第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、創業理念である「人を育て 人を活かす」に則り、ミッションを「働く機会と希望を創出する」とし、企業と人の成長を支援する人材ソリューションサービスで、働く人がやりがいを持ち、成長していける職場を作り上げていくとともに、社会変化や産業構造変化に対応できるサービスの提供を目指し、「高い成長力のある企業グループに変革する」ための取り組みを推進してまいります。

 

(2)経営戦略

 当社グループは、ミッションの実現に向けたマテリアリティ(重要課題)を「働きやすい職場づくり」、「社会変化や構造変化への対応」、「ガバナンスの強化」と定義しています。デジタル化の推進と人材投資を積極的に行い、従業員満足と顧客満足を最大化させ、必要なスキルを有した人材を輩出することによる高付加価値サービスの提供を行い、管理体制や内部統制の強化に取り組むことで、社会価値創造による企業価値の向上を目指しています。

 

(事業戦略)

 事業ポートフォリオ戦略においては、製造派遣や製造請負に代表されるコア領域の「深化」とエンジニア派遣に代表される当社グループの注力領域の「探索」を両立させてまいります。あわせて、コア領域事業の高質化と高付加価値化の推進を図ってまいります。

 変化するモノづくりに対応したサービス提供に向けて、顧客と共に価値を創り出せるビジネスモデルへの転換を図ってまいります。

 サービス別の戦略については次のとおりになります。

(総合人材サービス)

製造生産系人材サービス

 製造生産系人材サービスでは、主に製造派遣、製造請負を行っており、顧客へのサービス提供体制を強化し、重要な顧客におけるシェア率を向上させることで、効率性を向上させ、「稼ぐチカラ」を強化してまいります。

エンジニア系人材サービス

 エンジニア系人材サービスでは、製造業を中心としたエンジニア派遣、SES(System Engineering Service)を行っており、高付加価値領域の拡大のための人材育成を継続してまいります。

事務系人材サービス

 事務系人材サービスでは、一般事務派遣、BPO(Business Process Outsourcing)を行っており、サービスの再構築を図り、新たなメニューの開発にも取り組んでまいります。

その他の人材サービス

 その他の人材サービスでは、高年齢者社員、および障がい者社員が活躍できるモデルの構築に取り組んでまいります。

(介護・福祉サービス)

 介護・福祉サービスでは、施設介護、在宅介護を行っており、提供サービスの充実を図りながら、新たなメニューの開発にも取り組んでまいります。

 

(基盤強化戦略)

 人的資本経営の実践に向けて、人材管理、教育研修、キャリア開発などに積極的に人的資本投資を行い、顧客と共に育成の連携を図ることで、付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。

 また、人材流動化への対応に向けては、労働者の能力と企業ニーズを発掘、可視化し、人材発掘と事業機会の拡大を両立させてまいります。あわせて、キャリア開発において、強みの伸張と不足領域の補完を実現することで、適材適所の配置につなげてまいります。

 更に、業務のデジタル化によるビジネストランスフォーメーション(BX)の実現に向けて、基幹系システムの再構築、データ活用基盤の整備、XR技術の活用推進、顧客とのデータ連携を図ることで、データを基にした経営体制の構築を目指してまいります。

 

(3)目標とする経営指標

(単位:百万円)

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

目標

実績

目標

実績

目標

実績

売上高

88,600

90,827

100,000

96,858

115,000

101,560

営業利益

2,700

2,268

4,000

3,058

6,700

3,555

 営業利益率

3.0%

2.5%

4.0%

3.2%

5.8%

3.5%

 

 2025年3月期までの中期経営計画においては、コロナ禍以降の半導体業界の回復の鈍化や、自動車業界での地政学リスクによる部品不足等の厳しい環境下において、技術革新による産業界の人材ニーズの変化に対応した人材育成のための教育施設や設備への投資・人材への教育投資を計画通り実行してまいりました。この結果、売上高においては、2024年3月期は2023年3月期と比較して6.6%の増収、当連結会計年度(2025年3月期)は2024年3月期と比較して4.9%の増収となりましたが、目標達成には至りませんでした。

 また、事業の拡大に伴う従業員募集費の増加、事業基盤の強化に向けた従業員の増強による人件費の増加などがあったものの、売上高の増加で吸収した結果、営業利益においては、2024年3月期は2023年3月期と比較して34.8%の増益、当連結会計年度(2025年3月期)は2024年3月期と比較して16.3%の増益となりましたが、目標達成には至りませんでした。

 

 当社グループが重要な経営指標としている「営業利益率」は、前連結会計年度より売上総利益率が0.7ポイント改善し17.2%となる一方、販売費及び一般管理費率が0.3ポイント悪化し13.7%となり、この結果、営業利益率は3.5%となりました。引き続き売上総利益率の向上及び販管効率の向上を図り、営業利益率の改善に取り組んでまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社をとりまく経営環境は、Society5.0やIndustry5.0の進展、AIの進化、少子高齢化に伴う労働人口の減少など、かつてない速さで変化を続けています。また、米国の関税措置による影響など変動要素が多く、先行きは不透明な状況にあります。

 このような経営環境の中、当社は、2024年8月に、2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を発表しました。

 当社グループは、中期経営計画の目標達成を目指し、企業価値と企業の存在意義を持続的に高めていくため、以下の活動を推進しています。

 

(財務戦略)

財務戦略方針

 当社は、自社の資本コスト(株主資本コストおよび加重平均資本コスト(WACC))を注視し、重要な経営指標を自己資本利益率(ROE)と投下資本利益率(ROIC)とした上で、稼ぐ力の追求と資本効率性の向上に取り組みます。また、安定的にROICが資本コスト(加重平均資本コスト(WACC))を上回る構造を実現する事で企業価値の向上に努めてまいります。

財務戦略

 当社グループは、稼ぐ力の追求に向けて、既存事業の高付加価値化、事業ポートフォリオの見直し、成長分野への投資、デジタル技術の活用による業務効率化、人材への投資を行ってまいります。また、財務規律の維持と資本効率性の向上に向けて、適切な経営資源の配分、適正な負債の活用、最適な株主還元(安定配当・自社株買)、適時適切な情報開示を行ってまいります。

財務指標

 当社は、中期経営計画の最終年度である2028年3月期には、成長性を示す指標である売上高成長率(CAGR)12.3%以上、収益性を示す指標である営業利益率5%以上の達成を目指してまいります。

 また、中期経営計画期間(2026年3月期から2028年3月期まで)における、財務の効率性を示す指標であるROE平均20%以上、ROIC平均15%以上、中期経営計画の最終年度である2028年3月期には財務の健全性を示す指標である財務レバレッジ2.5倍以下を目安にしています。

 なお、2025年3月期においては、戦略的な投資を実行するとともに健全な財務基盤を維持することで、重要な経営指標であるROEは12.3%、ROICは13.1%となりました。この結果、ROICがWACCを上回りました。

 各指標については以下の定義にて算出しています。

・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ ((期首自己資本 + 期末自己資本) ÷ 2)

・投下資本利益率(ROIC):税引後営業利益 ÷ 投下資本(当期平均有利子負債 + 当期平均純資産額)

(非財務戦略)

サステナビリティへの取組

 当社グループは、「働く機会と希望を創出する」というミッションの達成に向けて、グループの原動力である「人」への投資を通じて社会や環境への貢献を図ることが重要であると認識し、2021年10月に策定した「サステナビリティ方針」に基づき、持続的な事業の成長を目指すと共に、人権と労働、環境、安全衛生、倫理の方針を定め、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。

