当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、情報サービス産業において、歴史ある企業として業績の向上に努め、一定の成果をあげるとともに、それに基づくステークホルダーへの利益還元を実施し、中長期的な企業価値の増大を図ることが最も重要であると考えています。加えて、「人々の喜びや社会の豊かさを生み出す力」を「技術」と捉え、「技術をもって顧客の信頼を築く 技術をもって企業価値を増大する 技術をもって社員生活の向上を図る 技術をもって社会に貢献する」という企業理念に基づき、すべてのステークホルダーから信頼され、安心感を与える企業を目指すとともに、情報サービス業界を常にリードする独立系総合情報サービス企業として業界内での存在感を高めることを目標とし、ゆるぎない経営基盤を確立することにより一層の発展を目指していきます。
テクノロジーの進展に伴い、世の中の経営層のアジェンダは顧客との関係強化・データドリブン経営等がメインテーマとなり、それらと相互影響しながら、企業のIT投資は情報系・顧客接点系へシフトしていくことを見込んでいます。
これらの環境認識のもと、Vision2030の2nd Stageとなる中期経営計画(2025-2027)では、「フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化」、「戦略的アライアンスの実行」、「グループ経営基盤の強化」を3つの柱とし、事業の成長・拡大、安定性・信頼性の強化に向けて、取り組みを進めていきます。
当社は、2024年8月6日付「特別調査委員会の調査報告書(開示版)公表に関するお知らせ」に記載のとおり、特別調査委員会の調査により、当社の海外子会社(以下「当該子会社」といいます。)において、顧客関係者等に対する不適切な支払いがなされていた事実(以下「本件事案」といいます。)を確認いたしました。
当社は、上記不適切な支払い及び実態のない費用計上が当該子会社において組織的かつ長期的に行われていた原因として、当該子会社における歴代経営トップのコンプライアンス意識の問題(子会社における全社的な内部統制:統制環境)とこれら経営トップを監督する取締役会や内部監査といったガバナンスが機能していなかったこと、当該子会社にはコンプライアンスを所管する部署がなく、贈賄リスクへの対応や社員への教育が不十分であった点 (子会社における全社的な内部統制:統制活動)を認識いたしました。
また、上記不備をこれまで検出できなかった親会社としての当社側の原因として、グローバル戦略を推進する知見や体制が不十分であったことにより、当該子会社に対する出資前及び出資後における贈賄リスク評価とその対応が十分ではなかったこと(当社の全社的な内部統制:リスク評価と対応)、当該子会社の非常勤取締役が贈賄に関する情報を得ていたにもかかわらず、その情報が当社に適切に伝達されなかったことからリスク是正に向けた対応が適時に行えなかった点(当社の全社的な内部統制:情報と伝達)を認識いたしました。
さらに、2024年3月期有価証券報告書の提出が遅れた原因として、当該子会社における非常勤取締役が本件調査の初期段階で、これら不適切な支払いが汚職防止法等の法令違反となる可能性についての情報を得ていたが、贈賄リスクへの感度が低かったことからその情報を適時に当社側に伝達していなかった点(当社の全社的な内部統制:情報と伝達)を認識いたしました。
これらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、当社と当社の特定の海外子会社両面から以下の再発防止策を講じて、適正な内部統制の整備及び運用を図りました。
(当社における再発防止策)
(1) グローバル戦略の明確化
(2) グローバルなコンプライアンスリスク対応の強化
(3) 監査室の体制・監査項目等の見直し
(4) 有事対応における多角的な検討と情報共有の改善
(当該子会社における再発防止策)
(1) ガバナンス体制強化
(2) コンプライアンス体制強化
(3) グローバル・ホットラインの改善
(4) 調達プロセス等の内部統制の改善
グローバル管理体制強化のため、海外グループ管理業務を評価し、責任部署の明確化などの改善を行ったほか、グローバル事業の中長期的な方針を議論し、グローバル戦略を策定しました。
贈賄リスクへの感度引き上げ、および適切な情報連絡体制を徹底するため、当社および全てのグループ会社に対して定期的に実施するコンプライアンス研修に加えて贈収賄防止に関する研修を実施したほか、グループ会社共通の内部通報窓口を改めて周知徹底しました。加えて、当社の緊急時の報告・連絡体制についても見直しを行いました。
当該子会社においては、経営体制を刷新したうえで、業務執行に関与しない取締役による監査委員会体制を再構築しました。加えて、コンプライアンスおよびリスク管理を所管する部署を設置し担当者を配置することでガバナンス体制を強化しました。
また、コンプライアンスに関する社内ルールを見直したうえで、年間の活動計画などを定めるコンプライアンスプログラムを新たに制定し、これに基づく研修などの運用を実施しています。
上記の結果、当連結会計年度末時点において開示すべき重要な不備が是正されていることを確認し、当連結会計年度末日時点における財務報告に係る内部統制の評価結果は有効と判断しました。
Vision2030の2nd Stageとなる中期経営計画(2025-2027)では、以下の目標を定めています。
<2028年3月期 経営目標>
(※1) デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、
今後注力していくビジネス領域
(※2) CO2排出量削減 (2021年度比) 60%(参考値)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
