文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、以下のとおり社是、経営理念、行動規範、環境方針、品質方針を定めております。
<社是>
Enjoy
仕事も楽しみましょう
遊びも楽しみましょう
生活も楽しみましょう
人生も楽しみましょう
物事すべて楽しみましょう
<経営理念>
TESECは優れた半導体検査装置を世界中に供給することで社会へ貢献します。
TESECはソリューションを提供する創造業のトップランナーを目指します。
TESECは豊かな発想と強い意志を持つ社員を大切にします。
<行動規範>
お客様を第一に考え、誠実に対応しよう。
新しいことに常に挑戦しよう。
自分の職務に誇りと自信を持とう。
法令を遵守し、高い倫理観をもって行動しよう。
信頼され、尊敬される人を目指そう。
<環境方針>
当社は、半導体検査装置を製造、販売する企業として、地球環境の保全が人類共通の課題であることを深く認識し、環境との共生を目指して環境安全活動を推進します。
1.当社の活動、製品、サービスにおける環境影響要因とその環境負荷を把握し、環境汚染の予防に努め、環境
負荷の低減に向けて継続的改善に努力します。
2.当社に適用される環境関連の法律、条例、及びその他の要求事項を遵守します。
3.環境目的・目標を設定し、環境負荷の低減、及び環境に配慮した製品開発に取り組みます。
4.環境方針、環境保全推進状況を社員に周知させ、意識向上を図るとともに、社外に公表します。
5.社会で実施、推進される環境保全活動に積極的に参画します。
6.当社の活動、製品、サービスにかかわる環境影響のなか、環境重点テーマとして省エネルギー、省資源、廃
棄物の削減、環境負荷の高い物質の使用量削減を推進します。
<品質方針>
「世界中の顧客から信頼される商品とサービスを提供する」
1.お客様のニーズを的確に捉え、各種法規則を遵守し、お客様が満足するソリューションを提供し続ける。
2.品質マネジメント・システムを構築し、マネジメントレビューを通して、システムの有効性を継続的に改善
する。
3.この品質方針を実施するために品質目標を設定し、その達成に努める。
(2)経営環境
当社グループは、半導体の電気的な特性・性能を評価する「テスタ」、様々な形状のデバイスを搬送し、接続されたテスタからの測定データに基づき、設定された基準に応じて自動で分類・収納する「ハンドラ」を主力とする、半導体製造工程を支える重要な製品群を有しています。
当社製品が主に対象とするパワー半導体やアナログIC分野では、在庫調整や設備投資の抑制などにより、厳しい事業環境が継続しています。こうした環境のもと、当連結会計年度の受注高は前期比4割減の40億43百万円となり、3期連続で売上高を下回りました。これに伴い、当連結会計年度末における受注残高も前期末の43億15百万円から26億61百万円に減少しました。
一方で、自動車の電動化や再生可能エネルギー関連をはじめとしたパワー半導体およびアナログ分野の需要拡大に対する期待は依然として根強く、中長期的な市場成長に対する見通しに大きな変化は生じておりません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
生成AIの普及に伴うデータセンターの増強、自動運転技術(ADAS)の普及に向けたEV(電気自動車)シフトなどのカーボンニュートラルへの取組が世界的なトレンドとなるなか、半導体製造装置市場は、短期的には変動しつつも中長期的には堅調な成長が予想されます。
このような状況を踏まえ、当社はシクリカルな市場環境下にあっても需要拡大を背景とした中長期的な成長を目指すべく、2025~2027年度を対象期間とする中期計画「Enjoy2.1」を下記の通り策定いたしました。
今後も測定における提案力と付加価値の創造で事業を成長させるため、基盤戦略および事業戦略を着実に遂行するとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を一体的に推進してまいります。
中期経営計画「Enjoy2.1」の概要
<基盤戦略>
・ 生産工程の標準化・効率化による供給安定性の向上
・ 顧客満足を起点とした営業力・提案力の強化
・ デジタル化を通じた業務プロセス革新と情報基盤の整備
・ グローバルで活躍できる人材育成と組織体制の再構築
<事業戦略>
テスタ分野
・ バリュー志向型ビジネスとトータルソリューションの構築
・ パートナー企業との連携による技術・コスト優位の確立
・ 海外市場への積極展開とアプリケーション対応力の向上
ハンドラ分野
・ 既存顧客との安定取引の維持と新規市場の開拓
・ 次世代ハンドラの市場投入による製品競争力の強化
・ テスタ事業との連携によるシナジー創出と価値向上
<資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応>
・ 成長投資と安定配当を両立する資金配分
・ 中長期視点に立脚した戦略的投資の実行
・ DOE4%を目安とした配当政策の再構築
・ ローリングプランの導入とIRの充実
<中期見通し> (百万円)
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2025年度 |
