第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営方針

当社グループは、2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ - 幸せと豊かさを最大化するグループへ -」を掲げ、個々のお客様を起点にグループ全体で連携し、お客様の「幸せ」と社会の「豊かさ」の最大化を追求しています。2025年4月には、2030年頃を終期とし、2030年ビジョンの実現に向けた長期の方針等を示す「長期経営方針」及び、2026年3月期から2028年3月期における具体的な事業戦略等を示す「3カ年計画」から構成される経営計画を策定しております。

 

野村不動産グループ2030年ビジョン

 

0102010_001.png

 

(2)経営環境、経営計画及び対処すべき課題

①経営環境

経営環境については、特に以下の環境変化を注視しております。

 

a.お客様や社会のニーズ・価値観に関する変化

・ 価値観の多様化、所有から利用・体験価値重視への変化

・ インバウンド・個人富裕層・単身世帯の増加等、国内におけるお客様層の変化

・ 機関投資家・個人富裕層等の不動産投資ニーズの継続的な高まり

・ サステナビリティに対する意識の高まり

・ ウェルネスに対する意識の高まり

・ 海外各国の経済成長や人口増加に伴ったニーズ・社会課題の変化

 

b.マクロ環境に関する変化

・ 少子高齢化の進展

・ 労働人口の減少、人材獲得競争の激化

・ 地政学リスクの増大

・ 気候変動、災害の激甚化

・ 建築費の上昇・工期の長期化

・ 国内外の経済・金融環境の変化

 

これらの経営環境の変化に対応した形で、以下の方針や計画を策定しております。

 

②経営計画

a.長期事業方針(期間:2026年3月期から2030年頃)

お客様の「幸せ」と社会の「豊かさ」の最大化に向けて、以下のとおり各事業の方針を策定しております。

0102010_002.png

 

b.3カ年計画(期間:2026年3月期から2028年3月期)

長期経営方針の下、特に注力する事業方針と、方針に基づく具体的・定量的な目標や戦略を策定しております。

0102010_003.png

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、長期経営方針において、2026年3月期から2030年頃の財務指針を以下のとおり定めております。

 

項目

指針

ROA

5%以上

ROE

10%以上

事業利益年平均成長率

8%水準

自己資本比率

30%水準

総還元性向

40~50%

年間配当金

DOE4%下限

※ROA=事業利益/期中(平均)総資産

※ROE=親会社株主に帰属する当期純利益/期中(平均)自己資本

※ 事業利益=営業利益+持分法投資損益+企業買収に伴い発生する無形固定資産の償却費

       +海外部門におけるプロジェクト会社(※1)の持分売却損益

 ※1 不動産の保有・開発を主としたSPC等を指します。

※総還元性向=(1株当たり配当額+1株当たり自己株式取得金額)/1株当たり当期純利益

※DOE=年間配当額÷期中平均自己資本

 

また、3カ年計画において、2028年3月期の利益計画を以下のとおり定めております。

 

事業利益                                (単位:億円)

 

2025年3月期実績

2028年3月期目標

住宅部門

487

630

都市開発部門

416

520

海外部門

66

110

資産運用部門

98

130

仲介・CRE部門

165

200

運営管理部門

119

110

その他・調整額

△102

△100

合計

1,251

1,600

 

(注)野村不動産グループの経営計画の詳細については、下記をご参照ください。

https://www.nomura-re-hd.co.jp/ir/management/plan.html

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ課題全般

 本開示項目は、当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)を報告期間として作成しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①サステナビリティに関する基本的な考え方

 当社グループは、世界共通の課題である気候変動や災害の激甚化、人々の価値観の多様化など、経営・事業環境における変化を、新たな成長機会と捉えています。その機会を活かすには、グループとしての方向性を明確化し、社員一人ひとりが長期的な方向性をしっかりと共有することが必要であると考え、2050年のありたい姿として、サステナビリティポリシー「Earth Pride-地球を、つなぐ-」を策定・公表しています。このポリシーは、企業理念「あしたを、つなぐ」、そして、野村不動産グループ2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ - 幸せと豊かさを最大化するグループへ -」と一体のものであり、私たちの進むべき道を示す指針と位置づけています。また、当社ならではのサステナビリティのあり方として、「人」にフォーカスしたポリシーになっているのが大きな特長と言えます。

 サステナビリティポリシーは、当社グループが大切にしたい「人間らしさ」「自然との共生」「共に創る未来」の3つのテーマをベースにしています。さらに、これらを実現するために、2030年までに特に取り組むべき5つの重点課題(マテリアリティ)として、「ダイバーシティ&インクルージョン」「人権」「脱炭素」「生物多様性」「サーキュラーデザイン」を特定しています。

 

a.サステナビリティポリシー(2050年のありたい姿)

0102010_004.png

 

b.2030年までの重点課題(マテリアリティ)及び特定理由

0102010_005.png

 

(特定理由)

「ダイバーシティ&インクルージョン」

・様々なバックグラウンドや価値観を持つ多様な人材が、お互いを受け入れ、尊重し合い、それぞれが能力を最大限に発揮する状態の組織を目指すことが、当社の持続可能な成長には重要

「人権」

・社内外の関心・期待が高く、企業活動を行う上では必ず取り組まなければならないものであり、人権を軽んじると企業として存続することが出来なくなる

・事業に関わる全ての方々が、お互いを尊重してこそ、当社グループ自身が持続可能

「脱炭素」

・当社グループの事業は、天然資源やエネルギーを多く利用しており、環境問題は事業継続に影響する

・環境問題は、当社グループの事業だけでなく、ステークホルダーの生活や事業にも影響する大きな課題

「生物多様性」

・自然環境への貢献のほか脱炭素社会の実現にも貢献できる

「サーキュラーデザイン」

・資源が循環するための仕掛けを予め製品・サービスに組み込むことや、製品そのものの寿命を延ばすことで、出来るだけ廃棄物を抑制するような取組みであり、この取組みは、脱炭素社会の実現にも貢献できる

 

②ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティ活動の一層の強化・推進を図るために、2020年4月にサステナビリティ推進部及び「サステナビリティ委員会」を新設し、2021年4月より野村不動産ホールディングス代表取締役社長兼グループCEOが委員長を務めています。

 サステナビリティ委員会では、サステナビリティ方針とその目標に対する進捗状況の確認、及び活動計画の審議を行っています。また、審議した内容については、定期的に取締役会及び経営会議に報告し、経営計画や事業活動に反映させることで、監督される体制としています。

 なお、2025年3月期は、3回実施したサステナビリティ委員会にて、各重点課題(マテリアリティ)の推進として「GHGの算定および削減目標の見直し」、「新たな経営計画策定に向けたサステナビリティ戦略」、「当社グループのサーキュラーデザインの取組」、「人権デューデリジェンスにかかる新3カ年ロードマップ策定」等に関する審議を実施しました。あわせて、サステナビリティに関わる取り組みについて、グループ各社の議論をより活発化する目的で設定した部門事務局会議を3回、環境分科会を4回、人権分科会を3回の計10回開催しました。引き続きこの方針に沿ってPDCAサイクルを回し、サステナビリティ活動を推進していきます。

 

0102010_006.png

 

③戦略

 当社グループは、「サステナビリティに関する基本的な考え方」において示した、サステナビリティポリシー(2050年のありたい姿)「Earth Pride-地球をつなぐ-」の実現、2030年までの重点課題(マテリアリティ)への取組みによって、「当社グループの持続的な成長」と「持続可能な社会への貢献」に向け、事業を通じてサステナビリティを推進していきます。

 

④リスク管理

 サステナビリティ関連のリスクに関しては、取締役会及び経営会議が管理・監督するとともに、経営会議の下部組織であるサステナビリティ委員会及び人材・ウェルネス・D&I委員会で都度審議しています。また、事業に関する個別事項(ビジネス企画・商品企画等)については各事業部門で管理しています。

・サステナビリティ委員会は、サステナビリティ推進に関する方針・計画策定及び実績管理、グループ社員への理解浸透・各種情報開示等に関する事項、並びにグループ全体としての気候変動関連の方針・目標・リスク等について審議しています。

