第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループを取り巻く外部環境につきましては、足元では米国や欧州などを中心に設備投資需要が低調な状況にあり、世界経済は不透明感が残るものの、中長期的には労働安全性への配慮や生産効率向上、人手不足解消を目的とした生産自動化の流れは世界的に継続することが予想されます。

 このような環境のなか当社グループは、お客様に「進歩」と「安心」をお届けすることを提供価値とし、取出ロボット業界におけるリーディングカンパニーとして更なる発展を目指してまいります。

 そのために対処すべき課題といたしましては、取出ロボットにおいては、グローバル営業展開の強化と商品力の強化による販売拡大であります。グローバル営業展開の強化についてはスウェーデンのWEMO Automation ABを足がかりに欧州でのシェアアップを図るとともに、他地域においても、的確なマーケット情報を収集し、グローバルでのシェアアップを図ります。商品力の強化については、お客様工場の自動化においてより高い付加価値を提供するための商品開発を継続します。パレタイジングロボットにおいては、直交型ロボットのメリットを幅広いユーザに理解していただくための営業活動を強化します。特注機では、人手不足や人件費高騰により、国内外において高まる自動化ニーズを受け、引き続き販売拡大に努め、当社の強みが活かせる新規事業の開拓を続けてまいります。保守サービスについては、強みであるグローバルネットワークの更なる強化を図り、お客様に安心をお届けできる体制を整えます。

 またこれらの取り組みを推進するために重要である人的資本について、人財の採用、企業理念の浸透を軸とした育成を進めてまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、代表取締役が委員長を務めるサステナビリティ委員会において、サステナビリティに関する基本方針及び特に重点的に取り組むべき課題「マテリアリティ」を特定しています。これらのマテリアリティは、サステナビリティに関するガバナンス及びマネジメント体制の中で取り扱う課題と位置付けており、業務執行の最高意思決定機関であり代表取締役が議長を務める経営会議及びサステナビリティ委員会において、適宜、議題として取り上げ、進捗確認を行い、リスク・機会の特定・評価に関して議論を行うこととしています。また、サステナビリティ基本方針に基づく施策については、取締役会へ適宜報告され、取締役会は、このプロセスを定期的に監督し、必要に応じて対応の指示を行っています。

 

(2)戦略

 短期、中期及び長期にわたり当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するための取組のうち、当社グループが特に重要と考えている課題として、「マテリアリティ」へ特定している「気候変動への対応」及び「人的資本の強化」等があげられます。

 

気候変動への対応

 環境に関する世界の動向は日々大きく変化しており、これら状況に適切に対応する必要があります。そこで、気候変動に関連するリスクと機会を洗い出し、事業への影響度を検証しています。気候変動によるエネルギーや原材料の調達リスク、顧客ニーズの変化によるリスク、異常気象や平均気温、海面の上昇に伴うリスク等の影響を明確化し、このような影響を低減するとともに、機会につなげていきます。

 

気候変動関連のリスク

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気候変動関連の機会

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人的資本の強化

 当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については次のとおりであります。

 当社は、多様な人材の価値観・考え方を活かした組織づくりを通じて、持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に取り組んでいます。企業理念の浸透を軸に、多様な人材の採用・育成を進め、従業員一人ひとりが特性や能力を最大限発揮し、活き活きと働き続けられるための環境づくりを目指しております。

①コーポレートアイデンティティ(CI)活動の推進

 将来にわたって重視していく企業理念や目指すべき方向性を定め、更なる成長と飛躍を目指していくため、コーポレートアイデンティティ(CI)活動を進めております。「まず、想いにとどく」をコンセプトに、大切にしていく考えや行動指針を明確化しております。トップマネジメントや経営幹部によるコミュニケーション、幹部社員向けインナーブランディング研修、若手を主体としたブランディング活動、優良事例の共有など、グループ全体で浸透活動に取り組んでいます。

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②理念浸透型の人事制度・人財育成ポリシーの整備

 CI活動と連動して策定した人事制度において、中核人材を含む期待される人材像を明確化しています。それぞれの職務に期待されることを、成果責任、人材育成・成長、風土醸成といった観点で定義しており、適材適所の任用・配置を行っていくとともに、メリハリのある人事処遇を図っています。

 同人事制度においては、努力・チャレンジの奨励や、成果に対する適切な評価・処遇を掲げ、成長のステージに応じて支援するための教育制度の充実や、仕事のやりがい・働きやすさの向上等のための環境づくりを推進しています。

