第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

①企業理念

 世界のネットワークを通じて環境にやさしく、安全と豊かなカーライフを創造して、社会に貢献する。

②基本方針

 1.お客さまの潜在ニーズを読み、期待を上回る新しい商品・サービスの開発を通じて需要を創造します。

2.全てのお客さま・お取引先さまへの感謝の念を忘れず、徹底したサービス体制を通じて、信頼とお役に立つ企業グループを目指します。

 3.人材の能力開発と生活向上を通じて、社会的責任を果たす開発型企業を目指します。

③基本戦略

 1. 常に技術革新を追求し、お客さまに感動頂けるオンリーワンの「開発型企業」を目指します。

2. 経営資源を当社グループの強みの部門と、新しい事業開発に投下し、将来の礎を築くと共に、開発型企業の基盤を強化いたします。

 3. 徹底した現場訪問と情報収集の強化をはかり潜在ニーズの先取りをいたします。

 4. 教育体制の充実と共に役員・社員は自己成長に努めます。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループの企業価値を高め、株主の皆さまのご期待にお応えするための経営指標として

①売上高営業利益率及びROE(自己資本当期純利益率)とも10%以上を目標にしております。

②株主への配当政策を経営上の重要課題と位置づけ、安定かつ高配当を目指しており、連結配当性向は30% 以上を目標にしております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

今後のわが国経済は、企業収益、雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、物価上昇、金融資本市場の変動等に加え、米国の通商政策の影響や中国経済停滞の継続的な影響など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、一層注視する必要があります。

こうした状況下、当社グループは、新築移転する東京支社や新設した高崎支社を活用した地域密着型営業を一層推進し、新規開拓と高付加価値商材のさらなる拡販に注力してまいります。また、潜在ニーズを先取りした新商品の開発や、異業種を含む新規市場の開拓にも取り組んでまいります。さらに、コーティング溶剤の空き瓶のリサイクル等のサステナビリティ活動も積極的に行うとともに、アルコール検知器においても、クラウドを活用した管理徹底や飲酒運転撲滅に向けた啓発活動を推進し、市場の拡大とともに、社会に貢献する開発型企業を志向してまいります。

また、中期経営計画の最終年度として、「未来のモビリティ社会における最良のパートナー」に向けたM&Aや新規事業、ベンチャー企業への投資を通じたビジネス拡大戦略を推進しながら、企業ブランディングにも注力し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。

また、当社グループの各セグメントにおいては、以下の課題に優先的に取り組んでまいります。

 

①自動車部品・用品等販売事業

「地域密着型営業の推進による高付加価値商材の拡販と新規取引先の開拓強化」、「システム連携・クラウド管理の推進と新たな市場開拓に向けた提案活動強化」および「人的資本・研究開発・ブランディング戦略への積極的な投資による開発型企業の基盤づくり」を一層推進し、変革する事業環境においても、強固な事業基盤および企業ブランドの構築に取り組みます。

 

 

②自動車処分事業

「変動する市場環境において、より効率的で安定的に業務遂行できる体制構築」および「持続可能なビジネスモデルの一層の拡充」により、事業運営効率化と企業価値向上を推進してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、「世界のネットワークを通じて環境にやさしく、安全と豊かなカーライフを創造して、社会に貢献する。」という企業理念のもと、事業活動を通じて地域社会や世の中のお役に立つ必要があると考えています。これからさらに多様化が進む社会において、企業全体でESGへの意識を高め、企業活動の中で具現化し、社会を取り巻く課題に的確に対応してまいります。

サステナビリティ課題全般、及び重要と判断するテーマ「気候変動」について、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」に沿って情報を整理いたしました。また、同じく重要と判断するテーマ「人的資本」については、「戦略」、「指標と目標」に沿って情報を整理いたしました。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ課題全般

