当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、企業理念として掲げるグループミッション「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで、地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」の実現を目指し、事業活動を展開しています。
このミッションの実現に向けて、当社グループでは社是である「信義・進取・楽業」を行動の指針とし、全社員が共有する価値観として位置付けています。
「信義」…社会的責任の実践
約束を守り人の信頼に応え、責任を重んじて自らの務めを果たすということが「信義」の考えであり、当社グループの経営の根幹です。
「進取」…新たな価値の創造
あらゆる困難を退けて前進し、グループの存在価値を高めていくということが「進取」の考えであり、当社グループの事業に対する基本的な精神です。
「楽業」…こころ豊かな行動
働く喜びを感じ、仕事の中に楽しさを見出し、様々な方々と幅広い交流を図りながら、自らの人格を高めていくということが「楽業」の考えであり、当社グループの社員像を表しています。
当社グループでは、省エネ機器の普及、ライフスタイルの変化などによるエネルギー需要の多様化や脱炭素への社会的要請等、時代の環境変化に対応すべく、2023年度より、「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」をビジョンとする第三次中期経営計画を進めています。
<成長戦略>
国内事業基盤の再整備
グループ事業の連携と融合を図り、高品質なサービスを提供する体制を構築することで、事業構造改革を進めていきます。
リテールサービス戦略強化
エネルギー会社からサービス会社への意識転換を図り、エリアに適したサービスを提供することで、地域での生涯顧客の獲得を目指していきます。
新たな事業への取組み
「脱炭素」をキーワードに新規事業を創出し、脱炭素化への貢献を図っていきます。
<経営基盤強化>
人財育成と風土改革
お客様に選ばれる企業を目指し、意識醸成と行動変容を促す施策を実施します。また、企業価値の向上に繋がる人事制度を再構築し、事業生産効率を高める組織再編と人財の適正配置を進め、人財育成の深化を図っていきます。
業務・資産効率性向上
業務効率化等による生産性向上、投融資リスクのアクティブコントロール、資産効率の向上のためのROA改善施策の導入等を通して、組織運営の効率化とポートフォリオの良質化を図っていきます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。
なお、文中の詳細に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」を企業理念に掲げ、創業以来90年以上にわたって、お客様にエネルギーをお届けしています。
昨今、国連サミットでのSDGsの採択やCOP21におけるパリ協定の発効などを契機に、サステナビリティ・脱炭素に関する企業への対応要請が高まっており、事業やビジネスモデルの変革が必要不可欠となっています。
そういった状況の中、当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献し、ステークホルダーの皆様の信頼に一層応えるべく、サステナビリティ基本方針を2022年5月、下記のとおり策定いたしました。
また、2023年4月からスタートした第三次中期経営計画の非財務目標を設定するにあたっては、国際的なガイドラインを参照しつつ、当社グループとステークホルダーの皆様にとって重要と考える社会課題を、網羅的にリストアップしました。そのリストアップした課題について、当社グループのミッションとバリューを踏まえ、課題の重要度と緊急度の両面から検証を行った後、経営陣での議論、取締役会の決議を経て、気候変動への対応として「脱炭素社会に対応した事業構造への転換」、人的資本経営の一環として「社員の市場価値の向上」の2つを、第三次中期経営計画の非財務目標に設定いたしました。なお、サステナビリティへの取組みとして、当社グループのマテリアリティ(重要課題)についても、同じ内容を掲げています。
当社グループでは、気候変動への対応及び人的資本への投資を重要な経営課題と捉え、「サステナビリティ推進委員会」を2022年度より設置し、サステナビリティ全般に関する課題をグループ全体で把握し、具体的な対応策や目標設定について協議を行っています。
サステナビリティ推進委員会は、2024年度末時点においては、当社代表取締役社長を委員長とし、リスク・コンプライアンス委員会の委員長であるチーフ・コンプライアンス・オフィサーを副委員長とすることでグループ全体のリスク管理の網羅性を高めるとともに、グループ全体の取り組みを管掌する関連部門責任者を委員とすることで、事業との連動性を強化する体制としていました。さらに2025年4月には、サステナビリティ推進委員会の委員長をサステナビリティ推進担当役員へと変更し、グループ企業の代表取締役社長を委員とすることで、よりグループ全体で「持続的な成長」と「企業価値の向上」を目指す体制へと移行しました。
委員会での議論・決定内容は取締役会に適宜報告し、取締役会においては対応策の承認と必要な助言を行う体制としています。
また、委員会の取り組み進捗状況については年1回以上各委員会より取締役会に報告する体制としています。
当社グループは、気候変動関連の規制や事業への影響等のリスク要因を幅広く情報収集・分析しています。
留意すべき重要な機会とリスクについては「サステナビリティ推進委員会」で特定・評価を行い、事務局である成長戦略部が監督・モニタリングを実行してきましたが、2025年度の体制においては、「サステナビリティ推進委員会」がモニタリングの役割を担い、取締役会が監督します。リスク・コンプライアンス委員会の委員長がサステナビリティ推進委員会の副委員長を兼任し、両委員会で問題を共有できる体制としています。
また、グループ全体の人事戦略を推進するにあたり、当社は年2回、グループ企業合同による「グループ人事責任者会議」を開催し、人財に関する情報共有およびリスク低減に取り組んでいます。これまでに、労務モニタリングや女性活躍推進などのテーマについて議論を行いました。
経営戦略と連動した人事戦略の推進においては、「人財」および「組織」に関する課題が、企業活動に重大な影響を及ぼす経営リスクの一つであると認識しています。外部環境の変化を見据えた人財・組織課題については、経営層との継続的な議論を通じて対応を検討しており、グループ全体のリスクマネジメントを担う部門とも連携しながら、リスクの低減に努めています。
当社グループでは、気候変動への対応を重要な経営課題として認識しており、2022年6月には金融安定理事会が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言への賛同を表明し、気候変動におけるリスク及び機会のシナリオ分析を実施しています。分析の対象は想定される財務インパクトの大きさから、当社グループ売上高の80%以上(2021年3月期実績)を占める石油事業、ガス事業としています。
