第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「一芸を極めて世界に挑戦」の企業理念のもと、圧力計測・制御分野でのリーディングカンパニーとして、「安全・安心・信頼」をお届けすることを使命とした製品の提供を通じて、社会貢献を継続することをグループ全体の基本方針としております。

経営目標の達成に向けて、日本及び米国を主要拠点としたグローバルな展開を行ってまいります。

 

(2)当社グループをとりまく経営環境

当社グループの業績は、主に設備関連の投資動向に影響を受ける可能性があると想定しております。また、エネルギー価格・物流・資材、光熱費・原材料価格の高騰に加え、米国の関税政策も不安材料として業績に影響を及ぼす懸念があります。

2023年度まで好調であった半導体業界の動向については、当社グループ製品においても現在在庫調整局面となっており、本格的な回復は2026年以降を見込んでおります。

このような状況下ではありますが、当社グループの中核をなす圧力計事業、圧力センサ事業における製品群は、多岐にわたる業種において生産設備をはじめ生産活動に欠かせない重要な役割を果たしています。

「FA・建設機械・半導体製造装置・社会インフラ」等、様々な業界で圧力計測のニーズが拡大しており、需要はさらに増加すると見込んでおります。

これらのニーズに対応するため、これまで培ってきた計測技術を活かし、デジタル化に対応した新製品開発は勿論、最新の生産設備導入にも注力してまいります。

 

(3)第2次中期経営計画(対象期間:2023年度~2025年度)

当社グループは、2023年4月よりスタートした第2次中期経営計画において、『モノづくりのあくなき探求心を礎に強靭な経営基盤を構築し、社会的課題への貢献と企業価値向上に取り組む』をスローガンに、対象となる3事業年度を、2030年度の指標となる成長フェーズに繋げる重要な3ヵ年と位置付けております。

2025年3月期は、第2次中期経営計画の2年次でありましたが、売上高、営業利益ともに前年度実績を上回ったものの、中期経営計画に対しては未達となりました。

最終年度となる2025年度は、中期経営計画当初に掲げた売上高753億円、営業利益率12.9%、株主資本利益率(ROE)10%確保を設定するも、製造業における設備投資の抑制傾向が続いていることを受け、今期(2025年度)の連結売上高の見通しを671億円といたしました。

第2次中期経営計画に掲げる基本施策である既存事業の競争力強化グローバル戦略の強化新たな事業領域の拡大経営基盤の強化の4つの成長戦略に沿った具体的取組を実行し、今期の計画達成にとどまらず、次期の中期経営計画に向けた持続的成長を目指してまいります。

 

 

 

優先的に対処すべき事業上及び財務上課題

《成長戦略1 既存事業の競争力強化》

既存事業の強化と再構築により事業効率の向上を図ります。

① 製品の事業採算性向上

a.不採算製品に対する価格改定とコスト低減による収益改善

b.機種統廃合による部品・構造の共通化と製品体系の再構築

c.今後の事業拡大を見据えた生産能力の増強

② 顧客要望に対する迅速な製品開発

a.技術部門の新組織体制による開発力強化

b.成長分野における商品開発

・水素・アンモニアビジネスに注力した脱炭素化事業の拡大

・半導体用途市場に対する製品拡充

c.ICT・デジタル技術を活用した高付加価値サービスの構築

《成長戦略2 グローバル戦略の強化》

グローバル市場で圧力センサのAshcroftブランドを確立し、地産地消を推進します。

① メキシコのケレタロ工場で北米市場を主体に生産拡大・機種拡充へ

② 中国工場でメキシコ同様の製造ラインによる生産拡大・機種拡充へ

③ 欧州の製造拠点をドイツに集約し、生産効率改善と現地生産を進める。

《成長戦略3 新たな事業領域の拡大》

独創技術による製品開発で事業領域を拡大します。

① 光学式圧力センサの特性(極微圧から超高圧、極低温から超高温)を活かし、極限環境下における用途開発

   と品揃えの拡充

② 高精度圧力計測・制御開発

 高精度圧力校正機器の開発・補完により、計測制御機器セグメントを強化

《成長戦略4 経営基盤の強化》

サステナビリティ・ESG経営を推進します。

環境・社会・ガバナンスの社会課題に取組み、環境への配慮、社会の充実、グループ企業統治を強化し、企業価値の向上を図ります。

① GHG削減活動の推進

② 環境負荷低減製品の開発・供給推進

③ 廃棄物・有害物質抑制製品の開発・供給

④ 女性・中核人材等における多様性の確保

⑤ 人材育成と社内環境整備への取組

⑥ サプライチェーンマネジメント・腐敗防止の構築

⑦ グループガバナンス強化への取組

⑧ DXの推進とサイバー・データセキュリティの強化

⑨ サステナビリティへの取組と開示

 

(4)生産能力増強設備

今後の事業拡大を見据えた設備増強として、2024年度には、空圧機器業界向け小型圧力計の新製造ライン及び半導体業界向け圧力センサの増産ラインを新たに稼働させ、生産能力の向上とさらなる生産効率の改善を実現いたしました。

現在、当社の丸子電子機器工場においては、圧力センサ素子の加工及び研磨工程における生産能力を強化するための工場増設を進めております。この工場増設により圧力センサ素子の製造工程を集約し、より効率的な生産体制を構築することを目指しており、2025年9月の稼働開始を予定しております。

また、圧力計事業及び圧力センサ事業においては、水素を含む新エネルギー分野、医療関連分野、さらには半導体技術の進化に伴う市場拡大が見込まれております。これらのニーズに応えるため、さらなる生産設備の導入や新工場の建設を視野に入れ、より高い生産性と品質を実現するとともに、お客様からの信頼を得られる企業として、企業価値の向上に努めてまいります。

今後も積極的な設備投資を通じ、持続的な成長を追求し、業界内での競争力を一層高めてまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、「社是」及び「一芸を極めて世界に挑戦」の企業理念のもと、環境、社会、ガバナンスの社会課題に取り組み環境への配慮、社会の充実、グループ企業統治等を強化し、中長期的な企業価値の向上を図っております。

