第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、経営理念「複合技術による価値ある製品の創造とサービスを通じて社会の安全・安心・環境へ貢献する」に基づき、世界で通用する企業グループをめざしてグローバルに展開し、収益力を高めるべく連結経営の強化をはかるとともに、社会的課題に対する解決策を提供する事業展開によって健全な成長を持続することを基本方針としている。

こうしたグループ経営を推進することにより、株主の皆様の信頼と期待、そして満足を担える企業グループであり続けたいと願っており、さらに、企業活動を通じて従業員の幸福、取引先の繁栄に加え、サステナブルな社会実現への貢献を果たし続ける。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループでは、企業として本来の事業活動の成果を示す営業利益を重要な経営指標と位置付け、収益性を重要視し、営業利益率の向上に努めている。また、資本コストや株価を意識した経営の強化を目指す中で、RОEを重要な経営指標として捉え、「積水樹脂グループビジョン2030」の目標であるRОE8%を早期に実現するべく、収益性の向上に加え、資本構成の最適化に取り組み、一層の企業価値向上をめざす。加えて、株主還元にも力を入れ、業績や将来の資金需要などを総合的に考慮しつつ、「積水樹脂グループビジョン2030」期間中(2030年3月期まで)は累進配当を基本方針として実施し、連結配当性向については40%以上の維持を目指す。また、自己株式の取得や消却に関しても、有効な株主還元と捉え、事業環境や財務状況などを踏まえながら必要に応じて適切に実施し、2027年3月期までは剰余金の配当と自己株式の取得を合わせた総還元性向については100%以上の維持を目指す。

 

(3)中長期的な経営戦略

当社グループでは、「人的資本の価値最大化」「成長戦略による拡大」「サステナビリティ経営の推進」を基本方針とした、長期ビジョン『積水樹脂グループビジョン2030』を2023年4月に発表した。この長期ビジョンの実現へ向けた中間期間となる2025年3月期から2027年3月期の3年間についての成長戦略や人財戦略、資本政策などをまとめた新たな経営計画として、『中期経営計画2027』を策定した。

具体的な戦略としては、成長分野である新領域や新事業、海外事業などへ経営資源を重点的に振り向けるとともに、既存技術の深化と新技術の獲得、次世代交通技術に対応する製品開発を強化し、将来への仕込みを推進する。また、人的資本の価値最大化に向けて、人事制度改定、組織風土改革や人財教育の充実を進めるとともに、ウェルビーイング経営やダイバーシティ&インクルージョンを実践する。サステナビリティ経営の推進については、事業活動を通じて、社会の課題解決と持続可能な未来への貢献を重視し、「サステナビリティ貢献製品」を提供して収益拡大を図るとともに、脱炭素社会、サーキュラーエコノミー、生物多様性保全の実現に向けて積極的に取り組んでいく。加えて、資本コストや株価を意識した経営の強化へ向けて、資本効率の向上や持続可能なキャッシュアロケーションの実現、IR情報発信の充実などを通じて、持続可能な成長と中長期的な企業価値向上を目指す。

 

(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の経済情勢は、国内では、賃金・金利が上昇しつつあり、訪日外国人の増加や、堅調な投資需要も相まって、緩やかな回復が期待されるものの、物価上昇による個人消費への影響や、米国の通商政策の動向による世界的な景気の下振れリスクが懸念されるなど、先行きは不透明な状況が続くと見込まれる。

当社グループを取り巻く事業環境においては、公共投資の底堅い推移や企業収益の改善を背景とした設備投資の回復基調が見られるものの、資源・原材料価格の高止まりや輸送費・人件費を含むコスト上昇、加えて建設業界における労働力不足による工期の遅延リスクなど、不確実性の高い状況が継続するものと見込んでいる。

