第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

①会社の経営の基本方針

当社グループは経営理念・コーポレートメッセージ・保育理念・保育方針を刷新し、こどもたちの未来と子育てに関わる全ての方々を支える存在であり続けることを使命として、こどもたちを取り巻く様々な社会問題・課題の解消に努め、保育のさらなる発展に寄与していくことが当社の社会的責任であり、ひいては株主の皆様を含むステークホルダー全ての利益に繋がるものであると考えております。また、「選ばれ続ける園・施設」となることを目指し、更なる地域との共生や当社グループが目指す保育を明確に示すことを目的に様々な活動・プログラムを推進してまいります。

経営理念:「子育て支援を通じて笑顔溢れる社会づくりに貢献します」

コーポレートメッセージ:「すべてはこどもたちの笑顔のために」

保育理念:「未来(あす)を生きる力を培う」

           自分らしく、生きる道を歩み、どんな時代にも対応できる資質と能力を培います。

保育方針: 一人ひとりに心をかけ、愛情を注ぎ、成長に合わせたきめ細やかな保育を行うことで、変化の

           激しいこれからの社会を生き抜くための、"生涯にわたる生きる力の基礎”を育みます。

・自ら伸びようとする力を支えます

・五感を養って感性を豊かにします

・後伸びする力を育みます

育成理念:「なりたい自分になる力を育む」

           自分らしく、未来に希望を持ち、なりたい自分に向かって進める資質と能力を育みます。

育成方針: 一人ひとりと向き合いながら、丁寧に支援し、変化の激しいこれからの社会を生き抜くため、

           人と支え合い生きる力・自分らしく生きる力を育みます。

・想い・考えを伝えあい「対話する力」を育みます

・相手に寄り添い相手を知る「想像する力」を養います

・どんな違いも受け止め「認める力」を支援します

・自ら考え行動し「自律する力」を応援します

 

②目標とする経営指標

当社グループは、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置づけており、連結配当性向30%を目途とした連結業績連動型配当の継続実施を基本方針としております。

また、事業性・収益性を評価し、グループ全体の成長性及び収益力を適切に表す指標として、毎期計画する売上高予想及び営業利益率14%以上、ROE(自己資本当期純利益率)20%以上を目標といたします。

 

③経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループを取り巻く環境は、保育園における待機児童の解消が進み、地域においては競争環境が激化しているものの学童クラブにおいては、待機児童が増加するなど、育成環境の整備が課題となっております。

一方、政府においては様々な「次元の異なる少子化対策」が実施されるなど、子育て環境の整備に向けた施策が推進されており、子育て支援事業の社会的役割は更に重要性を増しております。当社グループは、このような状況を捉え、社会環境の変化や保護者ニーズに対応した更なる子育て支援の質的向上による「選ばれ続ける園・施設づくり」が求められており、中期経営計画においては、今後の業容拡大として新規事業の早期実現に向けた先行投資なども考慮しつつ、社会環境の変化を捉え、推進してまいります。

 

 

   (長期経営ビジョン)

当社グループは、2018年8月8日に公表いたしました「長期経営ビジョン」における2025年3月期 売上高(連結)1,000億円の目標につきまして、当初計画策定時から新型コロナウイルス感染症の拡大により、新しい生活様式から在宅勤務の普及など働き方が大きく変わるとともに、出生率の急激な低下により少子化が加速するなど、公表した時点から外部環境が著しく変化していることから、売上高(連結)目標は維持するものの達成期日を設定しない目標といたします。

このような先行き不透明な状況下でありますが、今後の持続的な成長を捉え、子育て関連企業や異業種との業務提携・資本提携を積極的に推進することで、新規事業の開発・業容拡大を図り、「長期経営ビジョン」売上高(連結)1,000億円の達成に向け邁進してまいります。

そのために、以下を重点目標として掲げ、推進してまいります。

   <重点目標>

売上高目標(連結):1,000億円を目指す。

イ.子育て支援事業の更なる質的成長と既存事業の拡大

  (学習プログラムの拡充、周辺事業の強化)

    ロ.事業構造改革による経営基盤の強化

    ハ.新しいビジネス価値の創出

           (新規ビジネスの開発、子育て支援の周辺事業を絡めた業務提携・資本提携)

 

   (中期経営計画 2026年3月期~2028年3月期)

当社グループの中期経営計画のローリング(2025年3月期~2027年3月期)の目標に関して、様々な施策の奏功及び効率的な経営体制の構築、補助金の最大化に向けた対応ならびに期初に設定した中期経営計画では織り込んでいなかった政府による「次元の異なる少子化対策」として対人数の変更、保育士の大幅な処遇改善に伴う補助金の増額等が実施されたことから2025年3月期においては、増収・増益、過去最高益を達成するとともに、中期経営計画の目標値である2027年3月期の売上高・営業利益を前倒して達成いたしました。

また、子育て支援事業を取り巻く環境は、政府・自治体による少子化対策として子育て環境の整備が拡充される一方で、少子化が加速する地域においては、児童数の獲得競争が激化しており、持続的な成長と更なる収益拡大に向けた構造改革及び新規事業の開発・早期収益化が必要となっております。

このように中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)の目標値に対する進捗状況及び外部環境の変化等を鑑み、ローリング方式にて連結数値目標を見直すとともに中期経営計画の重点目標に関しては、更なる競争優位性と経営基盤の改善・改革を図るべく、前期から継続して「成長・競争優位性の確立」「収益構造改革」「経営基盤改革」を掲げ、取り組んでまいります。

当社は今後も経営環境の変化に柔軟に対応するため、原則として毎期改定を行うローリング方式の3ヵ年の中期経営計画を策定してまいります。

 

   <中期経営計画の重点目標>

構造改革と事業改革による、成長に向けた積極的な新規事業の開発、M&Aの推進、システム化等によるインフラ整備、盤石な事業基盤の構築により、新たなサービス価値を創出し、競争優位性を確立するとともに事業を通じて社会問題を解決することで、持続的な成長を目指してまいります。

 

イ.成長・競争優位性の確立

中長期の成長に向け、人材紹介・派遣事業ならびに海外事業の強化・連携、既存事業及び新たな事業領域の拡大を捉えた積極的なM&Aの推進、競争優位性としての学習プログラムの拡充や新業態の新設、保護者の困りごとを解決する様々な差別化戦略と子育て支援を取り巻く社会問題の解決に向けた施策を推進する。

1)グローバル事業の早期展開と収益化

・優良な現地企業と連携した海外(東南アジア)での施設運営の展開と規模拡大を図る

・様々な日本の教育プログラムや国内で培ってきた子育て支援のノウハウを活用し、東南アジア地域において多角的に事業を展開する

 

・現地の教育機関と連携し、優秀な人材を確保することで新たな教育事業(ALT(外国語指導助手)、語学学校、オンライン学習)を展開する

2)国内外の専門人材の派遣・紹介事業の規模ならびに収益拡大

・有能な外国人就労者において送り出し機関との連携を図るとともに営業体制強化による収益拡大を図る

・当社グループの子育て支援のノウハウを活用し、国内の専門人材である「保育士・看護師」の紹介・派遣事業の基盤づくりと収益拡大を図る

3)既存事業の拡大を捉えた地域連携による「選ばれ続ける園・施設づくり」の推進

・質の高い学習プログラムの拡充、特徴ある保育園としての「バイリンガル保育園」、「モンテッソーリ式保育園」「スポーツ保育園」の拡充を図り、子どもたちの将来の可能性を拡げる様々な取り組みを実践する

・子育て環境の整備に向けた地域との連携強化による「マイ保育園制度」(これからこどもを産み、育てようとする方へのサポート)を推進する

4)ドミナント戦略に基づく学童クラブ・児童館を現在の2倍へ拡大するとともに学童保育の待機児童解消に向けた対応強化

・乳児期・幼児期・学童期の一貫した子育て支援体制の確立に向け、学童クラブ・児童館を現在の2倍の200施設へ早期に拡大する

・学童保育の待機児童解消に向け、新たな制度として導入された「東京都認証学童制度」の対応強化として新規施設を積極的に開設する

5)保護者の困りごとならびに社会問題解決に向けた新たな事業展開

・業務提携先である株式会社ダスキンと連携した子育て支援事業の早期事業化を図る

・課外の時間を活用した習い事事業の拡充を図る(英語・体操・音楽教室など)