・人材・ウェルネス・D&I委員会は、事業戦略と連動した人的資本戦略の推進等を目的として、グループ共通の人材面での課題およびグループ各社の適所適材(配置・登用、育成、確保)に関する事項、働く環境の整備(ウェルネス・D&I)に関する事項等について審議しています。

 上記に加え、グループ経営に関する様々なリスクの審議を行うため、経営会議をリスクの統合管理主体として定め、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価及び分析を行い、各部門及びグループ各社に対して必要な指導及び助言を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告を行う体制としております。

 また、経営会議の下部組織として設置しているリスクマネジメント委員会では、リスク管理の実践を通じ、事業の継続及び安定的発展を確保するため、内部統制に関する事項及びグループ経営に係るリスクに関する事項等について審議しています。更に、各事業部門においても、マーケット(顧客企業、消費者)や法規制(建築、不動産等)に関するリスクを個々に調査・把握し、事業・商品等の企画に都度反映させるとともに、各事業部門で検討された事項のうち当社グループ全体に影響が大きい事項については、内容に応じて、取締役会・経営会議・サステナビリティ委員会・リスクマネジメント委員会に適宜報告されています。

 当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク(および機会)を含む各種リスクの識別・評価・管理体制については、「3 事業等のリスク」も併せてご参照ください。

 

(2)テーマ別

①気候変動

 当社グループは、土地やその他の天然資源、エネルギーを利用して事業活動を行っており、気候変動は当社グループの事業継続に大きな影響を及ぼす重要な経営課題であるとの認識のもと、2020年9月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、国内賛同企業による組織「TCFDコンソーシアム」へ加入しています。

 

a.ガバナンス

(ⅰ)取締役会による監督

 気候変動関連のグループ全体の方針・目標等については、「サステナビリティ委員会」で審議しています。同委員会は、これまで毎年3回以上開催のうえ、気候変動に関するリスク・機会の検討、グループGHG削減目標等の検討及びモニタリング等を行っています。また、サステナビリティ委員会の審議内容については、原則として半年に1回以上、取締役会及び経営会議に報告され、あわせて、グループ経営において重要な事項がある場合は、都度、取締役会及び経営会議に報告する体制としています。

 

(ⅱ)経営陣の役割

 当社グループでは、野村不動産ホールディングス代表取締役社長兼グループCEOがサステナビリティ委員会の委員長を務め、グループ全体でサステナビリティ・気候変動への対応を進めています。なお、グループCEOは、取締役会及び経営会議における執行側の最高責任者であり、サステナビリティや気候変動課題への対応を含む、企業としての持続的な成長を実現するために最善の意思決定を下し、関連する重要な業務を執行する責任を負います。

 

b.戦略

 当社グループは、気候変動の戦略を検討するにあたり、IPCC第6次評価報告書及びパリ協定における合意内容等を踏まえ、シナリオを用いた定性的な分析を行いました。気候変動が当社グループにとってどのようなリスク・機会をもたらしうるかを検討し、それらのリスク・機会をとらえる戦略と施策を検討・実施しています。

 

(ⅰ)分析の範囲

 当社グループは、住宅部門(マンション・戸建住宅の開発・分譲、ホテルの開発・賃貸・販売等)、都市開発部門(オフィスビル、商業施設、物流施設等)、海外部門(海外における不動産の開発等)、資産運用部門(REIT・私募ファンドの運用等)、仲介・CRE部門(不動産の仲介等)、運営管理部門(不動産の管理等)、その他より構成されますが、グループ全事業を分析の対象範囲としています。

 なお、GHG排出量の算定範囲として、当社グループのScope1・2・3すべてを対象としています。

 

(気候変動シナリオ分析の概要)

時間的範囲

2051年3月期迄

シナリオの設定

1.5℃シナリオ

パリ協定の達成および脱炭素社会の実現を念頭に置いた社会

4℃シナリオ

気候変動対策が十分に進展せずその結果として自然災害が激甚化した社会

参照文献

・国連IPCC第5次評価報告書(2014年)

「代表濃度経路(RCP)2.6」

「代表濃度経路(RCP)8.5」

・国連IPCC第6次評価報告書(2021年)

・IEA World Energy Outlook(2020年)

「持続可能な開発シナリオ(SDS)」

「すでに公表済みの政策によるシナリオ(STEPS)」

 

(ⅱ)リスク(及び機会)の特定

 TCFD提言では、気候変動に関わるリスク・機会について、移行リスク・機会(政策・法規制、技術、市場、評判)・物理的リスク・機会(急性、慢性)に分類しています。当社グループは、この分類に従い、各リスク・機会項目について、定量的閾値として、財務インパクトにおける影響度(小・中・大に分類)、顕在化する時間軸(長・中・短に分類)を特定しています。なお、定性的な要因で重要と判断されたリスク・機会は、現時点で定量化が困難な項目と認識しており、財務インパクトにおける影響度と顕在化する時間軸を「-」としております。

 

 

財務インパクト

影響度基準

影響度設定

連結事業利益への影響度

2024年3月期実績

(金額/年)

10%~

113億円~

5~10%

56~113億円

~5%

~56億円

0%

金額影響はない想定

-

想定不可

想定不可

 

時間軸基準

影響期間設定

想定期間

短期

~2025年

中期

~2030年

長期

~2050年

発生しない想定

-

想定不可

 

定性分析

定量分析

 

分類

項目

1.5℃

4℃

大分類

小分類

影響度

期間

影響度

期間

リスク

移行リスク

政策・法規制

ZEB、ZEH規制対応による工事費増

中~長期

炭素税:自社排出への課税(Scope1、2)

中~長期

短期

市場

炭素税:開発コスト増

(Scope3カテゴリ1)

中~長期

短期

省エネ設備等の投資

中~長期

評判

非ZEB物件の年間賃料損失

中期

技術

事業・商品等に対する信頼性等の変化

-

-

-

-

物理的リスク

急性

風水害の激甚化による損害増(洪水)

長期

長期

慢性

海面上昇被害(洪水)

長期

長期

気温上昇被害(猛暑日)

長期

長期

機会

移行機会

政策・法規制

省エネ技術、ZEB、ZEH等の補助金制度の拡充

-

-

-

-

市場

太陽光発電収益

-

-

-

評判

ZEB物件売却収益増

中期

ZEH物件売上増

中期

技術

事業・商品等に対する信頼性等の変化

-

-

-

-

CO2削減による資金調達コスト減

短期

短期

省エネ性能向上による光熱費減

中期

中期

 

 

c.リスク管理

 気候変動関連のリスクは、サステナビリティ委員会で審議され、取締役会及び経営会議が監督しています。

 上記に加え、経営会議をリスクの統合管理主体として定めた当社グループのリスク管理体制のなかでも、気候変動に関するリスクをモニタリング・評価・分析し、取締役会に報告しています。なお、当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク(および機会)を含む各種リスクの識別・評価・管理体制については、「3 事業等のリスク」も併せてご参照ください。

 

d.指標と目標

 当社グループでは、気候変動への対応を進めるために、GHG排出量及びエネルギー使用量の削減に関して、以下4つの目標を掲げております。

 

(ⅰ)2050年までのカーボンニュートラルの実現

(長期目標)

 2050年までに、当社グループ全体での Scope1・2及び3※1におけるカーボンニュートラルを実現。

 

(ⅱ)GHG排出量の削減

(中期目標)

 2031年3月期までに、当社グループ全体でのScope1・2及び3(カテゴリ1・11・13)※2のGHG排出量(総量)について、2020年3月期比、Scope1・2を60%削減、Scope3を50%削減。

※2025年3月SBT(Science Based Targets)認定取得済。

 

GHG排出量(Scope1・2)(千t-CO2)※3

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

132

129

98

75

 

GHG排出量(Scope3)

(千t-CO2)※3

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

1,287

1,916

1,868

2,060

 

※1 GHG排出量算定の国際的なスタンダードのGHGプロトコルに基づき、排出量目標を設定しておりま

   す。

Scope1:燃料の燃焼などの直接排出量

  Scope2:自社で購入した電気・熱の使用に伴う間接排出量

  Scope3:Scope1・2以外の間接排出量(カテゴリ1・11・13のみ)

