第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、

① 社会のニーズに応える快適環境の創造

② 未来をみつめ独自性を誇りうる技術の展開

③ 考え挑戦するいきいき人間企業の実現

を経営理念の柱に掲げ、総合設備企業として事業を展開している。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 今後の景気見通しについては、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、米国の関税政策の影響で国内外の経済情勢は急速に不透明感が増している。建設業界においては、公共投資は堅調な推移が見込まれ、足元の民間設備投資は好調な企業業績を反映し高水準にあるものの、製造業を中心とした設備投資や原材料価格などの動向が懸念されており、今後の受注環境に与える影響について注視していく必要がある。

 このような状況のもと、当社グループは、2023年4月に策定した中期経営計画2027の3年目を迎える2025年度においては、さらなる成長を目指すために、基本方針に基づいて次の主な取り組みを推進していく。

 成長が見込まれる分野(カーボンニュートラル、DX関連)やエリア(首都圏、近畿圏、アジアなど)において、戦略的に営業活動を展開して受注拡大を図る。さらには、柔軟な施工体制を構築するとともに、グループ一体でのバリューチェーンを強化し、収益拡大に取り組んでいく。

 今後、労働力人口の減少が見込まれるなか、人材の確保と育成が喫緊の課題と考えている。積極的な採用活動を展開するとともに、かいぜん活動やDXによる生産性向上、時間外労働削減に取り組んでいく。さらには、人材育成の強化、エンゲージメント向上、協力会社を含めた施工体制の整備などにより、会社の成長の源泉である人材の質と量の充実を図る。

 設備工事を中核事業とする当社グループにとって、安全の追求は創業以来変わることのない、重要なテーマである。絶対に災害を発生させない企業風土を確立していく。

 さらに、お客さまのニーズに応え、品質の向上、技術研究開発の強化に取り組むことにより、お客さまから選ばれる企業にしていく。

 加えて、グループを挙げたコンプライアンスの推進、ガバナンス体制の強化、ステークホルダーとの信頼関係強化に取り組み、健全で透明性の高い企業運営に努めていく。

 取引先との共存共栄については、価格交渉機会を確保し、コミュニケーションを一層強化してきた。今後も公平・公正な取引を通じて、信頼関係の構築に努めていく。

 2024年7月には、中部電力㈱が保有する当社普通株式の売出しにより、当社は中部電力㈱の連結子会社から関連会社となった。当社グループとしては、より一層、経営の自立性や機動性を高めていく。

 当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化するなか、暮らしの基盤を支える担い手として、トーエネックの使命(パーパス)「いかなる時も、人や社会に“活力と豊かさ”を生み出す快適環境を創り、守る」に基づき、挑戦や変革を通じてお客さまや社会へ確かな価値を提供し続けることで、持続的な成長を実現していく。

 

 

<中期経営計画2027(2023年度~2027年度)>

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(3)目標とする経営指標

 中期経営計画2027で目標とする経営指標は次のとおりである。

<2027年度数値目標(連結)>

売上高 2,700億円、経常利益 180億円、ROE 8.0%

 

(注) 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、「お客さまと、社会と、人と、共に成長し続ける総合設備企業へ」をビジョンに掲げ、人材の力を最大限に引き出し、確かな技術でお客さまや社会に対して共通価値を創出し続けることで皆さまと共に持続的な成長を達成することを表明している。

 ○お客さまと共に

  お客さまへのお役立ちを追求し期待され、必要とされる価値提供を通じてお客さまと共に成長

 ○社会と共に

  当社の技術を活かした事業展開により社会的課題の解決に貢献し社会と共に持続的に発展

 ○人(仲間)と共に

  安全・安心にいきいきと働ける職場環境を醸成し皆が仕事に『誇り・喜び』を感じ仲間と共に成長を実感

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、ESGの取り組みを推進するため、ESGに関する会社規程等に基づき、基本的な方針及び施策を審議する委員会等を設置している。重要事項は経営執行会議へ付議し決定するとともに、取締役会へ報告し、取締役会が監督するガバナンス体制を構築している。

 

 気候変動に関しては、「トーエネックグループ環境基本方針」の下、基本的な方針及び施策を審議する「環境対策推進会議(議長:社長)」を設置している。

 

 人的資本に関しては、「トーエネックグループ人材戦略方針」及び「人材育成方針」の下、基本的な方針及び施策を審議及びモニタリングする「人材戦略委員会(議長:人事部統括)」を設置している。

 

(2)戦略

 当社グループは、事業や企業運営においてESG経営(三方よし)を実践することで、ビジョンの実現を目指している。

 

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 気候変動に関しては、当社グループの売上高の大半を占める「設備工事業」と「エネルギー事業」を対象範囲に、「2℃シナリオ」と「4℃シナリオ」について、将来の世界観を踏まえ、重要なリスク及び機会を抽出し項目を特定した。

 

<重要なリスク>

 

時間軸

2℃シナリオ※1

4℃シナリオ※2

想定される社会の変化

当社への影響

想定される社会の変化

当社への影響

政策と法

[炭素価格導入によるコスト増]

欧州で既に普及しているカーボンプライシングが日本でも導入

CO2排出量に応じた炭素価格の支払が求められ、コスト増

排出削減の取り組みが遅れ、導入無、あるいは高額な価格設定がされない

炭素価格が導入されないため、影響なし

エネルギー価格高騰

[車両燃料費増]

再エネ普及により化石燃料需要の増加が抑えられ、価格上昇幅が抑制される

化石燃料由来の燃料価格上昇により燃料コスト増

再エネ普及が進まず化石燃料需要が高まり、2℃シナリオと比較してさらに価格上昇が進む

化石燃料由来の燃料価格上昇により燃料コスト増

省エネ基準規制

[建材調達コスト増]

炭素価格が調達する建材の価格に上乗せされる

炭素価格導入により建材調達コスト増

炭素価格が導入されないため、CO2排出抑制に起因する建材の価格上昇無

炭素価格が導入されないため、建材調達コストは変動せず

洪水・高潮被害

[再エネ売電収入減]

2030年まで気温上昇が継続し、現在よりも災害頻度が上昇

災害発生により太陽光発電設備が損壊、稼働停止により売電収入減

2030年時点では顕著な気温差ではないものの、2℃シナリオと比較してさらに災害の頻度、程度が上昇

災害発生により太陽光発電設備が損壊、稼働停止により売電収入減

風水害

[再エネ売電収入減]