・子どもたちの未来に向けた独自の学習プログラム、企業・自治体と連携した体験学習や新たな子育て支援事業の創出を図る

6)積極的なM&Aの推進

・業界環境が変化するなか、今後の業界再編を捉えた同業企業及び業容拡大に向けた子育てに関する周辺企業やシナジー効果が得られる企業を対象に積極的なM&Aを推進する

 

     ロ.収益構造改革

事業構造を見直し、ムダな業務の是正、ICT化による運営の効率化による収益性向上を図る。また、業務プロセス改革やシステム導入による更なる業務改善を図る。
1)経営の効率化、コスト削減

・システム化、人員配置の最適化、収支管理強化及びコストコントロールの徹底、データを活用した運営管理、ムダな業務是正による業務の効率化などにより間接コストの軽減を図る

2)収益基盤の強化

・規制緩和や補助金制度の変更を捉えた様々な施策を実践する

・ドミナント戦略として、乳児期・幼児期・学童期を一貫してサポートする子育て支援体制を確立することで、人員の最適化、運営の効率化、子育てサポート体制の拡充を図る

 

ハ.経営基盤改革

当社の事業の要は「人」であることから人財教育・研修体制を拡充するとともに、優秀な人財確保・育成と従業員のエンゲージメントを向上させることで意識改革に繋げる。また、持続的な成長と優位性を支えるべく、人財戦略、グループガバナンスの強化を図る。
1)人財育成、風土刷新

・人財の基盤づくりとしての研修の拡充、意識改革による風土刷新を図り、従業員のモチベーション向上と離職率の抑制を図る

 

2)経営管理の高度化

・ガバナンスの強化、現場完結型の業務・運営管理体制の確立、リスク管理の徹底とコンプライアンス意識の向上により、組織全体のマネジメントをより効率的かつ効果的に実行することで、総合的な経営基盤の強化を図る

3)SDGs及び環境改善に向けた取り組み強化

・子育て支援を起点とした社会貢献活動、環境に配慮した事業運営を図る

・当社グループは自治体と相互の連携を強化し、双方の資源を有効に活用し子育て環境の整備・拡充を図る

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは、子育て支援事業に対する政府や自治体による子育てをしやすい環境整備に向けた対応が促進され、子育て支援事業の社会的な役割の重要性がますます増す中で、常に変化する経営環境に対応するとともに持続的な成長を実践し、さらなる事業規模の拡大に向けた重点課題として以下の点に取り組んでまいります。

 

① 安全・安心の確保の徹底

当社グループでは、お預かりしているお子様・保護者の皆様・取引先・従業員の安全確保を最優先に考えた対策を徹底するとともに「保育委員会」「安全管理委員会」による現場の様々な課題の対策、業務の見直しを図ることで、更なる安全・安心な運営体制づくりに取り組んでまいります。

 

② 子育て支援の質的向上

当社グループでは、各施設に対応する従来からの組織運営体制に加え、子育て支援の質的向上、安全管理体制の徹底強化を図るべく委員会制度を導入し、各子育て支援施設に従事する職員のケア、新人事制度の導入による働き方改革の推進、研修による教育体制の拡充などにより子育て支援の質的向上に努めております。

また、当社グループは全国で300施設を超える保育園・学童クラブ・児童館・交流館等を運営しており、乳児期・幼児期・学童期を通じ12年間にわたってトータルで支援できる当社ならではの強みを活かし、お子さまの成長に合わせた様々な対応を図ってまいります。

 

③ 受入児童数の拡大

当社グループは、「選ばれ続ける園・施設づくり」を目指し、従来から実施している英語・体操・音楽・ダンスに加え、新たな幼児学習プログラムの導入、「バイリンガル保育園」「モンテッソーリ式保育園」「スポーツ保育園」など、特徴ある保育園を運営するとともに保育の質的向上と合わせ、様々な取り組みを進めております。新たに保育園を開設するのではなく、地域社会との共生や様々な取り組みによる特徴のある保育の拡充、質の高い保育士の確保により既存施設の受入児童の拡大に努めております。

また、当社グループでは、自治体ごとの待機児童の状況や保育士の採用状況及び投資効率等を総合的に勘案し、新規施設と既存施設双方への保育士配置のバランスをとりながら受入児童の拡大とともに「選ばれ続ける園・施設づくり」を目指しております。

 

④ ドミナント戦略に基づく一貫した子育て支援の体制を確立

当社グループは、乳児期・幼児期・学童期を一貫した子育て支援体制の確立に向け、保育園と学童クラブ・児童館と連携したドミナント戦略により、現在の保育園と同等の学童クラブ・児童館の施設に拡大すべく新規施設の受託並びに今後実施される「東京都認証学童制度」に基づいた新規施設の開設を推進強化いたします。

また、東京都認証学童制度に基づく、新規施設の開設は学童クラブの待機児童解消に向けた重要な役割でもあります。

 

 

 保育士確保に向けた施策
 子育て支援サービスには、保育士資格を有する人材の確保が不可欠であります。当社グループでは、年間を通じて全国各地で採用活動を行うとともに、従業員の給与引き上げや人事評価制度の見直しを実施してきました。また、保育士養成講座による資格取得支援も行っており、より働きやすい制度と仕組みづくりに取り組んでおります。

⑥ 業務の効率化及び情報の管理

業務の効率化と収益性の向上として、保育士の業務負担の軽減を図り、より運営に専念できる体制づくりとしてICT化を推進するとともに、経営管理・収益管理の体制強化と高度化を図るべく組織体制の見直し、人員配置の最適化、業務の見直しなどにより業務効率と収益改善に取り組んでおります。

また、システム導入に際しては、情報漏洩等に対するセキュリティの強化を図るとともに、管理体制の整備も同時に進めております。

 

 人財への投資

当社グループは、保育の質的向上と安全確保のため、情熱と適性を有する人財を採用し、その人財が持つポテンシャルを最大限に引き出すための教育を継続的に実施していくことが不可欠であると考えております。そのため、社内で行う研修においては、保育・育成に関する様々な知見を取り込むとともに、有識者による研修、社外の勉強会、階層別研修などを積極的に導入・活用し、人財のレベルアップを図っております。

また、それぞれの従業員には、公正かつ継続的に教育機会を提供し、一人ひとりが強みを認識し持ち味を存分に高め発揮できる育成施策を講じます。

さらには、公正な採用選考・平等な登用制度・ジョブ型処遇制度を掲げ、ジェンダー・国際性・職歴・年齢を含む多様な人財の育成・確保に努めてまいります。

 

 新規事業の取り組みによる収益基盤拡大

当社グループが運営する施設の多くは公費で運営されており、事業が安定的に推移する一方で、政策や制度変更の影響を受けやすく、政策転換による事業への影響が懸念されます。

このような環境を踏まえ、当社グループでは子育て支援事業に関する周辺事業を中心に、新規事業の開発・推進により、収益基盤の拡大に取り組んでおります。

新規事業として、国内の労働力不足の解消に向け、技能・技術を有する有能な外国人の派遣及び特定技能外国人の支援事業とともに更なる事業規模拡大に向け外国人就労者の紹介事業を送り出し機関並びに現地の教育機関と連携し強固に推進してまいります。