分析の時間軸は、移行リスク、物理的リスクが大きく顕在化する2050年を分析時間軸と設定し、4℃・2℃それぞれのシナリオについて分析を行っています。
リスク分析の手法としては、SDGs目標やTCFD推奨開示項目から当社グループの事業と関連が深い項目を特定し、移行リスク、物理的リスクのそれぞれの算定を行っています。
分析作業は事業への影響度が高い移行リスクを中心とし、物理的リスクでは主に自社で所有する不動産に対する自然災害の影響度合いを算定しました。
各項目に対してリスクと機会を整理し、発生時期を短期・中期・長期、影響度を小・中・大に分類しています。
リスク・機会の評価の中で選定した項目のうち、影響度が高い以下の項目について、関連するシナリオとパラメータの選定を行い、4℃・2℃それぞれのシナリオに関する財務インパクト評価を行っています。
シナリオ分析により特定した項目については、リスクの最小化、機会の最大化を実現すべく、中期ビジョン(2023~2027年度)に反映させており、今後戦略のレジリエンスを高めてまいります。
<影響度が高い項目>
当社グループは、気候変動のリスク及び機会を評価・管理するための指標としてGHG排出量と炭素生産性の2つを設定し、事業成長とGHG排出量の削減を同時に実現してまいります。
Scope1~3全体の排出量を算定した上で、削減目標としては自社努力による削減余地が大きいScope1、Scope2に対象を絞り目標を設定しています。
事業成長と共に環境負荷が低い企業グループへと変革を遂げるべく、より少ない炭素排出量で効率的な企業活動を行う指標として設定しています。
※炭素生産性=売上総利益÷GHG排出量(Scope1~3)
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
なお、当社グループの気候変動に関する考え方及び取組の詳細は以下をご参照ください。
当社グループは、2027年に創業100周年を迎えます。ビジョンとして掲げる「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」を実現するため、「国内事業基盤の再整備」および「リテールサービス戦略の強化」を成長戦略の柱としています。
この成長戦略の実現には、経営基盤である「人財」への投資が不可欠であると考えています。2020年には「選ばれ続ける人と組織になること」を目的に風土改革を始動し、100周年に向けた組織ビジョン「Spiral Up Company ~情熱とワクワクのエネルギー好循環組織~」を掲げました。
このビジョンの実現に向けて、社員一人ひとりの自律的成長を促す「風土改革」と、多様な人財から選ばれ続けるための「働き方改革」を両輪として推進し、社員の成長を支援するとともに、持続的に成長し続ける組織を目指します。
②指標及び目標
第三次中期経営計画において、「企業価値は社員の市場価値の総和である」という考えのもと、「社員の市場価値の向上」を非財務目標の一つに掲げ、特に重要と考える以下の3つの目標を設定しています。
イ. エンゲージメント
当社ではエンゲージメントを「社員と会社が対等で、相互に成長に貢献し合う関係」と定義しています。多様な働き方が進む中で、社員が「成長を実感できた」「人生が豊かになった」と感じられるよう、成長機会や働きがいのある環境を整備・提供することが会社の責務であると考えています。
このため、エンゲージメントは「社員の市場価値の向上」における最重要KPIと位置づけており、エンゲージメント指数(組織風土調査における満足度指数)を2023年3月期の3.3から、2028年3月期には4.0以上へと向上させることを目指します。
ロ. 教育投資
社員の自律的なキャリア形成を支援する仕組みを整備し、成長を実感できる組織を目指しています。教育機会の拡充により、社員1人あたりの年間教育訓練時間を2023年3月期の16.4時間から、2028年3月期には25.0時間へと増加させることを目標としています。
ハ. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
多様な価値観を取り入れ、新たな価値を創出するため、女性社員の登用を積極的に進めています。意思決定の場における女性の比率を高め、女性管理職比率を2023年3月期の5.1%から、2028年3月期には20.0%以上へと引き上げることを目指します。

③具体的な取り組み・施策
イ. 風土改革:社員の自律的成長に向けた意識・行動・コミュニケーションの変革
「個を高め、活かし合う」ことを風土改革の本質とし、「選ばれ続ける人と組織」の実現を目的に取り組んでまいりました。初期の3年間(2020~2022年度)は「風通しの良い環境づくり」、続く2年間(2023~2024年度)は「個の成長」に注力しました。
2024年度は「共感できる方針」をテーマに、事業会社ごとに経営層から管理職層までの縦のつながりを強化し、経営と風土改革推進者との接続も深めました。研修や現場訪問を通じて、グループがONEチームとして機能し、グループミッションに基づいて働くことの重要性を繰り返し伝えました。
2025年度は、「個の成長」からさらに踏み込み、「活かし合う組織づくり」を本格的に推進する年と位置づけています。これまでの改革により意識の変化は見え始めているものの、日常業務における具体的な行動変容には依然として課題が残っています。
今後の成長戦略である「国内事業基盤の再整備」および「リテールサービス戦略の強化」を実現するためには、仕組みの再整備とともに、従来の延長線上ではない、一人ひとりの行動を本質的に変える“本気の取り組み”が不可欠です。
まずは現場のリーダーが自ら本気で考え、行動すること。そして、従業員一人ひとりが「自分は何をすればお客様の期待を超える価値を届けられるか?」を常に問いながら行動し続けることが、組織全体に当事者意識と“やりきる力”を浸透させる鍵となります。
風土改革は単なる意識醸成ではなく、当社の未来をつくる成長戦略そのものです。私たちは“人”の力を信じ、「個の成長」を「組織の成長」へとつなげ、「個を高め、活かし合う組織」を本気でつくり上げることで、地域のエネルギー会社から地域に根差したサービス会社へと進化し、次の100年に向けた価値創造に挑戦し続けます。
ロ.人財育成の推進
<社員の育成方針>
「人財」は当社にとって最も重要な資産の一つであり、社員一人ひとりの成長が会社の成長に直結すると考えています。この考えに基づき、社員教育を「投資」と位置づけ、教育機会を提供しています。中期経営計画における非財務目標として、社員一人あたりの教育訓練時間を2022年度の16.4時間から2027年度には25時間へと拡大する目標を掲げています。
<社員一人ひとりの成長実現に向けた人財育成ポリシー>
以下の4つを「人財育成ポリシー」として掲げ、具体的な施策を展開しています