当社グループは不動産事業の特性上、資本関係の如何に関わらず、保有する不動産物件単位で、権益の

多寡に応じて、経済的利益を取得、また財務方針及び経営方針を決定する権限を持っていることから、「財務支配力アプローチ」を採用しております。

Scope2の発生要因が主に電力の使用であることから、各連結会計年度における各拠点の電力消費量に、各連結会計年度末において入手可能な環境省の「電気事業者別排出係数」における全国平均係数等を乗じることによる見積りの方法に基づくロケーション基準にて算定しております。

※2 Scope3については、カテゴリ1(建物の建設時等)、カテゴリ11(販売した商品の使用時)および、カテゴリ13(下流のリース資産)を対象としており、2024年3月期実績で、Scope3の約9割をカバーしています。

※3 Scope1・2およびScope3(カテゴリ1・11のみ)のGHG排出量は、千t-CO2未満を四捨五入しております。

   また、当連結会計年度の排出量は、現在集計および精査をしており、当社ホームページにおきまして、2025年9月頃に開示することを予定しております。

 

 

 

 

(ⅲ)エネルギー使用量の削減

(中長期目標)

 2050年までに、当社グループ全体の消費電力を、100%再生可能エネルギー由来の電力とする。

(2022年1月RE100加盟済)

 

エネルギー消費量

(MWh)

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

381,817

379,428

382,231

380,366

 

(短期目標)

 2024年3月期までに、野村不動産㈱が保有する国内すべての賃貸資産※1の消費電力を、100%再生可能エネルギー由来の電力とする目標を掲げており、2023年3月期実績、翌2024年3月期にて達成しております。

※1 野村不動産㈱が電力会社と直接電力契約を実施する賃貸資産(テナント使用分含む)、野村不動産㈱が他者と区分・共有して保有する資産、売却・解体対象資産及び一部賃貸住宅の共用部は除く。

 

(ⅳ)新築物件における省エネルギー性能指標ZEH/ZEB oriented水準を確保(BEI値の達成)

 2030年までにZEH/ZEB oriented水準を確保するために、単年度ごとに達成すべきBEI値を設定し、同値の達成度を計測する。

※BEI値:Building Energy-efficiency Indexの略。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)の省エネ基準に基づく、建築物の省エネルギー性能を評価する指標。建築物の一次エネルギー消費量の水準を示す。

 

 

 

②人的資本

a.人的資本に対する考え

 当社グループでは、人材戦略を経営戦略と連動させ、目指す姿(企業理念・ビジョン)を実現することを「人的資本経営」と定義し、価値創造プロセスに位置付けています。

 また、目指す姿の実現のために、「グループ人事・人材開発ビジョン」を掲げ、人的資本の最大化に向けた人材戦略に取り組んでいます。

 

当社グループ「価値創造プロセス」における人材戦略および人的資本の位置付け

0102010_007.png

「グループ人事・人材開発ビジョン」

0102010_008.png

 

b.グループ人材戦略(三つの重点テーマ)

 当社は、経営会議の下部組織として、「人材・ウェルネス・D&I委員会」を設置しています。同委員会において、人的資本をグループ一体でマネジメントし、経営戦略と連動する人材戦略の在り方等について審議しています。審議内容は、原則として半年に1回以上、取締役会および経営会議に報告され、併せてグループ経営において重要な事項がある場合は、その都度取締役会および経営会議に報告する体制としています。

 また、当社は、2025年6月に、下記のとおりグループ人材戦略における三つの重点テーマを策定しました。2030年ビジョンの実現を目指し、グループの人的資本経営をより一層推進していきます。

 

(ⅰ)重点テーマ① ビジョンへの共感

 自ら成し遂げたい目標と会社のビジョンのつながりを創出

・ありたい姿:社員一人ひとりが会社のビジョンに共感し、自らの仕事で体現している状態

・基本方針:経営陣・マネジャーと社員との対話を促進、成し遂げたい目標を見つける機会を提供

(具体的施策)

 ・グループCEOから全社員への配信をはじめとした経営層からの発信

 ・エンゲージメントサーベイの実施

 

(ⅱ)重点テーマ② 働きがいの向上

 社員一人ひとりが能力を発揮し、成長できる環境づくり

・ありたい姿:社員一人ひとりが働きがいを感じ、自発的に成長しようとしている状態

・基本方針:人材育成体系の構築、ダイバーシティ&インクルージョンの実現、ウェルネスの推進

(具体的施策)

 ・グループ合同研修

 ・グループCEO・COOと社員との対話の場となるウェルネス推進ミーティングの実施

 

(ⅲ)重点テーマ③ 人材の配置・登用

 事業戦略と連動した人材配置と社員のキャリア形成の両立

・ありたい姿:事業戦略に合わせて迅速・柔軟に人材を配置・登用し、同時に社員のキャリア形成を実現

       している状態

・基本方針:注力領域へのリソースシフト、タレントマネジメントの推進、グループ間連携の促進

(具体的施策)

 ・人材戦略について議論する人材・ウェルネス・D&I委員会の実施

 ・人材育成や新価値創造を目的としたグループ間人材交流

 

c.指標と目標

 当社グループでは、サステナビリティポリシーの実現に向けた重点課題(マテリアリティ)として「ダイバーシティ&インクルージョン」及び「人権」を特定しており、計測指標(KPI)として以下を設定しております。その目標及び実績は下記の通りです。

目標

2024年3月期実績

2025年3月期実績

女性マネジメント職層比率 20

14.7%

18.9

男女育児休業取得率 100

101.2% ※1

103.1% ※1

1on1ミーティングの実施率 100

82.1%

82.6

人権・ウェルネス・D&I 研修参加率 100

100.0% ※2

100.0% ※2

※1 分母は該当年度に出産した女性社員および配偶者が出産した男性社員の数、分子は該当年度に出生時育児休業・育

   児休業・育児を目的とした休暇制度による休暇等を取得した女性社員および男性社員の数。

※2 グループ合同で実施したオンライン研修の参加率。

 

3【事業等のリスク】

(1)リスク管理の基本方針

当社グループでは、リスク管理を「企業グループの組織・事業目的の達成に関わる全てのリスクを統合的かつ一元的に管理し、自社のリスク許容限度内でリスクをコントロールしながら企業価値の向上を目指す経営管理手法」と捉え、リスクの適切な管理及び運営によって経営の健全性を確保することを目的として、「リスク管理規程」を定めております。

「リスク管理規程」において、リスク管理の実践を通じ、事業の継続及び安定的発展を確保することを基本方針と定め、主要なリスクを「A:投資リスク」、「B:外部リスク」、「C:災害リスク」、「D:内部リスク」の4つのカテゴリーに分類し、そのうち以下に該当するリスクを管理すべき重要なリスクと定め、リスクの規模・特性等に応じた有効かつ効率的な管理を行うこととしております。

 

<主要なリスクのうち管理すべき重要なリスクに該当するもの>

・グループ経営に大きな影響を及ぼすおそれのあるリスク

・社会的に大きな影響を及ぼすおそれのあるリスク

・訴訟等の重大なトラブルが発生するリスク

・その他野村不動産グループとして管理すべき重要なリスク

 

(2)リスク管理体制

当社では、グループ経営に関する様々なリスクの審議を行うため、経営会議をリスクの統合管理主体として定め、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価及び分析を行い、各部門及びグループ各社に対して必要な指導及び助言を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告を行う体制としております。

「A:投資リスク」、「B:外部リスク」については、統合管理主体である経営会議が直接モニタリング等を行い、「C:災害リスク」及び「D:内部リスク」については、経営会議の下部組織として設置している「リスクマネジメント委員会」が定期的なモニタリング、評価及び分析を行うとともに、発生前の予防、発生時対応、発生後の再発防止等についての対応策の基本方針を審議しております。また、リスクマネジメント委員会委員長により指名されたグループ各社の取締役、執行役員等で構成される「グループリスク連絡会議」を設置し、グループ内でのリスク情報及び対応方針を共有しております。

リスク管理については、各部門長が所管する部門のリスク管理を統括し、その状況を必要に応じて経営会議またはリスクマネジメント委員会に報告するとともに、グループ各社の社長(野村不動産㈱においては各本部長)は、リスク管理に関する事項について適時適切に部門長に報告することとしております。

