第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の方針

 当社は2023年1月、創立100周年(2059年)に目指す姿「積水化成品グループ100年ビジョン」について、経営理念の体系化を図るとともに、上位概念の一部であるコーポレートビジョンを改訂しました。

 当社の創業の精神「働く者の幸せのために」や経営理念である「われわれ積水化成品グループは、人間尊重と相互信頼を基本に全員経営を実践し、“新しい幸せ”を目指して常にイノベーションをし続けます」をベースに、このたびコーポレートビジョンである「人と地球を大切に、新たな価値を創造するニューケミカル・ソリューション・カンパニー」を目指します。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

 当社グループは、2025年4月に開始する新中期経営計画「Going Beyond 2027 ~ 変革と完遂 ~」を作成しました。

 以下に記載の<基本方針>に則り、<重点課題>を中心に全員経営で取り組んでまいります。

 

 <基本方針>

 意識・行動変革による「収益力の強化」と「経営基盤の強化」を完遂し、企業価値向上に繋げる

 

 <重点課題>

 1)「収益力の強化」 ~新たな価値創造、ビジネスモデル変革を通じた事業ポートフォリオの変革~

①収益基盤の強化と収益力向上

・高付加価値品への資源集中による収益力の強化(インダストリー分野での事業拡大)

・資源循環、省資源など環境を切り口としたシェアアップと収益力向上(ヒューマンライフ分野での基盤強化)

・グローバル戦略再構築による収益拡大(グローバル地域戦略の明確化と収益拡大、新市場の探索)

・開発品の早期市場投入および新領域の創出(テクポリマー・テクノゲル・ST-Eleveat・ピオセラン・Fluxflow・その他高機能新素材開発)

②環境貢献ビジネスの収益力強化

・環境貢献製品の創出と市場投入の加速(ReNew+製品群・住環境・土木製品群等の拡大)

③生産革新と現場力強化によるコスト競争力の強化

・生産活動全般における効率性に拘った革新技術・DXの展開とSKG改善活動による現場力強化

 

2)「経営基盤の強化」 ~資本効率性、環境、社会、ガバナンスの追求~

①資本効率と資本コストを意識した経営の実践

・資本効率向上に向けた社内体制や経営判断プロセスの構築

・株価を意識した活動の推進(ステークホルダーから信頼される対話の推進、政策保有株式の見直し)

②環境・社会課題解決に向けた取組み強化

・気候変動対応取組みの推進

・資源循環推進と企業価値向上に向けた情報公開の強化

③人的資本経営の推進とガバナンス強化

・従業員エンゲージメントの向上とダイバーシティの推進

 

「Going Beyond 2027 ~ 変革と完遂 ~」の定量目標

連結目標

2024年度

(実績)

2025年度

(計画)

2027年度

(計画)

3ヵ年平均

(伸長率)

売上高

1,370億円

1,140億円

1,000億円

△10.0%

営業利益

(営業利益率)

   6億円

(0.5%)

18億円

(1.6%)

45億円

(4.5%)

91.5%

経常利益

1億円

14億円

43億円

248.0%

親会社株主に帰属する当期純利益

△62億円

0億円

29億円

ROE

6.0%

(億円未満は切捨てで表示しております)

 

2026年3月期の連結業績予想(2025年4月1日~2026年3月31日)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属

する当期純利益

1株当たり

当期純利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

円 銭

半期

65,000

△5.9

200

153.2

0

△1,500

△32.99

通期

114,000

△16.8

1,800

180.7

1,400

0

0.00

 

(3) 対処すべき課題

 米国の政策変更による経済影響をはじめ、ウクライナ情勢、中東地域の地政学的不安定の長期化、それに伴うエネルギー・資源価格の高騰による物価上昇の影響に留意する必要があります。

 当社グループでは、(2)のとおり2025年4月に新3カ年中期経営計画「Going Beyond 2027 ~ 変革と完遂 ~」を作成し、「意識・行動変革による『収益力の強化』と『経営基盤の強化』を完遂し、企業価値向上に繋げる」との基本方針に基づき、重点課題に取り組んでまいります。

 環境課題解決については、事業活動の中核と位置付けており、環境情報開示システムを提供する国際的な非営利団体CDPにより、当社の気候変動への取り組みが、「自社の環境リスクや影響について把握し、行動している」と認められ、「CDP気候変動レポート2024」においてBスコアの評価を受けました。今後も、エコ・ファースト認定企業として、気候変動対応に関する情報開示の充実を図るとともに、サステナビリティへの取り組みを強化していきます。

 『ESG経営』においては、グループ経営としてグローバル各拠点でのガバナンス対応を強化しております。また、当社グループは健康経営を推進しており、当社を含むグループ10社において、「健康経営優良法人 2025」の認定を受けました。今後も創業の精神「働く者の幸せのために」に基づき、従業員の健康を最も重要な経営資源のひとつとして捉え、国内のみならずグローバルを含むすべての従業員が健康でいきいきと働くことができる職場環境を目指してまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、従来のCSR(企業の社会的責任)をより高次元な形に置き換え、「環境価値・社会価値・経済価値を高め、持続的に発展する」として、環境・社会課題解決型事業への転換を進めています。『わたしたち積水化成品グループは、経営理念の実践を通じて地球環境を含む全てのステークホルダーに対して社会的責任を果たし、グローバルに社会の持続的発展に貢献するとともに、持続的な企業価値向上につとめます。』とのサステナビリティ方針を2023年1月に制定し、サステナビリティの基盤として「環境・安全・品質に配慮したモノづくり」、「コンプライアンスを重視した誠実な経営活動」、「全員経営の実践」という3点を据え、活動を行っております。