1. 従来の階層別教育中心から、意欲ある社員に学ぶ機会を提供する公募型教育を重視し、徐々にシフトしていく
2. シナネンHDグループ共通の必須教育として、基礎力を整備する
3. キャリア支援制度(若手向けCDP※、社内公募制度など)を構築する
4. 経営人財を安定的に創出するため、選抜型による育成を強化する
<教育体系>

教育体系図に基づき、階層別教育に加え、キャリア支援制度、基礎教育、公募型教育、選抜型研修を実施しています。
公募型教育では、成長意欲の高い社員の個別課題解決に資する多様な研修を展開しました。2024年度の公募型教育の総訓練時間は1,152時間となり、前年の855時間を上回りました。これは、社員の市場価値向上への意欲の高まりを示す成果です。
一方、2024年度の教育訓練時間の実績は、一人あたり16.1時間となり、前年(2023年度)の16.4時間からわずかに減少いたしました。
この主な要因といたしましては、より効果的かつ実践的な学びの提供を重視するために、階層別教育研修内容の見直しを行い、対象者数及び研修日数が減少したこと、ならびに基礎教育として実施していた全社員向けE-ラーニングの実施回数が減少したことにあります。
今後も、教育訓練の質的な充実に加え、より一層社員の成長に資する量的な拡充にも取り組んでまいります。
キャリア支援制度では、社員の志向や希望を把握し適正配置に活かす「キャリア面談」を2023年度から導入しています。評価面談と実施時期を分け、「キャリアビジョンシート」に希望する働き方や上司からのフィードバック欄を追加しました。
また、2024年度には脱炭素分野の事業推進の一環として、環境省への出向社員を社内公募により選出しました。自ら手を挙げる機会を通じて、新たなキャリアの可能性を広げています。
若手社員向けには、CDP(キャリア開発プログラム)を2023年度から導入しています。OJTに加え、異なるチームの社員がメンターとして関わることで、職場内外での育成を支援しています。2024年度は、CDPの理解と運用促進を目的に、対象者向けに研修を年2回実施しました。
CDP概要図

経営者育成については、当社グループの将来を担う経営人財の創出を目的として、グループ横断的に育成を行っています。経営人財育成のために「人財パイプライン」を構築し、3階層にわたる選抜型研修を実施しています。
ポテンシャルの高い人財の早期発掘・育成と、候補人財の「量」と「質」の確保を目的に、PDCAサイクルを取り入れた育成体制を確立し、継続的な経営人財の輩出を図っています。
「人財育成方針」に則り、社員一人ひとりの成長と自律的なキャリア形成のための人財育成体系を整えています。
上記の人財育成方針に基づき、社員の市場価値の向上を目指して、多様な社員の自律的な成長を支援する仕組みの整備を、今後も継続的に進めてまいります。
ハ.多様な人財から選ばれ続ける仕組みづくり
当社グループは、多様な社員が安心していきいきと働き続けられる環境の整備、すなわちワークライフバランスの実現と社員の自律的なキャリア形成を促進する人事施策に取り組んでいます。
<ワークライフバランスの実現>
2024年度には、長時間労働の是正を目的として勤怠システムの見直しを実施しました。労働時間の可視化が進んだ結果、グループ会社では、2024年4月時点で月平均残業時間が20時間39分だったものが、2025年2月には16時間9分まで削減されました。
また、各グループ会社の実態に応じた労務課題の把握と迅速な対応を図るため、人事担当者や管理監督者向けにマニュアルを提供し、安全衛生意識の強化およびホールディングスからのサポート体制の強化を進めました。
<社員の自律的なキャリア形成の促進>
当社グループの社員の平均年齢は43.2歳であり、介護や育児といったライフイベントに直面する社員が多く在籍しています。これらの社員が離職を選択することなくキャリアを継続できるよう、育児・介護それぞれに対応した両立支援制度、育休制度、介護保険制度、社内相談窓口などをまとめたハンドブックを作成し、社内に公開しました。
また、女性活躍推進法および次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の見直しを行い、社内外に公開しました。今後も継続的な評価と改善を通じて、多様な人財が定着し、個々の強みを活かし合える組織づくりを目指します。
ニ. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
当社グループにおけるD&Iの位置づけは、風土改革の本質であり、「個を尊重し、認め合い、強みを活かし合うこと」と定義しています。創業100周年を超え、次の100年に向けて新たな価値を創造していくためには、従来の価値観にとらわれない柔軟な発想と、多様な人財が持つ多様な価値観の受容が不可欠です。
<女性活躍推進>
当社グループでは、2027年度までに女性管理職比率を20%に引き上げることを目標に、女性活躍推進に取り組んでいます。今後はエネルギー分野にとどまらず、地域すべてのお客様に、ワンストップで課題を解決するサービス企業を目指しています。その中で女性ならではの発想や地域とのつながりは、グループの成長に欠かせない重要な要素と考えています。
2024年度の取り組みとしては、2022年度に発足した女性コミュニティ「CREADY(クレディ)」を継続し、「自分らしく影響力を発揮できる人財の育成」を目的に、「キャリアワークショップ」の実施と女性同士のネットワーク強化に取り組みました。ワークショップには、事業会社や年代を超えて32名が参加しました。
キャリアワークショップでは、外部ファシリテーターを招き、全6回・5か月間にわたり、自己内省やワーク・ライフ両面からのビジョンの可視化、社員によるパネルディスカッションなどを通じて、自分軸の言語化を行いました。
ネットワーク強化の取り組みとしては、毎月1回オンラインでコミュニティ活動を実施しました。社員同士のつながりを深めるとともに、会社や年代を超えた対話の場を提供することで、多様な価値観やキャリア観に触れる貴重な機会となりました。
<障がい者雇用>
当社は、新たな障がい者雇用モデルの確立を目指し、志を同じくする大手企業20数社が参加する一般社団法人「企業アクセシビリティ・コンソーシアム(ACE)」に加盟しています。
また、障がい当事者と支援者を中心とした社内コミュニティを通じて、社内報などによる理解促進・啓発活動を行っており、多くの社員から支持を得ています。こうした活動が評価され、2024年のACEアワードでは、障がいのある当社従業員が「ポジティブチャレンジ賞」を受賞しました。
今後も、障がいの有無にかかわらず、個々の強みを活かし、安心して能力を発揮できる環境の整備と雇用の推進に努めてまいります。
ホ.健康経営
当社グループは、社員の健康を重要な経営課題と位置づけ、活力あふれる企業風土の醸成に努めています。
2020年2月には「シナネンホールディングスグループ健康宣言」を発表し、健康経営への取り組みを本格的に開始しました。2023年度からスタートした第三次中期経営計画においては、非財務目標の一つとして「社員の市場価値向上」を掲げ、その中に健康経営の推進を位置づけています。