また、グループ各社において事業を掌る組織をリスク管理の「第1線」、当社及びグループ各社においてコーポレート業務を掌る組織を同「第2線」、当社及びグループ各社において内部監査を掌る組織を同「第3線」と定義し、当社の第2線及び第3線がグループ各社の第2線及び第3線に支援・指導・協働を行う等、それぞれの立場からリスク管理における役割を担うことで、ガバナンスとリスクマネジメントを支援する効率的な組織及びプロセスを構築しております。

緊急を要する重要な問題が発生した場合には、「リスク管理規程」に則り、リスクマネジメント委員会委員長が関係部室の担当役員等と協議のうえ対応策等の基本方針を決定し、社長執行役員(グループCEO)に報告を行い、その基本方針に則った対応等の指示を行います。

 

 

 

 

  0102010_009.png

 

   0102010_010.png

 

(3)主要なリスクの内容

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、主要なリスクのうち当社グループの事業に与える影響の大きさや外部環境等を踏まえ、2026年3月期において特に注視するリスクを選定しております。

 なお、文中の将来に関する事項及びリスクの認識は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

 

(主要なリスク)

リスクカテゴリー

定義

主要なリスク

A:投資リスク

個別の投資(不動産投資・会社投資(M&A)等)に関するリスク

不動産投資に伴うリスク

会社投資(M&A)・新規事業に伴うリスク

B:外部リスク

事業に影響を及ぼす外的要因に関するリスク

市場の変化によるリスク

経済情勢の変化によるリスク

政治・社会情勢・制度(法規制・税制・会計制度等)の変化によるリスク

事業の前提となる社会構造の変化・イノベーションに遅れることによるリスク

C:災害リスク

顧客及び事業継続等に大きな影響を与える災害に起因するリスク

顧客及び事業継続等に大きな影響を与える災害(地震・台風・洪水・津波・噴火・大火災・感染症の流行等)に起因するリスク

D:内部リスク

当社及びグループ各社で発生するオペレーショナルなリスク

法令違反によるリスク

品質不良の発生によるリスク

10

情報システム危機発生によるリスク

11

人材に関する事項への対応不備によるリスク

12

不正、過失等の発生によるリスク

 

  (特に注視するリスク)

A:投資リスク

・用地取得の競争激化等により、想定した事業量が確保できず、経営計画で見込んでいる利益成長が実現困難なリスク

・新築工事に関して、事業計画や予算で見込んでいる想定以上のコストの上昇や工期の長期化、またゼネコンによる工事受注の制約等により、事業収益が悪化するリスク

・再開発事業など事業期間が長期間でかつ投資金額が大きいプロジェクトについて、経済情勢の変動や工事費の高騰等により、事業スケジュールの遅延や事業の大幅な見直し・中断等が生じるリスク

B:外部リスク

・国内不動産市場や金融情勢の変化により、分譲住宅・収益不動産の売却価格や保有資産の賃貸収益に影響が生じるリスク

・想定以上の金利の上昇により金融コストが増加し、当社収支に影響を及ぼすリスク

・海外各国の経済・不動産市場の悪化やゼネコンやJVパートナーの財務状況悪化等により、海外事業の収益性悪化や利益回収時期の遅延が生じるリスク

・ライフスタイルや価値観の変化への対応・多様化への対応、インバウンド・個人富裕層・単身世帯の増加への対応、不動産投資ニーズへの継続的な高まりへの対応、デジタルテクノロジーの加速度的な進化への対応、またサステナビリティや人材への対応等が遅れることにより、当社事業の競争優位性が低下するリスク

C:災害リスク

・激甚化する地震、台風、豪雨等の自然災害により事業が継続できないリスク

D:内部リスク

・不動産開発事業における設計・施工の不備の発生によるリスク

・多様な人材が活躍し続けるための人事制度の浸透・環境整備が遅れることにより、人材確保に支障をきたすリスク

・サイバー攻撃・システム障害による情報流出、事業継続への影響、損害等の発生・拡大によるリスク

・労務費、原材料費などの上昇を踏まえた受注者の適正な価格転嫁を実現するための取り組みが十分ではないことにより、法令等に抵触し、また相手方との円滑な取引の実現に支障が生じるリスク

 

(主要なリスクの内容と主な取り組み)

リスク項目

1 不動産投資に伴うリスク

リスクカテゴリー

A:投資リスク

リスクの内容

・予期せぬ土壌汚染等の判明、許認可の取得の遅れ、追加工事の発生、ゼネコンによる工事受注の制約、工期の長期化、及び工事費・エネルギーコストの上昇等により、計上時期の遅れや収益性の悪化が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

不動産投資・開発事業については、予めリスクの抽出及び分析・評価、リスクテイクまたはリスク回避の方針を検討の上、当社またはグループ会社の取締役会または経営会議等において判断をしております。特に、工事費の上昇リスクについては、事業用地の取得時に一定の追加コストを織り込む等の対応の実施、並びに工事費の動向及び工事費上昇に伴う影響について取締役会または経営会議において定期的にモニタリングを行っております。

なお、事業用地の取得後は、スケジュールが遅延するリスクや建築コストの状況等について、事業を所管する組織にて把握し、特に重要な事象が発生した場合には必要に応じて当社またはグループ会社の取締役会または経営会議等にて審議のうえ、課題への対応を行っております。

また、推進中及び完了した事業において、各事業の進捗のモニタリングや実績の振り返りを行い、事業種別ごとの課題や傾向等について把握・分析を行っております。

 

リスク項目

2 会社投資(M&A)・新規事業に伴うリスク

リスクカテゴリー

A:投資リスク

リスクの内容

・会社投資(M&A)において、投資した対象会社に期待する利益成長やシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・新事業領域への取り組みや新たなアセットタイプへの投資等において、当初計画する事業計画やグループ各社とのシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

 会社投資(M&A)については、当社グループの既存事業とのシナジー効果や、対象会社の経営計画・財務内容・契約関係等を慎重に調査・検討し、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に実行しております。また、会社投資(M&A)実行後は、対象会社と当社グループとの統合プロセスの状況、経営課題及びその対応方針等について、取締役会または経営会議において定期的にモニタリングを行っております。

 新規事業の検討については、事業計画等を慎重に調査・検討し、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に参画をしております。また、新規事業への参画後は、事業の推移等を定期的にモニタリングし、計画の修正等が必要な場合には、当社またはグループ会社の取締役会または経営会議にて審議を行っております。

 

 

 

 

リスク項目

3 市場の変化によるリスク

リスクカテゴリー

B:外部リスク

リスクの内容

・競合他社の動向、革新的な新規参入企業の出現、経済情勢・政治・社会情勢の変動、地政学リスクの発現、及び災害の発生等が事業環境や市況の変化につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

 当社グループでは、各事業についての外部環境の認識を定期的に更新し、業績への影響の把握と事業の進捗管理や精度の向上に努めております。

不動産投資・開発事業における投資決定にあたっては、現在及び将来の市況を把握または予測するとともに、過去のマーケットの推移等も確認し、市況の変動が発生した場合においても影響を一定程度に抑えることを基本としております。

また、市況に急激な変動が生じた場合でも、財務状況に関して一定の健全性を確保することができるように、リスク評価を実施したうえで、投資予算を策定しております。

 

リスク項目

4 経済情勢の変化によるリスク

リスクカテゴリー

B:外部リスク

リスクの内容

・国内外の景気後退により、住宅分譲事業における顧客の購買意欲の減退や、オフィスビル等の賃料水準の低下や空室率の上昇等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・市中金利の上昇により、当社グループの資金調達コストの増加、住宅ローン金利の上昇による住宅分譲事業における顧客の購買意欲の減退、及びキャップレートの上昇による資産価格の下落等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・為替レートの変動により、円換算での投資額・回収額の変動や、連結財務諸表上の外貨建ての資産及び負債額の変動等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・海外各国のゼネコンやJVパートナーの財務状況悪化等により、海外事業の収益性悪化や利益回収時期の遅延が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

経済情勢の変化については、外部環境の認識を定期的に更新し、業績への影響の把握に努めております。

借入金による資金調達にあたっては、長期・固定での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇のリスクへの対応を図っております。