項目

内容

ガバナンス

<サステナビリティ事項のリスクと機会についての、取締役会による監視体制>

当社は下図の通り、気候変動を含むサステナビリティ課題のリスクおよび機会に適切に対応するためのガバナンス体制を構築しています。当社では、経営企画室がサステナビリティ課題のリスクと機会について、取締役会への報告を行っています。取締役会は、報告された取組みの対応を審議・決議するとともに目標や計画の内容、各施策の進捗状況を協議の上、監督を行っています。

<サステナビリティ事項のリスクと機会を評価・管理する上での経営の役割>

代表取締役社長直轄の組織である経営企画室は、各部署と連携しながら、全社的な取組みとして各施策の実行と改善を進め、気候変動を含むサステナビリティ課題について審議・検討を行います。経営企画室は、識別されたリスクおよび機会の検証・評価、課題の確認や目標の設定、計画の策定などの項目について取りまとめ、取締役会へ報告します。取締役会での決定事項・施策等については経営企画室がその後の社内実行・浸透までの進捗管理を担います。

 

(組織図)


 

 

戦略

当社は、企業理念のもと、時代とともに変化するニーズに対応し、環境(E)や社会(S)、ガバナンス(G)の観点から持続可能性を追求するとともに、お客様の期待を上回る商品・サービスを開発する開発型企業として、SDGsに代表される社会課題の解決に貢献すべく事業活動を展開しております。

また、当社は2023年度から2025年度までの中期経営計画に「3カ年重点項目」として①人的資本投資②ビジネス拡大戦略③SDGs/ESG投資を掲げ、事業成長とサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

区分

内容

主な取組み事項

環境

気候変動

各種コーティング剤(CPC/GC/MX等)の開発・販売を通じて、洗車回数の削減やカーシャンプーなどの使用頻度の低下を実現し、環境負荷の低減に繋げています。

環境マネジメント

環境をテーマにした企業理念を遂行するため、国際規格ISO14001を取得し、電気使用量の確認と節電に向けた対策、紙類リサイクルの徹底、営業車のHV化等の活動を実施しています。

サーキュラー

エコノミー

当社は、取引先で発生したボディコーティング等の空き瓶を提携リサイクル業者が回収・リサイクルする取り組みを全国的に拡大しています。

当社子会社である株式会社ABTは使用済自動車からナイロン樹脂、アクリル樹脂およびポリカーボネート樹脂を回収・再利用するスキームの実証実験を開始しており、事業の本格化に向けて取り組んでいます。

社会

健康経営

当社では、従業員の心身の健康を重要な経営課題と捉え、戦略的な健康経営を推進するため、2020年8月に健康経営宣言を制定するとともに、健康経営優良法人2025(大規模法人部門)に認定されています。

社会貢献活動

当社は、アルコール検知器ソシアックシリーズの販売を通じて、飲酒運転防止の意識向上を図るとともに売上収益の一部を公益財団法人交通遺児等育成基金へ寄付する活動を行っています。

ガバナンス

当社は、監査等委員会設置会社として、取締役会の透明性の高い意思決定機能および監査・監督機能を強化しております。また、取締役の指名・報酬等のほか経営上の重要課題に対し、取締役会の諮問を受け、審議・答申を行う経営諮問委員会も設置し、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図っております。

 

 

リスク管理

<サステナビリティ事項のリスクを特定および評価、管理するプロセス>

当社は、経営企画室が主体となり、サステナビリティ課題のリスクと機会を識別・特定しています。重要と特定したリスクと機会については、経営企画室主導で関連部署へ対応を指示するとともに、対応の取組状況を管理・モニタリングしています。識別プロセスおよび管理プロセスは取締役会にも報告のうえ監督されています。

<サステナビリティ関連リスク管理と全体リスク管理の統合>

当社はリスクの適切な管理に向けてリスクマネジメント委員会と連携を行い、気候変動リスクを全社リスクと統合し、特に重要な項目の特定・管理と対策策定に活用することを検討しています。

 