 当社グループの事業の持続的な成長を目指す上では、「人材育成」と「ダイバーシティ」が最も重要であると定義しています。

 「人材育成」においては、高度人材の比率を向上させることが重要であると認識しています。「人財育成方針」の指標は「エンジニア系社員比率」とし、その目標を2025年4月までに15.0%としていました。2025年3月末日時点における製造生産系及びエンジニア系人材サービスの在籍人数における「エンジニア系社員比率」は、12.6%となりました。

 「ダイバーシティ」においては、全ての従業員が夢とやりがいを持てる職場を作り、多様な人材が活躍できる場を構築することが重要であると認識しています。「社内環境整備方針」の指標は「女性管理職比率」とし、その目標を2025年4月までに11.5%としていました。2025年3月末日時点における「当社グループ女性管理職比率」は9.0%となりました。

 当社グループは、2025年2月に「人財育成方針」、及び「社内環境整備方針」に基づく指標と目標の見直しを行いました。「人財育成方針」における指標は、引き続き「エンジニア系社員比率」とし、その目標を2030年度までに30%を達成することとします。また、「社内環境整備方針」においては、実行課題を「DE&I(多様性・公平性と包摂性)の推進」に更新し、指標として「ダイバーシティ比率」を新たに設定、その目標を2030年度までに40%の水準を達成することに見直しを行いました。また、「女性管理職比率」の目標は、2030年度までに15%を達成することとし、活動の推進を継続してまいります。

 日本国内における労働人口の減少や高齢化比率の上昇などにより、当社グループの経営環境は大きく変化しています。2025年3月末日時点における、当社グループ社員の女性、高年齢者、外国人、障がい者を合わせた「ダイバーシティ比率」は31.9%となりました。この比率を上昇させていくことで、当社グループの組織としての強靭さや事業の持続的な成長を目指してまいります。

 また、ガバナンスの強化に向けて、人材育成に強みを持つ企業グループとして、ガバナンス維持のための教育プログラムを実践し、ステークホルダーに信頼される取組を継続してまいります。

 なお、当社グループのサステナビリティ活動の詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

(総合人材サービス)

インダストリー戦略

 技術革新や環境問題を背景に加速度的に産業構造が変化していくのに合わせ、産業毎に必要な人材像も刻一刻と変化しています。中でも日本をリードする自動車・半導体・電子を中心とした産業界の人材ニーズに応えるべく、当社は最新の製造設備を有する研修施設を立ち上げ、付加価値の高い人材を育成し、変革する産業界を強力にバックアップしてまいります。

 2026年3月期において、当社グループの注力業界であるオートモーティブインダストリー(自動車製造及びEV関連製造業界)では、米国関税の影響は考えられるものの生産台数に大きな変動はないと想定しています。セミコンダクターインダストリー(半導体製造業界)の当社グループ注力メーカーについては、堅調に推移することを見込んでいます。あわせて、2026年、2027年の半導体、バッテリー新工場稼働に向けた人材ニーズを見込み、育成関連への投資を継続してまいります。なお、エレクトロニクスインダストリー(電子機器製造業界)における電子部品需要は横ばいを想定しています。

採用戦略

 経済活動の正常化に伴う人材ニーズの高まりにより、当社グループにおいても就業者の確保が、これまで以上に必要になっています。

 当社グループは、人材確保という課題に対し、グローバル人材の更なる活用を進めてまいります。日本に来てよかった、日本でもっと働きたいと思っていただける各種制度や環境を整備し、2031年3月期末の在籍3,000人を目指してまいります。

 また、高付加価値人材の採用に向けて、当社グループ内での人材流動化と他社とのアライアンスを推進する「採用コンソーシアム」の拡大も図ってまいります。

育成戦略

 当社グループは、メーカーにおける生産活動の高度化、人材に求めるニーズの多様化、製造業全体における慢性的な人手不足といった課題への対応を目指し、事業の拡大に向けて必要となる事業領域の調査を行いながら、人材育成分野でお客様と共創してまいります。また、当社グループが拡大領域と位置付ける半導体や蓄電池の製造領域、保守・保全といった職種に、当社グループ独自の「人材育成モデル」を掛け合わせることで、高付加価値人材の育成を積極的に推進してまいります。官民と連携を取りながら、他産業や他職種で働いている人材に対して、リスキリングの機会を提供し、半導体関連の量産に対応できる人材育成も行ってまいります。

 重なるニーズの拡大を踏まえ、2024年3月に、蓄電池産業向けの人材育成に特化した教育研修施設である「日総EVテクニカルセンター関西」を開設いたしました。また、2024年5月に、半導体製造向け人材の育成に特化した「日総テクニカルセンター熊本」を増設いたしました。

 なお、中部東海エリアに、変革の激しい、自動車、蓄電池、半導体分野において、必要不可欠な保全を中心とした各種エンジニアを育成する、中核的育成拠点の設置を計画するなど、お客様のニーズに応える育成体制を整えてまいります。

新たなサービスの創出

 連結売上高において、総合人材サービスは約9割を占めています。当該サービスはお客様との継続的な取引関係をベースとしており、「安定性」と「依存度」の2つの側面を持ち合わせている事業であることから、顧客の生産動向に当社グループの業績が大きく左右されることが課題となっています。

 当社グループは、エンジニア系人材サービスの拡大のみならず、HRテックやAI関連サービスといった当社グループの事業と親和性の高い領域へ進出し、M&Aや新たなパートナーシップの構築などをつうじて価値共創に取り組むことで、中核である総合人材サービスの事業拡大を図ってまいります。

 また、当社グループは、教育受託サービスである「NISSO HR Development Service」を展開しています。このサービスは、お取引先から数多くお寄せいただいた、教育を担う講師人材の不足、繁忙のため実際の生産ラインや現場を使ったOJTができないことによる実技研修不足、未経験者向けの教育プログラムの不足などの課題に応えるため、全国に教育研修施設を有し、多くの研修カリキュラムを開発してきた実績を持つ当社グループが、社員研修を代行することで、課題解決をお手伝いできるサービスと位置づけており、そのニーズは順調に拡大しています。

 

(介護・福祉サービス)

 介護・福祉業界においては、要介護者の更なる増加、介護従事者の慢性的な不足、介護サービスの質の低下などが社会課題となっています。

 当社グループは、介護従事者の安定的な確保と定着率向上を図るために、介護従事者への階層別教育や採用者への導入教育を実施し、より働きやすい職場環境づくりを推進してまいります。

 また、外国人材の活用を促進するなど、多様な人材の活用を推進することで、新たな介護従事者の確保を目指してまいります。

 介護施設への入居者数の増加に向けては、WebやSNSの積極的な活用や内覧会を通じて、入居を検討されるご家族様との接触機会を増やすことで、お客様一人ひとりのニーズを把握した質の高い介護サービスが提供できる体制を構築してまいります。

 

(DX戦略)

 当社グループが持続的に利益成長を続けていく上では、経営管理機能や事業運営基盤の強化に向けたDX化の推進が重要な経営課題であると認識しています。

 当社グループは、デジタル基盤の構築に向けて、時と場所を選ばずアプリが利用できるIT基盤を提供し、グループ経営データの一元化・可視化・標準化・利活用などを推進してまいります。また、AIやVRなどを利用した業務の効率化や自動化を推進することで、販管費の抑制に努めてまいります。

 

(新たな価値共創(CSV)への取組)

 当社グループは、お客様の抱える困りごとを解決すべく、制限を設けず、可能性のあるパートナーとの協業を積極的に進めています。

 当社は、重要顧客内のシェアを拡大し、当社グループの強みである人材育成のノウハウを活用することで、中部東海エリアにおけるプレゼンスの確立を目指し、2025年4月17日開催の取締役会において、「Man to Manホールディングス株式会社」の子会社化を決議しています。また、同日開催の取締役会において、新たな領域となる警備業に強みを持つ「オールジヤパンガード株式会社」の子会社化を決議しています。これら2社のみなし取得日は2025年6月30日を予定しており、2026年3月期第2四半期より、当社グループの業績に寄与していくことを想定しています。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(基本的な考え方)