 また、国際的な基準やガイドライン、SDGsが掲げるゴールなどから「当社グループにとっての重要性」と「ステークホルダーにとっての重要性」の2軸で評価した環境・社会・ガバナンス視点のマテリアリティ(経営重要課題)を特定し、それぞれに推進項目とKPI(重要成果指標)を定め、持続的な成長に向けて「ESG経営」を強化しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

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[サステナビリティ全般に関する取り組み]

<ガバナンス>

 当社グループでは、サステナビリティに関する課題について、常務会とその下部委員会であるサステナビリティ委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会において議論の上、取締役会において審議・承認・監督するガバナンス・リスク管理体制をとっております。

 サステナビリティ委員会においては、課題や機会を踏まえた施策について、コンプライアンス・リスク管理委員会においては、各リスクの評価と対処のための取り組みについて、それぞれその分野を管轄する主管部門や主管委員会が起案した内容を審議し、常務会・取締役会に付議することとしております。取締役会で承認された方針や施策の実行はその分野を管轄する主管部門や主管委員会が牽引します。

 

 

サステナビリティに関するガバナンス体制図

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<リスク管理>

 当社グループにおけるサステナビリティに関するリスクは、以下のプロセスを通じて全社的にリスク管理を行う体制をとっています。

・サステナビリティに関する事業への影響は、その分野を管轄する主管部門や主管委員会が各種の分析によって把握し、内容を精査した上で対処すべき具体的なリスクや機会として識別される。

・識別されたリスクや機会については、主管部門や主管委員会がリスク低減の施策あるいは機会に対応するための施策等を検討するとともに各部門やグループ会社での取り組みの支援、施策の実施状況を確認する。

・サステナビリティに関するリスク低減の取り組み状況については各主管部門や主管委員会から「コンプライアンス・リスク管理委員会」に報告され、「コンプライアンス・リスク管理委員会」ではその内容を審議し、結果を常務会、取締役会に報告する。

 

 なお、「戦略」および「指標及び目標」につきましては、サステナビリティの具体的な取り組み内容によって異なることから、以下の[サステナビリティに関する主な具体的な取り組み]の中で記載をしております。

 

[サステナビリティに関する主な具体的取り組み]

1.気候変動に関する事項

  積水化成品グループは2022年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、TCFD提言に基づき、気候関連のリスク及び機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示を行っています。当社グループはTCFD提言に沿った気候変動対応に関する情報開示を行うと共に、事業活動を通じて持続可能社会の実現に貢献し、当社グループの持続的企業価値向上に向けた経営基盤強化を進めていきます。

(1)ガバナンス

 積水化成品グループでは、気候変動の課題について、常務会と取締役会の主要メンバーなどで構成されるサステナビリティ委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会において議論の上、取締役会において審議・承認・監督するガバナンス・リスク管理体制をとっています。また、代表取締役社長は上記事項に関する最終承認における責任を担っています。

 サステナビリティ委員会においては、課題認識とそれを踏まえた施策について、コンプライアンス・リスク管理委員会においては、各リスクの評価と対処のための取り組みについて、それぞれ環境委員会が起案した内容を審議し、常務会・取締役会に付議することとしています。環境委員会は取締役会で承認された方針や施策の実行を牽引し、各部門・グループ会社がその方針や施策に基づき、各種の取り組みを行っています。

 

[気候関連の戦略を評価・管理する上での経営者の役割]

 積水化成品グループは、中期経営計画「Going Beyond 2027 ~変革と完遂~ 」において、「持続可能社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の実現を目指すべき方向性として定め、サーキュラーエコノミーを軸に据えた事業構造の転換や、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めています。それを踏まえて事業の各執行責任者は、気候変動に関する取り組みの状況が、当社グループの定めた目指す方向性に合致しているかの視点に基づき、リスクと機会及びそれらを踏まえた戦略について十分精査し、状況に応じた経営判断によって事業を推進する責任を担っています。

 

(2)戦略

 積水化成品グループは創立以来、低炭素・循環型社会の実現を目指し、省エネルギーやリサイクルなど、環境と共生するモノづくりを行ってきました。現在は、SKG-5R推進として、これまでも取り組んできた3R(Reduce、Reuse、Recycle)に、グループ独自の2R(Replace、Re-create)を加えた5Rを実行し、地球規模の課題解決に貢献していきたいと考えています。それに関連して、2030年度までに達成する3つの目標「サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出と事業拡大」「リサイクル・バイオマス原料使用比率50%以上」「GHG(CO₂)排出量削減」を設定し、事業を通じた社会・環境貢献を実行していきます。

 発泡製品は、省資源・省エネルギー・資源循環などの特長があり、これらを活かして幅広い分野で使われています。例えば、自動車に部材として搭載した場合、発泡製品が持つ軽量性を活かして、車体の軽量化を図れます。結果として、ガソリンなどの燃料消費が抑えられ、地球温暖化につながるGHG(CO₂)の排出量が削減されます。また、食品容器は、断熱性(保温/保冷)を活かして、農水産物や食料品などの鮮度保持や長期保存を可能とし、フードロス削減に役立ちます。