企業が対応しなければならない社会課題やニーズが複雑化・多様化する中で、当社グループは、この大きな変化の局面をさらなる成長の機会と捉え、長期的な視点を持ったサステナビリティ経営を推進していきます。
① ガバナンス
当社グループは、サステナビリティを重要な経営課題と位置付けています。代表取締役社長のもとにサステナビリティ委員会を設置・運営し、サステナビリティ経営に関する議論、戦略策定およびモニタリング等を実施しています。
また、当社の取締役会は、サステナビリティ経営の監督機関として機能しており、その進捗状況について定期的に報告されています。
② 戦略
ステークホルダーからの期待等、サステナビリティを取り巻く外部環境の変化を踏まえ、国際的なガイドラインであるGRIスタンダードで提示された特定プロセスにのっとりマテリアリティを特定しました。
事業セグメント、コーポレート部門や従業員からの意見をふまえ、52の社会課題を抽出。当社グループへの影響度およびステークホルダーへの影響度を評価の上、マテリアリティ・マトリクスを作成し、8つのマテリアリティと16のサブ・マテリアリティを特定しました。
③ リスク管理
サステナビリティリスクとして、「気候変動と持続可能性」、「企業の社会的責任」を事業に関わるリスクの1つとしてリスクマネジメント委員会で統括管理しています。
④ 指標と目標
当社グループは、2025年度から始まる中期経営計画において、マテリアリティ達成にむけた進捗状況をモニタリングするための指標及び目標を設定し、取り組みを推進しています。
① ガバナンス
当社グループは、コーポレート統括責任者をトップマネジメントとする環境マネジメントシステムを構築しています。2022年にESG推進部(現サステナビリティ推進部)を新設し、グループ全体の気候変動への対応や徹底した環境負荷削減の取り組みを推進しています。
気候変動への対応やカーボンニュートラル実現にむけた進捗状況については、定期的に取締役会、サステナビリティ委員会に報告されています。
② 戦略
気候関連のリスク・機会が当社グループの事業、戦略、財務等に及ぼす影響を把握するため、TCFD提言に沿った気候変動シナリオ分析を行いました。
産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑える世界と、このまま化石燃料に依存し気温上昇が4℃を越える世界の2つのシナリオを想定しました。
<1.5℃シナリオ>
低炭素、脱炭素に対する社会的気運がより一層高まる1.5℃の世界では、炭素税などの新たな規制導入によるコスト増加や、投資家等からの気候変動に関する情報開示要請に対して、当社グループの対応に遅れが生じたり、不透明な情報開示を行ったりする場合に企業評価が低下するリスクを想定しました。
一方で、当社グループが気候変動への対応が十分に出来た場合、顧客のサステナビリティ調達における優位性が得られ、業績によい影響をもたらすと想定しました。
<4℃シナリオ>
大型台風や集中豪雨などの自然災害が激甚化、頻発化するとされる4℃の世界では、当社グループの事業拠点への浸水被害等により生産活動が一時的に停止するリスクがあります。このリスクに対して企業の事業継続計画(BCP)の観点で災害対策としてのクラウド導入のニーズがあり、今後もクラウド関連ビジネスの拡大が期待されます。
③ リスク管理
TCFDシナリオ分析に基づき、2030年における気候関連リスク・機会による事業への影響を評価し、気候関連リスクへの対応を進め、機会実現を図っています。当社グループの特定した気候関連リスク・機会およびその財務影響、対応については以下のとおりです。
④ 指標と目標
当社グループは、「Vision2030」のもと、2030年にScope1、Scope2排出量ネットゼロとする目標を設定し、また、Scope3排出量においても基準年度(2021年度)比50%削減することを目指しています。
目標達成に向け、Scope1の電化、再生可能エネルギーの調達、消費電力の削減、サプライチェーンの排出削減に段階的に取り組む計画です。
<DTSの人材戦略>
当社グループでは、「Vision2030」で掲げる「期待を超える価値を提供するためにチャレンジし続ける企業へ」の実現に向け、社員一人ひとりが常に変化を楽しみながら、さまざまなことに挑戦していくことを目指しています。
人材は当社グループにおける最重要資本であり、社員の成長が企業価値の源泉であるとの認識のもと、3つの人材戦略に取り組んでいます。
① 人材獲得・育成
② 働き方改革・健康経営
③ 社員エンゲージメント
① 人材獲得・育成
・新卒採用
新卒採用では、事業の拡大による会社の安定成長に貢献する人材の確保を目的に、全国各地からさまざまな経歴の選考希望者を広く募り、DX人材の獲得を強化しています。
採用活動においては、当社の魅力を伝えるため、若手社員から管理職に至るまで、人事部だけでなく現場社員を含めた全社員が一丸となって選考や面談、イベント等に力を入れています。
また、多様なバックグラウンドを持つ留学生や留学経験者に対しては、グローバル人材としての採用も推進しています。
・キャリア採用
「Vision2030」で目指す事業成長の加速に向け、採用広報(人材紹介、求人媒体、ダイレクトスカウト)、社員紹介、元社員の再雇用など、採用経路の多様化を図り、各事業領域において必要な人材として、現場を支える技術者や高度プロフェッショナル人材の獲得を推進しています。
特に、高度プロフェッショナル人材はフォーカスビジネス領域における市場価値が高いことから、キャリア採用において競争力のある(通常の給与テーブルの枠を超えた)給与体系によるジョブ型(ジョブ・ディスクリプションベース)の人事制度を2022年4月に導入し、採用の強化を図っています。
・人材開発
社員の継続的な成長と技術者としてのレベルアップのため、グループ会社の株式会社MIRUCAを通じて、グループ横断で豊富なラインナップの研修を実施しています。当社グループ社員共通の研修、新入社員、中堅社員、幹部社員等の各階層向けの研修、社員一人ひとりのキャリアパスに応じた専門性に関する研修など、研修体系を整備したうえで社員に公開し、社員の成長を支えています。