 当社グループは、「働く機会と希望を創出する」というミッションの達成に向けて、グループの原動力である「人」への投資を通じて社会や環境への貢献を図ることが重要であると認識しており、2021年10月に策定した「サステナビリティ方針」に基づき、持続的な事業の成長を目指すと共に、人権と労働、環境、安全衛生、倫理の方針を定め、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しております。

 

 当社グループは、サステナビリティのフレームワークである、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に基づいた活動を推進しております。

 

(1)ガバナンス

 当社の代表取締役社長を委員長とした「企業価値向上委員会」の傘下に「サステナビリティ協議会」を設置し、サステナビリティに関する課題の把握と解決に向けた対策の立案を行い、当社の「取締役会」でサステナビリティに関するリスク及び機会を監視・管理・承認しております。

 なお、当社は本書提出日現在より「企業価値向上委員会」の体制の実効性を高めるために、「サステナビリティ委員会」と「リスク管理委員会」の2つの委員会に分け、企業不祥事の防止、多面的な企業体質の強化、持続可能な事業の実現といったグループの共通リスクや課題をモニタリングできる体制に変更しました。また、2つの委員会の委員長を当社の取締役が務めることで、事業との連動を更に深めた審議を行い、当社の取締役会に定期的に付議することとしています。体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(2)戦略

 当社グループは、サステナビリティ方針に基づき、事業を通じた社会や環境への貢献も重要であるという考えのもと、事業と社会価値の両立による企業価値の向上を目指して、マテリアリティ(重要課題)の再特定を2025年2月に行いました。

マテリアリティ(重要課題)

実行課題

重要指標

目標

働きやすい職場づくり

「人」の企業である当社グループは、従業員に耳を傾け、エンゲージメントを向上させながら、「やりがい」と「働きやすさ」の両立ができる職場環境の構築を目指します。

人権の尊重

人権教育

実施率

毎年100%実施

ウェルビーイングの

取組

従業員

エンゲージメント

従業員満足度の

段階的な改善

労働安全衛生の取組

労働災害

労働災害0件に向けた

体制の構築

社会変化や構造変化への対応

人口減少や気候変動といった急激な社会変化に適応できる企業に変革しながら、グループの原動力である多様な人材に投資、育成、輩出する好循環サイクルを実践し、「人」の付加価値を高めることで、社会課題を解決できる企業グループを目指します。

人材の育成

エンジニア系

社員比率

2031年3月期までに

30%を達成する

DE&Iの推進

ダイバーシティ

比率

2031年3月期までに

40%の水準を達成する

気候変動への取組

GHG排出量

削減率

2031年3月期までに30%削減

2051年3月期までに100%削減

 

 当連結会計年度における、マテリアリティ(重要課題)である「働きやすい職場づくり」の実現に向けた取組は次のとおりであります。

人権の尊重

 当社グループは、グローバルな基準である「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、全ての子どもの権利を尊重する「子どもの権利とビジネス原則」を支持します。

 また、当社は、2023年10月に国連グローバル・コンパクトに署名しています。人権、宗教、性別、性的指向、年齢、国籍、障がいなどの多様性を認め、あらゆる人権を尊重し、事業基盤を強化してまいります。

 当連結会計年度について、当社グループの中核である日総工産株式会社においては、従業員に人権に関する教育を15,711人に実施し、本実行課題の重要な指標である「人権教育の実施率」は91.3%となりました。目標である100%の実施に向けた取組を進めてまいります。

ウェルビーイングの取組

 当社グループは、従業員を重要な資本と位置づけ、「人づくり」と「職場づくり」を柱にウェルビーイング経営を推進しています。「人づくり」においては、従業員の多様な働き方を実現することで従業員価値の最大化を目指します。また、「職場づくり」においては、従業員が自律的な考え方にもとづき、働きがいとやりがいを持つことができる環境の構築を目指します。

 本実行課題においては、従業員の満足度を段階的に押し上げていくことを目指し、「従業員エンゲージメント」を重要な指標としています。

労働安全衛生の取組

 当社グループは、職場における労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成することを経営上の重要課題の一つとして認識し、「日総グループ 労働安全衛生方針」に則し、体制の明確化、管理・活動の仕組みの構築、実践、改善を継続することで、経営リスクの低減と働く人々の就業機会の向上を目指しています。

 当連結会計年度について、当社グループの中核である日総工産株式会社においては、本実行課題の重要な指標である「労働災害」は88件となり、前期比で5件増加しました。また、労働災害休業度数率は1.41、労働災害休業千人率は1.36となりました。引き続き「労働災害0件に向けた体制の構築」に向けた取組を進めてまいります。

 

 当連結会計年度における、マテリアリティ(重要課題)である「社会変化や構造変化への対応」の実現に向けた取組は次のとおりであります。

人材の育成

 当社グループの事業の持続的な成長を目指す上では、高度人材の比率を向上させることが重要であると認識しています。

(リスクと機会)

 当社グループを取り巻く経営環境は、人手不足、少子高齢化、地方衰退、高度な情報処理技術への対応、温室効果ガスの抑制など、大きな社会変化に直面しております。一方、社会変化に伴う人材市場における新たなニーズが生まれており、当社グループにおいては、これらのリスクは事業を拡大する「機会」であると認識しております。当社グループは、2021年10月に策定した「人財育成方針」に基づき、従業員満足度の向上、キャリアアップ・キャリアチェンジを積極的に支援することで働きがいを創出し、能力開発、処遇や働き方の向上を図ることで、あらゆる分野であらゆる可能性に挑戦する人材育成を実践しております。

 「人財育成方針」については、当社ウェブサイトに掲載しております。
 和文:https://www.nisso-hd.com/sustainability/social/human-resources/
 英文:https://www.nisso-hd.com/en/sustainability/social/human-resources/

(取組)

 当連結会計年度において、「高度人材比率の向上」を目指した重要な指標である従業員に占めるエンジニア系社員の比率は12.6%となりました。

 なお、取組の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。

DE&I(多様性・公平性と包摂性)の推進

 当社グループの事業の持続的な成長を目指す上では、高度人材の比率を向上させることと共に、全ての従業員が夢とやりがいを持てる職場を作り、多様な人材が活躍できる場を構築することが重要であると認識しています。

(リスクと機会)

 当社グループにおいては、日本国内の少子高齢化の加速はリスクである一方、「人」の採用や活躍支援のニーズにつながる事業機会であると認識しております。当社グループは、2023年3月に策定した「社内環境整備方針」に基づき、女性、高年齢者、外国人、障がい者を含めた多様な人材が活躍できる環境を構築することで、事業の持続的な成長を目指しております。

 「社内環境整備方針」は、当社ウェブサイトに掲載しております。
 和文:https://www.nisso-hd.com/sustainability/social/diversity/
 英文:https://www.nisso-hd.com/en/sustainability/social/diversity/

(取組)

 当連結会計年度において、当社グループの多様性を示す重要な指標である「ダイバーシティ比率」は31.9%となりました。また、当社グループの「女性管理職比率」は9.0%となりました。

なお、取組の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。

気候変動への取組

 当社グループは、事業存続に必要不可欠な気候変動への対応を重要な経営課題と認識し、地球温暖化の要因のひとつであるGHG排出量の削減に向けて、再生可能エネルギーの導入やハイブリッド車への切り替えといったエネルギー効率の良い事業活動への変革を行ってまいります。

 また、社員一人ひとりが環境意識を持ち、日常業務でのエネルギー節約やリサイクル活動に積極的に取り組むことで、社会的な変化に対応できるレジリエンスな企業グループを目指してまいります。