降水量、降雨日数が増加し、太陽光発電による発電量が減少、売電収入減

降水量、降雨日数が増加し、太陽光発電による発電量が減少、売電収入減

 

<重要な機会>

 

時間軸

2℃シナリオ※1

4℃シナリオ※2

想定される社会の変化

当社への影響

想定される社会の変化

当社への影響

資源効率性

[車両燃料費減]

CO2排出抑制に向け、乗用車、貨物車等において次世代自動車の普及が進展

小型乗用車、貨物車などの次世代自動車への切り替えにより、車両燃料費減

次世代自動車の普及が遅れ、現状の小型乗用車への普及程度に留まる

小型乗用車の次世代自動車への切り替えにとどまり燃料費削減効果は軽微に留まる

エネルギー源

[再エネ関係工事売上増]

気候変動対策として再エネ利用の機運が高まり、電源構成における太陽光発電、風力発電等の再エネの割合が上昇する

太陽光関連工事、風力発電関連工事の売上増

電源構成に大きな変化なく、化石燃料への依存が継続する

太陽光関連発電、風力発電関連工事は現状程度に留まる

エネルギー源

[再エネ売電収入増]

再エネ導入需要の高まりに応需すべく太陽光発電施設設置を進めることによる売電収入増

再エネ導入需要が変化せず、太陽光発電施設は現状から大きく増加しない

エネルギー源/製品・サービス/市場

[ZEB・ZEH・省エネサポート売上増]

企業のCO2排出削減に向けた意識が高まり、新築物件の殆どがZEB・ZEH等の基準を満たすものとなる

省エネサポート業務強化による、ZEB・ZEH関連工事や省エネ改修工事の受注増

企業のCO2排出削減に向けた意識が現状から大きく変化せず、ZEB・ZEH化ニーズは現状程度に留まる

省エネサポート、ZEB・ZEH関連の工事は現状程度に留まる

製品・サービス/レジリエンス

[災害対応機会増]

気温上昇が継続し、現在よりも災害頻度が上昇する(4℃よりは低)

BCP強化による災害発生時の迅速な復旧工事の対応、機会増

気温上昇が継続し、現在よりも災害の頻度、程度が上昇する

BCP強化による災害発生時の迅速な復旧工事の対応、機会大幅増

※1 国際エネルギー機関(IEA):SDS(Sustainable Development Scenario)などを参照

※2 気候変動に関する政府間パネル(IPCC):RCP8.5などを参照

 

<営業利益への影響評価>

気候関連のリスクと機会が与える財務的影響の評価から、2℃シナリオでは、特に再エネ関係工事及び再エネ売電の利益増加額が大きいため、2030年度の当社の営業利益が増加する結果となった。一方、4℃シナリオでは、当社の営業利益が減少する結果となった。

このシナリオ分析の結果を当社の経営戦略に統合し、特定した機会の拡大及びリスクの低減に向けた取り組みを推進することにより、営業利益の最大化を目指す。

 

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<対応策>

 気候関連のリスクと機会への主な対応策としては、次の取り組みを進める。

① 車両更新時に対象車両は全て電動化する。(電動化に適さない工事用特殊車両等は除く。)

② 事業場の建替等をする際は、太陽光発電設備の設置(創エネ)を前提に検討し、さらに条件が整う場合は、ZEB認証を取得することを目指す。

 

 人的資本に関しては、下記方針を基本的な考え方として社会から必要とされる技術者集団の形成を目指している。

 

[トーエネックグループ人材戦略方針]

当社の原動力であり、成長の源泉は人材です。社会に安心とやさしい環境をお届けするために、人材の投資を更に拡充し、人材の質と量の充実を図っていきます。

 また、多様な人材が、健康で安全にいきいきと働けるよう従業員エンゲージメントを高める施策を積極的に推進していきます。

 こうした取り組みを通して、当社で働く一人ひとりが仕事に誇りと喜びを感じ、社会から必要とされる技術者集団でありたいと考えます。

 

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<トーエネックグループ人材戦略方針における基本姿勢>

①採用

当社が力強く成長し続けていくためには、既存事業の強化及び将来の成長基盤を築くことが必要であり、その実現に向けては、優秀な人材を採用することが不可欠である。そのため、新卒者だけではなく、即戦力となる経験者、そして国籍、性別、障がい、価値観などに関係なく多様な人材の採用を推進していく。

 

②育成

当社の人材育成は、従業員の働きがいの向上と会社の持続的な成長を目的に進めている。人材育成を進めることで、個人の成長が会社の成長となり、それが好循環を生み出していく。人材育成方針の下、従業員一人ひとりが自ら成長する意欲を持ち、知識や技術力そして人間力を高めていくよう人材育成に取り組んでいく。

 

③働きがい・働きやすさ

当社の最も大切なものは従業員である。当社が持続的な成長を果たすためには、従業員一人ひとりが、いきいきと働きがいを感じながら仕事に従事することが必要である。従業員と会社がお互いを理解・信頼できる良い関係性であるよう、これからも従業員のエンゲージメント向上に取り組んでいく。

 

 なお、基本姿勢に基づく主な取り組みについては、当社ホームページにて開示している。(https://www.toenec.co.jp/company/strategy/index.html)

 

 

<社内環境整備>

①安全及び健康に関する方針

当社は、安全健康方針を次のとおり策定している。

[安全健康方針]

共に働く仲間がいきいきと、充実した生活を送ることができるように、安全と健康の確保を経営の最重要事項に位置付け、「労働災害の根絶・心とからだの健康保持増進・働きやすい職場環境づくり」に取り組みます。

この安全健康方針に沿って、持続的な安全健康活動を展開していきます。また、そのために必要な経営資源を投入します。

 

[安全健康行動基準]

全ての役員・従業員は、「自分のため、家族のため、共に働く仲間のため」に次のとおり行動します。また、その行動を互いに尊重し、対話と協調により安全と健康への意識を高めます。

1.安全と健康を最優先します。

 ▶ 業務を進めるにあたり様々な条件や制約等がある中でも、常に、働く人の安全と健康の確保を最優先に考え判断・行動します。

2.ルールを理解し、必ず守ります。

 ▶ 法令、規程、マニュアル等、安全や健康に関わる様々なルールと、それを実践する技術・技能の習得に努めます。その上で、必ずルールに基づいて行動します。

3.安全と健康の確保に向け、自ら考え、行動します。

 ▶ 安全と健康は「自らの行動でつくり上げるもの」であることを意識し、継続的な活動を自ら進んで実践します。

4.仲間の不安全行動や不調のサインを見逃しません。

 ▶ 仲間の行動や様子に関心を持ち、不安全行動は即座に正し、協力会社の方々を含め地位や立場を超えて発言・行動します。また、心身の不調のサインを見逃さず、早期に対応します。

