文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、企業理念である「市民に愛され市民に貢献する」を基盤とし、2030年を見据えて、サステナブル社会、デジタル社会に対応し成長できるシチズングループのありたい姿を描き、そこからバックキャストすることで5つのマテリアリティ「気候変動への対応と循環型社会への貢献」、「質の高い生活への貢献」、「産業分野におけるソリューションの提供」、「働きがいの向上と人財の育成」、「社会的責任の遂行」を設定しました。
長期ビジョンの実現に向けて、グループ中期経営ビジョン「豊かな未来(とき)をつなぐ」、“Crafting a new tomorrow”を揚げ、「中期経営計画2024」に続き、2025 年度(2026年3月期)から 2027年度(2028年3月期)までの3か年の「中期経営計画2027」を策定し、新たな価値創造に挑戦し、世の中に安心と信頼、そして感動を届け、豊かなときをつなぐ存在になることを目指してまいります。
(2) 経営戦略等
グループ中期経営ビジョン実現に向けて、本中期経営計画における以下の重点戦略に取り組んでまいります。
① 事業ポートフォリオの戦略
時計事業と工作機械事業を、グループ成長を牽引するコア事業と位置付け、経営資源を戦略的に投資していくことで更なる成長を目指してまいります。デバイス事業は、安定成長を目指しながら、事業や製品の選択と集中を進めてまいります。また、成長の可能性がある新事業領域の探索も進めてまいります。
本中期経営計画における事業別の戦略は、以下のとおりです。
時計事業
時計事業は、グループビジョンと同じく「豊かな未来(とき)をつなぐ」、“Crafting a new tomorrow”をビジョンとして掲げ、グローバル市場におけるブランドイメージの明確化、カスタマーエクスペリエンスの向上を通じて、「グローバル戦略によるブランド価値向上」、「北米市場での更なる取組み強化」、「高付加価値製品を実現するムーブメント開発」の3つの重点戦略に取り組んでまいります。
グループを牽引するコア事業として、経営資源を戦略的に配分するとともに、ブランド価値向上による事業成長と収益力強化に取り組んでまいります。
工作機械事業
工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向け、“製販イノベーション”の真価を発揮し、グローバル市場での拡販・顧客開拓を推進してまいります。アジア地域をはじめ、成長が見込まれるグローバル市場での営業、サービス体制の強化を図ることで、更なる成長を目指してまいります。
デバイス事業
デバイス事業は、市場変化に合わせた製品の選択と集中、収益力改善及び当社の強みを最大限に活かせる領域における事業拡大により、確固たる競争優位を確立してまいります。当社グループの強みである小型金属加工技術を活かした自動車部品事業では、EV関連の新製品やエンジン・ブレーキなど既存領域製品の売上拡大を進めます。また、セラミックス事業では光通信向けなどのサブマウント製品の更なる競争力強化を推進し、モーター事業では市場のニーズに対応した技術、品質により高い顧客満足を獲得してまいります。プリンター事業については、フォトプリンターを中心とした売上拡大を目指します。
② DX戦略の推進及び人財の育成
「ユーザー視点での価値の創出・向上を継続的に行える企業グループへ」をDXビジョンとして掲げ、「業務プロセスの変革による高収益体質への転換」、「製品・サービスの変革による新たなユーザー価値の創出」、「企業風土の変革」の3つの方針に取り組んでまいります。
「業務プロセスの変革による高収益体質への転換」では、データ活用による意思決定の高度化、データ及びデジタル活用によるモノづくりの進化を、「製品・サービスの変革による新たなユーザー価値の創出」では、新たなユーザー体験の提供、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。
人財ビジョンとして「社員一人一人が長期ビジョン実現への貢献を実感し、シチズンで働くことを誇りに感じる」を掲げ、デジタル施策を着実に進めると同時に、「企業風土の変革」をグループで連携して進めてまいります。
(3) 経営環境
当社を取り巻く経営環境として、主に以下の環境変化を認識しております。
① 地政学的リスクによる世界経済への影響
② Eコマース需要の更なる拡大と実店舗流通の構造変化
③ ファッションウオッチ市場の縮小等による、アナログクオーツムーブメント市場の縮小
当社は、以上のような経営環境変化の影響を受け業績下振れのリスクが高まっていることを認識し、中核事業である時計事業及び工作機械事業における以下の4つの課題について優先的に取り組んでまいります。
① 機械式完成品の拡充及び機械式ムーブメント外販の拡大
② 環境意識の高まりを捉えた、「Eco-Drive」の特性や環境に配慮した素材の更なる訴求
③ 製品価値を含む、体験価値を提供する双方向のコミュニケーションの構築
④ 工作機械の市況の波にタイムリーに対応できる生産体制と販売体制の確立
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の時計事業、工作機械事業における経営環境変化を認識し、以下の4つの課題について優先的に取り組んでまいります。
① 機械式完成品の拡充及び機械式ムーブメント外販の拡大
引き続き成長が見込まれる機械式時計市場において、シチズン機械式時計の成長に向け、機械式ムーブメントを搭載した最上位ブランド「The CITIZEN」と、モダンでスポーティなデザインが特徴のブランド「Series 8」の取り組みを強化してまいります。ムーブメント事業については、更なる製造の自動化、合理化の推進と付加価値化を進めながら収益性の強化を図ってまいります。
② 環境意識の高まりを捉えた、「Eco-Drive」の特性や環境に配慮した素材の更なる訴求
環境に優しい「Eco-Drive」を搭載したモデルを基軸に、更なるユーザーとのコミュニケーションの強化を図ってまいります。
また、リサイクル素材など、地球環境に配慮したサステナブルな素材の採用を今後も増やすと共に、環境や人に配慮した商品展開を進めてまいります。
③ 製品価値を含む、体験価値を提供する双方向のコミュニケーションの構築
店舗、ECサイト、広告、アフターサービスなどそれぞれのタッチポイントを強化することでユーザーとつながり続ける仕組みづくりを行ってまいります。
また、これらのデータを分析することで、製品・サービス価値を向上させ、継続的にユーザーに購入頂ける循環サイクルの構築に取り組んでまいります。
④ 工作機械の市況の波にタイムリーに対応できる生産体制と販売体制の確立