 

(ガバナンス)

 当社の代表取締役社長を委員長とした「企業価値向上委員会」の傘下にある「サステナビリティ協議会」において、環境や気候変動に関する課題の把握と解決に向けた対策の立案を行い、当社の取締役会で監視・管理・承認を行っています。なお、本体制は本書提出日現在より「サステナビリティ委員会」に引き継がれております。

 

(戦略(リスクと機会))

 当社グループは、脱炭素社会への早期移行に向かい、21世紀後半の気温上昇を2℃とするシナリオに基づき、以下のリスクと機会を特定しています。

移行リスク

(レピュテーションリスクの発生、炭素税の導入 財務影響:小、発生の時間軸:中期)

 気候変動への対応の遅れによる社会的な信用の低下、炭素税などの新たな税制の導入があった場合に、業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するために、社有車の使用効率を上げる、ハイブリッド車やEV車への切替促進、省エネ設備への切替、再生可能エネルギー導入促進などを行ってまいります。

物理的リスク

(洪水などによる稼働停止、熱波や干ばつなどによる健康被害 財務影響:中、発生の時間軸:短期~長期)

 異常気象による大型台風や暴風雨、極端な高温による熱波や干ばつなどによって、スタッフの稼働停止が発生し、業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するために、安全衛生管理体制の強化、お客様と協働しながら職場の環境改善を推進、休業補償などの交渉を行うなどを推進しています。

機会

(採用市場におけるブランド力の向上 財務影響:大、発生の時間軸:中期~長期)

 当社グループの事業の源泉は「人」であり、多様な人材が面接に訪れています。脱炭素社会への体制を強化することで、ブランド力の向上に努めています。このような機会の拡大に向けて、社会変化に対応できる事業運営体制の構築、カーボンニュートラルに向けたGHG排出削減目標の開示と実践によるモニタリング体制の強化などを推進しています。

 (注)「発生の時間軸」は、短期:1~3年程度、中期:2030年、長期:2050年、として分類しています。

 

(指標と目標)

 当社グループは、本実行課題における重要な指標をGHG排出量とし、その中期目標を「2030年までに30%削減」すること、また長期目標を「2050年までに100%削減」することとしています。

 当連結会計年度について、当社グループの中核である日総工産株式会社のGHG排出量は2,943t-CO2(前年同期3,016t-CO2)となりました。増加の主な要因は、新たなテクニカルセンターの設立に伴い電気使用量(Scope2)が増加したことによるものであります。

 なお、目標の達成に向けて、電気使用量全体の約3割を占める本社において、再生可能エネルギー比率が100%の契約への切替を2026年3月期より行っています。引き続きGHG排出量の削減に向けた活動を進めてまいります。

 

(3)リスクマネジメント

 サステナビリティに関するリスクの低減及び機会の獲得に向けて、企業価値向上委員会においてコンプライアンスやリスクの運用管理と連動する形で分析と評価を行い、当社の「取締役会」にて監視・管理・承認を行っております。なお、前述のとおり、「企業価値向上委員会」の体制については、本書提出日現在において「サステナビリティ委員会」と「リスク管理委員会」の体制に変更となりましたが、引き続き両委員会の連携を強めてまいります。詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社グループのサステナビリティ活動に関する重要な指標及び目標、並びに実績は次のとおりです。

 

人材の育成

指標

対象範囲

目標

実績(当事業年度)

エンジニア系比率

連結会社

2031年3月期 30.0

12.6

(注)「エンジニア系比率」は、分母を製造生産系及びエンジニア系人材サービスの在籍人数、分子をエンジニア系人材サービスの在籍人数として算出しています。

 

DE&Iの推進

指標

対象範囲

目標

実績(当事業年度)

ダイバーシティ比率

連結会社

2031年3月期 40.0

31.9

女性管理職比率

連結会社

2031年3月期 15.0

9.0

労働者の男女の賃金の差異

連結会社

74.6

育児休業取得率(%)

連結会社 男性

39.0

連結会社 女性

96.0

(注)「ダイバーシティ比率」は、分母を当社グループ社員、分子を女性、高年齢者、外国人、障がい者の総数として算出しています。

 なお、連結子会社に関する「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づくその他の開示については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金格差の差異」をご参照ください。

 

気候変動への取組

指標

対象範囲

目標

実績(前事業年度)

GHG排出量(t-CO2) (注1)

日総工産株式会社

2021年3月期を基準

2031年3月期までに

30%削減

2051年3月期までに

100%削減

2,943

Scope 1(t-CO2) (注2)

日総工産株式会社

2,297

Scope 2(t-CO2) (注3)

日総工産株式会社

645

(注)1.「GHG排出量」は、Scope 1及びScope 2の合算値となります。

   2.「Scope 1」は、社有車の燃料使用量から算出する排出量となります。

   3.「Scope 2」は、事務所における電気使用量から算出する排出量となります。

   4.CO2排出量の算定にあたっては、(株)三井住友銀行が提供するCO2排出量算定・削減支援クラウドサービス

    「Sustana」(SGSジャパン株式会社より計算式と排出計数DBの妥当性確認済)を利用しています。

 

 なお、その他の指標及び目標、並びに実績については、当社ウェブサイトをご参照ください。

 和文:https://www.nisso-hd.com/sustainability/data/

 英文:https://www.nisso-hd.com/en/sustainability/data/

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、必ずしも事業上のリスク要因に該当しない事項であっても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しています。

 

(1)リスク管理体制

 当社グループは、事業目的に影響を与えるリスク(以下、「リスク」という。)について、「リスク管理規程」を定めるとともに、リスクに適切に対応できる体制の整備を図るために「企業価値向上委員会」を設置し、その傘下にリスク管理について協議する「リスク管理協議会」を設置しています。また、リスク管理協議会はリスク管理規程にもとづき、具体的なリスクの特定・分析・評価を行い、その対応方針を定め、定期的に当社の取締役会への報告を行っています。

 なお、当社は本書提出日現在より「企業価値向上委員会」の体制の実効性を高めるために、「リスク管理委員会」と「サステナビリティ委員会」の2つの委員会に分け、企業不祥事の防止、多面的な企業体質の強化、持続可能な事業の実現といったグループに共通するリスクや課題をモニタリングできる体制に変更しました。また、2つの委員会の委員長を当社の取締役が務めることで、事業との連動を更に深めた審議を行い、当社の取締役会に定期的に付議することとしています。体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(2)リスクマネジメントプロセス

 当社グループは、グループ各社の経営戦略、社会的信用、顧客との信頼関係、適用対象者の個人情報、知的財産、設備施設その他の財産などに関し、日総グループ各社の事業目的の達成を阻害する可能性のある社内外の全ての事象をリスクと定義しています。また、リスクの的確な把握ならびに適切な管理の実行が、企業価値の持続的な維持、向上に繋がることであり、経営上の重要課題であると認識しています。

 また、当社グループは、「リスク管理規程」に基づき、次の項目に関する協議を行い、取締役会の決議を通じて、各部門や関係会社に共有を、毎年行っています。

 ・ リスクの影響度を識別・分析・評価し、「リスクマップ」を作成・更新を行う

 ・ 緊急の必要がある場合は、適切に制御する必要対応を行う

 ・ 内容が社内外に開示の必要がある場合、速やかに開示する

 

 当連結会計年度においては、事業等に影響を与えるリスクの見直しを重点的に行い、発生の確率、経営への影響度についての4項目の「特に重要なリスク」を特定しました。また、経営上のリスクとして5項目を特定、サービス別のリスクとして13項目を特定し、それぞれのリスクの低減や回避に向けた取り組みを進めています。

 

(3)特に重要なリスクと対策

項目

発生の確率

(注)1.