「人財育成ポリシー」

a.コーポレートアイデンティティ(CI)に基づく行動指針を体現・実践できる人財の育成

b.キャリアのステージに応じた学びと成長の継続支援

 ⅰビジネス基礎能力開発、ⅱキャリア開発、ⅲ専門能力開発、ⅳリーダーシップ開発

c.期待する役割の定義、職務を通じた成果達成の促進

d.努力・チャレンジの奨励、ステップアップにつながる様々な機会や場の提供

e.個々の「キャリアデザイン」の実現のサポート

③人材の多様性の確保、ダイバーシティマネジメント

 人材の多様性確保・ダイバーシティマネジメントの観点からは、従来の社会や会社内におけるスタンダードにとらわれず、多様な属性や価値観を尊重し、人材を活かすことを重視しています。

 具体的な取組みとして、「男女が等しく活躍できる就労環境づくり」、「性別・国籍を問わない採用、重点職種におけるキャリア(中途)人材の採用」、「多様なメンバーの努力・チャレンジを引き出す制度・環境づくり」、「両立支援のサポート」、「障害のある社員の積極的な採用、就労継続支援」等に取り組んでおります。

 女性活躍推進の観点からは、経営人材への女性の登用に加えて、女性活躍推進法に基づく行動計画を定め、「将来を見据えた女性管理職候補者の育成」、「男性社員の育児休業取得の支援」に取り組んでおります。具体的な取組みとして、働くパパママ社員の育児制度ハンドブックの配布、男性の育児休業促進のための講演、育児休業中の従業員向けの情報交換イベントを設け、出産や復職における不安軽減にも努めています。

 グローバルレベルでの多様性確保の観点からは、海外に多くの拠点を有しローカル化を推進しており、中途採用者・外国籍の人材活用に積極的に取り組んでおります。

 なお、これらの取組みを進めるうえでの基軸として、人権尊重の取組みをグループ全体で推進し、その責務を果たしていく指針である「YUSHINグループ人権方針」を策定し、ステークホルダーへの周知を図っております。

 

④キャリアのステージに応じた教育制度の充実

従業員のキャリアステージに応じ、必要な能力の開発・定着に向けた教育に力を入れています。

a.ビジネス基礎能力開発

 ビジネス基礎力を習得することを目的として、「ビジネススキルアップ研修制度」を設けています。

b.キャリア開発・専門能力開発

個人の持っている強みや能力を生かし、会社の持続的成長に貢献できる「人材力」の底上げにつなげるべく、エルダー・カウンセラー制度を通じた若手社員の重点サポートやキャリア・能力開発のための組織的支援として「人財開発会議」に取り組んでいます。

c.リーダーシップ開発

[マネジメント研修]

 管理職のマネジメント力を高めるため、目標管理・評価、部下育成、ダイバーシティ、ハラスメントなどの各種テーマ別の研修を実施しています。

[次世代リーダー教育]

 成長・チャレンジを牽引する人材を輩出するため、マネジメントに必要な問題解決力や意思決定力等を強化するリーダー育成教育を実施しています。

⑤仕事のやりがい、働きやすさの向上等のための環境づくり

a.組織力強化に向けた仕組みづくり

組織力を更に高めるための課題発掘・施策検討に関して、PDCAを意識しながら進めるため、従業員向けアンケートや組織診断サーベイを実施しています。

b.キャリアデザインのサポート

個人の持っている強みや能力を生かし、会社の持続的成長に貢献できる「人材力」の底上げにつなげるべく、エルダー・カウンセラー制度を通じた若手社員の重点サポートやキャリア・能力開発のための組織的支援として「人財開発会議」に取り組んでいます。

c.提案・チャレンジ活動の奨励

社員主体での提案・チャレンジ活動を応援し、取組みを促す制度を整備しています。

ⅰ業務改善を促進する「改善提案制度」

ⅱ創造性・主体性を持った人材を養う「イノベーションプロジェクト活動提案制度」

d.働きがい、ワークライフバランスの向上

従業員からの「あったらいいな」という声を積極的に拾いあげ、働き方改革によるワークライフバランスの向上や福利厚生の強化に取り組んでいます。また、チームワークやコミュニケーションの活性化に向けたオフィス・工場の施設環境づくりも重視しています。

e.健康管理・労働安全衛生の取組み

健康で活き活きと働ける職場環境づくりを目指して、産業保健体制の整備、必要な安全衛生教育・訓練の実施、各部署における労働安全性強化のための取組みを進めています。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、事業経営の阻害要因となるものをリスクとして捉え、サステナビリティ関連の緊急性のあるリスクと、将来起こりうるリスクの事案の分析・評価を行っています。こうしたリスクを管理するための体制として、あらゆる事業の中でリスクの抽出・分析・評価を行い、それらの情報はタイムリーに集約され、取締役会をはじめとして、経営会議等において共有されます。そして、当社の代表取締役の指揮のもと、これらリスクを低減するため、迅速かつ適切な対応を行っています。