5.リスクの洗い出しを行い、災害の未然防止を図ります。

 ▶ 災害に繋がるあらゆるリスクを洗い出し、回避もしくは低減する方法を検討して、確実に実践します。

6.問題の原因を追究し、対策を充実させます。

 ▶ 災害や失敗を繰り返さないために、真の原因を明らかにして、人・モノ・仕組み等あらゆる側面から効果的な対策を講じます。

 

また、当社は、「安全健康方針」に基づき健康経営を推進している。

 社長を健康経営の推進責任者とし、労働組合や健康保険組合と連携して、当社で働くすべての人が心身ともに健康で自らの持つ能力を十分に発揮できるよう健康経営を推進しています。毎年実施しているストレスチェックでは受検率の維持向上と総合健康リスクの低減に取り組んでいます。また、健康診断や生活状況調査の結果に基づく保健指導や健康づくり運動を実施しています。

 取り組みの結果、経済産業省・日本健康会議が主催する「健康経営優良法人認定制度」において、優良な健康経営を実践している企業として「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されました。(2年連続)

 

②多様な人材活躍推進に関する方針

ア 目的

『多様な人材』がいきいきと活躍できる魅力ある企業を創造する。

 

イ 目標

(ア)いきいきと働ける企業風土の醸成

それぞれの能力と価値観を認め合い、支え合う企業風土を醸成

(イ)ワーク・ライフ・バランスの推進

育児、介護、地域活動など仕事以外の責任と要望を果たし得る労働条件を再整備

(ウ)「多様さ」の活用による競争力の向上

性別、年齢などに関わらず、誰もが能力を最大限発揮できる職場環境を整備し、競争力を向上

 

 

ウ 目指すべき姿

多様性は人的資本の確保や価値向上において重要な要素であることから、2027年度に向けた目指すべき姿や目標をまとめた『ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン2027(DE&I 2027)』を策定している。

多様な人材活躍推進のための実施方針に基づき、多様性の確保・浸透のみならず、 それらを更に発展させ『多様性を受け入れ、認め合い、共に活躍・成長できる職場環境づくり(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)』に向け、着実に取り組んでいく。

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エ 考え方・具体的な取り組み及び指標

(ア)女性活躍

多様さの活用による競争力向上を掲げ、性別、年齢等に関わらず、誰もが能力を最大限発揮できるよう環境整備を進めている。意思決定に関わる女性社員を増やすための、キャリア意欲醸成に向けた活動や、働き続けるための環境整備を整えて、女性管理職数の目標値を設定し、性別問わず個々の個性と能力を十分に発揮できる活力ある組織を目指す。

(2022年度)あいち女性輝きカンパニー表彰企業優秀賞

(2024年度)えるぼし認定〔最高評価3つ星〕

 

(イ)ワーク・ライフ・バランス

従業員が仕事と自分の時間のバランスを取り、充実した日々を過ごせる会社を目指し、「自分の時間を大切にできる会社」として全社一体となって働き方改革に取り組んでいる。また、男性育休取得率や介護離職者数の目標を設定し、育児・治療・介護と仕事の両立支援の制度導入や支援ツールの充実と意識啓発による職場風土づくりを行っている。

(2022年度)名古屋市子育て表彰企業優秀賞

 

(ウ)障がい者雇用

誰もが多様な個性や、特性を理解し合い、共に助け合い、工夫して、人に優しい職場風土を目指し、定着と能力発揮に向けた本人・サポート者支援の継続や研修の実施、就労農園の活用により雇用拡大と障がい者理解への意識醸成に取り組んでいる。

また、障害者技能競技大会出場機会の提供支援により、毎年県大会への出場者があり、全国大会を目指している。

 

 

(3)リスク管理

 当社グループは、重大な影響を与えるESGに関するリスクについて、経営企画部署及び各部門が、経営計画の策定及び重要な意思決定にあたり、毎年定期的かつ必要に応じて把握・評価し、経営執行会議において審議を受けるとともにこれを管理することとしている。また、毎年定期的かつ必要に応じて、取締役会において審議・報告することとしている。

 

 気候変動に関しては、TCFD提言に基づく気候関連のリスクと機会の特定と評価の結果を環境対策推進会議で審議するとともに、特定したリスクと機会に関する対応策の進捗状況の確認を行う。また、「ゼロエミッションへの達成目標」を設定し、排出量をモニタリングしている。

 なお、環境対策推進会議にて、影響が大きいと評価された気候関連リスクは、経営企画部が事務局を務めるグループ全体のリスク管理とも連携している。グループ全体のリスク管理において決定された気候関連のリスク対策は、必要に応じ、環境対策推進会議へ共有される。

 

 人的資本に関しては、要員数や技術力が不足することにより事業計画や各部署の業務執行に支障を来たす恐れがあることから、中長期の要員計画及び教育計画を立案し、経営執行会議において審議を受けるとともに、取締役会において審議・報告することとしている。

 

(4)指標及び目標

 当社は、ESGに関する指標及び目標を定め、ESGの取り組みを推進している。

 

 気候変動に関しては、「ゼロエミッションの達成目標」を定め、目標達成に向けた取り組みを進めるとともに、総合設備企業としての強みを活かし、脱炭素社会の実現に貢献していく。

 

<当社のゼロエミッションの達成目標>

[2030年]

■ 売上高あたりのCO2排出量を2013年度比で46%以上削減します

*上記目標達成に向けた具体的な取り組み内容*

・車両更新時に対象車両は全て電動化します(電動化に適さない工事用特殊車両等は除く)

・事業場の建替等をする際は、太陽光発電設備の設置(創エネ)を前提に検討し、さらに条件が整う場合は、ZEB認証を取得することを目指します

[2050年]

■ CO2排出量ネットゼロを実現します

 

<CO2削減目標と実績>

[単位:t-CO2]

対象

基準年排出量

排出量実績

目標年排出量

2013年度

2023年度

2030年度

原単位※1

874

754(△14%)

471(△46%)