不動産投資・開発事業においては、賃料の低下やキャップレートの上昇による資産価格の下落等が発生した場合においても、影響を一定程度に抑える投資判断を行っております。

為替変動のリスクについては、海外で展開する事業種別を踏まえた為替ヘッジ方針を定め、これに沿った運営をしております。

また、海外事業におけるゼネコンやJVパートナーの状況については、第1線・第2線による定期的なモニタリングとともに、海外事業リスク会議等を通じて、事業に影響を及ぼす事象やその対応について定期的に確認・審議し、必要に応じて当社またはグループ会社の取締役会または経営会議等においても審議を行っております。

 

 

 

 

 

 

 

リスク項目

5 政治・社会情勢・制度(法規制・税制・会計制度等)の変化によるリスク

リスクカテゴリー

B:外部リスク

リスクの内容

・地政学リスクの顕在化等、政治・社会情勢の変化が生じた場合、為替市場、エネルギー市場、及びサプライチェーンの混乱等により、建築費・エネルギーコストの上昇や事業スケジュールの遅延等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・海外事業において、その国固有の政治・社会情勢に基づくカントリーリスクにより、事業開始時には想定していない政治・社会情勢の変化が生じた場合、事業推進上の障壁等につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・当社グループの各事業に適用される国内外の各種法規制等について変更等が生じた場合、また今後の事業範囲の拡大により新たな法規制等の影響を受けることになった場合、新たな義務や費用負担等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・不動産事業に影響がある国内外の各種税制・会計制度等について変更等が生じた場合、資産の取得・保有・売却時の費用の増加、顧客の購買意欲の減退、及び企業のファシリティ戦略の転換・投資計画の修正等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・バリューチェーン上の人権課題に対し、適切な対応を取らないことにより、顧客との取引停止等事業活動の制限や、当社グループのブランド価値の毀損が発生するリスク

主な取り組み

国内外の政治・社会情勢、各種法規制、税制及び会計制度の動向については、業界団体や専門家、取引関係先等からの情報を収集・分析して当社の第2線の各組織にて対応の検討を行い、重大な影響が予想されるものについては内容に応じて取締役会または経営会議にて審議を行っております。

特に海外事業においては、事業参画時に外部の専門家の知見を踏まえ、今後の政治・社会情勢の見通し、適用される法規制及び税制等を確認し、参画後には海外事業リスク会議等を通じて、事業の戦略・収支・推進等に影響を及ぼす政治・社会情勢、重要な関連法令の変更の状況等を定期的に確認し、変更がある場合には影響の評価・対応の方針等を検討のうえ、取締役会または経営会議にて審議を行っております。

人権については、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権デュー・デリジェンスのプロセス構築・運用に取り組んでおり、社長執行役員(グループCEO)を委員長とする「サステナビリティ委員会」及び下部組織である「人権分科会」において、「野村不動産グループ人権方針」に則った方針の策定、各目標に対する進捗状況の確認、及び活動計画の審議を行っております。

 

 

 

 

 

リスク項目

6 事業の前提となる社会構造の変化・イノベーションに遅れることによるリスク

リスクカテゴリー

B:外部リスク

リスクの内容

・社会構造の変化や、急速な技術革新・革新的な新規参入企業の出現による産業構造の変化への対応が遅れた場合、当社商品及びサービスの競争優位性が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・少子高齢化の進展による人材確保難が当社商品及びサービスの展開能力を制約するリスク

・温室効果ガス削減規制等の施行・強化による顧客の環境・省エネルギー・防災に関する要求の変化や、高い環境性能・エネルギー性能に関する技術への対応に遅れた場合、当社商品及びサービスの競争優位性が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

当社グループはこれまでも事業環境の変化の中で、マーケットインの発想に基づく不動産開発力や、街づくり・不動産関連サービスにおける品質へのこだわりといった強みを活かし、独自性の高い新たな価値を創造し、社会とお客様に提供してまいりました。

この強みをベースに、社会構造・産業構造の変化や、社会や顧客のサステナビリティへの意識の高まりに対応すべく、当社に専任の組織を設置し、新領域事業の研究・開発、イノベーション創発・デジタル戦略等の企画・推進、及びサステナビリティに関する取り組み等を行っております。

経営企画部を事務局として、当社グループ各社の従業員が、日常の業務の枠組みを超えて取り組める「イノベーション推進制度」を設け、イノベーション人材の育成を図るとともに新たな領域探索活動を推進しております。

また、コーポレートベンチャーキャピタルを通じて、出資先となる革新的技術やサービスを持つベンチャー企業と協業し、デジタルテクノロジーを活用したサービスの提供も継続しております。

価値創造に挑戦する風土の形成やグループ連携の強化については、コーポレートコミュニケーション部を事務局としてグループ内表彰制度「野村不動産グループアワード」を設けて取り組んでおります。

さらに、人材確保難への対応として、デジタルテクノロジー等の活用による業務効率化・省力化に取り組むと共に、「適所適材」につながる配置・登用、育成、人材の確保及び「環境整備」につながるウェルネス、ダイバーシティ&インクルージョンの各施策を講じております。当社グループの人的資本経営に関する取り組みについてはP.22~23をご参照ください。

なお、当社グループにおける温室効果ガスの削減、当社商品及びサービスに係る環境性能・エネルギー性能の向上等を含むサステナビリティに関する取り組みについては、P.15~P.23をご参照ください。

 

 

 

リスク項目

7 顧客及び事業継続に大きな影響を与える災害(地震・台風・洪水・津波・噴火・大火災・感染症の流行等)に起因するリスク

リスクカテゴリー

C:災害リスク

リスクの内容

・大規模な地震、風水害、感染症の流行等の災害により、当社グループの役職員の生命・身体の安全が脅かされ、事業継続に必要な人員確保が滞ることにより、当社グループの事業継続が困難になるリスク

・大規模な地震、風水害等の災害により、当社グループが分譲・賃貸・管理する物件等が毀損し、当該物件等にかかわる顧客等の安心・安全が脅かされるリスク

主な取り組み

当社グループでは、近年激甚化・頻発化する災害発生を重要な社会課題と認識し、行政及び防災の専門家等との協議を踏まえ、災害時の安心・安全の確保に努めるとともに、災害が発生した場合には、その影響を最小限に抑え、生活や事業を継続できるように防災に取り組むとともに、災害発生時における事業継続に関する行動計画(BCP)を策定しております。

地震、風水害に関しては、BCPにて、非常時の指揮命令系統、事業継続のための任務分担などを定め、災害の影響を最小限に抑える体制を整備し、年に一度「災害対策本部設置訓練」を実施することで、規定内容の確認(役職員の生命や安全の確保、指揮系統の確立、事業復旧)を行い、非常時に備えています。感染症については、新型コロナウイルス感染症の当社グループにおける対応実績を踏まえ、今後の新たな感染症の発生に備えて、感染確認時から蔓延時まで、感染状況の拡大するフェーズに応じた対応(指揮系統の確立、事業継続を目的としたコア事業の選定、感染予防等に関する共通ルールの策定等)について取りまとめた感染症に関するBCPを策定しております。また、国内だけでなく、海外における様々な地政学リスク・テロ・災害発生等に対する初動対応や国外退避基準等を定めたBCPも策定しております。

地震・風水害等の災害を起因とする突発的な事故の発生に関しては、当社グループの「品質マニュアル」における集中豪雨対策や浸水対策の規定、防災対応マニュアルの整備や防災ガイドブックの配布等の管理物件における居住者・管理組合・テナント企業・施設利用者等に対する防災支援等を行い、災害時の安心・安全を確保するための取り組みを行っております。

 

リスク項目

8 法令違反によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・宅地建物取引業法、建築基準法、金融商品取引法、会社法、個人情報保護法、独占禁止法、下請法その他関係法令に違反し、信用の失墜や行政処分、罰金等が課されることにより、経営成績に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

当社グループでは、役職員が法令及びグループ各社が定める社内規程等を遵守し、さらに、より高い倫理観に従って行動することを目的とし「野村不動産グループ倫理規程」を定め、役職員に対する継続的な教育、研修を行っております。