工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向けて、“製販イノベーション”の真価を発揮することで、グローバル市場での拡販・顧客開拓を推進いたします。地域別の戦略をより一層明確にし、新市場の開拓を含めた販売拡大を目指します。また「ミヤノブランド(中・大型機)のグローバル販売戦略」を推進し、「LFV」や「FAフレンドリー」、「アルカプリソリューション」などを活用し、お客さまの「モノづくりワークフローの革新」に貢献するトータルソリューションを提案してまいります。その土台としてデジタル技術やデータを活用した、効率的かつ顧客中心の業務プロセスへの転換を目指すと同時に、データ・マネジメント体制の構築、デジタル人財の育成、デジタル活用による技術、技能継承などを推進してまいります。
当社グループにおける、サステナビリティに関する考え方及び取組は以下の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
詳細については、
をご覧ください。
当該サイトは2025年7月1日に更新予定です。
当社グループは、シチズン時計の社名の由来である「市民に愛され市民に貢献する」を企業理念とし、地域社会はもとより地球環境と調和した永続的な企業活動を通して、社会への貢献や企業価値の向上に努めています。また、企業価値を継続的に高めていくためには、経営の透明性確保と多面的な経営への監督機能が重要と認識し、ガバナンスの充実に向けた取り組みを実践しています。
サステナビリティの課題に関しては、シチズン時計の代表取締役社長を委員長とし、同社の常勤取締役、国内主要会社社長を委員とする「サステナビリティ委員会」を2020年4月に設置しました。四半期に1回開催され、主にマテリアリティに関する審議や活動状況の進捗確認、外部講師による勉強会等が行われます。委員会事務局である同社の経営企画部およびサステナビリティ推進部門は、グループ各社の同部門やマテリアリティに関連する各委員会事務局と連携し、サステナビリティ事務局会議を運営しています。これにより、各社でのサステナビリティに関する課題の検証や活動状況の進捗等を定期的に確認しています。サステナビリティ委員会の内容は、取締役会で半期に一度報告されます。サステナビリティ委員会の目的と役割、開催頻度は以下の通りです。
サステナビリティの推進体制としては、サステナビリティ委員会の下部委員会として、「グループ品質コンプライアンス委員会」「グループ人事委員会」「グループ環境委員会」「グループ持続可能な調達委員会」を設置しています。また、サステナビリティ委員会事務局とグループ会社の経営企画部およびサステナビリティ推進部門により構成される「事務局会議」により、サステナビリティ委員会で審議された内容が、各事業の推進組織と共有される体制となっています。
さらに、経営に関わるリスクを扱い、経営基盤を強固にする側面に関しては、「CITIZEN-SIRT」「グループ情報ガバナンス委員会」「グループ法務・コンプライアンス委員会」「グループ事業継続マネジメント委員会」を設置しています。これらの経営基盤に関わるリスクについて取り組む委員会は、毎月開催される経営会議の下に設置され、問題の早期発見、審議、そして迅速な対応が可能な体制を整えています。
(サステナビリティ推進体制)

当社グループでは「市民に愛され市民に貢献する」という企業理念を原点に100年以上にわたり事業を展開してきました。創業101年目の2019年度からは「サステナブル経営」を掲げ、事業を通じた社会課題の解決を推進しています。「サステナブル経営」とは、単に良い製品・サービスを提供するだけでなく、バリューチェーン全体で人権や地球環境などの社会課題への配慮を含めた経営を通じ、ステークホルダーからの信頼を獲得しながら事業を拡大し、持続的な企業価値の向上を目指すものです。
2022年4月に、シチズングループとして捉えるべき2030年近傍の社会課題をサステナブル社会、デジタル社会の視点で整理し、そこからバックキャストして「シチズングループビジョン2030」を策定しました。
「シチズングループビジョン2030」の実現に向け、中長期の環境変化とメガトレンドの考察を踏まえ、社内外の視点からシチズングループのマテリアリティ(持続的な企業価値向上のための重要課題)を事業活動および事業基盤の両面で整理し、5つのマテリアリティを特定しました。
(シチズングループビジョン2030とマテリアリティの位置付け)

(マテリアリティ特定プロセス)
・ステップ1:社会課題の抽出
中長期的な社会動向、自社の方向性、ESG外部評価、レビュー等をふまえて社会課題を抽出
※参照:SDGs、環境・社会・経済分野のマクロトレンド、FTSE、MSCI、GRIスタンダード、ISO 26000等
・ステップ2:社会課題の重要性評価
社会にとっての影響度と自社にとっての重要度を評価しマテリアリティ案を仮定
・ステップ3:マテリアリティ案の妥当性評価
外部有識者への確認、サステナビリティ委員会での議論を経て、各事業の該当施策と照らし再考
・ステップ4:マテリアリティの特定
サステナビリティ委員会で再確認の上、経営会議・取締役会においてマテリアリティを特定
(特定したマテリアリティおよび戦略)
・気候変動への対応と循環型社会への貢献

機会:省エネ/省資源や生産性向上に資する製品/サービスの需要拡大
リスク:事業所の風水害被害、エネルギーコストの増大、特定業界・顧客への依存、
製品含有化学物質規制違反
対応:エコカーへの部品提供、照明用LEDの提供、光発電時計/機械式時計の提供等
・質の高い生活への貢献

機会:機能的価値から情緒的価値へのシフト、治療から予防医療へのシフト
リスク:ヘルスケア市場の競争激化、医療機器の規制改変、個人情報の漏洩
対応:視覚障がい者対応腕時計の販売、誰もが使いやすい血圧計・体温計の販売等
・産業分野におけるソリューションの提供

機会:FA化/省力化/自動化/デジタル化、製造管理効率化に資する製品サービスの需要拡大
リスク:事業機会の損失、競争力の低下、デジタルを武器とする他業界からの競合参入
対応:LFV(低周波振動切削)技術搭載工作機械販売、センシングデバイス開発・販売等
・働きがいの向上と人財の育成

機会:従業員エンゲージメントの向上、DX/イノベーションの促進
リスク:人財の流出、業績悪化
対応:従業員エンゲージメント向上施策の実施、教育機会の提供、女性管理職候補の計画的育成と登用等
・社会的責任の遂行

機会:サステナブルファクトリーの実現、大手顧客の取引条件への適合
リスク:企業価値毀損、レピュテーション、経営基盤の弱体化
対応:重要リスクの更新と運用、品質行動憲章の浸透、人権デューデリジェンス実施、持続可能な調達実施等
(気候変動に関するシナリオ分析)
当社グループでは、気候変動に伴うリスクと機会は自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、以下のプロセスを通じて気候変動に伴うリスクと機会を特定し、サステナビリティ委員会事務局が中心となり、1.5℃シナリオおよび4℃シナリオを用いて分析し、重要性を評価しました。
①気候変動に伴うリスクと機会の特定プロセス