このような情勢下、当社グループは、「中期経営計画2027」の2年目を迎え、変化する事業環境を的確に捉えつつ、中長期的な企業価値の向上を視野に入れた経営に一層注力し、長期ビジョン「積水樹脂グループビジョン2030」の実現に向けて、これまでの諸施策の効果が早期に現れるよう、取り組んでいく。具体的には、当社事業に関連する公共投資の動向や顧客ニーズの変化に対応した既存事業の着実な成長に取り組むとともに、新たにグループへ迎え入れた各社との相乗効果の発揮、電力インフラ領域や、重点戦略地域と位置付ける関東・北海道地域におけるビジネス拡大等の成長戦略を推し進める。また、脱炭素・循環型社会への移行といった社会的要請を踏まえ、環境や社会課題の解決につながる製品・サービスである「サステナビリティ貢献製品」の創出及び販売拡大を加速させる。

さらに、将来の成長を支える柱として、自動運転の進展を見据え、交通安全・標識関連製品の先進化に取り組むなど、安全・安心に貢献する製品・システムの開発を積極的に推進していく。加えて、欧州及び東南アジアを中心とした海外市場における事業拡大にも戦略的に取り組み、グローバルな事業基盤の強化を図っていく。

また、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務プロセスの高度化・効率化を図り、現場力の強化と収益性の改善を実現することで、グループ全体の競争力を向上させていく。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりである。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)サステナビリティに関する基本方針

  当社グループは、経営理念として「複合技術による価値ある製品の創造とサービスを通じて社会の安全・安心・環境に貢献する企業グループを目指します。」と掲げている。この理念に基づき、健全で透明性の高い経営と、社会・環境に調和した事業活動を通じて、全てのステークホルダーの皆様の信頼を確かなものにするとともに、社会と当社グループの持続的な発展に繋がる重要課題を特定し、SDGsの達成を含め社会課題の解決を図ることで更なる企業価値の向上を目指すことを基本方針としている。

 

(2)サステナビリティに関する取り組み

  当社グループでは、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みをグループ全社で横断的に推進するべく、「積水樹脂グループサステナビリティ推進委員会」を設置し、同委員会を通じて、サステナビリティに関する方向性の検討、マテリアリティ(重要課題)の特定、目標設定及び進捗状況のモニタリングや達成内容の評価などを行っている。その推進を担う機能として複数の専門部会を設け、事業活動との統合を図っており、新たに、グループ全社のリスクマネジメントの取り組みを一層強化することを目的にリスクマネジメント部会を立上げ、更なる推進を図っている。

  また、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、情報開示の充実及び中長期的な経営戦略への反映に努めている。

 

①ガバナンス

 当社グループでは、CEOをはじめとする経営陣で構成する積水樹脂グループサステナビリティ推進委員会を原則3ヵ月に1回開催し、サステナビリティ活動に関する取り組みを管理・推進することで実効性を高めている。

 また、取締役会は同委員会の活動状況等について定期的に報告を受け、適切な監督を行うとともに、重要な課題・指標の決定については、取締役会で決議することで、その取り組みの更なる推進を図っている。

 

②戦略

 当社グループでは、特定したマテリアリティ(重要課題)を経営戦略に統合させ、事業戦略を策定している。

また、気候変動がもたらす影響について分析を進めており、今後、想定するシナリオに基づく財務インパクトの定量評価から影響度の大きいリスクと機会に対する戦略策定及び事業戦略への統合を進め、企業としてのレジリエンス向上に努める。

 また、当社グループにおける人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を、以下のように定めている。

 

 

<人財育成方針>

積水樹脂グループの経営理念・ビジョンの実現に向け、自ら考え、行動し、挑戦し続ける人財の育成に取り組んでいきます。

あるべき組織像

〇  新たな価値創造にチャレンジできる組織

〇  オープンなコミュニケーションができる組織

〇  働きがいを感じ、一人ひとりがイキイキと活躍できる組織

求める人財像

挑戦:好奇心を持ち、柔軟な発想で変革に挑戦し続ける人財

私たちが目指すもっと素敵な「いつも」をつくるためには、過去の価値観にとらわれず、常に未来志向を持って、変革し続けることが必要であると考えています。そのため私たちは、好奇心を持ち、柔軟な発想で変革に挑戦し続けることができる人財の育成を進めていきます。

協働:共通の目標に向けて協働し、成果を最大化できる人財

私たちは同じ志をもつ多種多様な従業員が、良好なコミュニケーションのもと、熱意と執念をもって課題解決に取り組むことにより、イノベーティブなアイデアや成果を創出できると確信しています。そのため私たちは、共通の目標に向けて協働し、成果を最大化できる人財の育成を進めていきます。