 このような発泡製品の特長に着目し、積水化成品グループの基幹となる発泡プラスチック事業を、シナリオ分析実施対象事業に選定し、地球温暖化を1.5 ℃に制限するというパリ協定の目標と一致させることに同意し、気候関連のリスクと機会の特定とその対応策の検討を行った後、TCFDのフレームワークに則り、脱炭素経済実現に向けた「移行リスク」及び気候変動に伴う「物理リスク」の分析を進めました。分析を進めるにあたっては、環境部門を統括する取締役の下、気候変動など環境課題解決に携わる主要8部門の各部門長と実務担当者が参加するプロジェクトを編制し、実質的な対応策の立案や正確な事業インパクトについて、各部門でのリスク・機会や対応策を議論し、実態に即した分析を行っています。

 

(3)リスク管理

 積水化成品グループでは、気候変動を含む全社的なリスク管理については、将来にわたり事業を継続していくためにシナリオ分析を実施し、把握しています。分析によって洗い出されたリスクは、環境管理や保全などに関する戦略を立案する環境委員会での審議・評価を経て、対処すべき具体的なリスクとして識別されます。リスク発生の未然防止ならびにリスク管理への取り組みは、環境委員会で審議されるとともに、常務会の下部委員会であるコンプライアンス・リスク管理委員会に報告され、経営上のリスクのひとつとして審議・管理されます。

 一方、機会については、環境委員会での審議・評価を経て、サステナビリティ委員会に報告されるとともに、関連する事業部門にも共有され、事業上の戦略に反映されます。また、リスク及び機会の状況は、常務会に報告後、取締役会にも報告され、そこでの指示事項はリスクと機会の取り組みにフィードバックされています。

 

 

(4)指標及び目標

 2030年までに達成する3つの目標「サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出と事業拡大」「リサイクル・バイオマス原料使用比率」「GHG(CO₂)排出量削減」を設定しました。

 

・サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出と事業拡大

 登録件数:100件 売上高比率:50%

・リサイクル・バイオマス原料使用比率

 全ての使用原料の50%を、バージン原料からリサイクルまたは生分解性・バイオマス由来の原料に置き換える。

・GHG(CO₂)排出量削減(Scope1+2)

 2018年度対比 目標27% 削減(当初目標) → 45%削減に目標修正

(2018年度連結ベースの排出量 143千トン)

 

指標及び目標に対する実績

 

2030年度目標

2023年度実績

2024年度実績

サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)

登録件数

100件

54件

57件

売上高比率

50%

19%

21%

リサイクル・バイオマス原料使用比率

50%

18%

18%

GHG(CO₂)排出量削減

(Scope1+2)

27%削減

(2018年度対比)

21%削減

27%削減

 

 加えて、世界が気候変動への取り組みに注力する中、私たちは、2030年の目標達成を通過点と捉え、2050年カーボンニュートラルを目標に据え、その取り組みを加速させています。

 GHG(CO₂)排出量実績詳細(Scope1、2、3)は、下記をご確認ください。

https://www.sekisuikasei.com/jp/assets/images/ir/ir-library/integrated-report/report_2024.pdf

 

 また、「TCFD提言に基づく情報開示」の詳しい内容は、ホームページをご参照ください。

https://www.sekisuikasei.com/jp/sustainability/esg/environment/climate_change/

 

2.人的資本に関する事項(人材の多様性の確保を含む人材育成方針と社内環境整備方針)

 当社グループは、以下の「人事方針」を定め、人的資本経営を推進しております。

(人事方針)

 積水化成品グループは、グループ員一人ひとりが持つ可能性をかけがえのない「資本」と捉え、持続的に成長する機会と環境を創出し続ける「人的資本経営」を実践します。これを実現するため、以下の項目を定め、グループ員が行動規範に定める行動を実践し、その力を十分に発揮できる環境を整備します。

 

 この「人事方針」は、多様な人材がその力を最大限に発揮できる組織の実現を目指し、従業員一人ひとりの成長と育成を支援するとともに、誰もが働きやすく働きがいを感じられる職場環境の整備に取り組む姿勢を、6つの方針として明確にしたものです。創業の精神である「働く者の幸せのために」の具現化と、グループカルチャーの「全員経営」の実践を通じて、当社を取り巻くステークホルダーに対し、持続可能な企業価値創造と向上を目指します。

 

項目

方針

人材育成

自律的キャリア形成を支援し、人と会社の成長を実現します

健康経営

心身ともに健康でいきいきと働ける職場環境整備に取り組みます

評価・処遇

採用・配置

公正な評価と処遇を行い、適所適材の人員採用・配置を実践します

エンゲージメント

向上

自発的な貢献意欲が持てるように働きがいのある職場と成長機会を提供します

ダイバーシティ

一人ひとりの多様性を尊重し、活躍できる機会と環境を創出します

働き方改革

生産性の高い働き方、柔軟な働き方を追求します

 

 

 

(1)戦略

項目

戦略

人材育成

研修体系を強化し、階層別研修・キャリア開発研修・経営人材育成(積水化成品塾)を推進することで、変化に対応できる自律型人材を育成する。

健康経営

健康経営戦略MAPを継続的に運用し、ストレスチェックや健康診断の分析結果を活用した重点的な対策を講じ、心身両面の健康保持・増進を図る。

評価・処遇

採用・配置

実力と成果を適切に反映した評価処遇制度の運用を通じて従業員のモチベーションを高める。多様な採用媒体を活用し、適材適所の人員配置を推進する。

エンゲージメント

向上

エンゲージメント調査を通じて職場環境の課題を把握し、改善アクションを部門横断で展開。従業員がモチベーションとやりがいを高められる組織づくりを推進する。

ダイバーシティ

女性、外国人、障がい者などの多様な人材の積極的な採用と定着支援を行い、デジタル技術や業務インフラ整備によって誰もが活躍できる職場を実現するとともに、その活躍によってイノベーションにつなげる。