 当社グループは、2023年5月12日公表いたしました第2次中期経営計画の3ヵ年を、「モノづくりのあくなき探求心を礎に強靭な経営基盤を構築し、社会的課題への貢献と企業価値向上に取り組む」をスローガンに2030年度の指標となる成長フェーズに繋げる重要な期間と位置付け、事業活動を通じてグループの中長期的な企業価値向上と経営の根幹を支える経営基盤を強固なものにするため、このサステナビリティ・ESG経営を推進してまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社は、サステナビリティ基本方針に基づく重要課題の取組内容、重要目標(KPI)等に関する承認・決定、進捗管理・見直し審議、取締役会への報告を行うサステナビリティ委員会を設置しております。

 サステナビリティ委員会の位置付けは、第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要をご参照ください。

 当社グループは、リスクマネジメント委員会において、「気候変動」を事業リスクとして位置付けております。

さらに、気候変動に関連する項目は、サステナビリティ委員会およびその下位組織である環境管理委員会でTCFDまたはそれと同等の枠組みに沿った分析・評価を実施し、リスクマネジメント委員会と連携し、取組を推進してまいります。

当社の取締役会は、サステナビリティ委員会で審議を経たサステナビリティ活動計画の実施状況の報告を受け監督する体制となっております。

 

(2)戦略

①サステナビリティ基本方針

第2次中期経営計画の根幹をなすサステナビリティ・ESG経営を実現するために、この基本的な考え方であるサステナビリティ基本方針を新たに策定し、2023年2月の取締役会で決議いたしました。このサステナビリティ基本方針をもとに、経営資本を効率的に投下するため、サステナビリティに関する重要課題を選定し、その主要施策を策定し取組んでまいります。

サステナビリティに関する重要課題及び主要施策は以下のとおりです。

投下する資本

重要課題

主要施策

財務資本

環境(E)

環境と調和する

事業活動

・GHG削減活動の推進

・環境負荷低減製品の開発・供給(GX)推進

・廃棄物・有害物質抑制製品の開発・供給

製造資本

社会(S)

人間尊重と多様性

・女性・中核人材等における多様性の確保

社会・関係資本

活力ある職場環境

・人材育成と社内環境整備への取組

知的資本

社会との融合・

地域発展の貢献

・サプライチェーンマネジメント・腐敗防止の構築

人的資本

ガバナンス(G)

透明・健全・公正な企業活動

・グループガバナンス強化への取組

・サステナビリティへの取組と開示

・DX化の推進とサイバー・データセキュリティの強化

自然資本

 

②女性・中核人材等における多様性の確保

 ア.基本的な考え方

当社グループは、女性の活躍促進を含む社内の多様性(ダイバシティ)の確保が、会社の持続的な成長・発展の為に不可欠であると認識しております。また、長野計器グループ企業行動憲章の「人間尊重」において、あらゆる企業活動において、社員の多様性、人格、個性を尊重すると宣言しており、多様性尊重の方針を明確にしています。

 

 

当社は多様性の確保に関し、女性の管理監督者の積極的登用を目標に、以下の施策へ継続的に取組んでいます。

・男女ともに仕事と家庭とを両立できる職場風土づくり

・性別ではなく業務適性を最重要視した人員配置の推進

・非正規社員から正社員への社員登用転換制度の積極的運用

併せて、多様な視点や価値観創造のため、他社からの中途採用も積極的に取組んでまいります。

 イ.人材の育成に関する方針

・経営戦略に照らし合わせた人事制度の改正によるマネジメントの強化含めた人材育成

・研修体系や人事配置における社員の自主性を考慮した体系の構築

・人材公募制度を積極的に活用した意欲ある社員の自律的なキャリア形成の促進

ウ.社内環境整備に関する方針

・ワーク・ライフ・バランスの実現で働く人の人生をより豊かにし、生産性の向上を図るために、システム導入による長時間労働の是正を図る。

・テレワークの推進はじめ柔軟な働き方ができる環境を整備するとともに、社員の意見や要望を反映した制度や社内規程の見直しを進める。

・2022年度認定された「健康経営優良法人」における取組施策をベースに、働きやすく活力ある職場環境を整備していく。

③ガバナンス

ガバナンスに関する基本的な考え方は、第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方をご参照ください。

(3)リスク管理

当社グループは、サステナビリティに関連するリスクについて、リスクマネジメント委員会で全社的なリスク管理を行うにあたり、リスクの発生可能性と影響度を勘案したうえでリスクの評価を行い、当委員会に報告しております。

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、主な気候変動に関連するリスクの内容と対策は、第2 事業の状況 3.事業等のリスクをご参照ください。このうち、サステナビリティに関連するリスクと機会を識別し、重要課題と関連させたリスク要因と機会を評価し、かつその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと想定される事項は以下のとおりです。

① 気候変動に関するリスク

重要課題

内容

対応策

環境と調和

する事業活動

リスク

法政策・

法規制

・炭素税導入による生産費用の増加

・再エネ政策規制強化・再エネ使用による生産費用増加

・炭素税動向情報の取集

・GHG排出削減活動の推進

 

市場

環境負荷低減製品の需要拡大による生産遅延・需要不透明

・市場動向戦略の策定

・製造費用の価格転嫁

技術

環境負荷低減製品の技術開発の遅れ

・環境負荷低減製品の技術開発の推進

評判

環境への取組開示の不足

・Web情報開示の充実

物理的

・異常気象による停電・断水・設備破壊・生産停止

・BCPの準備不足

・代替発電の検討・設備更新・製造資源の確保

・BCP全体計画の策定

機会

資源効率

・設備更新・維持、新規導入

・GHG排出量の削減

・高性能設備の導入

・GHG排出削減活動の強化

エネルギー源

再生エネルギー導入検討

・太陽光発電等の検討

市場

低炭素製品における需要拡大

・水素・アンモニア向製品の

需要調査

製品・サービス

・低炭素製品への資源集中

・不採算製品からの撤退

・水素・アンモニア向製品の

開発

・部材の見直し

レジリエンス

・BCP全体計画による被害軽減

・IoT技術導入・ネットワーク補強

 