影響度

(注)2.

主な対策

賃金相場上昇による人員確保難・コストの増加

多様な働き口の確保と多様な働き方の実現、単価交渉の実施

外国人労働者の増加に伴う就業環境整備の不足

働き続けられる就業環境を整備する

大型の取引先との契約終了・縮小に伴う社員の雇用維持

現職場以外での就業確率を上げるためのリスキリング、新たな取引先の拡大

レピュテーションリスク

マニュアル整備の継続、教育の徹底、情報の継続的な監視

(注)1.「発生の確率」は、大:年に1回以上発生、中:数年に1回発生、小:発生の頻度は少ない、として分類しています。

   2.「影響度」は、大:連結業績に著しく影響(連結営業利益の30%減少、または連結売上高10%減少)を与える、中:経営計画の達成に影響を与える、小:経営に与える影響は軽微、として分類しています。

 

賃金相場上昇による人員確保難・コストの増加

 当社グループは「人」の企業であり、人員確保コストや維持費用コストの増加は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するために、給与体系の変更や人事制度の見直し等、多様な就業先の確保と多様な働き方の実現を進めてまいります。また、採用コスト及び賃金相場上昇分については、適切な単価交渉を行ってまいります。

外国人労働者の増加に伴う就業環境整備の不足

 事業計画に則り、外国人材の活用機会が増加していますが、外国人労働者の環境整備の不足により、退職者の増加および法令違反、集団訴訟リスク等は、当社グループの運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するために、常に法令を順守しながら、法律改正への対応・様々な文化を持つ国ごとへの環境整備等に向けて、専門の部署の設置や士業の活用を行ってまいります。

大型の取引先との契約終了・縮小に伴う社員の雇用維持

 大型取引先との契約終了は当社グループの業績・雇用維持等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクの低減に向けて、当社グループの教育研修施設で新たなスキルを習得しジョブチェンジを行う仕組みの導入、また新たな取引先の拡大を行うことで特定の取引先に依存しない体制を構築するなど、社員の雇用を維持する事業運営体制の構築を目指してまいります。

レピュテーションリスク

 当社グループでは、総合人材サービスにおける営業活動や採用活動、また介護・福祉サービスの利用者の拡大といったことを目的に各種SNSの活用を行っています。一方、誤った活用を行った場合には企業に関するネガティブな評判やうわさが拡散されるリスクがあります。

 このようなリスクの低減に向けて、当社グループでは、マニュアル整備の継続、教育の徹底、情報の継続的な監視を行っています。

 

(4)当社グループの経営全般

組織再編(企業買収、資本提携、業務提携等)のリスク

 当社グループは、成長戦略の一環として今後も組織再編(企業買収、資本提携、業務提携)を行う可能性があります。事業環境の変化等の影響により、当初想定した効果を創出できない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

個人情報保護について

 当社グループは、求職者(求人案件応募者や職業紹介希望者等)をはじめとする多数の個人情報を有しており、この個人情報及び個人情報に係る全ての情報を事業運営上もっとも重要な資産であると考えています。当社グループでは、2005年4月に施行された個人情報の保護に関する法律を遵守し、個人情報保護理念・個人情報保護方針を定め、個人情報保護基本規程に則り、社内運用体制の整備、定期的な研修、情報管理の徹底強化等、個人情報の厳正な管理に留意しています。しかしながら、個人情報の故意又は過失による漏洩や不正使用などの事態が生じた場合には、損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、社会的な信用を悪化させ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

固定資産の減損について

 当社グループは、事業用の資産として土地・建物等の固定資産を有しており、固定資産の減損に係る会計基準を適用していますが、今後地価の動向及び対象となる固定資産の事業の収益性状況によっては、減損損失の計上が必要となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

訴訟について

 当社グループでは、必要に応じた教育機会を設けるなどして法令遵守を徹底しているため、訴訟、紛争の可能性は低いものと考えています。しかしながら、不測の事態により当社グループに関連する訴訟、紛争が発生した場合において、当社グループが的確に対応できなかった場合には、訴訟や損害賠償等による費用等の発生や社会的な信用低下、さらに当社グループのブランドイメージの低下により顧客からの受注の減少や就業希望者の減少が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

気候変動について

 当社グループは、脱炭素社会への早期移行に向かい、21世紀後半の気温上昇を2℃とするシナリオに基づき、リスクと機会を特定しています。

 詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

(5)事業等におけるサービス別のその他のリスク

(総合人材サービス)

法的規制について

 当連結会計年度における総合人材サービスの売上高は、連結売上高の97.0%を占めています。当サービスの中核である労働者派遣事業においては「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」、有料職業紹介事業は「職業安定法」に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて行っています。また、製造請負事業においては、製造派遣との区分が明記されている「厚生労働省告示第518号(旧労働省告示第37号)」に基づいて事業を運営しています。そして、これら以外にも労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、健康保険法、個人情報保護法等、多岐にわたる法律に基づいて事業を運営しています。

 当社グループでは、法令遵守を経営の最重要事項と位置づけ、関係法令の教育、指導、管理、監督体制の強化に努めるなどして法令遵守の徹底を図り、上記の諸法令に抵触する事実はないものと認識していますが、万一、関連諸法令に違反するような事象や不正行為等が発生した場合には、所轄監督官庁による処罰や社会的に信用が失墜し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、これら関係諸法令は情勢の変化に伴い見直しが行われており、この法改正が行われた場合、その改正内容によっては、事業運営への制限の発生や対応する体制構築に時間を要することにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループの許可・届出状況 (2025年3月31日現在)

会社名

許可名称

監督官庁

許可番号

取得年月

有効期限

日総工産株式会社

一般労働者派遣事業

厚生労働省

派14-150048

2002年10月

2026年12月31日

有料職業紹介事業

厚生労働省

14-ユ-150026

2002年8月

2026年12月31日

日総ブレイン株式会社

一般労働者派遣事業

厚生労働省

派14-020001

1986年7月

2029年1月31日

有料職業紹介事業

厚生労働省

14-ユ-020011

2000年8月

2028年7月31日

株式会社ベクトル伸和

一般労働者派遣事業

厚生労働省

派23-300331

2005年9月

2028年8月31日

有料職業紹介事業

厚生労働省

23-ユ-300581

2008年7月

2026年6月1日

株式会社ニコン日総プライム

一般労働者派遣事業

厚生労働省

派14-303092

2004年2月

2027年1月31日

有料職業紹介事業

厚生労働省

14-ユ-301602

2007年10月

2025年9月30日

株式会社アイズ

一般労働者派遣事業

厚生労働省

派13-011359

2003年10月

2026年9月30日

有料職業紹介事業

厚生労働省

13-ユ-300065

2004年5月

2027年4月30日

日総ぴゅあ株式会社

有料職業紹介事業

厚生労働省

14-ユ-302260

2024年8月

2027年7月30日

 なお、上記の許可・届出について、事業停止、許可取消及び事業廃止となる事由は労働者派遣法第14条及び第21条、並びに職業安定法第32条に定められています。本書提出日現在において、当社グループはこれら事業停止、許可取消及び事業廃止事由に該当する事実はありませんが、該当した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

取引先業種の景況による影響について

 当社グループの売上高のうち製造系人材サービスの売上高が大半を占めており、取引業種別売上高の構成比をみると、自動車関連が最も高く、続いて電子デバイス関連が高くなっています。当社グループでは、事業展開にあたり企業、業種等による大きな偏りが発生しないように取り組んでいますが、依存度の高い業界の業況が不振となる、又は取引規模の大きい企業の大規模且つ急激な生産変動や当社グループとの取引に対する姿勢の変更が生じるなどの場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

