文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは縫い糸、刺しゅう糸及び手芸用各種糸の製造・販売を主たる事業とし、「誠実」の社是のもと、「すぐれた技術とまごころがつくり出す製品を通じて社会に奉仕する」ことを経営理念としております。ユーザーである縫製業者や刺しゅう業者、手作りホビーを楽しむ人々への価値ある製品とサービスの提供を通して、株主、投資家、取引先、従業員あるいは地域社会など、全てのステークホルダーに長期安定的に貢献できる企業グループを目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは経営の基本方針に記載の通り、全てのステークホルダーに長期安定的に貢献できる企業グループであるために、連結・個別ともに堅実で安定的な利益の確保が重要と考えております。具体的な数値目標は掲げておりませんが、中長期的にも連結・個別における経常利益の確保と売上高経常利益率の向上を目指しております。
(3) 中長期的な会社の経営環境
当面の見通しにつきましては、長引く国際紛争に加えて、米国の関税政策の成り行きが世界経済に大きな影響を及ぼすことが懸念され、わが国経済も予測が困難で、ますます不透明感が強まっております。
当社グループが関わるアパレル・ファッション業界や手芸関連業界におきましては、このような先行き不透明な経済情勢や引き続く物価高が国内消費の減退を招くことが懸念されるほか、米国向けビジネスの停滞などが、アジア地域全般での競争の激化やデフレ傾向に繋がることも懸念されます。
さらに温室効果ガスや環境汚染問題を背景に持続可能な社会構築の機運も徐々に高まりつつあり、当社グループにおいても環境負荷軽減の要請が今後さらに高まると予想されます。
このように当社グループを取り巻く短期的な経営環境が極めて不透明かつ変化の途上にあり、中長期的な縫い糸事業の環境については、環境負荷軽減の要請も含めて予測は極めて困難な状況ではありますが、当社グループといたしましては、縫い糸が縫製業や手芸関連には不可欠な副資材であることを基本として、現段階では次のように考えております。
① 工業用縫い糸の事業について
縫製業は、衣料用、非衣料用のいずれにおいても工程の多さや作業内容から、労働集約型産業であり、豊富な労働力が求められるため、とりわけ大量生産型の安価な衣料品は、その縫製も低賃金で労働力の豊富な地域や国に移動する傾向がある。
しかしながら小ロット多品種で且つ高い縫製技術が求められる高級衣料品については、熟練した労働力が必要であり、製品の最終消費地(消費国)への短納期での供給体制も踏まえて、賃金の上昇傾向にある中国や東南アジア諸国においても、今後も一定の生産規模を維持していくと考えられる。
縫製副資材として多色を必要とする工業用縫い糸は、品質や価格に対する要求はもちろん、縫製現場の調達利便性が求められるが、世界の縫い糸市場における当社グループのシェアは極めて低く、製品の仕様や製造工程における様々な環境負荷軽減への対策を行いつつ、これらの競争上不可欠な要素を一層磨き、アジア地域を中心としたユーザーの評価を高めることで当社グループのシェア拡大による成長の余地は十分にある。
② 家庭用縫い糸の事業について
わが国の手作りホビー分野におけるソーイング需要は、かつてのコロナ禍による手作りマスク需要や巣ごもり需要により、一時的に需要が急増した後、その反動や、昨今の諸物価上昇による節約志向の強まりもあって、需要の低迷が続いている。しかし一方では、癒しやオリジナリティを求める傾向や、サステナブル対策の観点から「ハンドメイド」が見直される傾向も見受けられることから、今後も手作りホビーの一分野として消費者の関心を高めるような用途を含めた提案を継続することにより、需要の掘り起こしの余地がある。
また、わが国よりはるかに大きな成熟市場を有する欧米市場における当社製品のシェアは極めて低く、独自性の高い製品の提案等によって、販売拡大の余地があるほか、中国を始めとする東南アジア諸国においては、富裕層などを中心に、一定の手作りホビー需要が根付きつつあり、今後も販売拡大の可能性がある。
当社グループは、これらの縫い糸事業の中長期的な可能性を踏まえた上で、下記「(4) 会社の優先的に対処すべき課題」にも取り組み、まずは損失の解消に努めつつ、中長期の成長を実現して、全てのステークホルダーへの貢献を目指してまいります。
(4) 会社の優先的に対処すべき課題
当社グループの喫緊の課題は、多額の経常損失の縮小、解消であり、そのために先ずは早期に実施可能な収益改善策を実行してまいりますが、上記の「(3) 中長期的な会社の経営環境」に記載の事業環境を踏まえて、当社グループは、下記の諸課題に取り組んでおります。
① 変化しつつある工業用縫い糸のニーズをあらためて把握したうえで、営業戦略の練り直しに基づいた国内外の製造・販売体制を再構築し、品質や価格、調達利便性などの競争力を強化して、アジア地域における顧客の評価を高めてシェアの拡大を図る。
② 今後も高まると予想されるアジア各国や関連業界の環境負荷軽減への要請に対応し、製品仕様はもちろん、生産技術の研究を継続し、環境負荷軽減に寄与する。
③ 国内連結子会社3社を含む国内事業は、きめ細かなビジネスに対応できるようさらなる効率化を図り、収益力の維持向上を図る。
④ 手芸及びホビー関連分野においては、独自の製品や用途提案を継続して、欧米諸国やアジア各国などへの販売拡大を実現し、極めて低い海外市場におけるシェア拡大を図る。
