第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

◎ DENSAN VALUES(電算の価値観)

<Corporate Mission(会社の使命)>

1.5歩進んだ情報技術を、豊かな発想と情熱で活用することにより「お客さまにワンランク上の仕事を」「人々の生活に便利さを」提供する

 

<Business Values(仕事の価値観)>

① お客さまにとって「頼りになる企業」になろう

電算の事業である情報サービス分野は、お客さまの仕事の中枢を担うものです。電算は、お客さまにとって真に役立つサービスを長期的に提供する事ができる「頼りになる企業」になります。

② 高い志を持ち、自ら創り出す事ができる社員になろう

お客さまに高いサービスを提供するためには、一人ひとりが担当分野のプロフェッショナルになる必要があります。私たちは高い志・夢を持ち、その実現に向けてチャレンジします。

そして、チーム・個人自らが、主体的にビジョン、高い目標を持ち、具体的に実行し、結果に対し責任を持ちます。

③ 誠実でフェアであり続け、誇り高い行動をとろう

電算は、誠実でフェアな企業であり続け、社員は誇りを持ち正直な行動をとります。

④ 仕事に感動を吹き込もう

私たちが目指すのは、お客さまからの高い評価や、目標を達成した時に得られる感動ある仕事です。そのために「仕事への想い」「仕事を通じての成長」「明るいコミュニケーション」を大切にします。

⑤ 利益ある事業成長を目指そう

利益は、お客さまが私たちの仕事を評価してくれた結果であり、社員の生活の向上、企業成長のための投資、株主へのリターン、社会貢献のための原資です。

そのため電算は、利益ある事業成長を目指します。

 

<Corporate Vision(目指す企業像)>

「輝く会社」「輝いている社員」「輝ける仕事」

 

(2) 経営戦略等

情報サービス産業は、1950年代のコンピューターの民間利用拡大を契機に、ソフトウェア開発の拡大、アウトソーシング化、インターネットやクラウドコンピューティングの普及、AI(※)やXR(※)等情報通信技術(ICT)・デジタルを利用したテクノロジーの浸透と、急速な発展を遂げております。携帯電話やインターネットの普及により、デジタル技術は私たちの日常生活をより便利なものにし、また、地方公共団体や企業などにおいても効率的な業務やサービス実現に向け、システムインテグレーションが必要不可欠なものになっております。

今後につきましては、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」等の政府による各種施策の推進、それに伴う国・県・市区町村等の動きの加速化とニーズの拡大、国内労働力人口の減少や業務負担軽減のためのDX(※)推進等、ビジネス環境の変化が見込まれております。特に、当社の主力分野である公共分野において、政府は原則として2025年度末までに標準仕様に準拠した基幹業務システムへの移行を地方公共団体に求めており、当社グループをとりまく環境が大きく変化しております。

 

当社グループは、1990年に通産省よりシステムインテグレーターの認定を受け、2003年には自社のデータセンターを建設し、時代の流れとともに変化する、ホスティング、C/S(※)、Webアプリケーション(※)、クラウドコンピューティング等のソフトウェア形態に合わせて、システムの世代交代を重ねてきました。システム提供だけでなく、顧客の業務を把握し、要求に合わせ、課題解決のためのコンサルティングから設計、開発、運用・保守までを一貫して請け負うワンストップトータルソリューションを提供しております。

 

これまで当社グループでは、甲信越地域を中心とした導入実績に基づくブランド力、全国の提携パートナーと連携した営業力、50年以上の実績による提案力、お客様の要望に対し柔軟にカスタマイズできる対応力、自社データセンターを保有し、豊富な運用実績に裏付けされた高いセキュリティ技術力、長野県に本社を置く情報通信サービス企業として唯一の上場企業、といった強みを生かし、成果を積み上げてまいりました。現在、ICTは生活においても、仕事においても欠かせない重要な要素となっています。当社グループはAIなど先端技術にも積極的に取り組んでおり、デジタル化やDXを通して、お客様に新しい価値を提供し続けています。

今後も地方が生き残り、持続可能な成長を続けるためにはデジタルの力は不可欠であり、当社グループはそのソリューションを提供し続ける企業として存在する必要があると考えております。お客様の期待に応え、既存事業を強化するとともに、環境変化に対応した新製品開発や新技術への対応に積極的にチャレンジし、飛躍的な成長を目指してまいります。

そのために、公共分野におきましては、標準仕様に準拠した総合行政情報システム「Reams」への移行を、2025年度末までに全顧客に対して完了するよう取り組みます。また、「自治体窓口DX」の実現に向けた「書かない窓口」「住民向け情報アプリ」「デジタルスタンプラリー」等の自治体DX推進ソリューションの展開を、引き続き積極的に進めてまいります。産業分野におきましては、主力製品であるリース業務パッケージの新規案件及びリプレイス案件の獲得、生産管理システム・販売管理システム・病院総合情報システムの新規受注、Observe AI・SmartKMS・AIチャットボット・AI-OCR等のAI製品のさらなる拡販を積極的に進めてまいります。さらに、両分野におきまして、協業各社と積極的な交流を図り、新たな顧客への販売機会の獲得と双方の強みを融合した新規事業の開発、専門性を要する分野の開発力の強化につなげてまいります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループはこれまで、情報サービス企業として、地域や企業のデジタル化推進のために寄与してまいりました。これからの高度情報化社会の中で、当社グループの果たすべき使命はますます大きくなると考えております。

今後も急激に進化するデジタル技術への対応、情報化のセキュリティ対策等、顧客ニーズは大きく変化、拡大していくことが予想されます。

当社グループは、このような状況に対応できるよう、全力をあげて下記課題に対応し、経営体質の強化及び業績の拡大を図ってまいります。

 