指標と目標

当社は、サステナビリティ課題の中でも特に重要であると考える気候変動への対応について、GHG排出量の算定および今後のロードマップを策定しています。詳細は、(2)気候変動への対応「指標と目標」をご確認ください。

 

 

(2) 気候変動への対応(TCFD提言に沿った情報開示)

項目

内容

ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれています。詳細は(1)サステナビリティ課題全般「ガバナンス」を参照ください。

 

戦略

<組織が特定した、短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会>

当社では、将来の気候変動が事業へ及ぼす影響について、TCFD提言で推奨されているシナリオ分析の手法を用いて、各事業部との協議・検討を行い、中期(2030年時点)および長期(2050年時点)における外部環境の変化を予測のうえ、分析を実施しました。

<気候関連のリスクおよび機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響>

シナリオ分析は当社の事業部門および商流(図1)に沿って実施いたしました。具体的には、①当社を取り巻くリスク・機会の重要度の評価、②当社に関連したリスクおよび機会を包含する複数の気候変動シナリオの選定(図2)、③事業インパクト評価の実施、④対応策の検討、の4つのステップで実施しております。シナリオ分析の結果、事業活動における主要な気候関連のリスクおよび機会を15個特定し、それぞれの財務影響を図3の通り分析しております。

 

(図1)事業部門および商流

事業部門

ビジネス・商流の概要

自動車部品・用品等

販売事業(国内)

・自動車用のボディコーティング製造・販売が主。

・子会社および協力会社工場から仕入を行い、カーディーラー向けに販売

・一般企業、官公庁向けのアルコール検知器製造・販売

自動車部品・用品等

販売事業(海外)

・自動車部品の卸売が主。

・自動車部品メーカーから仕入を行い、約60ヵ国の輸入商社やバイヤー向けに販売

自動車処分事業

・全損認定車両処分の事務代行

・損害保険会社から全損車両を受入れ、中古車市場や鉄スクラップ市場・解体業者に向けて適切な処理を実施

 

 

(図2)シナリオの概要

シナリオ

想定事象

主な参照シナリオ

1.5℃シナリオ

・気候変動政策を導入し、持続可能な発展が進むシナリオ。パリ協定と整合し、2100年時点の気温上昇は1.5℃以下に抑えられる。

・世界各国でカーボンプライシングの導入が進み、世界的に炭素税が上昇。2030年時点で140USD/t-CO2を想定。

・2030年までに世界の自動車販売の60%が電気自動車になると想定。

・世界各国において低炭素・脱炭素技術向けの商品需要が拡大。顧客や投資家からの脱炭素化要求が高まり、対応できない企業が淘汰される。

IEA World Energy Outlook2022(NZE2050)

IPCC 第6次評価報告書(SSP1-1.9)

4℃シナリオ

・気候変動政策を導入せず、自然災害が激甚化するシナリオ。2100年時点の気温上昇は4.4℃を想定。

・世界各国でカーボンプライシングの導入は進まず、現状程度で推移。

・2030年までに世界の自動車販売の30%が電気自動車になると想定。

IEA World Energy Outlook2022(Pre-Paris/STEPS)

IPCC 第6次評価報告書(SSP5-8.5)

 

 

 

 

 

(図3)気候関連のリスクおよび機会


<気候関連シナリオに基づく組織戦略のレジリエンス>

今回のシナリオ分析の結果を要約しますと、中期(2030年頃)の時間軸においては、当社のビジネスモデル・商流・足許のGHG排出量を踏まえ気候変動のリスクはあまり顕在化せず、当社財務に与える影響はあまり大きくないと判断いたしました。一方で、長期(2050年頃)の時間軸においては、石油化学産業や自動車産業で技術革新や行動変容が発生した場合、当社財務に与える影響が大きくなる可能性があると考えております。今回のシナリオ分析の結果を踏まえ、事業のレジリエンスを一層高めるべく、影響が大きいと判断した項目を中心に具体的な対応策を立案し実行してまいります。また、現時点で影響が小さいと判断した項目についても、今後大きなリスク・機会となる可能性があることから、サプライチェーン企業との対話や社会動向のモニタリング等を通じ、継続的に適切な対策を検討してまいります。