また、デジタル技術などの最新の技術情報に触れられる、いつでもどこでも受講が可能なオンデマンド型の動画研修等も取り入れ、社員がタイムリーかつ自律的に能力を高めることが可能な環境も提供しています。
さらに、自己研鑽により資格試験に合格した社員には、社内表彰による副賞金を支給するなど、社員のチャレンジを促進しています。
・プロフェッショナル認定制度
社員が自分のキャリアプランに従い、自律的に得意分野の伸長・専門性の向上に取り組み、挑戦し、高い成果をあげ、その実績を会社が認めて処遇し、次の成長・活躍ステージを提供するプロフェッショナル認定制度を導入しています。事業環境に合わせた多様な職種を定義し、社員の自らの意思・挑戦に基づくキャリア形成を促進しています。
・チャレンジする多様な人材づくり
既存SIのビジネスモデルをトータルSIに進化させ、新規ソリューションやサービスを創出し、事業領域を拡大していくには、果敢にリスクテイクし、新しいことにチャレンジできる人材が必要不可欠であり、「常に変化を楽しむ」ことができる人材が活躍する文化・風土づくりが重要な課題です。
失敗を恐れず将来の成長に向けた新たな技術やソリューションの創出に挑戦する人材が活躍できる環境を整え、高難易度の仕事や新規性などへのチャレンジを重視する評価制度を導入しています。また、従来の労働集約型ビジネスモデルを前提とした仕組みから知識集約型ビジネスモデルへの高度化を進めています。
これらの施策を通じて、社員一人ひとりの行動変容や積極的なチャレンジを促す企業風土への変革を目指していきます。
・女性活躍推進
当社は、女性活躍推進に関する優良な取り組み実績が認められ、厚生労働省が推進する「えるぼし」の2段階目の認定を2019年10月に取得しました。当社は、えるぼし認定の5つの評価項目のうち、「1.採用」「2.継続就業」「3.労働時間等の働き方」「5.多様なキャリアコース」の4つが評価されました。
中期経営計画において、女性取締役比率および女性管理職比率の達成目標を掲げるとともに、女性活躍推進法に基づく行動計画においては、そのマイルストーンとして、女性社員比率の向上、女性管理職候補および女性管理職の育成を目標に女性活躍を推進しています。なお、女性取締役比率については2025年3月31日時点で20%と2025年3月期目標である10.0%以上を達成しています。女性管理職比率については2025年4月1日までに6.0%以上とする目標に対し、2025年4月1日時点で5.6%となっています。なお、2025年3月31日時点では5.0%でした。
②働き方改革・健康経営
・出産・育児・介護・治療等と仕事の両立支援
当社は、育児と仕事の両立に関する「育児関連制度のより利用しやすい制度・仕組みへの改善」、「早期復職および子育て中のキャリアアップに関する支援」等の優良な取り組み実績が認められ、厚生労働省が推進する「くるみん認定」を2022年11月に取得しました。
2025年3月期は、男性社員の育児休業の利用促進に取り組み、男女の育児休業取得社員の座談会を開催し、その内容を社内ポータルサイトを通じて発信するなど、男女の育児休業取得率の格差解消に向け育児と仕事の両立を支援しています。
また、育児・介護と仕事の両立のために休業や短時間勤務などの制度を整備するとともに、社内研修による取得のための社内手続きの教育や、対象者への個別案内を行っています。
治療が必要な社員には、業務によって疾病を悪化させないよう、適切な配慮を行うため、関係者との調整、事業場における環境整備、社員への個別支援、社内相談窓口の設置を行い、一人ひとりに寄り添って柔軟に対応しています。休職者に対しては、産業医等の助言を基に復職支援プログラムを策定し、職場復帰を支援しています。
・健康経営の推進
当社グループは、行動規範の1つである「人権の尊重・働き甲斐のある職場づくり」に基づき、すべての社員が心身ともに健康で活き活きと働き、その能力を発揮することにより、個人も会社も成長し続けることを目指しています。
当社は、2018年11月に社会に対して「健康企業宣言」を行い、健康増進活動の促進に取り組み始めました。この結果、2020年9月に健康優良企業認定(金の認定)を取得、その後も更新を続けています。また、2025年3月には「健康経営優良法人(ホワイト500)2025」に4年連続の認定を取得しました。
③社員エンゲージメント
・働きがいのある職場づくり
社員一人ひとりの意欲を高め、組織としての力につなげていくことを目指し、社員エンゲージメントサーベイを実施しています。この結果は経営戦略・人材戦略を推進するための重要な経営データとして活用し、取締役会への報告や社内ポータルサイトの掲載を通じた情報開示、人事施策の企画・立案、各職場における改善活動などの取り組み等に活用しています。
・社員還元
当社にとって、人材は貴重な財産であり、長期展望「Vision2030」および中期経営計画においても、人材投資を成長投資の1つとして掲げています。処遇改善等の社員還元も人材投資の一部と位置づけています。
中期経営計画においては、3か年連続して基本給をアップし、特別賞与を支給しています。さらに会社との一体感とともに、自らの会社であるとのオーナーシップ意識を醸成することを目的に、社員に対する長期インセンティブの1つとして、2024年3月期から社員向け譲渡制限付株式交付制度を導入し、2025年3月期も交付を実施しています。
今後も継続的な賃金の引き上げを通じて会社収益の適正な社員還元に取り組んでいきます。
当社グループの経営成績、財務状況などに影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。