感謝:感謝の気持ちを大切にし、公正・誠実に行動できる人財

私たちは、高い倫理観のもと、常におごらず広く社会のすべてに感謝し、謙虚に学ぶことが大事だと考えています。そのため私たちは、当社グループの利益に貢献するだけでなく、社会に貢献しようとする高い志と感謝の気持ちを大切にし、公正・誠実に行動できる人財の育成を進めていきます。

 

<ダイバーシティ&インクルージョンポリシー> 「従業員と紡(つむ)ぐ、積水樹脂グループの未来物語」

積水樹脂グループは、人々の安全・安心・快適な暮らしを支えることに尽力し、成長を重ねてきました。価値ある製品の創造とサービスを通じて、世界の人々に信頼され、感動を提供する企業グループとして成長を加速するために、ダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営基盤として位置づけ、積極的に取り組みます。

  1.多様な人財を活かします

女性活躍推進とともに、国籍・年齢・キャリア・障がいなどに関わらず、多様な人財、多様な価値観

を認め合い、従業員一人ひとりが能力を発揮できる組織風土をつくります。

  2.柔軟な働き方を実現します

仕事と育児・介護・治療等との両立を支援し、柔軟な働き方とワークライフバランスを実現します。

  3.健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を確保します

従業員とその家族の安全・安心・健康を第一に考え、心と体の健康保持・増進に努め、働きやすい

職場環境をつくります。

 

<健康経営宣言> 「人も組織もイキイキと輝く、Well-being経営」

積水樹脂グループは、複合技術による価値ある製品の創造とサービスを通じて社会の安全・安心・環境に貢献する企業グループを目指しています。

そのためには、積水樹脂グループで働く従業員が心身ともに健康であることが最も重要な経営基盤と考えています。

従業員が働きがいを感じ、一人ひとりがその能力を最大限に発揮する職場環境づくりに取り組み、積極的にウェルビーイング経営を推進します。

  1.会社は、従業員の心身の健康保持・増進に積極的に取り組み、健康づくりをサポートします。

  2.従業員は、自らの健康について意識し、家族も含めた健康保持・増進に取り組みます。

  3.従業員がやりがいを持って、新たな価値創造にチャレンジできる安全で安心な、働きやすい職場環境

      を実現します。

 

 

 

<取り組み>

経営理念及び長期ビジョンの実現に向け、人財育成方針及び人財育成プログラムを制定し、自律型人財の育成、マネジメントの強化を主軸に、階層別、選択型等、教育プログラムを推進している。また、キャリア自律支援として、年代別のキャリアデザイン研修や能力開発プログラムのラインナップの拡充を行っている。ダイバーシティ&インクルージョンの推進として、女性・外国人・キャリア採用者の管理職登用等、多様な人財を積極的に受け入れ、多様な価値観を認め合い、新たな価値創造にチャレンジできる企業風土づくりに努めている。

女性の活躍推進策として、ウィメンズフォーラムやダイバーシティマネジメントセミナーの開催、ライフイベントとの両立支援制度の充実に取り組み、従業員に占める女性従業員比率、係長(主任)・管理職に占める女性従業員比率の向上に向け取り組んでいる。

グローバルに活躍できる人財育成として、2013年に海外研修制度を立ち上げ、制度経験者を海外事業に積極的に登用する一方、海外子会社においてはローカル化の方針のもと、女性を含めた外国人管理者を登用している。今後も多様な人財を積極的に受け入れ、能力を最大限に発揮できる企業文化の醸成をめざす。

従業員ファーストの考えのもと、従業員が心身ともに健康で、従業員のゆとりと豊かさを実現するためのウェルビーイング経営を推進している。ハラスメントなど人権課題に関する継続的な啓発活動、業務効率化や生産性向上への取り組み、男性従業員の育児休業取得率の向上など、安全で安心な、働きやすい職場環境の実現に向け、家族を含めた従業員の健康増進活動を行っている。2023年度および2024年度において「健康経営優良法人(大規模法人部門)」認定を受けた。

 

 