 

リスク管理

<気候関連リスクを特定し、評価するための組織のプロセス>

当社は、本社・国内営業所において環境マネジメント:ISO14001の認証を取得しており、従前より現在時点の気候関連リスクを含む環境リスクについて適切に特定、評価を行っております。将来の気候関連リスクについては、経営企画室が取り纏めの上、上記「戦略」の(図3)気候関連のリスクおよび機会の通り、9個の「移行リスク」と2個の「物理的リスク」を特定・評価しております。

 

 

 

<気候関連リスクを管理するための組織のプロセス>

特定・評価された合計11個の気候関連リスクについては、経営企画室が各部署と連携しながら、対応を協議するとともに、対応状況を管理・モニタリングしています。管理・モニタリング内容は取締役会にも報告・共有され、適切な監督を受けております。

<気候関連リスク管理と全体リスク管理の統合>

当社は、気候関連リスクの適切な管理に向けてリスクマネジメント委員会と連携を行い、気候変動リスクを全社リスクと統合し、特に重要な項目の特定・管理と対策策定に活用することを検討しています。

 

指標と目標

当社は、排出量に占めるScope3(※1)が多く、特にカテゴリ1(※2)が大半を占めるため、サプライチェーンとの協働、環境負荷を低減させる製品・サービスの開発および取り扱いを進め、Scope3削減に取り組んでまいります。

また、当社は2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、最新のIPCC第6次評価報告書および2023年4月に開催されたG7気候・エネルギー・環境大臣会合声明の内容も踏まえながら検討を進め、Scope1、2(※1)のGHG排出量削減目標を2030年において2019年度対比43%削減と設定しました。当社は、この目標を着実に実現へと近づけるため、徹底した省エネ活動や再エネの利活用で自社排出量削減を積極的に推進してまいります。

 

(表)GHG排出量の推移(Scope1,2,3)(単位:t-CO2) (※3)

 

2019年度

(基準年)

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1

548

374

384

377

Scope2

266

307

335

366

Scope1+2合計

814

681

720

743

Scope3

65,003

128,271

136,785

156,754

Scope1+2+3合計

65,818

128,952

137,505

157,497

 

 

(表)GHG排出量(Scope1,2)削減ロードマップ


※1 Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出

Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出

※2 カテゴリ1:購入した製品・サービスからの排出

※3 対象:中央自動車工業㈱、㈱ABT(※4)、セントラル自動車工業㈱、
      ㈱フラッグス(※5)、㈱ケー・エム・エンタープライズ(※6)

※4 ㈱ABTについては、2019年12月より当社グループとなったため、2019年度における実績算定期間は12月から3月の4ヶ月間

※5 ㈱フラッグスについては、2023年12月末より当社グループとなったため、2023年度における実績算定期間は1月から3月の3ヶ月間

※6 ㈱ケー・エム・エンタープライズについては、2024年12月末より当社グループとなったため、2024年度における実績算定期間は1月から3月の3ヶ月間

 

 

(3) 人的資本への対応

項目

内容

 

戦略

当社の人材育成に関しては、経営戦略・成長戦略に基づく適正な人材配置を行うとともに、健康経営の推進や全社員を対象とした研修の実施等を積極的に行うことにより、継続的な人材育成と エンゲージメント向上を図り、持続的な企業成長に繋げていくことを基本方針としております。「人材」を最優先すべき資本の一つとして位置付け、社員一人ひとりが活き活きと働くことで最大限に能力を発揮できるよう、安心して働くことのできる職場環境の実現を目指しております。