プロセス1
気候変動に伴うリスクと機会を網羅的に抽出しました。
プロセス2
抽出したリスクと機会について、「時計事業」「工作機械事業」「デバイス事業」「電子機器他事業」の4つの事業との関連性および短・中・長期の3つの時間軸で整理しました。
プロセス3
整理したリスクと機会について、「自社にとっての影響度」および「発生可能性」について、5段階評価を行いました。総合評価として、「自社にとっての影響度」と「発生可能性」が共に高い項目を抽出し、重要なリスクと機会を特定しました。
②気候関連リスクおよび機会
脱炭素社会に向かう1.5℃シナリオと温暖化が進む4℃シナリオを用いて、分析・評価を行いました。シナリオとしては、IPCC第6次評価報告書のSSP1-1.9(1.5℃シナリオ)、SSP5-8.5(4℃シナリオ)を用いました。
※ SSP1-1.9:温暖化を「わずかなオーバーシュートの後」2100年に1850-1900年比で約1.5℃に抑制し、今世紀半ば頃にCO₂を正味ゼロにすることを想定しています。
※ SSP5-8.5:追加的な気候政策を実施しない場合の高水準の参照シナリオ。
1.5℃シナリオにおいては、炭素税の導入を含む規制強化によるコスト増や、原材料等の価格上昇リスクが想定されます。当社グループは、「シチズングループ環境目標2030」や「シチズングループ環境ビジョン2050」の達成に向け、脱炭素化の取り組みを推進するほか、GHG排出削減投資促進のためのインターナルカーボンプライス制度の導入を検討しています。
4℃シナリオにおいては、原材料の安定的な確保のため、多角的な調達先の確保や適切な部材調達管理を推進していきます。また、気象災害を含むBCP対策や災害対策関連投資の促進などを行っています。
(シナリオ分析結果および戦略)
(人財育成及び社内環境整備に関する方針)
当社グループでは、従業員を人的資本と捉え、その価値を引き出していくことが、企業の持続的な成長につながり、社会への提供価値を最大化すると考えています。「社員一人一人が長期ビジョンの実現に貢献しシチズンで働くことへ誇りを感じていること」をグループ人財ビジョンとして掲げ、「働きがいの向上」、「人財の育成」、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」を重点施策として、社員一人一人の豊かな未来(とき)の実現を目指します。
①働きがいの向上
-従業員エンゲージメントの向上に向けて
当社グループでは、「働きがいの向上」に取り組む一環としてシチズン時計㈱、シチズンマシナリー㈱、シチズンファインデバイス㈱、シチズン・システムズ㈱の4社においてエンゲージメント調査を実施、調査結果に基づく対応を含めてグループ間で情報共有を図ることで、グループ全体の従業員エンゲージメントの向上を図っています。
当社で3回目となるエンゲージメント調査では、非正規社員を含む全従業員の回答率は99%に達し、調査結果を経営層へ報告し、全社施策として「キャリア機会の提供」や「上司との関係性」「評価への納得感」の向上に向けて、キャリア自律の支援施策や管理職リスキリングメニューの拡充、考課者研修を実施しました。当社は目標管理制度を導入しており、期初に上司と設定した目標に対して、年に2回の業績評価を実施、上司からの業績フィードバックやキャリア面談を含め合計年に3回以上面談を実施してキャリア開発につなげています。2024 年度は管理職に加えて従業員に向けて、エンゲージメント向上に関するセミナーを実施し、エンゲージメント調査結果を活用した組織開発について浸透を図りました。各部門の課題に即した具体的な取組みを支援し、全社と部門の両方から従業員エンゲージメントの向上に向けた施策を展開することで、働きがいの向上を目指しています。
-健康経営の推進
当社グループでは健康経営方針を下記の通り定め、健康経営を推進しています。当社は2024年度から2年連続「健康経営優良法人(大規模法人部門、ホワイト500)」に選定されるとともに、「健康経営銘柄2025」にも選定されました。シチズン・システムズ㈱も「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)ネクストブライト1000」に選定されました。
<健康経営方針>
「市民に愛され市民に貢献する」という企業理念に基づき、企業の持続的成長とグループ全社で活躍する従業員のウェルビーイングの実現に向けて健康経営に取り組みます。
②人財の育成
-グループ連携の強化
当社グループでは経営戦略に基づき、グループおよび個社の経営と変革に必要な人財を育成し、個人と会社の両輪での成長の実現を目指しています。各事業会社での育成に加えて、2022年度より人財育成におけるグループ連携を強化しグループ変革推進研修・経営基礎研修をスタート、2024年度までの延べ人数合計で800名以上受講しました。グループの将来を担う次世代リーダーの育成にも力を入れており、グループ会社間で個社の枠を超えた人財ローテーションを行っています。次世代リーダー育成プログラムに選出された社員は出向先の業務やワークショップ型研修を通じて、グループ会社ごとの事業環境への理解を深めネットワークを個社からグループへと広げ将来的にはグループ全体の成長を牽引することを期待されています。
-自律的なキャリア開発と多様なキャリアパス
当社では、一人一人のキャリアの自律を基に、会社主導と両軸で育成し、社員の成長と共に企業の成長を図ることを目指しています。2021年度より若手中堅の希望者に向けたキャリアデザインセミナーを開催し合計100名以上の希望者が参加、外部のキャリア・コンサルティングサービスも導入し、自律的なキャリア開発を推奨しています。「社内副業」として、全就業時間の2割程度を社内の他部門の業務に就くことができる制度を設け、先に導入されている社外副業と合わせて、社員が多様な経験を自発的に選択しうる機会として活用されています。2023年度に導入した「社内公募制異動」も定着し、社員の要望により即した異動が実現しています。保有資格や異動希望等の定期的な自己申告を受けるほか、研修についても、各自の学びや目標に合わせた研修メニューを設けるなど、個人のキャリア形成を支援し、人財力を全社で向上・最適化する仕組みを構築しています。
さらに、部門における人財育成に関して、当社では2019年度から運用している「360度フィードバック」とそのフォローアップ研修を人財育成やマネジメント力の向上に活かしています。
③ダイバーシティ&インクルージョン
当社グループは社員一人一人の多様性を尊重し、個性や能力を活かせる環境をつくることが経営の責務と考えています。「ダイバーシティ経営」の実践に力を入れており、ジェンダーダイバーシティをはじめとして、競争力の源泉である多様な従業員一人ひとりが能力を発揮して長く働ける組織をつくり、企業価値の向上を目指しています。
-女性活躍の推進
多様な人財の活躍を目指す中でも女性活躍を重点テーマと捉え、当社が主体となって2030年には女性管理職比率20%以上を目標に掲げ、グループ全体で多様な人財の活躍や女性管理職の育成・登用を推進しています。