③リスク管理

 当社グループでは、グループ全体のリスクマネジメントプロセスの一環として、気候変動リスクを含む全社的

なリスク及び収益機会の洗い出し、経営への影響度、顕在化時期や財務影響度などを外部の知見等を有効に活用しながら、重要性の識別・評価を行い、積水樹脂グループサステナビリティ推進委員会で検討し、これらの内容を取締役会へ報告する仕組みとしている。

 

④指標及び目標

 当社グループでは、経営戦略とマテリアリティに対する取り組みを一体としたマネジメントを行うため、経営

戦略で掲げるサステナブル目標とともに、マテリアリティに対する取り組みに指標(KPI)を設定し、積水樹脂グループサステナビリティ推進委員会で進捗管理を行い、推進している。

 また、当社グループでは、上記「②戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する

方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いている。当該指標に関する提出会社の目標及び実績は、当社グループにおける全ての会社で集計することが困難であるため、提出会社のものを記載している。

指標

目標

実績(当事業年度)

全従業員に占める女性従業員の割合

2030年3月期まで30

             20.6

管理職に占める女性従業員の割合

2030年3月期まで12

              1.8

中核人財に占める多様性(女性・外国人・キャリア採用者等)の割合

2030年3月期まで30

             27.6

男性従業員の育児休業等取得率

2030年3月期まで100

            100.0

 

 

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を把握した上で、その発生の回避及び発生した場合の迅速・的確な対応に努める方針である。

 なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。

   (1)公共投資の動向

    当社グループは、公共事業に供される製品の製造・販売を行っており、公共投資の動向を受けるものがある。公共投資の影響を緩和するため、公共分野に限定した事業を行うのではなく、民間分野との2つのセグメントで事業活動を行っている。しかし、公共投資は政府及び地方自治体の政策によって決定されるため、今後、公共投資が大幅に縮減された場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

(2)原材料の市況・調達変動

    当社グループは、石油化学製品や鉄鋼等の原材料価格の動向に対応した戦略購買及び原材料の安定調達に注力しているが、原材料の市況変動をタイムリーに製品価格に転嫁できない場合並びに急激な原材料の入手難により調達に遅れが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

(3)海外事業活動

    当社グループの海外での事業活動には、為替の変動、対象国での関税率の改定、宗教や文化の相違、商習慣の違い、予期しえない法規制の改正、社会・政治的混乱、テロ並びに国際紛争の勃発、流行性疾病の発生等、様々なリスクが存在する。これらの様々なリスクに対して、為替予約、現地の文化・法制度等の情報収集、従業員の安全確保等に努めているが、海外での事業活動におけるリスクに十分に対処できない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

(4)知的財産権

    当社グループは、開発された技術・製品を保護するために、特許権等の知的財産権の取得を進めるほか、製品及び商品の製造・販売に先立ち、第三者が保有する知的財産権を十分調査し、権利を侵害しないように努めている。しかし、当社グループと第三者との間で予期し得ない知的財産権に関する訴訟の提起や紛争が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

(5)製造物責任

    当社グループは、製品の開発、生産にあたって安全性や品質に十分に配慮しているが、製品の予期し得ない欠陥によって、製品回収や損害賠償につながる可能性がある。保険に加入し、賠償に備えているものの、保険による補填ができない事態が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

(6)自然災害・事故及び感染症

  当社グループは、大規模な地震、暴風等の自然災害や火災事故、感染症による被害を最小限にするために、危機管理マニュアルの策定、防災訓練の実施、感染予防対策、損害保険の付保等によりリスク管理に努めている。しかし、人的・物的被害により、事業活動への影響を完全に防止できる保証はなく、当社グループの事業拠点が重大な被害を受けた場合、事業活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償、被災地域への損害賠償や社会的信用の失墜等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

 

 

(7)情報セキュリティ

   当社グループの事業活動は、情報システムの使用に依拠している。コンピュータウィルスの侵入やサイバー攻撃に対して、当社グループの基本方針として「情報セキュリティ基本方針」を定め、組織的な管理体制の整備や情報セキュリティの高度化、情報システムの定期的な保守点検や従業員教育の実施などにより対策に努めているが、事業活動への影響を完全に防止できる保証はない。サイバー攻撃等による個人情報や営業秘密の漏洩、システムネットワークに対する重大な障害が発生した場合、情報漏洩に対する補償、社会的信用の失墜や業務が一時的に中断することによる機会損失により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(8)M&Aに関するリスク