 

(4)指標及び目標

 サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する連結会社の実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる情報のうち、当社グループが特に重要と考えている課題は「気候変動への対応」及び「人的資本の強化」等となります。

①気候変動への対応

 2015年のパリ協定採択を受け、日本においても政府が、2030年に向けた温室効果ガスの削減目標について、2013年度に比べて46%削減することを目指すと表明しました。

当社では、2030年度末までに国内のScope1・2(自社での燃料使用による直接排出量及び自社が購入した電力や熱の使用による間接排出量)の合計を「2020年度比70%削減」することを目標としてまいりましたが、今後の成長計画を考慮すると、社有車の稼働が当初目標設定時の想定以上となる見込みのため、2025年5月に目標を「2020年度比57%削減」に修正しました。また、Scope3に関しても、サプライチェーン全体でのCO2削減及び開示に向けて、関連データの収集・検証を行っています。

 引き続き、環境配慮型商品の開発・販売、再生可能エネルギー由来の電力購入、環境配慮型自動車への置き換えなどを推進していきます。

 

全社CO2排出量

 

 

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1

国内

456tCO2

480tCO2

493tCO2

489tCO2

492tCO2

海外

-

-

-

614t-CO2

688t-CO2

Scope2

国内

742tCO2

650tCO2

2tCO2

2tCO2

2tCO2

海外

-

-

-

465t-CO2

491t-CO2

 

 

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②人的資本の強化

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標・項目を用いております。当該指標・項目に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

 

指標・項目

目標

実績

<持続的成長に向けた組織づくり>

1

企業理念の浸透・実践強化に向けた

プログラムの実施

(年度)2024年度

(目標)プログラム対象者参加率

100%

・2024年度プログラム参加率 92.8%

・経営幹部や各職場による浸透

・実践活動

・CI浸透に関する従業員アンケート

・若手主体のブランディング活動等

2

組織力強化に向けた従業員参加型のサーベイの実施

(課題把握、施策検討)

(年度)2024年度

(目標)課題把握、施策検討

・課題把握、サーベイ企画完了

<多様な人財の確保・育成、ダイバーシティマネジメントの強化>

3

 多様な人財の確保・育成のための

戦略・施策強化

・人財採用ポリシーの強化

・人財育成に関する継続的な施策

強化

・人権方針の徹底

人財採用、育成に関する各種施策の実施

人権研修の実施

4

女性活躍に関する指標

(1)役員・管理職に占める女性比率

(2)新卒採用者に占める女性比率 (※)

(1)役員・管理職に占める女性比率

(期限)28年3月まで

(目標)①役員15程度

②管理職5%程度

(2)新卒採用者に占める女性比率

(期限)25年3月まで

(目標)30

(1)役員・管理職に占める女性比率

①役員   :20.0%(25年3月)

②管理職 : 2.5%(25年3月)

(2)新卒採用者に占める女性比率

新卒     :  30%(24年4月)

5

 男性従業員の育児休業取得率(※)

(期限)25年3月まで

(目標)20以上を達成

24年4月~25年3月  57.1

(注)1.上記の目標は提出会社に関する目標であります。

2.(※)は女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画での開示済目標であります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況

 当社グループ商品の需要は、販売先の国の経済状況及び主な販売先であるプラスチック射出成形産業の設備投資の影響を受けます。景気変動による設備投資需要が縮小した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替レートの変動

 当社グループは、世界各国に現地法人を設置して製品の販売を行っておりますので、為替相場の変動は子会社の財務諸表の換算を通じて連結業績に影響を及ぼします。また、親会社は円建取引を原則とすることで為替相場変動の影響を軽減しておりますが、海外連結子会社を経由した販売においては子会社側で為替変動による影響を受けます。したがって、為替相場の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)価格競争

 当社グループが属する業界においては、世界的に激しい競争が行われております。当社グループでは、製造及び販売コストの削減や新製品の開発等により、事業リスクの最小化に向けた施策の推進に努めておりますが、競合企業による値下げ攻勢により、当社グループ製品の販売価格も引き下げざるを得ない状況になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)品質問題