① 自治体情報システムの標準化・共通化への対応

デジタル庁が進める取組みのひとつである「地方公共団体の基幹業務等システムの統一・標準化」に基づき、地方公共団体は2025年度末までに新システムに移行することが求められています。当社は、国が示す標準仕様に準拠した総合行政情報システム「Reams」について、全顧客の移行を2025年度末までに完了するとともに、行政運営の効率化と住民の利便性向上を実現する自治体DX推進ソリューションの提案活動を引き続き行うことで事業を拡大してまいります

 

② 成長企業の基盤構築

当社グループは今後の成長戦略として、新製品の開発への積極的な投資、首都圏を含む全国エリアへの営業強化、データセンター事業の拡大等を図り、さらに短期及び長期の業績向上に資する新たな製品・サービスを提供します。

産業分野の拡大と収益性の向上に向けて、リース業務パッケージ、販売管理システム等の主力パッケージシステムの業務知識を活かした提案活動による拡販並びに子会社と協業し医療関連システム事業を更に拡大することで、産業分野における安定的・継続的な成長を目指します。

当社グループの長野県・新潟県内(民間企業については本社所在地基準)での売上高は13,290百万円(2025年3月期)と、売上高全体の70.9%を占めており、長野県・新潟県以外への展開が課題です。全国展開を推進するために、当社製品群の競争力を向上させることは無論のこと、提携パートナーとの協働の強化を図ります。

また、公共、産業分野ともに、協業各社との積極的な技術交流・情報交換により、新たな顧客への販売機会の獲得と双方の強みを融合した新技術の開発を通じて、他社に先んじた新たなビジネスモデルの構築を図ります。

上記により継続的かつ飛躍的に業績を拡大することができる体質を持った成長企業としての基盤を構築します。

 

③ 既存事業の競争力強化

日々変化する顧客ニーズを的確に把握すること及び原価低減により、製品の収益性を向上させることが、製品・品質の優位性を保ち、当社グループ製品群の競争力を向上する上で大きな課題です。

当社グループは、顧客ニーズを的確かつ継続的に把握するため、当社グループ製品を日々利用されている顧客との情報交換会を行っております。当情報交換会は、顧客と当社グループサービス開発担当者が定期的に打合せをするもので、ユーザビリティの改善、顧客満足度の向上に役立っています。

当社グループの主力分野の1つである地方公共団体向けのソリューションサービスは、国家主導でのデジタル化や業務改革(BPR)の強力な推進が顕著な分野であります。この流れの中で、当社はデジタルサービスを取り入れた新たな業務フローの設計とアウトソーシングを検討してまいります。また、行政運営の効率化と住民の利便性向上を実現する自治体DX推進ソリューションの提案や、観光分野向けの新サービス等の企画、提案を通して、新たな事業機会を創出してまいります。

 

④ システム開発の品質・生産性向上

当社グループでは会社の製品に対する品質・生産性の向上の推進並びに品質管理を担当する部署を中心に、総合行政情報システムを含む当社製品の品質対策と生産性の向上を図っております。社会や顧客からの信頼と期待に応える品質の追求と実現に向け、進捗状況の監視等の管理に加えて、品質改善に直接つながる開発プロセスの運用指導を実施することで、プロジェクト全体の品質・生産性の向上を目指し、安定したシステムとサービスを提供してまいります。

なお、システム開発において、予定開発工数を超過することが見込まれる場合には、原因究明を行い、稟議書や取締役会による承認を取ることとしております。また、今後各種の対策を実施することにより、更なる生産性の向上を図り、開発工数の削減に努めてまいります。

 

⑤ DX人材の確保及び積極的な人材育成

当社グループにとって、人材は価値創出の原動力であり、最大の資本です。積極的な事業展開及び企業成長のために、一定水準以上のスキルを有する優秀な技術者の確保が不可欠であり、人材の確保は最重要の課題です。このような状況のもと、当社グループでは継続的に優秀な人材を採用していくために、採用基準のレベルアップを前提として、新卒・中途採用の区別なく通年で必要な人材を求める採用方針を適用しています。さらに、今後増加が見込まれるシニア層が、継続して活躍し続けるための施策を実施し、スキルを持つシニア層の、長期にわたる更なる能力発揮と貢献を促します。

また、優秀な人材の確保と併せ、社員の人材育成さらには社員一人当たりの生産性向上を目指します。高度情報セキュリティ技術者、システム開発技術者の技術力向上と、営業・管理部門の専門知識の向上を図り、サービス力・顧客対応力・提案力等の総合力が顧客及び業界から評価される企業を目指します。

 

⑥ 新技術の調査研究とサービス提供

情報サービス関連分野は、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、変化が激しい業界となっております。当社グループでは、引き続き拡大が見込まれるクラウドサービスを核に、生成AI(※)を含むAI、IoT(Internet of Things)(※)、RPA(※)等の各領域を連動させ、成長領域に対する新たな製品・サービスを企画、新規事業としての展開を図ってまいります。また、デジタル化・オンライン化等、DXの新たな事業モデルを検討・企画し、事業の具現化に向けての活動を推進することで、顧客や社会からのDXニーズへの的確な対応を行ってまいります。

協業各社とは、積極的な交流を継続して図り、新たな顧客への販売機会の獲得と双方の強みを融合した新規事業の開発、専門性を要する分野の開発力の強化を図ります。

 

⑦ データセンターでの提供サービスの充実

当社データセンターで提供しているデータセンターサービスの売上のうち47.3%(2025年3月期)がハウジングサービスとなっています。より顧客の利便性を高め、コスト削減、安全性の確保等のニーズに応えるため、データセンターを活用したクラウドサービス、仮想サーバーサービス等の充実が課題です。データセンターのクラウドサービス拡販と顧客の既存システムのクラウド化提案によるデータセンター事業の拡大にも引き続き注力し、ストックビジネスの強化につなげてまいります。さらに、データセンター事業については、自治体情報システムの標準化・共通化に伴うガバメントクラウドと当社データセンターの併用や、環境に配慮したデータセンターサービスの提供など、顧客が求める新たなサービスの創出と提供にも努めてまいります。