当社グループでは、健康診断結果に基づく課題分析と目標設定を行い、社員の健康管理を強化しました。その結果、経済産業省が主催する「健康経営優良法人」に、2023年、2024年に続き、2025年も認定されました。

今後も、社員の健康保持・増進に向けた取り組みを通じて、社員のパフォーマンス向上、さらにはグループ全体の業績および企業価値の向上を目指してまいります。
また、当社グループでは2023年度より、65歳定年後の70歳までの再雇用制度を導入しました。平均年齢の上昇や高年齢労働者の割合増加に伴い、健康診断で有所見となる社員や、疾患を抱えながら働く社員の増加が課題となっています。
これを受けて、2023年4月より、がん・脳卒中・心臓病・難病などを発症した社員を支援するため、「治療と仕事の両立支援制度」を導入し、併せて「治療と仕事の両立支援ガイドブック」を作成・展開しました。
この施策は、社員の健康保持・増進にとどまらず、継続的な人財の確保、モチベーションの向上、さらには多様性の促進による組織や事業の活性化にも寄与することを目的としています。
参考リンク:健康経営
当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況並びに株価等(以下「業績等」という。)、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。
なお、記載中、将来に関する事項は当連結会計年度末(2025年3月31日)において判断したものであります。
また、当社グループは、これらのリスクの回避、低減及び顕在化した場合の影響最小化への対応に努める方針であります。
当連結会計年度の国内エネルギー業界においては、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた第7次エネルギー基本計画が2025年2月に閣議決定されるなど、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しています。主力の石油類・LPガスの仕入れ価格に影響を及ぼす原油価格・プロパンCPについては、原油価格は中国の景気低迷による需給減少、米国政策、OPECプラスの増産観測等が重しとなり、軟調展開が続いた一方、プロパンCPについては東南アジア地域における国内需要の増加等を背景に底堅く推移しました。一方、石油・ガスの国内需要は、少子化の進展等による人口減少、省エネ機器の普及やライフスタイルの変化などにより全体としては減少傾向が継続しています。
石油・ガス業界をとりまく環境は、供給側であるOPECプラスの産油量動向や中東情勢、需要側では大消費国である米国、中国、インド等の経済状況等が原油価格に大きな変動をもたらします。また、国内では環境意識の高まりや脱炭素社会に向けた官民をあげての取り組みにより、エネルギーの節約志向は今後一層強まるものと考えられます。これら原油価格の変動や国内市況並びにエネルギー環境の変化等が当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、原油価格等の変動や消費者の節約志向等には直接対応できないため、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、住設機器の販売や住宅向けリフォーム等の住まいと暮らしの事業(ライフクリエイト事業)の拡大等、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、太陽光発電設備のメンテナンス事業や国内外の再生可能エネルギー事業の拡大等の非石油・ガス事業への展開のほか、ライフクリエイト事業等の非エネルギー事業への積極投資により業界環境変化のリスク低減に取り組んでいます。
当社グループの主力となる事業は、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)であり、全セグメントの売上高のうち93.3%を占めています。このエネルギー事業については、基本的には気温の変動によるリスクを有しており、なかでも石油部門の主力商品である民生用灯油については、冬が最需要期であり、夏の使用量と比較して著しい格差があります。このため、暖冬により冬場の灯油の消費量が減少した場合、販売計画に狂いが生じ、また価格にも影響を及ぼすなど、気温の変動が当社グループの販売実績及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、冬場の気温に需要が左右される石油・ガスだけでなく、夏場に需要が増加する電力販売の拡大を進めると共に、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)における既存の石油販売施設について、建設機械やトラック等の燃料として年間を通じて需要の見込める軽油の出荷能力を増強したオイルスクエアへの移行等により気温の変動によるリスク低減に取り組んでいます。
また、電力については世界的にLNGをはじめとする燃料の高騰を背景にした電力需給環境の変化が激しい状況が続いています。特に夏場と冬場の需要期において、電力卸売市場の価格変動により業績に重要な影響を与える可能性がありますが、市場連動型プランへの移行の推進(BtoB事業)を図ることで価格変動リスクを最小化する一方、他社のバランシンググループ(BtoC事業において複数の小売電気事業者が1つのグループを形成し、一般送配電事業者との間で1つの託送供給規約を結ぶ仕組み)に参加し、電源調達と需給管理を委託することで、需給バランスの最適化に取り組んでいます。
当社グループの属するエネルギー業界においては、規制緩和、環境問題、少子化の進展による人口減少等の要因により、電力、石油、都市ガス、LPガス等の垣根を越えたエネルギー間競争が激化しています。「オール電化」「太陽光発電」「エネファーム」等のエコロジーと関連する商品群の開発・販売推進により、今後もこの傾向が続くものと予想されます。
また、LPガス業界においては、LPガス消費者の獲得やそれに伴うLPガス価格の引き下げ等、同業者間の競争が激しくなっています。石油業界においても、ガソリンスタンド間の厳しい生き残り競争や民生用灯油の巡回販売、ホームセンター他の販売チャネル間の争い等、同業者間の激しい競争が続いています。