⑤ ライフスタイルの変化や働き方改革の動向も踏まえつつ、企業としての社会的責任を果たす。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、代表取締役社長が議長を務める経営会議においては、サステナビリティを巡る課題を含む重要な経営課題に関するリスク及び機会に対応するための実行計画の立案、目標の進捗管理を行い、その内容を随時取締役会へ報告することとしております。
サステナビリティ推進体制を強化するため、2023年3月16日付で、取締役会の諮問機関として常務取締役管理部長が委員長となるサステナビリティ推進委員会を設置しております。持続可能性の観点で当社グループの企業価値向上をさせるため、サステナビリティに係る当社グループの在り方を提言することを目的として、以下の内容の協議等を行い、経営会議を経て、取締役会へ報告されます。サステナビリティ推進委員会は年に1回以上開催することとしております。
①中長期的な視点に立ち、サステナビリティに関する重要課題の特定
②サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会の識別
③サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会への対応の基本方針の策定
取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。また、経営会議、サステナビリティ推進委員会で協議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての審議・監督を行うこととしております。

サステナビリティ推進委員会 2025年3月期審議内容
・2024年3月期 指標及び目標の確認
・2025年3月期 指標及び目標の追加事項等の検討
①気候変動への取組みの検討
②エンゲージメント指数の検討
・2025年3月期 指標及び目標の設定
当社グループにおける、持続的社会の構築に関する方針や人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
持続的社会の構築に関する方針
地球温暖化問題や環境汚染問題から、世界的にも関連業界においても持続的社会の構築に向けた取り組みが強化されつつある中、当社グループでは水資源の保全や資源循環など、環境負荷の軽減に努めてまいります。具体的には、今後の染色工程における水使用量の削減対策はもちろん、長期的には新たな染色加工方法の研究なども進めてまいります。また、衣料品の廃棄の抑制や再利用、資源枯渇を防止するために、縫い糸においても今後の業界の動向を注視しつつ、原料や資材の段階的な見直しや製造工程の対応を含めて課題解決に努めてまいります。
人材育成方針
すべての人材が必要なスキルを身につけ能力を最大化させるため、各年次、職位、職能ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度を実施しております。すでにスキルを持っている人材でも、さまざまな状況変化にも対応できるスキルを身につけることや、能力が低下することのないよう勉強会を開催するなど継続的な育成に取り組んでおります。
また、組織に不足するスキル・専門性の獲得を各人に促すに当たって、すべての人材の自律的なキャリア構築を支援する観点から、資格取得制度を構築しております。
社内環境整備方針
中長期的な企業価値向上のためには、イノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせであります。
このため専門性や経験、感性、価値観といった知識と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要となると考えております。さらに、労働者不足への対応、生産性向上の観点から、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していくとともに、優秀な人材を確保するため、即戦力として期待できる中途採用を必要に応じて行っております。具体的には以下の環境を整備しております。
①管理職によるマネジメント力の養成
多様な人材を受け入れて組織を運営する能力を高めるスキルの養成に向け、外部の管理職研修で能力向上の機会を設けております。
②キャリア採用の比率・定着・能力発揮のモニタリング
イノベーションの創出やグローバル展開の加速に向けて、女性活躍を促すことに加え、多様な知識・経験を持ったキャリア採用を行い、その際登用すべき地位・役職のレベルの検討や、その他アイデア提案規程の活用等により、その能力が最も発揮されるよう検討を行っております。
また、従業員の定着率を向上させるため、ワークライフ・バランスを整えながら、従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。具体的には以下を整備しております。
①健康経営への投資とウェルビーイングの視点の取り組み
社員・役員の健康状況を把握し、継続的に改善する取り組みを、個人と組織のパフォーマンスの向上に向けた
重要な投資と捉え、ストレスチェックテストを積極的に活用するなど、健康経営への投資に戦略的かつ計画的に
取り組んでおります。
②リモート会議等の活用
組織と個人の生産性を維持・向上させるべく、コミュニケーションツールのデジタル化等を行っております。