た、多様性の確保に向けた方針として、多様な事業展開と多彩な機能の充実のため、個々人の多様性と創造性を積極的に活用できるように努めております。管理職の登用においても、候補者の性別・年齢・国籍等によって優遇することなく、求められる能力・知識・経験に基づいて登用を行ってまいります。

さらに、中長期的な企業価値の向上のためには、多様な人材が能力を発揮できる環境と、より生産性高く効率の良い働き方を実現するための環境整備が必要となります。多様な人材の育成と中核人材への登用を実現するため、全社員を対象とした研修を定期的に実施し、機会の平等を確保しております。また、多様性の確保に向けて、ライフステージの変化等が人材登用のキャリア形成に対する阻害要因となることがないよう、男女問わず育児休業の取得促進や定年後再雇用制度等、多様な働き方の実現に取り組んでおります。

具体的には、以下を整備しております。

 

<女性活躍推進>

女性管理職の候補者輩出のため、全社研修を実施しながら人材育成を進めるとともに、女性社員に対するアンケートおよびヒアリングにより、悩みや課題を抽出し、その解決に向けた取組みを遂行しております。また、育児休業の取得促進やライフステージの変化により労働時間や働き方が制限される場合でも、育児短時間勤務や時差出勤などを活用できる職場環境作りに取組み、社員の能力を十分に活かすことで、働き方の多様性を実現できるよう努めてまいります。さらに社内風土の改善に向けた知識研修を計画しており、取組み強化に向けた体制構築を進めております。

<健康経営>

当社では、社員が心身ともに健康で安心して業務を遂行し、最大のパフォーマンスを発揮することが、企業の発展につながると考え、健康経営に取り組んでいます。代表取締役社長による「健康経営宣言」とともに、健康保険組合や産業医と連携し従業員の健康づくりを推進しております。社員一人ひとりが「活き活きと働ける」環境を目指し、生活習慣病予防と重症化予防対策、ヘルスリテラシー向上のための研修、喫煙対策などの施策に取り組んでおります。2020年に「健康経営優良法人」に認定されて以降、連続して認定を取得しています。

<従業員持株会>

福利厚生の一環として、中央自工従業員持株会を運営しております。当社社員を対象として、奨励金を拠出金に加算して株式の購入に充当する制度です。2021年に当社の中長期的な株主価値に対する当社社員のモチベーション向上を企図したインセンティブ・プランの導入により、加入率が大幅に向上し、対象社員の90%以上(2025年3月時点)が加入しております。2024年4月より持株会の奨励金を拠出額の20%とし、さらに加入意欲を高め、持株会における従業員の経営への参画意識と業績向上に対するモチベーションを高めるとともに、中長期的な企業価値の向上を図っております。

 

 

 

 

なお、2023年度からの中期経営計画においても、「人的資本投資」を最重点項目として掲げ、従業員エンゲージメントの定期的な調査による職場環境の改善や能力向上を促す「学びなおし」環境の整備に積極的に取り組んでまいります。

本事業年度において、主に下記の取組みを実行いたしました。

 

<従業員エンゲージメントサーベイ>

2024年1月より従業員の性格と心理状態をもとに、従業員エンゲージメントを測定できるサービスを導入いたしました。3ヶ月に1回の定期的な調査をおこない、当社における課題分析と解決に向けた取組みを行ってまいります。蓄積したデータから優先ケア従業員への個別ヒアリングやフォローを行うとともに、認識した「業務負担」に関する課題に対し、DX推進による業務効率化改善に取り組んでおります。エンゲージメントの高い社員は質の高いサービスをお客様に提供することができるものと考え、継続した調査とフォローを行ってまいります。

<社内研修制度>

現状の社員育成プログラムを整理することにより、当社の人材戦略の策定に繋げております。これからの会社の未来を創る中核人材を育成するための「中堅係長研修」を行い、同世代間での議論をおこなうとともに、業務課題を発見し、解決できる能力の開発につなげました。今後も幅広い研修制度を整備し、多様な人材の活躍できる環境を創出してまいります。