こうしたエネルギー間競争及び同業者間競争の激化に加え、世界的な脱炭素・SDGsへの意識の高まりや国内でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けた動きが加速する中、総合エネルギーサービス企業グループとして責任ある対応が強く求められており、これらへの対応の遅れは当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、LPガス事業の営業権の買収や同業者のM&Aで事業基盤の維持拡大に努めています。また、石油・ガス・電気のエネルギーを取り扱い、セット販売等でお客様に継続してお取引いただくことや顧客数拡大に向けた新たな取り組みとして、CO2排出量を実質ゼロとする「ミライフカーボンニュートラルLPガス」の販売を開始する等により競争激化に対するリスク低減に取り組んでいます。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、実質再生可能エネルギー100%の電気料金プランの提供をはじめ、オフサイトコーポレートPPAによる再生可能エネルギー電力の供給開始やCO2排出量削減に寄与する次世代バイオディーゼル燃料の取り扱い開始など、「電力・再生可能エネルギーなど総合エネルギーサービスへのポートフォリオ転換」に向けた取り組みを進めています。
当社グループは、「保安は全てに優先する」と考え、石油及びLPガス販売に係る設備等について、関係諸法規及び内部規程に基づき定期的に厳格な保安監査を実施しています。また、石油設備については石油漏出による環境汚染事故を防止するため損害保険ジャパン株式会社と共同でリスクファイナンスを含む総合リスクマネジメントを実施しています。しかしながら、これらの対策が石油及びLPガスの漏洩等の事故及びそれによる損失の可能性を無にするものではありません。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、ガス関連設備について、法定点検に加えて、お客様の要望に応えた自主保安点検として戸建て住宅向けに「ひまわり点検」を実施しています。また、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、石油漏出を早期発見するため、日々漏洩点検を実施すること等により設備の保安等と環境汚染に関するリスク低減に取り組んでいます。
B.グループ事業全般におけるリスク
当社グループの販売形態には、卸売販売及び小売販売があります。卸売販売については主に掛売りをしており、2025年3月末現在の「受取手形及び売掛金等の売上債権」の残高は396億円であります。
これらの売上債権については、回収サイトの短縮化や、取引先の資金状況を勘案し一部現金による前受制により回収の早期化を図っています。また、コンピュータシステムによる与信等債権管理の徹底を行っています。さらに、当社グループは貸倒損失発生時に備え十分な引当金を計上していますが、予測不能な事態が生じた場合には、売上債権の回収に支障をきたし、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、信用調査会社のデータベースに基づき、毎年、与信枠を設定することで与信管理を徹底し、与信枠を増枠する場合は、個別に決裁すること等により取引先の信用リスク低減に取り組んでいます。
当社グループは、主に、国内において円建による取引を行っていますが、シナネン株式会社の石油製品の輸出入及びシナネンサイクル株式会社の自転車の輸入、株式会社シナネンゼオミックの抗菌剤の輸出については一部外貨建で取引を行っています。このため、当社グループの業績が外国為替の変動に影響を受けることがあります。当社グループは、為替変動リスクを軽減するためヘッジ取引を行っていますが、必ずしもこれを完全に回避できるものではありません。
また、主力商品である石油類及びLPガスについては主に国内元売会社から仕入れていますが、原油やLPガスの輸入価格が、為替の変動により間接的に当社グループの仕入価格に影響を及ぼすというリスクを有しています。
外国為替取引においては、為替予約や想定為替レートを設定し、ヘッジ取引により外国為替変動によるリスク低減に取り組んでいます。
当社グループは、主にエネルギー事業に係る資産として、石油類卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備並びにこれらの設備を使用するための土地を保有しており、有形固定資産の2025年3月末現在の帳簿残高は278億円となっています。当社グループはこれまで非効率資産の売却を進め、財務体質の強化に努めています。
設備投資については、回収可能性を十分に検討したうえで実行し、定期的に回収可能額の評価を行いますが、その結果、新たに減損損失が発生するリスクを有しています。
当社グループでは、第三次中期経営計画において、資本効率の改善を定性目標として掲げています。事業の効率化を進め、利益率を向上させること、低稼働資産を有効活用し、収益をあげること等により固定資産の評価に関するリスク低減に取り組んでいます。
当社グループは経営基盤の強化を図るため、子会社または関連会社の設立、外部との資本提携等を行っていく可能性があります。投資等にあたっては投資リスク等を勘案したうえで決定し、その後定期的に投資価値のチェックにより回収可能性の判断を行っています。その際、必要に応じて回収不能額を見積り、引当金等を計上する方針ですが、投資先の経営成績及び財政状態が予想以上に悪化した場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループは、取引の関係や提携の強化・円滑化を図る政策的な理由等から株式を長期間保有しています。これらの株式の一部については、減損処理を行っていますが、その後の投資先の経営成績及び財政状態並びに株価の推移等から投資価値は十分にあると認識しています。しかしながら、日本経済の動向及び海外情勢等に予測し難い事態が生じた場合には、株価下落により評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、事業投資や資産の取得等の投資について、適正性・収益性等を評価する「事前審査委員会」と代表取締役社長の意思決定に関する諮問機関としての「経営会議」を設置しています。それらの機関での検討内容を参考にして、最終的な意思決定をすることにより投資等に係るリスク低減を進めています。また、投資後についても、一定期間モニタリングを継続し、事前に定めた撤退審議基準に抵触した場合は、その改善を指示し、あるいは撤退・売却を指示すること等によりリスク低減を進めています。
当社グループは、新規収益源の発掘・育成を積極的に推進していきますが、事業環境の変化によっては、新規事業が想定通りの収益を計上できない可能性があり、将来においてこれらの新規事業の業績が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、新規事業への参入についても投資等に係るリスクと同様に「事前審査委員会」「経営会議」のプロセスを経ること、新規事業のフィジビリティスタディ(実行可能性評価)を事前に実施すること等によりリスク低減に取り組んでいます。また、投資後についても、投資等に係るリスクと同様のモニタリングを実施し、事前に定めた撤退審議基準に抵触した場合は、その改善あるいは撤退を指示することによりリスク低減を図っています。