当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、経営会議において行っておりますが、サステナビリティに関する重要課題のリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、サステナビリティ推進委員会の中でより詳細な検討を行い、共有することとしております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響や発生可能性を踏まえ行うこととしております。
重要なリスクの管理については、経営会議の協議を経て、取締役会へ報告、監督しておりますが、サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会への対応状況は、サステナビリティ推進委員会においてモニタリングされ、その内容は、経営会議を経て、取締役会へ報告することとしております。
サステナビリティ関連の機会の識別、評価や優先順位付けは、サステナビリティ推進委員会において行われ、重要と認識された機会については、経営会議の協議を経て、取締役会へ報告、監督されます。
当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、持続的社会の構築に関する方針や人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。また、持続的社会の構築に関する方針につきましては、事業を通じた課題の解決や環境負荷の軽減に向けた取り組みを推進しておりますが、現段階では、指標及び目標を設定しておりません。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
景気動向、国際情勢、気象状況や天災・事故などに伴う様々な事業リスクや企業のコンプライアンスに関連する一般的な事業リスク、また新型コロナウイルス感染症のような疫病拡大が及ぼす様々な事業リスクにつきましては、当社グループに限らず、全ての企業が同様に抱えておりますが、当社グループの事業の現状や特徴を踏まえ、特に業績に重要な影響を及ぼすと思われる事項は以下のとおりです。
アジア事業展開に伴うリスク
当社グループは、日本向け衣料品の生産のアジア地域への移行に伴い、1993年以降、中国、タイ国、ベトナムに順次子会社を設立するなど、委託生産も含めてアジア地域における生産・販売体制を整備拡大してきました。また今後のアジア各国の経済成長に伴う衣料品の消費や縫製業の動向も踏まえ、将来的には同地域における当社グループの生産及び販売比率はさらに高まることが予想されます。
しかしながら、同地域での事業においては、為替変動はもちろん、国家統治の変化や、法律・税制などの突然の改正、賃金上昇等を始めとする急速な雇用環境の変化、また合弁先の動向など、日本国内での事業に比べてより高いリスクが存在することは避けられません。
とりわけ、縫い糸は、縫製される生地の色に応じて多くの色種が必要となりますが、昨今、アジア各国の環境汚染に対する法規制等は、急速に厳しくなりつつあり、染色工程で必要不可欠となる大量の染色用水の使用や排水処理等の許認可の動向は、当社グループの生産体制に大きな影響を与える新たなリスクと認識しております。
現段階では各国の法規制や当局の指導を遵守し、水使用量の増加を抑制するとともに、排水処理設備も充実させておりますが、将来の各国の規制強化と許認可の動向によっては、縫い糸の製造に大きな影響が及ぶ可能性もあることから、今後の染色工程における水使用量の削減やリスク分散対策はもちろん、長期的には新たな染色加工方法の研究なども進めております。
当社グループといたしましては、今後も上記のリスクを踏まえて、環境負荷の軽減に注力しつつ、アジア事業のさらなる整備拡大を目指してまいります。
持続的社会の構築に向けたリスク
地球温暖化問題や環境汚染問題から、世界的にも持続的社会の構築に向けた取り組みが強化されつつある中、わが国のアパレル・ファッション業界におきましても、先進する欧米諸国に追随する形で企業別にそれぞれの取り組みが徐々に進みつつあります。
今のところ具体的な取り組みとしては、衣料品の廃棄の抑制や再利用、資源枯渇を防止するための素材や、環境に優しい素材への見直しなどが考えられますが、衣料品に不可欠な副資材である縫い糸についても、それらの取り組みに対応可能な製品が供給できるか否か、また企業として環境負荷軽減への取り組み姿勢の有無が、顧客からの評価や支持に影響を及ぼすものと考えます。
しかし、リサイクル原料や植物由来などの原料は、現時点では従来の合成繊維原料に比べると調達が不安定かつ調達価格が高く、これらの様々な対応は、収益の維持やコスト競争力強化とは相反する課題となっております。当社グループといたしましては、当面は原料や資材の段階的な見直しから着手し、今後の業界の動向を注視しつつ、製造工程での対応等も含めてこれらの課題解決に努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、訪日外国人によるインバウンド需要の増加や雇用、所得環境の改善傾向も進み、回復基調が続きましたが、長引く国際紛争や中国経済の減速に加えて、米国の政策転換に対する影響やわが国の物価上昇などにより、個人消費の先行きを含めてむしろ不透明感が増しつつあります。