・生産活動の効率化

・BCP全体計画の策定

・リモート勤務、遠隔操作の

検討

・自動生産設備の導入

 

 

② 人材の確保及び育成に関するリスク

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、人材の確保及び育成に関連する主なリスクの内容と対策は、第2 事業の状況 3.事業等のリスクをご参照ください。このうち、サステナビリティに関連する主なリスクと機会を識別し、重要課題と関連させ、かつその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと想定される事項は以下のとおりです。

重要課題

内容

対応策

人間尊重と

多様性

リスク

・採用難、熟練した経験を有する社員の退職による人材確保の困難

・各種媒体・ルートによる積極的採用の推進

機会

・各分野における人員確保により生産性向上、質の高い人材への採用

リスク

・技能が継承されず生産性の低下

・部内異動(ローテーション)の促進

機会

・新しい発想・発明または技能継承による重点分野への製品開発の促進

活力ある職場環境

リスク

・技能継承・スキル向上への研修の遅滞、社員のスキル低下、モチベーションの低下

・社内育成方針・社内環境整備方針による取組実施

・社内研修制度の充実検討

・社内人事制度の見直しの推進

機会

・社員間における競争力強化、キャリアアップの加速化

リスク

・技術力の低下における製品開発の遅滞、停滞

・管理職・監督職の育成

・スキル・経験の充実を目的とした制度の検討

機会

・優位性のある製品開発、新製品及び高付加価値製品の開発促進

リスク

・語学力のある社員減少によるグローバルコミュニケーションの停滞・遅延

・継続的及び系統的な英語教育の実施

・海外地域間派遣・育成制度の検討

機会

・グローバル人材の採用による海外グループ会社とのシナジー効果促進

リスク

・健康管理体制の整備遅延、取組の遅滞による社員の心身へのストレス増大に伴う退職、休職、生産性への悪影響、労働災害の増加

・健康経営優良法人における健康経営に関する取組の推進

・サステナビリティ委員会下位組織の安全衛生委員会活動の推進

機会

・ワークライフバランス、生産性及びモチベーションの向上

リスク

・賃金体系の不備、見直しの遅延による社員モチベーション低下

・社内人事制度の見直しの推進

・新規賃金体系制度の整備検討

機会

・帰属意識の定着による業務改善、生産性の向上

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、第2次中期経営計画(2023年度~2025年度)において、GHG削減活動の推進及び女性、中核人材等における多様性の確保において、測定可能な目標を策定いたしました。その測定可能な目標においては以下のとおりです。

①GHG削減活動の推進

2030年度においてはGHG排出量を2013年度比50%の削減目標とし、その中間目標として2025年度に30%削減する(Scope1・Scope2当社単体)。

②女性、中核人材等における多様性の確保

2025年度において女性の監督職を監督職総数の20%以上とすることを目標にする。

 

 

3【事業等のリスク】

当社グループでは全社的なリスクの発生及び損失の最小化を図るために、「リスクマネジメント基本規程」を制定し、リスクマネジメント委員会を設置しております。(第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要に記載されている図表をご参照ください)

リスクマネジメント委員会は当連結会計年度において2回開催し、全社的なリスク管理を行うにあたっては、リスクの発生可能性と影響度を勘案したうえでリスクの評価を行っております。リスクは、地政学リスク、気候変動リスク、戦略リスク、財務リスク、ハザードリスク及びオペレーショナルリスクに分類し、分類したリスクのうち3年以内に発生する可能性が高く、かつ影響度が大きいものについて、優先度を高めて対策を実施し、リスクの予防または軽減に努めます。また、リスクが顕在化し、危機・非常事態が発生した場合は、「危機・非常事態管理規程」に基づき、迅速・的確な初期対応により、事態の拡大防止と早期の収束に努めます。

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項は以下のとおりです。

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

<事業等のリスク>

 

リスクの分類

リスク内容

 (1)

地政学リスク

国内外の政治社会・経済危機・金融・資本市場の混乱

 (2)

気候変動リスク

気候変動に関するリスク

(3)

 

 

 

戦略リスク

 

 

 

市場環境の変動

(4)

競争力

(5)

国際的活動及び海外進出

(6)

多額の設備投資

(7)

仕入先への生産依存

(8)

投資等に係るリスク

(9)

人材の確保及び育成

(10)

新製品開発力

(11)

財務リスク

有価証券投資

(12)

為替レート・金利の変動

(13)

ハザードリスク

災害や停電等の影響

(14)

情報セキュリティに関するリスク

(15)

オペレーショナルリスク

ステークホルダーの信頼及び企業価値に関するリスク

(16)

コンプライアンス・内部統制に関するリスク

(17)

環境保全に関するリスク

(18)

製品の欠陥

(19)

設備の更新

 

 

(地政学リスク)

(1)国内外の政治社会・経済危機・金融・資本市場の混乱

リスク内容

 地政学リスクの顕在化により、社会経済活動や金融・資本市場に混乱が生じ、当社グループの事業活動及び保有資産の価値に影響が生じる可能性があります。また、リーマンショック級の金融危機が発生した場合、同様にグループの事業活動及び保有資産の価値に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループでは、顧客需要に可能な限り応えることができるよう、情勢を勘案のうえ社会経済活動、金融・資本市場の混乱回避につとめ、併せて代替生産並びに販路の構築など、可能な範囲で具体的な対応を図っております。

 

(気候変動リスク)