 

指標と目標

当社グループでは、上記「戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行なわれているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当事業年度末)

管理職に占める女性労働者の割合

2026年3月まで12.0

11.3

全労働者に占める女性労働者の割合

2026年3月まで25.0

24.9

男性労働者の育児休業取得率

2026年3月まで80.0

75.0

有給休暇取得率

2026年3月まで80.0

61.2

 

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態等に影響が及ぶ可能性があるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 政治・経済情勢

当社は、世界約60か国に自動車部品等を供給しており、当該国の政治並びに経済情勢の変化や為替変動による影響を受けます。

一方、国内の自動車業界も大変革期を迎えるなか、市場環境の激変ならびに、自動車に対する意識の変容、大規模自然災害の発生や感染症の感染拡大および部品供給の遅れによる自動車の生産停滞等により、当社グループの事業展開や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

国内外ともに、政治・経済情勢は様々な環境に影響されるため、当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。現場密着型営業により、常に市場動向を探るとともに、時々における情勢について、取締役会やその他経営会議において適宜検討し、対応を行っております

 

(2) マーケットの環境変化

当社は、開発型企業として、営業活動の現場やコールセンターの情報をもとに潜在需要を調査し商品開発を行っておりますが、その商品が必ずしも収益に貢献するとは限りません。また、開発商品は特定のマーケット・チャネルを対象としており、市場の変化にスピーディーに対応できず、新たな基幹商品の開発や新規顧客の開拓が遅れた場合は、当社グループの事業展開や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

当社は研究開発グループが中心となって、増築した中之島R&Dセンターを活用し、開発・改善のスピードと精度を向上させ対応しております。

 

(3) 新たな法改正等への対応

当社は、法改正等への対応については、新商品開発において社内外の関係機関との連携により、対応に努めておりますが、近時の消費者保護又は、環境、安全に向けた新たな法改正に伴う重要な訴訟の発生や個人情報保護法、不正競争防止法及び消費生活用製品安全法等への対応如何によりましては、当社グループの事業展開や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

関係法令の改正情報を早期に入手し、影響を検討し対策を取ることにより、法令遵守の徹底を図っております。

 

(4) 海外での販売活動

当社は、海外での販売活動においては、大規模な自然災害や政情不安、感染症の感染拡大による渡航規制、テロ行為、金融危機によるカントリーリスクおよび新興国からの廉価商品との競争激化により、当社グループの事業展開や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

各国における情報収集を定期的に行うとともに、現地法人との連携を密にし、対応を図っております。

 

(5) 関係会社株式等の評価

当社は、関係会社株式について、関係会社の財政状態等を勘案し評価を行っております。関係会社各社の業績が著しく悪化し、将来にわたって事業が計画どおりに展開しないと判断された場合には、投資損失引当金等の計上または関係会社株式の減損処理を計上し、当社グループの事業展開や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

関係会社については、取締役会への定期的な報告を求め、共通の経営理念の下で事業遂行し、適切な運営を行える体制を構築しております。

 

(6) のれんの減損

当社は、企業買収に伴い発生したのれんを連結貸借対照表に計上しております。当該のれんについては将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により収益性が低下した場合に、当該のれんについて減損損失を計上し、当社グループの事業展開や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

今後とものれんについては、少なくとも年に一度、あるいは減損の兆候が認められる場合はより頻繁に確認を実施し、対応してまいります。

 

(7) 感染症の流行・蔓延

当社の従業員に、新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に営業活動を停止するなど、当社グループの事業展開や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループではこれらのリスクに対応するため、感染症に対するBCPを策定するなど、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。

 

(8) その他のリスク

上記以外にも事業活動をすすめていく上において、環境問題、法規制等の外部要因によるリスクのほか、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社を取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、リスクマネジメント委員会を設置しております。また適宜取締役会その他経営会議へ連絡・報告を行う体制をとっております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境が改善する中で、インバウンド需要の増加もあり、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、地政学リスクの長期化、原材料や燃料価格を含む物価の高騰、為替相場の変動など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

