当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
[経営理念]
ファクト-事実-を情報化する
[経営方針]
オリコンは、フェイクニュースの横行など、情報が錯綜する社会において、客観的、公平な立場から事実を情報化し、広く提供することで、社会からの信頼を獲得します。これにより、豊かな生活の実現と、様々な産業の発展に貢献する社会的価値の高い企業を目指します。
(2)経営戦略等
当社グループは、顧客満足度(CS)調査事業を展開する幅広いサービス産業の分野において、15年以上にわたってデータ集計・分析のノウハウを培ってまいりました。この事業基盤のさらなる強化と活用推進のために、人工知能(AI)関連技術をはじめとする新たなテクノロジーを積極的に用いた取り組みを行ってまいります。また、提供する情報の科学的な信頼性向上やユーザーの利便性を高める改善施策に注力して利用機会の拡大を実現し、基幹事業の持続的な成長を図ってまいります。
(3)経営環境
わが国経済は、国際社会における地政学的な緊張の高まりを背景とした資源価格の高騰や外国為替相場の急激な変動による物価高が個人の消費動向等に影響を与えており、国内経済の先行きは不透明な状況が続いております。
国内の広告分野においては、㈱電通含む電通グループ4社による発表では、2024年のインターネット広告費は社会のデジタル化を背景に堅調に伸長し、前年比9.6%増加の3兆6,517億円と過去最高を更新し、その構成比は日本の総広告費全体の47.6%を占めたとされております。
当社グループは、「オリコン」ブランドを活用して信頼性の高い情報を広く社会に提供するという基本姿勢を堅持しており、引き続き事業パートナーと連携し市場環境を注視しながら今後の事業運営に取り組んでまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①顧客満足度(CS)調査事業
当社は、企業側にも消費者側にも属さない公平中立な第三者の立場から、商品やサービスの品質および信頼性を「情報化」し、社会全体の暮らしの満足度を高めることを目指しております。「商標利用」「デジタルプロモーション」「データ販売」の三つの提供メニューを通じて、顧客企業のマーケティング活動や顧客満足度の向上を支援し、そのサポート力をさらに強化してまいります。特に「デジタルプロモーション」では、SEO対策において生成AI等の先進技術を活用し、自社サイトへの訪問者数を増加させるとともに、顧客企業サイトへの送客促進に努めてまいりました。今後は、ユーザーの年齢や地域等をもとに情報を最適化する「パーソナライズ」機能をさらに発展させ、よりユーザーにマッチしたランキングの普及を推進してまいります。「オリコン顧客満足度」の認知拡大を通じて、ブランド価値および信頼性の向上を図り、「商標利用」や「データ販売」の増加にもつなげることで、収益の拡大を目指してまいります。
②自社インターネットメディアの強化
総合トレンドメディア「ORICON NEWS」等の自社インターネットメディア強化においても、SEO対策を継続しつつ、良質で信頼できる専門性の高い情報を幅広いジャンルで発信してまいります。総合トレンドメディアとしての媒体価値を高めることで、セッション数およびページビュー数の増加と単価向上を目指しております。また、YouTube等の主要プラットフォームにおける動画コンテンツについても、エンタテインメント分野に留まらず、他ジャンルにも展開を広げてまいります。幅広いユーザー層に訴求できる動画コンテンツの調達や、当社独自の魅力あるコンテンツの制作を進めた結果、2025年3月末時点でチャンネル登録者数は227万人を超えました。今後も、当社グループ全体で検索アルゴリズム等の研究を進めることで、コンテンツの生産性やサイトのユーザビリティを高め、広告収益のさらなる拡大に取り組んでまいります。
③新たなビジネス基盤の構築と収益源の確立
当社は、中核事業の一つであるコミュニケーション事業の継続的な成長と利益の追求を目指しておりますが、さらなる成長を図るためには、新たなビジネス基盤の構築が重要な経営課題であると認識しております。その一環として、当社グループに加わった㈱新旭との事業シナジーを拡大するため、顧客満足度(CS)調査事業においては、顧客企業への新たな広告手法の提案を行うとともに、㈱新旭の顧客企業に対しては、当社独自のWEBマーケティングノウハウを活かした提案を進めてまいります。両社の得意分野を適切にすみ分け、補完し合うことで、新たな収益源の確立を目指し、サステナブルな成長につなげてまいります。
定量目標
2026年3月期につきましては、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化による国際資源価格の高騰、米国を中心とした各国の関税措置の影響等の地政学的リスク、さらには外国為替相場の急激な変動等、経済に与える影響は依然として不透明であり、今後も一層先行きの見えにくい経営環境が続くことが予想されます。もっとも、当社の事業はドメスティックなものが大半であり、海外のサプライチェーンも有していないことから、これらの国際的な要因による直接的な影響は受けづらい事業体制となっております。また、当社グループが属する広告分野は、社会環境、経済環境、技術進展の影響が大きいと考えております。