(2)気候変動に関するリスク

リスク内容

 当社グループは、地球温暖化や異常気象による洪水など、大規模な自然災害の発生により人的・財産的被害が甚大化し、経営成績及び財務状況に重大な影響が生じる可能性があります。また、地球温暖化の主要因である炭素を主成分とするGHG(温室効果ガス)を排出することにより、地球温暖化を加速させることも、同様に経営成績及び財務状況に重大な影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、地球温暖化を緩和し、GHG排出量削減への取組みを促進することに加え、当社グループの強みである圧力計測技術と製造技術を最大限発揮した環境負荷低減製品の推進により、低炭素社会の実現に向け、環境保全を重視した事業活動に取組んでおります。また、TCFD提言による開示枠組みに沿った気候変動に関する企業情報の開示検討も併せて進めております。

 

(戦略リスク)

(3) 市場環境の変動

リスク内容

 当社グループは、エネルギー価格の上昇、物流・資材・原材料費の高騰並びに設備関連の投資動向などに影響を受ける可能性があります。また、国内外の経済環境や、取引先及び仕入先の経営環境の変動並びに主要部材の特殊性による入手遅延や入手困難等による納期遅延の発生、素材価格の上昇を販売価格へ転嫁できないなどの場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、国内外の経済環境や取引先の経営環境の変動による製品需要の変動に対応するよう改善を進めております。また、生産計画を達成するため、生産能力の拡大及び人員増強などにより、製品需要への対応に向けた取組みを推進しております。

 当社グループは、主要部材等を複数の仕入先から購入する等、適時適量に調達を可能とする生産体制の構築を進めております。仕入先が限定され、または、切替えが困難な主要部材は、購買力及びサプライチェーンの見直し・拡充などにより、納期遅延が発生することのないよう取組みを推進しております。

 

(4) 競争力

リスク内容

 当社グループの市場における価格競争は、大変厳しいものとなっております。特に国内市場においては、海外メーカーとの競争が激化しております。

 当社グループは、技術的優位性を基盤に高品質、高性能な製品を市場に送り出しておりますが、製造原価の増加等により価格面で有効な対応ができない場合、市場を失うことになり、業績に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、製品の事業採算性向上をテーマに掲げ、設計変更や機種統廃合による部品・構造の共通化によるコストダウンに取組んでおります。また、広範な計測領域または温度範囲を計測できる製品開発と製品力強化にも取組んでおります。

 

 

(5) 国際的活動及び海外進出

リスク内容

 当社グループは、海外拠点を北米、アジア、欧州等に展開しており、海外売上高はグループ全体の約5割を占めております。拠点国の政情不安、内乱、テロ、戦争、経済政策変更、情勢の急変などが発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、政情等に関する動向を海外拠点の情報網に加え、国内においても積極的に入手し、情勢の急変等に適切に対応しております。また、このような情報収集を通じ、生産・販売拠点の状況を正確に把握し、地産地消により顧客の購買促進につながる製品の製造販売を進めております。

 

(6) 多額の設備投資

リスク内容

 当社グループは、工場や製造設備等への投資にあたり、投資効果を総合的に勘案し、計画的に実施しておりますが、設備等の導入に判断の誤りが生じ、多額の設備投資に対して製品需要が想定を大きく下回った場合、減価償却費、設備除却及び減損負担などにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、重要な投資にあたっては取締役会の承認決議を実施し、当該リスクの回避に努めております。また、新規の量産製品設備の導入等にあたっては、製品判定会議により投資の妥当性を審議しております。

生産能力の増強のための工場新設等の多額な投資を行う場合、製品の需要動向や建設市場の動向といった投資タイミングを見極めるとともに、GHG排出量削減等の環境関連設備なども併せて導入を検討しております。

 

(7) 仕入先への生産依存

リスク内容

 当社グループは、重要部品及び重要加工工程を当社グループ内で製造するよう努めるとともに、仕入先への委託生産体制を整備しております。

 しかし、一部には特定の仕入先に依存している重要部品及び重要加工工程が存在しており、これらについては必要に応じて戦略的な購買措置を講じておりますが、重要部品の不足及び重要加工工程の遅れが発生した場合、製品の供給遅延、品質管理に支障をきたす可能性があります。

対応策

 当社グループは、リスク回避のため重要部品及び重要加工工程の複数社購買等、より一層の戦略的な購買措置を進めております。また、高性能及び高品質な製品の中核となる重要部品については、自社開発し効率的な製造を行えるよう努めております。

 

 (8) 投資等に係るリスク

リスク内容

 当社グループは、単独または他社と共同で、新会社の設立や既存会社の買収を行ってまいりましたが、これらの事業投資は多額の資本を必要とし、投資先の業績が著しく悪化した場合や経営方針の転換が行われた場合、当社グループが希望するタイミングや方法により撤退できない、あるいは追加資金の拠出を余儀なくされる可能性があります。

当社グループは、事業投資に係るリスク防止のため、事業投資の検討に際し、リスクに見合う利益創出が得られるかなどの検証を行っておりますが、これら投資先の価値が低下した場合、あるいは追加資金拠出が必要な場合、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、投資先企業に対するガバナンス強化を図るとともに、リスク回避のため、投資先企業とのアライアンス関係の定期的な見直しを進めております。

 当社グループは、中長期的な企業価値の増大またはグローバルシェアの拡大を進めるアライアンス戦略及びその達成に向けた施策を慎重に検討し、投下した資本に見合う利益創出が得られるよう努めております。

 

 

(9) 人材の確保及び育成

リスク内容

 当社グループは、製品開発及び製造における保有技術の継承が必要不可欠なものとなっております。そのための人材確保と既存人材の育成は、企業の維持と成長に必須ですが、人材の確保及び育成が円滑に進まず、従業員の高齢化等に伴い保有技術を継承できない場合、当社グループの成長と業績に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、技術と技能の継承を見据えて、新卒・中途を問わず計画的かつ積極的な通年採用活動を行っております。

当社グループは、人材育成方針及び社内環境整備方針を策定し、研修制度などを通じた従業員育成プログラムの充実と、ワークライフバランスの取れた活力ある職場環境の充実に努めております。また、公平で透明性の高い人事制度の導入により、企業としての魅力向上により人材の確保を進めております。