また、当社グループの子育て支援事業のノウハウを活用し、保育士・看護師・介護士の専門人材を国内の企業へ紹介・派遣する新たな事業を推進いたします。

さらに、国内の事業に留まることなく、グローバルに事業展開を推進してまいります。

東南アジアを中心に子育て支援事業を現地の優良企業及び教育機関と連携し推進してまいります。

当社グループでは、発達支援事業の対応強化、保育所等訪問支援事業など、発達が気になるお子様の支援を行ってまいりました。これまでの子育て支援のノウハウと高い専門性に基づく発達支援の対応を活かし、発達障害の可能性があるお子様へのサポートを拡充すべく、巡回サービスを行うことで、より多くのお子様と保護者に寄り添った子育て支援を行ってまいります。

当社グループは、事業規模の拡大として資本提携・業務提携に関しても積極的に推進するとともに、国内での展開に留まることなく、これまで培ってきたノウハウをグローバルに展開してまいります。

 

 グローバル対応の強化

当社グループは、持続的な成長と更なる事業規模の拡大を捉え、これまで培ってきた子育て支援のノウハウを活用し、海外の事業者との提携・連携による新たな事業を創出いたします。具体的には東南アジアを中心に現地の優良企業と連携した子育て支援施設や教育機関と連携した専門知識をもつ外国人による新たな教育事業を推進してまいります。

 

 

 コンプライアンスへの取り組み

児童福祉法をはじめとする各種関連法令の遵守を厳格に実行するとともに、お客様の個人情報についても法律に則った取り扱いを徹底しております。コンプライアンスへの取り組みとして、内部監査室、財務経理部、人事・採用部等、それぞれの分野において高い専門性と豊富な経験を有する人財の採用を行うとともに、社内規程の整備・拡充、社員教育の徹底によるコンプライアンスへの意識を高め、徹底してまいります。

 

 社会貢献

企業の持続的な成長のため、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、あらゆるステークホルダーとの適切な協働により、サステナビリティの課題に取り組んでまいります。

また、子育て支援プラットフォーム「コドメル」では、当社グループの各施設等に寄付BOXを設置し、お子さまの成長過程の中で必要でなくなった子育て関連商品を寄付いただき、リユースし子育て世代の方に提供することで資源を有効活用し、環境負荷の低減や処理費用の削減をはじめとした地球環境の保全に配慮した取り組みを行っております。

さらに企業・自治体と連携し、子どもたちに様々な体験プログラムを提供することで、将来の夢やなりたい姿を想像できる機会を創出いたします。

当社グループは、経営理念である「子育て支援を通じて笑顔溢れる社会づくりに貢献します」の考えに基づき、環境に配慮したよりよい社会づくりに貢献してまいります。

 

 企業価値向上への取り組み

当社グループは、待機児童問題、児童虐待など社会的な問題解決に向け、各施設での様々な子育て支援活動や地域と連携した対応などにより子育ての環境整備に取り組んでまいります。また、安全・安心を第一優先に質の高い子育て支援を実現することで更なる保育の質的向上に繋げてまいります。

当社グループは、「選ばれ続ける園・施設づくり」を目指して、こうした各施設の子育て支援活動に加え、地域との共生を図り、よりよい社会環境づくりに貢献してまいります。

 

⑬ 設備資金確保のための資金調達と財務基盤の安定性の確保

継続的に保育園を開園するためには、設備費用等の資金を安定的に確保することが重要となります。

当社グループでは財務の健全性を追求しつつも、必要資金を安定的に調達していくため、金融機関からの借入れに限定せず、社債の発行や株式の発行も含めて財務政策を検討しております。

 

 

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、経営理念である「子育て支援を通じて笑顔溢れる社会づくりに貢献します」の実現を通じて、持続的な企業価値の向上を目指すとともに、地球環境や社会の課題に向き合い、これに取り組みます。

当社グループは、中長期的な当社グループの持続的な成長を支え、企業活動を通じ実践すべきテーマとして、①事業に関わる方々の人権の尊重、②子育て支援事業という事業特性を活かした地球環境への貢献、③安全で快適な職場環境の実現、④売上の中心が補助金であるという事業の特性を鑑みた公正・適正な取引、⑤事業を通じた地域社会とともに実現する発展・成長、を設定しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

サステナビリティを巡る課題については、リスクや機会の顕在が当社グループに与える財務的影響、環境・社会に与える影響、発生可能性などの観点から優先的に対応すべきものについて、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を中心に議論を行い、方針や施策などの検討を行います。また、当該委員会は取締役会へ報告を行い、取締役会が当該委員会の対応状況を監督します。

 

(2)戦略

気候変動がもたらすリスクが当社グループの事業活動に対して一定の影響を及ぼすおそれがあります。具体的には、低炭素・脱炭素に向けた環境政策や法規制の導入・強化、気候変動の進行による自然災害の規模の拡大や多発化、これに伴う物流関連費用、エネルギーや食材の調達コストの高騰、環境性能に関する技術革新やデジタル化などへの対応が限定的と受け取られた場合の企業評価に与える影響、激甚災害による運営施設等の復旧費の増加や保険料の上昇などが、事業運営に影響を及ぼすおそれがあると考えています。これらのリスクに対して当社グループは、デジタル化の推進による業務の効率化や環境配慮型素材の導入検討、施設やオフィスにおける省エネ活動の推進などを通じて対応を図ってまいります。また、食材等の価格の変動に柔軟に対応するための仕入れ体制の見直しや献立の調整、発注管理によるフードロスの削減、水害などの自然災害への備えとして防災体制の強化にも取り組んでいます。

他方で、環境意識の高まりにより環境教育の重要性が増し、自治体や地域と連携した環境活動の拡大が進むことが期待されます。さらに、デジタル化の進展はコスト削減や、環境負荷の低減に向けた新たな環境配慮型の事業創出が期待され、当社グループではこうした機会を活かし、市場の環境意識を踏まえた環境教育の推進やそのプログラムの充実、資源の循環利用を促すリユース事業の拡充など、事業の持続可能性を高めるために取り組み、検討してまいります。また、当社グループは、自治体と連携した自然体験や地域文化を学ぶ教育プログラムを通じて、次世代への環境意識の醸成と地域との共創に取り組んでおり、この取組みはサステナビリティ戦略の一環としても位置付けています。

また、人財の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略について、グループ経営理念である「子育て支援を通じて笑顔溢れる社会づくりに貢献します」を実践するにあたり、その原動力は「人財」という財産であり、人的資本の価値の最大化を図っていくことが要であると考えております。
 具体的な取り組みとしては、人事制度に基づき、従業員一人ひとりの成長をしっかりと支援する環境づくりを推進しています。より質の高い保育・育成サービスを提供するために、キャリア支援や次世代リーダーの育成に向けた研修制度をもとに、年間300コマを超える研修を対面・オンラインで実施しています。各等級レベルに応じた研修は、グループ内の従業員の知識共有の場となっています。また、等級制度を従業員の成長・キャリアアップに合うものとし、評価制度と賃金制度を連動させることで、各人のモチベーション向上と組織の強化に繋げております。更に、経営管理の高度化を狙い、園長・施設長、主任に対し、労務やマーケティング、数値管理など経営的な視点を身に着けるべく、重点的に研修を行うプログラムも実施しております。また、役員との対話や提案の場を多数設けることで、会社および経営層の方針を理解し、経営を直接学ぶ有益な機会になっています。新たなプロジェクト等に参加する機会も多く、それを多角的な視野を持つことに繋げることで、経営目標として掲げている、「選ばれ続ける園、施設」を確立する上で重要なポストである人財の育成を強化しております。
 本部職に対しては、今期より一部対象者にeラーニングを導入し、学ぶ機会を柔軟に取り入れると共に、管理職候補者向けにはeラーニングの内容をベースに集合研修を実施し、学びを定着させる取り組みを行っております。
 その他、チューター制度を採り入れ、先輩社員が新入社員の成長をバックアップすることや、相談窓口の複数設置、従業員のモチベーションサーベイを実施することで、職員の心情を察知し、フォローアップできる体制を構築し、働きやすい環境を整えております。
 当社グループの施設では、園長・施設長の上に地域ごとに複数の施設をサポートする役職を配置しています。多層的なフォロー体制でキャリアアップへの不安を取り除くとともに、園長・施設長の先のキャリアパスを明確化し、働く意欲を高めています。
 キャリアの選択についても、入社後も、従業員が自らの意思でキャリアを選択できるよう、現場職から本部職へ職種転換できる「総合職保育士」を採用しています。希望すれば本部職から現場職への職種転換も可能です。また、新規事業や新しい取り組みに積極的に参加できるチャンスを設けております。ライフステージや希望に合わせて、自身が目指す方向へ主体的にキャリア選択を行うことができる仕組みを整えております。また、女性活躍の観点において、当社グループ全体の女性管理職比率は79.7%であることから、女性も長く活躍できる環境整備のために、シングルペアレント給付金、子の看護等休暇を有給休暇とするなど、制度を整えております。
 当社グループにおいては、保育士をはじめ多くの女性従業員が活躍しており、その中には、自身が子育てをしながら働いている従業員も多数在籍しています。そういった従業員の「保護者としての視点」を大切にし、事業に積極的に活かすことは、子育て支援企業としての発展を導くものであると考えています。そのため、当社グループで働く女性が仕事と生活を両立させ、希望に応じてキャリアを積んでいくことができる環境づくりに努めております。
 