働き方改革

在宅勤務制度・フレックス制度を柔軟に活用し、ワークライフバランスの向上と業務効率化を図る。有給休暇取得促進や労働時間適正化にも注力し環境整備を進める。

 

(2)指標及び目標

指標

目標

2024年度実績

女性管理職比率

2027年度末 8%以上

5.6%

女性社員比率

2027年度末 19%以上

16.9%

男性育児休業取得率

2027年度末 100%

87.5%

女性採用比率

2027年度末 28%

28.6%

 

※上記、「指標及び目標」に関しては、グループ会社各社での取り組みが未だ不十分であること、地域性や各社の事業特性、又は規模感などから目標設定が困難なため、提出会社単体での数値です。

 

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられ、また投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針であり、全般的なリスク管理については、下図のとおり「コンプライアンス・リスク管理委員会」にて評価・審議し、その結果を定期的に常務会、取締役会に報告しております。

 

            当社のリスク管理プロセス図

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 なお、以下の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループにおける事業等のリスクは、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、以下に記載した事項に限定されるものではありません。

 

① 安全の確保

当社グループの事業拠点において、労働災害や火災等が発生し、それが原因で近隣地域に影響が及ぶ場合、社会的信用の失墜、対応費用の発生、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償等によって、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは「保安委員会」を設置し、グループ全体で保安活動方針を定め、安全パトロール、安全啓発、安全教育及び各種訓練等の活動を企画立案、実行し、事業活動の全般で、無事故、無災害に努めております。

 

② 製品の品質保証

製品に予期しない欠陥や不具合が生じた場合、製品の回収や損害賠償等、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは「品質委員会」を設置し、品質マネジメントシステムの強化をはかるとともに、グループ全体で品質方針を定め、品質監査、品質管理教育、品質会議等の活動を企画立案、提言し、製品の開発と生産における安全性、品質に配慮しております。また、品質に関する国内外の法令や業界団体等の定める規制、規格を遵守して事業活動を進めております。さらに、万一品質問題が発生してしまった場合に備え、製造物責任保険に加入しております。

 

③ 環境マネジメント

製品材料の保管管理や製造過程における、化学物質の漏出、事故の発生等、工場周辺の環境に影響を及ぼすような事象が発生した場合、顧客や地域社会からの信用の失墜、補償その他対策費用の発生、生産停止による機会損失等によって、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。さらには、気候変動問題への対応は喫緊に取り組むべき課題と認識しております。

そこで当社グループでは環境方針を定め、「環境委員会」を設置して、「気候変動への対応」、「資源循環」、「生態系保全」、「法令遵守と情報開示」、「教育と啓蒙」の5つの項目で具体的な行動方針を設定し、それぞれの事業所において、環境マネジメントに努めるとともに、各種環境規制法令を遵守して事業活動を進めております。

また、気候変動が当社事業に与える影響について、「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)の提言に沿った気候変動対応に関する情報開示を行っており、2030年に事業活動に伴うGHG(CO)排出量を2018年対比で45%の削減、2050年にカーボンニュートラル実現に向け、CO排出量削減の活動を加速しております。

 

④ 経済状況、公共事業の動向

当社グループの業績及び財政状況は、景気動向による需要の縮小、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって影響を受ける可能性があります。

そこで当社グループでは、このような市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に柔軟に対応できるよう販売力、開発力、財務体質の強化をはかるとともに、中期経営計画での施策を着実に推進することで収益減少を最小限に抑えるように努めております。

 

⑤ 国外での事業活動

当社グループは、アジア地域をはじめ、欧州、米国、中米でも生産・販売事業を展開しておりますが、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、中台関係などの地政学的な問題、感染症の拡大といった社会的混乱等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、リスクを最小限にとどめるため積極的な情報収集に努め、事業環境の変化に即応できる体制を整えております。

 

⑥ 原材料の市況変動

当社グループで使用する主な原材料は、スチレンモノマー、ポリスチレン等ですが、それら原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合や、自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合、また原材料メーカー再編による仕入先の供給不足や配送規制強化による配送業者の納入遅延などが生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力するとともに、調達先及び使用原料の多元化、物流ルートの安定化等の方策に努めております。また、原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できるように、適宜顧客との折衝を行っております。

 

⑦ 為替リスク

当社グループの国外事業における外国通貨建て取引は、円換算時の為替レート変動の影響を受けます。これらの取引につきましては、リスクを軽減させる措置を講じておりますが、為替レートの変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、取引にかかわる外国通貨のヘッジ等、リスクを抑制するためのさらなる措置を検討してまいります。

 

⑧ 減損・資産価値低下に関するリスク

当社グループは、事業用のさまざまな有形固定資産及び無形資産を計上しております。また、一定の他社株式を保有しております。これらの資産については、業績計画との乖離や市場動向の変化等によって期待するキャッシュ・フローが生み出せない場合、あるいは資産価値の低下が生じた場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、投融資に関して「投融資委員会」を設置し、投融資の是非を綿密に審議しております。また、事後における進捗管理を徹底し、さらに資産価値を適正に把握する体制を整備しております。

 