国内の新車総販売台数(軽を含む)は、認証不正による生産停止の影響が見られたものの、部品不足の解消による新車供給が回復し、前年比1.0%増の約458万台となりました。内訳は、登録車が同1.6%増の約295万台で、軽自動車においても同0.1%増の約163万台となりました。

このような景況下、当社グループでは、2030年に向けたパーパス「未来のモビリティ社会における最良のパートナー」を具現化するべく、国内外ともに現地拠点を拡充して地域密着型営業の強化に取り組み、新規開拓と高付加価値商材のさらなる拡販に努めました。また、M&Aやベンチャー投資を含む新規ビジネス開拓を推し進めるとともに、自社初の企業テレビCMを放映するなど企業ブランディングにも注力いたしました。

 

これにより、当社グループの売上高は415億58百万円(前年比105.7%)、営業利益は110億40百万円(同108.6%)、経常利益は124億21百万円(同110.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は86億81百万円(同109.6%)となりました。

当期末の配当金につきましては、1株当たり91円とさせていただきたく存じます。すでに中間配当金として1株当たり68円をお支払いいたしておりますので、通期の1株当たりの配当金は普通配当で前期比29円増配の159円となります。

 

セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

 

(自動車部品・用品等販売事業)

当セグメントにおきましては、国内部門では、新車販売台数が下半期の回復により微増となるなか、地域密着型営業による訪問活動を通じてお客様との関係性を一層強化し連携を深めることで、高付加価値商材の拡販および新規顧客の開拓を推進し、シェア拡大を図りました。また、アルコール検知器においては、法改正特需が落ち着き、前年を大きく下回るなか、買い替え需要やクラウド管理に対する高まるニーズに対応し、シェア拡大と新規顧客の獲得に努めました。

海外部門では、補修部品市場において、主に中東地域を中心に在庫調整の影響を受け、前年を下回りましたが、新たなニーズを引き出すべく地域密着営業を推進強化し、より付加価値の高いオリジナル商材の拡販と新規先の開拓に注力しました。

連結子会社のセントラル自動車工業株式会社は、効率的な生産体制のもと、目標品質の維持と商材の安定供給に努めました。

連結子会社の株式会社フラッグスは、新製品開発によるラインアップの拡充と、SNS等のメディア発信の注力により、既存顧客の取引深耕と新規顧客の創出に努めました。

連結子会社の株式会社ケー・エム・エンタープライズは、昨年12月の完全子会社化後も、東南アジア諸国を中心とした自動車補修部品の輸出販売に注力いたしました。

これにより、売上高は323億85百万円(前年比102.2%)、セグメント利益につきましては101億23百万円(同106.8%)となりました。なお、上記実績のうち、アルコール検知器に関しては、売上高12億35百万円(同74.8%)となりました。

 

(自動車処分事業)

当セグメントにおきましては、連結子会社の株式会社ABTは、継続する中古車市場の好況や円安に支えられた事業環境において、取扱台数が前年度を僅かに上回るなか、適正かつ効率的な業務遂行を推し進めました。

これにより、売上高は91億72百万円(前年比120.0%)、セグメント利益につきましては9億16百万円(同133.4%)となりました。

 

目標とする経営指標に対する達成状況につきましては、次のとおりであります。

①売上高営業利益率

当社グループの売上高は415億58百万円(前年比105.7%)、営業利益は110億40百万円(同108.6%)となり、売上高営業利益率は26.6%と前連結会計年度を0.8ポイント上回りました。これは主に、国内部門にて地域密着型営業と付加価値の高いオリジナル商品の販売増によるものです。今後とも増収を目指し、国内部門・海外部門ともに新規取引先の開拓と付加価値の高いオリジナル商品の販売を強化してまいります。

 

②ROE(自己資本当期純利益率)