 

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、利益の源泉となる売上高の拡大に注力する一方、適切な研究開発投資や積極的な人材育成への先行投資を進めながら、収益力の向上を図るため、売上高営業利益率を経営指標とするとともに、キャッシュ・フローを重視しております。また、自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかを表す代表的な指標であるROE(自己資本利益率)を、売上高営業利益率に並ぶ重要な経営指標と位置づけております。本業である事業の収益性を高めることは、資本収益性の向上につながるものと考え、売上高営業利益率10%以上と株主資本コストを上回るROE10%以上を目標値として掲げ、継続的な達成を目指してまいります。

当連結会計年度における売上高営業利益率は13.4%、ROEは15.7%であり、引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。

 

[用語解説]

ここに示す用語解説は、文中の「(※)」印で示す用語の本書内での意味を説明するものであり、必ずしも一般的な用法用例を包含するとは限りません。(アルファベット、50音順)

用語

解説・定義

AI(Artificial Intelligence:人工知能)

人間が使う自然言語を理解し、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするソフトウェアやシステム等のこと。

C/S

通信ネットワークを利用したコンピューターシステムの形態の一つで、機能や情報を提供する「サーバー」と、利用者が操作する「クライアント」をネットワークで結び、クライアントからの要求にサーバーが応答する形で処理を進める方式。

DX(デジタルトランスフォーメーション)

データや最新のデジタル技術を活用し、人々の生活及び企業活動をあらゆる面でより良い方向に変革すること。

IoT(Internet of Things)

従来、インターネットに接続されていたパソコンやサーバー、プリンター等の情報通信関連機器に加えて、それ以外のさまざまな機器や装置をつなげる技術。膨大な量の情報を共有するクラウド技術やビッグデータ技術、人工知能等の登場により、あらゆる“モノ(Things)”に高度な通信機能が組み込まれ、インターネットで相互に情報伝達できるようになる。

RPA(Robotic Process Automation)

人間がコンピューターを操作して行う作業を、ソフトウェアによる自動的な操作によって代替すること。主にデスクワークにおけるパソコンを使った業務の自動化・省力化を行うもので、業務の効率化や低コスト化を進めることができる。

Webアプリケーション

Webの技術を利用して構築されたアプリケーションソフトのこと。利用者は操作するWebブラウザや専用のクライアントソフトなどを用いてWebサーバーにアクセスし、必要なデータの処理や転送を指示する。

XR(クロスリアリティ)

「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」といった先端技術の包括的な総称。現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものを知覚できる技術をいう。

生成AI

学習したデータをもとに、文章、画像等の新しいコンテンツを自動的に生成する人工知能のこと。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応を重要な経営課題と認識し、事業活動とともに環境対応・社会貢献等の活動を通じて、地域社会にとって必要とされる企業として発展し、グループの成長と持続可能な社会の実現、中長期的な価値の創出を目指しております。

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

① 気候変動に関するガバナンス

2001年に取得したISO14001(環境マネジメントシステム)の要求事項に則り、組織の各部署や担当がマネジメントシステムを運用できるよう、具体的な計画や手順を整え、定期的な社内会議等において、役員等との情報共有を図っております。また、マネジメントシステムを管轄する部署から年間レポートを経営層に提出し、社としてPDCAサイクルが正常に機能しているかを確認しております。

 

② 社内環境整備に関するガバナンス

人的資本に対する投資は、企業の競争優位の源泉や持続的な企業価値向上の推進につながるものと認識しております。人的資本を強化するため、能力やスキルを重要な経営資源と捉え、中長期的な企業価値の向上に向けて、経営方針・経営戦略等を踏まえた人材育成と社内環境整備に取り組んでおります。

また、代表取締役社長の健康宣言のもと、健康経営に積極的に取り組んでおります。安全衛生委員会では、健康経営に関する活動を社員に周知するとともに、社員からの意見を定期的に収集し、健康確保に向けた快適な労働環境の整備やリスク対策等につなげています。

 

健康経営に関する詳細は、当社ホームページに掲載しております。

(https://www.ndensan.co.jp/ir/management/health-management.html)

 

(2)戦略

① 気候変動に関する戦略

 当社は、事業活動全般にわたる環境保全活動はもとより、顧客に届けられる製品やサービスが及ぼす環境負荷を低減することが重要と考え、2001年に環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証を取得しました。また、企業活動のあらゆる面で地球環境の継続的な改善及び汚染の予防に配慮するという理念のもと、環境方針を制定し、環境保全活動を推進しております。

 2013年に新築、移転した当社の本社ビルは、気候変動対策を採り入れ、省エネルギー、脱炭素化を実現しております。具体的には、屋上に太陽光パネルを設置したほか、地下水を活用した館内空調、LED照明の採用などによって、消費電力を大幅に低減し、年間CO2排出量を旧本社ビルの約半分に抑えています。また、雨水を貯留して下水道や植栽の散水に使うなど、貴重な水資源の有効活用も行っています。

 さらに、2050年度までのカーボンニュートラルの実現に向けて2024年4月1日から、本社ビルで使用する電気のすべてをCO2フリー電気に切り替えており、年間で排出するCO2の削減に取り組んでおります。

 上記のほか、当社は、事業活動を行う際も、AIやRPA等の技術を利用した人的作業の省力化につながるサービスの提供、社内におけるDX推進に注力し、エネルギー使用量を軽減する取組みを継続しております。

 

本社ビルに関する詳細は、当社ホームページに掲載しております。

 (https://www.ndensan.co.jp/company/place-honsya/index.html)

 

環境方針に関する詳細は、当社ホームページに掲載しております。

(https://www.ndensan.co.jp/policy/environment.html)

 

