第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処するべき課題等は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、以下の経営理念、経営方針に基づき、当社の顧客や株主・投資家の皆様、当社グループ従業員をはじめとするあらゆるステークホルダーに対して企業活動を通じて社会的責任を果たし、社会にとってなくてはならない企業であり続けることを目指しています。

 

経営理念

英知を結集して、独自の商品を創造し社会に貢献することにより、心の豊かさと、物の豊かさを達成しよう

 

経営方針

“木材を活かす”

独自の技術で木材を有効利用し社会に必要とされる会社を目指します

     木材を大切にする  サステナブルな資源

     地球を大切にする  地球環境 / カーボンニュートラル

     人を大切にする   ステークホルダー

 

当社グループの事業とかかわりの深い木材の原料である樹木は地球温暖化の主要因とされるCO2を吸収し固定化する性質を持つとともに、樹木自体は循環可能な天然資源であることから、木材の活用を促すことは地球環境の保全への貢献につながると考えています。当社は、創業から一貫して樹木と向き合い、樹木から価値ある木材を生み出す技術を磨いてきました。その技術は人に受け継がれ、技術を核として構築された社会との繋がりを大切に考えています。当社グループは、木材、地球、人を大切に、主力である合板機械および木工機械のメーカーとして独自の技術を提供することで、社会・環境課題へ貢献し、社会から必要とされる企業であり続けることを経営方針としております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、木材を活かすことでサステナブルな社会に貢献することをテーマに掲げており、世界的な平均気温の上昇に伴う気候変動や人口動態の変化による労働人口の不足をはじめとする社会・環境課題を背景に、それら課題の解決に資する独自の技術開発および普及をもって貢献することを経営戦略の主軸に据えております。また、戦略の遂行に必要なインフラ整備や生産性向上に資する業務改善に取り組むとともに、戦略の進捗における効果的なモニタリングおよび機動的な意思決定を実現するための体制の整備など、強固なガバナンス体制の構築に取り組んでまいります。加えて、本戦略の推進を支えるとともに将来にわたる事業活動の担い手となる当社グループ従業員を価値創造の源泉と捉え、従業員の育成や成長に資する諸活動の支援その他制度の策定等を通じて働きやすい職場環境づくりに取り組んでまいります。これら攻守バランスの取れた戦略を推進することで持続的な成長の実現を目指してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、経営状態を図る重要指標に主力事業における収益性を示す指標として営業利益を定めるとともに、営業利益率 10%以上を目標として、これを安定的に達成できるよう事業活動に取り組んでおります。

 

(4)経営環境及び優先的に対処すべき課題

当期におきましては、雇用・所得環境は改善傾向にあり企業の設備投資意欲は堅調に推移するなど緩やかな回復基調がみられた一方で、長期化する中東情勢やウクライナ情勢を背景に、原材料価格およびエネルギー価格は高止まりとなり、外国為替市場では円安基調が継続したことに加えて、米国の通商政策による市場への影響が懸念されるなど、依然として不透明な状況が続きました。当社の事業と関わりの深い合単板の生産量につきましては、新築住宅着工戸数の継続的な減少の影響もあり、緩やかな減少となりました。

今後につきましては、雇用・所得環境は改善傾向の継続が見込まれるなか、原材料価格およびエネルギー価格高騰の影響下において物価水準は高止まりとなる見込みに加えて、米国の通商政策の行く末が物流網や金融市場などへ与える影響が懸念されるなど、引き続き不透明な経営環境が継続することが見込まれます。

また、人口動態における子育て世帯の減少や物価水準の高止まり等を背景とした新築住宅の需要減少に伴い、合単板を含む木質建材の需要も減少傾向となることが見込まれる一方で、社会・環境課題への関心の高まりを背景に、引き続き中・高層建築物において鉄やコンクリートを代替する新たな木質建材の動向に期待を寄せる状況が見込まれます。

 

(5)対処方針

当社は木材の有効活用という経営方針に基づき、引き続き新建材の生産をはじめとする社会・環境課題への対応など各テーマに沿った技術の開発、既存機械の積極的なPR活動に注力するとともに、「太平の森」における植樹活動などを通じた当社のサステナビリティに資する活動に取り組んでまいります。