  当社グループは高品質の製品を市場提供すべく、品質管理に基準を設け、常に徹底した管理、適切な対応に取り組むことにより国際標準にも適合した高い品質管理体制を構築すると共に、日々更なる改善を積み重ね、事業リスクの最小化に向けた施策の推進に努めております。しかしながら、全ての製品について欠陥が無くこれに起因する補償費用が発生しないという状況は、いかなるメーカーにおいても存在せず、高度な管理であってもその網の目を抜けた欠陥が発生するリスクは皆無とは言えません。これらを担保するために請負業者賠償責任保険、生産物責任賠償保険に加入しておりますが、これらの保険で全ての賠償額をカバーできるものではありませんので、重大な品質問題が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)購買調達

 当社グループは、商品を製造するにあたって高品質な原材料、部品等をタイムリーかつ必要数入手するため、信頼のおける複数の購買先を確保するなどして仕入価格の変動抑制に取り組むことにより、事業リスクの最小化に向けた施策の推進に努めております。しかし、予期できない自然災害や事故等によるサプライチェーンへの影響、仕入先の経営状態悪化による部品の供給制限や製造中止、市場での需要増加による供給制限などが生じた場合、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。また、仕入れる原材料によっては、市況価格相場に連動するため、市場における需要拡大や投資資金の流入などによる価格変動が製品原価に影響を与えることがあり、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)人財

 当社グループは、グローバルでの事業展開を加速するため、必要とする人財を採用、育成し、雇用の維持ができるよう処遇をより良くするべく対策を取っております。またITツールの活用等による効率性の向上と女性の活躍支援を図るなど、事業リスクの最小化に向けた施策の推進に努めております。しかし、事業展開のスピードに対応した人財の確保が十分にできない場合、育成が奏功しない場合、または専門分野を担当している人員を退職や休職等により欠くことになった場合、必要とされる専門性や技術力を欠くことになる可能性があります。また、新興国を中心として社員の賃金が急上昇する可能性もあります。そうした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)情報セキュリティ

 当社グループは、事業活動を通して取引先等の営業上・技術上の機密情報を保有しており、これらの情報の厳格な管理に努めております。また、事業全般において多様なコンピュータシステム及びITネットワークを活用しており、情報セキュリティ対策の強化を図るとともに、役員及び従業員に対する教育啓発を実施し、事業リスクの最小化に向けた施策の推進に努めております。しかし、サイバー攻撃、コンピュータウィルスへの感染、不正アクセス、情報システムの不具合などにより情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等の不測の事態が生じた場合には、当社グループに対する社会的信用の低下や事業活動の中断・対策費用の発生、取引の停止などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8)自然災害等

 当社グループの拠点及び取引先はグローバルに存在しており、自然災害等の発生時に対応するため、事業リスクの最小化に向けた施策の推進に努めておりますが、地震や風水害をはじめとする自然災害や、感染症などが発生した場合、物的・人的被害によって、事業範囲が制約され当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9)のれんの減損

 当社は、企業買収に伴い発生したのれんを連結貸借対照表に計上しております。当該のれんについては将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により収益性が低下した場合に、当該のれんについて減損損失を計上し、当社グループの事業展開や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

(10)感染症

 当社グループの拠点及び取引先はグローバルに存在しており、感染症の拡大を防止するため、緊急時には衛生管理の徹底、時差出勤・テレワークやWeb会議等の活用による効率的な事業運営を行い、事業リスクの最小化に向けた施策の推進に努めておりますが、新型コロナウィルスをはじめとした感染症の拡大などによって各国の都市封鎖、外出制限等の政策が発生した場合、当社グループの生産活動や販売活動等が計画通りに進まない可能性があり、結果として当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11)労働災害

  当社グループでは労働災害を防止すべく社員の健康・安全には十分注意を払っておりますが、発生リスクは常に存在しております。こうした労働災害が発生した場合、社員の死傷といった人的損害に加え、作業の一時中断・遅延等に伴う当社商品の納期遅延に伴うお客様への補償等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12)収益認識