2026年度 |
2027年度 |
|
売上高 |
5,500 |
7,000 |
9,000 |
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ハンドラ |
2,200 |
2,700 |
3,500 |
|
テスタ |
2,300 |
3,000 |
4,000 |
|
パーツ等 |
1,000 |
1,300 |
1,500 |
|
営業利益 |
130 |
750 |
1,850 |
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
半導体製造装置市場は、需給バランスの調整に伴うシリコンサイクルの影響により、短期的には変動しつつも、中長期的には堅調な成長が見込まれます。当社グループでは、短期的な業績変動は避けられないものの、中長期での持続的な成長の観点から、「売上高」および「営業利益」を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標と位置付けております。また、資本効率の観点から、「ROE」についても重要な指標と認識しております。
当社グループは中長期的な企業価値向上に向け、サステナビリティに関する取組が重要であると認識しております。ソリューションを提供する創造業のトップランナーとなり、優れた半導体検査装置を世界中に供給することで、快適で安全な低炭素社会に貢献するというミッションを着実に果たすべく、人材育成や社内環境の整備等に取り組んでまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス・リスク管理
当社グループは、変化の激しい経営環境下において、企業競争力を強化しつつ企業価値の継続的な向上を図るとともに、コーポレート・ガバナンスを通じて、経営監視体制を充実させ、経営の健全性・透明性・迅速性を高めることを経営の重要課題としてとらえております。
ガバナンス体制については、コーポレートガバナンス・コードに則り、取締役会のあるべき姿を明確に定義した上で、各取締役に対するアンケートを実施し、その結果に基づく取締役会の実効性評価を通じた継続的な改善に努めています。また、投資家との対話を通じて得られた課題に対しても、建設的な議論を重ね、経営への反映を図っています。
事業環境については、ISO14001に基づいた環境マネジメントシステム(EMS)を構築し、グループ全体の環境マネジメントサイクルと、拠点・事業ごとの環境マネジメントサイクルを連動させた環境活動を展開しています。年1回のマネジメントレビューではその活動内容が報告され、経営トップのコミットメントのもと、継続的な改善に取り組んでおります。
また、当社は、気候変動が事業活動に与える影響を重要な課題と認識し、温室効果ガス(GHG)排出量の把握と対応に取り組んでいます。自社の事業活動における排出量に加え、バリューチェーン全体における排出状況の把握にも努めており、国際的な枠組みに沿った算定・モニタリング体制の整備を進めています。今後、一定の整備が整い次第、関連情報の開示を検討してまいります。
(2)戦略
当社グループは人材が様々な価値創造の源泉であると考えており、人的資本を鑑みて投資を行うことで、持続的に人的資本やその他の資本を増強することを目指しております。
サステナビリティの実践に向けて、「組織力」と「人財力」に着目した人材戦略を中心に据え、その向上を図ります。
<人材育成方針>
当社グループは、人材を資産(=人財)と位置づけ、中期経営計画「Enjoy2.1」の事業戦略を確実に遂行するため、人的資本強化を進めております。
安定的な成長を実現するためには、採用を強化するとともに、多様な業務経験の提供、若手社員の早期育成、社外研修機会の提供などにより、社員一人ひとりの成長を支援し、専門性・自律性・柔軟性を兼ね備えた人材の育成が重要であると考えております。
また、グローバル展開の拡大に対応するため、語学教育や現地法人との連携、海外顧客との接点を意識した教育機会の提供を通じて、国際的な感覚と対応力を備えた人材の育成を進めております。
これに加えて、外国籍人材の採用や、即戦力となる中途人材の活用を進めるとともに、女性活躍推進を重点方針の一つとして掲げ、管理職候補層への登用、育成支援施策の拡充、キャリア形成に向けた面談機会の提供などに取り組むことで、専門性や多様な価値観を組織に取り込み、より柔軟で強靭な組織づくりを図っています。
多様性ある人材の活用は、企業の持続可能な成長に不可欠であると考えており、当社は今後も、社員の成長と組織の発展が相互に循環する仕組みづくりを継続してまいります。
<社内環境整備方針>
当社グループは、社員がワークライフバランスを整え、一人ひとりが高いモチベーションを保つことで、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境整備を推進してまいります。
「働き方改革」の中で、長時間労働の是正、ワークライフバランスの支援、メンタルヘルス不調の予防、オフィス環境の整備を行い、より働きがいのある職場づくりを進めることで、社員の更なる定着化にも繋げてまいります。