合板機械事業では引き続き合板製造と親和性の高いCLPやLVLをはじめとする新たな単板積層材にフォーカスし、それら新建材をより効率的に生産する技術を中心とした技術開発に注力するとともに、先般設立した米国子会社を足掛かりに米国市場において一層のシェア拡大の実現に向けた諸活動に取り組んでまいります。

木工機械事業につきましては、集成材の生産にかかる機械ラインの需要を着実に受注へつなげていくとともに、製材・集成材の生産工程において省人化に大きく貢献するTスキャナーの更なる拡販に注力してまいります。また、同事業が持つ技術の米国展開を見据え、その実現に向けた体制整備を進めてまいります。

住宅建材事業につきましては、引き続き2×4建築におけるノウハウを強みに木質パネルの拡販に努めるとともに、見込み原価の精緻化など徹底した原価低減を図ることで利益を生み出す体制の構築に注力してまいります。また、昨年販売を開始したトレーラーハウスにおいて、地域社会への貢献を念頭に活用の幅を広げる改良を進めることで更なる拡販に繋がるよう努めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する基本的な考え

昨今、世界的な平均気温の上昇による気候変動が自然災害の激甚化や水資源の枯渇を加速させるなど、自然環境における課題に加えて、日本国内においては人口動態の変化による労働世代の減少に伴い企業における将来の担い手不足等が顕在化するなど、社会・環境課題が深刻化しております。

当社グループと関わりの深い木質建材等の原材料となる樹木は、成長過程において気候変動の主要因とされる大気中のCO2を吸収し、成長後も燃やさない限りCO2を排出することなく固定化する性質を持つことから、その削減に有効であると考えられています。また、樹木を育む豊かな森林環境は、水資源の確保や生物多様性の保全に資することに加えて、土砂災害や洪水などの自然災害による被害の抑制を通じて人々の生活の安全を守る重要な役割を持つと考えられていることから、その環境の維持は環境課題への対応において有効であると考えられております。

当社は、この森林環境の維持において、林野庁公表の樹木を「伐って」「使って」「植えて」「育てる」森林資源の循環利用という考え方に共感し、森林環境の循環として当社のサステナビリティの基本的な考え方に据えております。森林環境の循環においては、樹木を経済的な価値を持つ木材へ加工し、様々な用途に使用する環境が必要であり、そうした背景から従来の主要な用途である戸建て住宅等における建材活用に加えて、中・高層建築物において鉄やコンクリートを代替する新たな木質建材の開発および活用の促進など、木質資源の有効活用について政府主導のもと進められております。

 

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当社グループは、「英知を結集して独自の商品を創造し社会に貢献すること」という経営理念に基づき、創業以来「樹木」を主に住宅用木質建材をはじめとする「木材」へ加工する技術を磨き、機械の提供を通じて、人々の暮らしの根幹となる住宅等の建築物を支えることで社会にとって必要な企業であり続けることを目指してまいりました。当社は“木材を活かす”とする経営方針および当社のサステナビリティの基本的な考え方に従い、昨今の社会・環境課題を背景とした木質資源の有効活用に資する新たな木質建材の効率的な生産に係る独自の技術や木材の生産ラインにおける省人・省力化に資する技術の開発および普及に努めるとともに、「太平の森 白川」および「郡上」において植樹活動等へ積極的に取り組み、森林環境の循環への寄与をもってサステナブルな社会の実現に貢献していくことを使命と考えております。

 

(2)ガバナンス

当社グループでは、経営理念、経営方針およびサステナビリティの基本的な考え方に基づき、事業活動を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するとともに、当社グループの価値創造の源泉である従業員の育成をはじめとする人的資本への投資を経営上の重要課題として位置付けております。

これら課題等におけるリスク・機会等の検討については代表取締役社長を中心に取締役会が担うこととしており、具体的な取り組み等について経営方針や事業計画等に反映させるとともに、適宜モニタリングを実施しております。

なお、当社が認識しているリスク・機会(略式)につきましては次の通りであります。

 

 

認 識(マクロ要因)

影 響(機械需要の減少)

リスク

自然災害の激甚化等に伴う大規模災害の発生

森林資源の喪失および流通の停滞等による市場環境の悪化

人口動態の変化

労働世代の減少

・当社の将来の担い手不足

・人材市場における競争激化

林業・林産業従事者の減少

・同産業の継続困難および木材の生産力低下に伴う市場環境の悪化

 