 当社グループは、国内外で技術の獲得、販売力の強化及び事業基盤の構築などを通じて、成長戦略を早期に実現するために、M&Aを重要な経営戦略の一つとして位置づけている。M&Aの実施にあたっては、対象企業の財務内容や契約関係等についてデューデリジェンス等を実施し、社外取締役を含む取締役会において様々な視点から慎重に検討の上、最終的な意思決定を行うことにより、各種リスクの低減に努めている。しかしながら、買収後における予期せぬ偶発債務等の発生や、事業環境の変化等により、当社グループが想定したシナジーや事業拡大の成果が得られず、また、買収先との統合作業において、経営方針や企業文化の違いによる調整の遅れ、人財の流出や従業員のモチベーション低下等が発生した場合には、業務運営や収益性に悪影響を及ぼすおそれがある。これらの結果、減損損失が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び

キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較に当たっては、当該確定後の数値によっている。

 

①財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,326百万円増加し、139,345百万円となった。

流動資産は、54,941百万円(前連結会計年度末は53,371百万円)となり、1,570百万円増加した。増加の主なものは、売掛金(前期比1,124百万円増)である。

固定資産は、84,403百万円(前連結会計年度末は81,647百万円)となり、2,756百万円増加した。増加の主なものは、建物及び構築物(前期比948百万円増)である。

 

(負債合計)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5,714百万円増加し、41,903百万円となった。

流動負債は、34,035百万円(前連結会計年度末は30,061百万円)となり、3,974百万円増加した。増加の主なものは、短期借入金(前期比2,320百万円増)である。

固定負債は、7,867百万円(前連結会計年度末は6,127百万円)となり、1,740百万円増加した。増加の主なものは、長期借入金(前期比1,594百万円増)である。

 

(純資産合計)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,387百万円減少し、97,441百万円となった。減少の主なものは、利益剰余金(前期比2,114百万円減)である。

 

②経営成績

当連結会計年度の連結業績は、売上高は、国内において工期遅延、対象予算の削減、住宅着工数の削減等の厳しい環境が継続しているものの、国内外の既存事業全体は売上規模を堅持し、ドイツの道路保安用品メーカー「WEMASグループ」及び国内のエクステリア製品メーカー「株式会社エクスタイル」を連結子会社化したことにより、74,231百万円(前年比18.2%増)となった。利益については、長期ビジョン達成に向けた人財・成長投資を引き続き推し進めたこと、並びに既存事業の売上構成の変化や原材料価格、輸送費、エネルギーコストの高騰などの影響もあり、営業利益は5,011百万円(前年比20.4%減)、経常利益は5,447百万円(前年比21.8%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,544百万円(前年比24.1%減)となった。なお、参考として、当連結会計年度におけるEBITDA(※)は8,552百万円(前年比13.3%増)となった。

(※)EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりである。

 

<公共分野>

都市環境関連事業:防音壁材は、高速道路向け製品が、物件の端境期であることに加えて工期の長期化・遅延の影響を受けたが、国土交通省・都市高速道路・鉄道向け製品は、順調に推移し、売上・利益とも伸長した。また、次期以降に計画されている物件に対する受注活動にも注力した。

交通・標識関連事業:交通安全製品は、夜間の雪道に光でドライバーに道路線形を示す「プロジェクションガイド」などの電子製品が好調であったことに加え、車線分離標「ポールコーン」が前年同期並みに推移したことで、売上、利益ともに堅調な成績を収めた。路面標示材は、生活道路や通学路の整備に採用され、売上では前年を上回ったが、原材料高騰、輸送費増の影響を受け、利益面では減少となった。標識関連製品は、新設道路の減少を受け、売上減を余儀なくされた。

景観関連事業:主力の防護柵は、防災・減災にむけた整備が進められる河川・港湾分野への提案に注力したが、通学路における安全対策としての設置が一巡したことにより、売上・利益ともに前年を大きく下回る結果となった。高欄についても前年の大型物件の反動影響を受け、低調に推移した。一方で、シェルター製品は、設計対応力が評価され、首都圏などの駅前開発案件等に採用され、堅調に推移した。