Scope1+2

16,759

18,606

(Scope1※2

9,222

10,383

(Scope2※3

7,537

8,223

Scope3※4

2,534,726

※1 (Scope1+2[t-CO2])/(売上高[百万円])×10,000

※2 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(車両燃料等)

2023年度はトーエネック・トーエネックサービス・旭シンクロテック3社の合計(Scope2、3も同様)

※3 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

※4 Scope1、2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出等)

 

 

 人的資本に関しては、人材戦略に関する指標及び目標を定め取り組みを推進している。

 

<定期採用者数(2025年度入社)>

職種

業務職

技術職

技能職

合計

学歴

大卒

高卒

大卒

高卒

大卒

高卒

男性

10人

0人

10人

77人

40人

117人

73人

73人

200人

女性

21人

2人

23人

3人

0人

3人

26人

31人

2人

33人

80人

40人

120人

73人

73人

226人

※大卒には短大、高専、専門学校を含む

 

定期採用者に占める女性社員の割合(人数)

実績及び目標値

実績

目標値

入社年度

2022年度

2023年度

2024年度

2027年度

割合

(人数)

10.7%

(15人)

12.5%

(17人)

16.8

(23人)

15%以上

 

 

業務職

83.3%

(10人)

66.7%

(8人)

58.1%

(18人)

 

 

技術職

3.9%

(5人)

7.3%

(9人)

4.7%

(5人)

 

 

<経験者採用者>

入社年度

2022年度

2023年度

2024年度

新規採用者における経験者採用者の割合(人数)

10.1%(22人)

13.1%(28人)

13.4%(34人)

社員に占める経験者採用者の割合(人数)

6.2%(268人)

6.4%(275人)

6.8%(314人)

非正規から

正規雇用への転換者数

男性

13人

12人

10人

女性

1人

5人

12人

 

定期採用者の離職率

入社年度

2022年度

(3年目)

2023年度

(2年目)

2024年度

(1年目)

採用者数

192人

195人

224人

離職者数

29人

22人

7人

離職率

15.1%

11.3%

3.1%

 

<障がい者雇用率>

実績及び目標値

実績

目標値

年度

2022年度

2023年度

2024年度

2027年度

障がい者雇用率

2.8%

2.9%

2.8%

2.8%以上

 

 

<知識・技術力の向上に向けた集合教育>

年度

2022年度

2023年度

2024年度

コース数

124コース

131コース

165コース

研修日数合計

1,273日

1,149日

1,954日

延べ受講人数

3,943人

4,051人

4,573人

 

<管理職への登用(女性社員、経験者採用者)>

実績及び目標値

実績

目標値

年度

2022年度

2023年度

2024年度

2027年度

管理職に占める女性社員の割合(人数)

2.3%

(18人)

2.7%

(21人)

2.5

(21人)

4.0

(31人以上)

管理職に占める経験者採用者の割合(人数)

9.1%

(67人)

9.6%

(75人)

10.0

(84人)

 

 

<育児休業及び育児目的休暇の取得率>

実績及び目標値

実績

目標値

年度

2022年度

2023年度

2024年度

2027年度

男性

88.6%

88.9%

91.0%

100%

女性

88.9%

125.0%

92.3%

 

有給休暇の平均取得日数

年度

2022年度

2023年度

2024年度

全体

13.9日

14.7日

14.2

 

業務職

14.9日

15.3日

14.3日

 

技術職

11.9日

13.0日

13.0日

 

技能職

16.7日

17.9日

16.8日

 

月平均の所定外労働時間数

年度

2022年度

2023年度

2024年度

全体

31.2h

27.5h

26.9h

 

業務職

15.4h

15.6h

14.9h

 

技術職

39.7h

33.3h

33.4h

 

技能職

23.5h

20.8h

17.3h

 

平均勤続年数

年度

2022年度

2023年度

2024年度

全体

18.1年

18.5年

18.6

 

男性

17.8年

18.1年

18.3年

 

女性

22.2年

22.1年

21.4年

 

 

<肥満率及び喫煙率>

年度

2022年度

2023年度

2024年度

肥満率(BMI:25以上)

30.9%

31.0%

31.4

喫煙率

28.1%

28.4%

27.5

 

<ストレスチェック実施状況>

年度

2022年度

2023年度

2024年度

受検率

99.8%

99.8%

99.9%

総合健康リスク

84

85

83

高ストレス者率

10.5%

9.9%

10.2%

※職場環境が従業員の健康にどの程度影響があるのかを数値化したもの。

全国平均を100とし、数値が高いほどリスクが高い状態と考えられる。

 

(注)「指標及び目標」については、連結グループに属するすべての会社において同等の取り組みが行われているものではないため、当社単体での記載としている。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがある。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の的確な対応に努める所存である。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)電力会社向け売上高に関するリスク

 当社は、中部電力㈱の関連会社である。中部電力㈱並びにその子会社である中部電力パワーグリッド㈱及び中部電力ミライズ㈱より配電設備の新増設工事や、その他修繕工事等を受注・施工しており、当社の売上高の3分の1程度を占めている。今後、上記3社の事業環境変化に伴う電力設備投資抑制等による工事量変動が見込まれるため、生産性向上などコスト競争力の強化に努めている。

 しかしながら、想定を上回る電力設備投資の抑制及び市場価格等の下落による上記3社との取引価格の低下があった場合には、売上高や利益が低下する恐れがあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(2)一般得意先向け売上高に関するリスク

 一般得意先向けの売上高は、全体の約6割を占めており、建設市場や一般得意先の設備投資などの景気動向に左右される。設備投資抑制による受注高減少や低価格競争に対応するため、新規市場・新規顧客の開拓など受注拡大のための施策を展開している。

 しかしながら、想定を上回る景気の悪化により設備投資の大幅な抑制があった場合には、売上高や利益が低下する恐れがあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(3)完成工事原価の変動に関するリスク

 当社グループの工事原価は、主に材料費、労務費、外注費、経費からなり、受注前原価検討による原価低減や資材の廉価購買などに努めている。

 しかしながら、想定を上回る工事原価の変動があった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(4)重大な不良工事に関するリスク

 当社グループは、安全かつ高品質な施工をお客さまへ提供するために、施工に関するマニュアルや手引の整備、技術教育、現場パトロールの実施など、品質管理の徹底に努めている。

 しかしながら、工事施工に関し、品質上重大な不具合や事故が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(5)保有資産に関するリスク