宅地建物取引業法等の主要な法令に関しては、法令遵守のため、各法令に応じた業務フローの策定を行い、研修やOJTによる周知徹底と法令遵守状況の定期的な自主点検を行っております。独占禁止法等に関しては、資材価格、エネルギーコストなどの上昇を踏まえた受注者への適正な価格転嫁を実現するため、グループ各社の業務特性や事業規模に応じた業務ルールの策定や、マニュアルの作成、研修の実施などを行い、法令遵守体制の強化に取り組んでおります。また、外国公務員等への不適切な接遇に関しては、規程等を制定し、海外事業に関係する役職員及び海外現地採用職員を対象として、定期的な研修を実施しております。

 

 

 

 

リスク項目

9 品質不良の発生によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・不動産開発事業における設計・施工等の不備、また、賃貸・管理する施設における管理上の不備等により、信用の失墜や想定外の費用及び開発計画、運営計画の遅延が生じ、経営成績に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

不動産開発事業においては、一定の信用力・技術力を有する第三者に建物の設計・施工業務等を発注し、その設計・施工における品質を確保するため、当社グループにて「設計基準」(構造・建築・設備・電気)及び「品質マニュアル」等を定め、発注先による遵守徹底を図るとともに、発注者として施工状況の確認及び品質検査を実施しております(但し、他社との共同事業や再開発組合が主体となる再開発事業等においては、事業形態に応じて異なる方法を採用する場合があります)。また、賃貸・管理する施設に関しては、管理に係る業務標準書、修繕工事における安全・仮設ガイドライン等を策定して業務を行うとともに、万一の不備や事故等に備え、損害保険を付保しております。

 

リスク項目

10 情報システム危機発生によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・サイバー攻撃、不正アクセス、及びシステム障害等の不測の事態により、万一、情報システムが正常に利用できない場合や個人情報が外部へ漏洩した場合、当社グループの営業活動や業務処理の遅延、信用の失墜及びそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

インターネットやクラウドサービスを活用した業務変革や、持続的な成長の実現へ向けたDXへの取り組みを積極的に推進している状況において、情報セキュリティの確保はこれまで以上に重要性を増してきており、インターネットからの不正アクセス遮断や情報端末のウイルススキャン、万一マルウェアやボット等が侵入した場合に振る舞いを検知して不正送信を阻止する等のセキュリティシステムを導入し、さらにこれらのシステムからのアラート監視を行い、サイバー攻撃や情報漏洩に備えたICT環境の整備を進めています。また、クラウドサービスの利用においては、事前にセキュリティチェックを行っており、安全に利用するよう確認しております。

システム障害による事業継続への対応として、ネットワークやシステムの稼働状況を監視し、万一の障害発生に備えた速やかな復旧手段や業務代替手段の整備拡充に取り組んでおります。

個人情報に関しては、関係する諸法令の遵守と適正な取扱いの確保に努めており、当社グループにおける情報の組織的管理とセキュリティのレベルの維持向上を図ることを目的として「情報セキュリティ規程」及び「情報取扱ガイドライン」を定め、定期的に役職員への情報セキュリティ啓蒙を行い、顧客の権利や利益の保護と当社グループにおけるICT環境の安定的な運用を図っております。

また、万一の情報漏洩等の事故発生に備え、サイバー保険を付保しております。

 

 

 

リスク項目

11 人材に関する事項への対応不備によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・当社グループの従業員の勤務時間が適切に把握されず、長時間労働が行われることによって従業員の健康が害されるリスク

・人事制度やその運用が労働基準に関する法制度に適合しないことで、当局から行政処分等を受けた場合に人材流出や信用の失墜、罰金等が課されること等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼすリスク

・多様な人材(育児・介護等による短時間勤務者、性的マイノリティ、障がい者、シニア、外国人等)を受け入れる労働環境の整備が遅れることにより、必要な人材を確保できず、または確保した人材が活躍し続けられず、企業競争力の低下につながるリスク

・海外拠点における人事労務面において、現地労働関係法令・慣習等に反する制度の導入や運用により、当局から行政処分等を受けるリスク、現地従業員の退職によりノウハウを喪失するリスク、駐在員の現地での生活を適切にサポートする仕組みがないことにより駐在員の健康が害されるリスク

主な取り組み

当社グループは「活き活きと働くウェルネスの実現」を行動指針として掲げ、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を継続し、企業価値を向上していくために、すべての役職員が心身ともに健康で活き活きと仕事に取り組むことが企業の持続的成長につながる「ウェルネス経営」を目指しております。

多様な人材が働きやすい労働環境の構築のため、有給休暇の取得推奨、テレワークの推進、育児・介護等による休業や短時間勤務制度等を導入するとともに、定期的な研修により、役職員の多様性に関する理解度向上に取り組んでおります。また、野村不動産など一部のグループ会社において、男性の出生時育児休業の一部有休化や積立有休制度を導入しております。

勤務時間の適切な把握のため、勤怠管理システムを導入して管理を行い、特に長時間労働については定期的な状況のモニタリングを行っており、また、人事制度やその運用の遵法性については、定期的に社外の専門家による検証を行い、リスク顕在化の予防に努めております。

また海外においては独自の法律、文化、慣習があることから、外部の専門家等の知見を活用した人事労務制度の構築、駐在員の相談窓口の整備、医療機関の斡旋や受診のサポートを行うサービスの整備等を行っております。

多様な人材の活躍に向けて、当社グループのD&I推進方針及び中期・短期の推進ロードマップを策定・公表し、ステップ1としてD&I意識醸成に取り組んでまいりました。今後は『D&I意識醸成』をさらに推進していくとともに、ステップ2の『D&Iが事業活動に組み込まれる文化形成』を目指し、インクルーシブデザインの取り組み体制の構築等の施策を進めてまいります。なお、当社グループでは、事業戦略と連動した人的資本経営の推進等を目的として、社長執行役員(グループCEO)を委員長とする「人材・ウェルネス・D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)委員会」を設置し、グループ各社における人材の配置・登用・育成・確保、ウェルネス、人材の多様性の確保等について議論を行っております。

当社グループにおける人的資本経営の方針についてはP.22~P.23をご参照ください。

 

リスク項目

12 不正、過失等の発生によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・役職員の不正、不適切な管理による情報の流出、業務上の過失等により、信用の失墜や、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等が生じ、経営成績に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

当社グループでは、役職員が法令及びグループ各社が定める社内規程等を遵守し、さらに、より高い倫理観に従って行動することを目的とし「野村不動産グループ倫理規程」を定め、役職員に対する継続的な教育、研修を行っております。

また、当社及びグループ会社の各部室店にコンプライアンス推進責任者を配置することで、各職場におけるコンプライアンス活動の実効性を高める体制を構築しております。さらにグループ各社共用の内部通報制度「野村不動産グループ・ヘルプライン」によって、通報及び相談窓口を内部及び外部にそれぞれ設ける等、公益通報者保護法に基づく体制整備及び運用を行っております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況および分析の内容は次のとおりであります。

 

(1)経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容

①当連結会計年度の事業環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や企業の設備投資の持ち直し、雇用・所得環境が改善する中で各種政策の効果等により、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、通商政策など国際情勢の変化が世界経済に影響を与えるリスクへの懸念が高まっています。また、国内において継続する物価上昇や政策金利の段階的な引上げによる影響については、今後も注視が必要です。

 

②当社グループの経営成績の状況及び分析の内容

 このような事業環境の下、当社グループの経営成績は、売上高は757,638百万円(前連結会計年度比22,923百万円、3.1%増)、営業利益は118,958百万円(同6,843百万円、6.1%増)、事業利益は125,104百万円(同11,438百万円、10.1%増)、経常利益は106,740百万円(同8,491百万円、8.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は74,835百万円(同6,670百万円、9.8%増)となりました。

   (注)事業利益 = 営業利益 + 持分法投資損益 + 企業買収に伴い発生する無形固定資産の償却費

            + 海外部門におけるプロジェクト会社(※1)の持分売却損益(※2)