柔軟な働き方を実現するため、時間単位の有給休暇制度導入をはじめ、育児や介護といった個別事情に対応可能な体制を整えております。また、必要に応じた休業の取得や復職を円滑に行えるよう支援しており、さらに長時間労働による健康障害の防止や、年次有給休暇の計画的な取得促進にも取り組むことで、社員の健康保持とワークライフバランスの実現にもつなげております。
また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の観点からも業務環境の整備を進めており、堅牢なデジタル基盤を構築することで、業務の効率化、意思決定の迅速化・正確化を実現し、生産性と働きやすさの向上を同時に図ってまいります。
(3)指標及び目標
当社グループでは、上記において記載した、多様性の確保を含む人材育成方針、社内環境整備方針について、次の内容を定めております。
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
<女性活躍推進>
2030年までに管理職(マネージャー以上)に占める女性労働者の割合を5%にすることを目指し、中長期の視点で、女性が活躍できる環境づくりを推進してまいります。
組織の意思決定に携わる女性管理職を継続的に増やすため、全女性労働者のうち、管理職候補者を2026年度までに20%以上とするKPIを設定し、育成にも注力してまいります。
・女性管理職比率 2.5% (2025年3月31日時点)
・全女性労働者における女性管理職候補者比率 12% (2025年3月31日時点)
<男性育休取得>
当社は男性社員についても積極的な育児休業の取得を推奨しております。
女性がキャリアを中断することなく継続できる環境を整える一方で、女性だけでなく男性の育児参加も促進することで、職場や会社全体で育児への理解を深めることを目指し、男性の育児休業取得2025年度までに50%以上、2030年度までに85%以上とするKPIを設定しております。2024年度につきましては、対象者2名で、1名が取得、もう1名は2025年4月に取得しております。引き続き、育児休業制度の周知徹底により育児休業の取得を促進し、男女問わず誰もが活躍できる職場環境づくりを推進いたします。
当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)半導体市場の変動について
当社グループは、半導体検査装置の製造・販売を行っておりますが、検査装置の需要は半導体市況の変動および半導体メーカーの設備投資動向等に影響を受けます。当社グループでは市場環境の変化に対応するためコスト構造の改善を進めておりますが、半導体市場は不安定かつ予測不能であり、市場変動の増大が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定顧客との取引について
当社グループは、世界の大手半導体メーカーを主要な顧客としております。取引顧客数の拡大に向け活動しておりますが、主要顧客との取引規模が大きく変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)輸出取引について
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の比率は、2024年3月期においては80.3%、当期においては65.7%となっております。海外への販売は今後も当社グループの収益のなかで大きな割合を占めると考えられるため、以下の要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・外貨建取引について、為替変動により海外の顧客にとって当社グループの製品価格が上昇するリスク。
・政治的または経済的な不安定要因、景気後退ならびに経済制裁等により当社グループ製品の輸出に支障が生じるリスク。
・関税およびその他の障壁が当社グループ製品の価格競争力を低下させるリスク。
・一部の国において、当社グループの企業秘密や知的財産権が法律によって適切に保護されないリスク。
(4)法令・規制について
当社グループは、事業活動を行うにあたり、輸出入、環境、競争、労働、税制等、様々な法令、規制の適用を受けております。当社は、法令遵守のみならず、環境に与える負荷を低減するため、様々な施策に取り組んでおりますが、期待した成果が得られなかった場合や、各種法令、規制に抵触した場合には、社会的信用の低下、課徴金・損害賠償の発生、事業の制限等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)競争優位について
当社グループの属する半導体検査装置業界は、国際的な大企業から、高度に専門化し急成長している比較的小規模な企業まで、広範囲な競合企業が存在します。当社の競合環境は、コスト構造等で優位性を持つ中国等の新興国企業を含め、新たな脅威となる競合他社の出現によって常に変化する可能性があります。
競合の要因は分野によって異なりますが、製品価格の値下げ要求は概して恒常化しているため、競争が激化すれば、当社製品の販売価格の下落が予想されます。
現在の競合他社および潜在的な競合他社のなかには、財務、技術、製造、マーケティング、顧客サポートの能力が高く、広範な製品を提供している企業が含まれており、当社グループは必要な投資を競合他社と同程度に行うことができない可能性があります。