以上のような状況の下、当社グループは既存の事業ポートフォリオの見直しを含む選択と集中を進め、事業強化を図ってまいります。AI推進等のIT戦略投資のほか、引き続き社員の賃上げを積極的に取り組むことを基本とし、通期の連結業績につきましては、売上高6,000百万円(当連結会計年度比22.0%増)、営業利益1,450百万円(当連結会計年度比3.4%増)を見込んでおります。2024年10月に連結子会社化した㈱新旭との事業シナジー発揮により、売上高への寄与は期待されるものの、のれん償却負担により営業利益への寄与は限定的となる見込みです。経常利益1,450百万円(当連結会計年度比3.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益960百万円(当連結会計年度比3.2%減)を見込んでおります。
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指標 |
2025年3月期 (実績) |
2026年3月期 (予想) |
当連結会計年度比 |
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売上高 |
4,916百万円 |
6,000百万円 |
22.0%増 |
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営業利益 |
1,402百万円 |
1,450百万円 |
3.4%増 |
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経常利益 |
1,400百万円 |
1,450百万円 |
3.6%増 |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
992百万円 |
960百万円 |
3.2%減 |
上記の業績予想は有価証券報告書の提出日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、より一層の利益拡大と企業価値の向上を図るべく、会社経営の基本指標として、連結ベースの営業利益、営業利益率及び前年比増加率、親会社株主に帰属する当期純利益等を重要な経営指標としております。また、事業の収益性を計る上で自己資本利益率(ROE)、株主還元の状況を示す指標として純資産配当率(DOE)を重視しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
①ガバナンス
当社グループでは、役職員の職務執行が法令及び定款に適合し、かつ企業倫理に則り社会的責任を果たすため、「オリコングループ行動規範」を制定し、これを当社グループの役職員に周知徹底させるとともに、グループ全体のコンプライアンスの取り組みを横断的に統括することを目的として、CSR担当役員を置き、CSR担当役員を委員長としたCSR委員会を設置しております。CSR委員会は、定期的にコンプライアンス・プログラムを策定し、実施しております。
②リスク管理
リスク管理体制に関しては、各事業部門が当該事業に関連するリスク管理を行っておりますが、横断的な問題については経営企画本部が主体となり、リスクに対する具体的な施策を立案し、実施しております。また、当該リスクに対応するうえで、社外との関係が生じた場合には、経営企画本部が機動的に対応することになっております。
当社グループ全体のコンプライアンス意識向上のため、インサイダー取引規制やハラスメント防止に関する研修に加え、標的型攻撃メールへの対応、情報端末の取扱い、メール誤送信防止など、個人情報保護に関する研修も定期的に実施しております。
(2)人的資本及び当該方針に関する指標の内容等
①戦略
●人材育成方針
時代やビジネス環境が変化していく中、常に新しい知識・技術を積極的に取り入れ、従業員一人ひとりの成長を支援。多様な価値観や能力・個性を育み、発揮出来る環境を整備していくことで、企業の成長や、豊かな生活の実現、文化・消費・産業の発展への貢献を目指します。
・具体的な取組
デジタルリテラシーを高める学習機会として、専門家を招いての企画研修やオンライン学習を中心としたDX教育・リスキリングを当社グループ全体で推進しており、当事業年度においてはSEO*ほかWEBマーケティング研修や生成AI活用促進、標的型攻撃メールおよびメール誤送信対策に注力しました。また、キャリアチャレンジを組織活性化につなげるため、リスキリング環境の拡充による自己研鑽と合わせ、他職種を含むキャリア形成の自律的挑戦機会の創出やその支援を強化することで、やりがいのある生産性向上に資する労働環境の整備に努めております。*Search Engine Optimization:検索エンジン最適化
●社内環境整備方針
多様な人材が能力・個性を発揮し、心身ともに健康で安心して働くことが出来る風土・職場環境を提供します
・具体的な取組
性別問わず個々人の能力による管理職への登用を積極的に推進し、男女平等にモチベーションを高め、より能力を発揮しやすい環境を整備してまいります。また、心身の健康など従業員のウェルビーイング向上のため、ストレスチェックや定期健康診断の受診を促進しております。さらに、育児・介護に伴う休暇や時短勤務制度の整備・拡充、在宅勤務制度を設けることで、育児時間の確保、体調に配慮した働き方など、従業員のライフスタイルに合わせた働き方の選択肢も広げております。
②指標及び目標
当社グループは、事業の継続的な成長と利益追求を目指すうえで、SDGsを重要な経営課題であると認識し、SDGsを踏まえたうえでの経営に努めてまいります。また、「実現可能性」を意識し、従業員一人一人が身近に達成できるものから行う姿勢を重視しております。重点項目のひとつである「ジェンダー平等を実現しよう」における目標は以下の通りです。