     ※1 不動産の保有・開発を主としたSPC等を指します。

     ※2 事業利益の定義に「海外部門におけるプロジェクト会社の持分売却損益」を追加いたします。

        なお、本定義への変更は、2025年3月期から適用いたします。

   (注)事業利益の対前期増減率は、前期の数値についても本定義に基づき、計算しております。

 

a.連結経営成績

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減

売上高

734,715

757,638

22,923

 住宅部門

359,180

368,456

9,276

 都市開発部門

216,384

213,349

△3,034

 海外部門

4,616

9,401

4,784

 資産運用部門

14,356

15,593

1,237

 仲介・CRE部門

49,588

57,188

7,599

 運営管理部門

108,190

113,889

5,699

 その他

280

281

1

 調整額

△17,882

△20,523

△2,640

営業利益

112,114

118,958

6,843

事業利益

113,665

125,104

11,438

 住宅部門

41,499

48,782

7,283

 都市開発部門

49,325

41,614

△7,711

 海外部門

△357

6,620

6,977

 資産運用部門

8,571

9,856

1,284

 仲介・CRE部門

13,447

16,573

3,125

 運営管理部門

10,088

11,941

1,853

 その他

161

136

△25

 調整額

△9,070

△10,420

△1,350

経常利益

98,248

106,740

8,491

親会社株主に帰属する

当期純利益

68,164

74,835

6,670

 

b.経営上の目標の達成状況

経営上の目標の達成状況については以下のとおりであります。

指標※1

指針※1

当連結会計年度

事業利益

115,000百万円

(2025年3月期)

125,104百万円

 

ROA

4.5%水準

(2023年3月期~2025年3月期)

5.1%

 

ROE

9%水準

(2023年3月期~2025年3月期)

10.4%

 

総還元性向

40~50%

(2023年3月期~2025年3月期)

45.9%※2

 

 ※1 2022年4月に策定した中長期経営計画にて掲げている指標・指針となります。

 ※2 当連結会計年度の総還元性向については、2024年10月25日開催の取締役会決議による自己株式の取得(取得期間:2024年10月28日~2025年1月31日)における取得価額の総額を考慮して算出しております。

 

③部門別の経営成績の状況及び分析の内容

部門ごとの業績の状況及び分析の内容は、以下のとおりであります。

    (注)1.各部門の売上高は、部門間の内部売上高、振替高を含みます。
        2.端数処理の関係で合計数値があわない場合があります。
        3.当連結会計年度より、「都市開発部門」に区分しておりました野村不動産㈱のホテル事業、及び野

        村不動産ホテルズ㈱等を「住宅部門」の区分へと、報告セグメントの変更を行っております。これ

        に伴い、前連結会計年度の数値については、上記区分の変更に基づいて作成しております。また、

        2024年4月1日付でUDS㈱の全株式を取得し、「住宅部門」へ区分しております。

 

a.住宅部門

 当部門の売上高は368,456百万円(前連結会計年度比9,276百万円、2.6%増)、事業利益は48,782百万円(同7,283百万円、17.6%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。

 これは主に、分譲住宅の平均価格及び粗利益率の上昇やホテル事業の伸長によるものであります。

 

 経営成績                                       (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減

売上高

359,180

368,456

9,276

 分譲

282,988

284,234

1,246

 売却(収益不動産)

32,918

18,118

△14,800

 賃貸

6,201

8,345

2,143

 運営

7,112

21,687

14,574

 その他

29,959

36,071

6,112

営業利益

41,416

47,894

6,477

 持分法投資損益

28

29

1

 無形固定資産償却費

 (M&A関連のみ)

53

859

805

事業利益

41,499

48,782

7,283

 

(注)売上高の分類は以下のとおりであります。

   ・分譲:マンション、戸建の売却

   ・売却(収益不動産):賃貸住宅、ホテル、賃貸シニアレジデンスの売却

   ・賃貸:賃貸住宅、ホテル、賃貸シニアレジデンスの賃貸

   ・運営:ホテル、賃貸シニアレジデンスの運営

   ・その他:リノベーション物件の売却等

 

 

b.都市開発部門

 当部門の売上高は213,349百万円(前連結会計年度比△3,034百万円、1.4%減)、事業利益は41,614百万円(同△7,711百万円、15.6%減)と、前連結会計年度と比べ減収減益となりました。

 これは主に、収益不動産売却の計画を一部変更し、売却額が減少したことによるものであります。

 

 経営成績                                       (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減

売上高

216,384

213,349

△3,034

 売却(収益不動産)

115,517

113,309

△2,207

 賃貸

73,350

74,364

1,013

 運営

22,246

24,423

2,177

 その他

5,269

1,252

△4,017

営業利益

49,055

41,326

△7,729

 持分法投資損益

34

52

17

 無形固定資産償却費

 (M&A関連のみ)

235

235

事業利益

49,325

41,614

△7,711

 

(注)売上高の分類は以下のとおりであります。

   ・売却(収益不動産):棚卸資産の売却

   ・賃貸:固定資産・棚卸資産の賃貸

   ・運営:フィットネスクラブ等、サテライト型シェアオフィスの運営、プロパティマネジメント

 

 

c.海外部門

 当部門の売上高は9,401百万円(前連結会計年度比4,784百万円増)、事業利益は6,620百万円(前連結会計年度は事業損失357百万円)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。

 これは主に、ベトナムにおける分譲住宅プロジェクトの計上が順調に進んだことによるものであります。

 なお、当部門の事業利益に含まれる持分法投資損益は4,840百万円であります。

 

 経営成績                                       (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減

売上高

4,616

9,401

4,784

 分譲

3,359

5,874

2,514

 賃貸

536

964

427

 その他

720

2,562

1,842

営業利益

△1,248

1,736

2,984

 持分法投資損益

851

4,840

3,989

 無形固定資産償却費

 (M&A関連のみ)

39

42

3

事業利益

△357

6,620

6,977

 

d.資産運用部門

 当部門の売上高は15,593百万円(前連結会計年度比1,237百万円、8.6%増)、事業利益は9,856百万円(同1,284百万円、15.0%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。

 これは主に、国内の機関投資家向けファンドの運用資産残高が着実に増加したことによるものであります。

 

 経営成績                                       (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減

売上高

14,356

15,593

1,237

営業利益

8,303

9,757

1,453

 持分法投資損益

81

98

17

 無形固定資産償却費

 (M&A関連のみ)

186

△186

事業利益

8,571

9,856

1,284

 

 

e.仲介・CRE部門

 当部門の売上高は57,188百万円(前連結会計年度比7,599百万円、15.3%増)、事業利益は16,573百万円(同3,125百万円、23.2%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。

 これは主に、リテール・ミドル・ホールセールにおける売買仲介取扱高や取扱件数の増加によるものであります。

 

 経営成績                                       (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減

売上高

49,588

57,188

7,599

 仲介手数料

 (リテール)

25,670

28,333

2,663

 仲介手数料

 (ミドル)

11,889

13,490

1,600

 仲介手数料

 (ホールセール)

10,190

14,166

3,975

 その他

1,838

1,197

△640

営業利益

13,444

16,575

3,130

 持分法投資損益

2

△1

△4

 無形固定資産償却費

 (M&A関連のみ)

事業利益

13,447

16,573

3,125

 

(注)売上高の分類は以下のとおりであります。

   ・仲介手数料(リテール):個人向け仲介手数料

   ・仲介手数料(ミドル):中堅・中小企業、企業オーナー、一部の個人投資家や富裕層向け仲介手数料

   ・仲介手数料(ホールセール):大企業、ファンド、海外投資家向け仲介手数料

 

f.運営管理部門

 当部門の売上高は113,889百万円(前連結会計年度比5,699百万円、5.3%増)、事業利益は11,941百万円(同1,853百万円、18.4%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。

 これは主に、運営管理及び受注工事収入の増加、並びに退職給付債務の減少等によるものであります。

 

 経営成績                                       (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減

売上高

108,190

113,889

5,699

 運営管理

60,817

63,826

3,008

 受注工事

41,067

43,121

2,054

 その他

6,305

6,941

636

営業利益

10,050

11,952

1,902

 持分法投資損益

37

△11

△48

 無形固定資産償却費

 (M&A関連のみ)

事業利益

10,088

11,941

1,853

 