 

認 識(マクロ要因)

影 響(機械需要の増加)

機 会

木質資源の有効活用による同資源の多様化

木材の活用幅拡大による森林経営の活性化

木質建材の活用における法整備等の進展

品質の安定および向上による新建材市場の拡大

 

(3)戦略

当社グループでは、“木材を活かす“ことでサステナブルな社会の実現に貢献するべく、木質資源の有効活用を背景に、新たな木質建材の効率的な生産にかかる技術に加えて、木材の生産ラインにおける省人・省力化に資する技術の開発および普及を経営戦略の主軸として位置付けるとともに、当社グループの価値創造の源泉である従業員の育成をはじめ、従業員が心身ともに健康で充実した生活を送ることができるよう組織風土の改革に努めるとともに働きやすく成長できる職場環境づくりに取り組んでおります。

 

<新たな技術の開発について>

当社では、“木材を活かす”という経営方針に基づき、CLPやLVLをはじめとする新たな単板積層材にフォーカスし、鉄やコンクリートに代替する新たな木質建材を効率よく生産するための技術や、当社が製造する機械の使用において環境負荷の低減をはじめとする省力化・省人化に資する技術の開発など、社会の要請および当社の成長を軸として技術開発の主要なテーマを策定し、各テーマに沿った技術の開発、既存機械の改善・改良に取り組んでおります。

 

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<人材投資について>

当社では、グループの事業活動を支え、当社の将来の担い手となる従業員こそ当社の持続的な成長の柱となる重要な資源であると考えております。当社グループの従業員全員が心身ともに健康で充実した生活を送ることができるよう諸制度の策定や整備に努めるとともに、当社グループの更なる成長を支える人材の確保および育成の観点から、多様な人材の個々を尊重しそれぞれが活躍できる仕組みづくりが重要であるという認識のもと、“私たちの目指す組織風土”を策定しております。

 

 私たちの目指す組織風土

   ・風通しが良く、すぐに行動を起こせる体制を創る

   ・常に進歩を目指し、迅速に決断する

 

また、当社では、目指す企業風土の実現を見据え、従業員それぞれが自身の役割と責任を認識し、その認識のもと当社の成長を見据え今何をするべきかを自発的に考え実践を持って挑戦する意欲を持つとともに、周囲の人の多様性を尊重し常に尊敬の念を持って接し人との繋がりを大切にすることに加えて、思いやりを忘れず周囲の人を笑顔にすることができる人物を当社が求める理想の人物像として据え、目指す人物像およびスローガンを次のとおり策定しております。

 

 目指す人物像

   ・自分でエンジンを持つ人材の育成

   ・相手の要望を的確に把握、客観的に情報分析し、社内外に発信できる人材の育成

 

 スローガン

   ・役割と責任の明確化

   ・人と人との関わりを大切に

   ・周りの人を笑顔に

 

当社は、当社の従業員全員が人材投資における基本的な考え方に示す理想の人物像を目指し、各々が持つ能力を最大限発揮することができるとともに、自身のスキルだけでなく企業人としての視野の拡大等を含めた人間的な成長を促進する“働きやすく成長できる職場環境の整備”に努めており、そうした職場環境の実現によって従業員全員の意欲の向上のみならず人財の定着および確保に大きく貢献することを目指しております。

当年度の具体的な取り組みと致しましては、まず、従来の人事考課制度を見直し、公平と平等の観点に基づいた人事考課を実施することで各従業員が誘因と貢献のバランスを意識するとともに、意欲の向上を図ることを目的として、MBOを用いたより実効性の高い人事考課制度を導入し運用を開始いたしました。本制度の導入にあたり、評価を実施する役職者(評価者)を中心に数度にわたる人事考課における研修を実施するなど、制度の実効性向上に向けた従業員のレベルアップを対策しております。

また、働きやすく成長できる職場環境づくりの一環として、当社の在宅勤務制度および育児介護休業規程の見直しに加え、休日数の変更(年間115日から123日(夏期、冬期休暇を含む)を実施いたしました。本取り組みは、従業員の生活においてより実態に沿った内容とすることで、従業員のワークライフバランスの充実を図り意欲を引き出すとともに疲労からくる労働災害を防止する事で労働安全衛生の質の向上等を見込んでおり、もって生産性の向上を図ることとしております。