 当社グループは、事業活動上の必要性から事業用不動産、有価証券等の資産を保有している。事業用不動産に関しては、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるか検証している。また、有価証券等の資産は、その必要性や保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか検証し、適切でない、又は見合っていない場合は売却を行うこととしている。

 しかしながら、事業用不動産の収益性が著しく低下した場合や有価証券等の時価が著しく下落した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(6)取引先の信用に関するリスク

 当社グループは、取引先と契約を締結したうえで契約条項に基づき工事を施工し、工事代金を受領している。契約の際には、取引先の与信管理を行い、不良債権の発生防止に努めている。

 しかしながら、取引先が倒産し、大型不良債権が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(7)取引先との価格交渉・価格転嫁に関するリスク

 当社グループでは、「トーエネックグループ調達基本方針」を策定し、コミュニケーション推進月間を設定するなど、取引先との信頼関係強化に努めている。

 しかしながら、取引先との価格交渉・価格転嫁が適切でないことにより当社の社会的信用が低下した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(8)太陽光発電事業に関するリスク

 当該事業は、通常その事業期間が長期にわたることから、十分な調査及び想定されるリスクの回避・低減の検討を行ったうえでプロジェクトを選定している。

 しかしながら、事業環境に著しい変化が生じた場合や業務遂行上重大な災害・事故等が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。また、事業について自治体や地域住民への説明が十分でない場合は、レピュテーションが低下する可能性がある。

 

(9)国際事業に関するリスク

 当社では、「海外関係会社運営の指針」を策定するとともに、運営・営業及び施工等に関して担当部署による定期的なチェックを実施することにより運営管理やガバナンスの強化に努めている。

 しかしながら、当該国の経済情勢の変化があった場合や不適切な運営管理がなされた場合には、社会規範に反する事象による社会的信用の低下、原価の大幅な増加や遅延賠償金の発生などによる利益の低下が発生する恐れがあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(10)退職給付債務に関するリスク

 当社の退職年金資産の運用にあたっては、中長期的な投資環境を見通し、適正な資産運用ができるよう年金資産運用検討委員会において検討している。

 退職年金資産の運用結果が前提条件と異なる場合、その数理計算上の差異は、発生年度以降の一定の期間で費用処理することとしている。

 しかしながら、退職年金資産の運用利回りの悪化や割引率の低下により、掛金や退職給付費用が大幅に増加した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(11)コンプライアンス等に関するリスク

 当社グループは、関係法令(建設業法・独占禁止法・労働安全衛生法等)、社内規程類及び社会規範を遵守するため、「コンプライアンス宣言」に基本方針と行動基準を定めるとともに、従業員教育などに取り組んでいる。

 しかしながら、関係法令の違反や制定・改廃等への対応遅れによる処分等を受けた場合、また、社会規範に反する事象が発生したこと等により社会的信用が低下した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(12)情報流出に関するリスク

 当社グループでは、個人情報などの重要情報を適切に管理するため、関係法令に則り、社内体制及び情報の取り扱いに関するルールを策定するとともに、情報システムのセキュリティ強化や従業員教育などに取り組んでいる。

 しかしながら、情報が外部に流出し、当社グループの社会的信用が低下した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(13)人的資本に関するリスク

 当社グループでは、「トーエネックグループ人材戦略方針」を策定し、成長の源泉である人材の質・量を高めるため、積極的な採用活動の展開や人材育成の強化、エンゲージメント向上、ダイバーシティの推進に努めるとともに、協力会社を含めた施工体制の維持・強化に取り組んでいる。

 しかしながら、採用数の減少・離職者の増加により施工体制の構築が困難になった場合やベテラン技術者の退職により技術継承が困難になった場合には、売上高や利益が低下する恐れがあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(14)自然災害等の発生に関するリスク

 当社グループは、大規模自然災害や戦争・クーデター・テロ等有事の発生、感染症の世界的流行等による業務中断リスクを抑えるため、事業継続計画などを定めている。

 しかしながら、大規模自然災害や戦争・クーデター・テロ等有事の発生、感染症の世界的流行等により、人的・物的被害の発生や物流網の寸断による資材調達の停滞、人員不足による工事の中断・遅延や世界的景気の悪化などによる受注高・利益の低下の事態が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

(15)気候変動に関するリスク

 当社グループでは、「トーエネックグループ環境基本方針」を策定し、環境保全に積極的に取り組むとともに、脱炭素社会の実現に向けて地球温暖化防止を推進し、事業活動を通じて脱炭素化を目指し取り組みを進めている。また、当社グループは2022年4月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、気候変動による事業への影響を想定し、リスクマネジメントを強化するとともに、対策と事業戦略を一体化していくための取り組みを開始している。

 しかしながら、当社グループにおいて脱炭素社会に向けた取り組みの遅延により、環境経営を推進する得意先からの受注が大幅に減少した場合や、各種規制、炭素価格の導入等がなされ、資材調達コストが大幅に上昇した場合、また、異常気象に伴い生産性が低下した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性がある。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりである。

 また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)経営成績

 当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復の動きが続いた。建設業界においても、公共投資は堅調であり、民間設備投資は好調な企業収益等を背景に高い水準で推移した。一方で原材料価格の高止まりや供給面での制約などの影響が懸念される状況にあった。

 このような状況のもと、当社グループにおいては中期経営計画2027(2023年度~2027年度)の目標達成に向け、お客さまや社会と共に成長し続けていくために取り組むべき施策を4つの基本方針(①成長分野への挑戦、②既存事業の深化、③人材投資の更なる拡充、④経営基盤の強化)として掲げ、推進している。

 そして、基本方針を力強く推進するための3つの重要なテーマ(カーボンニュートラルへの取り組み、デジタル化・DXの推進、人材の確保・活躍推進)を成長ドライバーに位置付け、当期は将来を見据えたエリア戦略の展開、グループ一体でのバリューチェーンの強化、柔軟な施工体制の構築、積極的な技術者の採用、人材育成の強化、働き方改革及びかいぜん活動の推進等の諸施策を進めてきた。

 また、企業の存続にはお客さまや社会との信頼関係が不可欠であることから、安全・品質の確保やコンプライアンスの推進、ガバナンスの強化等にも継続的に取り組んできた。

 この結果、当期の業績は、売上高は配電線工事や屋内線工事に加え、大型太陽光発電工事案件が順調に進捗したことなどにより増収となった。利益面については、海外子会社のTri-En TOENEC Co.,Ltd.における利益低下やのれんの減損損失の計上などがあったものの、当社個別における増収に伴う利益増加や工事採算性の向上、政策保有株式の売却などにより、増益となった。