(3)リスク管理

当社グループのリスク及び機会は常勤取締役や幹部職員による各会議及び各委員会において認識、評価、検討をし、サステナビリティに関するリスク及び機会について、サステナビリティ委員会において、当社グループに与える財務的影響、環境・社会に与える影響、発生可能性などの観点から優先的に対応すべきものについて、方針や施策などの検討を行います。

 

(4)指標及び目標

当社グループにおいては、事業の性質上、現時点において、気候変動が重大な影響を及ぼすことは想定されないと考えており、そのため具体的な指標及び目標の設定には至っておりません。一方で、地球温暖化に伴う気候変動問題は、私たちの日常生活や経済・社会活動に多様な影響を及ぼし、国際的な枠組みのもと取り組まれている世界的な課題であることを認識しており、今後も、社会的な要請や環境の変化を踏まえながら、対応を検討・継続してまいります。

当社グループでは、こどもたちと日常的に関わる事業の特性を活かし、次世代の環境意識の醸成と持続可能な社会の実現に貢献する取り組みを推進しています。具体的には、子育て支援プラットフォーム「コドメル」を立ち上げ、不要となったこども服、子育てに関連する雑貨、おもちゃなどを、当社グループの運営施設や取組みに賛同された企業を通じて寄付いただき、それらをクリーニングしたうえで、同プラットフォームを通じて必要とされる方に無償で提供するリユース・リサイクルの取り組みを実施しています。この活動を通じて、資源の有効活用、環境負荷の軽減、そして廃棄物処理コストの抑制など、環境面での価値創出を図っています。

また、将来の環境活動を担うこどもたちの環境を守る意識形成を目的に、SDGsのアイコンを使用して、それぞれのテーマについてこどもたち自身が考える教育的な取り組みや、身近なゴミを集めて分別し、リサイクルマークのついたゴミが何に生まれ変わるかを想像する取組みを行っております。加えて、施設における電力使用量及び電気料金の月別推移をグラフ化・観察し、従業員がエネルギー使用に関する理解を深めるだけでなく、その情報をこどもたちとも共有することで、節電意識や環境保護への関心を育む取り組みも行っております。さらに、2025年3月期より、自治体と連携し、自然体験や地域文化に触れる学習プログラムも展開しており、豊かな自然や伝統文化を通じてこどもたちの環境意識を育みつつ、地域社会との共創を推進しています。これらの取り組みは、こどもたちと接するという当社グループの事業基盤と社会的責任を結びつけたサステナビリティ戦略の一環として位置づけており、今後も、地域や次世代とのつながりを大切にしながら、環境負荷の低減と持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

当社グループは、経営理念に掲げている「子育て支援を通じて笑顔溢れる社会づくりに貢献します」の実現に向け、未来を担う子どもたちのために、様々な地域連携活動、社会貢献活動、環境活動を通じて、よりよい社会の形成と「子どもたちへの学び」の機会を提供してまいります。

上記「(2)戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、次の指標を用いております。当該指標に関する目標は次のとおりです。
 なお、目標達成している指標については、引き続き達成を継続すべく取り組んでまいります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

平均勤続年数

2026年5月まで5.7

5.7

男性社員の育児休業の取得率

2026年5月まで40.0

75.0

役員に占める女性登用人数

2026年5月までに各社1以上

㈱JPホールディングス   2

㈱日本保育サービス     7名

㈱日本保育総合研究所    4名

㈱ジェイキッチン      3名

㈱子育てサポートリアルティ 0名

㈱ワンズウィル              1名

 

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 少子化や待機児童の減少について

子育て支援事業においては、共働き世帯の増加、待機児童問題、保育士不足など、保育を取り巻く環境が目まぐるしく変化しております。また、政府は待機児童の解消を目指す保育の受け皿を整備するなど、子育て支援事業の社会的な役割はますます重要性を増しております。

一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大により生活様式が変化し、在宅勤務が増加するなど、働き方も大きく変容しており、出生率の急激な低下による少子化の加速など、将来的な園児数の獲得が困難となる可能性もあります。

この様な状況を捉え政府は、少子化対策として異次元の少子化対策を推し進めるなど、様々な施策を講じており、今後急速に改善することも想定されます。

子育て支援事業は、受入児童数により収益が増減するため、想定した園児数が獲得できない場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②  子育て支援事業における国の方針と保育園等開設のリスクについて

当社グループでは、2025年3月期に保育園1園、学童クラブ・児童館17施設、交流館2施設を新たに開設・受託いたしました。今後、子育て支援事業に関連する国の方針が変わり、株式会社による保育園といった子育て支援施設の新規開設及び既存の公立保育園の民営化が認められなくなった場合、保育園の設置場所が確保できない場合、あるいはその他何らかの要因により開設ペースが鈍化した場合には、当社グループにおける子育て支援事業の拡大が止まり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループとしては、子育て支援施設の利用者の動向や事業環境の変化に対応すべく、新たな子育て支援の在り方を検討してまいります。

 

③  補助金制度に伴うリスクについて

当社グループの子育て支援事業において、売上は公定価格など国・地方自治体による補助金が中心となっておりますが、国や地方自治体の方針により補助金制度の見直しが行われる場合において、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

④  人材確保について

当社グループは、子育て支援の運営ならびに質的向上のためには、保育士・指導員及び関連するスタッフの確保が重要となるため、新卒及び中途採用の強化や社内研修体制の整備・拡充など、職員の採用強化と離職抑制に向けた様々な施策を推進しております。

しかしながら、予定していた人材の確保に遅れが生じた場合、既存施設の運営や新規施設の開設・受託の遅延等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤  学童クラブ・児童館の運営受託について

当社グループが属する業界は同業他社との競争激化に加え、景気低迷や、地方自治体の財政縮減なども想定されることからコスト面を含め厳しい受注合戦が繰り広げられております。このような状況下において、学童クラブ・児童館の受託期間は一定期間であることから、現状受託している施設の継続、新規の受託に影響を及ぼす可能性があります。また、新たに実施される東京都認証学童保育に関しては、自社で設置場所を開拓することから地域環境や物件状況により開設数に影響を及ぼす可能性があります。それらの対策として、各地域でのマーケティング並びに物件情報を早期に入手・検証する仕組みを構築しております。

 

⑥ 競争環境の激化について

少子化や待機児童の減少及び保育士不足等の経営環境の変化や、当社グループの運営する保育園の近隣に競合する保育園が開園される等、園児の獲得に関しては競争が激化しておりますが、今後、多様な異業種からの参入や新規開設等により競合他社との競争環境が激化した場合、経営業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは「選ばれ続ける園・施設づくり」を掲げ、幼児教育プログラムの導入や地域と連携した子育て支援活動を推進しております。

 