女性管理職の割合の目標
・部長以上 2025年までに30%
・ユニット長(課長相当職) 2030年までに40%
女性管理職割合の実績(2025年3月31日時点)
・部長以上 19.0%
・ユニット長以上 28.0%
以上の当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みについては、当社取締役会にてCSR担当役員より答申・報告が行われ、今後の企業経営で想定されるリスクと機会を認識した上での見直しを検討・承認しております。また、当社グループから独立した地位にある顧問弁護士、税理士等の外部専門家の助言を得ることができ、当社取締役会における判断の公正性及び合理性が担保される仕組みを確保しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の回避に努めるとともに、発生した場合の的確な対応に努めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当社グループの事業を取り巻く環境の変化について
1)インターネット広告の市場動向について
国内のインターネット広告市場は、㈱電通を含む電通グループ4社による発表では、2024年の広告費は前年比9.6%増加と引き続き堅調な伸びを示して成長し、広告市場全体に占める構成比が拡大しております。
今後もインターネット広告の需要は拡大していくものと想定しておりますが、将来的にインターネットの利用者数や利用時間が伸びず、インターネット広告市場全体の成長が鈍化するような場合、新たなインターネット広告商品が創出されるなど市場構造に変化が起きる場合、もしくはインターネット上での情報漏洩や犯罪の深刻化などインターネットに対する信頼感が著しく損なわれるような状況になった場合、さらに、米国をはじめとする主要国における景気後退等により企業の広告宣伝費が削減され、日本市場の広告需要にも影響が及ぶような場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
2)インターネット向けコンテンツのユーザー嗜好の変化について
インターネット向けサービスにおいては、技術や市場の変化が大きく、ユーザー嗜好の移り変わりも激しいことから、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを適時に提供できない場合、もしくは価格競争力を維持できない場合においては、利用者数の減少によって当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、ユーザーニーズを的確に把握・分析しながら、インターネット向け(モバイル端末向け、PC向け等)にコンテンツを提供し、利用者数の増加による収益の向上を図ってまいります。
3)音楽業界の市場動向について
音楽業界におきましては、一般社団法人日本レコード協会調べによると、2024年の音楽ソフト(オーディオレコード・音楽ビデオ)の生産実績は前年比7%減の2,052億円となりました。音楽配信については、ダウンロードの売上実績は前年比7%減少した一方で、ストリーミングが前年比7%増となり音楽配信全体に占める売上比率は2年連続で9割超えとなっております。当社グループにおいては、音楽のマーケティングデータ販売等が音楽業界を対象にしていることから、今後、音楽業界の市場動向がさらに大きく変化する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4)モバイル端末の市場動向について
㈱MM総研の国内携帯電話端末の出荷台数調査では、2024年暦年(1月~12月)のスマートフォン出荷台数は前年比5.7%増となり、総出荷台数の96.6%を占めております。また、高速通信規格5G対応スマートフォンの出荷台数はスマートフォン出荷台数全体の99.5%を占めております。当社グループでは、スマートフォンユーザー向けを中心としたサービスを展開しておりますが、電気通信事業者のサービス終了によりユーザー自体が減少し、収益力が想定以上に低下した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
②その他、事業運営全般について
1)システムトラブルについて
当社グループの事業は、モバイル端末、PC等とコンピューターシステムとを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの営業の一部が停止する可能性があります。また、当社グループもしくはインターネットプロバイダー、データセンター、通信キャリア等のシステムが、ハードウエアまたはソフトウエアの欠陥、アクセス数の一時的な過負荷、電力供給の停止等によって、システムが停止もしくは不全の状態に陥る可能性があります。さらに、外部からの不正な手段によるシステム内への侵入等の犯罪や従業員の誤認等によって、当社グループの提供するコンテンツが書き換えられたり、重要なデータが消去または不正に入手されたりする恐れもあります。これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接的な損害が生じるほか、顧客からの当社グループのシステム自体への信頼性の低下を招きかねず、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループのWEB関連の事業、データサービス事業に欠かせないサーバー機器については、耐震性に優れ、信頼性の高いデータセンターを活用しており、重要なデータはデータセンター内及び遠隔地に位置する複数のエリアに分散してバックアップを用意し定期的に更新しております。また、サイバー攻撃等に対しては、当社グループのコンピューターシステムには、セキュリティソフトやウイルス対策ソフトの導入に加え、EDR(Endpoint Detection and Response)製品を活用することで、被害を最小限に抑える対策を講じております。これにより、リアルタイムでの脅威検出と対応が可能となり、情報セキュリティの体制を一層強化しております。