 

(10) 新製品開発力

リスク内容

 当社グループは、技術的な進歩や製品供給市場の将来的・潜在的なニーズ、顧客の需要変化などを充分に分析・予測できず、魅力ある新製品の開発等ができない場合、将来において成長と収益力が低下し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、顧客視点の高付加価値商品開発をテーマに掲げ、営業・技術・製造の横断的な部門間連携の強化により、顧客ニーズに的確に応える技術開発に取組んでおります。

 

(財務リスク)

(11) 有価証券投資

リスク内容

 当社グループは、技術や取引上の連携強化などを目的に、株式の相互保有としての有価証券投資を行っております。有価証券市場の動向により、当社グループの業績と財務状況に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、有価証券の保有状況を定期的に取締役会に報告し、有価証券の保有及び処分の適否を検討しております。

 当社グループは、中長期的な企業価値向上に貢献しないと判断した有価証券は縮減していく方針です。

 

(12) 為替レート・金利の変動

リスク内容

 当社グループは、外貨建で行っている販売及び仕入に関して外国為替レートの変動により、資産及び負債の円換算額に影響が生じる可能性や、為替差損が生じる可能性があります。また、海外子会社等の外貨建財務諸表の円換算による金額変動により、連結財務諸表に影響が生じる可能性があります。

当社グループは、金利の変動により支払利息、受取利息あるいは資産及び負債の価値に影響が生じる可能性があります。この結果、当社グループの業績と財務状況に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、全体として外国通貨に対する円高は利益が減少し、円安は利益が増加する傾向にあります。

当社グループは、為替リスクや金利変動リスクを回避するためのリスクヘッジや、資金調達コストの軽減を図るよう努めております。

 

 

(ハザードリスク)

(13) 災害や停電等の影響

リスク内容

 当社グループは、大規模な地震、風水害等の自然災害や停電、火災等の発生により、原材料や部品の調達、生産活動、製品販売などに遅延や停滞が生じ、それが長期間にわたる場合は、当社グループの業績と財務状況に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、非常時においても当社製品の根幹となる受圧部の生産設備の保護に重点をおいて対策を講じる方針です。また、災害や停電等が起きた場合、早急な復旧を行うことができるよう社内規程等に従い、被災のないグループ会社または同事業者等に生産を委託することを進めております。

 

(14) 情報セキュリティに関するリスク

リスク内容

 当社グループは、悪意をもった第三者によるサイバー攻撃や情報セキュリティ事故、犯罪行為等により、システムが停止する等の事象が生じる可能性があります。

 情報セキュリティ事故が生じた場合、当社グループの営業活動及び生産活動等が停止することや、情報セキュリティに関する当社グループの信用が損なわれる可能性があります。

対応策

 当社グループは、情報セキュリティシステムの導入や情報セキュリティマネジメント体制(サイバーセキュリティガバナンス)の強化など、情報セキュリティ事故を未然に防ぐ対策をとっております。また、工場や生産ライン設備がIoT化されたことにより生じるリスクを想定し、対策を検討しております。

 

(オペレーショナルリスク)

(15) ステークホルダーの信頼及び企業価値に関するリスク

リスク内容

 当社グループは、経営者および従業員等の不適切な行動により、株主をはじめとするステークホルダーの信頼を損ない、当社グループとステークホルダーとの間に乖離が生じた場合、当社グループの企業価値、成長及び業績等に影響が生じる可能性があります。また、近年国際的にサプライチェーンにおける企業の社会的責任の要請が強く、各国の法規制の強化、特に人権関連の法制定や規制の発動は、当社グループの企業価値、成長及び業績に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、企業倫理の優先による健全な事業活動を基本とするグル―プ企業行動憲章を制定し、人権リスク管理やコンプライアンス推進体制の運用の徹底に努めております。また、2021年11月に発覚した当社元従業員による不正行為に対する再発防止策のとおり、経営者と従業員のコンプライアンス意識の強化等の諸施策を、全社を挙げて取組んでおります。

 当社グループは、経営の透明性向上を図るため、財務情報に加え非財務情報の開示を進めております。

 

(16) コンプライアンス・内部統制に関するリスク

リスク内容

 当社グループは、法令等の遵守に努めておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に回避できない可能性があります。法令等に抵触する事象が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績及び財務状況等に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、企業倫理の優先による健全な事業活動を基本とするグル―プ企業行動憲章を制定し、上記(15)記載の内容に全社を挙げて取組んでおります。

 

 

(17) 環境保全に関するリスク

リスク内容

 当社グループは、有害物質(有毒ガスを含む)、廃棄物、水銀による土壌・地下水の汚染並びにRoHS2規制違反による汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等の適用を受けております。将来の環境関連法令及び規制等の遵守、環境改善取組みの追加的な義務、環境規制への適応が極めて困難な場合、及び不測の事態などによる環境に関連する費用の増加、環境規制違反による事業停止、環境規制の未対応による顧客喪失などの場合には、当社グループの業績及び財務状況等に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、製品生産販売の際に適用される種々の環境関連法令及び規制等を遵守する体制を厳格に運用しております。ISO14001マネジメントシステムによる設備点検、監視、測定を徹底し、該当する設備の更新または環境関連法令及び規制に適合した製品づくりを実施し、当該リスクの回避を進めております。

 

(18) 製品の欠陥

リスク内容

 当社グループは、世界的な品質管理基準(ISO9001、IATF16949、ISO13485)に従って、各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品に欠陥が無く、将来においてリコールまたは製造物賠償責任が生じる可能性を完全に回避することはできません。大規模なリコールや製造物賠償責任につながる製品の欠陥は、多額のコストが発生する可能性があり、また、当社グループの製品の信用に重大な影響を与えることにより需要低下が生じた場合、当社グループの業績と財務状況に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、仕入先及びグループ会社等に対し、品質向上のための技術的改善や、重要部品及び加工工程の品質指導などにより当該リスクの回避を進めております。