業界内における競争激化について

 当社グループが属する人材サービス業界においては、法改正や人手不足を背景とした業界再編の動きが見られます。今後、採用力や価格競争力の高い競合が増加した場合、競争が激化することが予想されます。当社グループでは、顧客からのニーズを把握し、そのニーズに応えるための人材を募集し、顧客に対して的確かつ迅速な対応を行うことで顧客満足度を高め、競合会社と差別化を図っていますが、受注を獲得するための過当競争が生じて受注価格の引き下げや人材を確保するための募集費用等が増加した場合、また必要な人員が確保できない場合には、売上機会の損失による売上高の低下や収益性の悪化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

製造請負について

 当社グループで行っている工場構内の製造業務を請け負う製造請負は、労務管理と顧客企業の製品の生産量や納期、品質あるいは設備、在庫管理といった領域の責任を自社で負っており、当社グループでは付加価値の高い製造請負サービスを顧客企業に提供してまいりました。これらの長年の取り組みにより製造請負事業改善推進協議会(厚生労働省委託事業)から当社グループは「製造請負優良適正事業者」として認定されています。しかしながら、製造請負は、不良品の発生や顧客企業の設備の破損等の責任を負わなければならないため、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

労働災害等のリスクについて

 当社グループの主たるサービスである製造系人材サービスは、取引先メーカーの工場構内において、製造派遣・製造請負を行っています。製造派遣は法律上、人材を取引先メーカーに派遣し、派遣した人員の指揮命令等の労務管理が派遣先に委ねられる形態となっています。一方、取引先メーカーの工場構内で行う製造請負においては、取引先メーカーとの業務請負契約により生産量、生産期限、品質及び取引先メーカーの備品を使用するにあたっての備品管理といった領域まで責任を負っています。

 製造派遣の取引形態と製造請負の取引形態では、業務を遂行する社員及び製造スタッフが労働災害に見舞われた場合において責任主体が異なり、製造派遣においては取引先メーカーがその損害について責任を負うのに対し、製造請負においては当社グループが責任を負うこととなります。

 労働災害に関しましては、基本的に労働保険の適用範囲内で解決されるものと考えていますが、当社グループの瑕疵が原因で発生した労働災害において、被災者が労働保険の適用を超えて補償を要求する等、訴訟問題に発展した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

自然災害について

 当社グループの主な就業場所は全国の顧客工場ですが、当該地域において大規模な地震、風水害等の自然災害が発生し、就業先工場が被災したり、製品調達先の被災によりサプライチェーン上の混乱などが生じ、生産活動が停止又は制限されたりした場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、取引先における災害ではない場合でも、これらの災害が発生したことにより国内の経済状況が悪化してしまった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

取引先企業の情報の取り扱いについて

 当社グループの就業者は、取引先企業の生産計画や新製品の開発及び製造に関わる機密性が高い情報に接することがあります。当社グループにおいてはこれらの機密情報の扱いについて、業務請負契約書や派遣基本契約書等に、知り得た顧客情報は第三者に開示、漏洩してはならないと記載されており、就業者に対しても顧客情報の取り扱いの教育を行うなど適正な運用管理を行っています。しかしながら、予期せぬ事態によりこれらの情報が漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償請求や社会的な信用低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(介護・福祉サービス)

法的規制について

 介護・福祉サービスの売上高は、当連結会計年度売上高の3.1%に相当します。

 介護保険法に基づく介護サービスを行うには、事業所としての指定を都道府県知事から受ける必要があります。指定を受けた事業所は、サービス毎に定められた事業の人員、設備及び運営に関する基準、並びに労働法規(労働基準法等)を遵守する必要があります。この基準並びに労働法規を遵守することができなかった場合や不正請求をした場合等においては、指定の取消又は停止処分を受ける可能性があります。

 当社グループは各種マニュアルを整備し研修を行い、管理体制の強化を図り適切な事業経営に努めていますが、万一、事業所において指定の取消又は停止処分を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

介護保険制度の改正について

 介護・福祉事業(施設介護・在宅介護)は、介護保険法の適用を受けるサービスの提供を事業内容とするため、介護保険制度の影響を受けることになります。この介護保険制度は、3年毎に介護保険法及び介護報酬の改正が行われており、これに合わせて3年を1期とする市町村介護保険事業計画の策定が行われています。

 その改正の内容によっては、事業内容の見直しや変更を余儀なくされる等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

人材(有資格者)確保について

 当社グループが提供する介護サービスは有資格者によるサービスが義務付けられています。この有資格者は提供するサービス内容によって、人員基準及び設備基準が厚生労働省令で規定されているため適切な資格を有する人材を確保する必要があります。当社グループにおいては、人員基準を満たす人材獲得及び研修等に積極的に取り組んでいますが、今後有資格者の確保が計画どおり進まず欠員が発生したり、基準の変更等により人材の補充が必要になっても確保できないこと等により、人員基準を満たせなくなった場合には、施設の新設及び現在提供しているサービス提供ができなくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

業界内における競争激化について

 介護保険制度の施行以来、介護サービスの利用者は増加傾向にあります。今後も高齢化が進行することにより、介護関連ビジネス市場は拡大が予測されており、当市場には医療法人や社会福祉法人といった非営利法人や株式会社等の営利法人なども参入してきている状況であります。当社グループは提供するサービスの質を高め、他社との差別化を図り、利用者の拡大とサービスの継続利用に努めていますが、今後、新規参入などによる当業界内で一層の競争激化が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

安全管理及び健康管理について

 当社グループのサービス対象は高齢者が多いことから、お客様の体調悪化や転倒等が重大な事故に発展する可能性があります。当社グループといたしましては、従業員に対し長年の実績に基づいた社内研修や実地訓練を行うとともに、利用者様に対する健康チェックの実施や施設内外の設備保全など、安全・健康管理には万全を期し、細心の注意を払っています。しかしながら、万一、事故等が発生し当社グループの責任が問われた場合には、当社グループの信用が低下するとともに訴訟等で損害賠償請求を受けるおそれがあり、事業の存続を含め、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

自然災害について

 地震や津波等の大規模な自然災害が発生した場合、介護スタッフ及び施設が稼動できない状況になるおそれがあります。当社グループにおいては、お客様の安全を最優先とした危機管理態勢の強化を図っていますが、これらの災害発生により、サービス提供ができなくなる場合、また、これら災害等の発生に対し、当社グループの責任が問われた場合には、信用が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国の経済は、雇用や所得環境の改善、各種施策の効果もあって緩やかにデフレ脱却の動きがみられました。一方、先行きとしては、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクの高まりに加え、物価上昇の継続が国内経済を下押しするリスクに変化しつつあります。

 

 当連結会計年度期間の業績は、次のとおりであります。

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は31,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ77百万円減少いたしました。

 当連結会計年度末の負債合計は14,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,539百万円減少いたしました。

 当連結会計年度末の純資産合計は16,795百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,462百万円増加いたしました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高101,560百万円(前期比4.9%増)、営業利益3,555百万円(前期比16.3%増)、経常利益3,563百万円(前期比16.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,935百万円(前期比0.8%減)となりました。

 売上高は、グループの主力である総合人材サービスの請求単価の上昇、加えて高収益であるエンジニア系人材サービスの在籍人数が増加したことから、前期比で増収となり、売上総利益率も17.2%と前期比で0.7ポイント改善しました。また、販管費は従業員募集費と自社サイトのプロモーションに伴う投資を強化したことやM&Aに係る取得関連費用の計上により増加しましたが、増収がコストの増加を上回ったことにより、営業利益は前期比で増益となりました。この結果、営業利益率は3.5%と前期比で0.3ポイント改善しました。

 なお、当社が保有する投資有価証券の非上場株式1銘柄(APB株式会社)について、実質価額が著しく下落したことにより、投資有価証券評価損を特別損失にて計上いたしました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で微減益となりました。