 当社グループのロボット等の収益認識は、原則として検収基準にて行っております。特に日本企業の事業年度及び顧客の業種の特性等から期末月を中心とした第4四半期に検収が多くなる傾向がありますが、同時期に納品・検収が行われる他社製品の納期や顧客の検収の状況によっては、予定していた売上高や売上原価が翌連結会計年度に計上されることになります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の世界の経済情勢は、欧米における高い金利水準の継続や地政学リスクの長期化による材料高騰、不動産不況の継続による中国経済の停滞等依然先行き不透明な状況が続きました。日本経済においてもインバウンド需要の拡大等、景気の緩やかな回復や設備投資の持ち直しの動き等がみられるものの、急激な為替変動による原材料価格の影響等厳しい状況で推移しました。

 このような状況のもと、当社グループは、引き続き世界規模での新規顧客の開拓及びメディカル関連を含めた特注機の拡販に取り組み、前々連結会計年度、前連結会計年度に受注した高水準の受注残について、順調に出荷・検収が進み、特注機の売上を伸ばしてまいりました。その結果、連結売上高は前期比10.6%増の26,126,713千円となりました。利益面につきましては、営業利益は積極的な人財投資に伴う人件費の増加等もありましたが、連結売上高の増加の影響により、前期比6.1%増の2,586,655千円となりました。経常利益は為替差損の発生により前期比2.0%減の2,535,093千円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比0.0%増の1,692,927千円となりました。

 

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(日本)

売上高は前期比15.8%増の17,000,331千円となり、営業利益は前期比39.2%増の2,165,433千円となりました。

(米国)

売上高は前期比14.0%減の4,008,220千円となりましたが、営業損失は117,380千円(前年同期は営業利益542,131千円)となりました。

(アジア)

売上高は前期比16.6%増の5,401,866千円となり、営業利益は前期比38.1%増の386,944千円となりました。

(欧州)

売上高は前期比17.2%増の5,574,334千円となり、営業利益は前期比69.7%減の73,402千円となりました。

 

 総資産は前連結会計年度末より1,775,476千円減少し41,045,904千円となりました。このうち流動資産は、受取手形及び売掛金が803,139千円増加しましたが、現金及び預金が1,716,405千円及び仕掛品が797,942千円減少したことなどにより、前連結会計年度末より1,783,073千円減少の26,420,335千円となりました。固定資産は、前連結会計年度末より7,596千円増加し14,625,569千円となりました。
 負債合計は前連結会計年度末より2,855,452千円減少し5,546,994千円となりました。このうち流動負債は、前受金が2,279,577千円減少したことなどにより、前連結会計年度末より2,838,443千円減少し4,881,080千円となりました。固定負債は、前連結会計年度末より17,008千円減少し665,914千円となりました。

 純資産は、当連結会計年度の利益計上等により利益剰余金が、1,012,231千円が増加したことなどにより、前連結会計年度末より1,079,975千円増加し35,498,910千円となりました。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが377,686千円の支出超過、投資活動によるキャッシュ・フローが129,642千円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローが720,505千円の支出超過となり、現金及び現金同等物に係る換算差額が10,997千円となったことにより、前連結会計年度末に比べ1,216,837千円減少して当連結会計年度末には6,828,892千円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益が2,529,417千円、前受金の減少額2,329,785千円、仕入債務の減少額604,373千円などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは、377,686千円の支出超過(前期は119,091千円の収入超過)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出608,257千円などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは129,642千円の支出超過(前期は2,519,060千円の支出超過)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払額681,382千円などにより、財務活動によるキャッシュ・フローは720,505千円の支出超過(前期は1,070,235千円の支出超過)となりました。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

11,328,726

105.1

米国(千円)

3,805,762

79.2

アジア(千円)

5,138,259

115.0

欧州(千円)

5,154,210

92.8

合計(千円)

25,426,957

99.3

 (注)金額は販売価格によっておりセグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

11,621,257

113.5

2,889,275

99.8

米国

3,939,923

88.2

481,489

93.1

アジア

5,280,268

135.5

845,310

138.8

欧州

2,065,780

54.5

1,325,551

28.0

合計

22,907,230

102.3

5,541,627

63.3

 (注)金額は販売価格によっております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

11,626,654

117.3

米国(千円)

3,975,416

85.7

アジア(千円)

5,044,101

116.5

欧州(千円)

5,480,540

115.7

合計(千円)

26,126,713

110.6

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

JOHNSON & JOHNSON

3,344,970

14.2

3,698,066

14.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

経営成績の分析

(売上高)

 売上高は前連結会計年度の23,615,543千円より2,511,169千円増加の26,126,713千円(前期比10.6%増)となりました。
 ロボットは日本を中心に売上が堅調に推移したため、前期比7.4%増の14,509,306千円となりました。