当社では、2024年度には、女性管理職の上長に改めてDEIを推進する背景を説明し、女性管理職を育成するための意識付けや具体的なキャリア支援の手法を学ぶ機会を提供し、対象者との面談を必須としました。
当社は、多様な人財の活躍を支援するため、育児、介護、特定疾病、不妊治療と仕事の両立を支援する制度を整備し、男性の育児休業取得率も100%を継続しています。今後も当事者の声を聞きながら制度の充実を図ります。
-キャリア入社者の活躍支援
当社グループでは、中長期的視野に立った新卒採用や即戦力としてのキャリア採用を実施しています。当社では近年新卒採用とキャリア採用の比率を同程度としていますが、2024年度はキャリア採用者同士のコミュニケーション活性化と即戦力として更に力を発揮いただくためオンボーディングプログラムを拡充しました。前年度に引き続き、キャリア入社者と社長の座談会も実施し、企業理念の浸透や従業員エンゲージメントの向上に役立てています。
-障がい者雇用
当社グループでは、「ともに働く」を基本方針として障がい者雇用に積極的に取り組んでいます。一例として、当社では2018年度より特別支援学校からの実習生を毎年継続して受入れ、実習生の就業体験の場を提供するとともに、採用および入社後の安定した就業に繋げております。
当社グループでは、サステナブル経営を推進し、グループ全体の事業目標の達成と持続的な発展を確実にするため、グループ全体のリスクを集約し迅速に対処するグループリスク・危機管理体制を構築しています。本体制には、法務・コンプライアンスや情報セキュリティ、災害等のリスクに対応する各委員会とともに、平時の業務リスク及び関連するESGリスクに対応するサステナビリティ委員会の下部委員会も含まれています。
グループリスク・危機管理の中核を担う当社のCSR室では、当社の各部門や国内外のグループ会社と連携して、グループガバナンスの強化をはじめ、品質コンプライアンス強化施策やグループ重要リスク対策の進捗状況の確認、新たなリスクへの対応にあたっています。重要リスク(財務、コンプライアンス、BCP(事業継続計画)、知的財産、情報セキュリティ、人権問題、労働慣行、ESG等)の把握や対応も各社と連携し、第三者の有識者からの意見を交えつつ、トップマネジメントで対処しています。なお、サイバー攻撃などの情報セキュリティインシデントについては、2020年6月に当社に設置した初動対応の専門組織であるCITIZEN-SIRT(CSIRT)主導で対処しています。
また、ESGリスクやマテリアリティリスクは、他の重要リスクと同様にグループが持続的に存続するためにも対策が必須です。そこでサステナビリティ委員会を中心にグループに与える影響や対策など検討を重ね、グループ各社固有リスクと合わせて、グループを挙げてリスク認識の醸成を進めています。また、サイバー攻撃や情報漏洩、海外での法規制変化といった、グループに対して中期的に大きなインパクトを与えるエマージングリスクについても、予防対策等の議論を進めています。
(グループリスクマネジメント推進体制)

当社グループでは、サステナビリティに関連する重要なリスクおよび機会である「気候変動への対応」について実績を評価・管理するため、以下の通り目標を定めています。
2023年度の温室効果ガス排出量 スコープ1、2の実績は、110,816t-CO2となりました。ソーラー設備等の再生可能エネルギーの導入や省エネの推進により、目標である2018年度比21.0%削減に対して39.0%削減と目標を大きく上回る削減率を達成しました。
(CO2排出量スコープ1、2実績推移)

※スコープ1にはCO2以外の温室効果ガス排出量分も含まれています。
※スコープ2ロケーション基準の排出係数は、国内は環境省「電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)」平均値、海外はIEA emission factor2023を使用して算出しています。
※スコープ2マーケット基準の排出係数は、使用している電力メニューの排出係数を用いています。ただし海外拠点で把握できない場合はロケーション基準と同じ排出係数を使用して算出しました。
※上記2023年度のスコープ1,2排出量データについて、外部検証機関による第三者検証を受けました。
また、2023年度の温室効果ガス排出量スコープ3の実績は、1,208,538 t-CO2となりました。カテゴリ別の排出量を、以下の表およびグラフに示します。排出量の約9割を占めるカテゴリ1とカテゴリ11排出量については2030年度に2018年度比30%削減という目標を設定し、サプライチェーン全体での削減活動を実施しています。
(スコープ3カテゴリ別排出量)

※上記のスコープ3排出量の算定範囲は、シチズングループ全事業を対象としています。
※2023年度のスコープ3排出量データについて、外部検証機関による第三者検証を受けました。
また、当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人財育成方針及び人財が活躍できる環境の整備について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。2025年度より中期経営計画2027に従い、一部の目標をより具体的に設定いたします。
※1 シチズン時計㈱、シチズンマシナリー㈱、シチズンファインデバイス㈱、
シチズン・システムズ㈱、シチズン電子㈱、シチズン時計マニュファクチャリング㈱ 合計
※2 シチズン時計㈱のみ
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社グループは、時計、工作機械、デバイス、電子機器等の製造販売を主な事業とし、全世界で事業展開を行っております。そして、ユーザーは一般個人のほか、多種多様な製造業にまで広範囲に渡っております。従って、当社グループの業績は、多岐に渡る変動要因の影響を受けます。その要因の主なものは以下のとおりです。
時計事業
時計事業においては、ウオッチでは国内競合メーカーのほか、スイス高級腕時計メーカー、中国製普及価格帯時計メーカー、スマートウオッチメーカー等との競争も激しく、また、スマートフォン等の時計機能代替製品との競争も内在しております。ムーブメント事業においては、スマートウオッチ市場拡大の影響により低価格帯を中心としたアナログクオーツ市場が減少傾向にあることや中国メーカーの台頭等に基因する競争環境の激化による単価下落の環境にあるため、数量減少及びシェア低下の危険性があります。
工作機械事業
工作機械事業は、景気変動に伴う設備投資需要の落ち込み、天然資源や原材料価格の大幅な高騰、事業を展開する国及び地域における規制又は法令の重要な変更が、今後の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
