第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「信頼と誠実を大切にし、ものづくりを通じて新たな価値の創造と豊かな社会の実現に貢献する」という企業理念のもと、創業以来手がけた数多くの事業経験を財産としつつ、時代の流れとともに変化する事業環境へ、常に前向きでしなやかな対応を心掛け、先見性と進取の気質を持った活力ある企業体としての発展を目指しております。また、当社の存在する意義や目的を示すパーパスを『産業を「モト」から支え、共に未来を築く』と定めております。当社の提供する基礎素材や機械装置、リサイクルサービスなどは、最先端の半導体から社会インフラまで、多くの産業の成長と高度化に寄与しており、これからも産業のイノベーションを「モト」から支え、社会の発展に不可欠な役割を、お客様をはじめとする全てのステークホルダーと共に果たし、明るく豊かな未来を築いてまいりたいと考えております。

 

(2) 中期的な会社の経営戦略

当社グループは、上記の基本方針をベースにした製品戦略として、特に「電子産業分野」、「ファインケミカル分野」、「リサイクル分野」をターゲットとした商品展開を志向しております。

これらの三分野は、それぞれが重なり合って展開していることもありますが、「電子産業分野」の製品といたしましては、電子工業向け高純度燐酸、高純度無機素材をはじめとする製品群を扱っております。「ファインケミカル分野」の製品といたしましては、光学レンズ向けや、コンデンサー向けの材料や、放射性ヨウ素吸着剤などの機能性材料にも注力しております。「リサイクル分野」は、電子工業向けエッチング液の回収・再生、機械事業のリサイクルプラザ向け再資源化機器、その他事業の石油精製用触媒の再生などを事業化しております。

 

また、当社グループは、将来の予測が困難な時代において、長期的な視点で当社の目指す方向性として10年後のありたい姿を示した長期ビジョン「Rasa Vision 2033」を策定し、「企業価値の向上と持続的成長の追求」と「サステナブルな未来の実現」を軸に成長戦略に取り組んでまいります。また、長期ビジョンを実現するための“種まき”の期間(フェーズ1)として位置付けた2024年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営計画2026(2024年度~2026年度)」を策定いたしました。「中期経営計画2026」では、「経営資源の最適化と収益力強化を推進し、企業価値向上への基盤強化を図る」を基本方針として、次に掲げる事項を全社方針として取り組んでまいります。

 

① 経営資源最適化のための体制構築

コア事業の収益力強化と、新たな市場機会や成長分野への取り組みを強化し、成長事業の拡大をはかっていくとともに、ROIC管理の導入により経営資源最適化に取り組んでまいります。

② 新規事業の創出

研究開発の強化とエンジニアリングチェーンの強化をはかってまいります。

③ 人材戦略への注力

人材育成体制の見直しやナレッジマネジメントを推進し、人材の底上げをはかってまいります。

④ 気候変動への対応と循環型社会の構築

マテリアリティ(重要課題)の取り組みを推進し、温室効果ガスの排出削減、再生可能エネルギーへの移行、環境にやさしい製品の拡充などの目標達成を目指してまいります。

⑤ 安全かつ安定操業の継続

安全衛生管理の更なる強化とリスクアセスメントに基づいた事業継続計画(BCP)の見直しに取り組んでまいります。

 

⑥ 経営管理の強化

コンプライアンスの徹底の継続とリスクマネジメント体制の見直しに取り組んでまいります。

⑦ 株主還元の向上

業績に応じた株主還元を実施してまいります。

 

なお、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、「中期経営計画2026」における最終年度目標である連結売上高520億円、連結営業利益48億円、ROE(自己資本利益率)10%、ROIC(投下資本利益率)9%、配当性向30%以上を目指しております。

 