 当連結会計年度におけるサービス別の取組は、次のとおりであります。

(総合人材サービス)

 当連結会計年度における総合人材サービスの売上高は98,474百万円(前期比5.0%増)となり、売上総利益は17,114百万円(前期比9.1%増)となりました。

製造生産系人材サービス

 製造生産系人材サービスは、主に製造派遣、製造請負に区分されます。

 当連結会計年度における当サービスの売上高は78,445百万円(前期比2.1%増)となりました。

 当サービスの期末在籍者数は、特にオートモーティブでのメーカー毎の生産量と人材ニーズの濃淡がより強まったことによる在籍の減少と、マッチングの課題(就業エリア・職種等)により人材配置が進まなかったことも影響し、14,218名(前期比575名減)となりました。一方、職場環境の改善を継続したことから、1か月あたりの離職率は3.8%(前期比0.1ポイント改善)となりました。また、製造スタッフの請求単価の上昇により1人当たりの月平均売上高が446千円(前期比13千円増)となりました。この結果、当サービスの売上高は前期比で増収となり、売上総利益率は17.7%(前期比0.8ポイント改善)となりました。

エンジニア系人材サービス

 エンジニア系人材サービスは、製造領域及びIT関連のエンジニア派遣、SES(System Engineering Service)に区分されます。

 当連結会計年度における当サービスの売上高は11,631百万円(前期比28.1%増)となりました。

 当サービスの期末在籍者数は、注力する半導体メーカーの人員ニーズが堅調だったこともあり、2,054名(前期比510名増)と前期比で増加しました。また、独自のカリキュラムによる研修を配属前に実施することによって、1か月当たりの離職率は1.9%(前期比0.1ポイント改善)と低い水準で抑えることができました。更に、半導体関連の顧客における生産活動が堅調だったこともあり、エンジニア系社員1人当たりの月平均売上高は525千円(前期比20千円増)となりました。この結果、当サービスの売上高は前期比で増収となり、売上総利益率は20.6%(前年同水準)と製造生産系人材サービスと比較して高い水準になりました。

事務系人材サービス

 事務系人材サービスは、一般事務派遣、BPO(Business Process Outsourcing)に区分されます。

 当連結会計年度における当サービスの売上高は2,232百万円(前期比3.3%増)となりました。当サービスにおいては、広報・集客活動を中心に採用活動を進めましたが、登録者数を確保するまでにはいたらず、事務系の期末派遣人数は550名(前期比12名減)となりました。

その他の人材サービス

 その他の人材サービスは、高年齢者社員の人材派遣、障がい者による軽作業請負などに区分されます。

 当連結会計年度における当サービスの売上高は6,165百万円(前期比8.0%増)となりました。

 高年齢者が活躍できる職場モデルの構築に向けて、高年齢者の活躍を支援し、継続して働くことができる雇用機会の開拓と確保、仕組みの構築に取り組んでいます。当連結会計年度におけるプライム社員(高年齢者社員)数は707名となりました。

 障がい者が活躍できる職場モデルの構築に向けて、単に自社で障がい者を雇用するのではなく、一般の企業から軽作業の受託を行うなど、一人ひとりの特性を活かした自立型の活躍を推進しながら、学校関係者や支援機関そして行政をはじめとした地域社会との共生を図っています。当連結会計年度における障がい者社員数は237名となりました。

(介護・福祉サービス)

 介護・福祉サービスは、施設介護、在宅介護に区分されます。

 当連結会計年度の当サービスの売上高は3,086百万円(前期比1.3%増)、売上総利益は326百万円(前期比1.6%減)となりました。

 当サービスの中核である施設介護においては、地域に根ざした心ある介護を通して社会に貢献することを目指し、集客活動を行った結果、当連結会計年度の介護施設の入居者数は381名(前期同水準)となりました。また、施設における入居率は94.8%(前期同水準)と引き続き高水準で推移しました。一方、介護施設における光熱費などの原価の増加により、当サービスの売上総利益は前期比で微減となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1,681百万円の収入となりました。

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは2,076百万円の支出となりました。

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは1,060百万円の支出となりました。

 この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、期首残高に比べ1,454百万円減少し、8,186百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,240百万円等の収入で、法人税等の支払額1,497百万円等の支出を吸収して、1,681百万円の収入(前連結会計年度は3,230百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出1,468百万円、有形固定資産の取得による支出453百万円等により、2,076百万円の支出(前連結会計年度は1,289百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出534百万円、配当金の支払額671百万円等により、1,060百万円の支出(前連結会計年度は2,100百万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、総合人材サービス、介護・福祉サービスを提供しており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 上記「a.生産実績」と同様の理由により、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

 総合人材サービス(百万円)

98,474

5.0

 介護・福祉サービス(百万円)

3,086

1.3

合計(百万円)

101,560

4.9

(注)総販売実績に対する割合が10%を超える販売先はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容

a.財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末における流動資産は20,408百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,490百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が1,454百万円減少したことによるものであります。

 当連結会計年度末における固定資産は10,867百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,412百万円増加いたしました。これは主に、ツナググループ・ホールディングス株式の取得等により投資有価証券が1,075百万円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は31,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ77百万円減少いたしました。

(負債合計)

 当連結会計年度末における流動負債は12,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,126百万円減少いたしました。これは主に、未払費用が379百万円、未払消費税等が160百万円減少したことによるものであります。

 当連結会計年度末における固定負債は2,247百万円となり、前連結会計年度末に比べ412百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が512百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は14,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,539百万円減少いたしました。

(純資産合計)

 当連結会計年度末における純資産合計は16,795百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,462百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,935百万円の計上と剰余金の配当671百万円によるものであります。

 この結果、自己資本比率は52.8%(前連結会計年度は48.0%)となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ4,702百万円増の101,560百万円となりました。

 当社グループの中核である総合人材サービスにおいて、請求単価の上昇が奏功し、前連結会計年度と比較して増収となりました。

(売上総利益)

 当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ1,426百万円増の17,441百万円となりました。

 高収益であるエンジニア系人材サービスの在籍人数が増加したことにより、前連結会計年度と比較して増益となりました。

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ929百万円増の13,886百万円となりました。また、販管比率は、前連結会計年度に比べ0.3ポイント悪化し13.7%となりました。

 当社グループの中核である総合人材サービスにおいて、募集コストが高騰したことが主な要因であります。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ497百万円増の3,555百万円となりました。また、営業利益率は、前連結会計年度に比べ0.3ポイント改善し3.5%となりました。

 増収がコストの増加を吸収し、前連結会計年度と比較して増益となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ16百万円減の1,935百万円となりました。

 当社が保有していた投資有価証券の非上場銘柄であるAPB株式会社の特別損失を計上したことにより、前連結会計年度と比較して減益となりました。

 

c.当社グループの成長に向けた取組について

(インダストリー戦略)

 当社グループは、日本をリードするオートモーティブ(自動車製造・EV関連製造業界)・セミコンダクター(半導体製造業界)・エレクトロニクス(電子機器製造業界)を中心としたインダストリー毎の人材ニーズに応えることで製造生産系人材サービスとエンジニア系人材サービスの拡大を目指しています。

 当連結会計年度のインダストリー戦略領域の売上高は65,996百万円(前期比5.3%増)となり、連結売上高の65.0%を占めています。

 オートモーティブにおいては、人材ニーズのメーカーや地域ごとの強い濃淡が発生していたものの、単価交渉による単価の上昇の結果、当連結会計年度の売上高は41,304百万円(前期比2.0%増)となりました。

 セミコンダクターにおいては、当社グループが注力しているメーカーにおいて生産活動が堅調だったこともあり、当連結会計年度の売上高は13,460百万円(前期比8.7%増)となりました。