② 人的資本に関する戦略

a.多様な人材確保と人材育成

当社は、新卒者・社会人経験者の区別なく通年採用を実施し、積極的に優秀な人材の採用に努めております。また、性別・国籍・職歴・年齢等に区別なく実力や成果に応じた評価を行い、昇格・管理職への登用等を実施しております。

人材の育成については、中長期的な企業価値の向上のため、経営方針・経営戦略等を踏まえ、各部署において教育計画を策定しております。

 

b.社内環境整備

企業としての健全な成長には、社員とその家族が心身ともに健康を維持し、いきいきと働くことのできる環境づくりが必要と考えます。この環境づくりに向けた取組みを組織的に推進し、安全かつ健康的で働きやすい職場を形成することで健康経営を実現してまいります。

多様なワークスタイルを実現し、ライフサイクルに合わせた仕事と家庭の両立やワーク・ライフ・バランスの実現と向上を目的として「テレワーク基本方針」を策定しているほか、「育児休業制度・育児短時間勤務制度」等、仕事と育児の両立を支援する制度を整えております。今後も、すべての従業員が安心して働き、活躍できる職場環境づくりを進めてまいります。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、事業を取り巻くさまざまなリスクに対して的確な管理・実践が可能となるよう、管理部門担当取締役をリスク管理担当役員とし、経営企画部をリスク管理担当部署として、リスク管理規程を定めております。グループ全体の事業リスクの洗い出しから評価、分析には、サステナビリティに関するリスクも含めております。洗い出したリスクから、特に優先的に取り組むべきリスクを特定し、経営計画等に対応方針を盛り込み、リスク低減活動につなげております。

 

(4)指標及び目標

① 気候変動に関する指標及び目標

当社は、2050年度までに事業活動で排出するCO2の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向け、通過点の2030年度には、2013(平成25)年度のCO2排出量の46%に当たる1,714トンのCO2削減を目指しております。

 

② 人的資本に関する指標及び目標

a.多様な人材確保と人材育成についての指標及び目標

当社は、人材確保と人材育成に関する指標及び目標は定めておりませんが、人的資本に関する戦略に基づき、性別や国籍等を問わず、求める人材を通年で採用し、積極的に優秀な人材の採用に努めております。さらに、性別・国籍・職歴・年齢等に区別なく実力や成果に応じた評価を行い、昇格・管理職への登用等を実施しております。

また、従業員・役員・管理職の女性比率を毎年測定し、当社コーポレートガバナンス・ガイドライン制定時の管理職の女性比率3.6%(2015年3月31日時点)を下回らないことを基準として、適時・適切な多様性の確保に努めております。

指標

目標

実績

管理職の女性比率

3.6を下回らないこと

9.4

(注)連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社のみの指標を記載しております。

 

b.社内環境整備に関する方針についての指標及び目標

全社員に対して労働安全衛生法で定められた健康診断とストレスチェックの実施に加え、人間ドックの補助制度の活用を通じて、健康リスクを未然に防ぐ対策を継続しています。また健康診断の結果、二次健診が必要な社員に直接働きかけることで、一次健診率は100%、二次健診率も90%以上の水準を維持しております。2030年度の健康診断二次健診の受診率100%を最終目標とし、二次健診が必要となった社員一人ひとりへの受診勧奨を継続してまいります。

また、経済産業省のヘルスケア産業政策「健康経営優良法人制度」において、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に2021年度から四年連続で認定されました。当社の健康経営についての方針や制度が有効であり、必要な施策が行われていると客観的な評価を受けたと判断し、認定を継続できるよう今後も健康経営に向けた取組み、制度を充実してまいります。

 

3【事業等のリスク】

当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくための活動を行っております。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置くとともに、リスク管理部門が各部門へヒアリングを行い、事業現場におけるリスクの洗い出しを実施しております。リスク評価の結果から、優先的に取り組むべきリスクを特定し、次年度の年度経営計画にリスク対応方針を盛り込み、リスク低減活動へとつなげております。

以下においては、当社グループの事業展開その他リスクに関する要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

当社グループは、これらリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に対する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

なお、以下の記載は本株式の投資判断に関連するリスクをすべて網羅するものではありません。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 公共分野への依存度が高いことについて

当社グループは、長野・新潟地域を中心に「情報処理・通信サービス」、「ソフトウェア開発・システム提供サービス」、「システム機器販売等」及び「その他関連サービス」を展開し、特に地方公共団体向け等の公共分野のシステムは同地域で高いマーケットシェアを持ち、当社グループの売上に占める公共分野の売上の割合は、2025年3月期において75.7%とウエイトが高い収益構造となっております。

このため、公共基幹業務及び周辺システムの見直しによる軽量化、柔軟化を行い、同分野でのコスト削減を通じて得た経営資源を産業分野へシフトし、新規顧客への資源投入を行ってまいります。しかしながら、地方公共団体間での情報システムの共同利用や国家主導での業務プロセス・システムの標準化の流れの動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 信越放送株式会社との関係について

信越放送株式会社は、当社株式の議決権総数の37.6%(間接保有分を含む)を保有しており、当社のその他の関係会社となっております。

当社グループは経営に関する総合的な意見を得るため、信越放送株式会社代表取締役社長の渡辺雅義氏を社外取締役として招聘しております。

また、当社グループは信越放送株式会社に対して、システム提供サービス及びシステム機器販売等を行っており、2025年3月期における当該取引の状況は下記のとおりです。

 

主要株主(自2024年4月1日 至2025年3月31日)

種類

会社等の

名称又は

氏名

所在地

資本金又は

出資金

(千円)

事業の内容

又は職業

議決権等の

所有(被所有)

割合(%)

関連当事者

との関係

取引の

内容

取引金額

(千円)

科目

期末残高

(千円)

主要

株主

信越放送

(株)

長野県

長野市

450,000

放送事業

被所有

37.6

(2.3)

当社システム等

の販売先

賃借取引

役員の兼任

システム

運用支援他

63,446

売掛金

3,155

賃借取引等

15,439

未払金

195

(注)1.当社製品の販売については、市場価格を参考に決定しております。

   2.「議決権の被所有割合」の( )内は、間接被所有割合で内数であります。

 