競争を優位に進めるためには、顧客と密接な関係を保つことが重要な要素であり、その結果、顧客の要求する仕様に沿う製品を他社に先駆けて開発し、最短で納入することが可能となります。このような顧客との重要な関係や技術の優位性を維持できない場合には、競合企業との価格競争への対応として想定以上の製品価格の引き下げを余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材について
当社グループが競争力を維持し、持続的成長を実現するためには、次世代を担う人材の獲得、育成が重要となります。人材は価値創造の源泉であるとの認識から、労働環境の改善やモチベーションを高める人事制度の構築に取り組んでおりますが、必要な人材の継続的な採用や育成ができない場合や重要な人材が離職した場合には、製品開発力や顧客サポートの質が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)研究開発について
当社グループは、技術革新が激しい半導体業界にあって最先端の市場を見据えた新製品の開発を行っておりますが、技術開発には時間とコストがかかり、成功する保証はありません。結果として受注獲得に至らない場合や、新製品投入のタイミングが遅れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)部品調達および外注について
当社グループは、部品の調達および組立・配線工程の外注に関して多数の仕入先・外注先と取引を行っておりますが、特定の部品調達および外注については一部の取引先に依存しております。取引先の事情により部品の調達および製造工程に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報セキュリティについて
当社グループは、事業全般において各種ITシステムを活用しております。基幹システム等に対する被害を最小限に抑えるべく、ウイルス対策やデータのバックアップ等の予防策を講じておりますが、自然災害やサイバー攻撃、ネットワーク障害などの不測の事態により、安定した業務の継続が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)品質について
当社グループは、国際的品質管理基準であるISO9001などに基づいて品質保証体制の強化を図っておりますが、予期せぬ不具合や瑕疵による製造物責任賠償により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)在庫について
当社グループが事業を展開する半導体検査装置関連事業では、顧客仕様による受注販売が中心であり、かつ、短納期の要求を受けることから、顧客からの正式受注によらず、顧客から提示される需要見通しや市場動向を勘案した当社の判断に基づく部品手配・計画生産を行う場合があります。
部品および製品プラットフォームの共通化により在庫の汎用性を高めておりますが、在庫投資は需要予測と密接に関連しているため、見込みに狂いが生じた場合には、過剰な在庫エクスポージャーの発生、陳腐化リスクの増大などを通じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)売掛債権について
当社グループは、顧客との取引の大部分を代金後払いで販売しております。与信管理等により回収リスクの軽減に努めておりますが、顧客の財務問題等により売掛債権の回収が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)固定資産の減損について
当社グループは、所有する固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、外部環境の変化等により収益性が著しく低下した場合には、減損損失の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)保有有価証券の価格変動について
当社グループは、余裕資金の一部を有価証券にて運用しておりますが、時価または実質価額が著しく下落した場合には、有価証券評価損等の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)災害等の発生について
当社グループは、東京都東大和市の本社、長野県上伊那郡箕輪町の工場の他、海外を含む複数の事業拠点を有しております。事業継続計画(BCP)の策定等によりリスクの低減を図っておりますが、これらの地域で大地震や台風、パンデミック等の自然災害や、テロ等の社会的混乱が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、大統領選を迎えた米国では個人消費を背景として堅調に推移しましたが、インフレ鈍化を受けた利下げが実施されました。欧州でも利下げが開始され、緩やかに持ち直しました。中国では政府債務の増加と不動産市況の悪化により内需が低迷しましたが、政府による景気刺激策が一定の下支えとなりました。日本では、継続的な賃上げや歴史的な円安進行が焦点となり、追加の利上げが実施されました。