 

 

(4)リスク管理

当該戦略等におけるリスク・機会の認識およびモニタリングにつきましては、代表取締役社長を中心に取締役会が主体となり取り組んでおり、適宜適切に方針や対策を決定する体制としております。

とりわけ、人材投資につきましては、我が国における昨今の社会課題である労働人口の減少は、中長期目線において当社の労働力の低減および事業継続性に大きく影響を及ぼすと考えております。また、変化の激しい現代の労働環境や世代毎の価値観の変化が明確化している状況において、それらに対応しないことは、従業員の意欲の低下、人材の確保および定着とその育成のみならず当社のレピュテーションリスクとなり人材戦略において悪循環となることを最大のリスクであると認識しております。

当社は、こうしたリスクの認識のもと、中長期目線において人材戦略を策定し、その実行およびモニタリングを通じて諸リスクを管理していく方針であります。

 

(5)指標及び目標

当社グループは、“木材を活かす”という経営方針およびサステナビリティの基本的な考え方に従い、木質資源の有効活用に資する新たな技術の開発および働きやすく成長できる職場環境の構築に取り組んでおります。

新たな技術の開発につきましては、当該開発における主要なテーマに従い、具体的に開発を進める技術、開発機および開発期間を定め取り組んでおります。

人材投資につきましては、当社の人材投資における基本的な考え方に示す企業風土の醸成およびスローガンに基づいた行動を意識することができる働きやすく成長できる職場環境の整備において次の通り目標と指標を定めております。

 

働きやすい職場環境の実現

育児介護休業規程、在宅勤務制度等の啓蒙活動

全従業員に対して年4回以上

ハラスメントのない職場環境

ハラスメント事案の取締役への報告徹底(報告漏れ0件)

経営に重大な影響を及ぼす事項0件

 

成長できる職場環境の実現

人材の成長に資する諸テーマに基づく社内勉強会の実施

年間4回以上実施

従業員のスキルアップに資する外部教育機関の活用

投資額前年比で45%を下回らない

 

全ての従業員が自身の成長を実感しそこに喜びを感じられる感性を持つこと、従業員それぞれの個々を尊重し合うことで働きやすく組織としての秩序を重んじることができる職場環境の整備において実効性のある目標に掲げております。

なお、本目標および指標の策定は本年度中に策定されたものであり、次年度(2026年3月期)の取り組みについてしっかりとモニタリングを実施し、具体的な進捗状況や数値等を開示してまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 製造・納品した機械の責任に伴うリスク

当社グループの主力である機械の設計、製造、設置等にあたって、法令等の遵守、安全管理、品質管理等に十分配慮しておりますが、この一連において予期しない欠陥や不良等が生じ、改修や損害賠償等が生じる可能性があります。該当事案の発生は多額の処理費用ならびに当社グループの信用の低下による機会喪失につながり、当社グループの経営成績、財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(2) 原材料・部品の供給に係る仕入先への依存リスク

当社の主力である合板機械および木工機械の製造において、仕入先から部品、資材および協力業者等のサービスの供給に依存しており、原油、原材料の高騰による資材価格の高騰や、労働力不足によるサービス単価の高騰は、当社の製造コストの増加に繋がることから利益に大きく影響する恐れがあります。また、一部の部品等については特定の仕入先に依存している状況から、当該仕入先の状況が当社機械の納期等に悪影響をおよぼす可能性があります。

これらの対策として、当社の主要な仕入先で構成した共創会や共成会をはじめとする協力体制を構築し、当社および仕入先相互に部品供給の状況等の共有を実施する等の協力体制を構築し対応を図っております。

 

(3) 為替相場の変動によるリスク

当社グループでは北米圏や東南アジア圏へ事業を展開していることから為替変動による影響を受ける可能性があり、急激な為替変動は顧客の設備投資計画そのものに影響をおよぼす可能性があります。これらの影響を勘案し、国外案件については円建てによる契約を基本としております。国外通貨建ての契約が発生した際は為替予約取引やデリバティブ取引を活用する等為替変動リスクの回避を図る一方で、事業年度末の為替、金利の情勢によってはデリバティブ取引等に伴う評価損益が発生し経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益に影響をおよぼす可能性があります。なお、顧客の設備投資計画に影響をおよぼす為替相場の想定につきましては、顧客と情報共有を実施し想定レートの参考にする等見通しを立てております。