スポーツ施設関連事業:人工芝は、環境配慮型製品の提案が受け入れられたことに加えて、大学・高校向けのグラウンド用途や民間テニスクラブ向けに採用され、売上、利益ともに好調に推移した。

 

関連グループ会社事業:国内では、高速道路の路面標示工事や自治体発注の構造物メンテナンス工事において、前年同期を上回る売上となったが、一部の工事案件における採算の低下により、利益面で課題を残した。海外では、欧州における交通安全製品は、車線分離標「ポールコーン」や弾性車止め製品などの販売が好調に推移し、前年同期を上回る成績となった。また、当期より連結子会社化した「WEMASグループ」についても、仮設道路保安用品の売上が堅調に推移した。

 

<民間分野>

住建関連事業:施工職人不足から建築着工が停滞するなど、先行き不透明な環境のなか、売上については、メッシュフェンスが戸建て住宅向け分野において苦戦を強いられたものの、大型商業施設、新設工場等の建築分野においては前年同期並みに推移した。めかくし塀、防音めかくし塀はプライバシー保護や騒音対策の需要を捉え、大きく売上を伸ばした。利益については、原材料価格や輸送費などの高騰が大きく影響し、前年同期を下回る結果となった。

総物・アグリ関連事業:梱包結束用バンドは、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に対応した製品提案を強化したが、汎用品が需要低迷の影響を受け、前年同期を下回る結果となった。ストレッチフィルム包装機は、物流現場の人手不足による省人化ニーズの高まりを背景に、大きく売上を伸ばした。アグリ関連製品は、農業資材の需要が回復基調に転じつつあり、獣害対策製品も堅調に推移したことから、前年同期を上回る結果となった。利益については、結束用バンドやアグリ製品の価格改定を実施し、利益確保に努めたものの、原材料価格、輸送費、エネルギーコストなどの高騰を補いきれず、前年同期を下回る結果となった。

関連グループ会社事業:アルミ樹脂積層複合板は、建材や看板用途は順調な伸びを示したものの、防音パネルが解体工事用途の需要減少から売上・利益ともに低調に推移した。組立パイプシステム製品は、自動車、電機製品などの主要ユーザー向けが減少し、前年同期を下回る成績となった。デジタルピッキングシステム製品は、既存製品の提案強化並びに有線から無線製品へのシフト、新たなユーザーの開拓等により、国内、海外ともに売上伸長した。また、「株式会社エクスタイル」を連結子会社化したことで、外構製品が売上に寄与した。

 

この結果、公共分野の売上高は38,815百万円(前期比35.1%増)、営業利益は1,858百万円(前期比29.2%減)、民間分野の売上高は35,416百万円(前期比4.0%増)、営業利益は4,062百万円(前期比11.5%減)となった。

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ675百万円増加(前期比4.5%増)し、15,842百万円となった。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益5,373百万円に加え、売上債権の減少等による資金増加の一方、棚卸資産の増加や法人税等の支払による資金の減少により、6,211百万円の収入となった(前期は1,104百万円の収入)。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得等により3,397百万円の支出となった(前期は6,934百万円の支出)。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

短期借入金及び長期借入金の借入による資金増加の一方、自己株式の取得や配当金の支払い等により2,382百万円の支出となった(前期は24,409百万円の支出)。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

 

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

公共分野

39,743

39.9

民間分野

34,864

2.4

合計

74,608

19.5

   (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。

 

b.受注実績

 当社及び連結子会社は主として見込み生産を行っており、受注生産は殆ど行っていない。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

公共分野

38,815

35.1

民間分野

35,416

4.0

合計

74,231

18.2

   (注)主な販売先について、総販売実績に対する相手先別の販売実績の割合が100分の10未満につき、記載を省略している。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び②経営成績」に記載のとおりである。

  当連結会計年度のわが国経済は、国内の雇用・所得環境の改善などを背景に緩やかな回復基調が続いたが、国際的な情勢不安の長期化による資源価格及び原油などのエネルギーコストの高止まりに加えて、為替の変動や物価上昇、さらには海外景気の下振れリスクなど、経営環境は依然として予断を許さない状況が続いた。