⑦ 新規事業の開発・取り組みについて

 当社グループでは、社会変化に対応した柔軟な事業構造の転換による持続的な成長を捉え、「長期経営ビジョン」として連結売上高1,000億円規模を目指すことを掲げております。この長期経営ビジョンの目標達成に向け、新規事業開発として市場調査や開発活動を継続的に行っております。しかし、新規事業においては不確実な要素が多く、想定を超える市場環境の変化や市場ニーズの読み違え、開発の遅延、各新規事業におけるパートナー企業等との協業が期待するシナジーを生まないなど、様々な要因によって新規事業の展開が困難となり、投資回収が遅れる、または回収できない可能性があります。対策として新規事業の成長性と採算についてフォローアップと検証を行ってまいります。

 

⑧ 事業規模の拡大に向けたM&Aの推進について

当社グループでは、持続的な成長を捉え、既存事業および新規事業に関してM&Aによる事業の拡大を図ることを計画しておりますが、投資に見合った収益が得られない場合やシナジー効果が創出できない可能性があります。

当社グループでは、案件を厳選したM&Aを推進するとともに、投資対効果を十分に検証したうえで実行してまいります。

 

⑨  子育て支援施設における事故のリスクについて

当社グループは子育て支援施設の運営に関し、万全の体制で臨んでおりますが、事故の可能性は皆無とは言えず、万一重大な事故が発生した場合やその他子育て支援施設の運営上における何らかのトラブルが発生した場合、営業停止や園児の転園などの要因により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは全国を2つのブロックに区分し、保育部長・育成部長を配置することにより、各施設での安全・衛生対策を検討・推進してまいります。

 

⑩  法的規制等について

当社グループが現在行っている事業に関する主な法的規制は次のとおりであります。今後、当社グループの事業に関連する法的規制の制定・改廃等が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受ける可能性があります。

 

事業内容

法令名

目的及び内容

監督官庁

子育て支援事業

食品衛生法

飲食に起因する衛生上の危害の発生防止及び公衆衛生の向上、増進を図る見地から食品の規格・添加物・衛生管理・営業許可等が定められている。

厚生労働省及び都道府県・政令指定都市・特別区の保健所

児童福祉法

児童の健やかな育成のための児童福祉施設の種類、国・地方公共団体の施策、費用負担等が定められている。

厚生労働省、都道府県及び市町村

子ども・子育て支援法

認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(施設型給付)の創設、子ども・子育て支援の充実のための措置等が定められている。

こども家庭庁、都道府県及び市町村

 

 

 

子育て支援事業における代表的な許認可は、子育て支援施設における保育所の設置に関する許認可であり、保育園ごとに設置の許認可が与えられます。保育園の種類は、認可保育園や東京都認証保育所など何種類かに分かれますが、どの形態においても保育園ごとに申請し、審査の上、許認可が得られることになります。

また、当社の連結子会社である株式会社ジェイキッチンが保育園より給食業務を請負う際には、食品衛生法に基づいた営業許可が必要であり、それについても保育所の設置許認可同様、給食業務を請負った保育園ごとに申請し、許可が得られることになります。

今後、何らかの事由によりこれらの許認可が取り消された場合や営業が停止となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪  食の安全性について

当社グループでは、食品衛生法に基づき、厳正な食材管理並びに衛生管理を実施し、食中毒、賞味期限切れ食材の使用、異物混入等の事故を起こさないよう努力しておりますが、何らかの原因により食の安全に関する重大な問題が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

対応施策として、マニュアルを作成し研修を実施するなど食の安全を確保するための取り組みを行っております。

 

⑫  大規模な自然災害、感染症について

当社グループは、首都圏を中心とした子育て支援施設の運営を行っております。これらの施設が地震、火災等の被害を受けた場合、子育て支援施設利用者や従業員並びに保育園の建物等に甚大な被害が及ぶ可能性があります。

対応施策として、自然災害に対するオリジナルの防災マニュアルを作成・全施設で導入し、定期的に防災訓練を実施するとともに、災害時の損害を最小限にとどめ早期復旧を可能とするための事業継続計画を策定しております。

また、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの伝染病の蔓延により従業員が多数欠勤する、園が閉鎖されるなど、子育て支援施設の運営が出来なくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、看護委員会により、感染症対策を検討し推進してまいります。

 

⑬  個人情報の保護について

当社グループの保育所、学童クラブ、児童館といった子育て支援施設においては、利用者の氏名、住所をはじめ、保護者の氏名及び職業等の情報を保持しております。

また、新規事業として運営しております子育て支援プラットフォーム「コドメル」も同様の情報を保持しております。

対応施策として、これら顧客の個人情報の取扱いについては厳重に管理し、万全を期しておりますが、万一漏洩するようなことがあった場合、顧客からだけでなく、広く社会的な信用が失墜することとなり、子育て支援施設の受託に影響が出る等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑭ レピュテーションリスクについて

従業員による不正・不祥事や、個人情報等の業務上の機密情報の不適切な取扱い・漏洩により当社グループの信頼・企業イメージが著しく低下し、経営成績の悪化や各施設における受入児童の減少など、影響が及ぶ可能性があります。

当社グループではその対策として、コンプライアンス研修など、様々な研修を通じて社員教育の徹底を図っております。また、保育委員会・安全管理委員会においてインシデントを基に予防対策を検討し、当社グループ内への注意喚起と徹底を図っております。

 

⑮  資金調達について

当社グループでは、保育園の新規開設に関する設備資金等は金融機関からの借入等により調達しておりますが、金利動向等の金融情勢に変化があった場合や、計画通りの資金調達が出来ない場合には、新たに保育園を開設することが出来なくなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

対応施策として引き続き金融機関との安定的・長期的な関係の構築に努めてまいります。

 

⑯  固定資産の減損等について

当社グループの保育園の業績動向によっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、内装工事等の初期投資が発生する保育園については、閉設時に設備の除却損が発生する可能性があります。当社グループとしては、契約を長期契約とすることなどによりリスクの軽減を図っておりますが、万一、同時期に閉設が集中し、多額の固定資産除却損が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

対応施策としては、各エリア単位で施設の収益改善計画を実践(人員配置の適正化、定員検証、コスト削減)し、施設ごとの対策を明確化することで、収支改善に繋げてまいります。

 

⑰  四半期別業績変動要因について

保育園の新規開園が集中する時期においては新園用の備品等の購入費用が一時的に増加するなどの要因により当該四半期における利益率が低下することがあり、四半期毎の業績に変動がみられる可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

また、当社グループは子育て支援事業を主要な事業としており、その他事業の占める割合が僅少のため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

(1) 財政状態

当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は37,622百万円(前期末比733百万円増)となりました。

流動資産は26,862百万円(同1,488百万円増)となりましたが、これは、主に未収入金が1,750百万円増加した一方で、現金及び預金が201百万円減少したこと等によるものであります。

固定資産は10,760百万円(同755百万円減)となっております。これは、主に建物及び構築物が399百万円、長期貸付金が214百万円減少したこと等によるものであります。

負債合計は18,114百万円(同2,667百万円減)となりました。

流動負債は11,175百万円(同766百万円増)となりましたが、これは、主にその他が510百万円、未払法人税等が225百万円、未払金が175百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が196百万円減少したこと等によるものであります。

固定負債は6,938百万円(同3,434百万円減)となっております。これは、主に長期借入金が3,460百万円減少したこと等によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は19,508百万円(同3,400百万円増)となっておりますが、これは、主に利益剰余金が3,238百万円増加したこと等によるものであります。

 

(2) 経営成績

  ①当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得の改善が進む中、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、地政学リスクの長期化、原材料や燃料価格を含む物価の高騰、為替相場の変動に加え、アメリカの今後の政策や中国経済への懸念など、先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループが属する子育て支援事業を取り巻く環境は、加速する少子化への対策として、次元の異なる少子化対策の具体的な中身を示す「こども未来戦略」が政府から提示されております。