 

(4) 人材等におけるリスク

当社グループでは主力の木材加工機械における技術は従業員にこそ継承されるものとする考え方から、従業員こそ当社グループの価値創造の源泉であると考えており、従業員の育成や労働環境の整備など従業員が誇りを持ち業務に集中できるよう企業風土の醸成に取り組んでおります。一方で、昨今の労働世代の減少等によって人材の確保が難航する状況や社外流出等による人材の不足が発生し、当社グループの事業活動および業績に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(5) 大規模災害によるリスク

当社グループの主力生産拠点は愛知県、大阪府、岐阜県であり、南海トラフを震源とする地震等の大規模災害が発生した場合には、生産拠点に悪影響をおよぼす可能性があります。これら万一の災害時に備え、生産拠点の耐震性能の強化や太陽光発電システムの導入などによって対策を強化しております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境は改善傾向にあり企業の設備投資意欲は堅調に推移するなど緩やかな回復基調がみられました。一方で、長期化する中東情勢やウクライナ情勢を背景に、原材料価格およびエネルギー価格は高止まりとなり、外国為替市場では円安基調が継続したことに加えて、米国の通商政策による市場への影響が懸念されるなど、依然として不透明な状況が続きました。当社の事業と関わりの深い合単板の生産量につきましては、新築住宅着工戸数の継続的な減少の影響もあり、緩やかな減少となりました。

このような状況のなか、当社は「木材を活かす」という経営方針に基づき、新たな木質建材の効率的な生産に資する技術の開発および主力機の拡販を目的としたPR活動および受注活動に注力してまいりました。

当社は、合板の生産量・消費量ともに世界有数の規模を持つ米国において、主力機の更なるシェア拡大を目指すため、現地でのより効率的な受注活動の体制構築の足掛かりとして100%子会社 TAIHEI MACHINERY US Inc. を設立し運用を開始いたしました。また、木材を加工する機械メーカーである当社は、林野庁公表の森林資源の循環利用に係る考え方に共感するとともに、森林環境の循環として当社のサステナビリティの基本的な考え方に据えております。この考え方に基づき、植樹等の活動を通じて実践していくことを念頭に「太平の森 白川」および「太平の森 郡上」をそれぞれ設置するなどサステナビリティにかかる活動について積極的に取り組んでまいりました。

業績面につきましては、売上高は海外展開および集成材関連は堅調に推移したものの7,855百万円(前年同期比11.2%減)となりました。売上高のうち輸出は、1,480百万円(前年同期は1,389百万円)で輸出比率は18.8%となりました。収益面につきましては、当下期以降の売上高のボリュームダウンの影響もあり、営業利益は907百万円(前年同期比36.6%減)、経常利益は957百万円(前年同期比33.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は576百万円(前年同期比45.9%減)となりました。

 

財政状態は、総資産10,394百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,638百万円減少しました。その主なものは、契約資産の減少763百万円、現金及び預金の減少664百万円、有価証券の減少300百万円によるものであります。

負債につきましては、3,498百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,680百万円減少しました。その主なものは、支払手形及び買掛金の減少1,665百万円によるものであります。

純資産につきましては、6,895百万円となり、前連結会計年度末に比べ42百万円増加しました。その主なものは、利益剰余金の増加399百万円、自己株式の取得による減少376百万円によるものであります。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

ア.合板機械事業

合板機械事業につきましては、CLPやLVL等の新建材においてより効率的な生産にかかる技術の開発に加えて、米国を中心に既存主力機の積極的なPR活動に取り組んでまいりました。売上高につきましては、米国における大型案件の受注など、海外展開において堅調に推移したものの、前期あった特殊要因による大型受注一巡の影響もあり5,037百万円(前年同期比23.6%減)、営業利益は780百万円(前年同期比50.1%減)となりました。