当社グループの自己資本は557億1百万円(前年比111.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は86億81百万円(同109.6%)となり、ROEは前連結会計年度を0.9ポイント下回る16.4%となりました。当社はROEの向上のためには親会社株主に帰属する当期純利益を増加させることを最も重視しており、今後とも安定した増益を目指してまいります。

 

③配当性向

配当性向における達成状況につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。

 

仕入及び販売の実績は、次のとおりであります。

  ①仕入実績

  当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

自動車部品・用品等販売事業

15,425,260

93.3

自動車処分事業

7,379,604

121.0

合計

22,804,865

100.8

 

         (注) 上記の金額は、仕入価格で表示しております。

 

  ②販売実績

  当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

自動車部品・用品等販売事業

32,385,868

102.2

自動車処分事業

9,172,376

120.0

合計

41,558,245

105.7

 

         (注) 1 上記の金額は、販売価格で表示しております。

 

2 主要な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ユー・エス・エス

4,661,964

11.9

5,695,316

13.7

 

 

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の財政状態を分析しますと、

①総資産合計は634億92百万円と前連結会計年度末に比べて61億5百万円増加しております。 

増加の主なものは、現金及び預金が32億17百万円、建物及び構築物が27億98百万円、投資有価証券が10億51百万円であります。

減少の主なものは、建設仮勘定が9億42百万円であります。

  ②負債合計は77億90百万円と前連結会計年度末に比べて3億20百万円増加しております。

増加の主なものは、支払手形及び買掛金が3億68百万円であります。

減少の主なものは、流動負債のその他が69百万円であります。

 ③純資産合計は557億1百万円と前連結会計年度末に比べて57億84百万円増加しております。

増加の主なものは、親会社株主に帰属する当期純利益が86億81百万円であります。

減少の主なものは、配当金の支払いにより利益剰余金が26億64百万円であります。

これにより自己資本比率は、87.0%から87.7%となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは84億59百万円の資金の増加(前期比9億6百万円の資金の増加)となりました。

増加の主なものは、税金等調整前当期純利益124億21百万円によるものであります。

減少の主なものは、法人税等の支払額37億26百万円によるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは26億5百万円の資金の減少(前期比10億85百万円の資金の増加)となりました。

増加の主なものは、投資不動産の賃貸による収入51百万円によるものであります。

減少の主なものは、有形固定資産の取得による支出20億37百万円、投資有価証券の取得による支出2億78百万円および連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3億25百万円によるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、26億29百万円の資金の減少(前期比6億42百万円の資金の減少)となりました。

減少の主なものは、配当金の支払額26億61百万円によるものであります。

この結果、当期末の現金及び現金同等物の期末残高は205億60百万円(前期末に比べて32億17百万円の資金の増加)となりました。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

資金需要のうち主なものは、M&Aや研究開発のための設備投資、新商品の開発費用等にかかわるものであります。短期運転資金は自己資金を基本としており、十分な手元流動性を有しております。

なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は205億60百万円であります。

永続的な企業存続のために、財務基盤を強化するとともに、必要な投資資金の確保を実現するために、保有する現預金は十分な水準であるべきと考えております。急激な環境の変化や多様化する顧客ニーズに迅速に対応するためには、自己資金を基本としながらも状況に応じて金融機関からの借入を行います。

 

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

また、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、自動車関連分野にとどまらず異業種分野も視野に入れ、市場や社会を取り巻く環境の変化に対応すべく、中之島R&Dセンターを拠点とし、研究開発グループが中心となって、「未来のモビリティ社会における最良のパートナー」に相応しい「環境、健康、安全」をテーマとした社会に貢献できるオリジナル商品の研究開発を行っております。

また、産学連携や協力企業とのコラボレーションも行い、新たに生まれる潜在ニーズを常に意識した新商品開発及び既存商品の更なる性能向上の為の改良に積極的に取り組んでおります。

なお、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は284百万円であります。