(3) 経営環境

今後の経済見通しにつきましては、内需の回復や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな景気回復が期待される一方で、米国の関税政策や中東情勢の不安定化、資源価格の高止まり、為替変動の影響など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループの経営環境として、化成品事業では、半導体市況が引き続き回復基調にあると見ております。機械事業では、下水道関連向け掘進機の受注・引き合いが堅調に推移しており、本体販売、レンタルともに回復を見込んでおります。電子材料事業では、化合物半導体市況の回復が緩やかにとどまると見込んでおります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2025年3月期を初年度とする3ヶ年の「中期経営計画2026」を策定し、「経営資源の最適化と収益力強化を推進し、企業価値向上への基盤強化を図る」を基本方針として、経営資源最適化のための体制構築、新規事業の創出、人材戦略への注力などの全社方針に基づいた施策に取り組んでまいります。また、部門別の重点施策として、次に掲げる事項に取り組んでまいります。

 

① 化成品事業

・燐系製品の拡販と品質向上

・凝集剤関連製品の高機能化と収益改善

・高純度リン酸のリサイクル実用化

・コンデンサー向け原料の操業の安定化と更なる省力化

・新製品開発の研究開発体制の強化と技術確立

② 機械事業

・機械本体と部品の入替需要やプラント設備の需要の取り込み

・掘進機の需要動向に応じた市場への深耕

・新規市場開拓

③ 電子材料事業

・高純度無機素材の品質とコスト競争力の向上とシェア拡大

・放射性ヨウ素吸着剤の継続的販売の実現

・次世代半導体用材料の開発

④ その他の事業

・石油精製用触媒再生事業の受注安定化と国内外の新規需要獲得

・不動産事業の収益維持

 

当社グループは、上記諸施策に加え、「サステナブルな未来の実現」を目指し、気候変動への対応と循環型社会の構築、安全かつ安定操業の継続、経営管理の強化などの経営課題に取り組んでいくとともに、株主還元の向上を図ってまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社は、「サステナビリティ基本方針」を2022年3月期に策定しました。

 

サステナビリティ基本方針

当社は、ものづくりを通じて、新たな価値の創造と豊かな社会の実現に貢献するという基本理念のもと、未来のために限りある資源を有効利用し、環境保全に取り組みながら、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を通じて貢献するとともに、企業価値の向上を目指します。

 

当社は、資源開発会社として創業したことから、資源の有限性を体感しており、「資源リサイクル」を絶えず意識した事業活動に取り組んでまいりました。

当社は、これからも高い企業倫理感を持ちながら、社会規範を遵守し、全部門を挙げて、ステークホルダーとの協調を図りながら、環境保全を推進し、人と自然に優しい循環型社会の実現へ向けた役割を果たしてまいります。

 

(1) ガバナンス

当社は、気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動など、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、これに向けた取り組みを推進するため「サステナビリティ委員会」を設置しています。

サステナビリティ委員会は、代表取締役社長執行役員を委員長とし、経営企画・総務・IRを担当する取締役及び執行役員を委員として構成され、オブザーバーとして監査等委員が参加します。

同委員会は、原則として年4回以上開催しており、取締役会の監督のもと、サステナビリティに関する仕組みの構築、重要課題の特定、計画の立案を行い、取締役会に報告・提言を致します。サステナビリティに関する業務は、取締役会を通じて各部室長が推進します。また、同委員会の下部組織として、「サステナビリティ推進課」を設置し、組織を横断するサステナビリティ活動に関する調査・進捗管理や推進を担当します。

<サステナビリティ推進体制>


 

(2) 戦略

持続可能な社会の実現と持続的な企業の成長に向けて、当社グループの経営や社会にとっての重要度の観点から取り組むべき優先課題の候補を選定し、重要性や影響度より6つのマテリアリティを特定しました。当社グループが重点的に取り組むべきマテリアリティは次のとおりです。重要課題の取り組みに関わる具体的な施策の検討を行うことにより課題解決を目標にサステナビリティ活動を推進します。

 