 

〔連結業績〕

売上高

270,966

百万円

(対前期比     7.2%増)

 

営業利益

16,041

百万円

(対前期比     0.8%増)

 

経常利益

15,360

百万円

(対前期比     21.1%増)

 

親会社株主に帰属する当期純利益

10,765

百万円

(対前期比     15.2%増)

 

 

 

 

 

〔個別業績〕

売上高

243,849

百万円

(対前期比     8.5%増)

 

営業利益

15,744

百万円

(対前期比     16.8%増)

 

経常利益

15,292

百万円

(対前期比     14.5%増)

 

当期純利益

9,661

百万円

(対前期比     11.3%増)

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。

〔設備工事業〕

 設備工事業は、配電線工事や屋内線工事に加え、大型太陽光発電工事案件が順調に進捗したことなどにより、売上高254,197百万円(前期比8.0%増)、セグメント利益(営業利益)20,334百万円(前期比13.0%増)となった。

 

〔エネルギー事業〕

 エネルギー事業は、太陽光発電の出力制御の影響などにより、売上高12,283百万円(前期比4.8%減)、セグメント利益(営業利益)2,811百万円(前期比27.5%減)となった。

 

〔その他〕

 その他の事業は、売上高9,421百万円(前期比6.1%増)、セグメント利益(営業利益)550百万円(前期比10.9%増)となった。

 

 

 

(2)財政状態

 当社グループの財政状態については、総資産は310,561百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,630百万円の増加となった。これは、流動資産においては現金預金の増加(4,751百万円)、受取手形・完成工事未収入金等の増加(5,789百万円)など、固定資産においては投資有価証券の減少(3,208百万円)などによるものである。

 負債は173,879百万円となり、前連結会計年度末に比べ88百万円の増加となった。これは、流動負債においては支払手形・工事未払金等の増加(6,605百万円)、短期借入金の増加(4,245百万円)など、固定負債においては長期借入金の減少(1,082百万円)、リース債務の減少(5,349百万円)、退職給付に係る負債の減少(3,881百万円)などによるものである。

 純資産は136,681百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,541百万円の増加となった。これは、利益剰余金の増加(6,289百万円)、その他有価証券評価差額金の減少(2,399百万円)、退職給付に係る調整累計額の増加(2,012百万円)などによるものである。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度と比較して2,280百万円増加し、40,299百万円となった。

 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(16,202百万円)、減価償却費(10,430百万円)、売上債権の増加(2,737百万円)、仕入債務の増加(3,755百万円)、法人税等の支払(6,871百万円)などにより、19,014百万円の資金増加(前連結会計年度は19,118百万円の資金増加)となった。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入(2,612百万円)、有形固定資産の取得による支出(6,153百万円)などにより、3,082百万円の資金減少(前連結会計年度は2,060百万円の資金減少)となった。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加(2,498百万円)、リース債務の返済による支出(8,071百万円)、配当金の支払(4,471百万円)などにより、13,670百万円の資金減少(前連結会計年度は9,903百万円の資金減少)となった。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりである。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、設備工事業における材料費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用である。また、投資を目的とした資金需要のうち主なものは、当社新本店ビルの建替え、設備工事業における当社事業場の新築によるものである。

 運転資金は、主として営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入れにより資金調達を実施している。長期資金は、営業活動によって得られた自己資金を充当するほか、金融機関からの借入れ、社債発行及びファイナンス・リース等による資金調達を実施しており、多様な調達手段の確保及び返済期日の分散化に努めている。なお、当連結会計年度末における有利子負債は、91,167百万円となっている。

 営業活動によって得られた資金は、上記のとおり、運転資金や長期資金に充当するほか、「第4[提出会社の状況]3[配当政策]」に記載のとおり、連結配当性向30%以上の業績に応じた利益還元を行うこととしている。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5[経理の状況] (1)[連結財務諸表] [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであるが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える重要な見積りは次のとおりである。

 

① 完成工事高及び完成工事原価の計上

 当社グループは、設備工事業における工事契約において、一定の期間にわたり充足される履行義務については、期間がごく短い工事契約を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積もり、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識している。なお、進捗度の見積りは、実施した工事に関して発生した工事原価が、完成までに予想される工事原価総額に占める割合(インプット法)を使用している。決算日における履行義務の充足に係る進捗度の見積りは、施工部署が作成した実行予算を基礎としており、発注者又は外注業者等との間で行われた協議の結果に関する情報を主要な仮定として織り込んでいるが、経済状況による材料費・外注費の変動や設計変更などに伴いその見積りが変更された場合には、当該連結会計年度においてその影響額を損益として処理することとなる。

 

② 工事損失引当金

 当社グループは、将来の工事損失の発生に備えるため、工事損失が確実視される場合に、当連結会計年度末において合理的に見積もることができる工事損失見込額を工事損失引当金として計上している。工事損失引当金の計上にあたっては、期末時点で入手可能な情報に基づき最善の見積りを行っているが、工事の進捗遅延による経費の増加、想定外の労務費や資材価格の高騰などにより、追加損失が発生する可能性がある。

 

③ 固定資産の減損

 当社グループは、固定資産の収益性の低下により、固定資産の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。

 固定資産の回収可能価額について、期末時点で入手可能な情報に基づき最善の見積りを行っているが、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や将来キャッシュ・フローなどの前提条件に変化があった場合、固定資産の減損を実施する可能性がある。

 

④ 退職給付債務及び退職給付費用

 退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されており、これらの前提条件には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率等が含まれている。当社グループは、この数理計算上で設定された前提条件は適切であると考えているが、実績との差異又は前提条件自体の変更により、退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性がある。

 

⑤ 貸倒引当金

 当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上している。貸倒引当金の計上にあたっては、期末時点で入手可能な情報に基づき最善の見積りを行っているが、債権に影響を与える予測不能な状況の変化などにより、追加引当が必要となる可能性がある。

 

⑥ 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産の計上に際して、将来の課税所得の見積りに基づいて回収可能性を検討しており、回収が不確実と考えられる部分については、評価性引当額として繰延税金資産を計上していない。繰延税金資産の回収可能性の検討にあたっては、期末時点で入手可能な情報に基づき最善の見積りを行っているが、経済環境の変化や収益性の低下などにより将来の課税所得が見込みを下回る場合、繰延税金資産を減額する可能性がある。