情報サービス産業においては、デジタルビジネスの拡大などにより、あらゆる産業からの堅調なIT投資を見込んでいるものの、社会や経済情勢の変動などにより顧客のIT投資動向が変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する情報サービス産業においては、顧客からの情報化投資に対する要求はますます厳しさを増しており、価格面、サービス面の双方から常に同業他社と比較評価されています。
特に、他業種からの新規参入、海外企業の国内参入やソフトウェアパッケージの拡大などにより、価格面での競争激化を見込んでいます。
当社の見込みを超えた何らかの外的要因による価格低下圧力を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業戦略の一環として、海外取引の拡大、海外現地法人の設立や資本提携を推進するなど、海外事業の拡大を進めるとともにガバナンス強化が経営上の重要課題となっています。
海外事業においては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約・プロジェクト管理などに適切に対応できず、各種訴訟リスク、および損害賠償責任を負うなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループを取り巻く環境は大きく変化していくことが予想されており、急速な顧客ニーズの変化、技術革新に対する当社グループの適応が遅れた場合、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、新技術やソリューション、開発リソースの獲得および新たなビジネス領域の拡張等、当社グループの事業戦略を補完できる会社であることを前提とし、シナジー効果の創出および投資に対する将来のリターン等が見込める場合に、国内外の企業への投資を実施しています。このような投資において、回収不可能な金額の資本を投下したり、投資実施後に当社グループが認識していない問題が明らかとなった場合、もしくは適切なコントロールが及ばずに円滑な事業運営が困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する情報サービス産業は技術進展が著しく、需要構造の変化に対応したIT人材の確保が求められていますが、労働環境の悪化による人材流出、需給バランスの変化や獲得競争の激化により、ビジネスパートナーを含めた人材確保が想定どおりに進まない場合、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
顧客自らの競争優位性を確保することを目的としたシステム開発期間の短縮、いわゆる短納期化に対する要求はますます厳しさを増しており、プロジェクト管理および品質管理の重要性はこれまで以上に高まっています。不測の事態が発生した場合、採算の悪化するプロジェクトが発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、労働に関する規則や政府の規則要件等の遵守を最優先に事業を推進しているものの、重大なコンプライアンス違反や法令等に抵触する事態が発生した場合、社会的信用の低下や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主力の事業である情報サービス事業は、業務の性質上、多くの顧客の重要な情報に接することになり、セキュリティ管理が経営上の重要課題となっています。
また、当社グループでは、2025年2月27日付「グループ会社における不正アクセス被害の発生に関するお知らせ」に記載の通り、グループ会社のシステムにおいて第三者による不正アクセスが発生したことを確認し、セキュリティ専門会社の調査結果から個人情報を含む保有する情報の一部が漏洩したことが判明しています。
同社システムについてはセキュリティ対策を実施しており、安定した運用を維持できています。また、当社および他のグループ会社においても点検を実施し、問題が無いことを確認しています。グループ全体としてさらなるセキュリティ強化を段階的に進め、より一層の安全性確保に努めます。
当社グループは、本社を含めた多くの拠点が国内の大都市圏に集中しており、大規模な自然災害や伝染病の流行などの想定を超える事象が発生した場合、復旧にかかるサービス提供の遅延など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある訴訟は提起されていませんが、当社グループが提供するサービスの不具合、瑕疵や納期遅延、第三者の権利侵害、個人情報を含む顧客情報の漏えいもしくは毀損、不適切な人事労務管理等に関連して、損害賠償請求等の訴訟を起こされる可能性があります。これらの訴訟等の内容および結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは内部不正、浪費および濫用の防止に努めていますが、これらを防ぐことができない場合、結果として法令違反が生じ、不正行為から被害額を回収する機会を逸してしまう可能性があります。
当社グループは、ハラスメント防止の対応を怠ることによる業務遂行能力の低下、生産性および収益性の低下、欠勤の増加および訴訟などによる組織へ悪い影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社および連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに回復しているものの、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響などが、わが国の景気を下押しするリスクとなっており、このところ一部に足踏みもみられます。また、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
このような状況下において当社グループは、2030年に向けた経営ビジョン「Vision2030」を策定しています。
IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスやそれらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指します。
その実現に向け、「提案価値の向上」、「SI×デジタルのコンビネーション」、「新規領域・グローバルへの進出」、「ESGへの取り組み強化」、「自社経営基盤の改革」を重要課題に設定し、取り組みました。
当連結会計年度の売上高は、1,259億8百万円(前年同期比8.8%増)、EBITDAは156億18百万円(前年同期比14.9%増)となりました。
「フォーカスビジネス」(注1)を、当社グループの成長領域として取り組みを強化しており、中期経営計画では、2025年3月期までに売上高に占めるフォーカスビジネス売上高の比率40%を目標として推進しました。当連結会計年度のフォーカスビジネス売上高比率は51.6%となり順調に推移しました。
また、当社は、スパイスファクトリー株式会社と資本業務提携を行いました。当社のシステム開発ノウハウとスパイスファクトリー株式会社のサービスデザイン力を活かした上流設計とフロント開発力を組み合わせることにより、顧客体験価値(CX)領域での対応力を強化し、顧客のビジネス成長の促進をトータルに支援していきます。
(注1) フォーカスビジネス
デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、今後注力していくビジネス領域。
2024年4月、当社グループが人権を尊重する姿勢を明確に示すため、DTSグループ人権方針を策定しました。今後も人権デュー・ディリジェンスを通じて、人権への負の影響を特定し防止と軽減に努めていきます。
また、健康経営の取り組みでは、その成果が認められ、経済産業省と日本健康会議から「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を4年連続で受けました。また、「健康優良企業・金の認定」を5年連続で更新することができました。
環境への取り組みにおいては、環境情報開示に取り組む国際的な非営利団体CDPによる2024年度の気候変動レポートにおいて、最高評価となる「A」評価を獲得しました。
成長投資の機会、資本の状況などを総合的に勘案し、資本効率の向上ならびに株主への一層の利益還元を図るため、2024年4月から12月に約60億円の自己株式を取得しました。さらに、2024年12月から2025年3月に約50億円の自己株式を取得しました。なお、当連結会計年度に取得した上記自己株式約110億円につきましてはその全株式を消却しています。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、1,259億8百万円(前年同期比8.8%増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加により283億70百万円(前年同期比14.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、138億80百万円(前年同期比12.2%増)となりました。売上総利益が増加し、営業利益は、144億89百万円(前年同期比15.8%増)、経常利益は、154億57百万円(前年同期比20.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の減少などにより、106億35百万円(前年同期比45.8%増)となりました。
<売上高の内訳>
各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
銀行業における案件拡大や新規連結影響などで好調に推移し、売上高は532億7百万円(前年同期比21.9%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、「クラウドアーキテクチャーベースでのAP開発力強化」、「アジャイル/ローコード開発への対応力強化」および「業界特化ソリューション・サービス拡大・さらなる創出」などに努めました。
国内外の最新ガイドラインに対応したマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策のパッケージソフト「AMLion(アムリオン)」は、これまで大手証券会社を中心に導入していただいています。当期では、生命保険業界固有の要件とニーズに対応した「AMLion」を生命保険業界向けに提供を開始しました。
また、国内の中堅金融機関における取引管理の効率化を推進するため、導入コストを抑えたアンチマネー・ローンダリングケース管理ツール(注1)の提供を開始しました。
今後のFATF(注2)第5次審査に向け、生命保険会社への提案を強化し、金融のあらゆる業態のマネー・ローンダリング対策業務の高度化・効率化に貢献していきます。
また、株式会社九州DTSでは、ニアショア開発体制の強化および地元の大学や企業との連携強化による地域経済の活性化に貢献するため、長崎開発センターを開設しました。
(注1) アンチマネー・ローンダリングケース管理ツール
金融機関における疑わしい取引データに対する調査履歴などを電子的に管理するツール。
(注2) FATF
Financial Action Task Force(金融活動作業部会)の略称。マネー・ローンダリング対策の国際基準策定・履行を担う多国間の枠組みとして設立された組織。
クラウド基盤関連や組込み関連が堅調に推移し、売上高は428億77百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、クラウドビジネス技術の強化およびビジネスモデルの変革、パッケージ販売拡大に向けた機能強化、ERPビジネス拡大強化、およびエッジAIとサイバーセキュリティ技術の確立などに努めました。