 エレクトロニクスにおいては、製品の受注先に応じて強弱があるものの、当社グループの注力メーカーの拡大もあり、当連結会計年度の売上高は11,231百万円(前期比14.4%増)となりました。

(人材育成戦略)

 当社グループは、産業毎に必要とされる人材ニーズに応えるため、新たな教育研修施設の開設や産官学連携をさらに推進してまいります。

 当連結会計年度の教育実施者数は延べ22,662名となりました。

 エンジニア系人材への教育においては、ものづくりを支える装置技術エンジニアを中心とした人材ニーズに応えるため、研修機会の拡大に取り組むことで教育実施者数は延べ1,852名(前期比482名増)となりました。

 製造生産系人材への教育においては、半導体製造装置などの実機を実装した教育研修施設を開設し、お客様のニーズに沿って開発した独自の教育プログラムを用いた研修を配属前の社員に対して実施することで教育実施者数は延べ14,804名となりました。

 総合人材サービスのその他の人材への教育においては、コンプライアンス定期教育、キャリア支援研修、資格(レベルアップ)研修等を実施し、教育実施者数は延べ3,124名となりました。

 介護・福祉サービスを提供する人材への教育においては、新たに採用された介護スタッフへの教育が施設介護のサービス品質向上に向けて重要であると認識し、OJTのみならず定期的なOff-JTが実施できる体制を構築することで、教育実施者数は延べ2,882名となりました。

 また、当社グループは、教育受託サービスである「NISSO HR Development Service」を展開しています。このサービスは、お取引先から数多くお寄せいただいた、教育を担う講師人材の不足、繁忙のため実際の生産ラインや現場を使ったOJTができないことによる実技研修不足、未経験者向けの教育プログラムの不足などの課題に応えるため、全国に教育研修施設を有し、多くの研修カリキュラムを開発してきた実績を持つ当社グループが、社員研修を代行することで、課題解決をお手伝いできるサービスと位置づけています。当連結会計年度においては、外部社員研修(受託)の延べ実施人数は534名となりました。

 

d.経営環境等の認識及び分析・検討内容と今後の見通し

 日本国内においては、Society5.0やIndustry5.0の進展、AIの進化、少子高齢化に伴う労働人口の減少など、当社グループを取り巻く経営環境はかつてない速さで変化を続けています。一方、米国の関税措置による影響など変動要素が多く、先行きは不透明な状況にあります。

 このように見通しにくい経営環境ではありますが、2026年3月期の通期連結業績は、前期と比較して増収増益を見込んでいます。

 当社グループの注力業界であるオートモーティブインダストリー(自動車製造及びEV関連製造業界)では、米国関税の影響は考えられるものの生産台数に大きな変動はないと想定しています。セミコンダクターインダストリー(半導体製造業界)の当社グループ注力メーカーについては、堅調に推移することを見込んでいます。あわせて、2026年、2027年の半導体、バッテリー新工場稼働に向けた人材ニーズを見込み、育成関連への投資を継続してまいります。なお、エレクトロニクスインダストリー(電子機器製造業界)における電子部品需要は横ばいを想定しています。

 また、他サービスと比較して利益率の高いエンジニア系人材サービスのエンジニア系社員の人数は、2,700名を目標とし、処遇改善に伴う単価交渉も継続してまいります。

 更に、当社グループは、お客様の抱える困りごとを解決すべく、制限を設けず、可能性のあるパートナーとの協業を積極的に進めています。当社は、重要顧客内のシェアを拡大し、当社グループの強みである人材育成のノウハウを活用することで、中部東海エリアにおけるプレゼンスの確立を目指し、2025年4月17日開催の取締役会において、「Man to Manホールディングス株式会社」の子会社化を決議しています。また、同日開催の取締役会において、新たな領域となる警備業に強みを持つ「オールジヤパンガード株式会社」の子会社化を決議しています。これら2社のみなし取得日は2025年6月30日を予定しており、2026年3月期第2四半期より、当社グループの業績に寄与していくことを想定しています。

 利益面については、グループ会社間における業務シェアリングや採用の効率化などを促進することで、販管費を抑制し、営業利益の拡大を目指してまいります。

 以上により、2026年3月期の通期連結業績につきましては、売上高115,000百万円(前期比13.2%増)、営業利益4,000百万円(前期比12.5%増)、経常利益4,000百万円(前期比12.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,500百万円(前期比29.1%増)を見込んでいます。

 

e.経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営に影響を与える特に重要なリスクとしては、法的規制、組織再編等があります。

 そのほか、経営成績に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 当社グループの事業活動における運転資金需要は、主として給与等の人件費及び人材確保のための社員募集費であります。設備資金需要としては、研修施設に加え、社内基幹システム、製造スタッフ管理システム及び採用サイト等の無形固定資産投資等であります。また、成長のための投資需要としては、M&Aによる企業買収や資本提携等であります。

(財務政策)

 当社グループの事業活動に必要となる運転資金については、営業活動によるキャッシュ・フローに加え、金融機関とのコミットメントライン契約の締結により、安定的な資金を確保しております。また、成長のための設備資金及び投資資金に対しては、金融機関からの借入による資金調達を有効に活用することにより、手許資金の確保を図っております。

 また、金融機関からの借入による資金調達の実施にあたっては、調達時期、金利動向、借入条件について最も有利な手段を選択すべく慎重に検討することで資金調達コストを低減しております。

 この結果、当連結会計年度末の有利子負債は536百万円減少し、1,532百万円(前連結会計年度末は2,068百万円)となりました。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

 その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。

 

(株式取得による持分法適用関連会社化)

 当社は、2024年5月17日開催の取締役会において、株式会社ツナググループ・ホールディングス(以下「ツナググループ」という。)との間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」という。)を締結すること、及び、ツナググループの株式を取得することにより、ツナググループを当社の持分法適用関連会社とすることについて決議いたしました。

 また、同日付で本資本業務提携契約を締結するとともに、ツナググループの株主である米田光宏氏、株式会社米田事務所及び上林時久氏との間で株式譲渡契約を締結し、株式を取得いたしました。

 

1.株式取得の目的

 当社連結子会社である日総工産株式会社とツナググループは、株式会社LeafNxTへの共同出資を通じて連携しており、双方の強みを活かした取り組みを開始しております。

 ツナググループは、お客様それぞれの採用課題に対してのコンサルティングと、高品質なソリューション提供を行うことで、お客様の採用課題解決の実現を目指している企業であり、その取り組みは当社グループの「働く機会と希望を創出する」というミッションとの親和性が高いと考えております。

 当社は、両社グループが持つそれぞれの顧客基盤に加えて、これまでに培った事業ノウハウ等、両社の強みをさらに融合・発展させることで、日本企業が抱える多様化する人材ニーズへの対応課題を解決できる質の高いサービスの提供が可能であると判断し、本資本業務提携契約の締結を決定いたしました。

 

2.株式取得した会社の概要

(1) 名称       株式会社ツナググループ・ホールディングス

(2) 事業の内容    グループ経営戦略策定及び経営管理並びにそれらに付随する業務

(3) 資本金      705百万円

 

3.株式取得の時期

2024年5月17日

 

4.取得株式数、取得価額及び所有株式の状況

(1) 取得株式数     1,560,899株

(2) 取得価額        1,463百万円

(3) 取得後の所有株式数 1,560,899株

 

5.役員の派遣

 当社及びツナググループは、本資本業務提携契約において、当社からツナググループに対する役員派遣について合意しており、ツナググループは、当社の取締役である藤野賢治を2024年12月25日付で社外取締役として受け入れました。

 また、当社の完全子会社である日総工産株式会社は、ツナググループの代表取締役社長である米田光宏氏を2025年4月1日付で社外取締役として受け入れました。

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。