 

(5)受注及び売上の状況

 受注及び売上の状況は、次のとおりである。

① 受注実績

 セグメントの名称

 前連結会計年度

(自 2023年 4月 1日

  至 2024年 3月31日)

 (百万円)

 当連結会計年度

(自 2024年 4月 1日

  至 2025年 3月31日)

 (百万円)

設備工事業

226,894

255,697

(12.7%増)

エネルギー事業

その他

合計

226,894

255,697

(12.7%増)

 

② 売上実績

 セグメントの名称

 前連結会計年度

(自 2023年 4月 1日

  至 2024年 3月31日)

 (百万円)

 当連結会計年度

(自 2024年 4月 1日

  至 2025年 3月31日)

 (百万円)

設備工事業

235,447

253,969

(7.9%増)

エネルギー事業

12,901

12,283

(4.8%減)

その他

4,514

4,714

(4.4%増)

合計

252,863

270,966

(7.2%増)

(注)1 当社グループ(当社及び連結子会社)では設備工事業以外は受注生産を行っていない。

2 当社グループ(当社及び連結子会社)では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。

3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先の売上高及びその割合

期別

相手先

売上高(百万円)

割合(%)

前連結会計年度

中部電力グループ(※)

77,790

30.8

当連結会計年度

中部電力グループ(※)

82,040

30.3

※ 中部電力グループ:中部電力㈱、中部電力パワーグリッド㈱、中部電力ミライズ㈱

4 上記の金額は、セグメント間の取引について相殺消去後の数値である。

 

 なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

 

設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況

① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

 前事業年度

(自 2023年 4月 1日

  至 2024年 3月31日)

配電線工事

5,300

73,705

79,006

73,449

5,556

地中線工事

7,890

11,565

19,456

9,025

10,431

屋内線工事

81,915

85,541

167,456

82,696

84,760

空調管工事

25,970

17,732

43,703

22,720

20,982

通信工事

12,825

16,378

29,203

19,681

9,521

133,902

204,923

338,826

207,573

131,252

 当事業年度

(自 2024年 4月 1日

  至 2025年 3月31日)

配電線工事

5,556

75,872

81,429

79,399

2,030

地中線工事

10,431

9,084

19,516

14,905

4,610

屋内線工事

84,760

94,285

179,045

92,628

86,417

空調管工事

20,982

23,794

44,776

22,242

22,533

通信工事

9,521

18,303

27,825

18,019

9,806

131,252

221,341

352,593

227,195

125,398

(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

 工事受注方法は、特命、競争及び中部電力パワーグリッド㈱との配電関係工事請負契約に大別される。

期別

区分

特命

(%)

競争

(%)

請負契約

(%)

(%)

 前事業年度

(自 2023年 4月 1日

  至 2024年 3月31日)

配電線工事

7.4

0.0

92.6

100

地中線工事

59.9

40.1

100

屋内線工事

28.1

71.9

100

空調管工事

32.9

67.1

100

通信工事

77.4

22.6

100

 当事業年度

(自 2024年 4月 1日

  至 2025年 3月31日)

配電線工事

5.4

0.0

94.6

100

地中線工事

96.5

3.5

100

屋内線工事

42.2

57.8

100

空調管工事

19.7

80.3

100

通信工事

72.2

27.8

100

(注) 百分比は請負金額比である。

 

③ 完成工事高

期別

区分

中部電力

グループ

(※)

(百万円)

官公庁

(百万円)

一般民間会社

(百万円)

合計

(百万円)

 前事業年度

(自 2023年 4月 1日

  至 2024年 3月31日)

配電線工事

68,371

29

5,048

73,449

地中線工事

4,458

14

4,552

9,025

屋内線工事

662

1,585

80,448

82,696

空調管工事

2,143

69

20,507

22,720

通信工事

22

366

19,293

19,681

75,658

2,064

129,850

207,573

 当事業年度

(自 2024年 4月 1日

  至 2025年 3月31日)

配電線工事

72,117

26

7,254

79,399

地中線工事

5,092

37

9,775

14,905

屋内線工事

820

1,660

90,147

92,628

空調管工事

1,872

164

20,205

22,242

通信工事

86

1,817

16,115

18,019

79,990

3,706

143,498

227,195

※ 中部電力グループ:中部電力㈱、中部電力パワーグリッド㈱、中部電力ミライズ㈱

(注)1 前事業年度の完成工事のうち主なもの

大和ハウス工業㈱

IAI庵原新工場新築工事

大成建設㈱

春日・後楽園駅前地区再開発(南街区)SA棟・SC棟

清水建設㈱

(仮称)TTMプロジェクト

新生テクノス㈱

新幹線地中送電線(綱島・大崎線)取替

中部電力パワーグリッド㈱

岐阜ビル空調設備改良工事

当事業年度の完成工事のうち主なもの

㈱大林組

半田市立半田病院新病院建設工事

大成建設㈱

㈱みずほ銀行中目黒センター建替計画

柏崎ソーラー合同会社

柏崎市西山太陽光発電所建設工事

鹿島建設㈱

三井不動産㈱(仮称)三井リンクラボ新木場3新築計画

㈱シーエナジー

半田市立半田病院新病院エネルギーサービス事業

(機械設備工事・電気設備工事)

 

2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先の完成工事高、兼業事業売上高及びその割合

期別

相手先

完成工事高

兼業事業売上高

合計

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

前事業年度

中部電力グループ(※)

75,658

33.7

2,078

0.9

77,737

34.6

当事業年度

中部電力グループ(※)

79,990

32.8

1,992

0.8

81,983

33.6

※ 中部電力グループ:中部電力㈱、中部電力パワーグリッド㈱、中部電力ミライズ㈱

 

④ 次期繰越工事高(2025年 3月31日現在)

区分

中部電力

グループ(※)

(百万円)

官公庁

(百万円)

一般民間会社

(百万円)

合計

(百万円)