デバイス事業
デバイス事業は、技術革新のスピードが早く、顧客要求の変化や新製品・サービスの導入頻度が高いことから、既存製品・サービスの陳腐化による販売価格の下落等が業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。精密加工部品においては、販売先の自動車メーカーやスマートフォンメーカーの技術革新の動向による影響を受けます。オプトデバイスにおいては、一部製品で特許実施許諾の契約を結んでおりますが、何らかの事情により提携関係が解消され、特許の実施許諾が受けられない状態になった場合、当事業に影響を及ぼす可能性があります。
電子機器製品においては、景気変動による設備投資、顧客の事業活動、個人消費の低迷に伴う需要減の影響や、製品安全関連の法規制・規格等の厳格化は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、国内競合メーカーはもとより、中国等の電子機器メーカーとの競争が激しく、技術革新が早いことから、販売価格の下落や開発等の遅れが、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの製品の売上高における海外比率は高く、また、全世界に販売されております。このため、各地域における景気・消費動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替変動のリスクについて
上記②のとおり、当社グループの製品の売上高における海外比率は高いため、為替予約及び通貨オプション等によるリスクヘッジを行うとともに、海外生産の拡充・強化を推し進めておりますが、当社グループの業績は為替変動の影響を受けます。
④ 中国生産依存度について
中国は当社グループの製品における主な生産拠点の一つであり、中国において何らかのトラブルによる生産支障及び、生産に支障をきたすような規制等が実施された場合、または人民元が大幅に切り上げられた場合等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 減損損失について
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑥ 特許及びその他の知的財産について
当社グループが研究開発及び生産活動を行う中でさまざまな知的財産権にかかわる技術を使用しており、それらの知的財産権は当社グループが所有しているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
特に一部製品において、特許実施許諾の契約を結んで製造を行っておりますが、何らかの事情により提携関係が解消され、特許の実施許諾が受けられない状態になった場合、当事業に影響を与える可能性があります。
⑦ 地震等の自然災害によるリスクについて
当社グループの本社・工場等の設備安全について火災・地震などの自然災害の発生時に、人的被害・工場などの設備破損が生じないよう、防災シミュレーション活動などを通じて管理体制の確立を行っております。しかしながら、想定以上の地震等が発生した場合、生産活動や商品供給に支障をきたしたり、復旧などにかかる費用などで業績及び財務状況に大きな影響が出る可能性があります。
⑧ M&A及び業務提携等に関するリスクについて
当社グループは、M&Aや業務提携等を通じた事業基盤の強化に取り組んでおります。これらを実行するにあたっては、対象企業の入念な調査、検討を行いますが、未認識債務の判明等や事業の展開等が計画どおりに進まない場合、当社グループの経営成績や財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 借入金のリスクについて
当社グループの借入金の一部は、取引先金融機関とシンジケート・ローン契約及びコミットメント・ライン契約を締結していますが、これらの契約の財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上返済請求を受けることがあり、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
⑩ 情報セキュリティに関するリスク
不正なアクセスや外部からのサイバー攻撃が世界中で増え続けている中、当社グループは情報セキュリティ強化に取り組んでおりますが、外部からのサイバー攻撃やその他の原因によって情報システム機能に支障が生じた場合、またはサービスプロバイダーによるサービス停止等が発生した場合は、当社グループの事業活動、業績及び財務状況に大きな影響が出る可能性があります。
当社グループは、顧客等から入手した個人情報並びに当社グループ及び顧客の技術、研究開発、製造、販売に関する機密情報を様々な形態で保持及び管理しております。当社グループはこれらの機密情報を保護するための管理を行っておりますが、当初想定していない事態が発生した場合は有効に機能しなくなる可能性があります。そのため、これらの情報が権限なく開示された場合、当社グループが損害賠償請求、または訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績、財務状況、評判及び信用に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ その他のリスクについて
上記以外でも、当社グループの業績は、急激な技術革新等による社会インフラや市場競争状態の変化、当社グループの財務的・経営的状況の変動、国内外の主要市場における貿易規制等各種規制、移転価格税制等の国際税務リスク、株式市場や債券市場の大幅な変動により多様な影響を受けます。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結累計期間における国内経済は、物価高の長期化などにより節約志向が強まり、個人消費の回復は弱いものに留まりました。北米経済は、所得環境の改善などにより、個人消費は底堅く推移しました。欧州経済は、インフレ率の低下などを背景に個人消費は持ち直しの動きを見せました。アジア経済は、中国において景気低迷が継続しているほか、その他アジアにおいて個人消費が足踏みするなど、景気回復は力強さを欠くものとなりました。
このような状況のもと、当連結累計期間の連結経営成績は、主に時計事業が堅調に推移し、売上高は3,168億円(前年同期比1.3%増)、営業利益は205億円(前年同期比17.9%減)と増収減益となりました。また、経常利益は230億円(前年同期比25.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益については238億円(前年同期比4.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(時計事業)
ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、物価上昇に伴う消費マインドの低下が見られる中、『アテッサ』や『クロスシー』などの中核ブランドに加えて、『ザ・シチズン』や『カンパノラ』などのプレミアムブランドが堅調に推移したほか、インバウンド需要が伸長し、増収となりました。
海外市場のうち北米は、個人消費が底堅さを保ち、主要流通であるジュエリーチェーンと百貨店流通向けが堅調さを維持したほか、EC販売が牽引し、増収となりました。欧州は、イギリスなどが堅調に推移したほか、フランスにおいて“CITIZEN”ブランド時計100周年などの宣伝活動が寄与するなどして、増収となりました。アジアは、タイやインドなどの一部市場に回復傾向が伺えたものの、中国の景気低迷の長期化に伴う売上減が響き、減収となりました。
“BULOVA”ブランドは、主力の北米市場において、“BULOVA”ブランド150周年イベントの奏功などにより、主要流通である百貨店流通向けの販売が好調に推移したほか、EC販売も伸長し、増収となりました。
ムーブメント販売は、欧米向けを中心にアナログクオーツムーブメントの付加価値製品や機械式ムーブメントが堅調に推移し、増収となりました。
なお、腕時計の生産規模は、前連結会計年度比1.6%減少し、約1,681億円(販売価格ベース)でありました。
以上の結果、時計事業全体では、世界的な物価高の影響で消費マインドの回復が限定的となる中、グローバルブランドや、プレミアムブランド及び機械式時計の強化に向けた取り組みを進めたことで、売上高は1,771億円(前年同期比6.6%増)と、増収となりました。営業利益は、中国の売上高の減少と“CITIZEN”ブランド時計100周年に伴う宣伝費の増加などにより、178億円(前年同期比9.9%減)と減益となりました。
(工作機械事業)
国内市場は、設備投資への慎重姿勢が長期化する中、主に自動車関連の低迷が継続したほか、市況の先行き不透明感から半導体関連や建機関連も足踏みし、減収となりました。海外市場のうちアジアは、中国の補助金政策などにより販売が増加したほか、インド向けの販売も堅調に推移し、増収となりました。米州は、医療関連以外の設備投資意欲が限定的となり、また欧州は、自動車関連を中心に市況が低迷し、減収となりました。
なお、工作機械の生産規模は、前連結会計年度比9.3%減少し、約748億円(販売価格ベース)でありました。
以上の結果、工作機械事業全体では売上高は743億円(前年同期比9.0%減)と減収となりました。営業利益は売上高の減少と製品ミックスの影響により、56億円(前年同期比37.2%減)と減益となりました。
(デバイス事業)
自動車部品は、自動車メーカーの生産回復が限定的となる中、国内市場が前年並みを維持したほか、海外市場も底堅く推移し、増収となりました。小型モーターは、顧客の在庫調整などの影響を受け、減収となりました。セラミックスは、サブマウント製品などが売上を伸ばし、増収となりました。水晶デバイスはPCやIoT関連市場における需要回復が足踏みし、またオプトデバイスは需要低迷により、どちらも減収となりました。
なお、オプトデバイスの生産規模は、前連結会計年度比2.1%減少し、約89億円(販売価格ベース)であります。
以上の結果、デバイス事業全体では売上高は404億円(前年同期比4.8%減)と減収となりましたが、営業利益は固定費削減を進めたことにより、4億円(前年同期比3.4%増)と増益となりました。
(電子機器他事業)
情報機器は、POSプリンターとバーコードプリンターが、国内市場と欧州及び米州市場において堅調に推移したほか、フォトプリンターが、安定した需要のもと、第2四半期において新製品の拡販が順調に進んだことなどにより、増収となりました。健康機器は、国内市場において血圧計の販売が堅調に推移したことに加え、海外市場向けの体温計の販売が進んだことなどにより、増収となりました。
以上の結果、電子機器他事業全体では、売上高は249億円(前年同期比11.0%増)、営業利益は27億円(前年同期比73.8%増)と増収増益となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1億円増加し、4,155億円となりました。資産の内、流動資産は、受取手形及び売掛金が38億円、棚卸資産が47億円減少した一方、現金及び預金が124億円増加したこと等により、42億円の増加となりました。固定資産につきましては、有形固定資産が36億円増加した一方、投資有価証券が96億円減少したこと等により、41億円の減少となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ79億円減少し、1,514億円となりました。これは、電子記録債務が14億円、繰延税金負債が31億円減少したこと等によるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、その他有価証券評価差額金が49億円、為替換算調整勘定が13億円減少した一方、利益剰余金が134億円増加したこと等により80億円増加し、2,641億円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度に比べ122億円増加し、当連結会計年度末には、925億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度より12億円収入が増加し357億円のキャッシュを得ております。これは主に投資有価証券売却益75億円、法人税の支払額76億円等の減少がありました一方、税金等調整前当期純利益が295億円、減価償却費135億円等の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度より26億円支出が減少し、100億円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入95億円等の増加がありました一方、有形固定資産の取得による支出170億円等の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度より144億円支出が減少し、125億円の支出となりました。これは主に配当金の支払額103億円等の減少によるものであります。