2)自然災害等について
当社グループの事業展開において、予期せぬ天災や疫病等による社会的混乱が発生した場合には、人的、物的損害や事業活動の停止等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、地震発生時を想定して導入している社員の安否確認ツールについて、セキュリティ強化や細かな災害対象地域の設定等の新たな機能を加える等、迅速な安否確認が可能となる手段を確保しております。また、当社グループ全体に向けた防災マニュアルの周知や、発生時の対応ガイドラインの策定等、事業リスクの最小化に向けた施策を推進しております。
3)コンテンツ獲得について
当社グループの取り扱うWEBサイト、スマートフォン向けのコンテンツには、権利保有者の許諾を得た上で、有料もしくは無料で提供しているものがあります。これらのコンテンツ提供に係わる許諾を得られない場合、もしくはコンテンツ使用料等が高騰する場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
4)技術の進展について
当社グループの想定を超える新サービスの導入など技術革新が起きた場合には、対応のための費用の増加、もしくは迅速に対応できないことによる競争力の低下が生じ、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループが事業を展開しているインターネット広告の分野は、技術革新が目覚ましく、当社グループにおいては新技術への対応を適宜行っております。
5)個人情報の取扱について
万一、機密情報・個人情報が外部に流出した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用低下等によって、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、業務遂行において取得した顧客情報等の機密情報・個人情報を保有しており、その情報管理を事業運営上の重要事項と捉えております。一般財団法人日本情報経済社会推進協会より「プライバシーマーク」の認定・付与を受けるとともに、社内の個人情報保護体制を構築し、厳重な管理体制のもとで情報を管理しております。外部からの不正アクセスに対しては、システム環境を整備するとともに、ネットワーク監視やアクセス監視を厳重に行う等、セキュリティ対策を講じております。また、入退館管理や監視カメラ等により物理的なアクセスを管理するほか、全社員を対象とした標的型攻撃メール訓練、及び情報端末の取扱いやメール誤送信防止等に関する社内教育を徹底して、情報保護を積極的に取り組んでおります。
6)主要な経営陣への依存と人材の確保について
当社グループの事業展開上、代表取締役である小池恒をはじめとする主要な経営陣が中心的な役割を担っております。これらの経営陣において、何らかの事由によって業務執行ができない事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、事業の拡大に伴って、人材の確保と育成が重要な課題となっております。今後、社内での人材育成、または社外からの人材の獲得が計画通りに進捗しなかった場合、もしくは適正な人材が社外に流失した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、性別問わず個々人の能力による管理職への登用を実施しており、男女平等にモチベーションを高め、より能力を発揮しやすい環境整備を推進しております。
7)保有する投資有価証券の評価について
当社グループは、保有する投資有価証券の評価基準及び評価方法として、投資有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものについては期末の時価を適用し、株式市場の変動などにより評価損を計上する可能性があります。また、市場価格のない株式等については、期末時点での発行会社の財務状況や今後の見通しから減損すべきだと判断した場合には、評価損を計上する可能性があります。このような状況になった場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
8)新規事業について
当社グループは、他事業の買収または資本提携などを行う可能性があります。これらが、市場環境の変化や不測の事態により、当初計画していた事業展開や投資回収を行えない状況になった場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、今後も事業基盤の拡大と収益力の向上を図るため、充分な検証を行った上で、新サービスもしくは新規事業に取り組んでまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、国際社会における地政学的な緊張の高まりを背景とした資源価格の高騰や外国為替相場の急激な変動による物価高が個人の消費動向等に影響を与えており、国内経済の先行きは不透明な状況が続いております。
