通して、21世紀前半に花開くと期待されている様々な製品分野の開発に貢献しており、今後もお客様と共に、最先端で最高の機能・性能を追求してまいります。