当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことをしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、セグメント業績に関連付けて示しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、経営者は見積り及び判断・評価につきまして、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における経営成績等に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び部品等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備投資であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。自己資金につきましてはグループ会社間の資金効率を上げるためキャッシュマネージメントシステムを導入しております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入と債券市場からの社債等による調達を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債(リース債務含む)の残高は69,996百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は92,597百万円となっております。
不測の事態に備えて、金融機関との良好な関係の維持に努めるとともに、複数の金融機関との間で合計20,000百万円のコミットメント・ライン契約を締結しております。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループは、2022年度から2024年度までの「中期経営計画2024」において、「豊かな未来(とき)をつなぐ」というシチズングループビジョン 2030を策定し、この実現を見据えて積極的な投資を図り、成長基盤を構築することを目標といたしました。
最終年度である2024年度の連結業績は、売上高、営業利益共に目標を下回る結果となりましたが、時計事業は、各エリアにおける製品ミックスの改善などにより、販売単価の上昇につなげることができたほか、工作機械事業は、受注の調整局面の影響を受けながらも、次の本格的な受注回復を見据えた生産能力の増強を着実に進めることができました。また、ROEは、株主還元や保有資産の最適化に取り組んだことなどにより、3年連続で「中期経営計画2024」の目標指標であるROE8.0%以上を達成することができました。
2025年度から始まる「中期経営計画2027」では、時計事業と工作機械事業を引き続き当社グループの成長を牽引するコア事業と位置づけ、これまでの3年間で構築した成長基盤を活かし、各事業のさらなる成長と発展を図り、収益力のより一層の向上に取り組んでまいります。売上高水準を引き上げながら収益性の改善を進め、2027年度までに売上高3,600億円、営業利益率9.0%、そして継続的にROE9.0%以上の達成を目指します。
中期経営計画2024
中期経営計画2027
当社は、2020年3月26日付で、長期運転資金を調達することを目的として、株式会社みずほ銀行及び株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとする協調融資団と以下の金銭消費貸借契約を締結し、財務制限条項に合意しております。
地方銀行6行
総額5,000百万円
2020年3月31日
期限一括弁済(2027年3月31日)
(a)本契約において許容されるものを除き、書面による事前承諾なく第三者に担保提供を行わないこと。
(b)財務制限条項を遵守すること
財務制限条項の主な内容は、連結財務諸表「注記事項(連結貸借対照表関係)9. 財務制限条項」に記載しております。
当社は、2020年8月5日付で、長期運転資金を調達することを目的として、株式会社みずほ銀行をアレンジャー、株式会社三菱UFJ銀行をコ・アレンジャーとする協調融資団と以下の金銭消費貸借契約を締結し、財務制限条項に合意しております。
都市銀行3行、地方銀行2行
総額30,000百万円
2020年8月7日
トランシェA
期限一括弁済(2025年8月7日)
トランシェB
期限一括弁済(2027年8月7日)
(a)本契約において許容されるものを除き、書面による事前承諾なく第三者に担保提供を行わないこと。
(b)財務制限条項を遵守すること
財務制限条項の主な内容は、連結財務諸表「注記事項(連結貸借対照表関係)9. 財務制限条項」に記載しております。
当社は、2025年3月26日付で、長期運転資金を調達することを目的として、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする協調融資団と以下の金銭消費貸借契約を締結し、財務制限条項に合意しております。
都市銀行3行
総額5,000百万円
2025年3月31日
期限一括弁済(2030年3月29日)
(a)本契約において許容されるものを除き、書面による事前承諾なく第三者に担保提供を行わないこと。
(b)財務制限条項を遵守すること
財務制限条項の主な内容は、連結財務諸表「注記事項(連結貸借対照表関係)9. 財務制限条項」に記載しております。
当社は、2025年3月26日付で、長期運転資金を調達することを目的として、株式会社みずほ銀行及び株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとする協調融資団と以下の金銭消費貸借契約を締結し、財務制限条項に合意しております。
その他金融機関
総額5,000百万円
2025年3月31日
期限一括弁済(2032年3月31日)
(a)本契約において許容されるものを除き、書面による事前承諾なく第三者に担保提供を行わないこと。
(b)財務制限条項を遵守すること
財務制限条項の主な内容は、連結財務諸表「注記事項(連結貸借対照表関係)9. 財務制限条項」に記載しております。
当社は、2024年9月30日付で、運転資金を調達することを目的として、株式会社みずほ銀行をアレンジャー、株式会社三菱UFJ銀行をコ・アレンジャーとする協調融資団と以下のコミットメントライン契約を締結し、財務制限条項に合意しております。
都市銀行3行
総額20,000百万円
なし(2025年3月31日)
自 2024年9月30日 至 2027年9月30日
各貸付毎に期限一括弁済
(a)本契約において許容されるものを除き、書面による事前承諾なく第三者に担保提供を行わないこと。
(b)財務制限条項を遵守すること
財務制限条項の主な内容は、連結財務諸表「注記事項(連結貸借対照表関係)9. 財務制限条項」に記載しております。
当社グループの研究開発活動は、グループ事業戦略に基づき、“市民に愛され市民に貢献する” という企業理念実現のため、将来を見据え、新たな顧客価値創出を担う研究開発体制を構築しております。
研究開発体制としては、研究開発センターが中央開発機能を持ち、経営方針に沿ってグループを俯瞰した研究開発を行っております。また、それぞれの事業に関わる製品開発、生産技術開発等は、時計事業の製品開発部門と技術開発部門、および各事業会社が担っております。
なお、研究開発費につきましては、各事業に配分できない基礎研究費用1,075百万円が含まれており、当連結会計年度中に投下した研究開発費は、
主な研究開発活動