 製品の欠陥が生じた場合、直ちに生産工程の見直しを図り、製品及び重要部品の生産方法の変更並びに生産工程の強化を行い、最小限の損失に留めるよう努めております。

 

(19) 設備の更新

リスク内容

 当社グループは、高付加価値製品の開発及び製造に継続的に注力しておりますが、革新的技術の台頭、顧客要求の変化等により、開発設備が陳腐化する可能性があります。設備の更新が円滑に進まない場合、当社グループの競争力に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループは、設備の性能や稼働状況を検討しつつ、必要な設備更新に取組んでおります。また、中期経営計画や事業計画に沿った定期的な設備の更新を進めております。さらに、生産設備の停滞と停止に備え必要な予備部品の在庫保持にも努めております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、緩やかな回復基調で推移したものの、ウクライナ及び中東における情勢の軍事行動の長期化に加え、米国の関税政策による産業への下振れ懸念もあり、先行き不透明感の強い状況が続きました。

米国においては、利下げを実施したものの、依然として高金利、物価高等の影響により、設備投資需要の停滞が続いており、欧州においては、全体として経済活動は回復基調となりましたが、輸出の減少など製造業の不振が顕著であり、低調に推移いたしました。中国においては、内需の低迷により成長に減速がみられました。

わが国においては、設備投資が総じて堅調に推移し、緩やかな回復基調であるものの、半導体製造装置などの生産用機械業界や自動車業界に弱い動きがみられました。

当社グループの当連結会計年度の業績は、前期において好調であった半導体業界を中心とした設備投資需要が在庫調整局面にあり、国内における売上高は減少したものの、海外子会社の決算数値を外貨から換算する際に、決算期末時点(現地12月末)における換算レートが円安となったことによる円換算額の増加影響があり、前期に対して売上高が増加いたしました。

国内において、圧力計は、FA空圧機器業界向及び空調管材業界向の売上が減少したものの、産業機械業界向、プロセス業界向及び半導体業界向の売上が増加いたしました。圧力センサは、産業機械業界向、空調業界向、半導体業界向及び自動車搭載用の売上が減少いたしました。

米国子会社においては、圧力センサの売上が減少したものの、圧力計の売上は、主力の産業機械関連製品を中心に増加いたしました。

また、計測制御機器は、自動車・電子部品関連業界向のエアリークテスタの売上が減少したものの、舌圧計が増加いたしました。ダイカスト製品は、主な取引先としている自動車業界の減産影響がありながらも、売上は前期とほぼ同水準となりました。

これにより、売上高は695億44百万円(前期比2.4%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は76億53百万円(前期比7.0%増)となり、経常利益は、受取配当金の減少、持分法による投資利益の減少、為替差損の計上等がありましたが、75億75百万円(前期比2.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益及び事業分離による移転利益の計上、法人税、住民税及び事業税の計上等により、60億54百万円(前期比11.9%増)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

〔圧力計事業〕

圧力計事業では、国内においては、FA空圧機器業界向及び空調管材業界向の売上が減少したものの、プロセス業界において保守・メンテナンス需要が増加したことにより、売上が増加いたしました。また、半導体業界向の売上が増加いたしました。米国子会社においては、産業機械業界向の売上が増加し、さらに決算期末時点(現地12月末)の為替換算レートが円安となったことから、円換算後の売上高は増加いたしました。

この結果、圧力計事業の売上高は369億80百万円(前期比8.6%増)となり、営業利益は29億33百万円(前期比42.6%増)となりました。

 

〔圧力センサ事業〕

圧力センサ事業では、国内においては、プロセス業界向及び建設機械搭載用圧力センサの売上が増加したものの、産業機械業界向、空調業界向及び自動車搭載用圧力センサの売上が減少いたしました。また、前期において好調であった半導体業界向の売上が減少いたしました。米国子会社においては、産業機械業界向の売上が減少しました。一方で、圧力計と同様、決算期末時点(現地12月末)の為替換算レートが円安となり、円換算後の売上高は増加いたしました。

この結果、圧力センサ事業の売上高は213億66百万円(前期比5.7%減)となり、営業利益は43億30百万円(前期比3.6%減)となりました。

 

〔計測制御機器事業〕

計測制御機器事業では、生産自動化用の空気圧機器の売上が減少し、また、自動車・電子部品関連業界向のエアリークテスタの売上は、低調に推移いたしました。一方で、舌圧計の売上が増加いたしました。費用面においては、金属材料及び電力等の価格高騰による影響を受けました。

この結果、計測制御機器事業の売上高は40億43百万円(前期比0.3%増)となり、営業利益は2億99百万円(前期比13.4%減)となりました。

 

〔ダイカスト事業〕

ダイカスト事業では、自動車業界を主要取引先としているダイカスト製品の売上が、ほぼ前期並みとなりました。一方、費用面においては、金属材料及び電力料等の価格高騰による影響を受けました。

この結果、ダイカスト事業の売上高は52億57百万円(前期比0.8%増)となり、営業損失は52百万円(前期は94百万円の営業利益)となりました。

 

〔その他事業〕

その他事業では、自動車用電装品の売上が減少いたしました。

この結果、その他事業の売上高は18億96百万円(前期比2.9%減)となり、営業利益は1億36百万円(前期比13.1%減)となりました。

 

 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ20億37百万円増加し744億6百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却により現金及び預金が22億61百万円、海外子会社の工場移転により使用権資産が11億31百万円、建設仮勘定が6億55百万円、原材料及び貯蔵品が6億42百万円増加した一方、投資有価証券評価益減により投資有価証券が29億93百万円減少したことによるものです。

 

(負債)

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ20億35百万円減少し297億50百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が13億24百万円、長期借入金が8億86百万円減少したことによるものです。

 

(純資産)

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ40億73百万円増加し446億55百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加等により株主資本合計が51億69百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が17億99百万円減少したことによるものです。