アプリケーション開発を中心とした既存SIのビジネスモデルから進化させ、新規ソリューション・サービスの創出による事業領域の拡大を目指して、「ServiceNow®(サービスナウ)」を注力分野の1つに位置づけています。当期では、豊富な機能をもつ ServiceNow®から社内ヘルプデスク業務に必要な機能を厳選することにより低コストかつ短期間での導入を実現した「Simple-Start-Pack」の提供を開始しました。
ハウジングソリューションでは、構造計算連携を強化した「Walk in home 2024」、サブスクリプション型サービスとして、クラウド環境で物件データの安全な管理を実現した「Walk in home 物件管理WEB」およびモバイルプレゼンテーション機能を強化した「Walk in home 360x」の提供を開始しました。また、建築確認申請時の審査時間短縮や設計業務の効率化に寄与する「Walk in home 許容応力度計算オプション Version 3.0」では、木造建造物電算プログラム認定(注1)を取得しました。さらに、当社グループの安心計画株式会社では、同社の「Walk in home Plus」と連携して安心・安全な家づくりを支援するため、バリアフリーなどのシニア住環境設計・提案支援サービスを実現した「KT-PLAN」のサービスを開始しました。
サイバーセキュリティ技術を活用した取り組みでは、セキュリティ専門組織を新設するとともに、金融機関の要求レベルに対応したゼロトラストセキュリティの実現を導入から運用までワンストップでサポートする「DXセキュリティ導入・運用監視支援サービス」の提供を開始しました。今後も、セキュリティソリューションを提供することにより、安全で信頼性の高いシステム環境の実現を目指していきます。また、本サービスに「DXワークプレイス導入支援サービス」を組み合わせた「セキュアワークプレイス」サービスの提供を開始、安全な情報セキュリティ環境や社内コミュニケーションの活性化などを実現し、顧客企業の柔軟な働き方を支援します。
(注1) 木造建造物電算プログラム認定
公益財団法人日本住宅・木材技術センターが実施する木造建築物電算プログラム認定制度に基づくもので、同センターが発行する「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」などの基準に準拠したプログラムに対して付与されるもの。
運用、基盤構築案件は拡大したものの、前年同期のハードウエア販売が一時的に増加した反動により、売上高は298億23百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、当社のReSM/ReSMplusを中心とした運用サービスメニューの拡大、HybridCloud、Data Management等の強化・拡販、およびネットワークインテグレーションビジネスの推進などに努めました。
24時間365日のリモート運用監視を行い、システム運用を効率的に支えるReSMの販売拡大に努めています。当期の導入企業においては、当社に一任いただき短期間で運用監視体制を切替えるとともにコスト削減を実現しました。
また、顧客企業のヘルプデスク業務のDX化を実現するReSM plusの販売拡大に取り組んでいます。当期の導入企業においては、社内ITサポート業務の効率化を実現するため、WEBポータルと有人オペレーターを組み合わせ、充実したFAQサービスを提供したことにより利用者の満足度が向上しました。
今後もReSMやReSM plusを通じてお客様のサービス品質向上に貢献していきます。
さらに、Jira Service Managementを中心としたAtlassian製品の導入コンサルティングおよび活用支援サービス提供などのシステムインテグレーションの実績やエンジニア育成の評価を受け、Atlassian社のゴールドソリューションパートナーに認定されました。
財政状態としては、総資産は、前連結会計年度末に比べ44億94百万円減少し、803億87百万円となりました。これは主に、投資有価証券が17億40百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が15億12百万円増加した一方で、現金及び預金が89億15百万円減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ4億37百万円減少し、210億42百万円となりました。これは主に、流動負債のその他に含まれる預り金が4億6百万円減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ40億57百万円減少し、593億44百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が106億35百万円増加した一方で、自己株式の取得により自己株式が109億99百万円増加し、剰余金の配当の実施により利益剰余金が45億93百万円減少したことによるものです。なお、自己株式の消却によって、自己株式が149億65百万円減少しましたが、一方で利益剰余金が148億75百万円、資本剰余金が89百万円減少しており、純資産合計には影響はありません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である375億57百万円に比べ91億52百万円減少し、284億5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況についての前連結会計年度との比較は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは91億81百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が12億29百万円減少しました。主な要因は、売上債権及び契約資産の増減額が増加したことにより11億58百万円の収入が減少したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△23億22百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が61億93百万円減少しました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が61億41百万円減少したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは△160億87百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が82億69百万円増加しました。主な要因は、自己株式の取得による支出が84億10百万円増加したことなどによるものです。