<マテリアリティ>


上記で定めたマテリアリティのうち、気候変動については2023年5月にTCFD提言に基づく情報開示を行っております。TCFD提言に基づく情報開示については、以下のURLをご参照ください。
 https://www.rasa.co.jp/sustainability/climate_change/climate_change.html

 

① 気候変動への取り組み

当社では、気候変動によるリスクと機会を明確にするためにシナリオ分析を行いました。2つのシナリオを設定し「気候変動対策が進まず成行きのまま気温が上昇し、それによる物理的リスク・機会が発生するシナリオ」を4℃シナリオとして「急性」「慢性」について分析を行いました。一方「温暖化防止に向けて様々な活動が実施され、脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会が発生するシナリオ」を2℃未満シナリオとして「政策・規制」「技術」「市場」「評判」について分析を行いました。その結果、以下のように気候変動関連のリスクと機会を特定しています。

 

 

<気候変動関連のリスクと機会>


 

② 人的資本・多様性への取り組み

当社の起源は、創業者である恒藤規隆(農学博士。肥料砿物調査所長)が官を辞した後、私財を投じ、「日本の農業の近代化」を図るため、肥料の原料となる国産の燐鉱石の探査を行うべく、仲間たちと当社の前身となる会社を立ち上げたことにあります。当社は、一企業の利益のためだけでなく、「日本の農業の近代化」という社会の課題解決を行い、豊かな社会を実現することを目的として創業された企業です。時代の物遷に合わせ創業当時から業態を大きく変えていますが、創業当時の理念を実現するため、「私たちは、信頼と誠実を大切にし、ものづくりを通じて、新たな価値の創造と豊かな社会の実現に貢献すること」という企業理念を掲げています。この企業理念を実現すべく、多様な人材の育成と、採用力強化・変革に対応した人材の再配置・再教育を行い、多様な人材が活躍し、「一人ひとりが自分らしく働く」企業の実現を目指しております。

当社の人材の育成については、OJTを基本にしつつ、積極的に外部研修などを取り入れるようにしております。「一人ひとりが自分らしく働く」ことができるよう自己啓発を推進し、自律的なキャリア形成の推進を図っております。

当社は、現時点では、従業員に占める女性の比率が小さいため、女性従業員の採用人数の増加に取り組むとともに、女性従業員が働きやすい職場環境の整備を進めてまいります。

当社は、従業員を経営資源の中核と位置づけ、従業員の安全と健康確保を実現し、「一人ひとりが自分らしく働く」前提として、安心して働くことができる職場環境の維持・向上に努め、労働災害ゼロを目指し、全社横断的な全社安全衛生委員会により安全活動の推進と情報の共有を行っております。

当社は、組織の活性化につながるような適切な人材配置の実施を目指しております。また、当社の事業は、大きく化成品事業、機械事業、電子材料事業に分かれており、事業所も各地に点在しているため、人員配置が効果的かつ計画的になるように取り組んでいます。

 

(3) リスク管理

当社は、サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別、評価、特定について、サステナビリティ委員会で行い、取締役会に報告し、企業リスクの把握に努めるとともに、対応を強化してまいります。

 

 

(4) 指標及び目標

① 気候変動への取り組み

当社グループは、温室効果ガスの長期削減目標をマテリアリティに定めており、CO2削減に向けた活動を進めてまいります。

・温室効果ガス削減目標:2033年までに温室効果ガス排出量30%削減(2021年度比Scope1及び2)

 

削減に向けた取り組みとして、再生可能エネルギーへの電力切替、設備効率化、太陽光パネル導入等を行っており、温室効果ガス削減活動を推進しています。

 

<温室効果ガス排出量実績(ラサ工業グループ)>

 

2021年度

(基準年度)

2022年度

2023年度

削減目標

Scope1

6,144

5,574

4,871

CO2排出量削減

30%

(2021年度比)

Scope2
(マーケット基準)

14,785

14,989

15,467

Scope1+2

20,929

20,563

20,338

 