イ.木工機械事業

木工機械事業につきましては、集成材の生産にかかる機械類を中心とした受注案件の着実な遂行に加えて、同事業の持つ技術をベースとした新建材の生産にかかる新たな技術の開発に取り組んでまいりました。売上高につきましては、集成材の生産ラインにかかる機械類の旺盛な受注環境に支えられ1,716百万円(前年同期比21.7%増)、営業利益は262百万円(前年同期比571.8%増)となりました。

ウ.住宅建材事業

主力の2×4建築にかかる木質パネルの拡販に加えて、原価管理の質の向上など、原価低減に向けた諸活動に注力するとともに、2024年に販売を開始したトレーラーハウスのPR活動など受注促進に努めてまいりました。売上高につきましては1,101百万円(前年同期比31.1%増)、原価低減に注力したものの、営業損失8百万円(前年同期は62百万円の営業損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,162百万円となり、期首残高と比べ、253百万円減少しました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は、60百万円(前年同期は1,693百万円の獲得)となりました。これは主に、仕入債務の減少による資金の減少を税金等調整前当期純利益の増加、契約資産、その他の流動資産の減少による資金の増加及びその他の流動負債の増加による資金の増加が上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、獲得した資金は、306百万円(前年同期は1,170百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による資金の減少を定期預金の払戻による資金の増加が上回ったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は、629百万円(前年同期は479百万円の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による資金の減少及び配当金の支払いによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

ア.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

合板機械事業(千円)

5,043,091

78.4

木工機械事業(千円)

1,809,109

133.7

住宅建材事業(千円)

1,097,466

130.6

合計(千円)

7,949,668

92.2

(注)1.金額は販売価格で算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.外注加工による生産を含んでおります。

 

イ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

合板機械事業

2,906,782

62.5

2,458,092

53.6

木工機械事業

2,234,229

122.8

1,224,133

173.3

住宅建材事業

1,096,884

127.1

77,570

94.3

合計

6,237,896

85.1

3,759,795

69.9

(注)1.金額は販売価格で算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度において、木工機械事業セグメントにおいて受注残高に著しい変動がありました。主な要因は、フィンガージョイントラインおよびスキャナー関連の受注が増加したことによるものです。

 

ウ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

合板機械事業(千円)

5,037,538

76.4

木工機械事業(千円)

1,716,388

121.7

住宅建材事業(千円)

1,101,602

131.1

合計(千円)

7,855,530

88.8

(注)金額は販売価格で算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度における株式会社日新および島根県合板協同組合の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合並びに前連結会計年度における林ベニヤ産業株式会社の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

新秋木工業株式会社

1,606,617

18.2

1,290,819

16.4

林ベニヤ産業株式会社

977,502

12.4

株式会社日新

1,502,786

17.0

島根県合板協同組合

963,272

10.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、売上高は前期に比べ11.2%減少し7,855百万円、営業利益は36.6%減少し907百万円となりました。

なお、当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を、本来の収益性を示す売上高営業利益率としており、重要な項目と捉えております。

売上高営業利益率の目標としては、10%以上を安定的に達成できることを目指しておりますが、当期の営業利益率は11.6%となりました。

これは、当社の主力である合板機械事業において、米国における大型案件受注など海外展開は堅調に推移したものの、前期あった特殊要因による大型受注一巡の影響があったことに加えて、木工機械事業において、集成材関連は大きく伸長したものの、住宅建材事業においては、原価低減にかかる施策等の推進により前期に対し改善は見られたものの、営業損失となったことなどによるものであります。

当社は引き続き木材の有効活用という経営方針に基づき、新建材の生産をはじめとする社会・環境課題への対応など各テーマに沿った技術の開発、既存機械の積極的なPR活動に注力するとともに、先般設置した米国子会社を足掛かりとした現地でのシェア拡大等に努め、安定的に10%以上の営業利益を達成できるよう取り組んでまいります。

その他、当連結会計年度における経営成績等につきましては(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、第2「事業の状況」の4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保する事を基本方針としております。

運転資金需要のうち主なものは製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、資金調達は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。