 

g.その他

 売上高は281百万円(前連結会計年度比1百万円、0.4%増)、事業利益は136百万円(同△25百万円、15.5%減)となりました。

 

 

 

(注)部門ごとの関連情報については、当社WEBサイトにて公開している決算説明資料をご参照ください。

   https://www.nomura-re-hd.co.jp/ir/

 

④財政状態の状況及び分析

 

                                            (単位:百万円)

 

前連結会計年度末

(2024年3月31日)

当連結会計年度末

(2025年3月31日)

増減額

増減率

総資産

2,251,456

2,686,569

435,112

19.3%

総負債

1,559,015

1,935,129

376,113

24.1%

(うち有利子負債)

(1,192,728)

(1,545,305)

(352,577)

29.6%

純資産

692,440

751,439

58,999

8.5%

自己資本比率

30.7%

27.9%

D/Eレシオ

1.7倍

2.1倍

(注)D/Eレシオ = 有利子負債 / 自己資本

 

a.総資産

 当連結会計年度末における総資産は2,686,569百万円となり、前連結会計年度末に比べ435,112百万円増加いたしました。増加要因として建物及び構築物(154,361百万円増)、開発用不動産(92,695百万円増)、営業エクイティ投資(55,046百万円増)等の増加がありました。

 

b.総負債

 当連結会計年度末における総負債は1,935,129百万円となり、前連結会計年度末に比べ376,113百万円増加いたしました。増加要因として短期借入金(114,111百万円増)、コマーシャル・ペーパー(110,000百万円増)、長期借入金(108,465百万円増)等の増加がありました。

 

c.純資産

 当連結会計年度末における純資産は751,439百万円となり、前連結会計年度末に比べ58,999百万円増加いたしました。増加要因として利益剰余金(47,155百万円増)、繰延ヘッジ損益(7,116百万円増)、為替換算調整勘定(6,082百万円増)等の増加がありました。

 なお、自己資本比率については、27.9%(前連結会計年度末比2.8ポイント減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況及び分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

①キャッシュ・フローの状況及び分析の内容

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から17,916百万円減少し、35,894百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

a.営業活動によるキャッシュ・フロー
 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、133,793百万円の資金の減少となりました。増加要因として税金等調整前当期純利益(104,289百万円増)等があった一方で、減少要因として棚卸資産の増加(149,959百万円減)、営業エクイティ投資の増加(49,703百万円減)等がありました。

 

b.投資活動によるキャッシュ・フロー
 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、203,364百万円の資金の減少となりました。減少要因として有形及び無形固定資産の取得による支出(167,343百万円減)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び出資金の取得による支出(20,963百万円減)、投資有価証券の取得による支出(8,637百万円減)等がありました。

 

c.財務活動によるキャッシュ・フロー
 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、318,459百万円の資金の増加となりました。減少要因として長期借入金の返済による支出(90,344百万円減)等があった一方で、増加要因として長期借入れによる収入(254,505百万円増)、コマーシャル・ペーパーの発行(110,000百万円増)等がありました。

 

②資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.資金調達の方法及び状況

 当社グループは、事業活動及び成長投資等に必要な資金を、営業活動により得たキャッシュ・フローで賄うことを基本とし、不足している場合については、外部からの調達により確保しております。

 外部からの調達に関しては、財務健全性の指標として自己資本比率を30%水準と設定した上で、中長期にわたる不動産開発事業の特性を踏まえ、主に、国内金融機関からの長期借入金や社債の発行等により、長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、将来の金利上昇に備えて金利の固定化を進めるとともに、償還額の年度別の分散等を図ることで、借換えリスクの低減を図っております。

 当連結会計年度におきましては、金融機関からの借入金等により、必要資金の調達を行いました。なお当社グループは、持続可能な社会の発展に貢献するための資金調達を行うことを目的とし、2028年3月期までに、累計7,000億円をサステナブル・ファイナンスにより調達することを目標に掲げています。当連結会計年度は、この取り組みの一環として、「BLUE FRONT SHIBAURA」(TOWER S:2025年2月竣工済、TOWER N:2031年3月期竣工予定)を資金使途とした「芝浦グリーンボンド」を発行し、300億円を調達しました。

 手許資金に関しては、資産効率性を損なうことなく、必要な資金を柔軟に確保するため、入出金管理に基づく必要最小限の現預金の確保と合わせて、当座貸越及びコミットメントライン契約を締結する等の対応を講じております。また、当社にて、グループ各社の資金を一元管理するキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上を図っております。

 

  なお、当連結会計年度末時点の有利子負債の状況については以下のとおりです。

                                          (単位:百万円)

 

前連結会計年度末

(2024年3月31日)

当連結会計年度末

(2025年3月31日)

有利子負債残高(A)

1,192,728

1,545,305

総資産(B)

2,251,456

2,686,569

EBITDA(注)1

134,180

146,325

支払利息

14,093

15,851

有利子負債依存度(A/B)

53.0%

57.5%

D/Eレシオ(注)2

1.7倍

2.1倍

(注)1.EBITDA=営業利益+受取利息・配当金+持分法による投資利益+減価償却費+のれん償却額

2.D/Eレシオ=有利子負債残高/自己資本

 

   有利子負債残高の内訳                             (単位:百万円)

 

前連結会計年度末

(2024年3月31日)

当連結会計年度末

(2025年3月31日)

長期借入金

945,040

1,053,505

社債

140,000

140,000

短期借入金

30,483

87,875

コマーシャル・ペーパー

110,000

1年以内返済長期借入金

67,204

123,923

1年以内償還予定社債

10,000

30,000

合計

1,192,728

1,545,305

 

 

b.資金の主要な使途を含む資金需要の動向

 当社グループの主要な資金需要は、国内における分譲・売却事業における販売用不動産等の取得・開発等に係る資金、保有・賃貸事業における固定資産の取得・開発・運用等に係る資金、海外における投資・開発等に係る資金、M&A・資本業務提携等の戦略投資に係る資金、株主還元に係る資金等であります。

 

(成長投資と株主還元の考え方)

 当社グループでは、2025年4月に策定した経営計画において、「資本コストを上回る高い資産・資本効率」「高い利益成長」等を通じ、企業価値向上をめざしております。なお、当社グループでは、株主資本コストを約8%と認識しており、それを上回るROEの達成と、中長期的な利益成長が求められていると考えております。

 株主還元については、安定的且つ経営環境に応じた機動的な株主還元を行うため、配当に自己株式の取得を組み合わせることで、2026年3月期から2030年頃における各連結会計年度の総還元性向を40~50%とすること、並びに、配当の安定性の向上を目的に、年間の配当金について、DOE4%を満たす水準を下限とすることを指針としております。

 なお、2022年4月に策定した中長期経営計画において、2023年3月期~2025年3月期における各事業年度の総還元性向を40~50%程度とすることを指針とし、加えて2025年3月期より、年間の配当金について、DOE4%を満たす水準を下限とすることを指針としておりました。この指針のもと、当事業年度における1株当たり年間配当金は170.0円、配当性向は39.2%となりました。また、当事業年度において、財務健全性、株価水準、事業環境等を総合的に勘案し、自己株式について4,999百万円の取得を実施しており、結果、当事業年度の総還元性向は45.9%となりました。

※DOE = 年間配当額 ÷ 期中平均自己資本

 

(3)生産、受注及び販売の実績

 生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容 ③部門別の経営成績の状況及び分析の内容」に記載のとおりであります。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、その作成にあたっては、経営者の主観的な判断を伴う見積りが必要になる項目があります。

経営者はその見積りが合理的であると判断していますが、市況の変化等により将来の結果が異なるものとなり、連結財務諸表に影響を与える可能性があります。

当社グループの重要な会計方針のうち、特に重要性の高い会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループでは、顧客ニーズや社会環境の変化に着目し、商品・技術・サービスにおける革新や付加価値創造を実現するため、ハード・ソフト両面にわたる幅広い研究開発活動を行っております。

 主な活動として、新規技術に関する検証や、新規事業領域に関する調査研究等を行っております。

 なお、当社グループの研究開発活動は、報告セグメントに含まれない本社部門を主体として実施しており、当連結会計年度における研究開発費の総額は34百万円であります。