(t-CO2)

 

② 人的資本・多様性への取り組み

当社では、人材育成においてOJTを基本としつつ、階層別研修として「新人研修」「中堅社員研修」「企画監督職研修」「新任管理職研修」を実施しています。さらにコンプライアンス研修や役員向け研修など、多様な教育プログラムを通じて、役職員の能力向上に努めています。また、自己啓発支援として通信教育や動画研修の制度を整備しており、今後はこれらの研修制度のさらなる拡充を図ってまいります。

加えて、定期的に「従業員エンゲージメント調査」を実施し、従業員の声を組織運営に反映させることで、やりがいの向上と働きがいのある職場づくりに取り組んでいます。

女性活躍推進に関しては、女性の採用比率25%を目標に掲げ、採用人数の増加及び働きやすい職場環境の整備を通じて、社員に占める女性比率の向上を目指しています。2024年度の女性採用比率は19%となっており、今後はより一層、採用活動に注力してまいります。また、育児休業制度の取得促進など、両立支援に向けた取り組みも引き続き推進していきます。有給休暇取得率については、目標を上回る結果となっており、従業員一人ひとりが健康に働き続けられる職場づくりの維持・向上に努めていきます。

 

<人的資本に関する指標と目標(ラサ工業グループ)>

 

2024年度実績

目標

女性採用比率実績

19

25

%以上

有給休暇取得率

75

70

%以上

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

(1) 経済情勢の変動

当社グループは、化成品事業、機械事業、電子材料事業他の各分野にわたって事業を展開しており、当社グループの製品は直接的、間接的に各分野の需要変動や世界各地の市場における経済情勢の影響を受ける可能性があります。

このため、慎重に経済情勢を見極めて事業判断を行っておりますが、各市場の景気後退は当社グループの売上の減少につながり、業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

(2) 電子部品・デバイス市場の変動

当社グループは、化成品事業の半導体製造工程向けの高純度燐酸、電子材料事業の化合物半導体向け高純度無機素材など、電子部品・デバイス市場向け製品を販売しておりますが、電子部品・デバイス市場は環境の変化により、しばしば需要の急激な増減が起こる場合があります。このため、市場動向を見極めて取引先との情報交換を行いながら、慎重に投資のタイミングをはかり、過剰在庫を避けるなど事業判断を行っております。また、製品の高付加価値化や新製品の開発に努め新しい需要を取り込み、事業基盤の更なる安定と強化をはかっております。

しかしながら、需要の急激な減少が起こった場合、当社グループの売上の減少につながり、業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

(3) 原料価格の変動及び調達

化成品事業では燐系製品の主原料である黄燐を海外からの輸入により調達しておりますが、各国の各種制度の変更、電力事情、並びに世界的な需給などの価格の暴騰暴落要因が内在しております。また、その他の原料においても様々な要因により市況が急変し、価格が大幅に変動する可能性があります。このため、主要原料の調達ルートを分散し逼迫局面における安定確保をはかり、価格上昇が起こった場合の製品価格への転嫁をはかっております。

また、緩和局面においては原材料等の在庫評価に影響を与える可能性があり、過剰在庫を避けるよう努めております。しかしながら、いずれも完全なリスク回避となるものではなく、リスクが顕在化した場合、売上の減少や原価の上昇、また在庫評価減の発生などによって、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を与える可能性があります。

(4) 資金調達

当社グループは、借入による資金調達を行っておりますが,金利等の市場環境の影響を強く受けるため、これらの環境の変化により、当社グループの資金調達のコストが増加し、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、金融機関から借入を行っておりますが、今後新たに同様の条件により借換え又は新規の借入を行えるという保証はなく、当社グループが金融機関から適時に当社グループが必要とする金額の借入を行うことが出来ない可能性があります。このため当社グループは幅広く複数の金融機関と取引を行い、緊密に情報交換を行っておりますが、もしリスクが顕在化した場合には、当社グループの資金調達に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(5) 為替相場の影響