上記のとおり、当社グループと信越放送株式会社との間に役員派遣関係及び取引関係がありますが、当社グループの事業戦略、人事政策及び資本政策等について、何ら制約等は受けておりません。

しかしながら信越放送株式会社は、今後も当面の間、大株主であり続けるものと思われ、当社グループの方針決定に何らかの影響を与える可能性があります。

 

(3) TOPPANエッジ株式会社との関係について

TOPPANエッジ株式会社は、当社株式の議決権総数の15.2%を保有しております。

また、当社取締役の増田久氏は、TOPPANエッジ株式会社の顧問を兼任しており、TOPPANエッジ株式会社は、当社のその他の関係会社となっております。

当社グループはTOPPANエッジ株式会社に対して、原材料の仕入れ及び業務外注等を行っており、2025年3月期における当該取引の状況は下記のとおりです。

 

主要株主(自2024年4月1日 至2025年3月31日)

種類

会社等の

名称又は

氏名

所在地

資本金又は

出資金

(千円)

事業の内容

又は職業

議決権等の

所有(被所有)

割合(%)

関連当事者

との関係

取引の

内容

取引金額

(千円)

科目

期末残高

(千円)

主要

株主

TOPPANエッジ(株)

東京都

港区

500,000

情報コミュニケーション

事業

被所有

15.2

原材料等の

仕入先

業務外注先

原材料等の仕入

447,888

買掛金

138,655

業務外注等

94,664

未払金

60,121

 

上記のとおり、当社グループとTOPPANエッジ株式会社との間に取引関係等がありますが、当社グループの事業戦略、人事政策及び資本政策等について、何ら制約等は受けておりません。

しかしながらTOPPANエッジ株式会社は、今後も当面の間、大株主であり続けるものと思われ、当社グループの方針決定に何らかの影響を与える可能性があります。

 

(4) システム開発での不採算案件について

当社グループでは、全社の製品に対する品質・生産性の向上の推進並びに品質管理を担当する部署を設け、生産性及び品質の向上に取り組んでおります。しかしながら、開発工数の増加や開発業務の遅延等により大幅に当初の見込みを超えて開発費用が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) システムの不具合等について

受託ソフトウェア開発及びプロダクトソフト開発等、当社グループが提供しているサービスにおいては、顧客の検収後にシステムの不具合(バグ)等が発見される場合があります。当社グループは、品質管理の徹底を図り、不具合等の発生防止に努めております。しかしながら、今後、当社グループの過失によって生じたシステムの不具合等により顧客に損害を与えた場合には、損害賠償や信頼喪失等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) システム障害について

システム運用・管理サービス等においては、免震構造を備えた当社データセンターにシステム機器を設置するなど、当社グループシステムについて一定の安全性を確保しております。しかしながら、地震、火災及びその他の自然災害、システム・ハード及び通信の不具合、コンピューターウィルス等による予測不可能な事態によりシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に重大な支障が生じることになり、損害賠償や信頼喪失等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報漏洩について

当社グループは、情報処理あるいはシステム開発のためにお客様から個人情報及び顧客情報を含んだ情報資産を預かっております。そのため、ISMSやプライバシーマークの認定を取得するとともに、情報漏洩防止に努めております。しかしながら、個人情報等の情報が漏洩した場合、損害賠償請求による費用の発生や情報サービス企業として信用の失墜が考えられ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 人材の確保及び人材育成について

積極的な事業展開及び企業成長には、一定水準以上のスキルを有する優秀な技術者の確保が不可欠であり、人材の確保は最重要の課題となっております。優秀な人材の通年採用と併せ、将来の事業環境を見据えた計画的な社員の人材育成、さらには社員一人当たりの生産性向上を目指してまいります。しかしながら、情報サービス業界での人材獲得競争は激しく、業務上必要とされる知識及び経験を備えた人材を確保できないリスクがあります。優秀な人材を十分かつ適時に確保できなかった場合及び社内の人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受けることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 労務管理について

社員の勤怠管理や時間外勤務管理につきましては、労働基準法の規制が適用されます。当社グループでは、個人別の就業時間管理及び部署別の時間外勤務申請管理等により労働時間を管理しております。また、毎月、部長職が部署別に時間外勤務時間に関する報告や時間外削減状況に関する報告を行い、長時間労働の削減を図っております。

しかしながら、システム開発における当初見積り以上の工数の発生や、予期せぬトラブルの発生等により、法定内での長時間労働が連続することがあります。これにより、社員に健康被害等が発生した場合は、開発人員の欠員につながり、更なる時間外勤務時間の増加や納期遅延等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 価格競争激化による利益率の低下について

当社グループの属する情報サービス産業においては、顧客の情報化投資に対する費用対効果要求の高まりや、海外情報サービス産業企業の参入等により価格競争が激化しております。このような状況に対し、当社グループでは業種業態を絞り込み、顧客業務のノウハウを蓄積することで付加価値の高いサービスを提供し、生産性向上施策の推進に取り組んでおります。しかしながら、予想を超える発注単価の低減の動きにより利益率が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 全国展開について

当社グループは、今後の成長戦略として、山梨県、首都圏、中京圏等を重点地域として営業体制の強化を図り、長野県・新潟県中心の企業から全国で事業を展開する企業を志向しております。今後、全国展開を推進するために、当社グループの営業力の強化及び全国の提携ビジネスパートナーの積極的な活用・拡大を図ってまいりますが、事業計画で予定している全国展開による受注の確保が計画どおり進捗しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 知的財産権について

当社グループは、現時点において、当社グループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。また、第三者から知的財産権に関する警告を受けたり、侵害訴訟等を提起されたこともありません。しかしながら、将来の当社グループの事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、当社グループの事業が差し止められたり、損害賠償等、金銭的な負担を余儀なくされた場合、又は第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払が発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 外注管理について