 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末から3.9ポイント増加の58.8%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は97億円となり、前連結会計年度末72億88百万円に対し、24億11百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は60億97百万円(前年同期は62億40百万円の収入)となりました。

 収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益89億39百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額24億88百万円、仕入債務の減少11億6百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は3億51百万円(前年同期は20億35百万円の支出)となりました。

 収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入14億69百万円、定期預金の払戻による収入5億75百万円であり、支出の主な内訳は、生産設備等の有形固定資産の取得による支出26億15百万円によるものです。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は35億3百万円(前年同期は34億17百万円の支出)となりました。

 支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出9億99百万円、配当金の支払額8億97百万円、短期借入金の純減少額8億21百万円、リース債務の返済による支出7億61百万円によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

圧力計

37,332,022

108.3

圧力センサ

21,366,475

94.3

計測制御機器

4,048,808

100.3

ダイカスト

5,257,039

100.8

その他

1,902,423

101.5

合計

69,906,768

102.4

   (注)金額は販売価格によっております。

 

 

b.受注実績

  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

圧力計

36,832,200

108.1

6,481,629

97.8

圧力センサ

20,553,280

103.0

4,555,378

84.9

計測制御機器

4,372,858

124.2

1,102,338

142.5

ダイカスト

5,257,039

100.8

-

-

その他

1,816,827

100.5

586,599

99.1

合計

68,832,206

106.6

12,725,945

95.2

   (注)1.金額は販売価格によっております。

  2.ダイカストは受注残高を計上しておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

圧力計

36,980,906

108.6

圧力センサ

21,366,475

94.3

計測制御機器

4,043,460

100.3

ダイカスト

5,257,039

100.8

その他

1,896,894

97.1

合計

69,544,777

102.4

   (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

  2.最近2連結会計年度において、総販売実績の10%を超える相手先はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、695億44百万円(前期比2.4%増)となり、前連結会計年度に比べて16億9百万円増加いたしました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(売上総利益)

当連結会計年度は、国内においては、産業機械業界向、空調業界向、半導体業界向及び自動車搭載用の圧力センサの売上が減少した一方で、プロセス業界向の保守・メンテナンス需要が増加したことにより売上が増加しました。米国子会社においては、主力の産業機械関連製品を中心に売上が増加いたしました。加えて、円安による円換算額の増加もありました。これにより、売上原価は473億26百万円となり、当連結会計年度における売上総利益は222億18百万円(前期比4.1%増)、前連結会計年度に比べて8億66百万円の増加となりました。

 

(営業利益)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ3億64百万円増加して145億65百万円(前期比2.6%増)となり、当連結会計年度における営業利益は、76億53百万円(前期比7.0%増)となりました。これは主に、売上総利益が増加したことによります。

 

(経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金の減少等により前連結会計年度に比べ2億86百万円減少し、5億65百万円(前期比33.6%減)となりました。

 当連結会計年度における営業外費用は、為替差損の発生により前連結会計年度に比べ30百万円増加し、6億42百万円(前期比4.9%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ1億85百万円増加し、75億75百万円(前期比2.5%増)となりました。

 

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益及び事業分離による移転利益の計上等により、前連結会計年度に比べ13億25百万円増加し、14億38百万円(前期比1,174.2%増)となりました。

当連結会計年度における特別損失は、前期のスイス製造拠点の移転にともなう減損損失の計上により前連結会計年度に比べ2億54百万円減少し、74百万円(前期比77.3%減)となりました。

また、税金等調整前当期純利益の増加により税金費用が増加したものの、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、60億54百万円(前期比11.9%増)となりました。

 

 財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料及び製品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資の取得等によるものであります。

 短期運転資金は当社および一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、146億20百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、97億円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表にあたって、当社経営陣は、決算日における資産・負債の報告数値、偶発債務の開示、各連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。

 経営陣は、貸倒引当金、従業員の退職給付費用、繰延税金資産に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。

(貸倒引当金)

債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

(退職給付引当金)

従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。

(繰延税金資産)

繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(固定資産の減損)

減損の兆候のある資産又は資産グループごとに将来キャッシュ・フローの見積りを行い、固定資産の減損要否の判定を行っております。資産又は資産グループの減損が必要であると判断した場合、帳簿価額が回収可能価額を超える部分について減損損失を認識しております。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 2026年3月期の連結業績目標として、連結売上高671億円、営業利益率11.0%以上、自己資本利益率(ROE)10.0%以上確保を掲げております。

 この目標値は2025年3月に策定した数値であり、有価証券報告書提出日現在、妥当であると判断しております。

 当連結会計年度における連結売上高は695億44百万円であり、営業利益率は11.0%、自己資本利益率は14.5%となりました。連結売上高は下回りましたが、営業利益率、自己資本利益率は2025年3月期の目標を上回っており、引き続き当該指標の目標達成に邁進していく所存です。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動としては、大別して新規事業を目指した新規技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。

当社の研究開発活動は技術本部が担当し、コア技術である圧力計のブルドン管や内機等の圧力検出機構や圧力センサ素子の継続的な研究開発、またそれらコア技術を応用した各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの開発を進めています。

子会社においても、各種独自の圧力計、圧力センサ、圧力制御機器、計測制御機器の研究開発活動を推進しています。

当社グループにおける研究開発、技術、生産技術スタッフは237名(内、子会社87名)で、全従業員の9.9%となります。当連結会計年度の研究開発費は1,428百万円となりました。

当社の成長戦略別での研究開発活動の状況は次の通りです。

 

(1) 成長戦略1「既存事業の競争力強化」

① 産業計測分野では、船舶規格であるNK認証取得製品のラインアップ拡充として、低圧レンジをカバーする製品を開発し発売を開始しました。

② 半導体装置産業分野では、装置のデジタル化対応としてIO-Link機能を追加した拡充製品の開発をスタートし顧客へのサンプル提供も進めております。

③ IoTに対応するワイヤレス型圧力センサ・圧力計では、顧客ニーズの探索を行い、機種拡充やシステム化開発を進めました。また生産現場でのDX化が進む中、計測機器のデジタル化対応として、IO-Link対応製品を拡充し各業界に向け順次ラインアップ予定です。