⑨ 自然災害のリスク

想定を超える大規模な地震、台風その他の自然災害による当社グループの事業拠点の被災やサプライチェーンの障害による事業活動停止が発生した場合、あるいは感染症拡大等による社内外に混乱が発生した場合には当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、自然災害による緊急事態が発生した場合の初動対応計画を作成し、即応体制の準備と情報共有方法を整理しております。また、基幹事業については事業継続計画(BCP)の策定に取り組んでおります。

 

⑩ 情報セキュリティ

当社グループは、業務上必要な機密情報や個人情報を有しておりますが、外部からの予期せぬ攻撃や自然災害等で重要なシステムが使用不可能な状態になり当社グループの業務遂行に支障が生じる場合、または内部からの情報漏洩や不正使用が発生し当社グループの信用が低下した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、これらの情報資産を適切に保護するため、全社のIT施策の管理、推進を行う「IT推進委員会」を設置し、情報セキュリティ実施計画を策定するとともに、情報セキュリティシステムの機能アップや従業員への教育を行っております。また、各部門、各グループ会社に情報セキュリティ責任者を配置し、情報セキュリティ活動を統括して情報資産の適切な管理を行っております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度は、世界経済におきましては、米国の政策変更による経済影響をはじめ、ウクライナ情勢、中東地域の地政学的不安定の長期化、それに伴うエネルギー・資源価格の高騰による物価上昇等、世界経済に対する不確実性は高く、引き続き注視が必要と認識しております。自動車産業では、米州で回復基調にある一方で、中国を含むアジアでは急激なEV車の普及と市場再編、その影響を受けた日系メーカーの生産縮小など地域やメーカーによって生産活動にばらつきが見られました。特に欧州では自動車産業の回復の遅れにより、OEMメーカーは更に厳しい環境におかれています。エレクトロニクス関連は、テレビ、モニター用途の在庫調整による需要変動が見られたものの、堅調に推移しました。日本経済は、雇用環境の改善等による個人消費の回復やインバウンド需要の増加等により景気は回復基調を示す一方で、資源価格、食料品の高騰や為替・株式市場の不安定な動向など、不透明な状況が継続しております。また、温室効果ガス排出量削減や気候変動問題など環境課題への対応は、重要性を増しております。

 日本の発泡プラスチックス業界では、食品容器関連の需要は、物価上昇などの影響があり、伸び悩みましたが、環境を意識した食品容器関連は伸長しました。また、工業関連の各種部材、梱包材、搬送資材は低調に推移しました。

 

ア 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ102億3千5百万円減少し、1,362億3千8百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ30億8千4百万円減少し、865億6千7百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ71億5千万円減少し、496億7千万円となりました。

 

イ 経営成績

 当連結会計年度の業績は、売上高が1,370億7千2百万円(前期比5.2%の増加)、営業利益は6億4千1百万円(前期比49.2%の減少)、為替変動の影響による為替差損1億1千7百万円を含む経常利益は1億2百万円(前期比96.2%の減少)でありました。さらに、当連結会計年度において、連結子会社(孫会社)であるProseat SASの清算等による事業整理損11億1千万円、Proseatグループ等の固定資産の減損損失40億7千2百万円を含む特別損失55億7千1百万円、特別利益9億1千9百万円を加・減算し、親会社株主に帰属する当期純損失は62億8千2百万円(前年は10億8千3百万円の利益)となりました。

 セグメントごとでは、ヒューマンライフ分野の売上高が549億7千6百万円(前期比12.0%の増加)、セグメント利益は30億6百万円(前期比68.2%の増加)となり、インダストリー分野の売上高が820億9千6百万円(前期比1.2%の増加)、セグメント利益は5億3千2百万円(前期比77.5%の減少)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期末に比べて17億3千8百万円減少し、91億2千8百万円となりました。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業利益の減少などにより、前期に比べ26億2千2百万円減少し、47億5千3百万円の収入となりました。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 有形固定資産の取得による支出の増加などにより、前期に比べ19億1千5百万円支出が増加し、56億9千4百万円の支出となりました。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 短期借入金の増減額の増加などにより、前期に比べ30億4千万円支出が減少し、6億1千8百万円の支出となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ア 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比増減率(%)

ヒューマンライフ分野(百万円)

68,919

28.9

インダストリー分野

(百万円)

77,450

3.4

合計(百万円)

146,369

14.0

(注)金額は、販売価格により表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

イ 受注実績

 主として見込生産を行っており、受注生産はほとんど行っておりません。

 

ウ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比増減率(%)

ヒューマンライフ分野(百万円)

54,976

12.0

インダストリー分野

(百万円)

82,096

1.2

合計(百万円)

137,072

5.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社エフピコ

17,190

13.2

20,023

14.6

 

 

(2) 経営成績の分析

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

ア 経営成績等

(ア)財政状態

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

流動資産残高

69,110

63,592

△5,518

固定資産残高

77,363

72,646

△4,716

負債残高

89,652

86,567

△3,084

純資産

56,821

49,670

△7,150

 

(資 産)

 当連結会計年度末における総資産は1,362億3千8百万円(前連結会計年度末比102億3千5百万円の減少)となりました。

 資産の部では、売掛金の減少などにより流動資産が55億1千8百万円減少しました。固定資産の減損などにより固定資産は47億1千6百万円減少しました。

(負 債)

 負債の部では、短期借入金の増加などにより流動負債は38億6千8百万円増加しました。長期借入金の返済などにより、固定負債は69億5千2百万円減少しました。

(純資産)