研究開発センターにおいては、当社のもつ基盤技術をより深化させるとともに、技術マーケティング活動にも力を入れ、新たな顧客を創造し続けることができる新技術・新製品の開発を行っております。また、グループ各社における設計および製造の品質向上に関する技術支援も行っております。
シチズン時計㈱では、要素部品の小型化、高性能化により、小型化・薄型のムーブメントを実現し、シチズンブランドの主力商品であるエコ・ドライブのラインアップの強化を推し進めると共に、高精度な機械式ムーブメントの開発にも注力し以下の製品を発売いたしました。
ゴールドカラーのリングが輝くブランド横断コレクション「HINODE COLLECTION」全4モデルを「シチズン エクシード」「シチズン アテッサ」「シチズン クロスシー」「シチズンコレクション」の4ブランドから、2025年1月に発売しました。
「HINODE COLLECTION」として発表されたすべての腕時計は、シチズンの基幹技術である光発電エコ・ドライブを搭載。文字板にはサステナブル素材である再生ポリカーボネートを採用しています。
新たな門出や祈りの期待を感じさせる縁起の良いゴールドカラーのリングをテーマとしています。
「シチズン エクシード」「シチズン アテッサ」「シチズンコレクション」にはイエローゴールドカラーを採用し、レディースモデルである「シチズン クロスシー」のみにサクラピンクを基調としたカラーリングを採用しました。
なお、すべてのモデルは、定期的な電池交換が不要のエコ・ドライブを搭載し、世界4エリア(日本、中国、ヨーロッパ、北米)で電波を受信し、正確な時刻に修正する多局受信型電波時計です。
今後も、腕時計としての美しさと精度を追求し、環境に優しい「エコ・ドライブ」と、マニュファクチュール(自社一貫生産)としての実力を発揮した時計の拡販を目指し、表面処理・外装技術、精密加工技術、低消費電力技術の開発を継続し、環境に配慮した「技術と美の融合」を実現していきます。
当事業に係わる研究開発費は
シチズンマシナリー㈱では、グローバル化と情報化の進展による顧客ニーズの多様化に対応する革新的なモノづくり『個の量産』を提唱し、事業を推進しています。
メインとなる製品ブランドとして、主軸台移動形自動旋盤の「Cincom」、主軸台固定形自動旋盤の「Miyano」を中心とした工作機械商品群と、ロボットをはじめとする工作機械の周辺装置「FAフレンドリー」を展開しています。IoT分野においては、当社が蓄積した多彩なソリューションを提供するalkapplysolution(アルカプリソリューション)を展開しています。
これらの製品群を支える技術として、切削加工において切りくずの絡みつきを解消するLFV(低周波振動切削)技術や、残材削減機能を実現する摩擦接合技術、センシング技術やAIを活用した故障予測についても研究開発を推進しています。これにより、生産性向上、自動化、環境負荷低減などを通じ、受注から出荷までのお客様のものづくりワークフローを支えるトータルソリューションを提供しています。また、持続可能な社会に貢献するため、環境配慮技術を進化させ「EcoBalance Machine」として世界に訴求しています。
今後も革新的なモノづくりの実現を通して、お客さまの安心と成長、そして世界中の製造業の発展及び持続可能な社会を目指し、シチズンマシナリーは挑戦を続けてまいります。
当事業に係わる研究開発費は
シチズンファインデバイス㈱は、長年築き上げてきた独自の技術を活かし、各事業部門の技術の融合を図り、新技術ならびに新製品の開発を積極的に行うとともに、マーケティング活動も盛んに行い、新たなビジネステーマ創出につなげています。
金属部品加工の分野では、従来の自動車向け各種部品加工から、他の用途市場への展開を行い、医療分野で量産が開始されました。新規領域部品で今後必要となる技術の獲得と開発を進めています。CAE解析による設計開発の妥当性評価、および量産時の早期課題解決の実現に向け継続的に取り組んでいます。既存製品に関しては、生産性向上を目的とした積極的な合理化推進、切削加工を中心とした技術のレベルアップ等でコスト競争力の向上を図っています。また、環境に配慮した工法開発を進め、新しい工法による製品をお客様に提案しています。
マイクロデバイスの分野においては、省エネ・小型化用途に向けた水晶製品、加工用ハイパワー半導体レーザー向けサブマウントなどを開発しています。さらに、これまで培ったセラミックス・水晶製品の技術ノウハウにMEMS技術を融合して、新たな高付加価値製品の創出に取り組んでいます。
液晶デバイスの分野では、表示用途としては無機配向膜を用いた高耐光性LCOS、光変調用途としては近赤外光用の光変調素子開発を進めています。
センサの分野では、EV化が進む自動車に代わり、環境対応、省エネ開発が求められる船舶、コージェネレーション等の中大型エンジンにおける市場創出を目指して、製品開発活動を進めています。
また、精機事業の分野では、AIを活用した画像検査装置を社内へ導入し、量産の中で課題を抽出し検査精度の向上を目指すとともに、他製品への導入も視野に入れた技術開発を進めています。
シチズン電子㈱ではLEDを中心としたオプトデバイス事業と、精密加工技術を活かした応用製品事業を中心に、開発提案型企業として新鮮で驚きのある製品づくりに挑戦しています。
照明用LEDは、高効率を保ちながら演色性を高くした、「CITILED COB Series Type-Y」を2023年1月に量産化し、地球規模で取組む省電力によるCO2の削減にも貢献する製品の開発を進めて参りました。現在は、スポットライト向け製品にもこの技術を適用し量産化を進めております。
照明LED以外では、小型マルチカラーLEDの製品開発を行い、パッケージ内で混色性を高めた構造により、レンズやフィルター等、光学設計の負荷を軽減可能な製品提案を行っております。応用製品事業では小型・薄型、防塵・防水といったシチズン電子が得意とする技術を応用し、急速に発展しているウェアラブル市場向け製品の開発や、市場ニーズに応える新たな付加価値の創出として信頼性が高く多機能な入力デバイスの開発にも取り組んでいます。
当事業に係わる研究開発費は
シチズン・システムズ㈱では、『世界のすべての人々に役立つ新しい価値の創造と提供』を目指して、業務用プリンター製品及びヘルスケア製品において、ひとに寄り添った製品開発を行っております。
業務用プリンターの分野のうち、POSプリンターは、製品の特長を生かして、セルフ精算システムや中小の店舗でも導入しやすい整理券システムなど、省人化・省力化のためのソリューションビジネスへの対応を進めております。バーコードプリンターは、医療・物流など、特定市場に対応した製品の開発を進めております。フォトプリンターは、多様化する市場要求に対応した新製品の開発に取り組んでおります。
ヘルスケア製品の分野においては、より使いやすく進化した自社開発のスマートフォンアプリ「Health Scan」を2024年4月にリリースし、連携可能なBluetooth機器を含めた製品ラインナップの拡充に取り組んでおります。
当事業に係わる研究開発費は