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
経営者の視点による当社および連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当期の売上高は、1,259億8百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は15期連続増益、11期連続過去最高の144億89百万円(前年同期比15.8%増)、ならびにEBITDAは156億18百万円(前年同期比14.9%増)となりました。
当社グループの事業においては、業務知識と情報技術に基づいた品質をベースに幅広い業種・業態の顧客ニーズに応えITサービスを提供しているため、特定産業における投資動向の影響を受けにくい構造となっており、今後も事業環境の変動を注視していきます。
当社においては、プロジェクトの採算管理を徹底し、生産性の向上を図り、DX人材の育成に取り組むとともに、新技術を活用した高付加価値なサービスを提供することにより、単なるコストダウンのみの価格競争の影響を最小限にとどめるように努めています。
当社グループにおいては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。当社グループではこれらのリスクを認識するとともに、海外グループ会社の管理体制およびグループ管理業務・管理体制の整備・強化を進めています。
当社グループは、IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスや、それらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指すため、Vision2030を2022年に策定しました。
中期経営計画(2025-2027)では、「フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化」、「戦略的アライアンスの実行」、「グループ経営基盤の強化」の3つを柱に据え、事業の成長・拡大、安定性・信頼性の強化を推進します。
新たな成長モデルを構築する「フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化」では、デジタル、ソリューションおよびサービスビジネスの中に「集中投資領域」「先行投資領域」を新たに設定し、堅守ビジネス・グローバル(海外)含め、事業拡大・利益創出を目指していきます。
М&Aの投資の意思決定時は、投資対効果の評価や第三者によるDCF法やマルチプル法を使った価値算定結果を判断要素としています。
また、ファイナンシャルアドバイザーや公認会計士、弁護士等の外部有識者によるデューデリジェンスの実施を必須とし、発見された各リスクの検証、対応策等も勘案して経営会議において審議を行い、最終的に取締役会において決議・承認を実施しています。さらに、М&A実施後の統合プロセス(PMI)計画を作成し、М&A効果の最大化に向けた統合プロセスを早期から実施することにより、リスクの低減に努めています。
当社グループにおいては、人材の育成・確保に向けて人的資本への投資を推進するとともに、社員エンゲージメントの向上を図っています。育成面では、成長が期待される領域の育成プログラムの整備・運用、高度プロフェッショナル人材の育成強化を進めています。人材確保面では、キャリアパスの多様化・公募制度見直しによる社内の人材流動性向上を図りながら、中長期的視点での新卒採用や、優れた専門性を有したキャリア人材の採用の実施を進めています。また、社員還元として基本給アップや業績に応じた特別賞与の支給、譲渡制限付株式交付等を実施しています。
ビジネスパートナーに対しては、イベントやパートナー表彰等を実施するとともに、保有技術や人材に関する定期的な情報交換および今後の方向性の議論を通じて、関係性強化と顧客への価値提供力強化に努めています。
当社においては、独自の開発標準の浸透に努めています。また、受注金額が一定以上または必要と認めたプロジェクトの受注可否を審議することやプロジェクトの進捗状況を定期的にモニタリングすることを目的としたプロジェクト推進会議を設置することにより、プロジェクトの状況を把握することで不採算案件の抑止に取り組んでおり、現時点では当社グループに大きな影響を与えるおそれのある不採算はありません。
当社グループでは、役員・社員およびパートナー企業社員へのコンプライアンス研修を実施し、労働状況のモニタリングと注意喚起を行い、さらに経営会議にて報告を行うことで法令違反の抑止に努めています。
当社においては、サイバーセキュリティや情報セキュリティを包含したリスク管理体制をしいており、代表取締役社長および関連部門の責任者で構成される「リスクマネジメント委員会」を設置しています。
また、当社においては情報セキュリティ委員会を、当社グループにおいてはセキュリティ連絡会を設置し、セキュリティ全般の対策の拡充を検討・推進しています。情報セキュリティ事案などが発生した場合は、情報セキュリティ委員会にて恒久的な対応を検討した上で、社内対策を推進し、セキュリティ連絡会にてグループ各社への情報展開を進めます。