当社グループは、製品輸出及び原材料の輸入等で外貨建て取引を行っており、業績に為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。このため、当社グループでは為替予約等による一定のリスクヘッジを行っておりますが、為替相場が大幅に変動する場合には、売上単価の下落、原価の上昇などによって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

また、海外の連結子会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されますが、為替相場の変動によって当社グループの株主資本に影響を与える可能性があります。

 

 

(6) 製品品質

当社グループは、原材料・製品などの検査徹底に加え生産工程の管理により、製品の品質の確保に努めておりますが、原材料などの予期せぬ品質不良などにより当社グループが生産した製品に起因する損害が発生する可能性があります。このため、当社グループでは生産物賠償責任保険に加入しておりますが、すべてのリスクを回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合、損害賠償の発生などによって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

(7) 知的財産

当社グループは、特許の取得、調査など知的財産の確保に努めておりますが、他社等との間に知的財産を巡って紛争が生じる可能性や知的財産が模倣される可能性は避けられません。

また、当社グループは、第三者の知的財産を侵害しないよう十分な配慮のもとに製品開発を行なっておりますが、他社等より知的財産を侵害したとして紛争が生じる可能性は避けられません。こうしたリスクが顕在化した場合は、売上の減少、訴訟費用の発生、損害賠償の発生などによって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

(8) 海外事業展開

当社グループは、政治的安定や法律を確認しながらアジアを中心に生産拠点を構築するなど、海外への事業展開をはかっております。しかしながら、これらの海外市場への展開は、時の経過とともに進出国における予期しない法律又は法規の変更、政治要因による社会的混乱等により、事業継続に支障が出る可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

(9) 事故・災害

当社グループは、事故の防止対策には万全を期しておりますが、予期せぬ事態により万一重大な事故が発生し、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合、生産への影響や社会的信頼の低下を招き、業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

また、地震、台風等による大規模災害が発生した場合、生産拠点の被災による製品供給への影響、賃貸物件の被災による賃貸事業への影響、営業拠点の被災による営業活動への影響及び顧客の被災による販売への影響並びに設備等の修復に伴う一時的な費用の発生が、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

(10) 環境問題

当社グループは、環境に関する様々な各種法律、規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、過去分を含む事業活動に関し、過失の有無に関わらず環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来環境に関する規制が強化された場合、新たな費用が発生し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を与える可能性があります。

(11) 退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は数理計算上合理的と認められる前提に基づいて計算されておりますが、この前提が経済的変動及びその他の要因によって変動することがありますが、こうした場合、退職給付費用の増加及び債務の増加などによって、業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

(12) 訴訟等

当社グループは、事業を遂行するうえで、事前に専門家の意見を確認するなど慎重に法的リスクを回避しておりますが、訴訟やその他の法的手続に関するリスクを完全に排除するものではありません。訴訟、規制当局による措置その他の法的手段により、損害賠償金や課徴金が発生した場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を与える可能性があります。

(13) 減損会計

当社グループは、事業用の不動産など様々な有形・無形の固定資産を所有しております。こうした設備投資には、収益性、投下資金回収の慎重な検討やコスト削減を行っておりますが、予期せぬ事業環境の変化や時の経過による時価の下落、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により帳簿価額の回収が見込めなくなることがあります。そうした場合には減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を与える可能性があります。

 

 

(14) 取引先の信用悪化

当社グループは、取引先の信用リスクについて与信管理枠の設定など細心の注意を払っておりますが、信用リスクの顕在化を完全に回避できるものではなく、取引先の信用状況が急速に悪化した場合、貸倒損失などの発生により、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

(15) 繰延税金資産の取崩しに係るリスク

当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っておりますが、様々なリスクの顕在化によって将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を与える可能性があります。