半導体業界におきましては、GPUやHBM(High Bandwidth Memory)をはじめとするAI向けの需要は好調に推移しましたが、産業機器向けは世界経済の低迷を受けて在庫調整が長期化し、パワー半導体を含む車載向けもEV需要減速の影響を受けたことから、一部顧客から出荷延期の要請を受けるなど、半導体メーカーの投資意欲は抑制傾向で推移しました。
このような状況のなか、顧客ニーズに応える製品の開発・改良に注力するとともに、パワーデバイス用テスタやMAPハンドラ、自重ハンドラなどを軸として、国内外の展示会参加やトップセールスによる販売活動を展開しました。生産面では、電子部品等の部材調達難が解消した他、人材採用の強化や一部主力モデルの計画生産など、供給能力の適正化に向けた取組を推進しました。また、より包括的かつ迅速なテストソリューションの提供を可能とするため、協業先である国内テスタメーカーを株式取得により子会社化しました。
以上の結果、受注高は40億43百万円(前期比41.3%減)、売上高は58億92百万円(同31.6%減)、期末受注残高は26億61百万円となりました。製品別売上高は、ハンドラ16億54百万円(同58.5%減)、テスタ30億27百万円(同9.7%減)、パーツ等12億9百万円(同5.4%減)となりました。
損益面は、売上が3割減となり売上総利益が大きく減少したことから、営業利益は4億34百万円(同74.9%減)、経常利益は6億74百万円(同68.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億27百万円(同71.8%減)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、受注、売上の低迷に伴い、たな卸資産、電子記録債権及び売掛金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ6億86百万円減少し、154億74百万円となりました。
負債は、子会社取得に伴い長期借入金が計上された一方、未払法人税等や繰延税金負債が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ3億73百万円減少し、13億9百万円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金が減少したこと、自己株式が増加したなどから、前連結会計年度末に比べ3億12百万円減少し、141億65百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、下記の各キャッシュ・フローによる増減により、前連結会計年度末に比べ4億61百万円増加し、40億63百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、17億67百万円のプラス(前期は8億71百万円のプラス)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額、売上債権の減少額、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、9億円のマイナス(同1億49百万円のプラス)となりました。これは主に、有価証券の取得による支出、無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4億95百万円のマイナス(同6億91百万円のマイナス)となりました。これは主に、配当金の支払および自己株式の取得によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
対前期増減率(%) |
|
ハンドラ(百万円) |
1,587 |
△59.1 |
|
テスタ(百万円) |
2,744 |
△9.3 |
|
パーツ等(百万円) |
1,067 |
△9.3 |
|
合計(百万円) |
5,399 |
△33.2 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目 |
受注高 |
対前期増減率(%) |
受注残高 |
対前期増減率(%) |
|
ハンドラ(百万円) |
1,411 |
△40.5 |
995 |
△19.7 |
|
テスタ(百万円) |
1,605 |
△50.9 |
1,516 |
△44.7 |
|
パーツ等(百万円) |
1,026 |
△18.0 |
149 |
△55.0 |
|
合計(百万円) |
4,043 |
△41.3 |
2,661 |
△38.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.受注高には第3四半期連結累計期間において連結の範囲に含めた、嶺光音電機株式会社の受注残高(テスタ
195百万円)を含んでおりません。
c.販売実績
当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
対前期増減率(%) |
|
ハンドラ(百万円) |
1,654 |
△58.5 |
|
テスタ(百万円) |
3,027 |
△9.7 |
|
パーツ等(百万円) |
1,209 |
△5.4 |
|
合計(百万円) |
5,892 |