株式会社シナネンゼオミックの製造する抗菌剤「ゼオミック」について、EPA(米国環境保護庁)及びFDA(米国食品医薬品局)等をはじめとする国内外の取得許認可を活かして、米国、欧州、中国、韓国及び東南アジア等への販売活動を進めています。欧州においては、規制情報の収集や関係当局との情報交換を通じて、EU-BPR(欧州殺生物性製品規則)の承認取得に取り組んでいます。
このように当社グループは海外事業へ進出していますが、法令または関税等の貿易取引制度の改正、政治的・経済的変動、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しています。
当社グループでは、海外進出において、政治動向、経済動向、法制度、(優遇)税制等を事前に調査・評価することにより海外進出に関するリスク低減に取り組んでいます。
当社グループは、抗菌事業、環境・リサイクル事業、自転車等の輸入販売事業その他の事業において製造、販売をしています。製品の生産開始以来、品質管理には十分留意しており、製造物責任法(PL法)の施行後は、生産物責任賠償保険に加入し、事故発生による費用負担の低減を図っています。また、消費生活用製品安全法に基づき、製品の安全な使用方法に関する周知徹底を図るとともに事故発生時の対応強化に努めています。
しかしながら、今後大規模な製品回収や製造物責任が問われる不測の製品事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
抗菌事業を行う株式会社シナネンゼオミックでは、2002年4月にISO9001の認証を取得した上で、社内の品質監査体制を強化しています。また、製品の製造・販売を行う各事業会社においては、品質管理を担当する部署を設置すること等により製品の品質及び安全に関するリスク低減に取り組んでいます。
当社グループは、エネルギー事業における石油・ガス・電気等の消費者データ及び非エネルギー事業における製品販売・サービス提供等で取得した顧客データ等の個人情報を保有しています。これらの個人情報を保護するために、リスク・コンプライアンス委員会を設置するとともに、従業員等に向け定期的に個人情報保護に関する研修の実施、暗号化等の情報セキュリティシステムの導入、各種規程の制定等を行っています。
しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループに対する信用が失われ、その結果、売上高の減少等により当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、個人情報保護方針、個人情報保護規程を制定し、個人情報の取り扱いに関するリスク低減に取り組んでいます。また、システム事業を行う株式会社ミノスは、プライバシーマーク認定事業所であるほか、同社では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格である「ISO/IEC27001:2022・JISQ27001:2023」を取得し、リスク低減に取り組んでいます。
当社グループは、石油卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備等のエネルギー事業の設備、抗菌事業の製造設備、自転車事業の倉庫や店舗(在庫を含む)、シェアサイクル事業の自転車やステーション設備等の資産を所有しています。これらの設備が大規模な台風、地震、津波、洪水等の自然災害等により被災した場合、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、充填施設等、事業継続のため中核施設には非常用電源を設置し、自然災害等の被災に備えています。また、建物は免震、耐震、制震構造とすることにより自然災害に関するリスク低減に取り組んでいます。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは、2027年度の創業100周年に向けて、第三次中期経営計画に基づき「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」というビジョン達成に向けて、経営基盤の強化を加速させ、成長戦略を推し進めています。2024年12月27日の適時開示にてお知らせしましたとおり、収益性及び資本効率改善の観点から事業ポートフォリオを再精査し、当社グループにおける主力事業の統合並びに事業再編に向けて、新たな経営体制のもと、グループ一丸となって取り組んでいます。
当連結会計年度におけるエネルギー市場環境としましては、当社グループ主力事業に関わる石油類・LPガスの仕入価格に影響を及ぼす原油価格・プロパンCPについては、原油価格は中国の景気低迷による需要減少、米国政策、OPECプラスの増産観測等が重しとなり軟調展開が続いた一方、プロパンCPについては東南アジア地域における国内需要の増加等を背景に底堅く推移しました。
このような市場環境の中、当連結会計年度の業績については次のとおりとなりました。
売上面は、電力の販売数量減少等により3,171億18百万円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。
損益面は、主に電力事業において、市場連動型プランへの移行と管理体制の見直しが寄与し黒字回復したこと等により、営業利益40億9百万円(前連結会計年度は営業損失7億11百万円)、経常利益44億83百万円(前連結会計年度は経常利益93百万円)となりました。また、固定資産の減損損失及び子会社株式売却損の計上等の影響により、親会社株主に帰属する当期純利益については31億53百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失10億39百万円)となりました。
セグメント毎の取り組み状況は次のとおりです。
売上面は、電力事業の販売数量が減少した一方で、プロパンCPが前年と比べ高止まりであったこと等の影響により、主力のLPガス・灯油販売における販売単価が高値で推移したため、増収となりました。
損益面は、運送費や人件費等が増加した一方、主に前期における電力事業の売上総利益悪化が改善した影響等により、増益となりました。
引き続き、従来のエネルギー事業の拡大に加え、物資拡販による顧客基盤の拡充と、2026年4月を予定している主力事業の統合を見据えた国内事業基盤の再整備を通じて、収益力の向上を図っていきます。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高は753億35百万円(前連結会計年度比0.4%増)、営業利益は10億19百万円(前連結会計年度比23.3%増)となりました。
売上面は、電力事業における市場連動型プランへの移行に伴う販売数量減少の影響等により、減収となりました。
損益面は、前述した市場連動型プランへの移行及び管理体制の見直しによる電力事業の売上総利益悪化が改善した影響等により、増益となりました。