当社グループは、受託ソフトウェア開発及びプロダクトソフト開発等において、ノウハウの蓄積を目的として自社による開発を基本としておりますが、開発業務を効率的に遂行するために、開発工程における一部のプログラミング業務等については、外注先企業を活用しております。当社グループが安定的に事業を拡大していくため、今後も、有能な外注先企業の確保及び品質保持のための管理体制の強化を図ってまいりますが、有能な外注先企業が確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 情報技術革新への対応について

情報サービス関連分野は、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、変化が激しい業界となっております。当社グループでは、顧客ニーズに適時に応えることができる技術力の保持と迅速なサービス提供を目指し、DX、AI(生成AIを含む)、IoT、RPA等のデジタル新領域及び新技術の調査・研究・評価を進めておりますが、今後、情報技術革新への対応が遅れた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 後継者の育成

経営陣幹部の後継者の育成は会社経営における最も重要な責務の一つであると認識し、経営陣幹部となる戦略的ビジョン、リーダーシップ及び業務執行力等を有する人材を特定するとともに、十分な時間と資源をかけて計画的にその育成に努めております。しかしながら、後継者候補人材の流出があった場合や育成が適切に進まなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 大規模な感染症拡大の影響について

当社グループでは、大規模な感染症罹患者の発生に備え、感染拡大防止のための行動指針及び対応方針を定めております。しかしながら、感染拡大の状況によっては、社員の就業状況や顧客先の経営状況の変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や設備投資の持ち直し、企業収益の改善等により、緩やかに回復しております。先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される一方、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響や、金融資本市場の変動、通商政策等の影響に十分注意する必要があります。

情報サービス産業におきましては、ソフトウェア投資が増加しており、クラウドの進展に伴うデータセンターの需要拡大や、生成AIの大幅な市場拡大が見込まれるなど、堅調な企業収益等を背景に、持ち直し傾向が続くことが期待されます。

 

このような状況の中、当社グループは以下の重点施策と事業の推進を行いました。

a. 国が定める標準仕様に準拠した総合行政情報システム「Reams」を開発。2025年度末までの全顧客のシステム移行に向け、作業工程を確立し、効率的な移行作業を計画どおり実施。デジタル田園都市国家構想交付金(※)を活用した地方公共団体の取組みの支援等の提案と受注活動を実施。

b. リース業向けのリース業務パッケージ、医療福祉機関向けの病院情報関連システム、製造業向けの販売管理システムやAI外観検査システム等の提案と受注活動を実施。

c. VR(※)、AR(※)、NFT(※)等の技術を活用した観光向けデジタルコンテンツサービスを展開。

d. 生成AIを活用したシステム開発による、生産性の向上。

e. 継続的な人材育成のため全社の教育体制を強化するとともに、主力製品の新バージョン開発を担う技術者を拡充。

 

当連結会計年度の業績については、次のとおりです。

 

2025年3月期

(百万円)

前年同期比

(%)

売上高

18,740

117.3

営業利益

2,517

195.0

経常利益

2,523

204.6

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,842

205.0

 

セグメントごとの業績は、次のとおりです。

セグメントの名称

売上高

(百万円)

前年同期比

(%)

セグメント利益

(百万円)

前年同期比

(%)

公共分野

14,194

125.3

2,112

236.7

産業分野

4,546

97.8

404

104.6

調整額

△0

合計

18,740

117.3

2,517

195.0

(注) セグメント利益の算定にあたり、営業費用の配賦方法を当社の経営管理手法により即したものとし、セグメント利益の実態をより明瞭に表示するために、当社の管理部門等のうち、報告セグメントに帰属しない費用については「調整額」に含めております。

 

また、業務の種類別による売上高の状況は、次のとおりです。

業務の種類別

売上高

(百万円)

前年同期比

(%)

構成比

(%)

情報処理・通信サービス

3,490

103.1

18.6

ソフトウェア開発・

システム提供サービス

7,095

112.2

37.9

システム機器販売等

4,165

139.7

22.2

その他関連サービス

3,989

121.5

21.3

合計

18,740

117.3

100.0

(注) 「その他関連サービス」には、顧客との契約から生じる収益以外の収益も含まれております。

 

② 財政状況

当連結会計年度末における財政状態については、次のとおりです。

 

(資産)

当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,915百万円増加し、21,463百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が280百万円、流動資産のその他が184百万円減少したものの、売掛金が958百万円、現金及び預金が949百万円、商品が231百万円、投資有価証券が158百万円増加したことによるものです。

 

(負債)

負債につきましては、前連結会計年度末と比較して35百万円増加し、8,752百万円となりました。これは主に、短期借入金が480百万円、一年内返済予定の長期借入金が294百万円、長期借入金が270百万円減少したものの、未払法人税等が660百万円、買掛金が517百万円増加したことによるものです。

 

(純資産)

純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,880百万円増加し、12,711百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1,614百万円増加したことによるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動によるキャッシュ・フローにおいて930百万円、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて1,286百万円資金使用したものの、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて2,965百万円資金獲得したことにより、前連結会計年度末に比べ749百万円増加し、当連結会計年度末には1,803百万円(前年同期比71.1%増)となりました。

また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は2,965百万円(前年同期比83.6%増)となりました。これは主に、売上債権の増加906百万円により資金使用したものの、税金等調整前当期純利益2,523百万円、減価償却費918百万円、仕入債務の増加517百万円により資金獲得したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は930百万円(前年同期比34.3%減)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出531百万円、定期預金の預入による支出500百万円により資金使用したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は1,286百万円(前年同期比562.0%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出564百万円、短期借入金の純減額480百万円、配当金の支払214百万円により資金使用したことによるものであります。

 

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2024年3月期

2025年3月期

自己資本比率(%)

55.3

59.2

時価ベースの自己資本比率(%)