(16) 感染症の流行・感染拡大(パンデミック)に係るリスク

隔離・行動制限等が必要な感染症等が広範囲に流行・感染拡大した場合、世界的な需要の減少、サプライチェーンの混乱などから、当社グループの売上の減少や原料高につながり、業績及び財政状況に重要な影響を与える可能性があります。

また、当社グループ社員の罹患により、事業の停滞、停止が起こる可能性があります。このため、当社では、事業継続への対応として、衛生管理の徹底、WEB会議システムの活用、作業シフトの変更など、必要な措置を実施することとしております。しかしながら、これらの対策によっても感染リスクを完全に避けるものではなく、リスクが顕在化した場合、業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

 

なお、本項目に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項については、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性もあります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や好調なインバウンド需要を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、継続する物価上昇や地政学的リスクに加え、米国の関税政策や不安定な為替相場など、依然として先行きの不透明な状況が続いております。

このような環境のなかで、当社グループは、長期的な視点で当社の目指す方向性として10年後のありたい姿を示した長期ビジョン「RasaVision2033」の実現に向けて、“種まき”の期間(フェーズ1)として位置付けた2024年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営計画2026(2024年度~2026年度)」を策定いたしました。「中期経営計画2026」では「経営資源の最適化と収益力強化を推進し、企業価値向上への基盤強化を図る」を基本方針として、キャッシュアロケーションに基づいた適切な経営資源の配分による資本効率性の向上、コア事業の収益力強化と成長事業の拡大への取組みによる資本収益性の向上を推進していくとともに、環境、社会、ガバナンスにおけるマテリアリティ(重要課題)への対応やDXの推進にも注力し、企業価値の向上に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(a) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ15億14百万円増加し、458億38百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ13億95百万円減少し、179億61百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ29億10百万円増加し、278億77百万円となりました。

 

(b) 経営成績

当連結会計年度の売上高は、454億21百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益47億36百万円(前年同期比31.9%増)、経常利益46億2百万円(前年同期比35.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、31億31百万円(前年同期比31.4%増)となりました。

当社グループのセグメント別の概況は、次のとおりであります。

 

化成品事業

燐酸などの燐系製品につきましては、一般品等が数量減により減収となった一方で、回復基調にある半導体市況の下、半導体向け高純度品は好調に推移し、販売数量の増加により増収となりました。

凝集剤関連製品につきましては、上水道向け製品および電子部品のエッチング用途向け製品の販売数量がともに増加し、増収となりました。

コンデンサー向け原料は、前期からの在庫調整の緩和により販売数量が増加し、増収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は、381億68百万円(前年同期比11.0%増)、セグメント利益は、48億40百万円(前年同期比59.9%増)となりました。

 

機械事業

建設機械につきましては、破砕機等の本体販売が増収となった一方で、プラント販売は前年同期に大型案件があった反動により大幅な減収となりました。精密機械加工は増収となりました。

土木機械につきましては、下水道関連向け掘進機の本体販売が増収となったものの、レンタル物件は減収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は、44億91百万円(前年同期比19.6%減)、また、建設機械のプラント販売関連の棚卸資産評価損の影響もあり、セグメント利益は、1億19百万円(前年同期比79.4%減)となりました。

 

 

電子材料事業

化合物半導体向け高純度無機素材につきましては、半導体市況の回復を背景に、酸化ホウ素およびインジウムは販売数量が増加したことにより増収となったものの、ガリウムは減収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は、15億74百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益は、2億44百万円(前年同期比33.6%減)となりました。

 

その他の事業

石油精製用触媒の再生事業は、増収となりました。不動産の賃貸は、ほぼ前年並みに推移しました。

この結果、当セグメントの売上高は、11億86百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント利益は、7億64百万円(前年同期比0.5%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16億49百万円増加し、50億54百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は50億38百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益46億9百万円、減価償却費17億94百万円、法人税等の支払額9億4百万円、売上債権が6億55百万円減少、仕入債務が8億96百万円減少などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は18億29百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出18億72百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は16億41百万円となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入20億円、長期借入金の返済による支出23億8百万円、配当金の支払額7億64百万円などによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前年同期比(%)