国内の広告分野においては、株式会社電通含む電通グループ4社による発表では、2024年のインターネット広告費は社会のデジタル化を背景に堅調に伸長し、前年比9.6%増加の3兆6,517億円と過去最高を更新し、その構成比は日本の総広告費全体の47.6%を占めたとされております。
このような状況の中、当社グループは「ファクト-事実-を情報化する」という経営理念のもと、客観的、公平な立場から事実を情報化し広く提供することで、社会からの信頼を獲得してまいりました。信頼を基盤とした事業成長を通じて、豊かでサステナブルな社会の実現を目指し、企業価値の創出に努めております。
当連結会計年度の当社グループの連結経営成績は、次のようになりました。
コミュニケーション事業とデータサービス事業は前年同期比で増収となり、モバイル事業は2024年11月、本事業を承継する子会社の全株式を当社グループ外企業に譲渡したことで、前年同期比で減収となりました。また、2024年10月に株式会社新旭(4月期決算会社)を連結子会社化したことに伴い、2024年11月から2025年1月までの3か月の経営成績を当社グループの当連結会計年度の連結経営成績に取り込みました。この結果、売上高は前連結会計年度比115,940千円増(2.4%増)の4,916,037千円となりました。
費用面では、前連結会計年度と比べて、売上原価は55,069千円増(3.7%増)、販売費及び一般管理費は215,345千円増(12.4%増)となりました。これは主に手数料の支払や人件費等の増加によるものです。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比154,473千円減(9.9%減)の1,402,219千円となり、営業利益率は当連結会計年度で28.5%となりました。経常利益は前連結会計年度比188,671千円減(11.9%減)の1,400,020千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比63,060千円減(6.0%減)の992,077千円となり、自己資本利益率(ROE)は18.3%となりました。
当連結会計年度末の総資産は6,917,588千円となり、前連結会計年度末と比べ889,615千円増加しました。負債合計は1,260,348千円となり、現金及び預金から有利子負債を差し引いた正味現預金は3,766,469千円となりました。純資産合計は5,657,239千円となり、前連結会計年度末と比べ469,895千円増加しました。
流動資産は5,040,147千円となり、前連結会計年度末と比べ450,018千円増加しました。これは主に、株式会社新旭の連結子会社化に伴う、現金及び預金等の増加によるものであります。固定資産は1,877,440千円となり、前連結会計年度末と比べ439,596千円増加しました。これは主に、株式会社新旭の連結子会社化に伴う、のれん等の増加によるものであります。
負債合計は1,260,348千円となり、前連結会計年度末と比べ419,719千円増加しました。これは主に、未払法人税等の増加によるものであります。
純資産合計は5,657,239千円となり、前連結会計年度末と比べ469,895千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益992,077千円、配当金の支払382,032千円、自己株式の取得75,746千円等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は81.8%となり、前連結会計年度末と比べ4.3ポイントの減少となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
1.コミュニケーション事業
ニュースコンテンツの提供並びにWEBサイトの制作・運営・広告販売等を行うコミュニケーション事業では、「顧客満足度(CS)調査事業」と「ニュース配信・PV事業」を展開しております。
顧客満足度(CS)調査事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ10.4%増加しました。当連結会計年度を通じて、ランキング更新による順位変動等のマイナス影響以上に、順調に新規契約先が増加したことにより、商標利用・デジタルプロモーション(送客)・データ販売の各ビジネスが前年の実績を上回りました。商標利用・デジタルプロモーション(送客)は3月単月の売上高が過去最高となり、データ販売は年間累計の売上高が過去最高となりました。
ニュース配信・PV事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ4.1%減少しました。バナー広告は前連結会計年度と比べほぼ横ばいで推移しましたが、タイアップ広告及び外部メディア向けコンテンツ提供が前連結会計年度と比べ減少しました。また、自社メディア「ORICON NEWS」のセッション数は前年と比べ約3%減少しましたが、当社グループ独自のバナー広告の単価向上施策等が寄与したこともあり、セッション単価は前年と比べ約4%増加しました。YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」では2025年3月にチャンネル登録者数が227万人を超え、再生数も順調に増加しており、エンタテインメント分野を代表する有力なチャンネルとしての地位を確立しております。