44.4

43.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

3.0

1.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

106.3

166.0

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4.有利子負債は、連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象と

  しております。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループの生産は、サービスメニューごとの規模等により作業手順、作業時間、工程管理等が異なります。さらに、受注形態も個別かつ、多岐にわたっている上に完成後直ちに顧客へ引き渡しており、生産実績は販売実績とほぼ一致しているため記載をしておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

公共分野

16,066,458

149.2

12,635,797

117.4

産業分野

4,270,365

91.2

3,136,786

91.9

合計

20,336,823

131.6

15,772,584

111.3

 

なお、当連結会計年度の受注実績を業務の種類別に示すと、次のとおりであります。

業務の種類別

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

情報処理・通信サービス

3,179,135

98.9

3,527,451

91.9

ソフトウェア開発・

システム提供サービス

6,879,685

106.8

5,516,019

96.2

システム機器販売等

5,433,486

186.6

1,997,426

273.9

その他関連サービス

4,844,515

168.2

4,731,686

122.1

合計

20,336,823

131.6

15,772,584

111.3

(注)「その他関連サービス」には、顧客との契約から生じる収益以外の収益も含まれております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高

(千円)

前年同期比

(%)

公共分野

14,194,868

125.3

産業分野

4,546,061

97.8

合計

18,740,930

117.3

 

なお、当連結会計年度の販売実績を業務の種類別に示すと、次のとおりであります。

業務の種類別

販売高

(千円)

前年同期比

(%)

情報処理・通信サービス

3,490,117

103.1

ソフトウェア開発・

システム提供サービス

7,095,750

112.2

システム機器販売等

4,165,290

139.7

その他関連サービス

3,989,771

121.5

合計

18,740,930

117.3

(注)1.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

2.「その他関連サービス」には、顧客との契約から生じる収益以外の収益も含まれております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

■当連結会計年度の経営成績

当連結会計年度は、公共分野において、各種法制度改正への対応、標準準拠システムへの移行作業、住民基本台帳ネットワークシステムや基幹系システムの機器リプレイス等で売上、利益を確保しました。

また、産業分野においては、リース業務パッケージ、医療福祉機関向けの健診システムや病院総合情報システム、生産管理システム及び広告管理システムの導入やリプレイス並びにAI外観検査システム「Observe AI」の導入検証等で売上、利益を確保しました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は18,740百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益は2,517百万円(前年同期比95.0%増)、経常利益は2,523百万円(前年同期比104.6%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は1,842百万円(前年同期比105.0%増)となりました。

 

a. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、収益力の向上を図るため、売上高営業利益率につきましては10%以上を目指すとともに、キャッシュ・フローを重視しております。

当連結会計年度における、売上高営業利益率は13.4%となり、前連結会計年度と比べて5.3ポイント増加しております。

また、キャッシュ・フローは前連結会計年度末に比べ749百万円増加し、1,803百万円(前連結会計年度比71.1%増)となりました。

今後も、企業成長に必要な研究開発や設備への投資を進めつつ、売上高の拡大、コスト削減など利益率の向上を図り、キャッシュ・フローの更なる改善を目指してまいります。

 

b. 新技術・新サービスへの取組み

当社グループでは、お客様の課題や要望、最新技術に着目し、各種サービスの機能の改善と強化に取り組んでおります。AI外観検査システム「Observe AI」では、従来の製品検査に加え、アルミ製の包装等に印字する際に発生しやすい、歪んだ文字を検出できるAI-OCR機能(※)を新たに追加しました。また、産業規格のカメラを設定できる機能を追加し、検査内容によって「Observe AI」からカメラ設定の切替えを行うなど、柔軟な対応を可能にしました。データセンターサービスでは、大容量のデータにも対応できるよう、バックアップサービスを強化しました。あわせて、AWS等のクラウドへの二次バックアップ機能を実現しました。

また、2023年10月にTOPPANエッジ株式会社と締結した資本業務提携契約に基づき、両社で地方公共団体及び民間企業を含めた広範な市場に対し、業務効率化やサービスの高度化に貢献する様々な事業展開に取り組んでおります。公共分野においては、共同プロジェクトとして行政事務のアウトソーシングを推進する取組みを進めております。産業分野においては、両社の持つサービスやソリューションを相互に共有し、それぞれの販売チャネルを活かした事業機会の創出と領域の拡大を進めております。

今後も新技術を積極的に取り入れ、その技術を活用したサービスを創出することで、事業拡大に取り組んでまいります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

■公共分野の状況

公共分野におきましては、住民税、後期高齢者医療、国民健康保険、介護保険等の受託処理及び総合行政情報システム「Reams」等のシステム保守のほか、基幹系システム、情報系システム等のリプレイス作業を進めました。

当連結会計年度は、標準仕様に準拠した総合行政情報システム「Reams」の研究開発が完了し、2024年11月のファーストユーザーの運用開始を初めとして、8団体に導入しました。また、自治体システムの標準化に向けた戸籍総合システムのデータ整備とコンビニ交付システムのデータ連携の改修を、合わせて63団体に実施しました。

既存顧客に対しては、財務会計システム等のリプレイスを17団体に、住民基本台帳ネットワークシステム機器のリプレイスを21団体に行ったほか、コンビニ交付システムを7団体に提供しました。

システム提供サービスでは、戸籍氏名の振り仮名の記載追加、児童手当の支給対象拡充、所得税・個人住民税の定額減税、国民健康保険のマイナンバーカードと保険証の一体化及び第9期介護保険事業計画等の法制度改正への対応を行いました。また、デジタルスタンプラリーや、VR、AR、NFT等の技術を活用した観光ソリューションサービスを5団体に提供しました。

研究開発では、今後のさらなる事業展開に向けた積極的な投資として、主力製品である総合行政情報システム「Reams」の新製品にかかる開発を開始しております。

これらの結果、公共分野の売上高は14,194百万円(前年同期比25.3%増)、営業利益は2,112百万円(前年同期比136.7%増)となりました。

 