△31.6 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
TEXAS INSTRUMENTS MALAYSIA SDN. BHD. |
1,589 |
18.4 |
- |
- |
(注)総販売実績に対する割合が10%未満となる連結会計年度の販売実績及び総販売実績に対する割合は、記載を省略しております。
2.金額は販売価格によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
財務諸表の作成に必要な見積りは、過去の実績、見通し、その他状況に応じて合理的であると考えられる様々な仮定に基づき実施しておりますが、本質的に不確実な事項についての見積りを行う必要性の結果として、困難で主観的な判断が要求されることから、実際の業績は大きく異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、繰延税金資産の回収可能性の検討に際しては、半導体製造市場および当社固有のリスク、過去の業績推移等を踏まえ、評価性引当額の必要性を判断しております。
②経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における受注高は前期比4割減の40億43百万円と、3期連続で売上を下回りました。受注残も同様に4割減少し、26億61百万円となっております。売上高は、同3割減の58億92百万円となりました。
ハンドラにつきましては、単価とロットの大きさ、顧客構成の違いから、テスタよりも業績の変動が大きくなる傾向があります。受注は2021年度が直近ピークとなった後、2022年度の第4四半期から低迷が始まり、約2年間にわたり厳しい局面が継続しています。当連結会計年度における受注高は前期比4割減の14億11百万円、売上高は同6割減の16億54百万円と低調ですが、足下ではやや持ち直しの兆しが見え始めています。出荷地域別では、国内は少なく、海外が大きな割合を占めております。欧米資本の顧客でも納入地はアジア地域が多く、近年はマレーシアが最大市場となっております。
テスタにつきましては、ここ数年にわたり高水準の受注が続いておりましたが、当連結会計年度における受注高は前期比半減の16億5百万円となりました。EV市場の成長鈍化、供給過多による低価格競争等の要因が重なり、生産量を見直す顧客が増加したことが主因です。この結果、受注残高も前期比4割減の15億16百万円となりました。一方、売上高は部材調達難の影響から伸び悩んでおりましたが、外注キャパシティの確保と調達環境の正常化が奏功し、当連結会計年度における売上高は同1割減の30億27百万円と、2期連続で中期目標である30億円を達成することができました。出荷地域別では、日本には有力なパワーデバイスメーカーが多いことから、国内が一定割合を占めておりますが、近年はパワー半導体への投資が続く中国が日本に次ぐ市場となっております。
パーツ等につきましては、ハンドラ改造用のチェンジキットを中心としたリカーリングビジネスが主体です。当連結会計年度は、受注が前期比2割減の10億26百万円、売上は微減の12億9百万円となりました。出荷地域は、消耗品需要のあるハンドラの既納入地が多く、マレーシア、台湾が主要市場となっております。
損益面は、減収効果から営業利益は前期比7割減の4億34百万円となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金とも基本的には内部資金により賄っておりますが、資金需要が急増した場合等には銀行借入により調達しております。当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引金融機関と10億円の貸出コミットメントライン契約を締結しておりますが、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは技術革新の激しい半導体業界にあって、広汎な顧客ニーズに的確に応えた製品を開発し、迅速に提供することを基本方針としており、今後の事業の中心となる製品開発を進めております。
当連結会計年度の研究開発費総額は
(1) スイッチングテスタの大電流化対応
SiCデバイスの普及に伴い高まる大電流測定ニーズに対応するため、既存製品をベースに、対応ユニットを用いた大電流印加対応モデルの試作を完了しました。これにより、市場要求に応える次世代測定システムの基盤を構築しました。
(2) MEMSハンドラ
MEMSハンドラの拡販およびタイムリーな技術サポートを進めるため、協業先である米国企業より技術関連資産を取得し、測定ユニットの内製化に向けた要素技術の開発を完了しました。併せて、その過程の見直しを通じて原価低減も実現しました。
(3) MAPシステムの用途拡大
主力モデルであるMAPハンドラの搬送方式多様化を図るべく、新たなバージョンの開発を進めております。これにより、従来対応が困難であった形状やサイズへの対応が可能となり、装置の用途拡大と市場競争力の強化を見込んでおります。
(4) ストリップハンドラ
市場ニーズの高まりが見込まれるモデルを新たにラインナップするため、ICを個片化する前の短冊形状の状態のまま搬送する方式のハンドラを開発中であります。