 純資産の部は71億5千万円減少しました。純資産から非支配株主持分を控除した自己資本は489億1千1百万円となり、自己資本比率は35.9%となりました。

 

(イ)経営成績

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

売上高

130,265

137,072

6,807

国外売上高

55,556

59,260

3,704

(国外売上高比率)

(42.6%)

(43.2%)

 

営業利益

1,261

641

△619

(売上高営業利益率)

(1.0%)

(0.5%)

 

営業外収益

2,879

773

△2,106

営業外費用

1,407

1,312

△95

経常利益

2,733

102

△2,630

特別利益

208

919

711

特別損失

318

5,571

5,252

当期純利益又は当期純損失(△)

1,105

△6,281

△7,387

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

1,083

△6,282

△7,366

(自己資本利益率)

(1.9%)

(△12.0%)

 

 

 

 

 当連結会計年度における、売上高は1,370億7千2百万円(前期比5.2%の増加)、営業利益は6億4千1百万円(前期比49.2%の減少)、経常利益は1億2百万円(前期比96.2%の減少)でありました。親会社株主に帰属する当期純損失は62億8千2百万円(前年は10億8千3百万円の利益)となりました。

 営業外損益においては、為替変動の影響により為替差損1億1千7百万円が発生し、営業外収益は前期比で21億6百万円減少し7億7千3百万円となり、営業外費用は前期比で9千5百万円減少し、13億1千2百万円となりました。

 特別損益では、土地の売却による固定資産売却益の発生などにより、特別利益は前期比で7億1千1百万円増加し、9億1千9百万円となり、さらに、当連結会計年度において、連結子会社(孫会社)であるProseat SASの清算等による事業整理損11億1千万円、Proseatグループ等の固定資産の減損損失40億7千2百万円を含む特別損失は前期比で52億5千2百万円増加し、55億7千1百万円となりました。

 

(ウ)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、下記のとおりです。

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

7,375

4,753

△2,622

投資活動によるキャッシュ・フロー

△3,779

△5,694

△1,915

財務活動によるキャッシュ・フロー

△3,658

△618

3,040

現金及び現金同等物期末残高

10,867

9,128

△1,738

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業利益の減少などにより、前期に比べ26億2千2百万円減少し、47億5千3百万円の収入となりました。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 有形固定資産の取得による支出の増加などにより、前期に比べ19億1千5百万円支出が増加し、56億9千4百万円の支出となりました。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 短期借入金の増減額の増加などにより、前期に比べ30億4千万円支出が減少し、6億1千8百万円の支出となりました。

 

<現金及び現金同等物期末残高>

 現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期末に比べて17億3千8百万円減少し、91億2千8百万円となりました。

 

イ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 2024年度の計画達成状況は以下のとおりであります。

 

連結業績

 

2024年度

計画

2024年度

実績

対計画比

増減率

売上高

1,320億円

1,370億円

3.8%

営業利益

25億円

6億円

△74.4%

(売上高営業利益率)

(1.9%)

(0.5%)

 

経常利益

22億円

1億円

△95.3%

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

8億円

△62億円

(自己資本利益率)

(1.5%)

(△12.0%)

 

※ 億円未満は切捨てで表示しております。

 2024年度計画は2024年4月30日公表数値であります。

 

ウ 経営成績の状況等に関する認識及び分析検討内容

 2024年度は、年度初の業績予想計画に対して、売上高は3.8%増加となったものの、営業利益△74.4%、経常利益△95.3%となり、親会社株主に帰属する当期純損失62億円の実績となりました。

 2024年度は、環境を意識した食品容器関連の動向や自動車生産台数の回復による需要を取り込むとともに、販売価格への転嫁、原価低減や固定費の削減など収益改善に取り組みましたが、グローバルにおける労務費の高騰のほか、原料価格や為替変動の影響を受け、計画未達となりました。また、欧州Proseatグループに関する固定資産等を減損処理し、当期純損失となりました。セグメントごとの分析状況につきましては、エ に記載のとおりです。

 今後の当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、市場動向、資材費動向、海外動向等があります。

 市場動向については、従来からの景気動向に加え、米国の政策変更による経済影響、ウクライナ情勢などの地政学リスクやサプライチェーンの混乱、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に留意した戦略を遂行できるよう販売力、開発力、財務体質の強化に努めております。

 資材費動向については、当社グループで使用する原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合または自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力しております。

 海外動向については、アジア地域をはじめ、欧州、米国、中米でも生産・販売事業を展開しており、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、戦争や政情不安等の社会的混乱などにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、リスクを最小限にとどめるため情報収集に努めております。また、グローバルなEV及び次世代自動車市場動向の重要性を認識し、高機能化や環境負荷を低減する新たな新素材開発を行うなど対応を強化しております。

 これらの点を踏まえ、当社グループは、中期経営計画「Going Beyond 2027 ~ 変革と完遂 ~」を着実に推進してまいります。

 

エ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

a ヒューマンライフ分野

 

2023年度

実績

2024年度

実績

増減率

売上高

491億円

550億円

12.0%

経常利益

18億円

30億円

68.2%

※ 億円未満は四捨五入で表示しております。

 

b インダストリー分野

 

2023年度

実績

2024年度

実績

増減率

売上高

812億円

821億円

1.2%

経常利益

24億円

5億円

△77.5%

※ 億円未満は四捨五入で表示しております。

 

(ヒューマンライフ分野)