  このような経営環境下において、当社グループは長期ビジョン「積水樹脂グループビジョン2030」の実現に向けた「中期経営計画2027」を2024年5月に策定し、スタートさせた。同計画では長期ビジョンの3つの基本方針「人的資本の価値最大化」、「成長戦略による拡大」及び「サステナビリティ経営の推進」に、4つ目の基本方針「資本コストや株価を意識した経営への取り組み」を加え、企業価値の向上に向けた施策について、全社をあげて推進、実行している。

  当連結会計年度は、「人的資本の価値最大化」を着実に推進するために、2024年4月に、人事・総務・人財開発機能をさらに強化する人財本部を新設するとともに、同年11月には生産子会社4社を吸収合併し、工場組織として再編した。

 また、「成長戦略による拡大」の取り組みの一環として、関東・北海道地域を国内の重点戦略地域と位置付けており、2024年4月に関東・首都圏での設計対応力強化を目的に、東京設計室を設置するとともに、同年12月には、北海道で防雪・防風対策製品の研究開発・製造・販売等を手がける「理研興業株式会社」を当社グループに迎え入れた。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。

資金需要

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、メーカーとして「複合技術を活かした安全・安心、環境保全に貢献するモノづくり」のための材料費、研究開発費、営業活動費、一般管理費等がある。また、持続的な成長を支えるための人的資本投資の需要に加え、設備資金需要として、製品開発や生産性向上への有形固定資産投資等があり、さらに欧州、東南アジアにおける更なる海外事業拡大及び国内事業強化領域の進化を、スピードをもって実行するためのM&A投資資金需要等がある。

 

財政政策

当社グループは、現在、運転資金、設備投資及びM&A投資等の資金需要については主に内部資金より充当し、必要な資金を将来に亘り安定的に確保するため、金融機関からの短期借入により資金調達を行っている。なお、本報告書提出時点において格付投資情報センターにて「A-」の格付を取得している。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、重要な経営指標と位置付けている本来の事業活動の成果を示す「営業利益」の向上を目指すとともに、ROEを重視し資本効率の改善に努めている。加えて、株主還元を充実させていくことも経営の最重点課題と考えており、業績や将来の資金需要などを総合的に考慮しつつ、『積水樹脂グループビジョン2030』期間中(2030年3月期まで)は累進配当を基本方針として実施し、連結配当性向については40%以上の維持を目指す。また、自己株式の取得や消却に関しても、株主の皆様への有効な利益還元と捉え、事業環境や財務状況などを考慮しながら必要に応じて適切に実施し、2027年3月期までは剰余金の配当と自己株式の取得を合わせた総還元性向については100%以上の維持を目指す。

なお、当連結会計年度における営業利益は50億11百万円、営業利益率は6.8%となり、ROEは3.7%となった。また、年間配当金については、16期連続で増配し連結配当性向は62.5%、取得した自己株式の総数は1,800,000株(取得価額の総額4,207百万円)となった。

5【重要な契約等】

  当社と積水化学工業株式会社との標章使用許諾に関する契約

①契約の内容

積水化学工業株式会社の所有する一定の標章(商標を含む)の使用許諾を受ける。

②期間

1980年4月1日より3ヶ年間。

但し、上記契約は期間満了に伴い更新された。期間満了後特別の事情のない限り、

さらに3年継続し、以後この例による。

③対価

年額18百万円

 

6【研究開発活動】

    当社グループの研究開発は基礎研究と製品開発に分けられ、基礎研究は新規基盤技術研究所にて推進し、製品開発では機能・コスト・施工・デザイン等、多角的な観点から各セグメントに所属する開発室にて推進している。

    基礎研究では、当社コア技術の高度化を目指した防音技術の研究や、循環型社会構築に求められるリサイクル樹脂の高度利用を目的とした研究、また環境対応や機能性を付与するための表面処理技術の研究に取り組んでいる。他方で新規基盤技術の獲得として、次世代通信の電波環境改善技術の研究や、広域通信技術を活用したサービスの研究に取り組んでいる。