当社では、災害対策(平常時)マニュアルや事業継続計画対応行動マニュアルを策定し、事業が継続できる体制を整えています。
当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を経営上の重要課題として認識し、コンプライアンス、情報セキュリティ、品質管理等の必要な体制を備えており、現時点において、財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある訴訟は提起されていません。
当社の取締役会では役員へのモニタリングを実施しています。また、当社および当社のグループ会社に対して内部通報窓口の周知を行っています。さらに、コンプライアンス研修の実施を通じて、従業員の意識向上を図っています。
当社グループは、ハラスメント防止ガイドラインを策定するとともにリスクマネジメント研修による教育および啓蒙活動を実施しています。
当社グループの主たる財源は、好調な業績に基づく営業キャッシュ・フローであり、当期末において適切な事業活動のための資金の流動性は十分に確保されています。
今後の事業拡大に向け、人材投資、研究開発投資、設備投資およびM&Aに資金を活用していく方針です。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」を参照ください。
社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指すため、Vision2030を2022年に策定しました。Vision2030の1st Stageとなる中期経営計画(2022年4月~2025年3月)では、事業および経営基盤の両面において重要課題を設定しています。中期経営計画最終年度の実績は以下のとおりです。
<財務目標と実績>
(※1) 営業利益120億円以上(参考値)
<非財務目標と実績>
(※2) デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、今後注力していくビジネス領域
(※3) SDGsゴール(17項目)に適応するプロジェクトの売上高
業務&ソリューションセグメント
銀行業における案件拡大や新規連結影響などで順調に推移し、売上高は532億7百万円(前年同期比21.9%増、業績予想比6.4%増)となりました。
テクノロジー&ソリューションセグメント
クラウド基盤関連や組込み関連が堅調に推移し、売上高は428億77百万円(前年同期比1.6%増)となりましたが、パッケージソリューション分野において軟調に推移したため、(業績予想比3.0%減)となりました。
プラットフォーム&サービスセグメント
運用、基盤構築案件は拡大したものの、前年同期のハードウエア販売が一時的に増加した反動により、売上高は298億23百万円(前年同期比0.1%減、業績予想比3.2%減)となりました。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) テクノロジー&ソリューションセグメント(研究開発費:
EV(電気自動車)やAD/ADAS(自動運転/高度運転支援システム)などの自動車制御システムの進化に伴う開発課題の増加や、エンジニア不足に起因する開発効率の追及など、ECU(電子制御ユニット)の開発支援ツールに求められる機能・性質は市場動向に合わせて変化しています。それらの市場の要望へ応えるためにハードウェア・ソフトウェアの一新を検討しており、その事前検討として開発課題の概念検証モデル作成・評価を実施しています。
車両開発の主流がエンジン車からxEV(注1)に変化するなかで、ECU(電子制御ユニット)の制御アーキテクチャのリアルタイム性を保証するために、OSタスク・関数のWCET (最悪実行時間)計測・解析に対する需要が高まっています。その需要の高まりを背景に、既存の自社製品とのシナジーが期待されるWCET計測ツールの開発に向け、計測機能要件とレポート機能要件に対する実現性検証、プロトタイピングを実施しています。
開発プラットフォームをWindows Forms(注2)からWPF(注3)に置き換えることにより、ユーザーインターフェースのデザイン改善を実現し、トレーサビリティ確保の設定関連の導線を見直すことでUX(注4)の改善を図ります。また、ユーザーインターフェースとビジネスロジックを切り離し、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)側で実現している機能をCLI(注5)でも使用できるよう、拡張性の向上を行います。
(注1)xEV
Electric Vehicle (extended)。EV(電気自動車)、HEV(ハイブリッド)、PHEV(プラグインハイブリッド)、FCEV(燃料電池車)などの総称を指す。
(注2)Windows Forms
Microsoftが提供する.NET Frameworkに含まれるグラフィカルユーザーインターフェースAPIおよびアプリケーションフレームワーク。
(注3)WPF
Windows Presentation Foundation。Windows Formsの課題を補う形で設計された、次世代のデスクトップアプリケーション開発技術。
(注4)UX
User Experience(ユーザーエクスペリエンス)。ユーザーが製品やサービスを使うときに感じる、使いやすさ(Usability)、満足感(Satisfaction)、効率性(Efficiency)、感情的な印象(Emotional impact)など、すべての体験の質を含む。
(注5)CLI
Command Line Interface(コマンドラインインターフェース)。ユーザーがテキストベースでコマンドを入力して操作するインターフェースのこと。
(2) 業務&ソリューションセグメント(研究開発費:
ICタグに関する研究開発活動を実施しています。