ヒューマンライフ分野の売上高は549億7千6百万円(前期比12.0%の増加)、セグメント利益は30億6百万円(前期比68.2%の増加)となりました。

食領域

「エスレンシート」

・スーパー向け食品容器用途の出荷数量は堅調。

・株式会社エフピコと共同開発した省資源素材PZシリーズならびに納豆容器用途の出荷数量は好調。

・即席麺用途の需要は回復傾向で出荷数量は前期をやや上回る。

「エスレンビーズ」

・農産用途は天候の影響により出荷数量は低調。

・水産用途は漁獲量減少から鮮魚向けは低調が継続。養殖向けは堅調に推移。

・各地域の生協でリサイクル原料を使用したRNWの採用が進む。

住環境・エネルギー領域

「建材関連資材」

・断熱材需要は住宅着工の減少から低調。

「土木関連資材」

・EPSブロックは工事物件の進捗遅れが続き、売上は前年を下回る。

「都市緑化」

・スーパーソイレン工法は、都市再開発工事物件を取り込み順調に推移。

※PZシリーズ:従来の非発泡成形品に比べ、50~60%の軽量化が図れ、プラスチック使用量削減に貢献する低発泡ポリスチレンシート

※「エスレンシート」:発泡ポリスチレンシート

※「エスレンビーズ」:発泡性ポリスチレンビーズ

※「スーパーソイレン工法」:軽量で排水能力の高い様々な性質の製品を組み合わせて緑地を作り上げる工法

 

 

 

(インダストリー分野)

 インダストリー分野の売上高は820億9千6百万円(前期比1.2%の増加)、セグメント利益は5億3千2百万円(前期比77.5%の減少)となりました。

モビリティ領域

「自動車部材用途のピオセランなど」

・売上は、認証不正問題などによる自動車メーカーの減産影響があるも、北米での需要増加が寄与し、全体では好調に推移。

「部品梱包材用途のピオセランなど」

・売上は、リターナブル資材増加による数量減が継続も、ピオセランRNWの採用増や北東アジア・北米が好調で、全体では前期並み。

「FRP部材ならびに関連資材」

・売上は、バス向けが好調で、前年をやや上回る。

「Proseatグループ」

・欧州市場の自動車生産台数が前年を下回り、価格改定など実施も赤字は継続。

エレクトロニクス領域

「ピオセラン」

・液晶パネル搬送資材用途の売上は、アジアで伸張し、前年を大幅に上回る。

「テクポリマー」

・モニター用途の旺盛な需要や、自動車用ライティング用途では採用が進み、全体では好調に推移。

医療・健康領域

「エラスティル」

・プロテクティブスニーカー向けが好調も、ランニングシューズは採用モデル末期で減少し、全体では低調に推移。

「テクノゲル」

・医療・健康用途の需要回復が遅れるも、ゲルロールの販売拡大で、好調に推移。

※「ピオセラン」:ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体

※「テクポリマー」:ポリマー微粒子

※「エラスティル」:熱可塑性エラストマー発泡体

※「テクノゲル(ST-gel)」:機能性高分子ゲル

※FRP部材:繊維強化プラスチック部材

 

オ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容、資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や仕入商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入や社債発行を基本としております。また、必要に応じてシンジケート方式によるコミットメントライン契約による調達も行い、資金調達方法の多様化を図りつつ、負債と資本のバランスに配慮しながら必要な資金需要に対応してまいります。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は428億8千7百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は91億2千8百万円となっております。

 当社グループは、設備等の投資にあたっては、調達した資金のコスト(資本コスト、借入コスト等)を十分に勘案し、投資前に投資効果の収益性について十分な精査を行った上で実行しております(設備の状況は、第3[設備の状況]に記載のとおりです。)。

 

(参考)財務関連指標の推移

 

2021年

3月期

2022年

3月期

2023年

3月期

2024年

3月期

2025年

3月期

自己資本比率(%)

44.2

40.1

39.8

38.3

35.9

時価ベースの自己資本比率(%)

17.7

13.8

13.0

15.7

11.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

5.8

10.9

13.6

5.7

9.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ

17.1

10.7

6.8

7.7

5.1

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※ いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

② 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループとしては、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

ア 固定資産(有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産を含む)の評価

 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産(有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産を含む)について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。

 回収可能価額は、複数年の事業計画から生じる将来キャッシュ・フロー及びその他の見積り及び仮定から合理的に決定しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、これらの見積り及び仮定が将来、変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損認識の可能性があります。

イ 退職給付債務

 当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される計算基礎を用いて算出されております。割引率の見積りにあたっては、安全性の高い長期の債券利回りを基礎に決定しております。また、期待運用収益率については、保有する年金資産のポートフォリオ、過去の実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。予想困難な事象による市場動向等が原因で、その見積数値と実績が異なる場合、または見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

 

ウ 有価証券及び投資有価証券の評価

 当社グループでは、「金融商品会計に関する実務指針」を基に長期的な協力関係や取引関係の観点から株式等を所有しており、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施することとしております。これは、期末時価が帳簿価額を50%以上下回った場合に、何らかの減損処理を実施するものであります。したがって、将来の株式市場や投資先の業績動向により、これらの有価証券及び投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

エ 税効果会計

 当社グループでは将来の課税所得に対する様々な予測・仮定に基づいて、税効果会計の計算を行っており、実際の結果がこれらの予測・仮定とは異なる可能性があります。将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額されて税金費用が計上される可能性があります。

 