④ 圧力計測の高精度化に関して、仕様強化として精度 ±0.02%F.S.+1digit の高精度仕様の精密デジタル圧力計をラインアップし発売を開始しました。また計量法施行規則等の一部を改正する省令(令和6年経済産業省令第62号、施行日:令和7年1月1日)にて追加された「基準電気式圧力計」に適合する第一号の製品として基準器認証を受けた仕様をラインアップしました。

⑤ 圧力センサ、圧力計に関する研究・基礎開発においては、市場のニーズや成長分野の予測を基に、コアとなるセンサ素子の性能向上やレンジ拡大のためのプロセス開発を継続しており、半導体産業用として耐食性に優れたハステロイ®C-22相当材料を用い、UHP(ウルトラハイピュアリティ)グレードに対応した圧力センサ素子を開発し、腐食性の高い液体材料や固体材料を用いた半導体ガス供給システムにおいて200℃以上の高温下での計測が求められる次世代半導体プロセスに向けた製品を開発しました。

⑥ 医療分野では、咬合力計のリニューアル品として、圧力印加部(咬合力測定部)の形状最適化により高い出力再現性、安定性、偏荷重に対し強い製品を開発完了し、2025年度に販売開始予定です。

⑦ 車載分野では、大手自動車会社向けの第3世代燃料電池車(FCV)システム用圧力センサの技術検証を大手自動車会社と共同で引き続き推進しており、また現行の第2世代FCVシステム用の圧力センサを他社向けやバス、トラックなどの大型車両、フォークリフトをはじめ、船舶、鉄道、航空宇宙等といった乗用車以外の用途開拓にも積極的に水平展開に取り組んでいます。また水素エンジン(水素を燃料として利用するエンジン)用の圧力センサの開発も進め、各種サンプルを提供しました。

 

(2) 成長戦略2「グローバル戦略の強化」

① 北米、ヨーロッパ市場の半導体産業向け製品の拡販に向け、米国子会社Ashcroftと協業し大手半導体設備メーカに向けた圧力センサの開発、仕様拡充を進めています。

② Ashcroftによって北米市場に製品を供給するメキシコ ケレタロ工場における圧力センサの生産、中国 嘉興工場での中国市場向けの生産に対する技術支援を継続実施しています。

③ 欧州自動車産業市場においては、引き続きドイツ合弁会社の共同出資者に対し車載エアコン用圧力センサにおける製品開発支援及び改良・改善を実施しています。

 

(3) 成長戦略3「新たな事業領域の拡大」

① 光計測技術を用い、極限環境下での計測をテーマに、極低温、超高温、超高圧から極微圧を計測可能とする計測システムの開発に注力しています。中でも成長が期待される水素関連事業向けに開発中の光干渉技術を用いた液化水素(−253℃)計測用圧力センサについては、液体水素搬送ポンプなどの装置を開発している主要企業が実用化フェーズに移行しつつあることから、2025年度前半には防爆認証も取得した製品の開発を完了し、さらに2026年度には液体水素向けに特化した製品を前倒してリリースする予定です。

② 同じく光計測技術をもとに、光ファイバセンサを神経のように船体に張り巡らし、その構造的な応答をモニタリングするシステムの開発が完了し、実船に搭載されることが決定しました。今後は、調査船や水素運搬船、大型コンテナ船など、最先端の船舶に導入されることが期待されます。

③ IoT技術による省人化をテーマとして、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)、セイコーエプソン株式会社と共同開発を進めてきました、鉄道橋梁桁の定期検査を自動化する装置(ER15アオリ監視装置)は、これまで順調に導入・運用が進み、さらに多くの鉄道事業者に活用いただけるよう、普及・販促活動に注力するとともに、これに続く新たな監視装置も来年度の発売に向けて開発を進めています。

④ 同じくIoT技術による省人化に貢献する製品、システムとして、サブスクリプションでご利用いただけるクラウド型計測ネットワークサービス『Nモニ』の機能拡張を進め、先の鉄道橋梁向けの監視装置や指針角読み取り装置を取り付けた圧力計など、当社製品を遠隔監視するための共通プラットフォームとして活用される場が増えています。指針角読み取り装置については、新たに防爆仕様を拡充するなど、より多くの現場で活用いただけるよう開発を進めています。

⑤ 当社のコア事業である圧力センサの生産性と競争的優位性を更に高めるために、各種センサ素子の信号を増幅、補正して電気信号に変換するのに必要となる、専用の半導体IC(カスタムASIC)の開発を行うため、専任チームを立ち上げました。この開発の成果として、圧力センサの性能面での向上だけでなく、電子部品や製造装置の共通化によって、更なる生産性の向上を見込んでおります。

⑥ 計測制御機器分野では、海外顧客からのご要望に応えて、バッテリー駆動で手軽に漏れ検査を行えるポータブル水素リークディテクタHDA-0100をCEマーキングに対応させました。

⑦ 一昨年度に開発した装置搭載水素リークディテクタHDZ-0201を実装した試験装置として、顧客からのご要望の多い2.5×10-5 Pa ㎥/s の漏れを検出できる測定技術を確立し、市場に展開しました。

⑧ 半導体市場向けに、測定接ガス部に銅系材料を使用せず、クリーン仕様としながら、現行品より価格を抑えたエアリークテスタFLZ-0220-A7を開発しました。

 

 このような研究開発活動を進める一方、既存製品の改良・改善業務として、性能向上やコスト低減活動を継続しています。各種量産製品における安定生産のための各種改善に対する評価検証や、製品のリニューアル、仕様強化としての各種オプション追加等の開発検証を行い、量産品の収益性向上、生産性向上の対応を継続しています。