化成品事業(百万円)

28,616

115.5

機械事業(百万円)

3,497

115.0

電子材料事業(百万円)

1,667

92.0

その他の事業(百万円)

345

103.9

合計(百万円)

34,126

113.9

 

(注) 金額は販売価格によっております。

 

(b) 製品仕入実績

当連結会計年度の製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前年同期比(%)

化成品事業(百万円)

8,407

107.3

機械事業(百万円)

601

37.2

電子材料事業(百万円)

12

95.9

その他の事業(百万円)

合計(百万円)

9,022

95.3

 

 

(c) 受注実績

重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

(d) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前年同期比(%)

化成品事業(百万円)

38,168

111.0

機械事業(百万円)

4,491

80.4

電子材料事業(百万円)

1,574

96.3

その他の事業(百万円)

1,186

100.8

合計(百万円)

45,421

106.2

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

丸善薬品産業株式会社

6,919

16.2

8,013

17.6

Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd.

4,947

11.6

5,617

12.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 財政状態の分析

流動資産

当連結会計年度末日現在の流動資産は235億81百万円で、前期末と比較して10億83百万円増加しました。現金及び預金が16億49百万円増加した一方、受取手形、電子記録債権及び売掛金が5億66百万円減少したことなどが主な要因であります。

 

固定資産

当連結会計年度末日現在の固定資産は222億57百万円で、前期末と比較して4億30百万円増加しました。有形固定資産が5億3百万円増加、退職給付に係る資産が4億20百万円増加した一方、繰延税金資産が4億21百万円減少したことなどが主な要因であります。

負債

当連結会計年度末日現在の負債は179億61百万円で、前期末と比較して13億95百万円減少しました。支払手形及び買掛金が8億84百万円減少、短期借入金及び長期借入金の合計が5億73百万円減少したことなどが主な要因であります。

純資産

当連結会計年度末日現在の純資産合計は278億77百万円で、前期末と比較して29億10百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益を31億31百万円計上、退職給付に係る調整累計額が5億37百万円増加した一方、剰余金の配当により7億72百万円減少したことなどが主な要因であります。

この結果、自己資本比率は60.8%となり、前期末と比較して4.5ポイント改善しました。

資産合計・負債純資産合計

以上の結果、当連結会計年度末日現在の資産合計は458億38百万円となり、前期末と比較して15億14百万円増加しました。

 

(b) 経営成績の分析

売上高

売上高は454億21百万円となり、前期と比較して26億32百万円、6.2%の増加となりました。これは主に、化成品事業における半導体向け高純度品の販売数量の増加などによる影響であります。

売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は357億88百万円で、前期と比較して12億57百万円、3.6%の増加で、売上原価率は78.8%となり前期の80.7%から1.9ポイント改善しました。これは主に化成品事業における原料黄燐の仕入価格が下落基調となったことから、原価率が低下しました。

販売費及び一般管理費は48億96百万円で、前期と比較して2億30百万円、4.9%の増加となりました。また売上高に占める比率は10.8%となり、前期と比較して0.1ポイント改善しました。

この結果、営業利益は47億36百万円となり、前期と比較して11億44百万円の増益となりました。また営業利益率は10.4%となり、前期と比較して2.0ポイント改善しました。

営業外損益

営業外損益は1億33百万円の損失で、前期と比較して60百万円の損失の減少となりました。これは主に、持分法による投資利益が増加し、支払利息が減少した一方、為替差益が減少したことなどによるものであります。

この結果、経常利益は46億2百万円となり、前期と比較して12億5百万円の増益となりました。

特別損益

特別損益は7百万円の利益で、前期と比較して53百万円の利益の減少となりました。これは主に、受取保険金及び投資有価証券売却損が当期は発生しなかったことなどによるものであります。