5【重要な契約等】

標章使用許諾に関する重要な契約

契約会社

相手方の名称

契約期間

契約内容

積水化成品工業㈱

(当社)

積水化学工業㈱

1989年10月1日から1993年3月31日までとする。

但し、期間満了後特別の事情のない限り更に3年間継続し、以後この例による。

積水化学工業㈱の所有する一定の標章(商標含む)の使用許諾の取得

 

子会社株式の譲渡契約

 当社は、2025年6月12日付の取締役会決議において、当社の連結子会社である Proseat Europe GmbHが保有する欧州における事業子会社8社のうち、6社(以下、譲渡対象会社)の株式及び持分の全てを、ポーランドの Brose Sitech Sp. z o.o.の子会社であるBrose Sitech Foam GmbHへ譲渡することを決定し、株式譲渡契約を締結しました。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結 財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社では、ヒューマンライフ分野、インダストリー分野において、基礎研究から生産技術に至るまで幅広い研究開発を行っております。研究開発センターでは、コア技術の進化から事業成長・新事業の創出につながる新製品開発まで一連の役割を担っています。課題設定からテーマを創出し、マーケティングを経て、事業化に至る量産化までの研究開発を一貫して行い、開発サイクルの高速化を図っています。生産革新プロセスや設備の設計開発などをIoTやAIの活用を含めて推進している生産技術センターや、各事業部の技術部門の活動とで、新製品や新規システム開発により、早期事業貢献に努めています。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、2,789百万円であります。また、セグメント別の研究開発を進めており、ヒューマンライフ分野とインダストリー分野それぞれにおいては、重合技術・含浸技術・押出技術・発泡技術・微粒子化技術・ゲル化技術・成形技術を基盤としてニーズに対応した高付加価値素材開発と土木・住環境システム商品に関する技術開発を行っております。

 環境面では、環境貢献製品群を強化すべく、リサイクル原材料を活用した製品カテゴリーの「ReNew+」、生分解性またはバイオマス由来プラスチックスを活用した製品カテゴリーの「BIOCellular」の両カテゴリーブランドを制定しました。当社グループが製造するすべての製品を対象に、2030年度までに、使用原料の50%を、リサイクルまたはバイオマス由来のものに置き換えるという目標を掲げ、それらの開発を強化しています。両ブランド製品のラインナップを拡充することで資源循環型ビジネスを強化し、社会課題解決と持続的成長に貢献していきます。

 

(1) ヒューマンライフ分野

 当社のコア技術である押出発泡、発泡シート成形、懸濁重合、含浸発泡、型物成形技術をベースに、多様化するニーズに基づいた製品改良や新たな機能付与を進めています。内中食市場に向けた電子レンジ容器に対応可能な耐熱性発泡シート、食品トレーや納豆容器など広く使用されている一般の発泡ポリスチレンシート、即席麺容器などに使用されているラミネートシートでは、最終商品に求められる素材物性や機能性を向上させる開発や軽量化など省資源化に貢献する開発に加え、再生可能資源であるバイオマス由来プラスチックスを活用した製品開発などを進めています。

 特に、当連結会計年度では、植物由来のポリ乳酸樹脂(PLA)を用いた生分解性発泡体である「RETONA FOAM BIO HS」をプリンテッドサイネージ向けに開発を進めました。「RETONA FOAM BIO HS」はシート状で適度な硬さを持ち、フラットなパネル状や複雑な形をした容器に成形が可能です。ポスターやPOPとして利用した後に、コンポストでの堆肥化やメタン発酵によるバイオガス化が可能であり、様々な形で二次利用が可能なことが特徴です。ポスターやPOP、容器として一次利用後に回収し二次利用までの資源循環を行うことで環境に配慮した開発を進めています。

前期に株式会社エフピコと共同で開発しましたプラスチックの使用量削減に貢献する発泡シート「エスレンシート PZシリーズ」では、販売量の増加に伴い、複数拠点での生産能力増強を図っています。

 これらヒューマンライフ分野に係る研究開発費は、372百万円であります。

 

(2) インダストリー分野

 ポリマー開発では、ポリマー構造制御技術と独自の溶液重合技術を用いて、液状あるいはワックス状のポリマー材料を開発し、ブランド名称を「Fluxflow」とし、分散剤用途への市場開発を開始しました。「Fluxflow」は、ムール貝が岩礁などへ強力に付着するために使う足糸の接着タンパク質に含まれるカテコール基をバイオミメティクスとして活用したもので、ムール貝の様に多様な物質へ吸着し、水をはじめとする液体への分散が期待できる高分子型の分散剤です。カーボンナノチューブやPTFEなどのフィラー向け分散剤として市場開発を進めています。

 また、植物由来原料を用いた高耐熱発泡体の「ST-Eleveat BIO」が大型自動二輪車の部品であるサイドスポイラーの構成材として採用が進みました。サイドスポイラーは走行の安定性や燃費の向上に寄与する部品ですが、近年の自動二輪においては形状が複雑で軽量性が求められCFRP製が主流です。必要な強度を維持しつつ更なる軽量化を図るためCFRPのコア材として「ST-Eleveat BIO」が採用されました。従来のコア材の多くはボード状の発泡体のため、形状賦形に切削加工が必要になり、多くの部分を切り屑として廃棄していますが、「ST-Eleveat BIO」はビーズ発泡体のため金型を用いた成形が可能で、量産性に優れ、材料ロスの削減に寄与しています。

 これらインダストリー分野に係る研究開発費は、2,416百万円であります。