その具体的な内容は、75年ぶりの保育士の配置基準の改善による子どもを安心して預けられる体制整備として、今年度は、お預かりする4・5歳児の人数に対する保育士の配置基準の変更が実行されるとともに、更なる処遇改善による保育士の確保や就労要件を問わず全ての子育て家庭が保育所を利用できるようにする「こども誰でも通園制度」のテスト導入を開始するなど、様々な次元の異なる少子化対策が段階的に実行されております。

また、学童クラブにおいては待機児童が増加していることから育成環境の整備が課題であり、東京都では新たに「東京都認証学童クラブ制度」の創設に向けた対応を行うなど、子育てをしやすい環境整備が促進されることからも子育て支援事業の社会的な役割は、ますます重要性が増すものと考えられます。

このように、政府・自治体による少子化対策として子育て環境の整備や学童クラブにおける待機児童解消に向けた様々な施策が推進される一方で、少子化が加速する地域においては、児童数の獲得に向けた競争が激化しており、厳しい環境下においても持続的な成長と更なる収益拡大に向け、選ばれ続ける園・施設づくりを捉えた様々な施策、構造改革による効率化及び新規事業の開発・早期収益化が必要と考えております。

当社グループは、各種施策の進捗状況や外部環境等の変化を鑑み、重点目標として更なる競争優位性と経営基盤の改善・改革を図るべく、前期から継続して「成長・競争優位性の確立」「収益構造改革」「経営基盤改革」を掲げ取り組みを強化しております。

 

具体的には、社会環境の変化に対応すべく「成長・競争優位性の確立」としては、中長期的な成長に向けた新規事業の開発、既存事業及び新たな事業領域の拡大に向けた積極的なM&Aの推進、競争優位性を捉えた学習プログラムの拡充、課外の時間を活用した習い事事業の展開(英語・体操・音楽・ダンス教室など)、差別化戦略としてのネイティブ英語講師を配置した「バイリンガル保育園」「モンテッソーリ式保育園」の拡大、未来を担う子どもたちに将来の夢・希望を与える機会として職業体験イベントや地域の文化・伝統に触れる体験学習の開催など、当社独自の新たな体験型プログラムの導入ならびに自治体との連携強化による子育て支援の拡充を図るべく協定を締結するなど、子育て環境の充実と育成に向けた対応を推進しております。加えて、乳児期・幼児期・学童期を一貫した子育て支援体制の確立に向けた保育園と学童クラブ・児童館と連携したドミナント戦略により、現在の学童クラブ・児童館を2倍の200施設に拡大すべく新規受託の積極推進など、各地域において「選ばれ続ける園・施設づくり」を強固に進めております。

また、新規事業としては、グローバル展開を視野に海外での子育て支援事業の立ち上げに向けた検討及び海外人材を活用した新たな事業展開を見据えた、現地の教育機関との連携など、積極的に推進しております。

「収益構造改革」については、事業構造を見直し、ムダな業務の是正、ICT化による運営の効率化、人員配置の最適化、データ活用によるムダな運営・業務の是正による業務効率化を図り、間接コストの軽減に努めるとともに、業務プロセス改革やシステム導入による更なる業務改善を図っております。

「経営基盤改革」については、当社の事業の要は「人」であることから人財教育・研修体制を拡充するとともに、人財育成と従業員のエンゲージメントを向上させることで意識改革に繋げております。当社グループは、持続的な成長と競争優位性を支えるべく、人財戦略(研修の拡充、風土刷新)、グループガバナンスの強化、運営体制の確立による組織活性化に取り組んでおります。

更に、株式会社ダスキンとの業務提携に関しては、協業検討委員会を設置し、両社が保有する経営ノウハウの有効活用及び相互の協力により子育て支援事業の推進に向けた施策を行っております。

当社グループは、更なる成長戦略として新規事業の創出と早期収益化、既存事業の更なる拡大に向けM&Aを積極的に推進することで、当社グループの経営理念である「子育て支援を通じて笑顔溢れる社会づくりに貢献します」の実現とともに持続的な成長を図ってまいります。

新規施設の開設につきましては、2025年3月期連結累計期間において保育所2園(内1園は、東京都認証保育所から認可保育園へ移行)、認可保育園からこども園へ移行4園、学童クラブ・児童館17施設、交流館2施設となり、認可保育園・こども園への移行施設を除き計20施設を開設するとともに、特徴ある保育園として、認可保育園及び東京都認証保育所からバイリンガル保育園へ6園を移行し、認可保育園からモンテッソーリ式保育園へ5園を移行しております。

また、子育てに関連した渋谷区放課後クラブの「クラブ事業コーディネート」業務も新たに受託し、当社グループで実施しております英語・体操・音楽・ダンスのノウハウを活用し、様々な対応を行っております。

 

(保育園)(※1)

あっぴぃ麻布                                                         (2024年4月1日)

アスク西国分寺保育園                                                 (2024年4月1日)

 

(こども園)(※2)

アスク小鶴新田こども園                                               (2024年4月1日)

アスク長町南こども園                                                 (2024年4月1日)

アスク御殿浜こども園                                                 (2024年4月1日)

アスクわにこども園                                                   (2024年4月1日)

 

(学童クラブ・児童館)

浮間小学校学童クラブ第一                                             (2024年4月1日)

浮間小学校学童クラブ第二                                             (2024年4月1日)

浮間小学校学童クラブ第三                                             (2024年4月1日)

浮間小学校学童クラブ第四                                             (2024年4月1日)

江東きっずクラブ枝川                                                 (2024年4月1日)

根岸小学校放課後子供教室                                             (2024年4月1日)

根岸こどもクラブ                                                     (2024年4月1日)

松葉小学校放課後子供教室                                             (2024年4月1日)

根津育成室                                                           (2024年4月1日)

目白台第二育成室                                                     (2024年4月1日)

一小学童保育所 A                                                     (2024年4月1日)

一小学童保育所 B                                                     (2024年4月1日)

北野小学童保育所 A                                                   (2024年4月1日)

北野小学童保育所 B                                                   (2024年4月1日)

北野小学童保育所分室                                                 (2024年4月1日)

根津児童館                                                           (2024年4月1日)

目白台第二児童館                                                     (2024年4月1日)

 

(交流館)

根津交流館                                                           (2024年4月1日)

目白台交流館                                                         (2024年4月1日)

 

(バイリンガル保育園)

認可保育園および東京都認証保育所を、ネイティブ英語講師を配置した「バイリンガル保育園」に移行。

アスク バイリンガル保育園 人形町駅前(旧名称:アスク人形町駅前保育園)(2024年4月1日)

アスク バイリンガル保育園 やくも    (旧名称:アスクやくも保育園)   (2024年4月1日)

アスク バイリンガル保育園 高津      (旧名称:アスク高津保育園)     (2024年4月1日)

アスク バイリンガル保育園 上小田中  (旧名称:アスク上小田中保育園) (2024年4月1日)

アスク バイリンガル保育園 向河原    (旧名称:アスク向河原保育園)   (2024年4月1日)

アスク バイリンガル保育園 二番町    (旧名称:アスク二番町保育園)   (2024年10月1日)

 

(モンテッソーリ式保育園)

認可保育園から「モンテッソーリ式保育園」に移行。

モンテッソーリ式 アスクとよたま一丁目保育園                          (2024年4月1日)

モンテッソーリ式 アスク芝公園保育園                                  (2024年10月1日)

モンテッソーリ式 アスク新宿南町保育園                                (2024年10月1日)

モンテッソーリ式 アスク神楽坂保育園                                  (2024年10月1日)

モンテッソーリ式 アスク芝浦4丁目保育園                              (2024年10月1日)

 

(その他受託事業)

渋谷区放課後クラブ「クラブ事業コーディネート」業務                   (2024年4月1日)

 

※1:2024年4月1日付で、「アスク西国分寺保育園」を東京都認証保育所から認可保育園に移行しました。

※2:2024年4月1日付で、認可保育園である「アスク小鶴新田保育園」、「アスク長町南保育園」、「アスク御殿浜保育園」、「アスクわに保育園」を認定こども園に移行しました。