この結果、税金等調整前当期純利益は46億9百万円となり、前期と比較して11億52百万円の増益となりました。

これに、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は31億31百万円となり、前期と比較して7億49百万円の増益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

(b) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は84億67百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は50億54百万円となっております。

 

(c) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

当社グループは、中期経営計画2026(2024年度~2026年度)において、最終年度目標として連結売上高520億円、連結営業利益48億円、新たな指標として、ROE10%、ROIC9%、配当性向30%以上を目指しております。初年度である当連結会計年度の連結売上高は454億21百万円、連結営業利益は47億36百万円となりました。また、ROEは11.9%、ROICは10.2%となり、ROEとROICはともに最終年度目標を上回る結果となりました。1株当たり配当金は、当連結会計年度の業績を踏まえ、120円と昨年に比べ29円の増配を決定しました。これに伴い、当連結会計年度の配当性向は30.1%と目標値を達成しました。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りとは異なる場合があります。

 

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは主として化成品(燐酸及び燐系二次塩類、水処理用凝集剤、電子工業用高機能高純度薬剤、消臭・抗菌剤)、機械(掘進機、破砕関連機械、都市ごみ・産業廃棄物処理機械、精密機械加工)及び電子材料(高純度無機素材、IC・液晶用塗布剤、放射性ヨウ素吸着剤)の事業を行っております。

研究開発対象分野としては、当社事業の多角性からエレクトロニクス分野、環境・リサイクル分野、高純度・高機能性材料分野と多岐にわたります。異分野にわたる技術と、異業種との組み合わせから多様な情報が得られるという、当社グループの強みを活かし、特色ある研究開発を展開しております。

研究開発の組織体制は、各事業部の開発テーマを尊重し意思決定の迅速化をはかるため、各事業部の開発担当部門に集約しております。研究開発の相乗効果を上げるために、連結子会社も含めて、各事業部の研究内容や進捗状況を共有し、連携を図りながら、効率的な研究開発活動を行っております。

当連結会計年度においても、従来の方針を継続して、機械の高機能化、既存製品の高付加価値化、並びに半導体製造及びイオン電池向け新規材料の開発に注力した研究開発活動を推進するとともに、研究開発機能の強化を進めながら、中長期的な成長を見据えた新規事業の創出と育成に取り組んでおります。

また、2024年3月期より安全保障の確保の推進に関する法律に基づく供給確保計画に採択された「高純度リン酸のリサイクル事業」において、量産化に向けた実証試験を継続して進めております。さらに、放射性ヨウ素吸着剤関連では、2020年3月期より経済産業省「原子力産業基盤強化事業補助金」の間接補助事業者に5年連続して採択され実施してきた「銀ゼオライトによる放射性物質除去システムの高度化」につきましては、総合評価が完了いたしました。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は以下の通りであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

化成品事業

119

機械事業

177

電子材料事業

57

全社(共通)

133

合計

488

 

(注)全社(共通)として記載されている研究開発費は、特定のセグメントに区分できない研究開発費であります。

 

また、当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の概要は、次のとおりであります。

 

(1) 化成品事業

・高純度リン酸のリサイクル実用化

・半導体デバイス向けエッチング薬剤の開発

・新規消臭剤及び消臭剤応用技術の開発

・電子部品向け金属塩の開発

・光学レンズ向け高純度リン酸塩の開発

 

(2) 機械事業

・汚染土壌処理関連装置の開発

・バイオマスによる燃料供給・熱利用システムの開発

・新規用途向け特殊粉砕機の研究開発

 

(3) 電子材料事業

・次世代半導体デバイス及び液晶ディスプレイに使用される機能性材料の研究開発

・銀ゼオライトによる放射性物質除去システムの高度化(フィルターベントシステムの高度化、空気浄化システムの高度化、希ガス吸着のシステム化)

・半導体及びイオン電池向け素材の研究開発