引き続き、石油・電力事業等の安定収益化と、システム導入による業務最適化や物流効率化を進め、持続的な成長を目指します。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高は2,204億27百万円(前連結会計年度比12.7%減)、営業利益は20億71百万円(前連結会計年度は営業損失25億69百万円)となりました。
非エネルギー事業全体としては、主にシェアサイクル事業と建物維持管理事業の好調が増収に貢献した一方、販管費の増加等が影響し減益となりました。
事業別の状況は、次のとおりです。
自転車事業(シナネンサイクル株式会社)は、プライベートブランド製品の販売が貢献した一方、雨天や猛暑といった天候要因が影響し、減収減益となりました。
シェアサイクル事業(シナネンモビリティPLUS株式会社)は、シェアサイクルサービス「ダイチャリ」の拠点開発を推進しています。2025年3月末現在、ステーション数4,000カ所超、設置自転車数14,300台を超える規模に拡大し、増収となった一方、バッテリー交換に伴う販管費の増加等が影響し、減益となりました。引き続き、メンテナンス体制の整備を推進し、自治体に寄り添ったサービスの提供に向けた取り組みを進めていきます。
環境・リサイクル事業(シナネンエコワーク株式会社)は、新設住宅着工戸数の伸び悩みによる建設系廃木材の搬入量減少や製品運送費用の増加等により、減収減益となりました。
抗菌事業(株式会社シナネンゼオミック)は、北米向け製品の売上が堅調だったものの、原材料の価格高騰等の影響により、増収減益となりました。
システム事業(株式会社ミノス)は、主力のLPガス基幹業務システムが安定的に貢献した一方、人件費や固定費等の販管費が増加した影響等により、増収減益となりました。引き続き、次世代システム等新たな開発を進めていくとともに、業界大手を中心に営業活動を推進していきます。
建物維持管理事業(シナネンアクシア株式会社)は、集合住宅の建物メンテナンス業務のエリア拡大が好調に推移したことに加え、斎場・病院など施設運営業務が好調に推移した結果、増収増益となりました。なお、第三次中期経営計画で示した「業務エリアのさらなる拡大」に向けて、新たな拠点開発を進めるとともに、大型物件の新規受注等「安定収益の確保」に向けた取り組みを進めていきます。
以上の結果、当連結会計年度における非エネルギー事業の売上高は211億45百万円(前連結会計年度比3.2%増)、営業利益は6億77百万円(前連結会計年度比24.2%減)となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、117億5百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、105億31百万円(前連結会計年度は9億45百万円の支出)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益35億25百万円、減価償却費29億96百万円、売上債権の減少2億23百万円及び仕入債務の増加19億円等によるものです。
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、27億62百万円(前連結会計年度は16億67百万円の支出)となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入3億89百万円及び固定資産の取得による支出22億71百万円等によるものです。
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、75億94百万円(前連結会計年度は42億75百万円の収入)となりました。この主な要因は、短期借入金の減少額59億15百万円、長期借入金の返済による支出6億1百万円及び配当金の支払額8億15百万円等によるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
a.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
b.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しています。
c.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用し、利払いは同計算書の利息の支払額を使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの合計額を対象としています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。
当社は、資本効率を重視した企業価値経営への転換を進めており、長期的な株主価値の向上を重要な経営課題と位置付けています。この方針のもと、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を総合的に検討する際には、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標とし、第三次中期経営計画においてもROE8%以上を財務目標として掲げています。
ROEを向上させるためには、適正な資本規模の維持と、各事業における収益性および安定性の向上という両輪の取り組みが不可欠であると認識しています。当社グループは、財務の健全性を維持しつつ、株主還元と成長投資の最適なバランスを図ることで、株主資本コストを上回るROEを持続的に実現できる事業ポートフォリオへの転換を進めていきます。
なお2025年3月期からは、グループ各社を対象に資産効率の改善を目的としたROA(総資産利益率)改善施策を開始しています。ROEはROAに財務レバレッジを乗じた指標であるため、ROAの改善はROEの向上にも直結します。今後も、収益力の強化と資産効率の改善を両立させることで、企業価値のさらなる向上に取り組んでいきます。
また、第三次中期経営計画においては、引き続き収益性の高い事業への積極的な投資を推進する方針です。特に、「国内事業基盤の再整備」および「リテールサービス戦略の強化」に資する事業・案件への選択的な投資を通じて、持続的な成長と企業価値の最大化を目指していきます。
当連結会計年度末における流動資産の残高は628億62百万円となり、前連結会計年度末と比較して25億47百万円減少しました。
減少した主な要因は、売上債権の減少等があったためです。
当連結会計年度末における固定資産の残高は430億72百万円となり、前連結会計年度末と比較して2百万円増加しました。
増加した主な要因は、固定資産の減価償却による減少があった一方で、繰延税金資産の増加等があったためです。
当連結会計年度末における流動負債の残高は432億48百万円となり、前連結会計年度末と比較して34億74百万円減少しました。
減少した主な要因は、短期借入金の減少等があったためです。
当連結会計年度末における固定負債の残高は74億55百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億85百万円減少しました。