配電線工事

96

2

1,931

2,030

地中線工事

1,876

50

2,683

4,610

屋内線工事

402

1,833

84,181

86,417

空調管工事

4,611

476

17,446

22,533

通信工事

51

1,038

8,716

9,806

7,038

3,401

114,959

125,398

※ 中部電力グループ:中部電力㈱、中部電力パワーグリッド㈱、中部電力ミライズ㈱

(注) 次期繰越工事のうち主なもの

㈱大林組

トヨタ自動車㈱下山電池工場建設工事

2025年 9月完成予定

鹿島建設㈱

三井不動産㈱(仮称)八重洲二丁目中地区第一種市街地

2029年 1月完成予定

再開発事業新築工事

合同会社FSPS八風

FSPS佐久市八風太陽光発電所建設工事

2025年 9月完成予定

北野建設㈱

オリンパス㈱技術開発センター石川O3プロジェクト

2025年11月完成予定

Phase3,4工事

公立大学法人名古屋市立大学

名古屋市立大学病院 救急・災害医療センター(仮称)

2025年12月完成予定

新築電気工事(その2)

 

兼業事業における売上高の状況

 区分

 前事業年度

(自 2023年 4月 1日

  至 2024年 3月31日)

 (百万円)

 当事業年度

(自 2024年 4月 1日

  至 2025年 3月31日)

 (百万円)

エネルギー事業

12,901

12,283

商品販売

 

 

電線類

1,049

1,038

その他工事用材料

3,105

3,293

その他

27

39

商品販売計

4,183

4,370

 計

17,084

16,653

(注) 当事業年度における商品販売先は同業者79.8%、その他20.2%となっている。

 

5【重要な契約等】

(1)企業・株主間のガバナンスに関する合意

   該当事項なし。

(2)企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意

   該当事項なし。

(3)ローン契約と社債に付される財務上の特約

   財務制限条項が付された借入金契約は、次のとおりである。

契約締結日

2018年9月12日

2018年9月20日

2020年3月24日

2020年12月28日

2021年6月28日

相手方の属性

都市銀行

都市銀行

都市銀行

都市銀行

期末残高

15,149百万円

3,000百万円

1,150百万円

2,000百万円

弁済期限

2028年9月29日

2035年3月27日

2030年12月30日

2031年6月30日

担保の有無

なし

なし

なし

なし

財務制限条項

①本契約締結日又はそれ以降に終了する各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日又は2018年3月に終了する決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持すること。

②本契約締結日又はそれ以降に終了する各年度の決算期の連結の損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失を計上しないこと。

①本契約締結日又はそれ以降に終了する各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日又は2019年3月に終了する決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持すること。

②本契約締結日又はそれ以降に終了する各年度の決算期の連結の損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失を計上しないこと。

①2021年3月末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、2020年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当する金額、又は直近の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。

②2020年3月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結損益計算書において、2期連続して経常損益を損失としないこと。

①2021年3月末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、2020年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当する金額、又は直近の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。

②2021年3月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結損益計算書において、2期連続して経常損益を損失としないこと。

(注) 財務制限条項に抵触した場合、多数貸付人の請求に基づく当社への通知により、契約上の全ての債務について期限の利益を喪失する可能性がある。この場合、当社の社債についても連動して期限の利益を喪失する可能性がある。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループにおける研究開発活動は、提出会社においてのみ行っており、連結子会社においては行っていない。

 

 当社は、「独自技術の展開」という経営理念に基づき、付加価値の創出に資する技術研究開発、及び効率化に資する技術研究開発を基本方針とし、カーボンニュートラル社会の実現、新規事業の創出、技術力の向上を目的とした研究開発に取り組んでいるほか、設計・施工・保守等の業務効率化、安全性の向上、施工品質の向上を目的とした研究開発を推進している。

 当連結会計年度における研究開発費は、540百万円である。

 

〔設備工事業〕

技術研究開発部における主な研究開発

(1)クラウド版ToEMSの開発

 当社は独自のエネルギーマネジメントシステムToEMS(Toenec Energy Management System;トエムス)を開発・販売しており、2024年度にはクラウド対応の新システムを開発した。このシステムは従来よりも中小規模事業場向けに導入しやすいように、太陽光発電の利活用状況やデマンドの監視などに機能を絞っている。まずは当社事業場への導入を進めており、エネルギーの有効利用を推進する。将来的には、このシステムの外部販売も視野に入れ、お客さまと共に持続可能なエネルギー社会の実現を目指す。

 

(2)安全性向上に関する研究開発

 当社は安全性向上を目的とし、交通災害防止と作業災害防止に資する研究開発を進めている。交通災害防止に関する研究開発では、AIドライブレコーダによるわき見運転の検知精度向上、運転画像データを活用した運転管理者による安全指導効率化を図るシステムを開発している。作業災害防止に関する研究開発では、作業予定内容に基づき、AIを活用して社内外の過去の災害事例から危険事象を抽出・表示する「災害事例検索システム(仮称)」を開発している。これらの取り組みにより、事故の未然防止と安全な作業環境の実現を目指す。

 

工事施工部門における主な研究開発

(1)架空配電線作業のDXに関する研究

 「使用工具、機材、作業者の状態及び施工結果などの現場管理情報をデータ化(視える化)」、「状態の良否判断(異常発生時の警報含む)」を人による確認から機械による判定やアラームへ変更することを目的に、IoT技術を活用したAI画像解析(圧縮後のスリーブ状態の判定)、タブレットによる一元管理を実現するために必要な情報の取得やリアルタイムで各種情報の送受信が可能となるネットワーク構成について、既存技術を組み合わせることで理論上可能であることを確認できた。

 今後については、「スマート活線警報機(仮称)」と同様に必要な情報の取得及び送受信の実現性を確認するための試作機(情報の授受を確認するための簡易アプリ含む)の開発を進める。

 

(2)車両・工具の最適化に関する研究

 不具合事象として現場作業中に発生した高圧バイパスケーブルの破断事象、2軸操作棒の破断事象及び検電検相機能付き遮断機不具合事象の原因究明を実施し、発生メカニズムの究明のうえ、再発防止策を立案・現場展開まで完了した。2025年度についても不具合事象の原因究明のため継続して実施する。

 工具の最適化施策としては、営業所TPSで立案された電柱切断台座について各種試験を実施し、劣化速度や耐久性能を確認することで、安全性能を立証することができた。

 安全衛生面では酷暑期の対策用品として、空調服に加え、汎用品の水冷服・ペルチェベストによる組み合わせで検証し、体温変化等に対しての有効性を確認した。

 

〔エネルギー事業〕

 研究開発活動は特段行っていない。

 

〔その他〕

 研究開発活動は特段行っていない。