※3:2024年3月末日をもって、東京都認証保育所の「アスク バイリンガル保育園 永福」を閉園しました。また、学童クラブの「プレディ豊海」、「大正小学校放課後子供教室」「わくわく柳田ひろば」「柳田みどりクラブ第一」「柳田みどりクラブ第二」は、契約期間満了により2024年3月末日をもって撤退しました。

 

その結果、2025年3月末における保育園の数は205園、こども園は4園、学童クラブは96施設、児童館は13施設、交流館は2施設となり、子育て施設等の施設合計は320施設となりました。

 

以上より、当社グループの連結売上高は41,147百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は5,809百万円(同26.7%増)、経常利益は5,858百万円(同29.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,920百万円(同33.9%増)となりました。

 

売上高におきましては、物価高騰等に関連した補助金の減収はあったものの、幼児学習プログラムの拡充など、「選ばれ続ける園・施設づくり」の取り組みにより、前期と比較して児童数の増加、新規施設の開設・受託及び次元の異なる少子化対策として実施された対人数の変更(4・5歳児の預かり児童数に対応した保育士の配置基準の見直し)による増収、保育士の処遇改善に伴う補助金の大幅な増額等により、前年同期比8.7%増収となりました。

営業利益ならびに経常利益におきましては、物価高騰等による補助金の減収、処遇改善及び賞与の増額等、今後の人材確保、社会環境変化に対応した人件費の増加、子育て支援の環境整備を捉えた企業版ふるさと納税による支出、新たに導入した株主優待制度による費用増加等があったものの「選ばれ続ける園・施設づくり」に向けた各種施策による児童数の増加、補助金の最大化に向けた対応及び次元の異なる少子化対策として実施された対人数の変更(4・5歳児の預かり児童数に対応した保育士の配置基準の見直し)に関して、当社は保育の質的向上を捉え、既に保育士の配置人数を増員していたことから収益へのインパクトが大きく、営業利益は前年同期比26.7%増、経常利益は前年同期比29.5%増と大幅な増益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、上記のとおり、新規施設の開設・受託、児童数の増加及び対人数の変更、補助金の最大化に向けた各種対応による収益拡大ならびに本社所在地域の再開発に伴う本社移転に関連した補償を特別利益に計上したこと等から前年同期比33.9%増と大幅な増益となりました。

 

②経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について以下のことが考えられます。

子育て支援事業における国や地方自治体の保育園に対する政策方針の変化が挙げられます。待機児童解消に向け政府は保育の受け皿を整備し、保育園の新規開設の拡大等による保育園定員ならびに保育園利用者数が大幅に伸び、待機児童は年々減少しておりますが、引き続き女性の社会進出の増加や非正規社員の正規雇用化が進むことが想定されるなど、市場規模は拡大されていることからも潜在的な待機児童の増加は継続するものと見込んでおります。

また、学童クラブにおいては年々待機児童が拡大をしており、特に東京都はその状況が顕著であり、それらに対応すべく「東京都認証学童制度」を2025年度から開始いたします。

一方で、少子化は深刻さを増しており、出生数も年々減少傾向にあります。このような状況を捉え、政府では「次元の異なる少子化対策」や自治体においては独自の支援施策等が推し進められており、子育て支援事業に及ぶ影響は大きく、これら政策の状況によっては、将来的な園児数の確保やエリアによっては競合間での競争が激化・淘汰されることが想定されます。

当社グループはこのような情勢において、受入児童数増加のための学習プログラムの拡充、地域と連携した子育て支援活動の促進、保育の質的向上、エリアドミナント戦略に基づく保育と学童クラブ・児童館の連携による乳児期・幼児期・学童期を一貫した保育・育成など「選ばれ続ける園・施設づくり」を行っており、場合によっては、保育園の開設、学童クラブ・児童館の新規受託及び既存施設の受け入れ児童数の増加が一気に進むことも考えられます。そのような場合、設備投資や人件費、保育士確保に要する費用などのコストが急激に増えて一時的に利益が減少する恐れがありますが、その後 収益は拡大するものと考えております。

当社グループは、持続的な成長を捉え、新規事業の推進ならびにM&Aについても積極的に推進しております。具体的には、新規事業展開として「人材紹介・派遣事業」「海外事業」を推進しております。「人材紹介・派遣事業」としては、国内の労働力不足の解消に向け、技能・技術を有する有能な外国人の派遣及び特定技能外国人の支援事業とともに更なる事業規模拡大に向け外国人就労者の紹介事業を現地の送り出し機関と連携し推進しております。

また、当社グループの子育て支援事業のノウハウを活用し、保育士・看護師・介護士の専門人材を国内の企業へ紹介・派遣する新たな事業を展開することでさらなる業容と収益拡大を図ってまいります。

「海外事業」としては、現地法人を設置するとともに、現地の教育機関や国内外の自治体と連携し、ALT 事業(外国語指導助手)や現地での語学学校の展開並びにこれらと連携した優秀な外国人材の活用、オンライン学習、海外での施設運営を推進いたします。

さらに、既存事業においては、認可保育園での新たな業態開発・拡充、認可外での保護者ニーズの高いインターナショナルプリスクールの運営や当社グループの様々な事業・ノウハウを活用し、全国の自治体と連携した新たな事業を推進しております。

 

当社グループは、持続的な成長と企業価値向上を図るべく、既存事業である子育て支援事業に続く第2の事業の柱を構築しております。これらの推進により、状況によっては、一時的な費用の増加等も想定されますが、その後飛躍的に事業拡大が進むものと考えております。

 

 ③戦略的現状と見通し

今後の見通しにつきましては、保育園における待機児童の解消が進み、地域においては競争環境が激化しているものの学童クラブにおいては、待機児童が増加するなど、育成環境の整備が課題となっております。

一方、政府においては様々な「次元の異なる少子化対策」が実施されるなど、子育て環境の整備に向けた施策が推進されており、子育て支援事業の社会的役割は更に重要性を増しております。

当社グループは、このような状況を捉え、社会環境の変化や保護者ニーズに対応した更なる子育て支援の質的向上による「選ばれ続ける園・施設づくり」が求められており、中期経営計画においては、今後の業容拡大として新規事業の早期実現に向けた先行投資なども考慮しつつ、社会環境の変化を捉え、確実性の高い経営目標を設定し、経営にあたることといたします。

当社グループの中期経営計画のローリング(2025年3月期~2027年3月期)の目標に関して、様々な施策の奏功及び効率的な経営体制の構築、補助金の最大化に向けた対応ならびに期初に設定した中期経営計画では織り込んでいなかった政府による「次元の異なる少子化対策」として対人数の変更、保育士の大幅な処遇改善に伴う補助金の増額等が実施されたことから2025年3月期においては、増収・増益、過去最高益を達成するとともに、中期経営計画の目標値である2027年3月期の売上高・営業利益を前倒して達成いたしました。

また、子育て支援事業を取り巻く環境は、政府・自治体による少子化対策として子育て環境の整備が拡充される一方で、少子化が加速する地域においては、児童数の獲得競争が激化しており、持続的な成長と更なる収益拡大に向けた構造改革及び新規事業の開発・早期収益化が必要となっております。

このように中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)の目標値に対する進捗状況及び外部環境の変化等を鑑み、ローリング方式にて連結数値目標を見直すとともに中期経営計画の重点目標に関しては、更なる競争優位性と経営基盤の改善・改革を図るべく、前期から継続して「成長・競争優位性の確立」「収益構造改革」「経営基盤改革」を掲げ、取り組んでまいります。

 

(中期経営計画の重点目標)

中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)としては、構造改革と事業改革による成長に向けた積極的な新規事業の開発、M&Aの推進、システム化等によるインフラ整備、盤石な事業基盤の構築により、新たなサービス価値を創出し、競争優位性を確立するとともに事業を通じて社会問題を解決することで、持続的な成長を目指してまいります。

 