以上の結果、コミュニケーション事業全体の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比155,263千円増(4.1%増)の3,940,727千円、セグメント利益は前連結会計年度比42,218千円増(1.8%増)の2,391,488千円となりました。
2.データサービス事業
音楽ソフト・映像ソフト・書籍のマーケティングデータを提供するオンラインサービス「ORICON BiZ online」を中心に、当社グループが保有するエンタテインメント関連データを活用したビジネスを展開しております。当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比19,883千円増(3.0%増)の693,872千円、セグメント利益は前連結会計年度比9,185千円増(3.6%増)の260,851千円となりました。
3.モバイル事業
2024年11月、本事業を承継する子会社の全株式を当社グループ外企業に譲渡したことで、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比159,204千円減(46.7%減)の181,438千円、セグメント利益は前連結会計年度比45,241千円減(46.8%減)の51,466千円となりました。
4.広告事業
㈱新旭の連結子会社化に伴い、新たな報告セグメントとして「広告事業」を設け、当連結会計年度より新セグメントでの報告を開始いたします。当連結会計年度の売上高は81,897千円、セグメント損失は11,040千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,436,018千円となり、前連結会計年度末と比べ363,440千円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,208,052千円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,535,357千円、減価償却費115,339千円を計上し、売上債権の減少339,110千円、仕入債務の減少△400,258千円、法人税等の支払額△408,955千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は212,460千円となりました。これは主として、投資有価証券の取得による支出△344,211千円、投資有価証券の売却による収入284,894千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△164,335千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は632,151千円となりました。これは主として、配当金の支払額△360,643千円、長期借入金の返済による支出△195,762千円、自己株式の取得による支出△75,746千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループは、WEBサイトの制作・運営、モバイル端末へのコンテンツ提供及びソフトECのデータベース提供を主体とする会社であり、生産設備を保有していないため、生産実績は記載しておりません。
また、当社グループは受注生産も行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
コミュニケーション事業(千円) |
3,940,727 |
104.1 |
|
データサービス事業(千円) |
693,872 |
103.0 |
|
モバイル事業(千円) |
181,438 |
53.3 |
|
広告事業(千円) |
81,897 |
- |
|
報告セグメント計(千円) |
4,897,937 |
102.0 |
|
その他(千円) |
18,100 |
- |
|
合計(千円) |
4,916,037 |
102.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、すべての相手先の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度末における売上高は、前連結会計年度比115,940千円増(2.4%増)の4,916,037千円となりました。これは主に、顧客満足度(CS)調査事業が前連結会計年度比10.4%増となった一方、ニュース配信・PV事業の不振、およびモバイル事業を継承する子会社の全株式を当社グループ外企業に譲渡したことによるものであります。各報告セグメントの外部顧客への売上高の連結売上高に占める割合は、コミュニケーション事業が80.2%、データサービス事業が14.1%、モバイル事業が3.7%、広告事業が1.7%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度末における売上総利益は、売上原価が55,069千円増(3.7%増)となったことにより、3,353,316千円となり、売上総利益率は前連結会計年度比0.4ポイント減の68.2%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度末における販売費及び一般管理費は、賃上げやSEO強化コスト等もあり、前連結会計年度比215,345千円増(12.4%増)となりました。