 特注機は、欧州でのメディカル向け大口販売があり売上が増加したため、前期比16.8%増の6,872,156千円となりました。

 部品・保守サービスはグローバルでの稼働台数増加に伴い、前期比12.2%増の4,745,250千円となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)
 売上原価は、前連結会計年度から1,532,198千円増加し、15,359,734千円(前期比11.1%増)となりました。売上原価率は、前連結会計年度の58.6%から0.2ポイント増加し、58.8%となりました。

 販売費及び一般管理費は、研究開発費の増加200,206千円や給料手当及び賞与の増加163,740千円などにより、前連結会計年度から829,820千円増加し、8,180,323千円(前期比11.3%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は前連結会計年度の31.1%から0.2ポイント増加し、31.3%となりました。

(営業利益)
 当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度より149,150千円増加して2,586,655千円(前期比6.1%増)となりました。

(営業外収益及び営業外費用)

 営業外収益は、前連結会計年度より82,375千円減少して68,913千円(前期比54.4%減)となり、営業外費用は、前連結会計年度より118,441千円増加して120,475千円(前年同期は2,034千円)となりました。

(経常利益)

 経常利益は前連結会計年度より51,666千円減少の2,535,093千円(前期比2.0%減)となりました。

(特別利益及び特別損失)

 特別利益は前連結会計年度から9,077千円増加し、14,245千円となりました。また、特別損失については、前連結会計年度の30,508千円から10,588千円減少し、19,920千円となりました。

(法人税等)

 法人税、住民税及び事業税が、前連結会計年度の838,817千円から411千円減少し838,405千円となり、法人税等調整額は前連結会計年度の△38,804千円から、当連結会計年度は△63,160千円となりました。なお、税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、前連結会計年度の31.2%から30.6%へ0.6ポイント減少しました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,692,366千円から560千円増加し、1,692,927千円(前期比0.0%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の49円72銭から49円74銭へ増加しました。

財政状態の分析

 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。

 当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、組立加工費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用に係る運転資金需要と、生産能力の増強や業務の生産性の向上に係る設備資金需要があります。営業費用の主なものは、人件費や荷造運搬費及び研究開発費であります。なお、当社グループの研究開発費は販売費及び一般管理費の一部として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費及び外部委託した作業費がその大部分を占めております。

当社グループは、資金需要につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部留保を原資としておりますが、一時に多額の資金需要がある場合は、必要に応じて新株の発行及び銀行借入等によって資金を調達することとしております。当社グループは、有利子負債を有しておらず、高い自己資本比率を維持することで健全な財務体質を確保しており、将来の資金需要にも対応できるものと考えております。

③会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループは、連結財務諸表の作成に際して、連結決算日における資産及び負債の数値並びに当連結会計年度における収入及び費用の数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当社グループは、売上債権、棚卸資産、法人税等、財務活動及び偶発事象等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。当社グループは、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づいて見積り及び判断を行い、その結果は他の方法では判定が難しい資産及び負債並びに収益及び費用の数値についての判断の基礎となります。ただし、見積りには不確実性があるため、実際の結果がこれらの見積りとは異なる場合もあります。
 当社グループは、以下に記載する重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。

a.貸倒引当金

 当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。販売先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

b.製品保証引当金

 当社グループは、製品売上に対する無償補修費用の発生に備えるため、過去の実績等を基礎にして製品保証引当金を計上しております。当社製品に対する無償補修費用が増加した場合、製品保証引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

c.退職給付会計

 当社従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれています。当社の年金制度において、割引率は日本の国債の市場利回りを基礎に算出しております。また、長期期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の種類ごとの収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は蓄積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

d.無形固定資産及びのれん

 第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループでは、世界中の幅広い業界のニーズにこたえる商品開発のため、「基礎研究」「要素開発」「応用開発」のそれぞれの段階に属する複数の研究開発テーマを並行して進めております。

 その成果として当連結会計年度は、パレタイジングロボットPAシリーズより、従来モデルに比べて全高を低く抑え、搬送能力を高めた「PA-50LC」に2パレット使用を追加リリースしました。この他にも、地域やお客様業種に即した商品の開発を進めました。また、安定的な商品及びアフターサービスの提供を目的として、既存商品の設計変更も随時行いました。

 なお、当社グループは地域別のセグメントから構成されており、研究開発活動は本社とWEMO Automation ABでのみ実施のため、当連結会計年度の研究開発費の総額692,494千円は「日本」において588,282千円であり「欧州」において104,211千円であります。