① 成長・競争優位性の確立

中長期の成長に向け、人材紹介・派遣事業、各自治体と連携した新たな事業展開、海外事業の強化・推進を図り英語を軸とした新たな事業(ALT事業(外国語指導助手)、語学学校、オンライン学習)や施設展開を図ることで、既存事業及び事業領域の拡大を行うとともに積極的なM&Aの推進、競争優位性としての学習プログラムの拡充や新業態の新設、保護者の困りごとを解決する様々な差別化戦略と子育て支援を取り巻く社会問題の解決に向けた施策を推進する。

 

② 収益構造改革

事業構造を見直し、ムダな業務の是正、ICT化による運営の効率化による収益性向上を図る。また、業務プロセス改革やシステム導入による更なる業務改善を図る。

 

③ 経営基盤改革

当社の事業の要は「人」であることから人財教育・研修体制を拡充するとともに、優秀な人財確保・育成と従業員のエンゲージメントを向上させることで意識改革に繋げる。また、持続的な成長と優位性を支えるべく、人財戦略、グループガバナンスの強化を図る。

 

2026年3月期の業績予想においては、中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の達成に向け、グローバル事業ならびに自治体と連携した新たな事業展開の準備期間として位置づけ、将来の収益拡大を見据えた投資を強化いたします。特に海外事業におきましては、現地法人を設置するとともに、現地の教育機関や国内外の自治体と連携し、ALT事業(外国語指導助手)や現地での語学学校の展開ならびにこれらと連携した優秀な外国人材の活用、オンライン学習、海外での施設運営を強固に推進いたします。

また、国内におきましては認可保育園での新たな業態の新設・拡充、認可外でのインターナショナルプリスクールなど、新たな事業展開を図るとともに、更なる業務の効率化、管理体制の強化としてシステム化を推進してまいります。

これらの将来に向けた投資及び当期に本社所在地域の再開発に関連した補償を特別利益に計上したことにより2026年3月期は一時的に当期と比較して減益となりますが、新たな事業展開により2028年3月期では収益拡大及び持続的な成長に繋げてまいります。

以上より、売上高は41,904百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は5,653百万円(同2.7%減)、経常利益は5,703百万円(同2.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,745百万円(同4.5%減)となる見通しです。

 

当社グループが2026年3月期中に新規開設および受託し、2025年4月1日以降に新たに運営を開始する子育て支援施設及びその他施設等の内訳は以下となります。

 

(こども園)(※1)

認可保育園を認定こども園へ移行。

アスクこくばこども園                                                  (2025年4月1日)

アスク真栄里こども園                                                  (2025年4月1日)

 

(学童クラブ・児童館)

一小学童保育所 C                                                      (2025年4月1日)

三鷹市一小スマイルクラブ                                              (2025年4月1日)

調布市立たきざか第1学童クラブ                                        (2025年4月1日)

調布市立たきざか第2学童クラブ                                        (2025年4月1日)

松原第2児童クラブ B                                                  (2025年4月1日)

台東育英小学校放課後子供教室                                          (2025年4月1日)

さくら第一学童クラブ                                                  (2025年4月1日)

じゅんとく学童クラブ                                                  (2025年4月1日)

夢が丘小学童クラブ                                                    (2025年4月1日)

長谷戸小学校放課後クラブ                                              (2025年4月1日)

猿楽小学校放課後クラブ                                                (2025年4月1日)

練馬区橋戸小ねりっこひろば                                            (2025年4月1日)

練馬区橋戸小ねりっこ学童クラブ                                        (2025年4月1日)

寺前小学生クラブ                                                      (2025年4月1日)

第一小学校小学生クラブ                                                (2025年4月1日)

小金井市立まえはら第1学童保育所                                      (2025年4月1日)

小金井市立まえはら第2学童保育所                                      (2025年4月1日)

小金井市立まえはら暫定第3学童保育所                                  (2025年4月1日)

豊明市西部児童クラブ                                                  (2025年4月1日)

豊明市舘小学校放課後子供教室                                          (2025年4月1日)

豊明市南部児童クラブ                                                  (2025年4月1日)

豊明市豊明小学校放課後子供教室                                        (2025年4月1日)

豊明市ひまわり児童館                                                  (2025年4月1日)

豊明市西部児童館                                                      (2025年4月1日)

豊明市南部児童館                                                      (2025年4月1日)

 

 

(バイリンガル保育園)

認可保育園をネイティブ英語講師を配置した「バイリンガル保育園」に移行。

アスク バイリンガル保育園 豊洲      (旧名称:アスク豊洲保育園)       (2025年4月1日)

アスク バイリンガル保育園 上目黒    (旧名称:アスク上目黒保育園)    (2025年4月1日)

アスク バイリンガル保育園 北新宿    (旧名称:アスク北新宿保育園)    (2025年4月1日)

アスク バイリンガル保育園 薬王寺    (旧名称:アスク薬王寺保育園)    (2025年4月1日)

アスク バイリンガル保育園 ゆめみらい(旧名称:アスクゆめみらい保育園)(2025年4月1日)

 

(スポーツ保育園)

認可保育園を”遊びながら、楽しみながら”身体を動かす機会を設け、子どもたちの体幹づくり、バランス感覚・身体の柔軟性を鍛えることを目的とした「スポーツ保育園」に移行。

アスク スポーツ保育園 こぶうち (旧名称:アスク古布内保育園)          (2025年4月1日)

アスク スポーツ保育園 かじがや (旧名称:アスクかじがや保育園)        (2025年4月1日)

 

※1:2025年4月1日付で、認可保育園である「アスクこくば保育園」、「アスク真栄里保育園」を認定こども園に移行しました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は営業活動による資金の獲得4,205百万円、投資活動による資金の支出162百万円、財務活動による資金の支出4,243百万円により、前連結会計年度末に比べ201百万円減少し20,743百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の獲得は4,205百万円(前連結会計年度は5,598百万円の獲得)となっております。

これは、税金等調整前当期純利益が6,069百万円、未払金及び未払費用の増加額が726百万円、減価償却費が698百万円、その他の流動負債の増加額が188百万円ありましたが、法人税等の支払額が1,885百万円、未収入金の増加額が1,729百万円あったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の支出は162百万円(同6百万円の支出)となっております。

これは、長期貸付金の回収による収入が275百万円ありましたが、有形固定資産の取得による支出が433百万円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の支出は4,243百万円(同3,978百万円の支出)となっております。

これは、長期借入金の返済による支出が3,657百万円、配当金の支払額が678百万円あったこと等によるものであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

今後の資金需要のうち主なものは、子育て支援施設等の設備投資・賃借料・敷金・保証金等及び当社グループ内での人件費と食材費等の支払いによるものであります。

 

 

② 財務政策

継続的に新規施設を開設するためには、設備費用等の資金を安定的に確保することが重要となります。現在、当社グループにおける運転資金及び設備投資資金等については、主に自己資金又は金融機関からの借入金等により調達しております。

当社グループでは、財務の健全性を図りつつ、必要資金を安定的に調達していくため、金融機関からの借入れに限定せずに社債の発行や株式の発行も含めて財務政策を検討してまいります。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

該当事項はありません。

 

② 受注実績

当社グループは、主に一般顧客(最終消費者)を対象とした子育て支援サービスを提供しており、受注生産形態をとっていないため、該当事項はありません。

 

③ 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前年同期比(%)

子育て支援事業(千円)

40,965,310

8.2

その他事業(千円)

181,722

合計

41,147,032

8.7

 

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

横浜市

4,668,748

12.33

5,025,158

12.21

川崎市

3,627,472

9.58

3,910,757

9.50

 

 

当社グループは、主に一般顧客(最終消費者)を対象とした子育て支援サービスを提供しておりますが、自治体(市区町村)を通じてサービス提供の対価を収受するものもあります。このため、主な相手先別の販売実績として上記を記載しております。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

当社は、2025年5月30日に株式会社テレビ熊本、グループ会社である株式会社TKUヒューマン及びその関係者との間で合弁会社設立に関する契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(後発事象)をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。