当社グループが最重要指標としている当連結会計年度末における営業利益は前連結会計年度比154,473千円減(9.9%減)の1,402,219千円、営業利益率は前連結会計年度比3.9ポイント減の28.5%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度末における営業外収益は、前連結会計年度比61,840千円減の45,375千円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比27,643千円減の47,574千円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度比188,671千円減(11.9%減)の1,400,020千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度末における特別利益は、前連結会計年度比163,841千円増の163,841千円となりました。特別損失は、前連結会計年度比27,667千円増の28,505千円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比63,060千円減(6.0%減)の992,077千円となりました。
財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末における財政状態は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、連結ベースの営業利益、営業利益率及び前年比増加率、親会社株主に帰属する当期純利益、一定の自己資本利益率(ROE)、純資産配当率(DOE)を確保することを経営指標として位置づけております。
当連結会計年度における営業利益、営業利益率及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前年度を下回り、ROEは18.3%と3.1ポイント減少しましたが、DOEは8.6%と0.9ポイントの上昇となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1.コミュニケーション事業
当社グループの主力事業セグメントとしており、二つのサブセグメントで構成されております。
(顧客満足度(CS)調査事業)
商標利用・デジタルプロモーション(送客)・データ販売の三つのビジネスを展開しております。デジタルプロモーション(送客)ではSEO*対策が効果を発揮し、商標利用の契約獲得にも繋がり、データ販売とともに前連結会計年度の実績を上回ることができました。 *Search Engine Optimization:検索エンジン最適化
(ニュース配信・PV事業)
自社メディアにおけるバナー広告を中心とした広告収入は、WEBサイトのユーザビリティ向上など当社グループ独自の施策が寄与し単価向上により増加しましたが、「Yahoo!JAPAN」等の外部ポータルサイトやニュースアプリ等へのニュース配信による収入が減少し、前連結会計年度の実績を下回りました。
2.データサービス事業
音楽ソフト・映像ソフト・書籍のランキング情報を活用したマーケティングデータを作成し、商品情報のデータベース化、データのカスタマイズ化、新規商材の拡販に注力した結果、前連結会計年度比の実績を上回りました。
3.モバイル事業
2024年11月、本事業を承継する子会社の全株式を当社グループ外企業に譲渡しました。
4.広告事業
2024年10月、広告企画制作を展開する㈱新旭の連結子会社化に伴い、新たな報告セグメントとして「広告事業」を設け、当連結会計年度より新セグメントでの報告を開始しました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は事業投資や設備投資等によるものであります。また、株主還元については、配当性向40%を目安として可能な限り安定した配当を継続して実施してまいります。
運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金を基本としております。また、当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ会社から資金を預かり、効率良く運用しております。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,436,018千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(株式取得による子会社化)
当社は、2024年10月10日開催の取締役会において、株式会社新旭の発行済株式の全部を取得し子会社化することを決議し、2024年10月15付で株式譲渡契約を締結しました。また、2024年10月15日付で株式を取得したことにより子会社化しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの研究開発活動につきましては、当社において、主にAI技術をWEBメディアに応用する研究開発を行いました。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は