アパレル・ファッション業界におきましては、一部にはインバウンド需要の恩恵が見られたものの、コロナ禍後のいわゆるリベンジ消費の一巡や、記録的猛暑と冬の到来の遅れなどの気候要因、物価上昇による節約志向の高まりにより、衣料品の消費はまだら模様でその生産は全体として抑制傾向が続き、特に国内における衣料品の原材料や家庭用も含めた縫い糸の需要は低調が続きました。
一方で自動車生産の堅調に支えられて、車両内装用縫い糸の受注は比較的堅調に推移しました。
これらのわが国の関連業界の状況やアジア各国の経済情勢を受けて、当社グループは、中国を始め海外市場における新規販路の開拓に努めましたが、当連結会計年度の売上高は5,646百万円(前期比2.7%減)となりました。
また利益面につきましても、当社における価格改正や販売品目構成の変化、アジアセグメントにおける増収などの増益要因や、当期後半の中国連結子会社の操業度回復があったものの、日本セグメント全般の売上高の減少に加えて、国内工場操業度の低下や原材料価格の上昇などによる製造コストの高止まりが響いて、営業損失は195百万円(前期は115百万円の損失)、経常損失は104百万円(前期は6百万円の損失)となりました。
なお、当期には中国連結子会社の固定資産の譲渡益17百万円を特別利益に、タイ国連結子会社の移転統合に関する損失13百万円を特別損失にそれぞれ計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は107百万円(前期は90百万円の利益)となりました。なお、前期には中国連結子会社の清算益76百万円を特別利益に計上したことにより、前期比の減益幅が大きくなっております。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりです。
日本
当社グループにおきましては、事業年度の末日を当社は3月末日、国内子会社は1月末日と定めております。
当期のアパレル・ファッション業界におきましては、一部にはインバウンド需要の恩恵が見られたものの、コロナ禍後のいわゆるリベンジ消費の一巡や、記録的猛暑と冬の到来の遅れなどの気候要因、物価上昇による節約志向の高まりにより、衣料品の消費はまだら模様でその生産は全体として抑制傾向が続き、特に国内における衣料品の原材料や家庭用も含めた縫い糸の需要は低調が続きました。
一方で自動車生産の堅調に支えられて、車両内装用縫い糸の受注は比較的堅調に推移しました。
これらの状況から、一昨年の夏以降実施した当社の一部商品の価格改正効果があったにもかかわらず、当社ならびに国内子会社全般の販売の落ち込みにより、当セグメントの売上高は4,376百万円(前期比5.8%減)となりました。
また、利益面につきましても、当社における価格改正や販売品目構成の変化などの増益要因があったものの、当セグメント全般の売上高の減少に加えて、工場操業度の低下や原材料価格の上昇などによる製造コストの高止まりが響いて、セグメント損失は180百万円(前期は17百万円の損失)となりました。
アジア
当セグメントに属する全ての海外子会社は、事業年度の末日を12月末日と定めており、当連結会計年度には、2024年1月から12月までの業績が連結されております。
当期は、日本向け衣料品の生産が中国からベトナムなど他国に移行する動きが続いているため、ベトナムにおきましては日本向け衣料品の生産が堅調ですが、中国やタイ国におきましては、それぞれの経済情勢から国内衣料品消費の落ち込みも加わり、縫い糸の受注は全般に低調が続きました。このような状況のなか、中国やベトナムにおきましては営業戦略の練り直しにより、新規販路の開拓に努めて、徐々にその成果も出始めたことや、円安進行に伴う為替換算レートの影響もあり、当セグメントの売上高は1,269百万円(前期比9.5%増)となりました。
一方、利益面につきましては、当期の後半以降は、中国連結子会社の売上高の回復や工場操業度の上昇が見られたものの、販売競争の激化により、価格への転嫁が困難な状況に加えて、原材料価格の高止まりやタイ国での販売数量の落ち込みと生産の減少なども響いて、セグメント損失は42百万円(前期は91百万円の損失)となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
資産の部につきましては、流動資産は、前連結会計年度末に比べて28百万円減少し、6,719百万円となりました。これは、主として電子記録債権が48百万円、売掛金が53百万円、仕掛品が66百万円増加したものの、現金及び預金が69百万円、受取手形が63百万円、商品及び製品が28百万円、原材料及び貯蔵品が43百万円減少したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて318百万円増加し、5,143百万円となりました。これは、主として有形固定資産が71百万円減少したものの、投資有価証券が274百万円、その他(投資その他の資産)が125百万円増加したことなどによります。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて290百万円増加し、11,862百万円となりました。
負債の部につきましては、流動負債は、前連結会計年度末に比べて13百万円減少し、587百万円となりました。これは、主として買掛金が34百万円増加したものの、未払法人税等が24百万円、その他(流動負債)が18百万円減少したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて111百万円増加し、1,089百万円となりました。これは、主として繰延税金負債が100百万円増加したことなどによります。
これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて97百万円増加し、1,677百万円となりました。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べて192百万円増加し、10,185百万円となりました。これは、主として利益剰余金が176百万円減少したものの、その他有価証券評価差額金が177百万円、為替換算調整勘定が190百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,777百万円となり、前連結会計年度末より175百万円減少いたしました。活動別キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失100百万円(前期は純利益73百万円)、法人税等の支払額58百万円(前期は25百万円)となったものの、減価償却費をはじめとする非資金項目225百万円(前期は214百万円)、棚卸資産の減少95百万円(前期は76百万円の増加)となったことなどにより、144百万円の流入(前期は111百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入1,373百万円(前期は679百万円)となったものの、定期預金の預入による支出1,594百万円(前期は639百万円)、有形固定資産の取得による支出91百万円(前期は130百万円)となったことなどにより、291百万円の流出(前期は94百万円)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額68百万円(前期は68百万円)となったことなどにより、91百万円の流出(前期は71百万円)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としております。これらの見積りについて過去の実績や合理的と判断される入手可能な情報等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、今後も国際情勢の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に連結財務諸表の作成を行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高5,646百万円(前期比2.7%減)、営業損失195百万円(前期は115百万円の損失)、経常損失104百万円(前期は6百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は107百万円(前期は90百万円の利益)となりました。
この経営成績等の状況に関する経営者の認識につきましては、当期の後半には業績回復の諸策の成果も徐々に現れつつあるものの、通期では前期と比較して多額の損失を計上する結果となっております。
さらに次期の見通しにおきましても、長引く国際紛争に加えて、米国の関税政策の成り行きが世界経済に大きな影響を及ぼすことが懸念され、わが国経済も予測が困難で、ますます不透明感が強まっており、当社グループが関連するアパレル・ファッション業界や手芸関連業界におきましても、先行きの不透明な経済情勢や、引き続く物価高が国内消費の減退を招くことが懸念されるほか、米国向けビジネスの停滞などが、アジアセグメントにおける競争の激化やデフレ傾向に繋がることも懸念されます。
現時点での中長期の経営環境の見通しは上述の通りであり、引き続き対処すべき課題に取り組んでまいりますが、先ずはグループとして予想される大幅な損失の縮小が喫緊の課題であると認識しております。
また上記より、今後の業績と課題に重要な影響を与える要因といたしましては、以下の点があると認識しております。
・米国の関税政策の今後の動向とそれに伴う世界の貿易政策や世界経済の動向
・為替レートの変動とそれに伴う諸物価の動向
・天候や消費動向に伴う衣料品の国内外の消費と生産
・関連業界における環境負荷軽減対策とアジア各国における環境保全対策の動向
・海外合弁先企業の動向
なお、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況」及び「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、外部借入に依存しない財務体質を基盤として、自己資金を財源に今後の事業投資を考えており、また、流動性については現金及び預金の保有状況からみて十分に確保されているものと考えております。当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループにおいては、報告セグメント(日本)に属する当社の研究開発室が中心となって集中的に研究開発活動を行っております。
昨今、ものづくりにおいて、環境に配慮し持続的発展が可能な製造技術開発も求められるようになる中、競争的資金を活用し、製造技術開発や新製品の芽となるような先行研究の一環として大学や企業との連携による開発にも取り組むなど、独自性の高い製品や独自技術の開発により一層注力しております。
なお、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は