    当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,230百万円であり、各事業分野別の研究開発目的、主要課題、研究開発成果及びそれらの費用は次のとおりである。なお、研究開発費については新規基盤技術研究所で行っている基礎研究等の各事業分野に配分できない費用464百万円が含まれている。

<公共分野>

都市環境関連事業:防音壁材は、道路分野と鉄道分野それぞれの事業拡大に向け、長耐久ガラスコーティング透明板の国土交通省新技術情報提供システム(NETIS)登録を行い、鉄道向け製品として両面吸音板や透明板の新製品を上市した。

交通・標識関連事業:交通・標識製品は、社会課題である省人・省力化、減災・防災に対応するため、LED情報板を一括監視し、遠隔操作を可能としたWEBアプリケーションサービス「ICOT-LINK」を上市した。また、働く環境の安全・安心をサポートする車載型プロジェクションガイドのヒーターレス仕様の品揃えを拡充した。ゾーン30プラスなどの安全対策においては、景観に配慮した車線分離標「ポールコーンCITY R」に、新色のメタリックレッド及びシルバータイプを上市した。路車間連携による新しい交通安全施設の研究としては、スマートポール用LED情報板を開発し、大阪・関西万博の自動運転バス走行支援システムの社会実験に参画した。さらに省電力で路車間連携を可能とする通信端末と太陽電池式LED情報板を開発し、和歌山県太地町の自動運転車両走行支援の実証試験に参画した。

景観関連事業:景観製品では、都市部や住居横の橋梁・高架部における景観性にも配慮した騒音対策環境製品として吸音・遮音機能を持った投物防止柵「クラスタ―バリア吸音・遮音タイプ」を上市し、鉄道や道路上の高架部に向けてポリカ透明板を活用し、景観性、眺望性に優れた「積荷転落防止柵」を上市した。また、河川や海岸地向けに発売したアルミ製防護柵「アルクスロープ」の港湾における転落防止仕様に準拠した格子ピッチ100mm以下の仕様を追加した他、公園向け製品として、暑さ対策に活用できる新しい日除け機能を持つ「フラクタル日除けパーゴラ」やベンチの座面が暑くなりにくい「ベーシックベンチ5プラスワン」を上市した。

スポーツ施設関連事業:人工芝は、新たなスローガン「安心がひろがるフィールド」のもと、環境問題を背景に高密度人工芝を強化するとともに、ゴムチップに替わる「天然素材充填材」を上市した。また、環境省などが開催する人工芝と環境問題のワーキンググループへの参画も継続し、「環境保全」をキーワードに掲げた取り組みを更に強化した。

 公共分野に係る研究開発費は413百万円である。

 

 

<民間分野>

住建関連事業:外構製品では、パネルを4分割構造とすることで、施工の効率化と運搬の容易さを実現させた「縦格子テトラフェンス」を上市した。また、従来製品から枠体を廃止することで使用材料を軽減し、施工性を向上させた「機械式駐車場向けフェンスⅡマスフィーノ」を、立体駐車場工業会の基準に準じた製品として上市した。さらに、当社の主力製品であるメッシュフェンス「G10」及び「めかくし塀V型」の施工性を高める新金具を上市した。加えて、IoT技術を活用した外構製品の開発や、積雪地に対応した新しいフェンスの開発にも積極的に取り組んでいる。

総物・アグリ関連事業:物流資材関連製品は、労働力不足が深刻な問題となっている物流現場において、作業の効率化のために増加しているパレット包装を自動で行うストレッチ包装機の新製品を上市した。また、物流・生産現場、オフィスや店舗等、様々な現場でRFIDタグの活用が増加しているなかで、それぞれの現場における誤認識の課題解消に向けた透明電波遮蔽・吸収パネルを使用した製品展開を進め、「BOXタイプ」や「パーテーションタイプ」の他、アンテナ、リーダー・ライターをセットにした「ウォークスルーゲート」システムの開発を推進した。アグリ関連製品は、被害が深刻化している獣害対策製品を強化し、単木保護資材の強化タイプの開発を進めている。農業分野では、異常気象・高温化に対して支柱表面の温度上昇を抑えるホワイト支柱シリーズの品揃えを拡充した。

 民間分野に係る研究開発費は352百万円である。