■産業分野の状況

産業分野におきましては、リース業向けのリース業務パッケージ、製造・流通業向けの販売管理システム・生産管理システムの開発と導入作業のほか、医療福祉機関向けの健診システム・病院総合情報システム・介護支援システム等の導入とリプレイスを進めました。

当連結会計年度は、主力製品であるリース業務パッケージについて、2社が予定どおり稼働しました。また、新たに受注した1社を含め、現在稼働に向けた開発及び準備を3社に行っております。

医療福祉機関向けのシステム提供サービスでは、健康保険組合向けの健診システム等の機器リプレイスを1団体に実施したほか、電子カルテシステム・医事会計システムを含む病院総合情報システム導入及びリプレイスを2団体に、介護支援システムのリプレイスを5団体に実施しました。

製造・流通業向けのシステム提供サービスでは、販売管理システムについて2社のリプレイスを、生産管理システムでは、新たに1社の受注を獲得したほか、1社のリプレイスを行いました。また、AI外観検査システム「Observe AI」を2社に、AI搭載ナレッジマネジメントシステム「SmartKMS」を1社に提供しました。

データセンターサービスでは、仮想サーバーサービスを16社へ提供し、インターネット事業では、コンテンツ管理システムのリプレイスを12社に実施しました。

これらの結果、産業分野の売上高は4,546百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は404百万円(前年同期比4.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。なお、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引金融機関と総額8,050百万円の当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における借入実行残高は1,692百万円であります。

以上の結果、当連結会計年度末における、総資産に占める有利子負債(リース債務は除く)は前事業年度と比べて6.4%減少し、11.3%となっております。今後も、営業活動によるキャッシュ・フローにより有利子負債の削減を進めてまいります。

当社グループは、設備や研究開発などへの積極的な投資を行っております。設備及び研究開発への投資につきましては、「第3 設備の状況」及び「6研究開発活動」に記載しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。当社グループは、事業に内在するリスクを分析・評価し、対応策を検討・実施することによって、課題を着実に解決してまいります。

 

[用語解説]

ここに示す用語解説は、文中の「(※)」印で示す用語の本書内での意味を説明するものであり、必ずしも一般的な用法用例を包含するとは限りません。(アルファベット、50音順)

用語

解説・定義

AI-OCR機能

AIを利用し、画像データに含まれるテキストデータを認識・抽出するOCR(Optical Character Recognition)の精度を高くするもの。

AR

拡張現実(Augmented Reality)の略。コンピューターによって、現実世界に仮想世界を重ね合わせて表示する技術のこと。

NFT

非代替性トークン(Non-Fungible Token)の略。絵や写真、動画や音楽等のデジタルデータの所有や価値等を証明するもの。

VR

仮想現実(Virtual Reality)の略。コンピューターによって創り出された仮想的な空間等を現実であるかのように疑似体験できる技術のこと。

デジタル田園都市国家構想交付金

令和6年度補正予算で「新しい地方経済・生活環境創生交付金」に名称変更。

 

 

5【重要な契約等】

 当社は、2023年10月31日開催の取締役会決議に基づき、TOPPANエッジ株式会社との間で、資本業務提携(以下、「本資本業務提携」)に関する契約を締結しました。

 契約に関する内容は、次のとおりであります。

 

    (1) 契約の概要

契約締結日

相手先の名称

相手先の住所

合意の内容

2023年10月31日

TOPPANエッジ株式会社

東京都港区東新橋1-7-3

相互の業務に関する知見及び情報の共有、販売戦略及び攻略情報等営業戦略に特化した情報の共有によるサービスの販売連携、人材交流等の施策を検討し、実行すること。

 

    (2) 合意の目的

      当社と親和性の高い事業を展開するTOPPANエッジ株式会社との間の本資本業務提携は、地方公共団体の市場において複数自治体の業務のアウトソーシング受託やDXサービス支援などの拡充及び民間企業への様々なソリューション導入を推進するなど、両者の事業を拡大し、共通のお客様である地方公共団体及び民間企業の更なる満足度の向上を目的とするものであります。

 

 「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(令和5年12月22日内閣府令第81号)附則第3条第4項の規定により、2024年4月1日前に締結した契約等については、記載を省略しております。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、日々刻々と変化するデジタル技術の進化や情報サービスに対するニーズに迅速に対応するため、プロダクトソフト開発及びソフトウェア開発において、最適なシステムを提供するための研究開発を進めております。

当連結会計年度の研究開発費は公共分野において704百万円、産業分野において29百万円、総額は733百万円であり、主な研究開発は次のとおりであります。

 

研究開発

セグメント

の種類

研究開発の内容

研究開発計画

実績

総開発費

(百万円)

開発期間

当期開発費

(百万円)

標準準拠システム開発

(注1)

公共分野

当社が提供する総合行政情報システム「Reams」を、2021年5月19日に公布された「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」が示す標準仕様に適合させるための開発

2,662

2021年11月

~2025年3月

591

総合行政情報システム「Reams」の次期プロダクト開発

(注2)

公共分野

当社の主力製品である総合行政情報システム「Reams」における標準準拠システムへの移行完了後の競争力強化のため、最新のフレームワークへ移行し、デジタル庁が示すクラウド最適化への対応及びUI/UXを刷新する開発

2,984

2024年11月

~2029年3月

112

総合健診システム

(PREST)

バージョンアップ

(注3)

産業分野

当社の子会社である株式会社ティー・エム・アール・システムズの主力製品である総合健診システムをバージョンアップし、商品力強化と最新の開発環境への対応による開発効率及び品質を向上させるための開発

104

2022年11月

~2024年9月

29

(注)1.2025年3月をもって計画どおり開発を完了いたしました。

2.当連結累計期間において新たに開始した研究開発であります。

3.2024年9月をもって計画どおり開発を完了いたしました。