減少した主な要因は、長期借入金及び繰延税金負債の減少等があったためです。
当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益31億53百万円及び利益剰余金の配当による減少8億15百万円等により552億30百万円となり、前連結会計年度末と比較して19億15百万円の増加となりました。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して3.0ポイント増加し、52.1%となりました。
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高3,171億18百万円(前連結会計年度比8.9%減)、営業利益40億9百万円(前連結会計年度は営業損失7億11百万円)、経常利益44億83百万円(前連結会計年度は経常利益93百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益31億53百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失10億39百万円)となりました。
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の売上高及びその増減は以下のとおりです。
セグメント別の売上高の分析は、① 財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。
なお、その他・調整額の売上高は、当社が管理している不動産賃貸収入に係る売上であり、2億10百万円(前連結会計年度比8.2%減)となりました。
当連結会計年度の売上総利益は391億77百万円(前連結会計年度比21.0%増)となりました。これは主に、電力事業における市場連動型プランへの移行に伴う差益の改善等が影響したことによります。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は351億68百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。これは主に、人件費やIT関連投資及び資本政策等に係る支払手数料等が増加したことによります。
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の営業利益又は営業損失(△)及びその増減は以下のとおりです。
セグメント別の営業利益の分析は、① 財政状態及び経営成績の状況に記載の通りです。
なお、その他・調整額の営業利益は、当社が管理している不動産賃貸収入に係る売上に加えて、セグメント間消去取引、各報告セグメントに配分されていない全社費用が含まれており、2億40百万円(前連結会計年度比77.0%増)となりました。これは主に、人件費やIT関連投資及び資本政策等に係る支払手数料が増加したこと等によります。
当連結会計年度の営業外収益は8億81百万円(前連結会計年度比16.7%減)となりました。これは主に、為替差益と受取保険金の減少によります。
また、当連結会計年度の営業外費用は4億7百万円(前連結会計年度比61.1%増)となりました。これは主に、為替差損の増加と本社移転費用の発生によります。
上記の結果、当連結会計年度の経常利益は44億83百万円(前連結会計年度は経常利益93百万円)となりました。
当連結会計年度の特別利益は、29百万円(前連結会計年度比87.0%減)となりました。これは主に、投資有価証券売却益の減少によります。
また、当連結会計年度の特別損失は9億87百万円(前連結会計年度比153.3%増)となりました。これは主に、子会社株式売却損の発生によります。
上記の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は35億25百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失70百万円)となりました。
当連結会計年度の法人税等は3億70百万円で、前連結会計年度の9億61百万円から5億91百万円減少となりました。その要因は、業績回復による繰越欠損金の回収可能性の見直しにより法人税等調整額を計上したこと等によります。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は31億53百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失10億39百万円)となりました。
キャッシュ・フローの状況・分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
当社グループでは、今後、第三次中期経営計画に掲げる「脱炭素社会に対応した事業構造への転換」のため、再生可能エネルギーや廃棄物再資源化等の新規事業開発、M&Aや営業権の買収のための投資など、継続的な資金需要が見込まれています。それらを実行するための資金調達にあたりましては、社債の発行、新たな借入金、自己株式の活用等の状況に応じて多様な資金調達ができるよう体制を整えています。
当社グループは現在、運転資金については、当社及び一部を除く連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っています。借入による資金調達に関しては、一時的な不足資金は、金融機関からの短期借入を行っています。また長期的な資金の需要に対しては必要に応じて金融機関からの長期借入等を行っています。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益が変動する可能性があります。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収の可能性を勘案し回収不能見込額を計上しています。
取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約等はありません。
当社グループの当連結会計年度における研究開発費は
非エネルギー事業の株式会社シナネンゼオミックは、抗菌、抗ウイルス、消臭及び吸着の各技術に関する研究開発を行っています。
銀系抗菌剤事業においては、国内及び海外の抗菌、消臭営業案件の技術支援に注力しました。また、既存抗菌、消臭剤の低コスト化に向けた代替剤の開発を進めています。
フォーミュレーター事業においては、Nordic BioTech Group Ltd.の天然抗菌剤「NordShield®」の加工条件最適化により、有名アパレルブランドへの採用が決まりました。引き続き、さらなる拡販に向けた技術支援に注力していきます。
吸着剤事業においては、水銀吸着機能付き鉛吸着剤の基礎開発を完了し、今後は量産体制の確立と拡販に向けての技術支援を進めます。
世界的な化学物質規制の厳格化が進んでいるため、引き続き規制に対応した抗菌剤、消臭剤、吸着剤の開発を進め、製品ポートフォリオ拡大へ取り組みます。