資金の効率化により生じた余裕資金は借入金返済等の原資とし、財務体質の強化を図ってまいります。

ここ数年の業績により手元資金に余裕が生まれている状況ではありますが、現在開発中の機械が商品化された際に予想される必要設備や、検討中である主要な工場棟の老朽化や生産性の向上等に資する建替または移転に対する資金の担保や、リーマンショック級の景気後退に伴う業績悪化時にも耐えうる財務体質を確保するため、一定の余裕資金を確保しておく必要があると考えており、安全性の高い金融商品である合同運用指定金銭信託など、元本を毀損するリスクが限りなく低い金融商品にて余裕資金を運用しております。また、安定的な財務状況を維持し、経済環境の変動に柔軟に対応できるよう、新型コロナウイルス感染症特別貸付制度による資金調達を実施しております。

今後におきましては、資本コストや資本収益性、株価・時価総額の状況を検証し、中長期的な企業価値向上に向けた活用についても検討を進めてまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表作成にあたり採用した会計方針は、第5「経理の状況」(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項に記載のとおりでありますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。

a)完成工事補償引当金

顧客に納入した製品に対して発生したクレームに係る費用に備えるため、製品売上高に対して将来予想される補償費用を一定の比率で算定するとともに、個別に発生見込の高い費用を完成工事補償引当金として計上しております。

引当金の見積りにおいて想定していなかった製品の不具合による義務の発生や、引当の額を超えて費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。

 

b)一定の期間にわたり充足される履行義務について認識した収益

一定の期間にわたり充足される履行義務について認識した収益に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

c)繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

5【重要な契約等】

(本社工場の建て替え)

2025年1月14日開催の当社取締役会において、本社小牧事業所内にある工場の一部建て替えを決議し、2025年5月19日に契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

当社グループの事業活動と関わりの深い樹木は、循環可能な天然資源であり、樹木を加工して作られる木材製品は相対的に環境負荷の少ない資材としてその有効活用の促進に期待が寄せられております。加えて、国内では人口動態の変化に伴う労働人口の減少を背景に、木材の生産現場において省人化・省力化を主軸とした生産性の向上に資する技術の重要性が高まりを見せております。当社では、これらの社会・環境ニーズにお応えする技術の開発を研究開発活動における最重要課題として捉え、新機種の開発および既存機種の改良・改善に取り組んでおります。当社の研究開発活動は、主に合板機械事業、木工機械事業において専門の部門を設置して推進しております。

当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は367百万円であります。

なお、当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発の目的、主要な課題、成果および研究開発に係る費用は次のとおりであります。

 

(1)合板機械事業

当社の主力かつ既存機であるアコーディオンプレス、ロールジェットドライヤーおよびアルテサ(研磨機)において社会・環境ニーズへの対応を主として、顧客の利便性に資する改良・改善等に取り組むとともに、木材の有効活用に資する新たな木質建材における生産技術の確立等に向けて、高周波プレス機等の開発に取り組んでおります。

これらの結果、当連結会計年度の合板機械事業に係る研究開発費は318百万円であります。

なお、当連結会計年度における研究開発活動において、大きな変更はありません。

 

(2)木工機械事業

木材資源の有効活用や国産木材を利用した建築構造部材としての安定利用が課題となっております。

集成材の性能保証、生産性向上が叫ばれる中、木材を有効に歩留まり良く活用するために、集成材工場におけるシステム化の提案として、スキャナーの開発や、高精度・高能力フィンガージョイントシステムの開発に取り組み成果をあげております。

現在注力しておりますのは、スキャナーシステムでの商品判定の精度向上、処理能力向上の開発に取り組んでおります。また、非住宅木材化が進んで行くことが予想されるため、中厚物切断装置の開発にも取り組んでおります。これらの結果、当連結会計年度の木工機械事業に係る研究開発費は48百万円であります。

なお、当連結会計年度における研究開発活動において、大きな変更はありません。

 

(3)住宅建材事業

当社の子会社である太平ハウジング株式会社は、ツーバイフォー工法住宅の構造躯体(パネル)の製造販売を行い、構造図設計から建て方施工、現場指導、構造躯体の検査等、一貫システムの運営をしております。

現在も構造躯体の他に建材製品の開発に取り組むなど、より付加価値の高い製品を提供することを進めております。また、頻発する地震により耐震・免振への意識が高まっていることから、地震発生装置を製作し当社製品の耐震評価向上に取り組んでおりますが、当連結会計年度においては研究開発費の支出はありません。